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B-1 システム仕様のためのオントロジの記述法 委託者 - lise

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B-1 システム仕様のためのオントロジの記述法 委託者 - lise
B-1 システム仕様のためのオントロジの記述法
加藤隼也,川端亮,伊藤潔(上智大学
理工学部
情報理工学科)
本研究では,オントロジ記述の対象として,仕事の委託・受託・依頼に関してのオン
トロジを記述した.また,対象オントロジのタスクを分類するために,コミットメント
ネットワークの概念を導入した.タスクをコミットメントネットワークに沿って分類す
ることで,タスクオントロジの効率的な再利用が可能になる.ドメインごとに仕事の委
託・受託・依頼に関連するドメインオントロジを記述する.それらのドメインタスクオ
ントロジから共通点を見つけ出し,インタードメインオントロジを記述する.
1. 仕事の委託・受託・依頼
本稿では,仕事の委託,受託,依頼を対象にオントロジを構築する.仕事の受託は,
図 3.1 に示すとおり,委託者が受託者に仕事を委託し,依頼者が委託された受託者に依
頼して,受託者がその依頼に応える.依頼内容は様々で,それによって受託者の仕事内
容も変わる.委託者,依頼者,受託者は,記述者がそのドメインにおけるそれぞれの人
の役割から判断して定める.また,物を委託者,依頼者,受託者として扱うこともある.
例としてはサーバ,工作機械などが挙げられる. 例えば,銀行の口座管理サーバは,
現金自動預け払い機を通じて,利用者から預貯金や貸付金の引出を依頼され,口座から
現金で預貯金を引き出すという仕事を行うことがある.この場合,口座管理サーバは依
頼者からの依頼に応えて仕事を提供する受託者であると言える.
委託
依頼
④報告
②依頼
依頼者
受託者
委託者
①委託/受託
③提供
図 3.1 委託・受託・依頼
委託と依頼は,ある人が仕事を頼み,頼まれた人が仕事を行うという点は同じだが,
委託がものやサービスの取扱を頼むのに対し,依頼はものやサービス自体を頼むという
違いがある.また,順番が依頼より委託が先であり,委託されていない受託者に依頼を
しても,受託者は仕事を行えない.他に,受託者は委託されてもすぐには仕事を実施せ
ず,依頼されてから仕事を行う点が異なる.
仕事の委託,受託,依頼の例として本屋の場合を考える.仕事は「本の販売」,委託
1
オントロジの記述
者は「店長」,受託者は「店員」,依頼者は「客」である.図 3.2 に本屋における要員を
示す.
店長(委託者)
店員(受託者)
客(依頼者)
図 3.2 本屋における要員
委託の例として次のようなものがある.
店長が店員に対して本の販売を委託する.店員は,本の販売に対する問い合わせがあ
ったら,これに対応し,店長は,店員の仕事の様子を見る.店員は店長に本の販売の結
果を報告する.図 3.3 はそれを表す.
①
店長 販売を
店員
委託する
②
店長 様子を 店員
見る
販売を
受託する
店長
依
頼
店員
③
販売結果を
報告する
依頼に
応対する
図 3.3 委託の例
依頼の例として次のようなものがある.
客が店員に対して本の販売を依頼する.店員は客に対して本の販売を行う.客は本を
買う.店員は客に本や代金などについて確認させる.図 3.4 はそれを表す.
客
①
販売を
店員
依頼する
客
店員
客
販売する
②
確認させる
店員
③
本
販売を
受託する
確認する 本
図 3.4 依頼の例
図 3.3 における委託と図 3.4 における依頼において,図 3.3 の②における依頼が図 3.4
の依頼に対応している.順番が依頼より委託が先である.仮に本の販売を委託されてい
ない店内警備担当の店員に客が依頼をしても,店員は本の販売を行えない.図 3.3 の委
託で店員が頼まれたことは本を販売するという仕事を取り扱うこと,つまり本の販売の
依頼や問い合わせに対応することである.それに対し,図 3.4 の依頼で店員が頼まれた
2
オントロジの記述
ことは本の販売の仕事であり,客は自分に対し即時に本を販売することを依頼している.
店員が仕事を頼まれ,仕事を行うという点は同じである.
2. コミットメントネットワーク(Commitment Network)
本研究の仕事の委託,受託,依頼を対象にしたタスクオントロジはコミットメントネ
ットワーク[Raul, et al. 1992] [Yamamoto2006]に沿って記述される.タスク内の要
員同士のコミュニケーションの記述法はコミットメントネットワークに基づいている.
