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大学だより - 富山大学
仰岳会会報 第44号 大学だより 《退任教員の挨拶》 工学部長退任のご挨拶 機械知能システム工学科 教授 石 原 外 美 (機械 昭和48年度修了) 同窓生の皆様には,益々ご ました.(4)減少する教員数に対処するため,優 清栄のことと,お喜びを申し れた教育・研究業績をあげられた退職教員に工学部 上げます. フェローの称号を授与することにより,学部の発展 さて,小生,平成23年4月 を支援していただくための仕組みを作りました.現 1日に富山大学工学部長に任 在5名の工学部フェローが誕生しています. (5) じられ,本年,平成25年3月 特筆すべきは,平成24年度の補正予算によって,長 31日をもって任期満了し,退 年の懸案であった総合研究棟(工学系)の新築が認 任致します.この間,同窓生の皆様から,本学部の められたことです.総フロアー面積,約6200㎡,4 教育・研究活動に対し,多大なご支援を賜りました 階建の総合研究棟(工学系)の新築工事が本年8月 ことに対し,厚く御礼を申し上げます.小生,定年 から始まり,来年3月までに終了する予定です.完 退職まであと1年の勤務を残しておりましたが,ご 成が待ち望まれるところです. 縁があり,本年3月31日をもって富山大学工学部を さて,本工学部では,昨年末から本年度末の間, 退職し,4月1日より富山高等専門学校の校長とし 工学部の使命を再定義するための事業に取り組みま て転出することになりました.思えば,昭和49年4 した.これは文科省の強い意向によるものです.そ 月1日に富山大学助手工学部に採用され,本年3月 の中で,本学部の強いところ,弱いところが明らか 31日まで,39年間の長きにわたり富山大学工学部に になり,富山大学工学部の将来戦略として,以下の 勤務させていただきました.これも,ひとえに多く 4つが重要であるという認識に至りました.これら の方々からのお力添えがあったためであり,ここに は,(ア)数学,理科,情報等の高校教員免許を工 厚く感謝申し上げます. 学部でも出せるよう, 教育カリキュラムを準備する. 学部長在任中に,多くの方々のご支援・協働のも これにより工学系人材養成の厚みを増やすことが期 とに達成した事業として,以下の事業が挙げられま 待できます. (イ)専門力に加えて管理力,並びに す.まず, (1)学生諸君,並びに若手教員の国際 コミュニケーション力を身につけた人材を養成し, 性を育むために,海外で開催される国際会議への出 社会の要請に応える.(ウ)富山県内,また隣県に 席,並びに在外研究を促進するための制度を作りま 所在する他大学との連携を強化・促進する. (エ) した.本制度を利用して,2年間で4名の若手教員 防災,建設に対応できる人材を養成するために,富 が海外における研究活動に従事しております.次に, 山大学の他部局との連携を強化する.今後,以上の (2)学際研究を促進するために,学科横断型の研 4つの目標,戦略が達成されますよう,強く期待し 究プロジェクトチームを発足させました.現在13の ているところでございます. プロジェクトが進行中で,その成果が徐々に現れて 最後に,富山大学工学部の益々の発展を祈念し, きております. (3)従前から実施されていた,学 また同窓生の皆様方のご健康とご多幸を祈念し,私 生によるものづくりアイディア展,フォミュラーカ の工学部長退任の御挨拶と致します.有難うござい ー,並びにロボットプロジェクトをさらに推進した ました. 結果,優れた教育効果が認められるようになってき −19− 仰岳会会報 第44号 大学だより 《退任教員の挨拶》 退任にあたりて _ 37年間を思い出すままに 機械知能システム工学科 教授 五 嶋 孝 仁 1976年3月、当時まだ高岡 の中川園町にあった古い木造 の工学部に28歳で赴任致しま した。冬は窓の隙間から雪が 吹き込んでくるような、天井 の高いだだっ広い教官室で、 スチームも無くだるまストー ブ1個で暖を取りながら研究 に打ち込んでいた日々を思い出します。今から考え ると信じられませんが、当時はパソコンなるものも まだ無い時代で、計算するためには会計でバス券を もらって五福にある計算機センターまでわざわざ出 向き、穿孔カード入力式の電子計算機で計算してい たものでした。