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第5学年2組 家庭科学習指導案

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第5学年2組 家庭科学習指導案
第5学年2組
家庭科学習指導案
指導者
1.単元名
河
野
倫太郎(T1)
山
本
桃
子(T2)
元気な毎日と食べ物
2.単元目標
○毎日の食事や使われている食品に関心をもち、バランスを考えた食事をしようとする。
○食品の栄養的な特徴や食品の組み合わせに関心をもつ。
○ごはんとみそしるに関心をもち、調理することができる。
3.食育の視点
○食事の重要性・・・自ら調理して食事の準備ができることは、健全な日常生活の基盤を支えるた
めに重要な技術であること。
○心身の健康 ・・・様々な食品にはそれぞれ心身の健康を保つための栄養的な特徴があること。
○食文化
・・・日常の食事は、地域の農林水産物と関連があることや先人によって培われて
きた食文化があること。
4.指導にあたって
(1)児童について(29名)
(普段の様子から)
調理実習については、皆、興味・関心が高く、積極的に活動に参加している。1学期に、青菜の
おひたし、ゆでたまごの実習をしており、実習前後で、家庭で練習したり復習したりといった声も
多く聞かれた。役割分担や手際については、課題もあるが、一生懸命な姿勢がうかがえる。
本単元で学習する3つの栄養グループ(赤・黄・緑)については、毎月の献立表により紹介され
ており、
「何となくわかっている様子」がうかがえる。
給食については、4月当初に比べると、総じておかわりをする割合が増えている。しかし、献立
に左右されることが顕著で、特に和食を苦手とする児童が多い。また、食べる量の個人差が大きく、
偏食気味な児童も2割ほどいる。さらに、普段家庭では出ない料理や食材がでることも多いらしく、
食べ慣れていないことから減らしたり残したりすることもある。一方で、味付けなどの調理の工夫
により、苦手なものを克服したり、決められた分量を食べあげたりする姿も見られる。
(本単元に関わっての実態)
事前に、ごはんとみそ汁への関心の度合いや経験についてアンケートをとった。まず、家庭で米
を研いだ経験の有無を聞いたところ、全員が経験ありと答えた。次に、みそ汁が好きか嫌いか聞い
たところ、26名が好き、2名が嫌いと答えた。さらに、みそ汁を作ったことがあるか(または手
伝ったことがあるか)聞いたところ、18名が経験あり、10名が経験なしと答えた。
(アンケートから)
6月に行った「全校食生活アンケート」の結果では、
「きらいな食べものがあるか」の質問に対し
て、約8割の児童が嫌いな食べ物があると答えた。また次項の「きらいな食べものが出たときどう
しているか(嫌いな食べ物があると答えた児童のみ回答)」については、家では、「がんばって全部
食べる」が約4割であるのに対して、学校では(同項が)約6割と高くなっている結果が出た。こ
のことから、給食では、集団の中で頑張って食べあげようという姿勢がうかがえ、一方、家庭では、
自分の好みを優先する傾向にあることが推察される。また、嫌いな食べ物が、家庭ではあまりでな
いことも考えられる。
「学校給食が好きか」という質問では、8割近くの児童が「大好き」または「好き」と答えてお
り、その理由については、
「おいしいから」
「みんなと一緒に食べられるから」が多かった。また、
「栄
養のバランスがとれているから」という本単元に係る回答をした児童も3割(のべ数)おり、給食
の有意性を捉えている点がうかがえた。
調理に関わって「土曜日の昼ごはんは、どのようにしているか」の質問に対して、8割の児童が
「家の人が作ったもの」
、1割の児童が「自分で作ったもの」と回答している。1学期の調理実習を
機に、家庭で料理をしたという声も多く聞いている。
(2)教材について
本単元では、栄養のバランスのとれた食事が体をよりよい状態に保つことにつながることを学習
する。栄養のバランスを効率よく得られるという点で、大豆を原料とする「みそ」はたんぱく質を
多く含み、味噌の味は何を入れても調和しやすい万能な料理であり、調理方法も簡単である。様々
