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お客様本位の実現に向けて(PDF 1.2MB)
お客様本位の実現に向けて あいおい損保では、 「お客様本位の会社」を実現するべく、 「安心レベル」の確 立と、 「満足レベル」を追求し、商品やサービスにおいてお客様の目線で業務 品質の向上に取り組み、 さまざまなニーズにお応えしています。 お客様本位の実現に向けて わかりやすさを追求した商品づくり 「わかりやすい商品」の開発コンセプト 当社は、お客様の視点ですべての業務・しくみ・枠組みを見直 募集文書の見直し 当社では、お客様に保険を正しくご理解をしていただくため、 す業務プロセス改革に取り組んできました。 この中で、 お客様より 2006年度から主力商品については冊子型のわかりやすいパン 「商品が複雑で特約も多くわかりにくい」 「事故が発生した時にど フレットを提供しています。お客様や代理店・扱者から寄せられ のような保険金が受け取れるのかがよくわからない」 「事故時に た声をベースに、文字を大きくしたほか、日常的に使用する言葉 きちんと対応してほしい」等のご意見が多く寄せられていました。 で説明を行い、保険の専門用語の解説やQ&Aを記載することに そこで、お客様が損害保険に期待される万全な事故解決と保 よって、 より読みやすいものになりました。また、万一の事故の時 険金のお支払いにしっかりとお応えすることができるよう、お客 にどのように保険が役立つかをご理解いただくために、 イラスト 様の視点で「わかりやすい」商品づくりに取り組んでいます。 を多用した説明や、色使いの工夫等を事故の形態別に行ってい ます。 商品ラインアップの整理・統合 さらに、2008年度からは、自動車保険をはじめとして、今後、 お客様からの「商品が複雑でわかりにくい」 とのご意見を真摯 順次、主力商品を「わかりやすい商品」に見直しを行っていきま に受け止め、 すべての約款・特約を再度見直すとともに、多様化 す。この中で、パンフレットをお客様説明ツールの中心に位置づ した商品ラインアップの整理・統合を行っています。 けて、申込書、証券、約款といったお客様の目にふれる資料に使 用する用語・イラストをすべてパンフレットと共通化して見やす く読みやすいものとしています。 具体的な取り組み内容例 ●自動車保険の特約の整理・統合 ●家計向け火災保険の商品統合(住宅総合保険等の販売を中止 し、家庭総合保険に一本化) ●積立傷害保険の商品統合(9商品を積立スタンダード傷害保 険に一本化) 〈特約数の削減(例)〉 自動車 火災 18 主要3商品 トップラン 家庭総合 (件) 削減前 削減後 301 202 92 61 158 65 I O I C SR RE PO R T 2 O O 8 「わかりやすい商品」の発売 自動車保険「トップラン」の発売(2008年4月) 第三分野商品「リブリード☆アドバンス」の発売(2008年4月) ●「どのようなときに役立つのか」 よくわかる保険に変わりました ご入院日数や手術に応じた補償という医療保険の基本的な機 ①どのような補償を受けられるのか一目でご理解いただける ように、申込書や保険証券に主な補償の有無を「○」 「×」等 能に加えて、年々高度化する先進医療の補償をさらに強化した 「リブリード☆アドバンス」を発売しました。 で表示しました。 お客様におすすめするポイントを明確にするとともに手続きや ②携帯電話から事故時や緊急時のご連絡、各種サービスのお 帳票の改善も行い、 「シンプルでわかりやすい」商品としました。 申込みが簡単にできるようになりました。 手続き ・先進医療費用保険金を当社から直接病院へお支払 ③ “あいおいマイページ” にご登録いただきますと、事故後の いすることが可能となり、お客様の利便性向上を図 対応状況を、携帯電話やパソコンのお客様専用のマイペー ●「見やすい」保険になりました ①「字が小さく読みにくい」 「難解な表現で理解できない」 とい うお客様の声にお応えしました。 ・パンフレットや約款に記載する保険用語や法律用語を平 帳 票 ・従来別々であった健康状態告知書とご契約内容確認 書を一体化しました。 ・健康状態告知書を医療補償用と介護補償用に分け、 見やすく記入しやすい帳票としました。 易な「ことば」で表現しました。 ・パンフレット・申込書・約款等の並び順やイラスト・ 「こと ば」を同じものに合わせました。 ②ご加入いただいている補償内容とご継続時におすすめする 補償内容の違いが一目でわかる 「継続のご案内」を新たに作 成し、 お客様にあった補償が選びやすくなりました。 ●商品の簡素化として、自動車リスクに補償を限定したり、補償 内容が類似した特約を統合し、 「すっきりとした」自動車保険と しました。 