コミットメントネットワークでは要員を依頼者と提供者に分類する.コミットメントネ
ットワークは,依頼者と提供者の間での 1 対 1 の関係でのやり取りを表すもので,依頼
者と提供者の間の仕事の約束の過程の始まりから終わりまでの言語や行動による会話
的活動を表わす.コミットメントネットワークのゴールは提供者が依頼者の要求を満た
すことである.依頼者が依頼してから,提供者がそれに応じ,結果が出るまでが一つの
コミットメントネットワークになる.その際に,活動するのは提供者だけである.
コミットメントネットワークは依頼,受託,実施,充足の 4 段階からなる.図 3.5 に
コミットメントネットワークを示す.第1段階の依頼で,依頼者が提供者に依頼をし,
コミットメントネットワークが開始する.提供者は依頼者からの依頼を判断する.次に,
第2段階の受託で,提供者が依頼者に提案し,依頼者は提供者からの提案に合意する.
そして,第3段階の実施に移り,提供者が活動し,依頼者は提供者の活動を管理する.
最後に,第4段階の充足で,提供者が依頼者に報告し,依頼者は提供者からの報告を検
査し,コミットメントネットワークは終了する.
②受託
依頼者
提供者
合意する 提案する
①依頼
依頼者
③実施
提供者
依頼者
依頼する 判断する
提供者
監視する 活動する
④充足
依頼者
提供者
確認する 報告する
図 3.5 コミットメントネットワーク
3
オントロジの記述
表 3.1
コミットメントネットワークの概要
行動
段階
会話の様子
比重の大きさ
判断
外部
依頼者
合意
提案
外部
提供者
実施
管理
活動
内部
提供者
充足
検査
報告
内部
依頼者
依頼者
提供者
依頼
依頼
受託
表 3.1 はコミットメントネットワークの依頼者と提供者の行動についてまとめたも
のである.会話の様子の外部的,内部的は,その段階での会話が当事者間だけの会話と
いう意味合いが,弱いか,強いか,ということを意味する.比重の大きさは,その段階
での行動の重要度が,依頼者が高いか,提供者が高いか,を示す.
図 3.3 と図 3.4 の委託・受託・依頼は,コミットメントネットワークを使って,図 3.6
の通り表すことができる.左側は委託者・受託者間のコミットメントネットワークで,
ここで実施の段階に入ると,依頼者・受託者間のコミットメントネットワークが開始さ
れる.これが終わると再び,委託者・受託者間のコミットメントネットワークに戻る.
実施の段階で,業者等の別の人,組織が仕事を行うこともある.この場合,その人や組
織との間でのコミットメントネットワークになる.
②受託
依頼者
提供者
合意する 提案する
①依頼
依頼者
②受託
③実施
提供者
依頼者
依頼する 判断する
依頼者
提供者
①依頼
④充足
依頼者
提供者
合意する 提案する
監視する 活動する
依頼者
提供者
③実施
提供者
依頼者
依頼する 判断する
確認する 報告する
提供者
監視する 活動する
④充足
依頼者
提供者
確認する 報告する
図 3.6 委託・受託・依頼のコミットメントネットワーク
本屋における店員と客の間でのコミットメントネットワークの例を示す.客が依頼者
で,店員が提供者である.
( )内にコミットメントネットワークにおける段階を示す.
客が店員に「中学 2 年の数学の参考書をください」と依頼する(依頼:依頼).店員は
勧める参考書をいくつか決める(依頼:判断).店員は「こちらはいかがですか?」と
参考書をいくつか勧める(受託:提案).客はその中から「これにしよう」と,購入す
る参考書を決める(受託:合意)
.そして,店員が客に参考書を販売する(実施:活動).
このとき,店員が参考書の包装紙を外すなどの販売の準備をするが,客は参考書を傷つ
4
オントロジの記述
けたりしないか監視する(実施:管理).最後に,店員が参考書や代金の精算などにつ
いて報告する(充足:報告).客はこれらの販売結果に対し検査する(充足:検査)
.こ
れで,本屋における店員と客の間でのコミットメントネットワークは終了となる.なお,
客の目的が果たせなかった場合,新しいコミットメントネットワークが開始される.客
が目的とする本が無ければ,参考書を倉庫から取り寄せることとなり,店員が倉庫に発
注を頼むが,この場合,店員と倉庫側の人間でコミットメントネットワークが発生する.
