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コンセント制度導入に関する意見書

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コンセント制度導入に関する意見書
平成25年9月13日
特許庁 審査業務部
課長 林 栄二 様
商標課
日本弁理士会
商標委員会(第1委員会)
委員長
神林 恵美子
コンセント制度導入に関する意見書
Ⅰ.はじめに
1.昨今の状況
昨今、つまり、平成25年(2013年)になって、知財を取巻く環境に大
きな動きがあった。TPP(環太平洋経済連携協定)への現政権の交渉参加表
明である。平成25年6月時点でのTPP協定交渉参加国は11か国であるが、
そのうち、米国、カナダ、オーストラリア、シンガポール、チリ、ニュージー
ランド、ベトナム、ペルー及びチリにおいては、既にコンセント制度が導入さ
れている。
知的財産制度に関しても交渉の中でどのようなまとまりとなるかは現時点で
は不確定ではあるが、TPP参加あるいはFTA締結の可能性を念頭に、国際
的制度調和及び需要者ニーズの観点からも、早急にコンセント制度導入に向け
ての再検討が必要である。
なお、平成23年度から平成24年度にわたり、日本知的財産協会との合同
テーマとして、コンセント制度につき検討したので、各年の答申書をご参考ま
でに本書に添付する。
2.コンセント制度とは
コンセント制度は、引用の商標を所有する先登録商標権者の同意があれば、
それと類似する商標を他人に登録することを原則として認める制度をいう。我
が国では、類似商標の分離移転等が認められた平成8年法改正時にコンセント
制度の導入が検討されたが、主に審査が長期化するという理由で認められず(平
成8年改正 工業所有権の解説
発明協会発行 90乃至91頁参照)、現在
も当該制度は採用されていない。
「商標が類似するが混同は生じない」という取引実情を考慮するコンセント
制度は、ユーザーニーズの観点や国際調和の観点から、我国商標制度にも取り
入れるべきと考える。
3.諸外国における導入状況
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コンセント制度は、 2009年SCTの各国へのコンセント制度に関する
アンケート調査結果等より、明らかな通り、カナダ、米国、ブラジル、メキシ
コ、ペルー、ニュージーランド、オーストラリア、フィリピン、台湾、シンガ
ポールなどの環太平洋国家 やロシア、ノルウェー、スウェーデンなどのヨー
ロッパ諸国、オーストラリアなどのオセアニア諸国他、数多くの国々において、
採用されている。
ただし、国によって先登録商標の商標権者の同意書があっても登録されない
場合もあるなど狭義の定義や完全型 留保型など制度詳細は異なる。
4.これまでの議論の経緯
コンセント制度の導入に関しては、国際調和やユーザーニーズの要請から、
これまで産業構造審議会 知的財産政策部会 商標制度小委員会はじめ知財関
係部門で平成14年頃から審議されてきた。
前記商標制度小委員会「商標制度の在り方について」の議論の中でも、審議
会では、完全型コンセント制度 留保型コンセント制度等について各界の意見
や検討もなされている。因みに特許庁は「審査基準の改訂によって、運用によ
る対応を提案」した。そして平成19年からの取引実情説明書による取引実情
参酌による審査が行われた。ただこの取引実情説明書による出願人側の対応は
依然利用が少ない。
Ⅱ 現状分析
1.取引実情説明書の欠点等
上述の通り、平成19年より取引実情説明書が提出された場合は、これを参
酌するとの審査が開始された。しかしながら、以下の理由により同制度の利用
頻度は皆無に近い。
(1)使用の要件
取引実情説明書の利用においては、商標権者及び出願人の両者が共に商品又
は役務の取引を行っていることが必須条件となっている。これは「両者のどち
らかに実際の取引実情がない場合は、両者の比較をなし得ないことから、参酌
すべき資料としての有用性に欠ける」ことが理由とされている。
しかしながら、出願人側の使用に関しては、一般に権利侵害のリスクがある
