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中国語テストの妥当性と信頼性に関する研究
県立広島大学 中国語テストの妥当性と信頼性に関する研究 人間文化学部 教授 中国語語学 キーワード: 中国語テスト 仁鋒(コウ ジンホウ) 県立広島大学 広島キャンパス 1926 号室 Tel 082-251-9852 Fax082-251-9852 E-mail [email protected] 連絡先 専門分野: 侯 国際文化学科 対照言語学 言語テスト を全面的に測定し、試験の妥当性を保証しようとしてい る。 妥当性 信頼性 3.客観問題を主にして、主観課題も加えることにより、 信頼性を確保しながら妥当性を高めようとしている。 ● 主な取り組み• 活動 1.中国語検定試験 3 級リスニングに関する研究 しかし、以下に挙げる点からはさらに工夫が必要であ ると判断される。 日本中国語検定協会が公表した過去 2 年分(07、08) 問題数が少ない。項目間に重複が見られる。形式に厳 の試験結果データによると、リスニングと筆記の平均点 格さが欠ける部分がある。読解の空欄補充がセンテンス は、64 回(0.2 点)と 62 回(2.5 点) 、61 回(3.7 点)、 レベルにとどまる。実施回ごとの難易度の差や変化が大 63 回(5.5 点)では、差が小さくテストの内部一致性に きい。(『中国語教育』第 10 号掲載 H24) おいて信頼性が高いと見られるが、65 回(10.3 点)、66 回、(9.3 点)では、差が大きくて信頼性が低いと言わざ るをえない。 聴解と聴解試験のあり方から検討を加えた結果、リス ● 今後の目標• 抱負 大型テストの問題作成、 問題設定と選択肢作成、 ニングは、自然な中国語、適切な設問、設問を提示して 試験後のデータ分析 から課題文を聞く方法などが、信頼性を維持する要素と などについて取り組んでいきたい。 して多く見られる。一方、テストとしてのテキストが適 当ではない、課題文が長すぎる、選択肢が長すぎる、設 問と選択肢が合わないなどの問題点が散見され、それが ● 地域• 社会と連携して進めたい内容 一般論として、学校で実施するテストについても、そ テストの信頼性を低下させる素因になっているのでは の妥当性、信頼性、難易度、弁別率などを分析、評価、 ないかと思われる。(『中国語教育』第 9 号掲載 H23) 提案し、また共同研究をすることも可能と考えられる。 2.中国語検定試験 3 級筆記問題に関する研究 本論文は、2007 年・2008 年に実施された中国語検定 試験3級の筆記試験計 6 回分を対象として、何をどのよ うに測っているかの観点から検討したものである。試験 後に公表された平均点や合格率のデータ及び本学の学 生が行った結果を参考に、言語テストの理論に基づいて 特徴を 3 点にまとめて記す。 1.知識と技能の両方を測ろうとする教育観、試験観を 反映している。 2.発音(ピンインと声調)、文法(空欄補充と語順整 序)、読解、和文中訳の出題により、言語習得の達成度 ● これまでの連携事例• 実績 県立広島大学公開講座 (今日の東アジア情勢) ○言葉に見られる中日異文化 平成 23 年 10 月 27 日 シティカレッジ (東アジアの文化交流) ○漢字の力 平成 24 年 6 月 9 日 ○飲食に関する日中異文化 平成 24 年 6 月 16 日