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第 22 回職業リハビリテーション研究・実践発表会の開催
報道資料 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構ニュース Japan Organization for Employment of the Elderly, Persons with Disabilities and Job Seekers 平成26年9月24日 第 165 号 〒261-8558 千葉県千葉市美浜区若葉3-1-2 第 22 回職業リハビリテーション研究・実践発表会の開催 「職業リハビリテーション研究・実践発表会」と名称を改め※開催!! 本発表会は職業リハビリテーションの研究成果を広く各方面に周知するとともに、参加者相互の意見交 換、経験交流を行う場として開催してきましたが、近年は障害者雇用に取り組む企業や支援機関 の方からの実践的な報告が増えていることから、今年度から名称を変更して開催することになり ました。昨年は 1,000 人を超す方が参加されました。今回も多くの方のご参加をお待ちしてお ります。 ※「職業リハビリテーション研究発表会」から名称変更 ○ 開催日:平成26年12月1日(月) 13 時00分~16 時40分 12月2日(火) 9 時30分~16 時50分 ○ 開催場所:東京ビッグサイト 会議棟(東京都江東区有明3-11-1) ~国際会議場・レセプションホール・各会議室~ ○ プログラム(概要) 第 1 日目(12 月 1 日(月)) 第2日目(12 月2日(火)) 13時00分 開会 9時30分~ 口頭発表 13時15分~ 81テーマ 特別講演 ポスター発表 「これから始める障害者雇用」 29テーマ リゾートトラスト株式会社 15時10分~ 東京人事総務部部長 テーマ別パネルディスカッション 進藤 祥一 氏 Ⅰ「休職者の復職支援における 東京人事総務部事務支援課課長 効果的な連携」 北沢 健 氏 Ⅱ「教育から雇用への移行支援にお 15時00分~ ける課題-専門的支援の活用 パネルディスカッション の可能性を広げるために-」 「障害者の雇用を支えるために」 ○ 参加者の募集 申し込み方法の詳細は別添または機構ホームページをご覧ください。 なお、参加費は無料です。 別添 「第22回職業リハビリテーション研究・実践発表会ご案内」 お 問 合 せ : 研究 企 画部 企画 調 整室 (担 当 :近 藤・ 西 牧) TEL:043-297-9067 Mail:[email protected] URL:http://www.nivr.jeed.or.jp 発 行:企画部情報公開広報課 TEL:043-213-6207 Mail:[email protected] URL:http://www.jeed.or.jp 第 22 回 職業リハビリテーション研究・実践発表会 ご 案 内 第 22 回職業リハビリテーション研究・実践発表会※を下記のとおり開催します。 皆様お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。 また、昨年までの開催内容をホームページに掲載していますのでご覧ください。 URL:http://www.nivr.jeed.or.jp/vr/vrhappyou-index.html 日 時 平成 26 年 12 月1日(月) 13 時 00 分~ 16 時 40 分 12 月2日(火) 9 時 30 分~ 16 時 50 分 会 場 東京ビッグサイト 会議棟(東京都江東区有明3-11-1) ~国際会議場・レセプションホール・各会議室~ 開催目的 職業リハビリテーションに関する調査研究や実践経験の成果等を広く周知するとともに、 参加者相互の意見交換、経験交流等を行うことで、職業リハビリテーションの支援技法の 向上を図り、障害者の雇用を促進することを目的としています。 ※ 本発表会は、障害者職業総合センターや障害者職業センターの研究成果、取り組みを中心に発表する場 としてスタートしましたが、近年は障害者雇用に取り組む企業や支援機関の方からの実践的な報告が増 えています。そこで、今回から「実践」を加えて「職業リハビリテーション研究・実践発表会」と名称 を変更することとしました。 独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 1 内 容 第1日目:12月1日(月) ○基礎講座 (10:30~12:00) 研究発表会に先だち、次のⅠ~Ⅲの基礎講座を行います。 Ⅰ「精神障害の基礎と職業問題」 精神障害者の障害特性や雇用・就業状況等を紹介するとともに、職業リハビリテーションの進め方につい て実践例を交えながら、具体的に解説します。 Ⅱ「発達障害の基礎と職業問題」 発達障害者の障害特性や就労支援にあたっての留意点、雇用上の配慮点を紹介するとともに、職場定着に 向けた課題等を整理します。 Ⅲ「高次脳機能障害の基礎と職業問題」 高次脳機能障害の①用語の定義(学術的・行政的)、②障害特性と職業上の課題、③就職・復職に向けての 支援(法律・制度・機関、地域センター支援実態)、④今後の課題等を解説します。 ○開会挨拶 (13:00~13:15) 小林 利治(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 理事長) ○特別講演 (13:15~14:45) 「これから始める障害者雇用」 講師:進藤 祥一 北沢 健 氏(リゾートトラスト株式会社 東京人事総務部 部長) 氏(リゾートトラスト株式会社 東京人事総務部事務支援課 課長) リゾートトラスト株式会社は、全国でホテルレストラン事業などを展開しています。当初は、ホテル事業の 特性として施設がリゾート地にあり、障害者雇用は難しいという先入観がありましたが、全社的な業務の切 り出しで「事務支援センター」を設立、雇用の創出を図りながら、現在では知的、精神、発達、身体の障害 者スタッフ 49 名を雇用、80 種類以上の仕事を行っています。その結果として他社員の時間の捻出に貢献する など、担い手の変革により生産性の向上に大きく寄与しています。 本会では、事務支援センター設立からの経緯、職域の拡大、障害に配慮した取り組み等についてご紹介いた だきます(平成 25 年度障害者雇用職場改善好事例最優秀賞受賞)。 ○パネルディスカッション (15:00~16:40) 「障害者の雇用を支えるために」 司 会 者 野口 勝則 多田康一郎 氏 パネリスト (五十音順) 長澤 京子 氏 中島 一重 氏 藤尾 健二 氏 千葉障害者職業センター 所長 千葉県立特別支援学校市川大野高等学園 教諭/就労支援コーディネーター 独立行政法人国立がん研究センター東病院 ジョブコーチリーダー/障害者職業生活相談員 社会福祉法人 桐友学園 障害者支援施設 沼南育成園就労支援センター 就労支援部長 障害者就業・生活支援センター 千葉障害者キャリアセンター センター長 障害者の雇用を支える支援機関の役割は幅広く求められてきていますが、様々な課題も現れてきています。こ れらの課題に対する対応と今後の展望について情報提供をいただき、今後の支援機関の役割を検討します。 -1- 第2日目:12月2日(火) ○研究発表(口頭発表81題)(第1部 9:30~11:20、第2部 13:00~14:50) 分科会毎に発表者による発表(15 分)と質疑応答、意見交換(5分)を行います。6~14 ページの タイトルや発表概要をもとに、参加希望の分科会を選びご参加ください(事前申し込みが必要です。 2「参加申込」参照)。 ○研究発表(ポスター発表29題)(11:30~12:30) ポスター発表は発表者と直接意見交換や質問ができる発表形式です。15~17 ページのタイトルや発 表概要をもとに、興味や関心のあるポスターを選び、発表者(緑色のタグをつけています)と討議 を深めてください。上記時間以外も 10 時 30 分~15 時 10 分は自由にご覧になれます。 ○テーマ別パネルディスカッションⅠ (15:10~16:50) 「休職者の復職支援における効果的な連携」 司 会 者 パネリスト (五十音順) 今若 修 障害者職業総合センター職業センター 五十嵐良雄 氏 メディカルケア虎ノ門 稲田 憲弘 東京障害者職業センター 川浦 且博 氏 KYB株式会社 人事本部 岐阜人事部 企画課長 院長/うつ病リワーク研究会 代表世話人 主幹障害者職業カウンセラー 部長 休職中の者の復職に向けた取り組みと関係機関の連携の状況についてご報告いただき、復職に向けた効果的 な支援のあり方を検討します。 ○テーマ別パネルディスカッションⅡ (15:10~16:50) 「教育から雇用への移行支援における課題 -専門的支援の活用の可能性を広げるために-」 司 会 者 パネリスト (五十音順) 望月 葉子 障害者職業総合センター 石川 京子 氏 ぐんま若者サポートステーション 林 東京都立足立東高等学校 眞司 氏 深江 裕忠 特別研究員 相談員/NPO 法人リンケージ 理事長 副校長 職業能力開発総合大学校 能力開発院能力開発応用系 職業能力開発指導法ユニット 助教 教育・訓練機関から企業への雇用に円滑に移行できない者の一部に、専門的機関や職業リハビリテーション 機関の利用が適当な者も含まれますが、利用には至らない場合も多いと考えられます。 教育・訓練の現場や卒業後の相談を行う機関における取り組みと課題等を提起いただき、専門的機関や職業 リハビリテーション機関の利用をしやすくする取り組み等を整理します。 -2- 2 参加申込 (1)申込方法 当機構ホームページ(http://www.nivr.jeed.or.jp/news/vrhappyou22-history.html) 「申込はこちら から」より直接申し込んでください。ホームページからの申し込みが難しい場合に限り、19 ページの 申込書に所定事項を記入し、「第22回職業リハビリテーション研究・実践発表会 参加申込事務局」 (株式会社日本旅行)まで郵送してください(5「お問い合わせ先」参照)。 なお、参加申込登録後に、発表者が変更になったり発表が中止になることがあります。わかり次第 ホームページ(http://www.nivr.jeed.or.jp/news/vrhappyou21-history.html)でお知らせしますので、 事前に確認してください。 また、研究発表等の内容は「第 22 回職業リハビリテーション研究・実践発表会 発表論文集」とし てとりまとめ、開催前にホームページ(http://www.nivr.jeed.or.jp/vr/vrhappyou-index.html)に掲載し ますので参考にしてください。 【郵送で申し込む際のご注意】 ①現在の空席状況を参加申込事務局までお問い合わせのうえ、下の表を参考に参加希望のプログラ ムを選択してください。 ②定員に達した場合、ご希望に沿えないことがあります(この場合のみ事務局より連絡します)。 ③手話通訳・要約筆記・会場内誘導等の介助を希望される方は、必要事項を具体的に記載し、希望 するブログラムの番号(①~⑦)を選択してください。 ④申込内容を忘れないよう各自で控えてください。 日 12 月 1 日(月) 時 番号 備考 Ⅰ~Ⅲより1つ選択 10:30~12:00 基礎講座 ① 13:15~14:45 特別講演 ② 参加の有無 15:00~16:40 パネルディスカッション ③ 参加の有無 口頭発表 第1部 ④ 11:30~12:30 ポスター発表 ⑤ 13:00~14:50 口頭発表 第2部 ⑥ 10~18 より1つ選択 15:10~16:50 テーマ別パネルディスカッション ⑦ Ⅰ~Ⅱより1つ選択 9:30~11:20 12 月 2 日(火) プログラム 1~9より1つ選択 自由参加 (2)申込期限 平成26年11月5日(水)13時まで(郵送は11月4日必着) ※ 先着順。期限内でも定員に達した分科会等より順次募集を締め切ります。 (3)資料引換証 ①申込者の e-mail アドレスに資料引換証をお送りします(e-mail 不可の方のみ郵送します)。 ②資料引換証が届かない場合、参加申込事務局まで連絡してください。 ③資料引換証をプリントアウトし、発表会当日に受付で提出してください。 (4)参加費 すべて無料です。 -3- 3 受付等 (1)受 付 東京ビッグサイト 会議棟(逆三角形の建物)6Fロビー (2)昼 食 会場周辺の飲食店をご利用ください。 (3)宿 泊 各自手配をお願いします。 (4)駐車場 障害等により駐車場が必要な方は、東京ビッグサイト駐車場管理担当へお問い合わせく ださい(電話 03-5530-1148)。障害者手帳の提示により割引が受けられる場合がありま す。 4 個人情報の取扱い 申込時に頂戴した個人情報は、職業リハビリテーション研究・実践発表会に関する事務処理のみに利 用し、当機構の個人情報の取扱いに関する規程等に基づき適正に取り扱います。 