ことを考慮する必要がある。つまり、通常は他人の商標権を侵害する可能性の
ある商標を、そのリスクを侵してまで継続して使用することは出願人としても
避けたいところであり、出願中の商標の使用を前提とすると、後願出願人が負
うことになるリスクが高過ぎると考えられ、現実的ではない。本取引実情説明
書が引用商標権者により説明されることを前提としている点を考慮すれば、な
おのことである。また、商標権者が商標不使用である場合も十分想定され得る
が、そうすると本取引実情説明書は利用できない。
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このように、商標権者及び出願人両者の商標の使用を条件とすると、本説明
書を利用できる場面は極めて限定されると言わざるを得ない。
出願人の使用に関しては、使用計画書(商標のロゴ、商品、商品への表示態
様等)に基づく検討を容認することも考えられるが、審査段階で商標の使用態
様を制限することは制度上無理がある。
②取引実情説明書が利用できる場面は、類似すると推定される指定商品・役務
の全てについて、取引の実情の説明及び証拠が提出され、それらを総合的に考
慮した結果、両者の商標又は指定商品若しくは指定役務が類似しないと判断し
得る場合に限定される。
出願に係る指定商品と類似する登録商標に係る指定商品が複数有るときは、
全ての商品についての取引の実情の説明及び証拠の提出が必要となる。例えば、
出願に係る指定商品が30類「菓子」で、登録商標に係る指定商品が30類「菓
子 パン サンドイッチ 中華まんじゅう ハンバーガー ピザホットドック
ミートパイ」の場合が考えられるが、この場合、商標権者は、
「菓子」のみなら
ず他の指定商品の各々について取引実情を説明しなければならない。また、こ
の場合商標権者等が「菓子」に関しては使用しているが、他の類似する指定商
品について使用していないときは、本取引実情説明書は利用できない。
(2)明らかにすべき「取引の実情」について
①取引の実情を説明するには、比較する商品・役務の「生産・販売部門」、「原
材料及び品質」、「用途」、「需要者の範囲」、また「役務の提供の手段」、
「役務の目的」、「役務の提供場所」、「役務の提供に関連する物品」等の各
項目を詳細に説明する必要があると考えられる。
この点、商品・役務に関する一般的・恒常的な取引実情が考慮されるのか、
それとも出願人と引用商標権者が使用する個別具体的な商標・商品間の取引実
情が考慮されるのか、特に明示されておらず不明である。少なくとも、一般的・
恒常的な取引実情において各項目に共通性があると判断され得る場合は、積極
的に個別具体的な商品・役務間の取引実情を明らかにし、各項目の相違点を裏
付ける客観的な証拠を提出する必要がある。また、各項目の説明は漠然とした
ものでは足りず、審査官が両商品の特徴や商品の販売状況等を具体的にイメー
ジできる程度に、出来る限り詳細かつ丁寧に説明する必要があると考える。
②そして、比較する各項目につき、どの程度の割合で(何項目において)相
違が認められれば商品等が非類似であると判断され得るかについては、
「総合的
に判断する」としているのみで特に明示されておらず不明ではあるが、仮想事
例で議論したところ、個別具体的に検討せざるを得ないと考える。
例えば、役務の提供の比較においては、その性質上、提供場所(「コーヒーを
主とする飲食物の提供」と「すしの提供」、「ピザを含むイタリア料理の提供」
と「沖縄料理の提供」)すなわち地理的な棲み分けがされやすく、飲食店が複数
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店舗を展開していない、地域が明らかに異なるといった要素があれば、需要者
層が一致したとても、必ずしもそのことによって役務の非類似を否定されない
と思われる。むしろ「飲食物の提供」については、我が国の食文化の豊かさか
らすれば、需要者の範囲が原則共通することとなってしまうので、需要者の範
囲の共通性は大きな決定要素とならないと考えてよいと思われる。
これに対して、例えば、日用品(スーパーやドラッグストア等で手に入る食
