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英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia

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英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia(水谷)
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia
水 谷 智 洋
はじめに
筆者はこの春(2009 年 3 月)
、念願の『羅和辞典』(研究社)の改訂版
を世に送り出すことができたが、それまでの 10 余年は、辞書──主に、
P. G. W. Glare(ed.)
,Oxford Latin Dictionary(Oxford, 1968─82)(以
下、OLD)お よ び Félix Gaffiot(ed.)
, Le Grand Gaffiot Dictionnaire
Latin-Français(Paris, 2000)
(以下、Gaf)とラテン語の text を眺めて
暮らす毎日であった。その間、いつ頃だったか、語源欄に[onomat.]
(=onomatopoeic(ally)
)
(OLD)
、
(onomat.)
(=onomatopée)(Gaf)
と記してある見出し語に興味を覚えるようになった。そして時折、カード
に取ったりしていたが、今度、時間にゆとりができたのを機に、それを
exhaustive なものにしてみようと思い立ち、両辞書を改めて A から Z ま
で見直してみた。その結果が本稿という訳である。
ところで、そのリスト本体を提示するに先立って、両辞書で見出し語
onomatopoeia を見ておこう。本稿とかかわりを持つ事象がそこに見出さ
れるからである。
まず、OLD──採録する語の下限をおおむね後 200 年頃に置いている
──は、その唯一の用例として Quint. Inst. 8. 6. 31 を挙げ、‘The coining
1
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia(水谷)
of words’ の語義を与えている。たしかに、ギリシア語 ὀνοματοποιία をロー
マ字に直しただけのこの語の意味は、その通りである。しかしこれではあ
まりに素っ気ないので、Quintilianus, Institutio Oratoria『弁論術教程』
の該当箇所を見てみよう。‘onomatopoeia quidem, id est fictio nominis,
Graecis inter maximas habita virtutes, nobis vix permittitur, et sunt
plurima ita posita ab iis, qui sermonem primi fecerant aptantes
adfectibus vocem. nam mugitus et sibilus et murmur inde venerunt.’ つ
まり、1 世紀の修辞学者は、aptantes adfectibus vocem という仕方でつ
く ら れ た onomatopoeia の 例 と し て、mugitus、sibilus、murmur の 3
語を挙げるのであるが、OLD は、この 3 語のうち、sibilus、murmur に
ついては onomat. とするものの、mugitus は然らずと判定するのである。
一 方、1934 年 の 初 版 ま え が き で、‘3° Le dictionnaire embrasse toute
la latinité … de la Loi des Douze Tables aux auteurs du Digeste’(頁 数
の記載なし)といいながらも、実際には Beda Venerabilis(735 年没)を
も 採って い る Gaf は、onomatopoeia の 項 で、不 思 議 な こ と に
Quintilianus を無視し、‘onomatopée[rhét.]
: Char. 274. 24’ とのみ記し
ている 1)。ここでも素っ気なさの補いに該当箇所をのぞいてみると、4 世
紀の文法家 Charisius の記述はこうである。‘onomatopoeia est dictio ad
imitandum sonum vocis confusae ficta, ut cum dicimus hinnire equos,
balare oves, stridere valvas et cetera his similia.’ や は り、
onomatopoeia の 例 と し て 3 語 が 挙 がって い る が、Gaf は、先 の
Quintilianus の 3 語については、murmur のみを onomat. と認める一方
で、Charisius の hinnire、balare、stridere に つ い て は、前 2 者 は
onomat. とするものの、stridere は express.(=expressif)と判定する
のである(ちなみに、OLD では、Charisius の 3 語とも onomat.)。