VOICE 「わかりやすい」商品づくりに 取り組んでいます 消費者代表の方に、 「消費者は 対人賠償保険から説明しないと 保険の全体像を理解できない」 個人商品部 とご指摘いただいた時、 「わかり 坂本 弘一 やすい」 とはお客様が「商品全体 が見えること」 「ご自分で読んでもらえること」 と考えるにい たりました。 お客様の目にふれる見積書・申込書・証券・約款のすべて について、使用する用語・イラスト・色使いを見直し、パン フレットを中心において共通化することにしました。きちん と共通化できているかの検証には、従来の商品改定にはな い対応を要しました。 19 お客様本位の実現に向けて ださい) 。 企業価値の創出のために ジで簡単にご覧いただけるようになりました (P21を参照く りました。 適正なご契約に向けた取り組み 「安心・ご確認運動」 (=全契約総点検)の取り組み 書」を申込書に組み入れる等、お客様のご意向の確認をより確実 に実施できるよう取り組みを強化していくとともに、以下の改善 当社では、損害保険契約のお申込み手続きにあたり、 ご加入い 策に取り組んでいます。 ただく保険契約の内容がお客様のご希望に沿った適切なものに ●お客様への説明態勢の改善・強化 お客様本位の実現に向けて なっているか、適正な保険料で提供できているかを確認・点検す 募集文書作成要領 (ルール) である 「ガイドブック」の改訂を行 る取り組みとして、火災保険は2007年4月募集分から、自動車 い、 記載ルールの見直しを実施しました。また、 保険料誤りの多 保険等については6月募集分から、 「安心・ご確認運動」を実施し かった事由を中心に、 パンフレット記載内容の改善等お客様向 ました。 けの説明ツールを大幅に改善・拡充しています。 「安心・ご確認運動」では、 まず、満期を迎えご継続いただく全 2008年4月には、 従来のハガキによる証券同封お客様アン ての保険契約、および新たにご加入いただく保険契約を対象に、 ケートを発展させ「WEBアンケート」 を開始し、 保険契約全般に ご契約締結前に「ご契約内容確認書」等を使用してお客様と代理 関するお客様の期待内容・評価・満足度も正確に把握できる 店・扱者が相互にご契約内容を確認することで、 適切な契約の締 よう改善・強化を図りました (P31を参照ください) 。 結を実施してきました。併せて、満期を迎える保険契約の保険料 また、新商品発売時や商品改定時には、当社ホームページに が適正であったかの点検を実施しました。また、運動期間中に満 て、適正な保険金額設定、割引等の保険料算出条件、通知義務 期を迎えることのない長期契約・自動継続契約、 および継続され 等に係る情報開示を徹底するとともに、 長期のご契約について なかったご契約等については、 当社から保険契約の内容を記載し は定期的にダイレクトメールを送付し、保険期間中にお客様が たダイレクトメールを送付する、あるいは専用窓口を開設してお 客様からのお問い合わせに対応する等によって保険料が適正で ご契約内容を見直す機会を確保することとしました。 ●代理店・扱者指導態勢の改善・強化 あったかの点検を実施しました。なお、当社より差し上げたダイレ 2008年6月に「募集人資格試験」に更新制度を導入し、 クトメール等にご回答いただいていないお客様については、引き 2008年11月には損害保険協会の「保険商品教育制度」に参 続き専用窓口にてお問い合わせを承っています。 画、その試験合格者・研修修了者に対し当社の「普通資格」を 一方、既にご加入いただいているご契約の内容や保険料の点 認定することで募集人資質の向上を図ります。なお、第三分野 検の結果、多くのお客様に保険料をお返しすべきご契約がある 商品(健康総合保険)では、2007年4月より独自の販売資格 ことが判明致しました。お客様ならびに関係先の皆様には多大な 制度を開始し2007年8月以降は同資格の取得者以外は販売 ご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げま を行えないしくみ(計上時の機械チェックを導入済) としまし す。また、保険料を多くいただいていたお客様には、お詫びとご た。また、 従来から、 代理店・扱者の指導を担う社員の商品・業 説明をさせていただくとともに、既に保険期間が終了している過 務知識習得に努めてきましたが、 さらに「e-ラーニング」 「社員 去の契約についても確認できる時点まで遡って契約内容を是正 講師養成集中講座」を実施し、併せて社員の人事評価への反 し差額保険料を返還させていただきました。 