その後1984年に工学部は現在の五福 に移転し、 今でこそ一番古い建物となっていますが、 当時はピカピカの新しい校舎で、これからここで研 究がんばるぞ、と意気込んだのを覚えています。 それから5年後の1989年3月から文部省の長期在 外研究員として10ヶ月間アメリカに滞在する機会が 与えられました。当時の文部省在外研究員は、行き 帰りの旅費、10ヶ月間の宿泊費、日当などすべて文 部省から出るという非常に恵まれた制度でした。家 族みんなで行くことが出来、家族の歴史の1ページ を飾ることができたのも嬉しいことでしたが、当時 の私にとってもっと嬉しかったことは新しい研究の 活路を見出すことができたことでした。それまでの 私は、ドクターでやった研究をモディファイしたり、 条件やモデルを変えたり、さらに発展させたりし た研究をそれなりにやってはいたのですが、やはり 今までの研究はドクターの延長線上でしかないと思 わされ、早くもっと新しいテーマに取り組まねば、 と悪戦苦闘しながら壁にぶち当たっているような状 態でした。丁度そのような時この在外研究の機会が 与えられたのです。私はノースウエスタン大学の L.M.Keer教授のもとでVisiting Scholarという身分で 研究させていただきました。研究の内容は一言でい えば「トライボロジー問題の破壊力学的研究」とい うことになりますが、これはトライボロジーと言え ば潤滑屋さんの仕事と思われていたものを破壊力学 的観点から扱っていこう、という世界的にも新しい −20− 画期的な研究でした。当時そのような研究をしてい るのは、世界でもケンブリッジ大学のK.L.Johnson のグループとKeerのグループの二つぐらいしかあ りませんでした。私もこのKeerの研究グループの 一員として、研究に励み論文も出すことが出来、 ASME(アメリカ機械学会)で発表することもでき ました。日本にいれば色々雑用も多く研究の時間も 割かれますが、在外研究期間は全く研究だけなので かなりのペースで研究成果をあげることができまし た。このようなすばらしい機会を与えて下さり、快 く送り出して下さった当時私の上司であった宮尾先 生、そして私の留守の間、雑用を一手に引き受けて 下さった石原先生に心から感謝をいたします。 その後、何回かの学科改組もあり学科の名称も機 械工学科から機械システム工学科そして機械知能シ ステム工学科へと変わりました。また、2006年には 富山医科薬科大学、高岡短期大学と富山大学の3大 学統合がありました。時代は変わり組織は変わって も37年間材料力学の講義を担当し続けてきました。 材料力学は機械工学にとって最も基礎的で重要な科 目です。最近は「ものづくり」が重要視されている ようですが「ものづくり」も大切だとは思いますが、 ものづくりの過程で基礎的な知識がやっぱり必要な んだ、と思ってもらえればいいのですが、ともすれ ば目に見えるものを作って単におもしろかった、で 終わっていることもあるのではないでしょうか。最 近の学生は数式のある材料力学のような基礎的な科 目を敬遠しがちのように思われます。材料力学にい かに興味を持たせ十分理解させるか、暗中模索の37 年間でした。また、この間多くの卒論生や修論生を 社会に送り出し、今それぞれの場で活躍しているこ とは本当に嬉しいことだと思います。卒論に配属に なって来た当初は、こんな学生使い物になるんだろ うか、と思っていても卒論生は1年後、院生は3年 後にかなり立派な成果を出してくれるので、若いと きの情熱と努力はすばらしいものだと感じておりま す。 最後に、卒業生諸君のさらなるご活躍と今後の工 学部と仰岳会の益々のご発展を心より祈念致しま す。 仰岳会会報 第44号 大学だより 《新任教員の紹介》 着任にあたりまして 材料機能工学科 准教授 才 川 清 二 平成24年6月1日付で材料 機能工学科に着任いたしまし た才川と申します。専門は鋳 造工学,凝固制御工学で,と くにアルミニウムおよびマグ ネシウム合金に代表される軽 量金属材料の研究と鋳造法を 中心とした成形プロセスの開 発を得意としております。 生まれは地元の富山県南砺市で,富山大学大学院 工学研究科金属工学専攻を修了後,太平洋側の自動 車部品製造の民間企業に就職し,研究開発部門から 製造現場(鋳造工場)までを先ず経験しました。こ の中でAl-Li合金やアルミニウムの半溶融鋳造法の 開発と自動車部品の製造,軽量マグネシウム合金の 低圧鋳造ならびに砂型鋳造法の開発などに携わり, 軽金属材料の研究開発の奥深さを知るようになりま した。