では、expressif な語とはいかなる語か。しかし、この辞書はなにも説
明しない。そこでわれわれは、たとえば papillio「蝶」、papula「吹き出
物」などもその仲間であるということから、Gaf のいう expressif の意味
2
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia(水谷)
するところを漠然と想像する他はないのである。また、上記の 6 語以外に
目を転ずると、cuculus「カッコウ」を Gaf は onomat. とするのに対し
て、OLD は imitative と断ずる。もう一例、OLD のいう imitative な語
を挙げると、garrio「ペチャクチャおしゃべりする」があり、Gaf もこれ
は onomat. と は せ ず、express. と 判 定 し て い る。し か し な が ら、で は
onomat. と imitative はどう異なるかといえば、これまた明確な説明が与
えられそうにはないのである。
このように、あるいは onomatopoeia かと目される語に対する英仏両
辞書の判断は、(1)一致して然りとする、
(2)微妙にずれる、(3)予期に
反して両者とも onomat. の判断を下さない、の 3 通りがある。そこで筆
者は、(1)は無論のこと、
(2)の場合でも、少なくとも一方の辞書がその
語源欄に onomat., onomatopée, onomatopoeic の文字を記している語を
残らず拾い上げてみたのである。
さて、この作業によって判明したことは、onomatopoeia に対する考え
方は、英仏の辞書の間でかなりのへだたりがあるという事実である。一例
を挙げれば、bebo「
(仔山羊が)鳴く」を Gaf が onomat. とするのに対
して、OLD はそこまで踏みこまない。反対に、crispio「(メンドリが)
コッコッと鳴く」を OLD が然りとする一方で、Gaf は何も言わない。い
ずれも Suetonius の断片のみに見える、いかにも onomatopoeia らしい 2
語であるにもかかわらず、この有り様である。どうやら、ラテン語の
onomatopoeia については、まだ再考の余地がありそうである。それに、
これは全く次元の異なる話ではあるが、以下のリストのように、多数の
onomatopoeia を列挙した文献は、おそらく皆無ではないにしても、そう
簡単には見られないのではないかと思われる 2)。 そんなこんなで、筆者
のささやかな骨折りも、将来、同学の士の研究のたたき台として、少しは
お役に立つこともあろうか、と期待されるのである。
3
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia(水谷)
ラテン語 onomatopoeia 一覧表
☆ 番号の右肩の*は該当の語が 200 年頃以降の語であることを示す。出典の
右肩の*も、200 年頃以降のものであることを示す。
☆☆ ○は語源欄に onomat. の記載があることを示す。それに修飾語等が付い
ている場合はそのまま引用する。onomat. の記載がない場合は×。−は該
当の語が採録されていないことを示す。
☆☆☆ j, v を用いる。
1
2*
3*
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
4
A
acrēdula
-ae, f
arsō
-āre, intr
B
babiō
-īre, intr
balbus
-a-um, adj
bālō
-āre, intr
barriō
-īre, intr
bāsium
-ī, n
baubor
-ārī, intr
bēbō
-āre, intr
bilbiō
-īre, intr4)
blaesus
-a-um, adj
blandus
-a-um, adj
blaterō,
blatterō
-āre, intr
blatta
-ae, f
borriō
-īre, intr
būbō
-ōnis, m
bucca
-ae, f
OLD
Gaf
×
onomat.?
(鶴が)
鳴く
—
○
Isid*
自慢する
—
○
Gloss*
どもる
○
○
Cic, Hor et al.
(羊が)
鳴く
○
○
Varr, Ov et al.
(象がラッパのよう
な声で)
吼える
×
○
Suet fr, Paul Fest
×
○
Catul, Petr et al.
(犬が)
吠える
×
○
Lucr, Suet fr
(仔山羊が)
鳴く
×
○
Suet fr
(液体が容器の口
から)
どくどく流れ
出る
×
○
Naev
未詳の獣または鳥 3)
接吻
Cic, Isid*
舌たらずに発音する
×
○
Ov, Mart et al.
機嫌を取る、こび
へつらう
×
○
Plaut, Cic et al.
べちゃくちゃしゃべる、
(雄羊・ラクダが)
鳴く
○
○
Gell, Suet fr et al.
○
Verg, Hor et al.
○
Apul
ゴキブリ・イガなど
×
の昆虫
(蟻が)
うじゃうじゃ perh. of onomat.
群がる
origin
ワシミミズク
○
○
Varr, Verg et al.
頬、口
○
○
Plaut, Cic et al.