品や薬品)については(「米飯の缶詰」と「スパゲッティの麺」、「宮城県産米
酢」と「韓国産ざくろ酢」、
「胃腸薬」と「殺虫剤(農薬に当たるものを除く。)、
販売場所・需要者層の相違を説明するのは基本的に困難であると考えられ、そ
うすると、商品の原材料・用途等において相当な差異が見出せない限りは、商
品間の非類似は肯定されない可能性が高い。
(3)グループ会社間
上述の使用の要件をクリアできる場合は、現実的には商標権者及び出願人の
両者が共に商品又は役務の取引を行っていても問題が生じない(権利侵害の紛
争が起こらない)場合として想定できるのは、両者が親子・グループ会社の関
係にある場合が挙げられる。実際、過去に取引実情説明書が提出された例とい
うのは、この場合に該当していた。
しかしながら、この点について、平成24年度に検討した仮想事例10(引
用登録商標の商標権者は純粋持株会社で出願人はその 100%子会社に該当し、両
者は、親子関係にある)で検討を行ったが、本取引実情説明書においてかかる
実情は考慮される余地はないとの結論に至った。
(4)その他
①商品をできる限り限定して明確にする必要があるが、現状においては、指定
商品を限定する手続きは容易ではない。例えば、第9類「電気通信機械器具」
を「携帯電話機」に限定するためには、
「一部放棄に係る指定商品」を「電気通
信機械器具(但し携帯電話機を除く)」と記載した「商標権の一部末梢登録申請
書」を提出するが、その結果、当該登録商標の指定商品は、
「電気通信機械器具
(但し電気通信機械器具(但し携帯電話機を除く。)を除く。)」と記載されるこ
ととなる。
言い換えれば、マドプロでの登録を除き、
「~に限定する」とする商品・役務
の放棄手続きがそもそもできないため、取引実情説明書を利用できるような状
態に指定商品を一部放棄、補正等することは困難である。
出願商標にかかる商品が上位概念の商品であれば、現実に使用する商品に即
して減縮補正をすることが可能である。しかし、既に登録された引用商標につ
いては、限定するという形での商品・役務の減縮補正をする手段がない。
②ひな型がなく、認められるか認められないかについての予測可能性に乏しい
ため、その使用を検討すること躊躇してしまう(アサインバックの方が確実で
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予測可能性が高い)。
出願人に依頼して取引実情説明書を用意してもらい提出したが採用されなか
った場合、代理人・依頼者間の信頼関係への影響が考えられる。
(5)まとめ
以上の通り、取引実情説明書は、利用可能な場面が極めて限定されるため、
コンセント制度に代わる制度と言えるものではない。
2.アサインバック手法
コンセント制度が認められていない現状下では、出願中の商標を先行権利者
にいったん譲渡し、登録後にその権利を再譲渡してもらうこと(「以下、アサイ
ンバックという。」)という手法が用いられている。しかしながら、下記のよう
な種々の問題点(特に、本来登録できる乃至はすべき商標が拒絶されるおそれ)
があり、コンセント制度の導入が好ましい。
(1)二回にわたる譲渡手続の煩雑さ
アサインバックでは、いったん商標登録出願を先行権利者に譲渡し、その商
標登録出願が登録された後、再度、元の権利者(当初の出願人)に譲渡しなけ
ればならず、譲渡、再譲渡と二度の譲渡手続きを要し、手続きが煩雑となる。
特に、先行権利者に二回の譲渡手続きの負担を強いることになり、しかも、譲
渡手続き完了までに時間がかかる上、企業内決済を得ることも困難であるため、
協力が得にくい場合もある。
更に、アサインバックでは、譲渡、再譲渡と二度の譲渡手続きを要すること
になるため、譲受人にとって二度の譲渡費用を負担しなければならず、費用負
担が大きくなる。
(2)拒絶・無効理由を内包
①商標登録出願を先行権利者に譲渡した時点で、厳密に言えば当該出願は商標
法第3条1項柱書違反となり拒絶・無効理由を内包することとなる。再譲渡の
段階で、その拒絶・無効理由が解消されるわけではないので、譲受人はリスク
を負うことになる。昨今、平成24年(行ケ)第10019号審決取消訴訟事件