映や部門表彰制度への業務品質水準の反映を行うことにより、 保険料誤りが発生するに至った原因は、お客様への説明態勢、 代理店・扱者指導力の向上を図っています。 代理店・扱者への指導態勢および商品の開発・管理態勢におけ ●商品開発・管理態勢の強化 る問題が複合的に絡んだことによるものと認識しており、今後こ お客様保護の強化とお客様から評価・信頼・支持される商 のようなことが発生しないよう、 「お客様本位の会社」に向けた会 品の開発・提供のため、2006年12月に「商品開発方針」を 社改革に全社を挙げて取り組むとともに、既に取り組んでいる再 策定するとともに、 この方針の実行と開発態勢の構築・確保に 発防止策に加え、 ご契約内容の適正性確保に向けたさらなる態 向けた「行動指針」を定め、お客様目線で商品開発を行う態勢 勢整備・強化を図りお客様からの信頼回復に努めていきます。 に変革し、業務品質の向上に努めることとしました。また、 シス 「適切・適正なご契約でお客様をリスクから守る」 今後の取り組み 今後も、お客様のご意向の確認に加えて保険料の適正性を確 認する取り組みを永続的に行います。さらに、 「ご契約内容確認 20 テムチェックについても、保険料誤りが多く発生した火災保険 等を中心に、募集前の注意メッセージ表示の改善や、募集後の 申込書類の点検等に万一漏れが発生した場合のチェック機能 の強化を図っています。 I O I C SR RE PO R T 2 O O 8 万一の時のサービス・取り組み 事故経過情報サービス「あいおいマイページ」 その他の事故対応サービス “あいおいマイページ” とは携帯電話やパソコンでご契約内容 ●業界トップクラスのサービス体制 や事故対応の経過をご覧いただける自動車保険のご契約者様専 お客様から事故のご連絡があれば、全国201のサービス拠点 用のサービスです。携帯電話やパソコンから、 “ あいおいマイ で、 約3,900名の専門スタッフがお客様の事故を解決します。 ページ” にご登録いただくことで、事故に遭われたお客様が、事故 後の対応状況を、携帯電話やパソコンのお客様専用のマイペー ●365日24時間 事故受付・相談サービス 当社提携の(株)安心ダイヤルにて、365日24時間、通話料 ご 案 内 い たし ま 無料の事故受付・相談サービスを実施しており、携帯電話・ す。ご登 録された PHSからも通話料無料でご利用いただけます。また、休日・夜 お客様にはeメー 間のレンタカー手配や相手方との連絡等の初期対応サービス ルによる自動車保 も行っています。 険満期のご案内も 実施しています。 ●お客様訪問サービス 自動車保険にご加入のお客様のご要望に応じ、事故受付から 24時間を目途(遅くとも3日以内) に専門スタッフが訪問する サービスを実施しています。 安心コール ●休日鑑定人急行サービス、 修理業者紹介サービス 事故の受け付けからお支払いまでお客様のお役に立つ事故解 火災事故や漏水事故で建物や設備・什器等に損害が発生した 決サポートとして、 “安心コール” を実施しています。事故後のきめ 場合、休日でもご希望に応じ当社指定の鑑定人がお客様を訪 細かい進捗経過をお知らせし、 ご安心を提供するために、 ①事故受 問し損害確認を行うとともに、保険金請求手続き等のアドバイ 付時、②初期対応時、③中間での進捗状況、④事故解決時の4つ スを行うサービスを実施しています。 の節目にあわせて、 担当者がお客様に電話で報告を行います。 VOICE 安心コールでお客様に 安心をお届けします。 自動車事故の担当者として、自分 が事故というものに慣れてしまわ ないように心掛けています。事故 とそれに伴う保険金のお支払い 首都圏ディーラー損害サービス部 は、私たちにとっては毎日のあたり 横浜ベイサイド第一サービスセンター 小野 紀子 まえの仕事ですが、お客様にとって は一生に一度のことかもしれませんので、常にオンリーワンの ケースという気持ちで対応します。お客様の利害に直接かかわ る社会性の高い仕事という重圧はありますが、お客様とコミュ ニケーションする機会が多いこの仕事は、 まさに毎日が勉強で す。お客様から「この人なら」 と信頼をいただくために、 しっかり と業務知識を身につけ仕事に臨みたいと考えています。 ●海外緊急アシストサービス 海外旅行中の病気・ケガ等万一の場合には、 「 あいおい海外 あんしんダイヤル」がワールドワイドなネットワークを持つアシ スタンス会社との提携により、キャッシュレス医療サービス、 日 本人医師・病院情報紹介サービス、救急医療サービス、成田 空港ヘリコプター患者移送サービス等を提供します。 ●ホームページによる事故受付サービス 2006年3月の耳や言葉のご不自由なお客様へのFAXによる 事故受付サービスに続き、2007年1月より、お客様の保険金 請求の利便性を向上させるため、当社ホームページおよび携 帯サイトによる事故受付サービスを実施しています。 