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia(水谷)
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23*
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30*
31
būfō
-ōnis, m
būteō
-ōnis, m
būtiō
-ōnis, m
C
cachinnō
-āre, intr
cachinnnus
-ī, m
cacillō
-āre, intr
cauriō
-īre, intr
cicāda
-ae, f
Cicirrus
-ī, m
cicōnia
-ae, f
cicuma
-ae, f
coaxō
-āre, intr
coccus
-ī, m
coco coco
interj
cornix
-īcis, f
corvus
-ī, m
̌turnix
cō
-īcis, f
OLD
Gaf
ヒキガエル
×
○
Verg
タカ
(鷹)
の一種
○
○
Plin, Paul Fest
同上
—
○
Anth*
大声で笑う
○
×
Cic, Lucr et al.
大笑い
×
○
Lucil, Cic et al.
(メンドリが)
コッコ
ッと鳴く
—
○
Anth*
(豹が)
吼える
○
○
Suet fr, Philom*5)
セミ
×
○
Verg, Suet fr et al.
キキッルス
(人名:
原義「オンドリ」
)
—
○
Hor
コウノトリ
×
○
Plaut, Varr et al.
フクロウ
×
○
Paul Fest
×
○
Suet Aug; fr
—
○
Lex Salica*
Petr
(蛙が)
ケロケロと
鳴く
オンドリ
コケコッコー
(オン
ドリの鳴き声)
○
○
prob. orig.
onomatopoeic
express.
Lucr, Ov et al.
prob. onomat.
×
Hor, Ov et al.
orig. prob.
imitative
○
Varr, Lucr et al.
35* cra
—
○
Prisc*
36
○
express.
○
×
Suet fr
○
○
Plaut, Apul
○
○
Suet fr
imitative
○
Varr, Suet fr et al.
○
○
Suet fr, Philom7)
32
33
34
37
38
39
40
41
カラス
同上
ウズラ
カー
(カラスの鳴き
声)
crepō,
ガラガラ
(カタカタ、
-āre, intr
キーキー)
音がする
crispiō,
(メンドリが)
コッコ
-āre, intr
ッと鳴く
カーと鳴
crocciō, grocciō, (カラスが)
く
-īre, intr 6)
crotolō,
(コウノトリが)
鳴く
-āre, intr
cucūlus,
カッコウ
-ī, m
cuccubiō,
(フクロウが)
ホーホ
-īre, intr
ーと鳴く
Plaut, Varr et al.
5
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54*
55
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58*
59
60
61
62
63*
6
cucurriō,
-īre, intr
D
desticō,
-āre, intr
drindrō,
-āre, intr
F
frigulō,
-āre, intr
frindiō,
-īre, intr
fringilla
-ae, f
fringillus
-ī, m
fringuliō
-īre, intr
frisiō
-ōnis, m
frit
indecl n
fritillus
-ī, m
fritinniō
-īre, intr
fū
interj
fūfae
interj
G
gavia
-ae, f
gingriō
-īre, intr
glattiō
-īre, intr
glauciō
-īre, intr
glicciō
-īre, intr
glocidō
-āre, intr
glōciō
-īre, intr
gluttiō
-īre, intr
graccitō, grācitō
-āre, intr
OLD
Gaf
(オンドリが)
コケコ
ッコーと鳴く
○
×
Suet fr
(トガリネズミが)
鳴く
×
○
Suet fr, Anth*
(イタチが)
鳴く
○
×
Suet fr, Philom*8)
(カケスが)
鳴く
—
○
Philom*
(ツグミが)
鳴く
—
○
Gloss*
[鳥]アトリ
○
×
Varr, Mart et al.
(コクマルガラス
が)
鳴く
○
×
Suet fr
[鳥]シメ
—
○
Plin-Val*
perh. onomat.
×
Plaut, Varr
○
○
Sen, Mart et al.
○
○
Varr, Suet fr
おお、いやだ!
—
○
Plaut
ちぇっ!
—
○
Char*
小さな穀粒
さい筒
(さいを入れ
て振り出す円筒)
(小鳥が)
さえず
る;
(セミが)
鳴く
app. onomat.
express.