コミットメントネットワークを導入したのは,仕事の展開をコミットメントネットワ
ークの段階によって分類することで,次の2つの狙いを果たす目的がある.1 つめは,
ドメイン間のタスクの関係を捉えやすくし,オントロジの再利用性を向上させることで
ある.2 つめは,記述者ごとによるドメインタスクオントロジの記述の違いを減らし,
オントロジの共有をしやすくすることである.
3. オントロジの記述方法
オントロジの記述方法について説明する.タスクオントロジ,コンポーネントオント
ロジを分けて記述する.
3.1. タスクオントロジの記述方法
タスクオントロジの記述例を図 3.7 に示す.1 行が 1 タスクに対応している.1 列目
にタスク名を記述し,2 列目以降にタスクの内容を記述する.タスクごとにタスクを構
成するコンポーネントを適切な格に入れる.また,人を表すコンポーネントは,色づけ
されており,青色は依頼者,赤色は受託者,紫色は委託者を表わす.
タスク名
タスクオントロジの内容
図 3.7 タスクオントロジの記述例
タスク名は,各タスクオントロジの内容を示す見出し語の役割を持つ.「店員が商店
で営業時間内にレジを使って客に商品を販売する」というタスクに対し,”商品販売”と
いうようにタスク名を記述する.タスク名はコミットメントネットワークに沿って,他
のタスクと区別できるように記述する.タスク名を記述した1列目の内容を,タスクご
とに赤い罫線で囲む.
図 3.8 タスク名ごとのタスクの記述
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オントロジの記述
図 3.8 は「本配送実施活動」というタスクである.配送業配送員が倉庫に行き,本を
預かり,書店に本を届ける,というものである.
「倉庫に行く」, 「本を預かる」, 「書
店に行く」, 「本を届ける」という4つのタスクが「本配送実施活動」の下位タスク(動
作手順)として記述した.
タスクオントロジの記述における格文法の利用方法を説明する.セルの列が,格文法
の格に対応している.2列目が主格,3列目が動作格,4列目が対象格…,というよう
になっている.タスクのコンポーネントを適切な格に入れて記述する.例えば,「客が
店に来て,店員に注文を伝える」という場合は図 3.9 のように記述する.
図 3.9 格文法に沿ったタスクオントロジの記述例
まず,「客が店に来る」というタスクを格文法で記述する.動作の主体が「客」なの
で「客」を主格に入れる.動作は「来る」なので「来る」を動作格に入れる.動作「来
る」の対象は「店」なので「店」を対象格に入れる.店に入ることが出来るということ
は,店が営業しているということなので,時間格に「営業時間中」を入れる.次に,
「店
員に注文を伝える」というタスクを格文法で記述する.動作の主体が「客」なので「客」
を主格に入れる.動作は「伝える」なので「伝える」を動作格に入れる.動作「伝える」
の対象は「注文」なので「注文」を対象格に入れる.店員は動作「伝える」の伝える相
手,つまり動作の目標なので「店員」を目標格に入れる.店に入ることが出来るという
ことは,店が営業しているということなので,時間格に「営業時間中」を入れる.条件
として客が店に来ているということが考えられる.したがって,条件主格に.「客」を
入れる.条件動作に「来た」を入れる.条件対象格に「書店」を入れる.
Task Ontology の記述におけるコミットメントネットワークの利用方法を説明する.
タスクの連なりに,コミットメントネットワークが反映している.依頼依頼(委託依頼),
依頼判断(委託判断),受託提案,受託合意,実施活動,実施管理,充足報告,充足結果
と並んでいる.タスク名の最後にそれぞれの段階名をつける.タスク名の文字の色はタ
スクの段階をあらわす.依頼が青,委託が紫,受託が赤,実施が緑,充足がゴールドつ
まり濃い黄色である.
図 3.9 のように依頼者が依頼者,受託者が提供者という場合が多いが,図 3.10 のよ
うに仕事の受託において依頼者と受託者が依頼者と提供者の立場を入れ替えながら進
行していくという場合もある.
6
オントロジの記述
図 3.10 本の販売タスクオントロジ
図 3.10 は本の販売タスクオントロジである.始めは本の販売を依頼する客(依頼者)
が依頼者で,書店店員(受託者)が提供者だが,貸出料金の支払いの時には書店店員が依
頼者で,客が提供者になる.そして貸出料金のお釣りの要求の時には,再び,客が依頼
者で,書店店員が提供者になる.