21 お客様本位の実現に向けて ジで簡単にご覧いただけます。さらに、情報の更新をeメールで 保険金支払い漏れの根絶に向けた態勢整備 保険金支払審査会実施状況 (2006年11月∼2008年3月) (件) 累計 保険金支払い漏れ問題を起こさない、確固たる保険金支払管 理態勢の構築と運営が図られるよう、保険金未払い事案の網羅 的な事後検証(モニタリング調査)等の業務をとおして、保険金 審査件数 59 2006年度 2007年度 11∼3月 年間計 18 41 上記のうち、審査の結果、 12件について保険金をお支払いさせていただくこ とといたしました。 支払部門のみならず、社内関連部署を監視・牽制し、必要な改善 策を提言・指示する機能を担う組織を設置しています。主な業務 保険金のお支払いに関する不服審査お申し出制度 は以下のとおりです。 免責事案で、当社の説明ではご納得いただけないお客様から お客様本位の実現に向けて のお申し出を受け付け、免責対応の妥当性を第三者機関で審査 保険金支払い漏れに関する定例モニタリング調査の実施 する「保険金のお支払いに関する不服審査お申し出制度」を導 保険金の支払い漏れを検証する月例モニタリング調査と、最 入しています。 終的に免責 とした事案についての妥当性を検証するモニタリ 本制度では、 「不服審査お申し出窓口」を設置し、契約者・補償 ング調査を実施しています。いずれも、最終的な支払い漏れを未 の対象となる方からの審査お申し出をフリーダイヤルで受け付 然に防止し、不適切な不払い事案を出さないためのしくみです。 けます。審査受理した事案については、社外弁護士で構成する *1 ●保険金の支払い漏れを検証する月例モニタリング調査 「不服審査会」で社外第三者の立場から、お客様のご主張を踏ま 保険金支払内容と契約内容をシステム的に全件チェックし、支 えながら、免責判断の妥当性を審査し、その結果を「不服審査 払い漏れの可能性がある未払い事案をマンスリーでリスト化 会」からお客様に直接回答しています。 し、保険金支払部門において事案点検し、支払い漏れとなって いたものについては直ちに支払いを行うとともに、その点検 結果を保険金審査部に報告します。さらにリスト事案全件の書 不服審査お申し出制度ご利用状況(2007年2月∼2008年3月) 2007年2月の制度開設から、 76件の不服審査お申し出を受理し不服審査会 で審査いたしました。 (審査済み65件、審査中11件) 累 計 類ファイルを、保険金審査部に取り寄せ、最終的に支払い漏れ がないかどうかを現物検証する等、二重、三重のチェックを 行っています。 (件) 2006年度 2007年度 2∼3月 年間計 保険金の支払いに該当しないとされた事案 50 2 48 保険金支払審査会へ付議され、 保険金の支払いに該当しないとされた事案 4 1 3 の書類ファイルを取り寄せ、保険金審査部にて現物検証を 保険金支払審査会へ付議され、 保険金をお支払いすべきとされた事案 6 2 4 行っています。また免責とすることの妥当性について疑義があ 保険金支払審査会へ付議され、審査中の事案 2 0 2 その他 (お客様からの審査取り下げのお申し出が あった事案 等) 3 0 3 合 計 65 5 60 ●免責事案のモニタリング調査 免責事案については、その妥当性を判断するため、当該事案 る事案や、第三者の判断を経ることが必要と思われる事案に ついては、必要に応じ、保険金支払審査会に付議し意見を求め ています。 保険金支払審査会実施状況、不服審査お申し出制度ご利用状 保険金支払審査会による第三者検証の実施 免責事案について、その判断の妥当性を社外第三者の立場か ら検証し、意見を求める社内諮問機関として「保険金支払審査 会」を2006年11月に設置し、原則毎月一回運営しています。 同審査会は、社外弁護士を中心に構成し 「客観的で合理性のあ る証拠確保の有無」 「お客様の視点に立った説明の有無」等の観 点から免責判断の妥当性について審査します。 免責判断が妥当でないと判断された場合には、同審査会の見 解を踏まえ、保険金審査部長が保険金支払部門に支払い要請を 行います。 22 *1 免責:保険金のお支払い要件に該当しないこと。 況については、 当社ホームページで公開しています。 I O I C SR RE PO R T 2 O O 8 IOI(あいおい)品質向上活動の取り組み あいおい損保 品質方針 お客様に安心と満足をお届けするために 客様一人ひとりの声を大切にすることを企業理念として掲げ、 1. 正確な業務運営を徹底します。 <正確性> 全役職員が「お客様第一主義」に徹し、お客様の安心と満足を 2. 