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第1回「ローソク足チャートの基本」

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第1回「ローソク足チャートの基本」
寺子屋チャート塾
第1回【ローソク足チャートの基本】
チャートとは過去の株価の動きを示したものですが、そこには「未来」を暗示
する重大なメッセージが隠されています。このメッセージが株式投資を行う上
での貴重な判断材料となるのです。 チャートは山あり谷あり、大小さまざま
な波で構成されていますがチャートで大切なのは、その波が織り成す全体の形
です。過去を知りたければ、単に数字を見ればいい訳ですが、数字の羅列を見
るのと、チャートにした形を見るのとでは受ける印象がまるで違ってきます。
形として見た場合、「この株価は紆余曲折がありながらも上昇して来ている」
あるいは「上昇前の株価まで戻りたいかのようにダラダラと下がってきている」
といった、相場の気持ちのようなものをありありとイメージすることができま
す。この「イメージできる」ということが、株価の過去を知るとき、そして将
来を予測する時にチャートが使われる所以でもあります。
「チャートには、全ての要因が一切合切、織り込まれている」ということが第
一の前提となっています。政治、企業業績、為替動向、景気対策、災害といっ
た様々な要素も、市場参加者の思惑も、全て飲み込んでチャートは出来て行く
という考え方です。適切な売買のタイミングを計る上では、その銘柄の株価が、
今どの位置(高値圏、中段、安値圏)にいるのか、今どちらの方向に行きたが
っているかを知っておく必要があります。それを知ることが株価チャートを読
む意味ともいえます。
「将来を予測するには、まず過去を知れ」とはよく言われることですが株価の
場合でもこれからの動きを推測するなら、まず、過去の値動きを知ることが大
切です。もちろん、過去を知ったからといって何もかも予測が的中するわけで
はありません。しかし、チャートは投資家心理の縮図です。経済状況などのフ
ァンダメンタルは投資家心理に影響し、投資家心理は株価に影響します。チャ
ートは投資家の心理をも映し出しています。そうした投資家心理は過去も現在
も変わることはありません。経済状況などのファンダメンタルがどうであれ過
去の天井圏あるいは大底圏での株価の動きを知ることは必ずや役に立ちます。
寺子屋チャート塾では数有るチャートの中で最もポピュラーに使われているロ
ーソク足チャートを使って進めて行きたいと考えております。
まずはチャート分析をする上で必要となる知識を習得して頂きたいと思います。
「株価の基本」
【始値:はじめね】市場が開く午前9時から最初に取引が成立したときの株価
【高値:たかね】 その日、売買が成立した中で最も高い株価
【安値:やすね】 その日、売買が成立した中で最も低い株価
【終値:おわりね】市場が閉じる午後3時の大引け(おおびけ)前に最後に売
買が成立した時の株価
始値、高値、安値、終値の4つを「4本値(よんほんね)」と言い、その日の株
価の動きを読むための基礎データであり又ローソク足を書く時の重要なデータ
となります。4本値はこの「1日の4本値(日足)」だけでなく、「1週間の4
本値(週足)」
「1ヶ月の4本値(月足)」
「1年の4本値(年足)」も大切なデー
タです。一定期間の最初の株価が始値、最高値が高値、最低値が安値、最後の
株価が終値となります。
「ローソク足」
◆ 株価の始値・高値・安値・終値の4本値を一つの形にまとめたものがローソ
ク足(陰陽足)です。ローソク足は、実体の部分と「ヒゲ(影)」と呼ばれ
る上下に伸びた線によって構成されています。実体は「始値」と「終値」を
示し、上に伸びたヒゲは「高値」、下に伸びたヒゲは「安値」を示します。
始値よりも終値が高かった時(株価が上昇した時)には実体の色は白(赤く
塗る場合もあります)になり、陽線(ようせん)と呼びます。反対に終値が
始値よりも安かった時(株価が下落した時)には実体の色は黒くなり、これ