5 お問い合わせ先 【参加申込事務局】 「第22回職業リハビリテーション研究・実践発表会 参加申込事務局」 * 株式会社日本旅行 公務法人営業部 ECP営業部 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-18-19 虎ノ門マリンビル11階 TEL:03-5402-6412 e-mail:[email protected] 営業時間:平日 09:30~17:30(土・日・祝日は休業) * 株式会社日本旅行はプライバシーマーク制度認定事業者で、当機構と参加申込業務に関する委託契約を結 び「個人情報保護に関する事項」に基づく厳重な情報管理を行っています。 【事務局】 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者職業総合センター 研究企画部企画調整室 〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉 3-1-3 TEL:043-297-9067 e-mail:[email protected](研究・実践発表会専用窓口) ホームページ:http://www.nivr.jeed.or.jp/news/vrhappyou22-history.html 右の QR コードから読み込 み、表示される登録ページ からご登録ください。 -4- 6 プログラム 【第1日目】 平成26年12月1日(月) 会場:東京ビッグサイト 会議棟(国際会議場・各会議室) ○基礎講座 内 容 時 間 10:00 受 付 6F ロビー 基礎講座 Ⅰ 「精神障害の基礎と職業問題」 Ⅱ 「発達障害の基礎と職業問題」 Ⅲ 「高次脳機能障害の基礎と職業問題」 10:30 12:00 ○研究・実践発表会 内 容 時 間 12:30 受 付 13:00 開会式 13:15 特別講演 6F ロビー 挨 拶 : 小林 利治 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 理事長 「これから始める障害者雇用」 講 師: 進藤 祥一 氏 1 4 :4 5 北沢 健 氏 リゾートトラスト株式会社 東京人事総務部 部長 リゾートトラスト株式会社 東京人事総務部事務支援課 課長 休 憩 15:00 1 6 :4 0 「障害者の雇用を支えるために」 司 会 者: 野口 勝則 千葉障害者職業センター 所長 千葉県立特別支援学校市川大野高等学園 多田康一郎 氏 教諭/就労支援コーディネーター パネル 独立行政法人国立がん研究センター東病院 長澤 京子 氏 ディスカッション ジョブコーチリーダー/障害者職業生活相談員 パネリスト: (五十音順) 中島 一重 氏 社会福祉法人 桐友学園 中島 一重 氏 障害者支援施設 沼南育成園就労支援センター 就労支援部長 障害者就業・生活支援センター 千葉障害者キャリアセンター 藤尾 健二 氏 センター長 【第2日目】 平成26年12月2日(火) 会場:東京ビッグサイト 会議棟(国際会議場・レセプションホール・各会議室) ○研究・実践発表会 内 容 時 間 9:00 9:30 11:20 受 付 6F ロビー 研究発表 口頭発表 第1部 (第1分科会~第9分科会) 分科会形式で各会場に分かれて行います。 休 憩 11:30 12:30 研究発表 (昼食) ポスター発表 発表者による説明、質疑応答を行います。 休 憩 13:00 14:50 研究発表 口頭発表 第2部 (第10分科会~第18分科会) 分科会形式で各会場に分かれて行います。 休 憩 15:10 Ⅰ 「休職者の復職支援における効果的な連携」 司 会 者: 今若 修 障害者職業総合センター職業センター 企画課長 パネリスト: (五十音順) 五十嵐良雄 氏 メディカルケア虎ノ門 院長/うつ病リワーク研究会 代表世話人 稲田 憲弘 東京障害者職業センター 主幹障害者職業カウンセラー 川浦 且博 氏 KYB株式会社 人事本部 岐阜人事部 部長 テーマ別 パネル Ⅱ 「教育から雇用への移行支援における課題 -専門的支援の活用の可能性を広げるために-」 ディスカッション 司 会 者: 望月 葉子 障害者職業総合センター 特別研究員 石川 京子 パネリスト: 林 眞司 (五十音順) 深江 裕忠 16:50 閉 会 氏 ぐんま若者サポートステーション 相談員/NPO法人リンケージ 理事長 氏 東京都立足立東高等学校 副校長 職業能力開発総合大学校 能力開発院能力開発応用系 職業能力開発指導法ユニット 助教 ※各会場ごとに閉会、解散 -5- 7 研究発表 【口頭発表 第1部】 12月2日(火) 9:30~11:20 ※共同研究者については省略しています。 第1分科会:教育から職場への移行 1 特別支援学校における視覚障害生徒のキャリア教育の現状と課題 -高等部生徒に対するキャリア教育を中心として- 指田 忠司 障害者職業総合センター 特別研究員 盲学校等の特別支援学校では、理療科教育を中心とする職業教育が行われてきたが、生徒の特性や障害程度によっては、その教育が必ずしも本人の希望に適合し ない場合があり、また職業的自立に結びつかない場合もあることが指摘されている。本発表では、こうした指摘を踏まえ、高等部に在籍する視覚障害生徒に対するキャ リア教育の実践の状況を明らかにするとともに、今後のキャリア教育をめぐる課題について検討する。 2 知的障害者の一般就労における継続状況調査の分析 -合理的配慮の観点に基づいて- 矢野川 祥典 高知大学教育学部附属特別支援学校 教諭 障害者権利条約が我が国で批准され、教育や労働分野において合理的配慮の理解推進が求められる。某知的障害特別支援学校では高い一般就労率を上げている が、A県内の他の知的障害特別支援学校を併せた就労継続状況の把握は十分ではない。そこで卒業生に対して調査を行い、要望や悩み等を明らかにした。就労継 続を図るため、事業所に対して合理的配慮の啓発、理解推進していく手がかりとすることを目指す。 3 企業が求める学校教育の取り組みについて ~産業現場等における 実習を充実した取り組みとする学校教育の在り方~ 島宗 徹 株式会社エム・エル・エス総務部総務・経理グループ/ 埼玉県立学校民間企業等派遣研修生 (埼玉県立学校さいたま桜高等学園所属) 今年度、私は民間企業派遣研修生として企業の従業員として勤務し、企業が求める学校教育の在り方を探求している。エム・エル・エスでは、採用の有無にかかわら ず職業訓練の場として昨年度は33名の実習生を受け入れた。