迅速な業務運営を追求します。 <迅速性> 徹底的に追求しています。 3. 誠実なお客様対応を心がけます。 <誠実性> そのために、お客様の立場に立って考え、行動することが重 4. 法令および社会倫理を遵守し、 コンプライアンス推進するこ 要であると認識し、それを実現するために、 「品質方針」を定め とを誓います。 <コンプライアンス推進> 全役職員が共有することにより、お客様との接点における業務 5. PDCAマネジメント管理を実践し、 たゆまぬ品質向上に取り 品質の継続的な向上を図ってまいります。 組みます。 <PDCAマネジメント> 「品質改善テーマ」の設定と定例モニタリング、 社員への浸透活動 保険会社の品質は、お客様のニーズに合った商品の開発・提 供と、商品を販売する社員および代理店・扱者の説明態勢、事故 があった際の担当者の対応、そしてそれらを支えるシステム整備 等の総合力で決定されます。そこで、各業務プロセスを部門横断 的に検証するとともに「お客様の声」や各種アンケート等で頂戴 したご意見を参考にし、当社のめざす「お客様接点の業務の品 質」とは何かを明らかにした上で、各部門ごとに「品質改善テー マ」を策定しました。そして「品質改善テーマ」策定後はその 「テーマ」 ごとの改善目標を設定(数値化) し、全部門がその目標 数値を達成することで、お客様接点の業務品質レベルをまず「安 心レベル」にし、 さらに「満足レベル」へ、そして最終的には「感動 レベル」まで引き上げることをめざして活動を行っています。 2008年度も現業3部門・本社17部門で品質改善テーマ (合計 32テーマ) を新たに設定し、各部門がそれぞれの改善テーマに 対しどのように取り組み、改善・進捗しているのかというモニタ リングも定例的に実施しております。日常業務運営の中で常に 「後工程はお客様」 という考え方を本社から現業部門にまで浸 *2 透させ、各職場ごとにPDCAマネジメントを実践し、自ら改善・ 進化し続ける企業風土を構築することで、あいおいの品質向上 につなげる取り組みを展開しています。 品質向上ワッペン 進捗状況管理表 全員参加で業務品質向上へ取り組み、 お客様満足度No.1をめざします 私たちの職場では「解決したときに ありがとうの一言をもらおう」から、 品質向上活動をスタートしました。 神奈川損害サービス部 また同時に「感謝の声」を集め好事 厚木サービスセンター 例を水平展開する運動を行ってお 所長 谷 昭廣 り、全員が必ず月1件の体験を投稿 することをルール化しました。これによりお客様の目線に 立った品質向上意識を高めています。さらに初めて取り組 む業務に対する自学自習はもちろんのこと、電話応対やマ ナーを身につけ、品質において世間の常識とずれがないよ うに、 メンバー一人ひとりが自己研鑽に努めています。品質 向上活動を職場内に徹底するためには、 自らが率先垂範す ることが重要だと認識し、月1件の投稿やお客様への積極 的な訪問を心掛けています。 VOICE 人間関係を重視した事故対応を 心掛けています 「当たり前のことを当たり前に行う」 ことを基本として、品質向上に取り 組んでいます。事故受付後の1カ月 同サービスセンター 間に相手方に頻繁に連絡し、好印 市東 久美子 象を持っていただいてから具体的 なお話に入る等、人間関係を重視した事故対応を心掛けて います。書類受け取りコールも実践しています。 品質方針ポスター *2 最後のお客様の品質を保証するためには、前工程を担当する 全員が「自分の後工程はお客様である」 と思うこと。 VOICE 23 お客様本位の実現に向けて あいおい損害保険は、 「共感・共創・共生」の精神で、常にお 安心と安全をお客様に提供しています 災害発生時の対応・災害バックアップセンター 住まいの現場急行サービス 当社は、思いもよらない災害にお困りのお客様に、速やかに安 住まいの現場急行サービス(火災保険、 「クルマと住まいの 心をご提供すべく努力しています。 サービス」を選択した自動車保険) では、住まいのトラブルを迅速 2007年度は九州南部を直撃した大型で非常に強い台風4 に解消するために、対応する専門業者ネットワークの拡充に取り 号、新潟県中越沖地震、東日本を縦断した台風9号、 と自然災害 組み、 到着時間の短縮を図っています。 が相次ぎました。被災されたお客様への対応は、現地サービスセ ンターのみならず、 コールセンターの拡充とこれらを支援・代替 リスク軽減の取り組み お客様本位の実現に向けて する機能を備えたバックアップセンターを準備し、被災地域と本 当社は、 (株) あいおいリスクコンサルティングと連携し、 お客様 社に対策本部を設置して総力を挙げて行ってきました。