この会社に約14年間在籍した後,諸般の事情 からその後の11年間において,他の自動車部品製造 メーカー2社への転職をこれまでに経験いたしまし た。この間,主に自動車軽量化を目的としたマグネ シウム合金材料の研究と実用鋳造プロセスの改良等 に携わり,幾つかの量販自動車に装着されている軽 量部品の開発と量産立ち上げ等にも携わってまいり ました。 以上のように民間企業で合計25年間の経験を経た 後,昨年より現職に着任した次第です。母校である 富山大学,しかも出身学科である材料機能工学科 (旧・金属材料工学科)に着任させて頂いたことに 少なからず ご縁 を感じておりますと同時に,私 自身の後輩である学生達の教育と金属材料の研究開 発を通して,地元富山の今後益々の発展に微力なが らも少しでもお役にたてるよう誠心誠意努力してい く所存です。 今後ともご指導,ご鞭撻を賜りますよう何卒宜し くお願い申し上げます。 着任にあたりまして 電気電子システム工学科 助教 堀 匡 寛 平成24年8月に電気電子シ ステム工学科の助教として着 任致しました、堀 匡寛(ま さひろ)と申します。どうぞ よろしくお願い申し上げます。 私は、平成24年3月に早稲田 大学先進理工学研究科の博士 後期課程を修了し、同年7月 まで日本学術振興会特別研究 員として、半導体デバイスの作製と評価に関する研 究に従事してきました。大学では、イオンをデバイ ス中の狙った位置へ1個ずつ導入する独自技術、シ ングルイオン注入技術の開発に携わりました。開発 当初は、装置の故障が続いたために半年以上も修理 とメンテナンスで時間を費やしましたが、周囲の 方々の支えもあり、1個のイオンがデバイスに入射 される様子を観察することに成功しました。そして、 当技術を用いてイオンの位置と個数を制御した半導 体を作製し、その電気的特性を初めて明らかにしま した。この成果は、従来よりも特性の優れた半導体 −21− デバイスを作製できるという設計指針を示すもので す。今後もこのような研究を継続するとともに、従 来の手法や原理にとらわれないチャレンジングな研 究課題にも積極的に取り組んで参りたいと思います。 私は、大学生活を東京で過ごしましたが、生まれ、 育ちともに富山県射水市(新湊)です。今回の着任 で再び故郷に戻ってくることができ、このような貴 重なご縁を頂きましたことに大変感謝しております。 また、私の通っていた高校が旧富山大学工学部跡地 にありましたことも、なにかご縁のようなものを感 じております。富山の夏の暑さと冬の寒さにはまだ 慣れませんが、季節に応じた豊かな自然を楽しみた いと思います。 今後は、より一層、研究に尽力したいと思います。 また、微力ではございますが、教育を通じて地域社 会から国際社会まで広く活躍する研究者、技術者を 育成し、富山大学の発展に貢献して参りたいと思い ます。今後とも仰岳会の皆様方のご指導、ご鞭撻を 賜りますようお願い申し上げます。 仰岳会会報 第44号 着任にあたりて 機械知能システム工学科 講師 増 田 健 一 やり遂げ成長した時の充実感を共有できるように頑 張っていこうと考えております。 今年の11月に結婚を控えているのですが、婚約者 は仕事の関係で富山に来るのが9月くらいになる見 込みです。残りわずかとなった独身生活は仕事に没 頭できる環境にあるため、全力で仕事に取り組んで いきたいと思います。また、すでに3回ほど同じ学 科の先生方とはお酒を飲む機会があったのですが、 魅力的な方々ばかりで真面目な話も愉快な話も尽き ることはなく、その日のうちに家に帰れたことはあ りません。仕事をしているときだけではなく、仕事 から離れた時に受ける刺激もとても大切だと感じて おります。 こちらの地に赴いたばかりの新人ではありますが、 諸先輩方を見習い、本学や北陸地域における教育・ 研究活動の活性化のために尽力する所存でございま す。至らぬ点も多々あるかと存じますが、今後とも 仰岳会の皆様方には、ご指導、ご鞭撻を賜りたく存 じます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。 本年3月1日付で富山大学 工学部機械知能システム工学 科に着任いたしました、増田 と申します。平成21年3月に 東京の神楽坂にある東京理科 大学博士課程を修了し、その 後、約4年間、同大学の助教 として勤務しておりました。 