今年度も同様数が見込まれる。学校において現場実習は重要な取り組みである。現場実習をより充実し た取り組みとすることが企業就労に向けた力となるのではないかと考え、現場実習に向けた学校の取り組みを考える。 4 デュアルシステム型現場実習を通しての社員、実習生の自己成長 について 伊東 一郎 株式会社前川製作所 常務取締役 実際の経理業務を2年生の早い段階で体験することで「事務(経理、財務業務)」仕事のイメージを具体的に捕らえ、今後の就職活動に活かしてもらう事を目的に学校 から提案のあった「デュアルシステム型現場実習」を受け入れた。「会社という世界」を体験することにより生徒自身の就労意欲が高まり、また、先輩社員が彼らに説明を 行うため、業務内容や手順の整理などを自主的に行い、お互いに自己成長できるよい機会にもなっている。 第2分科会:就労に向けた評価と人材の育成 1 就労支援に携わる人材育成の現状と課題 -文献レビューと学生へのアンケート調査から- 大川 浩子 北海道文教大学/NPO法人コミュネット楽創 就労支援に携わる人材育成について、海外では大学院レベルでの教育が行われているが、日本では多岐にわたる取り組みが行われ、様々な背景を持つ人材が携 わっている状況がある。今回、日本における就労支援に関する人材育成について文献レビューし、現状と課題について考察し、報告する。さらに、大学生に対し市民 活動に関する講義において就労支援を紹介した際のアンケート結果から、専門職養成過程における課題について報告する。 2 ワークサンプル幕張版(MWS)の新規課題開発の取り組み -開発の経緯と概要について- 森 誠一 障害者職業総合センター 主任研究員 トータルパッケージの中核的構成ツールである、ワークサンプル幕張版(MWS)に対するユーザーのニーズを踏まえ、障害者職業総合センター研究部門においては、 MWSの改訂作業と併せ、新たなワークサンプルの開発に取り組んでいる。本発表においては、開発の経緯と概要について報告する。 3 高次脳機能障がい者の医療から就労へとつなぐ職業評価の実践 について ~実務を通じた評価の実践と課題について~ 安河内 功 社会福祉法人福岡市社会福祉事業団 福岡市立ももち福祉プラザ 支援第1係長 当事業団では、高次脳機能障がい者支援拠点事業等を実施している診療所でもある心身障がい福祉センターと、企業就労を支援する障がい者就労支援センター等 を運営している。心身障がい福祉センターでは、医療的な評価や訓練を行っており、また、障がい者就労支援センターでは相談支援機関であることから、両者を繋ぐ ため約6年間で30ケースほどの実務を通じた職業評価を実施してきた。その実践等について報告をする。 4 職業リハビリテーションにおける応用行動分析学の活用について -シングルケースデザインを用いた支援事例を通じて- 佐藤 大作 山口障害者職業センター 障害者職業カウンセラー シングルケースデザインを用いた支援事例を通じて、職業リハビリテーションにおける応用行動分析学の活用の可能性及び課題について検討を行う。 -6- 第3分科会:地域におけるネットワーク支援、連携 1 公共職業安定所における広域ワンストップ相談の実践 -障害のある 求職者のために就労支援機関が集まることの効果について- 太田 幸治 大和公共職業安定所 精神障害者雇用トータルサポーター 大和公共職業安定所では障害のある求職登録者を対象に、管轄地域にとらわれない広域ワンストップ相談を地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援セン ター、就労援助センターと連携し月1回、1日最大4ケース実施している。本研究では平成23年度から平成25年度の間実施した広域ワンストップ相談に関し、対象者の 概要と事例を提示することによって、障害のある求職者のために就労支援機関が集まることの効果について考察する。 2 雇用率達成指導と連携した提案型事業主支援の取り組みについて ~職業準備支援・ジョブコーチ支援の積極的活用を通して 齋藤 弘 兵庫障害者職業センター 障害者職業カウンセラー 昨年の第21回研究発表会のパネルディスカッション「障害者の雇用とその継続のために~計画的な職域の拡大~」の中で話題に上がった、兵庫県内で取り組まれて いるハローワークと兵庫障害者職業センターが連携して実践している提案型事業主支援に係る取り組みと、兵庫障害者職業センター内の職業準備支援・ジョブコーチ 支援との連携の状況について考察を行う。 3 営利と非営利によるパートナーシップ③ 内木場 雅子 障害者職業総合センター 研究員 障害者の職業自立支援をする非営利法人と障害者雇用を要する企業等がともに、障害者雇用や働く場作りを行うためのアンケート調査を実施した。ここでは、障害者 の職業自立支援をする非営利法人の状況と、非営利法人が企業とともに障害者の働く場を作るための必要な要件等についての把握を行った。今回は、非営利法人の 状況を中心に報告する。 4 知的障がい者の就労支援をめざした地域間農業交流の取り組み 石田 憲治 農研機構 農村工学研究所 技術移転センター 教授 障がい者の自立に向けた取り組みには、充実した制度にもとづく福祉作業所等の支援はもとより、地域コミュニティの積極的な協力が重要な役割を果たすと思われる。 本報告では、障がい者福祉施設が他地域における農作業を相互に市町村を跨いで一緒に体験することを通して、障がい者の社会参加を促しつつ地域の活性化を図 る取り組みや都市地域の福祉作業所の障がい者が農村地域の農作業補助者として社会参加する取り組みを考察する。 5 地域食材をとりまく多様な主体と農作業による障がい者就労支援の しくみづくり 片山 千栄 農研機構 農村工学研究所 技術移転センター 研究員 障がい者の自立に向けた取り組みには、福祉作業所等の支援をはじめ地域コミュニティにおける障がい者福祉に関わる様々な主体の協力・連携が重要である。本報 告では、地域食材を中心に据え、農作業に取り組む障害福祉事業所、特別支援学校関係者、農業生産者、食材を購入し利活用する消費者など、多様な主体が積極 的に関わる障がい者就労支援のモデル的なしくみづくりについて農業振興も含めた持続性に着目して考察する。 第4分科会:企業における障害者雇用の取組Ⅰ 1 国立がん研究センター東病院での知的障がい者雇用の取り組み -病院職員として働くということ- 長澤 京子 独立行政法人国立がん研究センター東病院 ジョブコーチリーダー・障害者 職業生活相談員/立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科 大学院比較 組織ネットワーク学専攻博士前期課程 東病院(千葉県柏市)では、知的障がい者が医療関連業務に携わる取組を、探求・実践してきた。