今後も引 のリスクマネジメント活動について支援業務を行っています。企 き続き、損害調査への社内的な支援体制の整備、社員の教育等、 業を取り巻くリスクを、安全・安心、環境、経済性等の視点から総 災害への備えを平素から取り組んでいきます。 合的に分析し、的確かつ効率的な問題解決に向け、支援していま ロードアシスタンスサービス す。このような当社の支援活動を通じ、お客様が未然に事故を防 ロードアシスタンスサービス (自動車保険付帯サービス)の品 うな準備ができます。事故削減や軽減によって得られたお客様の 質向上を図るため、実際にサービスをご利用いただいたお客様 利益は、当社の収益にもつながるため、 リスク軽減活動に積極的 を対象とした「お客様満足度調査」を定期実施し、 「お客様の声」 に取り組んでいます。以下に一部ご紹介します。 止できたり、万一事故が発生した場合でも、損失が軽度で済むよ に基づき手配オペレーション、出動業務の品質改善取り組みを 行っています。お客様からご要望いただいている「事故・故障現 予防安全、 リスクの軽減のための各種プログラム 場特定」時間の短縮ニーズに対しては、2008年10月より携帯 ●安全な交通環境の実現をめざして 電話のGPS機能を活用した位置情報送信システムをロードサー ・企業向け交通事故削減プログラム (FRM54) の提案 ビスご利用のお客 業種や規模等により、 特性に合った事故低減メニューをご提 様に提 供し、改 善 案します。 ・安心サポート号 を図る予 定です。 今後もお客様の声 運転適性診断機器を搭載した安全運転診断バスを企業・地 を詳細に分析し、 さ 域のイベント等に派遣しています。 らなる品質向上に ●事業の安定、 建物等の安全をめざして ・防災リスクコンサルティング 努めていきます。 レッカーサービス ロードアシスタンスサービス利用者のお客様満足度 0 75 2007年4月 2008年2月 80 85 89.5 90 95 7.6 92.8 (%) 100 2.9 5.4 1.8 「とても満足」 「満足」 「普通」 いただいたご意見 「不満」 「非常に不満」 ●寒い日の夜中のトラブルでしたが、 とても良い対応で、色々と点検してくれた上に丁寧 にわかりやすく説明をしてくれました。 ●オペレーターが迅速・適切に対応したので、不安にならずに待つことができました。作業 も安心して見ていることができるくらい対応力に優れており、全体としても大変満足し ました。 24 火災・爆発危険を中心に、 存在するリスクや管理上の問題点 を洗い出し、 リスク低減のためのアドバイスを行っています。 ・震災リスクソリューションシステム 地震リスクや震災時における火災延焼リスクを評価したうえ で、その企業にあった災害時のBCP(事業継続計画)構築支 援を行う総合コンサルティングです。 ・火災延焼シミュレーション 火災保険のご契約者を中心に、工場向け防災診断コンサル メニューに加えて、同システムを開発しました。このシステム は火災が発生した場合の延焼状況をさまざまな条件設定の もとでシミュレートし、防火・防災対策に役立てるものです。 I O I C SR RE PO R T 2 O O 8 ●介護施設向け安全対策支援活動 3. 社会貢献 ●労働安全衛生 巨大災害発生時でも保険金のお支払いや被災地以外でのサー ・リスクアセスメントドック (労働災害のリスク評価表作成支援 用ソフト)の提供 ・労働安全衛生講習会への講師派遣 ●企業をとりまくリスク診断、 リスク対策のお手伝い ・リスクマネジメントドック ビスを継続するという当社の社会的使命を果たすためには、 お客 様に保険機能を提供し続ける態勢の確保が必須です。そのため のお客様対応機能と指揮命令機能の確保を行います。インパクト が最も大きいと想定される首都圏巨大地震に対しては、本社・現 業の役職員で構成するプロジェクトチームを設置し、 さまざまな 被災想定での対策と行動計画を策定しています。 取り組みの緊急性を整理し、解説します。 緊急駆け付け・徒歩出勤・事業再開・バックアップシステムの ●リスク情報の提供・セミナー支援 稼動等『首都圏巨大地震対策マニュアル』 としてまとめた計画に 沿った訓練も継続しています。昨年には、休日の首都圏巨大地震 発生を想定し、 本社周辺の社員で「初期対応チーム」を結成し、徒 歩で事業所に出勤、迅速に対策本部を立ち上げる訓練を実施し ました。 また、本社機能が低下した場合、名古屋に立ち上げる支援本部 が本社機能の一部代替や事故受付機能の支援等を行い、お客様 対応に万全を尽くします。さらに人命救助態勢を全国で確保する ために、 社員に対する普通救命講習の受講を推進していきます。 