Plin, Apul
(ガチョウが)
ガー
ガー鳴く
○
○
Paul Fest
(仔犬が)
鳴く
○
○
Suet fr
(羊・山羊が)
鳴く
—
○
Physiogn*
○
○
Suet fr
○
○
Paul Fest
同上
—
○
Col
同上
○
—
Col, Paul Fest
—
○
Anth*
[鳥]アジサシ
(ガチョウが)
ガー
ガー鳴く
(メンドリが卵を抱く
とき)
コッコッと鳴く
(ガチョウが)
ガー
ガー鳴く
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86
grāculus,
grāgulus
コクマルガラス
-ī, m
grillus, gryllus
バッタ、コオロギ
-ī, m
grundiō, grunniō
(豚が)
ブーブー鳴く
-īre, intr
grūs, gruis
鶴
-uis, f
H
hinniō
(馬が)
ヒーンとい
-īre, intr
ななく
hippacō
(馬が)
鼻あらしを
-āre, intr
吹く
hircō
(山猫が)
鳴く
-āre, intr
hirriō
(犬が)
唸る
-īre, intr
hirundō
ツバメ
-inis, f
hittiō
(仔犬が)
鳴く
-īre, intr
hoe
ホホ
(笑い声)
hui
えっ、おやおや
(驚
interj
きを表す)
I
iugō
(トビが)
ピーヒョロ
-ere, intr
鳴く
L
lallō
子守歌を歌う
-āre, intr
lātrō
(犬が)
ワンワン吠
-āre, intr
える
lipiō
(トビが)
ピーヒョロ
-īre, intr
鳴く
lupiō
同上
-īre, intr
M
micciō
(山羊が)
メーメー
-īre, intr
鳴く
mintriō
(ネズミが)
チューチ
-īre, intr
ュー鳴く
minurriō
(小鳥が)
さえずる
-īre, intr
ムー
(口がきけない
mū
人の発する音声)
mūgilō
(野生のロバが)
鳴
-āre, intr
く
mūgiō
(牛が)
モーと鳴く
-īre, intr
OLD
Gaf
○
○
Varr, Ov et al.
×
○
Dirae, Plin
○
○
Varr, Suet fr et al.
○
○
Cic, Verg et al.
○
○
Varr, Suet fr et al.
×
○
Paul Fest
—
○
Anth*
○
○
Paul Fest, Sid*
○
×
Verg, Suet fr et al.
—
○
Gloss*
—
○
Char*, Prisc*
○
×
Plaut, Cic et al.
○
○
Varr, Paul Fest
Child’s word
○
Pers, Hier*
×
○
Cic, Ov et al.
—
○
Philom*
○
○
Suet fr, Anth*
○
○
Suet fr, Philom*
○
×
Suet fr, Philom*
○
○
Suet fr, Sid*
○
○
Enn, Petr et al.
○
○
Suet fr, Anth*
×
○
Liv, Juv et al.
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murmur
-uris, n
murriō
-īre, intr
mussō
-āre, intr
mutmut
indecl n
muttiō
-īre, intr
mūtus
-a-um, adj
N
nēnia,naenia
-ae, f
O
oncō
-āre, intr
P
paparus
-ī, m
papāver
-eris, n
passitō
-āre, intr
paupulō
-āre, intr
pīca
-ae, f
pilpītō
-āre, intr
pīpilō
-āre, intr
pīpiō
-āre,-īre, intr
pīpiō
-āre, intr
pīpō
-āre, intr
plīpiō
-āre, intr
prox
interj
pulpō
-āre, intr
OLD
Gaf
○
○
Pac, Cic et al.
—
○
Gloss*
つぶやく、ささやく
×
○
Verg, Liv et al.
ブツブツ言うこと
○
○
Apul
○
×
Plaut, Ter et al.
○
×
Cic, Liv et al.
挽歌、呪文
○
×
Cic, Hor et al.
(ロバが)
鳴く
○
×
Suet fr
ガチョウの雛
—
○
Orib*
×
○
Catul, Verg et al.
prob. onomat.
○
Suet fr, Philom*
(雄のクジャクが)
鳴く
×
○
Suet fr, Philom9)
カケス、カササギ
×
○
Ov, Plin et al.