本研究では,オントロジ記述のツールとして Excel を使用した.Excel でのタスクオン
トロジの記述の方法を説明する.セルの 1 行が 1 タスクに対応している.セルの 1 列目に
タスク名を記述し,2 列目以降にタスクの内容を記述する.タスク名を記述したタスク
ごとに1列目のセルを赤い二重罫線で囲む.前述の通り,タスク名の文字の色はタスク
の段階をあらわす.タスクオントロジのファイルは,シート名を上位タスク名とし,シ
ートごとにそれぞれの上位タスクごとに,タスクオントロジを書く.
3.2. コンポーネントオントロジの記述方法
コンポーネントオントロジの記述例を図 3.11 に示す.コンポーネント名とそのコン
ポーネントが存在するドメイン名,そのコンポーネントが関わるタスク名が記述される.
図 3.11 コンポーネントオントロジの記述例
またコンポーネント同士の上位・下位の概念関係の記述例を図 3.12 に示す.コンポ
ーネント名と関係名(上位・下位・同位),関係があるコンポーネント名を記述する.図
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オントロジの記述
3.12 の 4 行目は,コンポーネント「患者」はコンポーネント「依頼者」の下位コンポ
ーネントであるということを示す.
図 3.12 コンポーネントオントロジの関係概念の記述例
本研究では,オントロジ記述のツールとして Excel を使用した.Excel でのコンポー
ネントオントロジの記述の方法を説明する.まず,ドメインコンポーネント名を記述する.次に,
コンポーネントの属するドメイン名,上位タスク名を記述する.さらに,オントロジを再利用すると
き,コンポーネントの置換をするために,置換前のコンポーネント,タスク内のコンポーネント(タ
スクオントロジのファイルで対応するコンポーネント)も記述する.図 3.13 にコンポーネントオント
ロジの記述例を示す.
図 3.13 コンポーネントオントロジの記述例
図 3.13 の1列目がドメインコンポーネント名で,2列目が属するドメイン名,3列
目が属する上位タスク名,4列目が置換前のコンポーネント名,5列目がタスク内コン
ポーネント名となっている.
コンポーネントオントロジはタスク名,人,物,動作,場所,状態(時間),状態(条件動作)で分
けて,シート別に記述する.シート名はそれぞれ,「Component タスク名」, 「Component 人」,
「Component 物」, 「Component 動作」, 「Component 場所」, 「Component 状態(時間)」,
「Component 状態(条件動作)」,とする.そして,コンポーネントの関係を記述する「Component
関係」のシートを追加し,Component の関係を記述する.
4. オントロジ記述の実装
本研究では,オントロジを Excel で記述する.ドメインごとにタスクオントロジのフ
ァイル,コンポーネントオントロジのファイルに分けて記述する.図 3.14 にオントロ
ジのファイルの構成を表す.タスクオントロジのファイルにコンポーネントを内蔵した
タスクを記述する.コンポーネントオントロジのファイルにコンポーネントとコンポー
8
オントロジの記述
ネントの関係を記述する.ファイル名は,タスクオントロジが"Domain 名",コンポー
ネントオントロジが"Component “&” Domain 名",となっている.
Task File
Component File
Task
Component
Task
Component
Task
関係
Task
Component
Component
Component
Component
図 3.14 オントロジのファイルの構成
5. イントラドメインタスクオントロジの記述
イントラドメインタスクオントロジは,ドメイン固有の用語(ドメインコンポーネン
ト)を用いて,ドメイン固有の用語の構成を記述する.本研究では,仕事の委託,受託,
依頼をオントロジ構築の対象としたので,各ドメインの仕事の委託,受託,依頼の作業
手順をイントラドメインタスクオントロジとして記述した.イントラドメインタスクオ
ントロジを記述する上で,記述内容をどの程度で詳細に記述すべきか,という問題があ
る.本研究では記述内容は作業手順となるが,作業手順の記述を簡略化しすぎると,シ
ステムを十分に表わしきれず,システム側の人間の役に立たない記述になる.また,記
述が複雑化しすぎると,記述内容を把握しづらくなり,オントロジ記述者側にとって管
理がしづらい記述になる.記述の程度に関しては,オントロジを構築する立場の人間と
構築したオントロジを利用する立場の人間の間の相互理解による決定が求められる.