健康・医療・介護関連サービス 急激な高齢化や社会保障制度の変化により医療 ・ 介護への 不安が高まっています。当社では保険による医療 ・ 介護の補償 に加え、電話やeメールによる健康 ・ 医療 ・ 介護 ・ 福祉に関する 相談や情報提供、病院案内や事業者のご紹介等のサービスを提 供しています。これらの取り組みにより万一の際の補償だけでな く適切なアドバイスによる安心感の提供も実現しています。ま た、お客様との接点を大切にし、 よりよい信頼関係づくりや保険 に対する満足度が向上するようサービスの品質アップに向けて スタッフの教育等にも日々研鑽しています。なお、認知症高齢者 の増加に伴い、高齢者とその家族への支援の必要性が高まって います。今後、 グループ会社が運営するデイサービスセンターで 学んだ経験や知識をもとに、将来的には認知症に関するさまざ まなご相談にもお応えできるよう、検討を進めていきます。 巨大地震に備えて 岩手・宮城内陸地震の発生が記憶に新しいところですが、当社 は損害保険会社としての機能を発揮し、 保険金等の迅速なお支払 いや被災地以外でのサービス継続にむけ、次の三つの基本方針 により社会的責任を果たしたいと考えています。 1. 人命尊重 2. 事業継続 25 お客様本位の実現に向けて 簡単なリスクマトリックスの分析によりリスク対策における 代理店をサポートし、信頼関係を築く お客様のニーズにあった商品を提供できるよう、約40,000名の代理店・扱者に対して支援をしています。 代理店業務革新・業務品質向上の取り組み あいおいサポートBOX社の取り組み 当社は、お客様本位の募集の徹底と、適正かつ効率的な事務 保険販売の競争激化や募集の業務品質の向上が厳しく問われ 業務を確立するため、2007年度「代理店業務革新」の取り組み る等、近年、代理店・扱者を取り巻く経営環境は激変しており、不 を実施しました。 断の経営努力として、経営基盤や人材教育を強化していくことが 代理店業務革新取り組み結果(2008年3月末) 重要となっています。このような代理店・扱者の活動を支援・サ お客様本位の実現に向けて 早期継続率 44.1% ポートするために、あいおい生命保険 (株) との共同出資による代 キャッシュレス率 67.5% 直接計上稼働店数率 79.1% 理店支援総合会社「 (株) あいおいサポートBOX」 にて、 経営面・営 e-JIBAI計上率 51.8% デイリー精算稼働店数率 49.3% を実施するメニューを提供しています。創業以来のこれらの利用 早期証券作成率 96.3% 数は約3,750回におよび、 2008年度はこれまでの個々の支援メ 業面・事務面・人材面といった多様な角度から、 アドバイスや研修 2008年度は、顧客利便性の提供・コンプライアンスの徹 ニューの集大成として総合的プログラムを開発する予定です。 底・適正かつ効率的な事務業務を促す項目を新たに追加し、 4つ <メニュー> のカテゴリー・19項目により 「代理店業務品質向上」取り組みを ●経営サポートプログラムー代理店経営に関するアドバイス すすめています。 ●「あんしんの輪」作成支援ーお客様へのリスクコンサルティン 代理店・扱者ごとに、定量化した取り組み課題を定期的に検証 し、品質向上に向けた対話を行うことにより、お客様に選ばれ続 けるようサポートを行っています。 グの提案支援 BPネット品質向上 <代理店業務品質4つのカテゴリー> 事故で修理が必要なお客様には当社が提携する優良な修理 ●お客様目線の募集(8項目) 工場をご紹介しています。この工場の全国ネットワークをBPネッ ●適正な募集・事務業務の遂行(7項目) トと呼んでいます。入庫したお客様へのサービスとして、修理期 ●代理店事務の効率化(3項目) 間中の代車を無料で提供しています。さらに、 このサービスをよ ●会社事務の効率化(1項目) り高品質なサービスにするために、2007年度はBPネット向け IOI保険講座―インターネット学習システム に顧客対応力強化セミナーを全国23会場で展開しました。ま た、実際に入庫されたお客様に対するアンケート調査を四半期ご 『IOI保険講座』は、当社代理店・扱者(任意委託/募集人単位) とに4,000名のお客様に対して実施したことで、今後重点的に が、 インターネット環境のあるパソコンを活用して、いつでも「動 強化すべき点が明確になりました。 画視聴+eラーニング確認テスト」を受講(自学自習)可能なシス 中でも事故車が入庫した時の丁寧 テムです。本講座は、 コンプライアンス・保険商品の知識修得を な説明、無料で貸し出しする代車 主目的にスタートし、募集人単位で動画視聴やeラーニング確認 のクオリティ向上をめざし、2008 テストの受講履歴が確認できます。