を陰線(いんせん)と呼びます。実体の大きさは始値と終値の差の大きさを
表し相場の強さを示します。ヒゲを含めた全体の長さはその日、週、または
月にどれくらいの幅で株価が動いたのか、その範囲を示すことになります。
新聞の株式覧に始値、高値、安値、終値が載っていますので、時間のゆとり
の有る方にはぜひとも日足チャートを自分の手で書く事をお勧めします。な
ぜなら自分で書くと理解が深まるからです。
「ローソク足の書き方」
陽線
終値が始値よりも高い場合
陰線
終値が始値よりも安い場合
陽線の場合、その実体が長いほど買い勢力が強く、反対に陰線の場合は実体の
長さが売り勢力の強さを示しています。実体の長い陽線が出現したときには、
その長さの分だけ買い勢力が強いと判断でき、その次にも陽線が出る可能性が
高くなります。また、実体がほとんどない時には、売りと買いの勢力が拮抗し
ている状態であり、相場の転換点となる場合が多いものです。ただし、実体の
長い陽線であっても、上ヒゲが長いときには、上値に売り勢力が控えているた
め、その売り勢力が途切れるまで株価が足踏みするか、売り勢力に押されて株
価が下がる可能性が高いといえます。反対に、下ヒゲが長い場合は強い買い勢
力の存在を見てとれます。また、ヒゲが短い、あるいは、ない場合は相場の方
向性に迷いがない、と判断されます。
※実体やヒゲについて「長い、短い」の判断の規定は特になく、
「通常時に比
べて」というくらいの意味と理解してください。
上の図がローソク足チャートです。上昇中なのか下降中なのかが一目瞭然です。
これがローソク足チャートの最大の利点なのです。
この1本のローソク足それぞれに意味が有り、以下に基本的な解釈を明記して
おりますのでぜひとも習得して下さい。
色々有るローソク足の形と意味
【陽の丸坊主】
極めて買い意欲が強い線。
線
【陰の丸坊主】
極めて売り圧力が強い
【陽の寄付き坊主】
【陰の大引け坊主】
買い意欲は強いものの
上値には売り圧力がある
売り圧力が強く上値には
抵抗がある
【陽の大引け坊主】
【陰の寄付き坊主】
買い意欲が強く
下値にも買い支持がある
売り圧力は強いものの
下値には買い支持がある
【陽のコマ】
【陰のコマ】
強持ち合い
弱持ち合い
【上影陽線】
やや弱い線
買い優勢ではあるが
上値では売り圧力が強い
【上影陰線】
かなり弱い線
買いが入るも続かず
押し戻され結局下落
上影陽線
【トンカチ(かなずち)】
売り圧力が強い
上影陰線
【トンカチ(かなずち)】
売り圧力が強い
【下影陽線】
【下影陰線】
かなり強い線
売りが出るも買い圧力の
方が強く高値圏で引ける
やや弱い線
売り優勢ではあるが
下値に買い支持がある
下影陰線
【カラカサ(首吊り)】
下影陰線
【カラカサ(首吊り)】
たぐり線
買い意欲が強く
下位に出れば買い
たぐり線
買いが続かず
上位に出れば売り
寄引同時線
【トンボ】
寄引同時線
【トウバ】
売り買いが拮抗し
転換を暗示する
上位に出れば
一相場の終わり
を意味し売りサイン
となる
上記の様に様々な形をしたローソク足の1本一本に投資家心理が凝縮されてい
ると言えます。一本のローソク足には、日足ならその日の全ての情報が、週足
ならその週の全ての情報が含まれていると言われています。しかし 1 本のチャ
ートで投資判断を下すには決定力不足は否めません。
そこで先人達は数本のローソク足を組み合わせる事で確率を高めようとし、多
くの買いシグナル・売りシグナルと言われる組み合わせパターンを考え出した
のです。チャートとはあくまでも確率の問題であり、100%では有りませんが、
株式投資を行う上では非常に大きな武器に成る事は間違いありません。チャー
トを分析する為に必要なある程度の基礎知識を学習しその後多種多様な応用編
へと進めて行く予定にしております。何事でもそうですが一番大事な事は常に
基本の反復練習を繰り返す事だと思います。基本がしっかりしていてこそ応用
する事が出来ます。寺子屋チャート塾では常にその精神を忘れずに取り組んで
行きたいと考えております。
第1回
終了
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