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シュナイダーエレクトリック株式会社(Philippe Bouchet 氏)

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シュナイダーエレクトリック株式会社(Philippe Bouchet 氏)
サクセスストーリー/在日外資系企業エグゼクティブの声
シュナイダーエレクトリック株式会社(Philippe Bouchet 氏)
Schneider Electric SA は、日本で約 50 年間ビジネスを展開している。同社の日本でのビジネス状況や
今後の展望について、日本法人事業戦略統括部 バイスプレジデント Philippe Bouchet 氏にインタビュー
を行った。
フランスの産業用機器メーカーである Schneider
日本でビジネスを開始してから約 50 年が経過した。
Electric SA が日本に最初の拠点を設けてから約 50
当社が日本でビジネスを行う理由は 3 つある。1 つ目
年。多くの日本企業とパートナーシップを結び、国内に
は、日本の経済規模が大きく、ハイテク製品に大きな
根付いたビジネスを行う同社は、日本のビジネス環境
需要があること。2 つ目は、国内および世界でビジネス
をどのように捉え、どのような展望を持っているのか。日
展開する優れたパートナーが存在すること。3 つ目は、
本法人シュナイダーエレクトリック株式会社(以下シュ
日本の顧客には、質の高い商品や技術が受け入れら
ナイダーエレクトリック社)事業戦略統括部 バイスプレ
れることである。
ジデント Philippe Bouchet 氏にインタビューを行った。
日本でビジネスを行うメリットは?
日本法人の売り上げはグループ内でトップ 5 に入る
が、日本でビジネス展開するメリットは売上のみに留ま
らない。第一に、顧客要求度の高い日本市場では、
当社の製品や顧客対応の質を向上させることができ
る。日本での経験は、世界市場でのベンチマークとな
る。 また、優れた技術を有する日本企業とパートナー
シップを結ぶことにより、日本以外の国にも展開できる
点も、日本での活動の恩恵の一つだ。更に、近年の
動きで言えば、エネルギー分野で日本からもたらされる
恩恵も大きい。スマートグリッドやスマートシティ等、エネ
ルギー分野に注力する企業にとっては、エネルギー先
シュナイダーエレクトリック社 事業戦略統括部
バイスプレジデント Philippe Bouchet 氏
シュナイダーエレクトリック社の強みは?
当社の強みは、「高度なエンジニアリング技術」に加
進国である日本市場での事業展開がグローバル市場
に参入する重要なステップとなる。
製品やサービスを日本市場にあわせてローカライズする
上で、工夫した点・苦労した点は?
えて、「欧州・米国・アジアの各地域でバランスよく事
要求レベルが高い顧客への対応は、日本市場特
業展開する多国籍性」、「グループ内で権限委譲が
有の課題である。日本の顧客は、他国と比較して、
行われており、コミュニケーションがとりやすいこと」、「柔
情報提供から運用のサポートまでプロフェッショナルな
軟性のある組織で、市況に合わせて集中分野を変更
対応を要求する。当社は、こうした顧客への対応のた
できること」が挙げられる。
め、日本企業と提携している。優れた技術・経験を持
また、グローバル展開する顧客に対しては、当社の
世界全ての拠点で、同じ基準・質のサポートを提供す
つ日本のパートナーと組むことで、成熟した市場へのア
プローチ方法を学ぶことができる。
ることができる。このようにグローバルのサポート体制が
整っている企業は数少なく、私たちの大きな強みとなっ
日本で開発された製品・サービスを他国の市場に展
ている。
開した事例は?
産業用のヒューマンマシンインターフェイス(HMI)*が
日本でビジネス展開した時期・理由は?
好例だ。(*人間と機械が情報をやり取りするための手段
Copyright (C) 2014Japan External Trade Organization (JETRO). All rights reserved.
も行っている。その他、JV パートナー先も含めると、日
や、そのための装置、ソフトウェアなどの総称。)
2002 年に当社と資本提携を行った株式会社デジ
本の各地方に工場、営業拠点、サポートセンターを持
タルが、大阪で設計・製造している製品で、同社には
っており、今後も地方拠点を拡充する方針である。当
HMI 関連の専門技術が集積しており、シュナイダーグ
社がこのように地方拠点を重視する背景は、日本の
ループ全世界拠点の開発、生産、販売における司令
各地方が大きな経済規模を有するからである。外国
塔となっている。
企業にはあまり認識されていないが、関西地方だけで
も、他の一国と同程度の経済規模があり、非常に魅
日本への市場参入を進める上で苦労した点は?
力的な市場である。
大きなトラブルは経験していないが、日本市場で成
功するためのポイントを一つ挙げるとすれば、それは
今後のビジネス展開は?
「人材の確保」である。日本市場に限った話ではない
日本市場で重視している分野は、統合エネルギーマ
が、外国で新たに法人を設立した時には、採用活動
ネジメントである。当社は、公益事業やスマートグリッド
を行う能力やノウハウが十分ではなく、有能な人材の
のマネジメントや、データセンターの相互接続の方法な
雇用が大きな課題となる。また、日本の新卒市場は
ど、いわゆるスマートシティと呼ばれる様々な分野で貢
競争が激しく、若く優秀な人材の確保に苦労すること
献することができる。また、日本での経験を、世界での
も多い。「人材の確保」は非常にチャレンジングな課題
エネルギーマネジメント事業にも生かしていきたい。
である。
ご自身が感じる日本の住環境は?
地方に進出した理由・メリットは?
日本の住環境は非常にハイクオリティ。世界には魅力
当社は、2014 年 8 月に、ショールーム機能を備えた
的な場所がたくさんあるが、東京での生活は非常にユ
関西拠点「シュナイダーエレクトリック大阪ビルデイング」
ニークな体験である。様々な国出身の同僚がいるが、
を開設した。また、再生可能エネルギーや太陽光、メ
独身の方も家族で住んでいる方も皆、日本の生活に
ガソーラープラントにも力を入れており、東北での事業
満足しているように思う。
(2014 年 11 月)
日本における沿革
1836 年
フランスで Schneider Electric SA 創立
1962 年
日本連絡事務所開設
シュナイダーエレクトリック株式会社(日本法人)
設立:
1996 年 4 月
事業概要: IT 事業、ソーラー事業、ビルデイング事業、エネルギー事業、インダストリー事業
親会社:
シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric SA)
住所:
(本社)東京都港区芝公園 2-4-1 芝パークビル B 館 13 階
URL:
http://www.schneider-electric.com/jp/
経済産業省のウェブサイト内「CEO Voices in Japan」で、本インタビューの一部が動画でご覧いただけます。
CEO Voices in Japan (使用言語:英語)
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