な種類の味噌、旬の食材から残り物の野菜まで組み合わせは多様であり、いろいろな味を楽しむこ
とができる。また、日本の食に欠かせないという点からも食文化にふれる機会ともなる。
ごはんとみそ汁作りを経験することは、児童が将来一人暮らしなどで食事を用意する立場になっ
たときに栄養面でも優れた献立であり、食の自立にもつながる技能体得となるはずである。
(3)指導について
(これまでの過程)
1学期の調理実習では、可能な限り、栄養教諭に入って指導や助言を受けた。特に、包丁の試技
では、児童が意欲的に学ぼうとする姿勢が印象的であった。実習中の机間指導でも、食材の特徴や
栄養的な観点、注意すべき点、片付け方等多岐にわたる視点で指導にあたった。
給食の献立に係る内容(食材の栄養面、地域食材の紹介、食の歴史といった豆知識)は、毎日「ぺ
こぺこ便り」で紹介され、給食時間に学級の係が読み、知識を得ている。また、適宜、食材に関す
る指導が給食時間で行われている。
(本単元について)
本単元では、まず、身近な食品(給食や自分の好きな献立など)から、五大栄養素のはたらきや
バランスの良い食事の大切さなどを考える。栄養素の摂りこまれ方やエネルギーとしての使われ方
など知識獲得に関する場面では、栄養教諭の専門性を活かして、多角的に説明してもらう。その内
容としては、給食の献立を考えるときの工夫や苦労、地産地消・旬の食材へのこだわりなどとする。
次に、ごはんとみそ汁の栄養的な特徴を調べ、バランスの良い組み合わせであること(特にみそ
汁が効率よく摂取できる点)に気づかせる。米飯実験やだしのとり方、食材の切り方については、
栄養教諭の専門的な知識や技能を活かした指導を展開する。
単元後段(本時に係る)では、既習の事柄を生かし、
「元気のでるみそ汁」を考えるが、その時に
も栄養教諭はアドバイザー役を担う。
また、他教科との関連として、総合的な学習の時間での「米づくり」
「みそ汁レシピ集作り」と幅
をもたせながら展開していく。
5.評価の規準
○毎日の食事に関心を持ち、栄養を考えた食事をしようとする。(関心・意欲・態度)
○おいしいごはんのたき方やみそしるのつくり方について工夫している。
(創造・工夫)
○ごはんとみそしるの調理ができる。
(技能)
○五大栄養素の種類と働きについて理解し、栄養を考えて食事をとる大切さについて理解している。
(知識・理解)
○ごはんやみそしるの調理の仕方について理解している。
(知識・理解)
6.学習計画(11時間)
小単元
時
学習活動
栄養教諭の関わり
評価規準
他教科との
関連
① どんな食
1
○身近な食品にどん
・教科書に載ってい
・身近な食品を食品分
品を食べ
なものがあるか考
ないような旬の野
類表や栄養教諭の説
米作り
ているだ
え3つのグループ
菜や地場産の野菜
明を手掛かりにし
稲刈り
ろう
に分ける。
についてもクイズ
て、3つのグループ
(給食や自分の好
形式で知らせる
に分けようとする。
きな献立から)
<関心・意欲・態度>
・毎日の食事に関心を
② 五大栄養
2
○3つのグループの
・3つのグループの
持ち、食品を組みわ
体内でのおもな働
体内での働きを知
せてバランスよく食
きを知る。
らせ、給食の献立
べることの良さがわ
の工夫を知らせ
かる。
る。
<知識・理解>
○3つのグループを
・給食の献立を例に
・食品に含まれる栄養
素のはた
更に5つに分けた
あげ、栄養素の摂
素が、体の成長や活
らきと食
五大栄養素につい
りこまれ方やエネ
動の元になることに
品のグル
て知る。
ルギーとしての使
関心を持つ。
ープ
われ方について説
○好きな物だけの献
明する。
<関心・意欲・態度>
・五大栄養素の種類と
立を立て、五大栄
はたらきについて理
養素の偏りがある
解し、栄養を考えて
ことに気づく。
食事をとる大切さを
理解している。
<知識・理解>
③バランスの
3
○バランスのとれた
良い食事をし
4
給食の献立例を見
よう
・作業の様子を見て
支援する。
・食品の栄養的な特徴
わかり、その良さを
ながら、使われて
知る。
いる食品を五大栄
<知識・理解>
養素に分ける。
○②で考えた自分が
・考え直した献立が
・栄養のバランスのと
好きな物だけの献
栄養素を全て網羅
れた食事作りをして
立を、足りない栄
しているかどうか
みたいと意欲をも
養素を補える献立