病院は産業の少ない地域にも存在し、障がい者雇用の受皿として期 待される分野である。昨年に引続き今発表では、当事者が日々の実践を自ら語る。これにより「病院職員として働くために必要な知識・技能・能力や態度とは何か」が垣 間見られる。発表会参加を通じて、病院就労に向けた職業教育・医療機関での障がい者雇用促進に貢献したい。 2 第一生命チャレンジド㈱書類発送グループの8年間の変遷から見る 職員の成長と業務の拡大 梶野 耕平 第一生命チャレンジド株式会社 職場定着推進室 課長補佐 平成18年10月設立当初3名だったグループが、平成26年7月現在47名になっている。設立当初は管理者が指示のもと障がいのある職員が業務を行っていたが、現在 はそれぞれの職員が、指示が無くとも動けている。書類発送グループの8年間の変遷から、朝一番、上司の指示無く職員が自然に仕事を開始出来る仕組みについて 考察する。 3 ちばぎんハートフル㈱の障がい者雇用の取り組み ~「社員の主体性を重視し将来の自立を目指す」 白川 恒平 ちばぎんハートフル株式会社 業務第一部長 当社は千葉銀行100%出資の特例子会社です。名刺やゴム印の作成、パソコンのデータ入力など様々な業務を行っています。当社では新人の社員教育をはじめ、障 がいのある社員にある程度の権限を委譲し、主体性を持った取り組みを実践しています。社員1人1人の意志を尊重し、目標管理を徹底して行い、やりがいのある職場 を目指しています。 4 特例子会社における従業員の能力開発についての一考察 和泉 圭良子 大東コーポレートサービス株式会社 北九州事業所は開所し6年目を迎える。グループ会社や地域での事業所の認知が進むなか、業務の種類や障害者の雇用数は増えていった。しかし、障害者(特に知 的障害者)の担当業務は、限られた簡易なものに留まっていた。事業所のさらなる発展を目指し、当事業所で取り組んだ、障害者を含む全従業員の能力開発につい て紹介する。 5 “程々にきびしく、大目に見る” ~雇用継続のためのもうひとつの視点~ 髙木 正彦 株式会社Re 業務管理 第2号職場適応援助者 長期就労を実現する上で、対象者に向けた支援を主体としつつ、雇用側に求められる障害への理解や考え方を見直し、柔軟な評価基準により要件をクリアする発想も 重要とされる。第2号職場適応援助者が抱えるジレンマによるストレスなど潜在的障害にも注目し、継続的支援の実現と同時に、雇用継続のための“もうひとつの視点” として、支援者ポリシーやフィロソフィーの根幹部分にハイライトを当てた課題解決への取り組み事例として紹介する。 -7- 第5分科会:在宅就業 1 重度障害者のITを活用した在宅就労における就労機会創出の取り組み 篠原 智代 かがわ総合リハビリテーション福祉センター 地域・生活支援部 地域支援員(支援コーディネーター) かがわ総合リハビリテーションセンターでは、平成22年度よりITを活用した在宅就労支援体制を整え、就労移行支援事業での職業訓練および福祉センターでの在宅 就業支援を実施しています。今回、地方において筋ジストロフィー等の重度障害者が在宅で働く機会を拡げる環境づくりとして、県内企業と協同した「分業制による就 労機会創出の取り組み」や、県外の就労継続支援A型事業所の「遠隔体験実習」を行ったので報告します。 2 企業への発注奨励制度を活用した施設外就労モデルの構築 ~就労を見据えたスーパーでの実践的作業~ 出縄 輝美 社会福祉法人進和学園 唯一の発注奨励策である「在宅就業障害者支援制度」を利用し、企業から福祉施設への発注を促進した民福連携の好事例。就労を見据えた実践的な作業であり、地 域に溶け込んだ作業であり、最低賃金の1/3以上の工賃受給を達成している「ディーセントワーク」を御紹介します。汎用性のある、全国の福祉的就労の底上げを可能 としている取り組みです。 3 在宅雇用支援の20年から見える、今後の「働く力」 堀込 真理子 社会福祉法人東京コロニー 職能開発室 通勤困難な障害(あるいは疾病)の方の在宅勤務が増えているが、ここ20年の雇用事例を振り返ると、対象者も作業内容も多様化していることがわかる。携わった事例 をおおまかなカテゴリーや切り口で見直すことで、就労の阻害要因をカバーする、時代にあわせた職域の可能性と支援方法が見えてくる。あわせて、それを支えてきた テクノロジーの進歩についても考える。 4 障害者在宅就業支援の現状と課題 田村 みつよ 障害者職業総合センター 研究員 働くことを希望する障害者が増加する中、多様な働き方の選択肢の一つとして、在宅就業がある。在宅就業に係る現状を把握するとともに、制度の活用が進まない要 因を分析し、今後、支援制度の活用を図っていく上でどのような支援策を講ずるべきかについて検討する際に参考となる資料作成を目的として調査研究に着手してい る。本発表では今年度実施した在宅就労支援団体への調査結果をとりまとめ、在宅就業支援団体の実情について報告する。 5 「障害者優先調達促進法」を活用するための仕事の検討 山中 康弘 ITバーチャル八尾 代表 国や地方自治体等から福祉施設や在宅障害者に対して、物やサービスの発注を促進するため、福祉施設に対して、優先調達法に関するアンケート調査を実施した。 そして、その調査結果を基に、障害者ができる仕事内容と仕事の発注のための問題点を分析し、解決策を提案する。 第6分科会:復職支援 1 リワーク支援における『グループ作業』の実践① -背景と運営の実際- 佐藤 真樹 広島障害者職業センター リワークカウンセラー 広島障害者職業センターでは2010年から、<集団場面での対人スキルの向上とストレス対処方法の実践・定着>を目的として、『グループ作業』を実施している。リ ワーク利用者には職場での対人対応やコミュニケーションに課題を抱えるケースが多く、リワークプログラムで学んだアサーションやストレス対処方法を職場と同様の状 況下で演習することを狙いとしている。本報告では実施の背景及びグループ作業の進め方を発表する。 2 リワーク支援における『グループ作業』の実践② -効果と活用上の課題- 崎山 由保 広島障害者職業センター リワークアシスタント 広島障害者職業センターではリワーク支援の中で、『グループ作業』と称し、職場の企画会議を模した共同作業を実施している。