のように、商標法第3条第1項柱書違反が無効審判で争われる事件が散見され
ている。
② 出願した商標が、分離観察できる構成で自己の登録商標と他の要素とから
なり、その他の要素が他人の登録商標に類似した場合には、譲渡により、自己
の登録商標に基づいて拒絶されるおそれがある。
(無論、一旦登録商標を全て譲
渡すれば対応可能であるが、費用が高額となるおそれがある。)
出願された商標が、同様の場合に登録商標が周知・著名商標である場合には、
商標法第4条第1項第11号乃至は同第15号で拒絶されるおそれがある。
(無
論、意見書で事情を述べれば、拒絶を回避できるかもしれないが、無用の応答
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が必要となる。)
③近年、特許庁は商標法第4条第1項第6号の適用に積極的であるが、同第2
項の規定で出願が認められている者が出願した場合に、譲渡すると当該規定で
拒絶されるおそれがある。
(3)コンプライアンス上の問題
アサインバックは所詮、迂回手続であり、コンプライアンス上のリスクを感
じながら処理しなければならないことから、譲受人も先行権利者もアサインバ
ックの利用を躊躇する可能性がある。
また、
「先登録商標の一時名板貸し」による返却を条件とする同一名義人登録
であるので、返却後の需要者の保護に関する審査がなされない状況下の登録で、
返却を知りながら登録することは商標法の精神に合うのかどうかも曖昧である。
(4)外国では理解されない制度
我が国においてアサインバックを利用する場面において、諸外国においては、
コンセント制度を利用することが一般的であるので、外国では我が国独特のア
サインバック制度は理解されにくく、諸外国との間で摩擦を生じる原因にもな
りかねない。
(5)アサインバックが利用できないケース
①マドプロ出願の場合、引用された先行権利者がマドプロの権利者適格を有し
ない場合は、マドプロ出願を先行権利者に譲渡することができない。これを回
避するために、先行権利者の引用登録商標をマドプロの出願人に譲渡する逆パ
ターンで対応するしかないが、先行権利者は、かかる引用登録商標の譲渡を躊
躇して交渉成立はむずかしくなる。
②出願した商標と類似する登録商標が複数存在し、それぞれ異なる商標権者に
属する場合に、アサインバックでは対応できない。
(6)財務上の問題
商標権は財産権であるため、アサインバックによる商標権の譲渡でも資産譲
渡にあたることとなり、対価を無償とした場合には、国税局から利益供与に該
当するとみられるリスクがある。また国際間のアサインバックとなると、両国
での税制に照らして適正な額とはいくらなのか、対価の算定が困難なケースが
考えられる。
(7)グループ会社間の問題
親会社と子会社のようなグループ会社間にあっては、コンセント制度があれ
ば、簡単に処理できる場合であっても、現状では、アサインバックを利用せざ
るをえず、煩雑な手続を強いられることになる。
Ⅲ制度導入に向けて
以上の通り、現行の取引実情説明書にしろアサインバックにしろ、様々な問
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題点を内包しているため、コンセント制度に代わり得るものとは、言えない。
そこで、以下の観点を踏まえたコンセント制度の導入を提言する。
1.商標法第4条第1項第11号との関係
コンセントが提出されたからと言って、出願商標と引用商標の類似性が即座
に否定されることにはならない。しかしながら、同号の「類似」という概念は、
登録主義下で未使用の出願商標を審査するために、出所混同が生ずる流動的な
範囲を類似という画一的な範囲と擬制するために導入された概念に過ぎない。
また、類似であっても出所混同が生じないのであれば、取引秩序を害すること
はなく、法目的に反するおそれもない。
引用商標の商標権者がコンセントを提出する場合は、出願商標と引用商標間
では出所混同が生じないと判断した、あるいは出所混同が生じないような措置
を講じた併存契約書が存在する場合に限られると考えられる。そうであれば、
出所混同を生じないことを前提とするコンセント制度を商標法第4条第1項第