これまで行ってきた研究内容 といたしましては、座屈などを扱った薄肉構造物の 強度評価やエネルギー吸収特性に関するものや、緩 み防止ナットやメタルガスケットなどの機械要素に 関するものが挙げられます。富山大学では今までと は少し違った研究内容にチャレンジできる環境があ るため、気持ちを新たに全力でトライしていこうと 考えております。その研究内容としては金属の疲労 破壊や摩耗などが挙げられます。富山大学に来てま だ間もないですが、多くの学生が真面目でしっかり しているという印象を受けます。このような学生た ちと新しいことにチャレンジする楽しさや難しさ、 着任にあたりて 機械知能システム工学科 教授 木 田 勝 之 平成25年4月に就任いたし ました。平成6年に大阪大学 大学院基礎工学研究科博士前 期課程を修了後に、半年間の 後期課程を経て助手となり、 ちょうど前世紀最後の平成12 年に論文提出により博士(工 学)の学位をいただきました。 博士論文では、破壊力学とト ライボロジーを融合したような観点からセラミック ス軸受のはく離とき裂の関係を述べました。その 後はそのまま大阪大学に、平成19年からは九州大学 にお世話になり、今年、富山大学に赴任することに なりました。皆様とともに立山連峰を望む地で研究 と教育に携わることになり、うれしく思っています。 よろしくお願いいたします。 セラミックスのテーマは、その後、対象材料を高 強度鋼へ、さらにチタン・スーパーエンプラにまで 展開しています。このような全く性質の異なる材料 への取組み方は、おのずと独特となるため、学生と −22− もども悪戦苦闘していますが、面白い結果が得られ ることが多いのも事実です。さらに企業・他研究機 関と協力して、熱処理により組織を変えた場合の軸 受鋼の強度・損傷パターン等を観察し、構造材料と して製品への応用も行っています。また、数年前か ら基礎開発に取組み始めた磁場顕微鏡は、き裂先端 の特異場で磁極が反転する様子や、損傷領域拡大に 従って移動する磁場の観察に成功するなど、ようや く損傷評価に使える可能性が見えてきたところです。 着任した設計生産工学講座固体力学研究室では、こ のように材料力学をベースに材料特性も取入れ、先 端の損傷解析・評価に関する実験・観察・解析に取 組もうと考えています。 これから本学で産学連携、研究教育に携われる機 会を与えていただいたことに感謝し、研究に引続き 取組むとともに、若いエンジニアや研究者が育つよ うに、総合的に課題をとらえること・柔軟に解決策 を導き出せることを念頭に、研究教育を行っていこ うと思います。仰岳会の皆様には、ご教示、ご指導 をよろしくお願い申し上げます。 仰岳会会報 第44号 着任にあたり 機械知能システム工学科 教授 神 代 充 いの身体的なリズムを同調させることで身体的イン タラクションを円滑に進めることができます。その ため、私自身、リズムが合うようにコミュニケーシ ョンを行っていこうと思っていますが、何分、大阪 生まれの関西弁を話す私には少しせっかちな部分が あり、失敗ばかりです。今後、人間とロボットの身 体的インタラクションに関する研究を進めることで 身体的インタラクションやコミュニケーションの本 質について明らかにしていきたいと考えており、そ の研究成果を自分の私生活にも応用していきたいと 思っております。 これまで大阪、岡山、愛媛など瀬戸内海周辺を移 動してまいりまして、この度、初めて北陸地方に引 っ越してまいりました。そのため、北陸地方の風土 や習慣についても学んでいきたいと思っております。 今後、富山大学の発展に貢献していく所存であり、 精進してまいりますので、仰岳会の皆様方には、ご 指導、ご鞭撻を賜りたく存じます。どうぞよろしく お願い申し上げます。 平成25年4月に機械知能シ ステム工学科に着任いたしま した神代充(じんだいみつる) と申します。よろしくお願い いたします。 昭和47年に大阪で生まれ、 平成11年3月に岡山大学大学 院自然科学研究科を修了しま した。その後、愛媛大学工学 部、岡山県立大学情報工学部に着任しました。大学 院の博士課程からロボットの制御と画像処理に関す る研究に従事してまいりました。これまでに、モデ ル・ベースド・ビジョンによる組み立てロボットシ ステムや無人搬送車のための画像処理によるガイド レスナビゲーションシステムなどを開発してきまし た。