『グループ作業』とは、ポスターによる 参加者募集、課題の提示、参加者による個別目標の設定、役割分担、共同作業、他利用者とスタッフへのプレゼン発表を一週間の納期で行う取り組みである。本報告 では『グループ作業』の実際例を示し、参加者、支援者、他利用者に及ぼす効果と課題について発表する。 3 復職支援におけるマルチタスクプログラムの意義 -一般就労への復帰を目指すということ- 中村 美奈子 千葉障害者職業センター リワークカウンセラー 復職支援は一般就労への復帰を目指す。これには疾病回復や集団への再適応だけでは不十分である。マルチタスクプログラムは職場集団での業務遂行を実践的に 体験するプログラムである。これにより休職者は労働者のアイデンティティを回復させ、セルフマネジメントによる役割行動や主体的業務遂行能力を回復できる。本発表 ではマルチタスクプログラムによる、一般就労に必要な「働くための能力」の総合的向上の意義を検討する。 4 マルチタスクプログラムを活用した復職支援 -双極性障害の復職準備性- 神部 まなみ 千葉障害者職業センター リワークカウンセラー 双極性障害の休職者にとって、復職の要件として求められる症状及び出勤の安定は大きな課題と捉えられている。平成24年度から実施しているマルチタスクプログラ ムでは、躁うつの症状への影響という視点からプログラムの仕組みについて説明を行い、職場環境を意識した疾病の理解とセルフコントロールを目標に実践を重ねて いる。本研究ではこの実践から得られた結果をもとに、双極性障害の復職準備性について考察する。 -8- 第7分科会:精神障害者雇用に向けた支援 1 ひきこもり精神障害者の一般事業所内職場への受け入れと定着支援 の必要性について 野村 忠良 府中市精神障害者を守る家族会 相談員 家族会相談員の立場から。多くの福祉的就労では工賃が極端に低く単純作業の繰り返しで、何年頑張っても社会人として認められず自尊心も育ちにくい。一般就労 は無理で福祉的就労への参加も望まない精神障害者の多くが引きこもりとなっている。これは社会にとって大きな損失である。国の施策として、精神障害者を地域の一 般の職場内に基準を下げて受け入れ、地域の機関が心理的・職業的能力の向上を支援する体制が求められている。 2 当事者の希望する職業イメージと職業適性について ~精神障害、発達障害のある方の就労支援~ 岡坂 哲也 医療法人尚生会 (創)シー・エー・シー 就労支援員 当事業所は、精神科に通院する精神障害および発達障害のある方を対象とした就労移行支援事業所である。開設から12年になり就職者も100名を超えた。就労支援 をする際、本人の希望職種を検討するが、本人の思いと働く能力との間にギャップがある場合もある。施設利用や職場実習をするなかで、働きやすい条件や環境につ いて話し合いを重ね、最初の希望とは違う職種で就労継続する場合も多い。その取り組みについて考察し、報告する。 3 「精神障害者雇用の推進における課題と対応」取り組みⅠ 笹川 俊雄 埼玉県障害者雇用サポートセンター センタ―長 埼玉県障害者雇用サポートセンターでは、県内所在の特例子会社を中心とした研究会を開催し、障害者の雇用管理における各事業所が抱えている課題や問題と対 応について情報を共有化。今年度はテーマを「精神障害者雇用の推進における課題と対応」と設定し、平成26年度新規事業である精神障害者就業支援アドバイザー 及び精神保健福祉士によるチーム支援の取り組みと、先行企業の精神障害者雇用の取組事例について発表。 4 「精神障害者雇用の推進における課題と対応」取り組みⅡ 今野 雅彦 MCSハートフル株式会社 代表取締役社長 当社は、認知症高齢者対応型グループホームを全国で200ヶ所以上運営しているメディカル・ケア・サービスの特例子会社として、平成22年9月に設立し、埼玉県上尾 市にて業務を開始しました。当初より、身体、知的、精神の人を同時に雇用し、同事務所では現在、身体6名、知的28名、精神7名が在籍しており、精神の人と身体の 人は、協力し合いながら一緒に仕事をしてきました。その様子を、エピソードを交えて報告します。 第8分科会:発達障害 1 先ず生活より始めよ! 落合 光一 社会福祉法人宮崎県社会福祉事業団 知的障害者総合福祉施設向陽の里 福祉課通所係 係長 これまで、発達障がい者の就労支援に際し、生活面での課題が影響して就労に結び付かないケースが多かった。今回、軽度の知的障がいを有し、発達障がいの診断 を受けているグループホームの生活者に対し、関係機関との組織的な連携によって就職へ繋がった事例をもとに、就労支援と生活支援の一体的な取り組みについて 報告する。 2 発達障害者の非言語コミュニケーション・スキルに関する検討 ~感情識別に関する特性評価の意義~ 知名 青子 障害者職業総合センター 研究員 発達障害者のコミュニケーションや対人態度の問題を改善することは、職場定着を図る上で緊要の支援課題となっている。発達障害者は言語的コミュニケーションのみ ならず、非言語的コミュニケーションの課題を持つことが指摘されている。発達障害者の非言語的コミュニケーション・スキルである、表情や音声からの感情認知の特性 に関して諸研究の知見を整理し、就労支援にあたっての非言語的コミュニケーション・スキルの特性評価の意義について検討する。 3 発達障害のストレス・疲労のセルフモニタリングと対処について ~発達障害者のワークシステム・サポートプログラムの事例より~ 古野 素子 障害者職業総合センター職業センター企画課 障害者職業カウンセラー 発達障害者の特徴の一つとして、ストレス・疲労による心身の状態の変化に自らで気づきにくくその対処が難しいという課題がみられる。障害者職業総合センター職業 センターの発達障害者のワークシステム・サポートプログラムで行っているリラクゼーション技能トレーニングの取組み結果から、受講者の状況や傾向を整理することを 通じて、ストレス・疲労のセルフモニタリングの特徴やそれをふまえた対処方法等について検討する。 4 ナビゲーションブックの作成・活用における取組の工夫について ~発達障害者のワークシステム・サポートプログラムの事例より~ 増澤 由美 障害者職業総合センター職業センター企画課 障害者職業カウンセラー 発達障害者が就職等に際して自らの特性等を事業主に伝える手段のひとつとして、ナビゲーションブックの作成・活用が効果的であるとされている。障害者職業総合 センター職業センターの「発達障害者のワークシステム・サポートプログラム」の事例等を通じて、作成と活用のための標準的な流れと留意点について検討する。 