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介護保険施設給付の見直しと低所得者対策について

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介護保険施設給付の見直しと低所得者対策について
資料第9号
介護保険施設給付の見直しと低所得者対策について
在宅と施設の給付と負担の公平性、介護保険給付と年金給付との調整の観点から介護保険法等の一
部が改正され、平成17年10月1日より、介護保険施設等において下記のとおり見直しが行なわれ
る。
○ 居住費(ショートステイの場合は滞在費)及び食費を保険給付の対象外とする。
○ 低所得者については、「負担限度額」を設定し、介護保険から一定の補足給付を行う。
1
介護保険施設給付の見直し
(1)
居住費について
<現行>
<見直し後>
保険給付(施設介護サービス費)から「居住費相当分」を除き、利
用者負担とする。
利用者負担
一割負担
居住費相当部分
一割負担
保険給付
(施設介護サービス費)
保険給付
※利用者負担の額は、施設
(施設介護サービス費)
と利用者の契約による。
居室は、下記の4つに区分され、部屋の区分により費用負担対象が違います。
居室の種類
相部屋(多床室)
従来型個室
ユニット型準個室
ユニット型個室
(2)
居室の内容
個室ではない相部屋形式の居室
ユニット型になっていない個室
※面積要件有り
ユニット型の緩和基準による個室
※面積要件有り
個室と共同生活室によって一体的に構成される場所(ユ
ニット)を単位として構成される居室
※面積要件有り
費用の対象内容
光熱水費相当
室料及び光熱水費相当
食費について
介護保険施設入所者(ショートステイを含む)の「食費」に係る保険給付(基本食事サービス費)
及び通所サービスの「食事提供加算」を廃止し、これに伴い「食材費+調理費相当分」は利用者負
担とする。
ただし、
「栄養管理相当分」は、その在り方を見直した上で、保険給付の対象(
「施設介護サービ
ス費」に加算)とする。
<現行>
<見直し後>
食材費相当分
食費に係る保険給付(基本食事サービス費)を廃止し、「食材費+調
理費相当分」は利用者負担とする。
「栄養管理相当分」は、保険給付の対象とする。
利用者負担
食材費+調理費
相当部分
保険給付
(基本食事サービス費)
<廃止>
保険給付
(栄養管理相当分)
⇒施設介護サービス費に加算
- 71 -
2
負担額の軽減制度
(1)
利用者負担額の段階設定及び特定入居者介護サービス費の創設
課税状況や年金収入の状況に応じて負担段階を4段階に区分し、第3段階までの者は、居住費
と食費の負担額が、過重な負担とならないよう、所得に応じた定額の負担限度額を設けられる。
このことにより、利用者の本来契約の支払うべき額と負担限度額との差額については、特定介護
保険施設等に対して補足給付(特定入居者介護サービス費)として支給する。
介護保険施設等における段階区分別負担額
段
階
区
分
【単位:円】(月額概数)
居
世帯非課税者
区民税
住
費(月額)
相部屋
従来型
ユニット型 ユニット型
所
得
区
分
負担段階
( 多床室)
個室
準個室
個室
①35,000
第4段階 10,000
世 帯 課 税 者
50,000 60,000
②50,000
課税年金収入額と合計所得
①25,000
第3段階 10,000
40,000 50,000
②40,000
金額の合計が 80 万円超
課税年金収入額と合計所得
①13,000
第2段階 10,000
15,000 25,000
②15,000
金額の合計が 80 万円以下
老齢福祉年金受給者
42,000
20,000
12,000
①10,000
②15,000
15,000 25,000
10,000
生活保護受給者等
※①は特別養護老人ホーム、短期入所生活介護の場合。②は、老人保健施設、介護療養型医療施設、
短期入所療養介護の場合。
※実際の負担額は、日額で設定される。(ショートステイも同様)
○
(2)
第1段階
0
食費
経過措置等
平成17年9月30日において従来型個室に入所しており、引き続き利用する場
合で、過去1か月間にわたり、個室料を支払う対象となっていない者は、当分の間、相
部屋の居住費と同額で利用できる経過措置がある。また、従来型個室入居者で、感染症