とくに、10年ほど前から人間とロボットとの身 体的インタラクションに興味を持ち、ロボットに身 体的インタラクション動作を生成させる研究を進め てまいりました。身体的インタラクションにおいて は リズム がきわめて重要なファクタであり、互 着任にあたりまして 知能情報工学科 講師 村 山 立 人 平成25年4月1日付で大学 院理工学研究部(工学)の講 師として、知能情報工学科に 着任しました村山立人と申し ます。どうぞよろしくお願い いたします。 私は小学生のときに読んだ ブルーバックスの『相対性理 論の世界』 (ジェームズ・A・ コールマン)に大きな衝撃を受け、それ以来、ずっ と物理学に漠然とした憧れを抱いていました。大学 は、そのこともあり、東京工業大学の物理学科に進 学。学部4年時には、物性理論グループに配属され たのですが、そこで駆使される理論を理解するのに とても苦労した記憶があります。卒業後は、同じ大 学の大学院総合理工学研究科に進学しました。そし て、かつて物性理論グループで勉強していた統計力 学の処方を拡張し、誤り訂正・データ圧縮などの情 報科学分野に応用していく研究を開始しました。学 位取得後は、理化学研究所の脳科学総合研究センタ ーに基礎科学特別研究員として在籍し、脳数理研究 チームの一員として、生体による情報処理に適した 情報縮約の形式について探求しました。その後、平 成16年に日本電信電話株式会社の研究開発部門に移 籍し、主に、けいはんな学研都市にあるNTTコミュ ニケーション科学基礎研究所でセンシングと符号化 の研究を担当してきました。 さて、私は神奈川の出身ですが、富山での生活は 今回が初めてになります。まだこちらに来て一週間 も経っていないのに、不覚にも、もう太りました。 もちろん、富山の食材のせいにするつもりは全くあ りませんが、雇入時健康診断も控えておりますので、 急いで栄養バランスを整えたいと考えております。 今後は、富山や北陸地域に限らず、世界の動向も 見据えて情報科学分野の教育・研究活動に専念して いきたいと考えております。まだ教員としての経験 が浅いため、いろいろと至らないこともあるかと思 いますが、仰岳会の皆さまには、今後ともご指導を 賜りたく存じます。どうぞよろしくお願いいたしま す。 −23− 仰岳会会報 第44号 着任にあたりて 電気電子システム工学科 助教 木 谷 光 来 平成25年4月より、助教と して電気電子システム工学科 に着任致しました木谷と申し ます。私は博士後期課程を修 了するまでの9年間、香川大 学工学部に所属していました。 学生だった頃は将来のことを あまり真剣に考えておらず、 ただ興味を持った研究に日々 打ち込んでいました。そんな私が大学で学生を指導 する立場となり、非常に緊張した毎日を過ごしてお ります。 学生であった頃は、自律的に発話動作を獲得する ことのできる発話ロボットを主に研究していました。 ロボットは人と同様の発話器官を持ち、これらを組 み合わせることで人と似たような音声を生成するこ とが可能です。さらに、ニューラルネットワークを 用いた聴覚フィードバック学習により、自律的に発 話動作を獲得することが可能です。本ロボットを聴 覚障がい者のための発話訓練装置に応用し、訓練者 が視覚的に発話訓練をおこなうことができるように システムの最適化を進めてきました。この研究で培 ったニューラルネットワークや音声音響信号処理の 技術を応用し、今後は新しいマンマシンインタフェ ースや障がい者支援等の分野で研究をおこなって行 きたいと考えております。 富山大学に赴任する前は香川県に住んでいたこと もあり、北陸と四国地方の生活習慣の差に驚きまし た。香川は水不足に悩むくらい年間降水量が少ない ので、富山の雨の多さにはとても驚きました。また、 香川は比較的温暖な地域であったため、富山に赴任 した当初は布団の中でガタガタと震えていました。 しかしながら、立山連峰を初めとした豊かな自然に 触れることで、徐々に富山の魅力に気付き、現在は とても快適に生活することができるようになりまし た。また日本海の魚を用いた料理はとても美味しく、 富山大学に赴任することができて、とても嬉しく思 います。 至らない点も多く、様々な面でご迷惑をお掛けす るとは思いますが、日々精進させて頂きますので、 ご指導ご鞭撻の方をよろしくお願いいたします。 