5 発達障害者の自己理解を促すための効果的な就労支援の方法について ~発達障害者就労支援カリキュラムの実践を通じて~ 大村 良平 東京障害者職業センター 障害者職業カウンセラー 発達障害者の円滑な就労の一因として“自らの特性を勘案”し「できる仕事」を選択することが指摘されている。本発表では当センターの発達障害者就労支援カリキュラ ムで取り組んでいる“自らの特性を勘案”する前提となる「自己理解を深めるための支援」について事例検討を行い、その効果等を整理して報告する。 -9- 第9分科会:高次脳機能障害 1 高次脳機能障害者の就労支援を通して学んだこと ~回復期リハビリテーションから就労移行までの経過報告~ 秋山 健太 医療法人徳寿会 鴨島病院リハビリテーション部 本症例の年齢は50代と若く、当院回復期リハビリテーション利用中から復職の希望があった。しかし、症例の自己能力評価と実際の能力には差があった。回復期リハビ リテーションから外来リハビリへ移行し、継続して介入を行った結果、自身の能力に気づき、新たに就労を目指すことになった。約1年間の介入と症例の精神的変化に ついて考察を加え報告する。 2 就労支援を利用する高次脳機能障害者におけるSelf-awarenessの 獲得とIQとの関連 川人 圭将 名古屋大学大学院医学系研究科リハビリテーション療法学専攻 作業療法分野博士課程前期課程2年 [背景]高次脳機能障害者の再就労にSelf-Awareness(SA)が影響すると報告されている。本研究ではSAの獲得とIQの関連を調査した。[方法]対象は就労支援を利用 する高次脳機能障害者27名。IQはWAIS-Ⅲ、SAはSelf-Regulation Skills Interviewを用いた。[結果]SAとIQに有意な相関は得られず、代償手段の獲得との間に相関 が得られた。[考察]高いIQによって代償手段の獲得は促進されるが、SAの獲得には直接影響しないことが示唆された。 3 高次脳機能障がい者に対するグループ訓練のアウトカムに関する 予備的研究 -就労を目標とする方を対象に- 北上 守俊 新潟県障害者リハビリテーションセンター/ 新潟大学大学院医歯学総合研究科 作業療法士/言語聴覚士 就労を目標とする10歳代~40歳代の高次脳機能障がい者を対象にグループ訓練を行った。①自己認識、②社会的スキル、③自己効力感の向上、④気分の安定の4 つをグループ訓練の目的とした。実施頻度は、2週間に1回90~120分実施した。グループ訓練の主な概要は、就労に関連したテーマを議題に、そのテーマに沿って 自分の意見を文章化し、その内容を発表する流れで行った。3ヶ月間実施したアウトカム指標の変化を中心に報告する。 4 高次脳機能障害者を多数支援する支援施設における取り組みの 現状と課題 緒方 淳 障害者職業総合センター 研究協力員 【目的】高次脳機能障害者を多数支援している施設の支援の現状と課題の把握。【方法】就労移行支援事業所、就労継続支援B型事業所等の支援施設7ヶ所を対象 に、①設立背景、②事業内容、③支援上の配慮と工夫点、④今後の課題等について訪問ヒアリングを実施した。【結果】今後の課題として「施設の運営費」「利用者の 確保」「スタッフの不足」「障害認識の促進」「精緻なアセスメント」「適切な代償手段の提示」「医療との連携」などがあげられた。 5 「高次脳機能障害者のための職業リハビリテーション導入プログラム」の 試行実施状況について ~3年間の取組を通して~ 菊香 由加里 障害者職業総合センター職業センター開発課 障害者職業カウンセラー 平成24年度から試行している高次脳機能障害者に対する職業リハビリテーション導入プログラムの支援目標・支援内容・対象者像・支援状況等、3年間の取組状況を 総括し、今後の本格実施に向けた課題を整理する。 【口頭発表 第2部】 12月2日(火) 13:00~14:50 第10分科会:福祉や行政の就職に向けた取組 1 就労支援の実践における企業内就労訓練の導入と効果について 橋本 一豊 特定非営利活動法人WEL’S新木場 事務局 現在、企業の協力のもとで工場内において障がいのある人の就労訓練を行っている。訓練生が実際の仕事を行い体感することで、より具体的な就労のイメージを得る ことができる。また、専門家が常駐し管理運営を行うことで、企業への雇用管理のイメージを提供できるというメリットがある。今後、同様の取り組みを企業と福祉が協力 しながら進めることで、着実な障害者雇用の推進が実現できると考える。 2 施設外就労(請負作業)から障害者雇用へ ~誰もが働く喜びや苦悩を感じるために~ 坂上 淳子 公益財団法人慈愛会 就労支援センターステップ 作業療法士 「採用面接だけで合否を判断せず、実際一緒に働き、本人を知ってもらうことで、偏見をなくし、企業側の負担軽減と職場定着につながるのではないか」という仮説のも と、一般企業での障害者雇用・職場定着方法を探るため、同法人内での就労支援の試みを発表する。 3 「千葉市障害者職場実習事業」について ~政令市における障害者職業能力開発事業のその後~ 寺澤 妙子 千葉市保健福祉局 高齢障害部障害者自立支援課 千葉市障害者職業能力開発プロモーター 千葉市では障害者と企業の橋渡しとして、平成26年度より、就労を希望する障害者に対し、就職前に企業での一定期間の実習を行うなど、相互理解を深めた上で就 労に結びつけることにより職場定着を図り、障害者の就労を促進することを目的とした「障害者職場実習事業」を開始した。その概要を事例と共に紹介する。 4 宇部市障害者就労ワークステーションにおける障害者支援の記録 ~ワークステーションから一般就労への足跡~ 谷 寛子 宇部市 健康福祉部障害福祉課 宇部市では、障害者の雇用の促進を目的に平成22年から「障害者就労ワークステーション」を設置している。支援員として職員を配置し、検討委員会において個々の 障害特性にあった支援の方法を模索すると共に、就労支援事業所との連携を図りながら支援を続けてきた。ワークステーション職員が業務に対する自覚と自信をつけ ていく過程と、卒業後に企業で活躍するまでの努力の足跡について報告する。 - 10 - 第11分科会:SSTを活用した人材育成プログラム 1 SSTを活用した人材育成プログラムⅠ ~普及に向けた取り組み~ 岩佐 美樹 障害者職業総合センター 研究員 障害者職業総合センター研究部門においては、平成23年度から障害者および彼らを職場で支援する人材を対象として、SSTを活用した人材育成プログラムの開発に 取り組んでおり、平成25年度からは、より多くの企業の方にプログラムを活用していただく、継続的に社内で実施していただくための普及の方法等の検討を行ってい る。