—
○
Suet fr
—
○
Catul
○
—
Catul, Col
(赤ん坊が)
泣く
—
○
Tert*
(メンドリが)
鳴く、
(ヒヨコが)
ピヨピヨ
鳴く
○
○
Varr
(タカが)
鳴く
○
○
Suet fr
○
×
Plaut
○
○
Suet fr, Philom*
(海・動物・虫な
どが発する鈍い響
きの音)
(ネズミが)
チューチ
ュー鳴く
つぶやく、ブツブ
ツ言う
(動物が)
物を言わ
ない、
(人が)
口が
きけない
[植]ケシ
(ムクドリが)
鳴く
(ハツカネズミが)
鳴く
(スズメが)
ピーピー
鳴く
(スズメ・ヒヨコが)
ピーピー鳴く
プー
(おなら)
(ハゲワシが)
鳴く
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia(水谷)
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123
pūpillō
-āre, intr
Q
quaxō
-āre, intr
quirītō
-āre, intr
quīrītō
-āre, intr
R
rāna
-ae, f
rancō
-āre, intr
ravis
-is, f
rictō
-āre, intr
rūgiō
-īre, intr
S
sclingō
-ere, intr
scloppus,
stloppus
-ī, m
sībilus
-ī, m
soccitō
-āre, intr
st
interj
strīdō
-ere,
strīdeō
-ēre, intr
susurrus
-ī, m
T
OLD
Gaf
—
○
Suet fr, Philom*
○
×
Fest
×
○
Varr, Liv et al.
○
×
Suet fr, Philom*
×
onomat.?
Varr, Verg et al.
○
○
Suet fr
×
○
Plaut, Apul et al.
(豹が)
吼える
—
○
Spart*
(ライオンが)
吼え
る;
(雄鹿が)
鳴く
○
express.
○
○
Suet fr
○
○
Pers
○
×
Liv, Col et al.
(ツグミが)
鳴く
○
○
Suet fr
静かに、しっ
×
○
Plaut, Cic et al.
○
express.
Lucr, Verg et al
○
×
Plaut, Hor et al.
(雄のクジャクが)
鳴く
(蛙が)
クァックァッ
鳴く
市民に訴える、助
けを呼ぶ
(豚・猪が)
唸る
蛙
(虎が)
吼える
声がしゃがれるこ
と
(ガチョウが)
ガー
ガー鳴く
プッ
(頬をふくらま
せてから急に開く
ときの音)
シューシューいう音
キーキーと音をた
てる、甲高い声
(音)
を出す
ささやき、
つぶやき
124
taratantara
トテチテター
125
tat
トントン
126
tax pax
ピシッ、パシッ
wd. coined to
represent the
sound of a tuba
wd. used to
imitate the sound
of knocking at a
door
—
Suet fr, Spart* et al
onomatopée
destinée à imiter
Enn
le bruit de la
trompette
○
Plaut
onomatopée qui
marque le bruit Naev
des coups
9
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129
130*
131
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135
136*
137*
tetrinniō
-īre, intr
tetrissitō
-āre, intr
tinniō
-īre, intr
tinnipō
-āre, intr
tintin
(n)
ō
-āre,
tintin
(n)
iō
-īre, intr
tītillō
-āre, intr
titiō
-āre, intr
titiunculus
-ī, m
titubō
-āre, intr
titus
-ī, m
trinniō
-īre, intr
138
trit
139
trittilis
-is, m10)
140
trucilō
-āre, intr
141
tū
142*
143
144*
145
146
147
148
149
10
tucus
-ī, m
turtur
-uris, m
tutudō
-āre, intr
tux tax
U
ululō
-āre, intr
uncō
-āre, intr
upupa
-ae, f
urcō
-āre, intr
(アヒルが)
クワック
ワッと鳴く
OLD
Gaf
—
○
Philom*
○
×
Suet fr
(鈴・鐘などが)
チ
リンチリン
(カンカ
ン)
鳴る
○
○
Plaut, Cic et al.
(オジロワシが)
鳴く
—
○
Anth*
ガラガラ
(ブンブン)
という音がする
×
○
Naev, Catul et al.
コチョコチョくすぐる
○
×
Lucr, Cic et al.
(スズメが)
チュンチ
ュン鳴く
○
○
Suet fr
[鳥]
チョウゲンボウ
×
○
Col, Gloss*
(酔って)
フラフラ歩く
○
×
Hor, Liv et al.
—
○
Isid*
—
○
Anth*
○
○
Naev
○
○
Sueius
○
○
Suet fr, Anth*
ホー
(フクロウの鳴
き声)
—
○
Plaut
カッコウ
—
○
Isid*
キジバト
○
○
Varr, Verg et al.