や精神症状等、医師の判断で利用する場合は、相部屋の居住費と同額で利用できる。
高額介護サービスの上限額引き下げ
1か月の介護サービスに対する1割負担の合計額が所得に応じた一定の上限額を超えた場合
には、超えた部分が申請により、高額介護サービス費として支給する。
利用者負担第2段階の者については、この負担上限額を引き下げることとする。
現
行
見直し後
24,000円/月
15,000円/月
※在宅、施設共通。平成 17 年 10 月より適用。
(3)
社会福祉法人減免制度の見直し〔国制度〕
低所得者で特に生計が困難である者に対して、社会福祉法人の負担が大きく、減免が必ずしも
十分に行われてこなかったことなどを踏まえ、幅広い者に減額を実施できるよう減額の割合等を
見直すとともに、社会福祉法人は、低所得者に対するサービス利用料の減免等を含む公益的取組
みを積極的に実施することが求められていること等を踏まえ、施設給付の見直しに伴い特別養護
老人ホームについては、全ての社会福祉法人で減額制度が実施される。
なお、東京都の社会福祉法人等減免制度については、現在方針を検討している。
(4)
特別養護老人ホームの入所者への負担軽減措置の延長
平成12年4月1日以前から特別養護老人ホームに入所している者で、利用者負担割合が5%
以下に軽減されている者は、平成17年10月以降も従来の負担額を上回らないよう軽減される。
- 72 -
3
見直しに伴う区立施設の変更点
(1)
特別養護老人ホームの利用者負担〔標準的なモデル参考〕
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)における相部屋の場合
所得区分
(負担段階)
世帯課税第4段階
利用者
負担計
5.7
80万円超第3段階
80万円以下第2段階
老齢福祉年金受給者
生活保護受給者等
1 割
居住費 食費
負担
3.1
―
2.6
4.0
4.0
2.5
2.5
―
―
1.5
1.5
2.5
1.5
―
1.0
⇒
(単位:万円/月)
利用者
負担計
8.1
1 割
負担
3.0
5.5
3.7
2.4
1.0
4.1
2.5
1.5
1.0
1.0
2.0
1.2
1.5
0
0.9
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)における従来型個室の場合
所得区分
(負担段階)
世帯課税第4段階
利用者
負担計
5.7
80万円超第3段階
80万円以下第2段階
老齢福祉年金受給者
生活保護受給者等
1 割
居住費 食費
負担
3.1
―
2.6
4.0
4.0
2.5
2.5
―
―
1.5
1.5
2.5
1.5
―
1.0
⇒
居住費 食費
(単位:万円/月)
利用者
負担計
10.4
1 割
負担
2.8
7.0
4.0
3.4
居住費 食費
3.5
4.1
2.5
1.5
2.5
1.3
2.0
1.2
1.5
1.0
0.9
※介護報酬の1割負担の中には、精神科医加算、機能訓練加算及び特別区の加算を含んでいます。
※1か月の日数は30日として算定し、金額は百円単位を四捨五入により千円単位まで表示しています。
(2)
短期入所生活介護の負担額
特別養護老人ホームで短期入所生活介護を利用する時の滞在費及び食事の要する費用は、特別
養護老人ホームの居住費・食費に準じた額となる。
区
分
日
額(円)
従来型準個室
居住費
1,150
相部屋(多床室)
食
320
費
1,380
※利用者負担段階が第1段階から第3段階の者については、特別養護老人ホーム同様、介護保
険制度において負担上限を定め、補足給付が適用される。
(3)
通所介護の食費負担額
高齢者在宅サービスセンターで行っている通所介護の食費についても、食事に係る保険給付
の見直しから介護報酬による食事提供加算が廃止される。
通所介護の食費相当額に国の基準額の設定はなく、食材料費及び調理に係る費用を基本とし
て、施設と利用者との契約によって定めることとされている。
区立高齢者在宅サービスセンターの通所介護の食事に係る利用者の負担額については、現在
の食費コスト、特別養護老人ホームの食費及び民間食事事業者の価格等を総合的に勘案して、
区の食費基準額を設けることとする。
改
定
前
改
442円
定
後
650円
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