「小型CNCフライス盤」引渡式 (北陸職業能力開発大学校との連携) 2012.7.18 −24− 仰岳会会報 第44号 大学だより 平成 24年度 《卒業祝賀会》 富山大学工学部卒業生・大学院理工学教育部修了生 卒業祝賀会 日時:平成25年3月22日(金) 平成25年3月22日、富山大学学位記授与式が富山市総合体育館で開催された。その後、カナルパークホテ ル富山において、学位記が工学部長、各学科長より卒業生、修了生に手渡された。学部425名、修士190名、 博士6名、計621名が新しい門出を迎えた。 卒業祝賀会は、棚邊一雄会長の挨拶で開会した。そして全国11支部を代表して四国支部の長峰勝支部長よ り挨拶を、石原外美工学部長より祝辞を頂戴した。その後、各学科及び専攻毎に優秀な成績を修めた計12名 の学生に対して仰岳会優秀学生表彰が行われ、壇上で棚邊会長から学生へ表彰状と副賞が授与された。さら に、学部長表彰、理工学教育部長表彰も執り行われた。なお、仰岳会優秀学生表彰者は一覧のとおりである。 引き続いて退任教職員として、上羽弘先生、石原外美先生、五嶋孝仁先生、友坂敏信技術職員の4名が紹介 され、ご出席の石原外美先生より卒業・修了生への激励を賜った。また、卒業生から退任される石原外美先 生に花束の贈呈が行われた。この後、坂井孝幸副会長のご発声で乾杯し、懇談に移った。 壇上では学生と指導教員を交えた写真撮影が切れることなく行われ、フロアでは終始和気藹々とした歓談 が続いた。今年は新たな試みとして、卒業・修了生に各所属支部毎に分かれてもらい、各支部より出席頂い ている方々との交流を行った。 最後に副会長の作井正昭先生の閉会の挨拶で中締めとなった。 【仰岳会優秀学生表彰】 (学部学生) (大学院生) 電気電子システム工学科 下山 浩哉 知能情報工学科 上田 真行 機械知能システム工学科 泉 知宏 生命工学科 森川 佳 環境応用化学科 木谷 崇宏 材料機能工学科 宮腰 真優 電気電子システム工学専攻 高山 健 知能情報工学専攻 桑原 祐貴 機械知能システム工学専攻 須貝 悠也 物質生命システム工学専攻 藤村 遼平、鎌田 知宏、森岡 竜一 卒業のときを迎えて 「卒業祝賀会」の会場にて、卒業生が記念ノートに残した メッセージのいくつかを紹介します。全て自筆です。 −25− 仰岳会会報 第44号 −26− 仰岳会会報 第44号 大学だより 富山大学工学部材料機能工学科設立5周年記念祝賀会 平成24年7月25日(水)午後5時から、富山大学本学生協食堂において、富山大学工学部材料機能工学科 設立5周年記念祝賀会が開催された。これは平成19年に物質生命システム工学科が改組されて本学科が設立 されたことを記念して、総勢115名が参加して行われた。材料機能工学科 寺山 清志 教授の挨拶に始まり、 石原 外美 工学部長、岡田 裕之 自然科学研究支援センター機器分析施設長、石川 義和 極低温量子科 学施設長からの御祝辞、そして池野 進 北陸職業能力開発大学校長の乾杯で開宴となった。森 克徳 富山 大学名誉教授、学科の非常勤講師の先生方、そして、卒業生として参加した修士課程の学生から一言ずつい ただいた。5年間の学科関連行事の映像の上映など、盛会の中、高辻 則夫 富山大学地域連携推進機構産 学連携部門長の中締めで閉会された。 (材料機能工学科 金属 昭和62年度修了 松田 健二) 参加者の集合写真 当日の看板 −27− 仰岳会会報 第44号 大学だより 材料機能工学科 卒業生による講義 「社会人への心構え」 平成24年7月25日(水)に、材料機能工学科 卒業生による講義「社会人への心構え」の最終講義が行わ れた。これは、本学科の3年生を対象に、企業勤務の金属工学科の卒業生をボランティアの講師として迎え、 10年前からスタートした。企業でのモノづくり、知的財産や国際化に関して企業経験者として、また卒業生 だからこそ先輩として在学生に伝えたいことを中心に講義していただいている。最終回は、講義を実施した 講師と、受講生が全講義を通しての質疑応答、また、これだけは聞いておきたいという受講生からの質問な どを中心に和やかな雰囲気で行われた。また、今年度は本講義の延長として、夏季休暇中に講師の方々の工 場見学も計画されている。 (材料機能工学科 金属 昭和62年度修了 松田 健二) 最前列:この日集まられた講師の皆様。左から ㈱アーレスティ(現・富山大学)才川清二氏(金属63修了) 、大平洋製鋼㈱ 山本有一氏(金属57修了)、三協立山㈱山下友一氏(博物生平8修了) 、サンエツシーケー金属㈱上坂美治氏(金属54 卒) 、㈱アライドマテリアル 瀧田朋広氏(金属平3修了) −28−