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FOCUS GDS
® 26 28 JUL 2016 FOCUS GDS DÜSSELDORF,GERMANY May. 2016 Publisher:Messe Düsseldorf Japan Text by Tomoko OYA (Shoes Journalist) 見やすく、新鮮な情報に出会えた。 久々に訪問の日本人来場者も、 高評価! 国内でも2016年秋冬展示会が終了。 その次のシーズンのトレンドが気になり始め る時期になって来た。2017年春夏に向け たGDSは、7月に開催されるが、その前 に2月に開催されたGDSをレポート。2016 年秋冬を整理するところから始めよう。 2016年秋冬シーズンに向けたGDSは、 2月10∼12日に開催された。開催規模は、 STUDIO 出展800ブランド。来場者は、1万5200人だった。 主催するメッセ・デュッセルドルフによるファイナルリリースは、 「ア パレル小売店の来場が前回9月展よりも増えた」 と伝えているが、 日本からの来場者も増え、 「10年振りに訪れた」といった人が 目立った。 GDSと並ぶ靴見本市ミカムの2月は、14∼17日の開催。つ キルスティン・ ドイテルモーザー まりGDS最終日の翌日を移動日に当てると、ヨーロッパの二大 メインエントランス付近 靴見本市を効率よく回れる。こういうスケジューリングの影響もあ 付けどころもあるんだと、久々に新鮮な感動を味わいました。自 ったと思われるが、久々の訪問の評価は、悪くはなかった。 分なりにアレンジすると面白い試みになりそうです」と。 靴ブティック「ワールド・フットウエア・ギャラリー」を展開し海 ゾーニングの巧みさは、 GDSの特徴でもあるが、2月展では、 外靴企業のコンサルティングも手掛ける深田恵一さんは「出展 トレンド志向の高いブランドを集めた「STUDIO」 (9号館)の 者の配置が整理されており見やすい。新しいビジネスの種にな ブランド配置が整理され、さらに見やすくなった印象だった。 るようなものを見付けましたよ。それも靴ではない。こういう目の しかし残念だったのは、若手クリエーターの招待ゾーン New Date 「水・木・金」 から 「火・水・木曜日」 開催へ 次回会期は、7月26(火)∼28日(木) 「International Design Trendsetters」が 見 られなかったことだ。これについて、GDS プロジェクト・ディレクタ ーのキルスティン・ド イテルモーザーは、 GDSは、これまで水曜日∼金曜日 であることから、金曜日にかからない会 「20名のデザイナーを選考し実施に向け の3日間で開催されて来たが、今年夏 期にとの要望があり、メッセ・デュッセ て進めていたが、 デザイナーの申込手続が、 から「火・水・木曜日」の開催となる。 ルドルフは、来場してもらいやすくするた 広報などの関係で設けた締切期限に完了 これに合わせ併催のプライベートレーベ めに、要望を受け入れ、変更を決定し せず、やむなく断念した。若手や新人の紹 ル・ショー tag it!も、同じく火∼木曜日 た。 介の場を設けるという方向は持ち続けてお 開催に。tag it!が、この曜日で開催さ 2017年シーズンの会期は、次の通り り、今後は STUDIO の中に特別なゾー れるのは、初めてのことだ。 になる。 ンを設けたり、また国別に若手にフォーカス これは、小売店からの強い要望によ ・2016年 夏(2017年 春 夏 物 展) = するなどして実現したい」 。 るもの。金曜日は、小売店にとっては 最も高い売上げが見込める曜日。見本 市訪問のために店を空けるのはマイナス 2016年7月26∼28日 ・2017年 冬(2017年 秋 冬 物 展) = 2017年2月7∼9日 見本市や合同展で若手靴クリエーターを まとまった形で見られる機会が少なくなって おり、是非、実現して欲しい。 1 コーディネート提案の 「Trend Code」登場で、 さらにトレンド発信力を強化 前記のようにトレンド・テ ー マ は「DECORATIVE」 「FORMAL」「ARTFUL」 なので、装飾的な方向は当 然なのだが、出展者のコレ クションは、そこまでは行っ ておらず、展示から抽出でき るトレンドは、次のようなも のだった。 Trend Spots ①エスニック=異民族の Trend Code 民族衣装や風俗からのイン GDSは、トレンド情報の発信に力を入れている。ドイツ靴 スピレーション。フリンジやタッセルをアクセントとしてあしらった 研究所や靴専門誌によるセミナーや展示、またファッションショ もの。 ーと手法を変えて多面的な発信を行っている。 ②スノーイング=降雪地の風俗からのインスピレーション。フ 展示の中心は、展示ホールを回遊するためのメイン動線上 ァーやムートンを取り入れたもの。 で展開される「Trend Spots」だが、2月展で新たに登場した ③トラッド+機能デザイン=サイドゴアのショートブーツのデザイ のが「Trend Code」 。ウエアと靴とのコーディネーションを見せ、 ン・バリエーションとして提案され、ゴア、あるいはストレッチ素 トレンドをより具体的に理解してもらおうというものだ。 材を機能デザインとして取り入れたもの。 では、2016 年秋冬ファッションは、どんなテーマで表現され 以上からすると、実際のコレクションは、トレンド・テーマと たか。 はかけ離れているように感じるかもしれないが、エスニックには 「Trend Spots」は、次の三つのテーマで展開された。 装飾的な要素が含まれる。また大きな筋となる流れにはまだな ・DIVERSE & DECORATIVE っていないが、鈍く光るミステリアスなムードの起毛素材を使っ ・FORWARD & FORMAL たショートブーツやスクエアトウのパンプスなど、19 世紀ロマン ・ACTIVE & ARTFUL 主義の装飾性を感じさせるデザインが散見された。 そして「Trend Code」は、次の八つを見せた。 装飾性やロマン主義的クラシックは、2017 年春夏、さらに The Long Coat / Soft Volumes / Athleisure / Chunky 一年先の秋冬には筋となり、トレンドを決定づけるテイストとし Knits / Clean dark Denim / Clean Outdoor / Decorative て浮上してきそうだ。 Opulence / Boxy + Length ロングコート、デニム、ボリュームのあるニット、 またスポーツやアウトドアなど、どれを取っても 既にトレンド最前線に躍り出ているウエアであ り、また注目されているテイストだ。 これらを靴とどうコーディネートするか。その 味付けの方向性を決めているのが、 「Trend Spots」が提示する三つのテーマだ。つまりト レンド・テーマをコーディネーションで展開し、 2017 年秋冬ファッションをより具体化するとい う組み立てになっているのだが、装飾的、ま た中世からのインスピレーションを感じるのが 特徴だ。 プレスに紹介されたトレンド・ コーディネーション ファー使いのロングブーツ サイドゴアのゴア部分をスト レッチ素材で 「FOCUS GDS」の内容、またGDSについて、ご質問やご要望がありましたら、ご遠慮なく下記までお問い合わせください ■㈱メッセ・デュッセルドルフ・ジャパン 東京都千代田区紀尾井町 4-1 ニューオータニガーデンコート7F TEL:(03)5210-9951 FAX:(03)5210-9959 e-mail:[email protected] 担当=橋木雅弘 2