また2008年2月には、地域 年度もこの活動を継続し、 さらなる で開催する必須研修を補完する動画研修や一部特定の保険資 品質向上をめざします。 格が取得できる資格講座の実施等、 より幅広い用途に対応すべ く機能拡充を進めています。 IOIエコパートナー IOIエコパートナーは、当社が単独提携するNGPグループ(解 体業者の全国ネットワーク)会員と、 モーター代理店が連携し、使 用済自動車の処理を適正に行い、結果としてお客様に安心して 当社モーター代理店をご利用いただくことを目的としています。 2005年1月に施行された自動車リサイクル法にモーター代理 店が適切に対応するための当社独自支援策として2003年11 26 I O I C SR RE PO R T 2 O O 8 月より展開し、会員は全国3,000社を超えています。さらに、 変化や新素材への対応等、 日進月歩の新技術に対するため日々 2006年5月にインターネットを活用した 調査・研究を展開しています。 リサイクル部品の検索・発注ができるし せいび技術相談 くみ「NGPダイレクト」をIOIエコパート ナー会員向けにリリースしました (導入代 (株) あいおい保険自動車研究所では、 モーター代理店向けに電 理店341社)。これにより、お客様が良質 話・FAXによる自動車整備技術の無料相談サービスを行ってい で廉価な修理を享受できるとともに環境 ます。 2007年度の相談件数は26,161件と前年比107.6%に 対策としての効果も期待しています。 拡大し、利用代理店数は1,550店と2006年を大きく上回る結 提供ができるよう努めていきます。 (株)あいおい保険自動車研究所において、 2007年度もモー ター代理店が多数参加し、常設・オーダー・出張研修で延べ 保険業務改善活動 3,094名が技術を習得しました。 当社では自動車販売店をはじめとした全国の代理店とともに 研修コンセプトは、 「自前の講師陣が、少人数制で、実車と豊富 活動する「保険業務改善活動」を2000年に開始しました。 「トヨ な独自教材を使用し、見て、触っての実践型研修」で、技術に係る タ自動車で実践されている業務改善の手法を保険代理店業務 基礎知識と基本動作を習得することです。各種セミナーの中で に生かせないだろうか」 という気付きから始まったこの活動は、 2 も、 とりわけハイブリッドカー研 007年度末累計で98代理店に導入されています。当社はこの 修 へ の 参 加 者は7 0 0 名を超 活動から生まれたノウハウを生かして数々の「しくみ」を開発し、 え、モーター代理店の整備・修 代理店に提供しています。お客様目線の活動から生まれた「しく 理に関する新技術習得を支援 み」の定着をとおして、お客様にご安心とご満足いただける商品 しました。 ( 株)あいおい保険自 説明や事故対応の品質向上を代理店とともに推進しています。 動車研究所では、新型車の構造 研修風景 事業運営でのパートナーシップ コンピュータシステムの構築において 膨大なお客様情報を管理するためにはコンピュータシステム の充実は不可欠であり、商品・サービス開発や情報セキュリティ 4. 機密保護の管理状況やセキュリティ対策状況 5. 損害賠償能力 (賠償事故発生時の対応力) 保険金お支払いのための外部機関との協力 においても、専門性の高いシステム会社の協力なくして、保険事 お客様が万一事故に遭われた際に、 円滑な事故対応を行い、 迅 業は運営できません。そのため、それぞれの分野で高いノウハウ 速・適切に保険金をお支払いするための調査を鑑定人等の外部 を有し、 安全管理に優れたシステム会社にご協力いただいていま 機関に委託してご協力いただいています。また弁護士や医師等専 す。また、 ご協力いただくお取引先は、 当社システム部門における 門家の皆様の協力も得て、 お客様に安心をお届けしています。 ガイドラインに照らして確認し、ISO等第三者機関における認証 取得も考慮の上、決定しています。さらに、運営状況について直 再保険によるリスク分散 接訪問も含めた監査を行い、 業務品質確保に努めています。 当社では大規模な自然災害等が発生した場合に備え、多額の システム部門における取引先選定ガイドラインの要旨 保険金支払いが軽減できるよう再保険のしくみを整えています。 1. 委託先企業の安定性(経営状況等) このようなリスク分散を行うにあたり、再保険の仲介を担うブ 2. 委託業務における信用度(他社実績等) ローカー会社の協力のもと、海外の保険会社等のお取引先から 3. 委託先要員の技術、教育、保守体制(委託先の要員管理状況) 再保険カバーを提供いただいています。 27 お客様本位の実現に向けて 果となりました。今後もより親切でスピーディに、 また正確な情報 モーター代理店向けセミナー