6. イントラドメインタスクオントロジの記述例
イントラドメインオントロジの例として,DVD レンタルドメインオントロジを示す.
DVD レンタル業務のシナリオは以下に示す.
DVD レンタル業務のシナリオ
DVD レンタル店の店長が希望者を面接して,DVD レンタル店の店員として雇用する.
そして,店長が店員に DVD レンタル店での業務を委託する.店員は客からの DVD の
貸出や返却の依頼に対応する.また,店員は新しく入荷した DVD の登録や窓口での客
からの会員登録への対応なども行う.
DVD レンタルのドメインタスクオントロジは,上位タスクとして「店員雇用面接」,
「店員仕事委託」, 「新作 DVD 入荷」, 「DVD レンタル店会員登録」, 「DVD 貸出」,
「DVD 返却」という 6 つのタスクに分類した.図 3.15 に DVD レンタル業務について
図示したものを示す.
9
オントロジの記述
店員希望者
DVD製作会社社員
店員雇用面接
DVDレンタル店店長
新作DVD入荷
会員登録希望者
DVDレンタル店会員登録
DVD貸出希望者
DVDレンタル店店員
DVD貸出
店員仕事委託
DVD返却希望者
DVD返却
図 3.15
DVD レンタルの業務
DVD レンタルドメインタスクオントロジを図 3.16 に示す.
図 3.16-1 店員雇用面接
図 3.16-2 店員仕事委託
10
オントロジの記述
図 3.16-3 新作 DVD 入荷
図 3.16-4
DVD レンタル店会員登録
11
オントロジの記述
図 3.16-5
DVD 貸出
図 3.16-6
DVD 返却
12
オントロジの記述
DVD レンタルドメインコンポーネントオントロジを図 3.17 に示す.
図 3.17-1 Component タスク名
図 3.17-2 Component 人
13
オントロジの記述
図 3.17-3 Component 物
14
オントロジの記述
図 3.17-4 Component 動作
図 3.17-5 Component 場所
図 3.17-6 Component 状態(時間)
15
オントロジの記述
図 3.17-7 Component 状態(条件動作)
DVD レンタルドメインコンポーネントオントロジの関係記述を図 3.18 に示す.
16
オントロジの記述
図 3.18-1 Component タスク名の関係
17
オントロジの記述
図 3.18-2 Component 人の関係
18
オントロジの記述
図 3.18-3 Component 物の関係
19
オントロジの記述
図 3.18-4 Component 動作の関係
図 3.18-5 Component 場所の関係
図 3.18-6 Component 状態(時間)の関係
20
オントロジの記述
図 3.18-7 Component 状態(条件動作)
7. インタードメインタスクオントロジの記述方法
インタードメインタスクオントロジは,ドメインを横断して共通に利用可能なタスク
のオントロジである.インタードメインタスクオントロジの用語を各ドメインの用語に
置き換えることで,イントラドメインタスクオントロジになる.この時,置き換える用
語の組み合わせは,ドメインによって異なる.これは,ドメインコンポーネントオント
ロジに記述されている.インタードメインタスクオントロジを再利用することで,ドメ
インオントロジの記述作業の効率向上を図ることができ,オントロジの再利用性を上げ
ることが可能である.
インタードメインタスクオントロジは,ドメインタスクオントロジの中でドメイン固
有のタスクを削除し,タスクを構成するコンポーネントをドメイン固有のドメインコン
ポーネントからドメインに依らず使用可能なインタードメインコンポーネントに変更
することで記述される.つまり,オントロジの内容をドメインに特化した内容からドメ
インに依存しない汎用化した内容に変える.
しかし,インタードメインタスクオントロジの記述は困難な作業である.インタード
メインタスクオントロジの記述内容が汎用化しすぎると,記述内容が減少していくこと
になり,再利用してもあまり記述の手間を減らせず,記述作業の効率向上ができないイ
21
オントロジの記述
ンタードメインタスクオントロジになってしまう.また,タスクやコンポーネントがド
メインに依存しているかどうかを判断する基準の構築も容易ではない.
8. インタードメインタスクオントロジの記述例
販売のインタードメインタスクオントロジについて考察する.様々なドメインの多様
な販売のタスクオントロジを記述し,そこから共通する部分を見つけ出し,販売のイン
タードメインタスクオントロジを構築する.また,販売のタスクがあるドメインは販売
業ドメインが主になると思われるが,今回は他ドメインでも適用可能なインタードメイ
ンタスクオントロジを構築することが目的なので,サービス業のサービスのタスクに分
類されると思われる業務でも,販売に類するものだと判断した業務を,販売のタスクオ
ントロジとして取り上げた.
