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中国が主要港湾において硫黄分0.5%上限を導入

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中国が主要港湾において硫黄分0.5%上限を導入
Gard Alert
中国が主要港湾において硫黄分0.5%上限を導入
こちらは、英文記事「China introduces 0.50 per cent sulphur cap in major port regions」(2015 年 12 月 14 日付)の
和訳です。
中国は、国内 3 か所の排出規制海域を定めるとともに、船舶からの大気汚染物質排出に関する規則を段
階的に強化することを発表しました。新しい規則は 2017 年 1 月 1 日より実施されますが、重要港では
早ければ 2016 年 1 月 1 日から当該要件を義務化することができます。
2015 年 9 月、中国交通運輸部は、国内のいくつかの主要港において硫黄分と窒素酸化物の排出を最大
65%削減することを目標とした 5 か年計画、Ship and Port Pollution Prevention Special Action Plan (20152020)(船舶および港湾の汚染防止特別行動計画)を発表しました。最近発令された規則において、珠
江デルタ、長江デルタおよび環渤海海域が中国国内の排出規制海域(ECA)に指定され、ECA における
燃料油の硫黄分上限値が 0.5%に設定されましたが、この規則は、上記目標を達成するための重要なス
テップであると考えられます。
中国新規則の要点
1)
新規則は、軍用船、漁船およびスポーツ目的の船舶・ボートを除く、ECA 内で航海、停泊および運
航するすべての船舶に適用されます。
2)
ECA 内の 11 か所の港湾が重要港として指定されました。
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‧
珠江デルタの広東省深圳、広州および珠海
長江デルタの上海、寧波市舟山、蘇州および南通
環渤海海域の天津、秦皇島、唐山および黄山
3)
2017 年 1 月 1 日より、11 か所の重要港に寄港する船舶は、バース内では硫黄分 0.5%以下の燃料
を使用しなければなりません。バースに着桟後 1 時間以内に適合油に切替え、離桟の 1 時間前まで
適合油を使用する必要があります。2018 年 1 月 1 日からは、同要件の適用範囲は ECA 内のすべて
の港湾に拡大されます。
4)
11 か所の重要港においては、早ければ 2016 年 1 月 1 日から当該要件を義務化することが可能で
す。しかし、われわれの得た情報では、上海と広東省深圳を除くほとんどの港湾は 2016 年内によ
り厳格な要件を実施することはなさそうです。その一方で、中国海域に入域する船舶は、現在の国
© Gard AS
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際的な燃料油硫黄分上限を 3.5%と定めた MARPOL 条約付属書 VI 第 14 規則を引き続き遵守する必要
があります。
5)
2019 年 1 月 1 日以降、ECA 内を運航する船舶は、硫黄分が 0.5%以下の燃料を使用しなければな
りません。燃料油切替え作業は、ECA への入域前、ECA からの出域後に開始しなければなりませ
ん。
6)
中国当局は、排出削減面において同等以上の効力を備えた代替手段(陸上電力の使用、排ガス浄化
スクラバー、クリーン燃料(LNG)など)による遵守も認めるものと思われます。
7)
中国当局からは、当該要件の実施・施行方法に関する公式なガイダンスが提供されていません。国
内 ECA として 3 つの海域が指定されたものの、ECA について、新規則と MARPOL 条約付属書
VI との間には直接的な関連性はありません。
8)
現行の規則は硫黄酸化物のみに適用され、現段階では窒素酸化物の排出に適用される要件はありま
せん。
9)
中国政府は、2019 年末時点で、将来さらに厳格な燃料品質要件を課すべきかどうかを決定する予
定です。硫黄分上限の 0.1%へのさらなる引き下げが検討されています。
Gard のコレスポンデントである Huatai Insurance Agency & Consultant Service Ltd.(華泰保険経紀
有限公司)発行の 2015 年 12 月 11 日付サーキュラー No. PNI1510 に、新規則と、3 か所の指定 ECA
の地理的境界に関する詳細情報が地図付きで提供されています。
推奨事項
上記内容を踏まえて、中国に寄港予定のある船舶に対して、適切な指示を与えるようにしてください。
新規則への遵守を確実にするために、燃料補油戦略と燃料油切替え手順を点検・見直しを行うとよいで
しょう。重要港によっては、早ければ 2016 年 1 月 1 日からより厳格な要件を実施する可能性があるた
め、入港前に十分余裕を持って、船舶代理店や港湾当局に港湾要件を確認しておくことを推奨いたしま
す。
ECA 内において検査の強化が見込まれることから、以下を実施するようにしてください。
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‧
船舶の入出港の日時、燃料油切替え作業の開始・終了時刻をその都度なるべく早く記録し、検査
時にすぐに提出できるようにしておくこと。
補油された低硫黄燃料油のバンカー・デリバリー・ノート(BDN)と代表サンプルを取得・保
持しておくなどして、購入した燃料油の品質を書面で証明できるようにしておくこと。
同様の要件が 2015 年 7 月 1 日より香港で実施されています。2015 年 3 月 23 日付の Gard Alert「香
港、新たな低硫黄規則を導入」をご覧ください。
本 Alert は、Huatai Insurance Agency & Consultant Service Ltd.(華泰保険経紀有限公司)および Hai Tong &
Partners 法律事務所(海通律師事務所)からの情報を参考に作成したものです。
本情報は一般的な情報提供のみを目的としています。発行時において提供する情報の正確性および品質の保証には細心の注意を払って
いますが、Gard は本情報に依拠することによって生じるいかなる種類の損失または損害に対して一切の責任を負いません。
本情報は日本のメンバー、クライアントおよびその他の利害関係者に対するサービスの一環として、ガードジャパン株式会社により英
文から和文に翻訳されております。翻訳の正確性については十分な注意をしておりますが、翻訳された和文は参考上のものであり、す
べての点において原文である英文の完全な翻訳であることを証するものではありません。したがって、ガードジャパン株式会社は、原
文との内容の不一致については、一切責任を負いません。翻訳文についてご不明な点などありましたらガードジャパン株式会社までご
連絡ください。
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