チェックする。
つ。
に変える。
(一汁一菜)
<関心・意欲・態度>
《総合》
④ごはんとみ
5
○ごはんとみその栄
・日本の食に欠かせ
そしるをつく
6
養について知る。
ないごはんとみそ
特徴が分かる。
汁の食文化につい
<知識・理解>
ろう
・米やみその栄養的な
て説明する。
○おいしいごはんの
・炊飯実験をする。
炊き方を知る。
ツが分かる。
<知識・理解>
(家庭での聞き取り)
7
○みそしるの作り方
を知る。
・ごはんの炊き方のコ
・みそしるの作り方
と材料の切り方
(家庭での聞き取り) (イチョウ切り・千
・だしの取り方
切り・小口切り・
・食材の切り方
たんざく切りな
・材料を入れる順
ど)DVD の作成
・みそのとき方
・効きだしの準備
○効きだしをする。
(いりこ・かつお
・みそしるの作り方が
分かる。
<知識・理解>
こんぶ)
8
○みそ汁の実をグル
本
ープごとに考え、プ
どを考慮しながら、
時
レゼンをする。
みそしるの実の組み
・栄養素 ・好み
・質問に答える。
・栄養素のバランス
・栄養的なバランスな
合わせを工夫してい
・佐伯産のもの
や材料の切り方に
る。
・旬のもの
ついて講評する。
<創意・工夫>
○アドバイスをもと
により良いものに
なるよう工夫す
る。
9
○調理の計画を立て
る。
(ごはんと同時にた
きあがるための時
・今までの学習が活
・みそしるとごはんの
かせているかどう
調理に関心をもって
か、担任とともに
取り組もうとしてい
見て回る。
る。
間の使い方)
10
○みそしるとごはん
11
の調理をする。
○今までの学習を振
り返る。
<関心・意欲・態度>
・安全面、技能面の
補助をする。
・感想を述べる。
・ごはんとみそ汁をグ
《総合》
ループの友だちと協
元気の出る
力して作ることがで
○○流みそ
きる。
汁(雑煮)
<技能>
レシピ集の
作成
7.本時案
(1)題目 元気の出るみそ汁の実を考えよう
(2)主眼
食品の栄養的な特徴に着眼し、グループでバランスのとれたみそ汁の実を考える活動を通
して、実の組み合わせを工夫することができる。
(3)展開(8/11)
過程
学習活動
つ
か
む
1.本時の課題と学
時
5
習の流れをつかむ。
指導及び指導上の留意点(○T1
●T2)
備考
○めあてを提示する。
元気の出るみそ汁の実を考えよう
・「元気のでる」とはどのような姿か考えさせ、「栄養
のバランスがよい」という視点を意識づける。
・本時の流れを伝え、見通しをもたせる。
考
え
る
・
話
し
合
う
2.グループでみそ
12
汁の実について考
える。
○みそ汁の実の組み合わせを話し合わせる。
〈栄養のバラン
・話し合う内容を知らせる。
スなどを考慮し
(話し合う内容)
ながら、みそ汁の
・実(3品目)
実の組み合わせ
・実を選択した理由
を工夫すること
ができる。(創意
・栄養面、好み、旬などの視点を与える。
工夫〉〉
(手掛かりにするもの)
・五大栄養素
・旬クイズであつかった掲示物
●T1 とともに机間指導を行い、児童からの質問に答え
る。
・プレゼンに向け、上記の内容をワークシートにまと
める。
・実について話し合う際は、家庭の意向などを尊重す
るため、否定せず、共感しながら意見をまとめさせ
るように声をかける。
発
表
す
る
3.グループ毎にプ
レゼンする。
20
○グループ毎にプレゼンをさせる。
・実物投影器でワークシートを提示し、考えたみそ汁
の実を説明する。
(ワークシート)
(発表で予想される理由)
・栄養素のバランスを考えて、実の組み合わせを
考えた。
・班員の好みを聞いたうえで、栄養素を考えなが
ら3品目にしぼった。
・様々な食品が出た時、佐伯産の食材の方を選ん
だ。
●発表後に良い点やアドバイスを伝え、調理実習への
意欲づけを図る。
ふ
り
か
え
る
4.ふりかえりを行
う。
8
・プレゼンで受けたアドバイスをもとに実の組み合わ
せを話し合う。
・話し合いを終えたグループから、学習感想「元気の
出るみそ汁の実を考えることができたか」を書く。
5.次時の予告をす
る。
○本時で考えた献立をもとに、計画を立て実習するこ
とを知らせる。
(ワークシート)
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