販売とは,商品を売ることである.商品を購入する購入者と商品を販売する販売者の
間で販売の対象物である商品が販売される.この点から考えて以下の図 3.19 のインタ
ードメインタスクオントロジが販売のタスクオントロジとして記述できる.
図 3.19 販売のインタードメインタスクオントロジ
しかし,図 3.19 の販売のインタードメインタスクオントロジだけでは再利用したと
きに記述作業の効率化にあまり貢献しないと思われる.なぜならば,記述内容が抽象化
しすぎて記述対象となるタスクを詳細に表わせないからである.また,記述量が少なく
あまり再利用できる箇所が多くないことも原因である.販売の実施のタスクでは,商品
の受け渡しや代金の支払いなどのタスクが行われるので,これらを詳細に加えて記述す
ることで,より再利用に適したインタードメインタスクオントロジが記述できる.以下
にその例を示す.
22
オントロジの記述
図 3.20 本の店頭販売のタスクオントロジ
図 3.20 は本の店頭販売のタスクオントロジである.購入者である客が,商品である
本を注文し,販売者である書店店員が,まず,注文された本を客に提供する.そして,
書店店員が代金の支払いを客に求め,最後に客が書店店員にお釣りを要求し,本の店頭
販売タスクが終了する.図 3.19 における「販売 実施 活動」のタスクの手順である商
品の提供や代金の精算が図 3.20 では詳細に記述されている.
しかし,商品の受け渡しや代金の支払いは,その手法がドメインによって異なる.ま
た,商品の受け渡しを代金の支払いより先に行うドメインもあれば,逆の順序で行うド
メインもある.そこで,以降では,様々なドメインの販売タスクオントロジを記述し,
そこから共通点を見出すことで,販売のインタードメインタスクオントロジを記述する
ことを試みる.
外食産業における食品の販売のタスクオントロジを取り上げる.学生食堂や立ち食い
そば屋などで見られる食券を用いた販売方法では,客が食券機にて先に食券を買って,
店員に食券を渡すことで,食券と食事を交換している.食券機に代金の精算業務をさせ
ることで店員の仕事量を減らし,その分,別の仕事を行わせることができる.図 3.21
に食券による料理販売タスクオントロジを示す.
23
オントロジの記述
図 3.21 食券による料理販売タスクオントロジ
ファーストフードの多くの店では,食品を受け渡す前に,先に客に対し代金の支払い
を要求する.これは,調理担当者が食品の調理などをする時間を使って接客担当者が代
金の精算業務を行うことで時間を効率的に使い回転率を上げて効率化を図っていると
思われる.図 3.22 にファーストフードの料理販売タスクオントロジを示す.
図 3.22 ファーストフードの料理販売タスクオントロジ
レストランなどの飲食店では,客に料理を提供し,客が食事をした後で,客に代金の
支払いを要求する.これは,本来,レストランなどは販売業というよりサービス業であ
24
オントロジの記述
ることに理由があると思われる.図 3.23 にレストランの料理販売タスクオントロジを
示す.
図 3.23 レストランの料理販売タスクオントロジ
商品の性質によって,提供できる相手が限られているときなどは,「購入資格確認」
タスクが必要である.例えば,通学定期券は学生であることを証明しないと購入できな
い.多くの場合,通学定期券の購入者は学生証を提示することで,学生という身分を証
明することになる.図 3.24 に通学定期券の販売タスクオントロジを示す.図 3.24 の 7
行目から 15 行目が,客が学生であることを確認するタスクである.
25
オントロジの記述
図 3.24 通学定期券の販売タスクオントロジ
商品選びを手伝いつつ,販売業務を行うこともある.業務システム上では明記されな
いこともあると思われるタスクではあるが,このタスクについて詳細に考察することで
顧客の満足度を上げることもできるかもしれない.業務のエキスパートがこの手順を定
めてオントロジとして定義することで,業務に未成熟な者にもこの手順の質の良い方法
が伝えられる.
デパートなどでは,客に対して贈呈品の選定を手伝うサービスがある.客から予算な
どの贈呈品に対する要望を聞きだし,推奨する品物を決める.どの商品を選ぶかは最終
的に客側が決定する.図 3.25 にデパートの贈呈品販売タスクオントロジを示す.図 3.25
の 7 行目から 14 行目が,デパート店員が贈呈品を選択し,推奨するタスクである.
