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産学共同の研究開発体制でお客さま満足重視の製品

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産学共同の研究開発体制でお客さま満足重視の製品
産学共同の研究開発体制でお客さま満足重視の製品開発を実践
「我が社は、市場と顧客に対し、常に第一級の商品とサービスを創造し、日本および海外市場に広く提供することによっ
て、人類の豊かな生活の実現に寄与する」
と社是に掲げています。赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人びとの快適な生
活のために、不織布と吸収体の加工・成形技術を製品開発力の源泉として技術革新による新たな価値の創造に日々取り組
んでいます。
また、このような価値創造活動に加えて、大学の各研究機関との産学共同の研究活動を推進するなど、お客さまの満足
を高めるような高機能・高付加価値の製品を開発するためのさまざまな取り組みを行っています。
今回の報告書では、このような産学共同の研究活動から生まれた製品をご紹介します。
あせもの発症と細菌の関係を実証し、ベビー用紙オムツで新提案
赤ちゃんの
“あせも”
の発症率は夏場には60%にも達し、赤ちゃ
んの痒みや不快感とともに、お母さんにもシャワー・着替えあるい
は薬の塗布など大きな負担がありました。
そこで、当社の生活科学研究所は、夏場の乳幼児に発症しやす
「汗吸いとる抗菌シート」
↓
い皮膚疾患の一つである
「紅色汗疹(こうしょくかんしん=あせも)
」
のメカニズムを、徳島大学医学部と産学共同で研究しました。その
結果、多量に発生する汗内成分により表皮ブドウ球菌が急増し、あ
せも発症の要因となることを解明しました。
そして、この研究成果をもとに、乳幼児と母親の汗疹発症に伴
う不快感と負担の改善を目指し、ベビー用紙オムツ『ムーニーマ
ン 汗スッキリ』を開発しました。夏場に赤ちゃんがたくさんの汗
をかいても、
しっかり腰回りの汗を吸いとる
「汗吸いとる抗菌シート」
©DISNEY
『ムーニーマン 汗スッキリ』
が、赤ちゃんのお肌をサラサラに保ちます。また抗菌機能でシート
の表面を清潔に保ち、赤ちゃんとお母さんの夏の汗ケアに対する
負担軽減を図りました。
『ムーニーマン 汗スッキリ』をご使用いただいたお客さまから
ごく汗っかきですが、このオムツを使ったらおしりはさらさらつる
つるです」などの嬉しい声を頂戴しました。2007年4月には、さ
「非常に良い」と
「良い」を合わせて80%以上の高評価を得ました。 らにスピード吸収機能を備えた『ムーニーマン 汗スッキリ』を改良
また、
「本当にべたつきがなく、サラッとしている」、
「うちの子はす
3
新発売しました。
元気な高齢者向けの尿モレ対処品『ライフリー 吸水下着 スリ
大人用紙オムツの
「はきごこち」を研究し、
ムウェアTM』はこの研究成果をもとに開発されました。新開発の
下着感覚の尿モレケア製品を新開発
“尿モレ”
は、男女を問わず年齢を重ねれば誰にでも起こりうる生
伸縮する不織布「超うすストレッチ素材」を採用し、下着のような
を実現しました。身体にすっきりフィットするため
理現象の一つです。現在、60代女性の3人に1人、70代女性の2 “はきごこち”
人に1人が、尿モレを経験しているといわれます。男性では、50歳
オムツのような
“ごわごわ感”
がなく、洋服などのアウターにも響
以上のうち約60万人の方が、週1回以上ズボンを濡らすほどの尿
かないので、人に気づかれることがありません。また、より
“下着
モレを経験しています。
らしい”
見た目にもこだわりました。
しかし、これだけ多くの方が尿モレを経験しているにも関わらず、
元気な高齢者に最適な尿モレケア製品はありませんでした。
そこで、新しいタイプの大人用尿ケア製品の開発に向け、当社の
この商品を通じて、団塊世代を中心に増加が予想される元気な
高齢者の方々が、尿モレに臆することなく、自由で充実したセカン
ドライフを過ごすことができる社会作りに貢献してまいります。
生活科学研究所は、大人用パンツ型オムツの「はきごこち」に関す
る研究を、神戸大学と産学共同で行いました。
研究の結果、フィットギャザーや吸収体の部位よりも、その中間に
存在するお尻にあたる
“三角ゾーン”
のフィット性が
「はきごこち」
を良
くすることを解明しました。
フィットギャザー部
三角ゾーン→
←三角ゾーン
↑
吸収体部
『ライフリー 吸水下着 スリムウェアTM』
4
花粉曝露室での比較実験により、花粉の侵入を強力に遮断する
不織布立体型マスクを新開発
花粉症は、花粉が体内に一定の量以上に蓄積されることによっ
て、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状を引き起こすアレルギー
性疾患の一種です。日本人の約5人に1人がかかっている
“国民病”
といわれています。その一般的な対策としては、マスクを装着し
て花粉の侵入を防ぐことがあげられます。
マスクにはガーゼ型・プリーツ型・立体型などさまざまな種類が
あります。これらのマスクは、これまで、素材の花粉透過性によっ
て性能を評価されてきました。しかしながら、実際には装着した
時にできるマスクと顔のスキマの部分から花粉を吸入することが
多く、それを評価するには、人間が実際に装着して実験を行う必要
があります。
そこで当社は、スギ花粉飛散地域に居住するスギ花粉抗体陰性
者の健常成人ボランティアの協力を得て、マスクの性能について
花粉曝露室における各種マスクの比較実験を関西医科大学と産学
共同で行いました。その結果、
『ユニ・チャーム 超立体マスク』と
同じ不織布でできた立体鼻部形状保持型マスクのスキマ面積が最
『ユニ・チャーム 超立体マスク 花粉用スーパー』
小値を示し、花粉侵入シミュレーションの結果でも花粉の侵入が
最も少ないということがわかりました。
この研究結果をもとに、スキマのできやすい鼻部分に、鼻の形
に合わせて自由に変形する形状保持シート「ノーズフィット」を採
用し、フィット性を大幅に向上した『ユニ・チャーム 超立体マスク
花粉用スーパー』を開発・新発売しました。
曝露実験の様子
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