—
○
Philom*
○
○
Plaut
(犬・狼などが)
吠
える
○
○
Verg, Ov et al.
(熊が)
唸る
○
○
Suet fr, Philom*
[鳥]ヤツガシラ
○
○
Varr, Plin
(オオヤマネコが)
吠える
○
○
Suet fr, Anth*
同上
山鳩
(雄のガチョウが)
ガーガー鳴く
おならの音
(OLD)
;ハツカネ
ズミの鳴き声
(Gaf)
(鳥のように)
ペチ
ャクチャおしゃべり
する人
(ツグミが)
鳴く
(フクロウが)
ホーホ
ーと鳴く
ピシッ パシッ
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia(水谷)
OLD
Gaf
○
expr.
Cic, Suet fr et al.
×
○
Plaut, Ter et al.
×
○
Plin
歓喜の声をあげる
×
○
Naev, Plaut et al.
蚊
—
○
Cassiod*, Gloss*
(小鳥が)
さえずる
—
○
Anth*
(ツグミが)
鳴く
○
○
Suet fr, Anth*
V
150
vāgiō
-īre, intr
151
vāh
interj
152
153
154*
155*
156
vibiō, vipiō
-ōnis, m11)
vītulor
-ārī, intr
Z
zinzala
-ae, f
zinzilulō
-āre, intr
zinziō,zinzitō
-āre, intr12)
(赤ん坊が)
泣く;
(仔山羊・野兔が)
鳴く
ああ、おお
(驚き・
怒り・喜びなどを
表す)
(小型の)
鶴
11
英仏のラテン語辞書に見る onomatopoeia(水谷)
注
1)
274. 24 は、H. Keil(ed.)
, Grammatici Latini, Vol. I, Charisius(1857, rep.
Hildesheim, 1961)の頁数と行数。本文での引用は同頁の 24─25 行。
2)
一般に「
[言語]擬音[声]語」
(
『研究社 新英和大辞典』
(第 6 版、2002 年、
s. v. onomatopoeia 2)の意の onomatopoeia については、ラテン語の文法書は
ほとんど無関心で、筆者がのぞき見した範囲内では、Fr. Neue, Formenlehre
der lateinischen Sprache, 2.Bd.(1892, rep. Hildesheim, 1985)
, SS. 997─99 お よ
び R. Kühner-Fr. Holzweissig, Ausführliche Grammatik der lateinischen
Sprache, Ester Teil: Elementar-, Formen- und Wortlehre(1912, rep.
Darmstadt, 1966)
, S. 943 に、Naturlaute の例として 10 語程度が挙げられてい
るのみである。しかしながら、更に多数の語をリスト・アップした文献が皆無で
あると断言する自信は、到底、筆者にない。なお、
「
[修辞]声喩法」
(
『新英和大
辞 典』 同 項 3) の 意 の onomatopoeia に つ い て は、Leumann-HoffmannSzantyr, Lateinische Grammatik, 2. Bd.: Syntax und Stilistik(München,
1965) の Lautmalerei(SS. 712─14) の 項 を 参 照。 ご く 簡 単 に は、C. E.
Bennett, New Latin Grammar(1908, rep. Wauconda, 1994)
, p. 250 に Figures
of Rhetoric の ‘4. Onomatopoeia is the suiting of sound to sense.’ と し て、
Verg. Aen. 8. 596 が引かれている。
3)
Gaf は Isid の「蛙の一種」をも引いている。
4)
OLD の見出し語は bilbit。
5)
Gaf は Philom のみを引く。
6)
Gaf の見出し語は crōciō で、Plaut のみを引く。
7)
8)
9)
Gaf は Philom のみを引く。
10)
筆者はこの語を adj とする Gaf の見解を採らない。また、出典としている
Suet は Suei の誤りである。なお、OLD は見出し語 trittilis の前に ? を付して
いる。
11)
Gaf は vipiō を主見出しにしている。
12)
OLD の見出し語は zinziō のみ。
(哲学科 非常勤講師)
[追記]本稿作成にあたっては、久保寺紀江さん(大学院人文科学研究科美術史学
専攻助教)の一方ならぬ御助力を仰ぎました。ここに厚く御礼を申し上げる次第
です。
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