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オントロジの記述
図 3.25 デパートの贈呈品販売タスクオントロジ
薬局では,薬剤師が客の症状などを聞いて適切な医薬品の販売をしている.客の年齢
や症状,体質的なアレルギーなどを聞き出すことによって,勧める医薬品を決定してい
る.図 3.26 に薬局の医薬品販売タスクオントロジを示す.図 3.26 の 7 行目から 17 行
目が,薬剤師が勧める医薬品を選択し,客に勧めるタスクである.
図 3.26 薬局の医薬品販売タスクオントロジ
27
オントロジの記述
電話注文などの販売では,客にとっては手元に商品が送られて始めて実際の商品がど
ういうものか分かる.トラブルを避けるためには客に対し「商品の確認をさせる」とい
うタスクが必要である.そして,確認して,問題などあれば連絡するように客に伝える.
客にはその商品の正常な状態やそれを確かめる方法が詳しく分からないので,確認方法
を伝える必要がある.また,連絡の方法も伝える必要がある.図 3.27 に電化製品の販
売タスクオントロジを示す.客が,説明書を使って,配送で送られてきた電化製品の状
態を確認する.図 3.27 の 15 行目から 17 行目が電化製品の状態を確認するタスクであ
る.
図 3.27 電化製品の販売タスクオントロジ
代金の支払い方法も様々である.現金で払うこともあるし,カードで払うこともある.
カードには,プリペイドカードのような前払いのカードもあるし,クレジットカードの
ような後払いのカードもある.図 3.20 から図 3.26 までの販売のタスクでは,現金によ
る支払いを記述した.図 3.28 はプリペイドカードによる支払いを記述したタスクオン
トロジである.カードリーダで,プリペイドカードによる代金精算を行っている.図
3.28 の 16 行目から 20 行目がプリペイドカードによる支払いタスクになっている.
図 3.28 プリペイドカード払いの販売タスクオントロジ
商品受け渡しの方法も様々である.客に直接手渡しすることもあるし,発送で送るこ
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オントロジの記述
ともある.図 3.29 のタスクオントロジは,客が書店で本を注文し,店員が配送業者に
客への商品の発送を依頼する,というタスクオントロジである.図 3.29 の 30 行目から
47 行目が商品である本の発送タスクである.
図 3.29 商品発送をする販売タスクオントロジ
インタードメインタスクオントロジは,複数のドメインに共通のタスクオントロジで
構築される.前述のドメインタスクオントロジからドメイン間で共通の部分を抜き出し,
ドメイン固有の用語を共通の用語に置き換えることで,インタードメインタスクオント
ロジの記述が可能である.また,タスクオントロジのタスクは下位概念のタスクの手順
を含むという性質がある.この性質を利用することで,前述のタスクオントロジにおい
て,複数のタスクを上位のタスクとしてまとめることで共通の部分を増やすことが出来
る.また,手順の異なるタスクも上位概念で捉えることで共通するタスクと見なすこと
ができる.しかし,共通部分を抜き出す作業において,以下のような問題がある.
それぞれのタスクの順序はドメインに依存して違う.タスクの順序を見ると,図 3.23
のレストランにおける料理販売タスクオントロジでは,商品である料理の提供が代金の
支払いより先であるが,他のドメインの販売では,代金の支払いが順序として先になる,
または商品の提供と同時に行うことが多い.レストランでは料理を提供するだけでなく,
その料理を客が心地よく食することができる場を提供するというサービスも含んでい
る.そのため,その他のドメインとタスクの順序が異なり,必ず商品を提供後に代金の
支払いを求めるという順序になっている.したがって,販売のインタードメインタスク
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オントロジの記述
オントロジにおいては代金の支払い後に商品の提供をするという順序にした.
タスクの有無はドメインに依存する.図 3.24 の通学定期券の販売タスクオントロジ
において学生であることを認証するタスクがあるが,これは商品を購入するための資格
を学生証を見て確認している.通学定期券は購入するために身分を証明する必要がある
商品なので,このようなタスクを必要とする.しかし,図 3.20 の本の店頭販売タスク
オントロジにおける商品である本のように購入するうえで身分確認を必要としない商
品も多い.ただし,酒やタバコなど購入するために身分確認が必要な商品は通学定期券
以外にもあるので,購入資格を確認するタスクが販売タスクでは一般的でない,とは言
い切れない.したがって,販売のインタードメインタスクオントロジは購入資格確認タ
スクを含むことにした.