11号の例外として運用する、あるいはコンセントが提出された場合は本願商
標と引用商標が類似しないとすることは問題がないと考えられる。
2.出所混同
当事者(出願人及び引用商標の商標権者)間で出所混同が生じないと判断し
てコンセントが提出された場合であっても、客観的にみて、なおも出所混同が
生じるおそれがある場合には、商標法第4条第1項第15号で処理すべきと考
える。取引秩序を維持するためには、当事者間で合意していても、出所混同は
防止すべきだからである。
この意味では、いわゆる「完全型」ではなく、
「留保型」のコンセント制度導
入となる。この場合、コンセントが提出された後に、改めて商標法第4条第1
項第15号に該当するとする拒絶理由通知を出すのでは増々の審査遅延につな
がるため、最初の拒絶理由通知において、
「商標法第4条第1項第11号に該当
しない場合であっても、商標法第4条第1項第15号に該当する」と言った趣
旨の文言を盛り込むのが望ましい。
3.一物一権主義
コンセント制度に基づき、先願先登録の商標と同一の商標につき、同一の商
品・役務についての登録を認めた場合には、民法の大原則である一物一権主義
に反する結果となる。そこで、完全同一の範囲については、コンセントが提出
されたとしても登録を認めるべきではない。これは、完全同一の範囲であれば、
必然的に出所混同が生ずることとなるため、出所混同防止による需要者の利益
保護にも供することとなる。
なお、
「完全同一」をあまり厳密に捉えると、実質的に制限の意味がなくなる
ため、商標についてはこれを第50条第1項にいう「社会通念上同一」の範囲
とするのが適当と考える。他方、商品については、例えば「携帯電話機」と「電
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気通信機械器具」であれば、後者は前者を包含する概念であるため、同一性あ
りと判断されるべきである。
4.需要者の利益の保護
当事者間では、出所混同が生じないと判断してコンセントを提出しても、そ
の後の状況変化等により、出所混同が生ずることとなった場合、一定の商標を
使用した商品又は役務は一定の出所から提供されるという取引秩序を害し、需
要者利益を阻害することとなる。したがって、コンセント提出により登録され
た商標については公報にその旨を掲載する、商標法第52条の2と同様な取消
制度を設ける、出所混同防止措置を可能ならしめる等が望ましい。
5.審査の遅延にならないような手当
現行のアサインバックや取引実情説明書による場合でも、審査遅延は発生し
ている。しかしながら、早期権利化は、出願人の恒久的要請であるため、十分
に配慮すべき事項と考えられる。例えば、拒絶理由通知を待たずとも、コンセ
ントの提出を可能とするなどの方策が考えられる。
また、同意書の有効範囲の基準を定立し、コンセントレターを定型化するな
ど、利用者にとって分かり易い制度とする必要がある。
6.調査のための情報開示
コンセント提出により商標が登録された場合は、類似関係と考えられる商標
の併存が発見されることになる。調査の際の商標の類否判断に資すべく、コン
セント提出により登録された場合はその旨の情報を例えばIPDL上に開示す
る等、情報開示が望ましい。
7.その他
なお、本書では、類似範囲と出所混同範囲は、必ずしも一致しないという前
提で議論を進めたが、この議論をさらに進めて、出所混同が生じない範囲と類
似しない範囲とは必ず一致するはずだという考え方もある。この考え方によれ
ば、商標法第4条第1項第11号に基づく拒絶理由に対してコンセントが提出
され時点で、改めて審査官が混同の有無につき審査し、出所混同のおそれがな
ければ非類似として商標法第4条第1項第11号に該当しないとして処理し、
一方、出所混同のおそれがあれば類似として商標法第4条第1項第11号に該
当するとして拒絶査定をするという流れになる。
添付資料
資料1:コンセント制度に関する平成23年度第 2 商標委員会答申書
資料2:コンセント制度に関する平成 24 年度第 2 商標委員会答申書
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