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5.2014年度の取り組みと次年度安全指標・安全目標値
AIRDO安全報告書 5.2014年度の取り組みと次年度安全指標・安全目標値 5-1 国から受けた事業改善命令など 2014年度、弊社が国土交通省から受けた厳重注意並びに事業改善命令は、各1件あ りました。以下に、再発防止策を含めて報告します。 ≪整備管理の確実な実施について≫ 【事例】 B767-300の主翼前縁高揚力装置について、整備の実施期限を超過しているにも 関わらず、整備管理システム上では、期限を超過していないように不正な処理を行い、整 備を先送りしていたことが判明しました。また、他の整備記録を確認したところ、同様の 事象が3件あることが判明しました。 【原因】 事業規模の急激な拡大と自社管理機材数の増加等、環境が変化したにも関わらず、環境 変化に対するリスクマネジメントが十分機能していない状況にありました。 【対策】 各業務の責任の所在を明確化し、業務遂行に見合った適正な人員配置を図りました。 また、整備計画の作成から整備完了確認までのプロセスを見直し、詳細な規程を作成し ました。 ≪運航乗務員の訓練体制の不備について/安全管理体制の不備について≫ 【事例】 運航乗務員の訓練において、不適切な操縦を行ったにも関わらず、そのまま訓練を修了 するという事実が判明しました。また、運航乗務員の訓練体制及び安全管理体制に不備が あることが判明しました。 【原因】 訓練教官の任用プロセスが不明確であり、また技量の維持管理が不十分な体制でした。 また、厳重注意を受けたにも関わらず、安全管理体制が適切に機能していませんでした。 【対策】 訓練教官の任用プロセスを厳格化し、既に訓練教官発令を行っている者に対しても、厳 格な再評価を実施します。 また、訓練教官に対する技量管理として、新たに定期的な能力確認実施の場を設定し、 訓練教官として適格であることを確認すると共に、訓練便の飛行データを用いた分析を行 い、訓練内容及び評価が適切であることを確認します。 安全管理体制については、運航の安全に係わる検証・情報の分析、またその後の対策等 を確実かつ的確に行うため、運航品質の確保を目的とした組織を新設しました。 16 AIRDO安全報告書 5-2 安全指標・安全目標値 事故・重大インシデントゼロの継続を安全指標として設定いたしました。また、安全指 標の達成のため、以下の取り組みを実施しました。 2014年度 安全指標・安全目標値 1、安全指標:「事故ゼロ重大インシデントゼロ」 2、安全目標値:「0 件」 3、安全指標・安全目標値を達成するための取り組み事項と目標値 1)個と組織の安全意識の強化 ・全社員の安全教育の実施/未受講者 0 名 ・安全調査アンケート参加率の向上/100% ・安全調査アンケートの向上/前年度実績以上 2)リスクマネジメントの浸透と醸成 ・義務報告の発生件数の低減/前年度実績以下 3)安全品質の向上に向けた監査内容の充実と評価の活用 ・定期的内部安全監査の実施回数の充実/14 回 ・外部監査での指摘件数の低減/20 件以下 4)安全情報共有体制の整備と活用 ・全社員向け安全情報の発信回数の充実/12 回 17 AIRDO安全報告書 ◇ 安全指標・安全目標値を達成するための具体的取り組み事項と達成状況 1.個と組織の安全意識の強化 ・全社員への安全教育(SMS教育)の実施(目標値:未受講者 0 名) ⇒未受講者 0 名:達成 ・安全調査アンケートの参加率向上(目標値:100%) ⇒参加率 96%:未達 各組織を通じ参画を呼び掛けたが、前年実績 82%から向上したものの、96%に留 まった。 ・安全調査アンケート評価点の向上(目標値:95.1 ポイント以上) ⇒93.3 ポイント:未達 行政処分を受けたこと等により、安全に対し厳しく評価したことで、昨年実績 95.1%を下回ったと考えられる。 2.リスクマネジメントの浸透と醸成 ・義務報告の発生件数の低減(目標値:17 件以下) ⇒40 件:未達 年度途中で義務報告内容が変更したことも影響し増加したと考えられる。 3.安全品質向上にむけた監査内容の充実と評価の活用 ・定期的内部安全監査の実施回数の充実(目標値:14 回) ⇒19 回(内部安全監査 9 回、整備監査 10 回):達成 ・外部監査(ANAコードシェア監査)での指摘件数の低減(目標値:20 件以下) ⇒10件:達成 4.安全情報共有体制の整備と活用 ・全社員向け安全情報の発信回数の充実(目標値:12回) ⇒13回:達成 18 AIRDO安全報告書 5-3 2015年度トピック 1)安全行動指針設定 2014年度の課題を踏まえ、新たに安全行動指針を設定しました。 安全行動指針 『曖昧な判断はせず、確信がない場合は安全を最優先に行動します』 法令規定を理解し遵守します。疑問を感じたり、不安がある場合には、曖昧な判断はしま せん。安全に対し確信を持てない場合には、いかなる状況であっても先ず安全であること を確認し、安全を最優先に行動します。 『情報は迅速かつ的確に報告し、組織を超えて共有します』 自部署のみで情報を抱えることなく、関連する部署に対しても、積極的に情報共有します。 特に、不安全事象やヒヤリハット情報などは、事故・重大インシデントを未然に防止する ことを理解し、迅速かつ的確に報告し共有します。 『周囲の意見に耳を傾け、自分の考えを声にして、コミュニケーションを大切にします』 コミュニケーションによる信頼関係の構築が、安全に大きな影響をもたらすことを認識し、 互いに思いやりの心を持ってコミュニケーションをとり、人間関係を育みます。 『教訓から学び、自覚と責任を持ってプロフェッショナルとしての技倆を高め続けます』 社内外の教訓から学び、常に自覚と責任を持って自身の業務に従事します。現状に甘んじ ることなく、プロフェッショナルとして技倆を高め続ける努力を惜しみません。 2)2015年度 安全指標・安全目標値 2014年度は「事故・重大インシデント 0件」を安全指標及び安全目標値と定 め、目標を達成しております。しかし、厳重注意や事業改善命令を受け、安全管理 体制の見直しを図る最中であり、評価は極めて厳しいと言わざるを得ません。 「事故・重大インシデント 0件」は、航空会社が絶対的使命として守り続けるべき ものであり、2015年度についても当社はこれを継続して安全指標及び安全目標 値に掲げてまいります。 2015年度 安全指標・安全目標値 2015年度は、この目標を達成するために重要となる「ヒューマンエラー対策」 を全社で取り組むべき課題に取り上げ、その指標を安全上に支障を及ぼす事態としま した。この安全目標値に対する達成度の確認は、毎月開催する安全推進委員会で行い ます。事態報告の総件数、ヒューマンエラーに起因する件数、それぞれの対策実施状 況をモニターすることにより達成状況を管理し、必要に応じて追加対策や目標値の見 直しを行ってまいります。 1、安全指標 1)事故・重大インシデント 2)ヒューマンエラーによる事態報告(法 111 条の 4 による義務報告事象)の件数削減 2、安全目標値 1)0 件 2)前年度実績未満 19