図 3.28 のプリペイドカード払いの販売タスクオントロジでは支払いの方法が図 3.20
の本の店頭販売タスクオントロジのような現金による支払いとは異なる.しかし,手順
の異なるタスクも上位概念で捉えることで共通するタスクと見なすことができる.この
場合では,手順は異なるが,どちらも代金を精算するタスクである,と捉えることで,
共通部分として識別できる.
ドメイン固有の用語を共通の用語に置き換えることで,インタードメインタスクオン
トロジの記述が可能である.共通の用語は,販売する要員を販売者,販売される要員を
購入者,販売する対象物を商品,販売する場所を販売場所,販売する時間を販売可能時
間とした.販売のインタードメインタスクオントロジでは,タスク内のコンポーネント
を用語の変更に合わせて,変更した.
以上の点を踏まえて,上記の販売のタスクオントロジにおいて存在するタスクを統合
して,以下のように分類した.数字はタスクが行われる順序を示す.
1.
購入者による商品選択タスク
2.
購入資格確認タスク
3.
代金精算タスク
4.
商品受け渡しタスク
5.
購入者による商品確認タスク
この中でコミットメントネットワークにおいて,購入者による商品選択タスクは受託
の提案の段階,購入資格確認タスクは依頼の判断の段階,代金精算タスクは実施の段階,
商品受け渡しタスクは実施の段階,購入者による商品確認タスクは充足の検査の段階に
分類される.
これらのタスクはいくつかの下位タスクを含んでいる.代金精算タスクは,購入者に
よる支払いタスクと販売者によるお釣りの受け渡しタスクで構成される.また,商品受
け渡しタスクは,商品準備タスクを含む.そして,商品準備タスクは商品製作タスクを
含む.
今回は上記のタスク構成をインタードメインタスクオントロジの構成とした.以上の
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オントロジの記述
点から販売のインタードメインタスクオントロジは図 3.30 のように記述した.
図 3.30 販売のインタードメインタスクオントロジ
図 3.30 は販売のインタードメインタスクオントロジとして記述したが,他のドメイ
ン全てに適用できるわけではない.図 3.30 の 14 行目から 22 行目において購入資格確
認タスクがあるが,このタスクを必要としないドメインもある.また,図 3.30 では商
品の提供タスクが代金の精算タスクより後に行われるが,この順序が逆になるドメイン
もある.
前述のように,他のドメイン全てに適用できるインタードメインタスクオントロジを
記述することは難しい.これは,タスクオントロジのタスク数が多くなるほどインター
ドメインタスクオントロジとして記述することが難しくなる.タスクオントロジのタス
ク数が多いほどタスクの組み合わせが複雑になるからである.したがって,タスク数の
少ないインタードメインタスクオントロジを記述して,それらを組み合わせることでド
メインタスクオントロジを記述した方が再利用の手法として適切といえるかもしれな
い.例えば,代金の支払いと商品の受け渡しのインタードメインタスクオントロジを再
利用し,ドメイン固有の適切な順序で並べる.そして,ドメイン固有の代金の支払い方
法,商品の受け渡し方法を記述する,あるいは以前に記述されたオントロジを再利用す
る.図 3.31 はこの手法の概念図である.図 3.31 では,A Domain では購入資格確認,
代金精算,商品受け渡しのインタードメインタスクオントロジを再利用し,購入資格確
認,代金精算,商品受け渡しの順序でタスクオントロジを記述し,B Domain では,代
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オントロジの記述
金精算,商品受け渡し,購入者による商品確認のインタードメインタスクオントロジを
再利用し,商品受け渡し,代金精算,購入者による商品確認の順序でタスクオントロジ
を記述している.このように,ドメインごとに必要とするインタードメインタスクオン
トロジを組み合わせる.この場合,適切なインタードメインタスクオントロジを探す作
業が増えることになる.ひとつひとつ必要なタスクを探す必要があるからである.
A Domain
B Domain
購入者による商品選択タスク
購入資格確認タスク
購入資格確認タスク
商品受け渡しタスク
代金精算タスク
代金精算タスク
代金精算タスク
商品受け渡しタスク
商品受け渡しタスク
購入者による商品確認タスク
購入者による商品確認タスク
図 3.31 インタードメインタスクオントロジの組み合わせによる再利用
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