本発表においては、2ヶ年にわたる実践結果から、その効果とともにプログラムの活用の可能性等について報告する。 2 SSTを活用した人材育成プログラムⅡ ~SSTの職場での日常化に向けたリーダー育成の試み~ 寺井 岳史 さくらサービス株式会社 代表取締役社長 当社は、平成24年度に障害者職業総合センターの研究協力事業所として、ジョブコミュニケーション・スキルアップセミナーを実施。平成26年度においては、同セン ターが実施するSSTのリーダー育成を目的としたセミナー及び導入支援を受けながら、SST研修の自主運営に取り組むとともに、リーダースキルを用いた指導・支援の 日常的な定着に取り組んでおり、本発表においてはこの実践についての報告を行う。 3 SSTを活用した人材育成プログラムⅢ ~当社におけるSST実施報告~ 今野 美奈子 株式会社アドバンテストグリーン 主任 平成24年にSSTを活用した人材育成プログラムの試行協力事業所として、外部講師によるジョブコミュニケーション・スキルアップセミナーを社内で実施した。その経験 をもとに、翌年より自主運営によるプログラムをスタートした。本発表では、プログラムを実施するにあたり試行錯誤した経験や、実施状況、また、結果や効果について 報告する。 4 SSTを活用した人材育成プログラムⅣ ~企業内のジョブコミュニケーションスキルアップセミナー~ 大森 千恵 株式会社エルアイ武田 事業推進室 業務部長 企業内で障害のある人が働き続けるためにはリーダーのコミュニケーション能力が不可欠である。障害種別・程度・能力に合わせたコミュニケーションをとることより、メン バーの能力を引き出し、職場定着が図れるものと考える。本発表においては、職場全体のコミュニケーションスキル、リーダースキルの向上に向けた2年間の実践及び 今年度から取り組んでいる聴覚障害者のコミュニケーション問題に対するアプローチについての報告を行う。 5 SSTを活用した人材育成プログラムⅤ ~公務部門における障がいのある職員に対する就労継続のためのSST~ 福永 佳也 大阪府 福祉部障がい福祉室自立支援課 大阪府では、平成23年度からハートフルオフィス推進事業として、知的障がい者と精神障がい者を雇用し、庁内での勤務経験を生かして、一般企業等への就職とその 後の職場定着につながるよう支援を行っている。平成25年度から知的障がい者を対象に、平成26年度から精神障がい者にも対象を拡大し、就労継続のためのSSTプ ログラムを実施している。本発表においては、プログラム導入までの経過、その内容や効果について報告する。 第12分科会:障害者雇用にかかる制度・支援 1 より多くの就労支援をおこなうために ~就労支援の中断例を減少させる検討~ 加藤 源広 もりおか若者サポートステーション もりおか若者サポートステーションは平成18年に開所し、多くのニートと呼ばれる若者に対する就労支援をおこなってきた。昨年度の実績では150人の就労支援実績が あり、継続して支援ができた若者に対しては、比較的高い確率での支援実績があると考える。しかし相談者数に対しての支援中断者の割合も高く、課題として支援を 継続していくための工夫も重要である。従って、より就職実績を高めること、そして支援継続性の工夫を検討したい。 2 ジョブコーチ支援の実施ニーズ及び関係機関から求められる役割 小池 眞一郎 障害者職業総合センター 主任研究員 質の高いジョブコーチ支援の実施と円滑な制度の運用に資するため、教育、医療、福祉及び就労支援機関に対して、ジョブコーチ支援に関するアンケート調査等を行 い、ジョブコーチ支援に関する中期的な支援実施ニーズや、期待されるジョブコーチの役割等を把握した。本発表では本年5月にとりまとめた報告書の内容を基に、さ らにジョブコーチ支援制度が有効活用されるよう、制度の運用や支援者の業務遂行において、留意すべき事項を中心に報告する。 3 障害者雇用に係る事業主支援の標準的な実施方法について 野中 由彦 障害者職業総合センター 主任研究員 障害者雇用率の改訂、精神障害者の雇用率算定基礎への算入等により、企業における障害者雇用の課題はますます広がりをみせている中で、より充実した実効性の ある事業主支援が求められている。この発表では、事業主支援に取り組む就労支援機関、事業主団体等で実施されている事業主支援の具体的な実施方法や内容等 についてヒアリングした結果を報告する。 4 海外における雇用促進施策の新たな展開 -尊重と支援の視点から- 佐渡 賢一 元障害者職業総合センター 統括研究員 (厚生労働省労働基準局労災管理課労災保険財政数理室 中央労災補償監察官) 障害者権利条約成立後8年が経過して、諸外国のこの条約への対応のあり方が具体化しつつある。本報告では、条約上の位置付けについても議論の対象となった、 いわゆる「積極的差別是正措置」(アファーマティブ・アクション、割当雇用制度もこれに属するとされている)を念頭に置きつつ、海外での1~2の事例を取り上げ、政策 の方向性について考える素材を提供したい。 5 障害者雇用促進のための社会的企業の活用可能性に関する研究 -韓国の社会的企業の分析を中心に- 權 偕珍 立命館大学院経済学研究科博士後期課程/ 学術振興会 特別研究員 現在、韓国では障害者の雇用を促進するための手段として社会的企業が注目されている。本研究では、韓国における①社会的企業の現状を把握し、②社会的企業と 障害者雇用の関連性の事例分析しながら考察する。そして③障害者雇用における社会的企業の位置づけ及び成果を分析する。以上の内容を踏まえて、障害者雇用 促進のための社会的企業の活用可能性について検討する。 - 11 - 第13分科会:精神障害者雇用の課題と取組 1 精神障害者の職業能力開発支援とその体制について 佐藤 浩司 株式会社サポートケイ 代表取締役社長 事務作業や事務職に必須である日商簿記3級及び日商簿記2級を取得、会計ソフトに入力し、試算表を完成させる業務に従事している社員を中心に発表致します。 実務では、お客様の規模や業種により仕訳の考え方、出来上がってくる帳票も異なり、それを読み取るには、担当記帳業務の業種はもちろん関連する仕組みや意味 を理解しなければなりません。どのような方法や環境、または支援方法でクリアしてきたのかを共有したいと思います。 2 精神障がい者社員の適正配置・定着継続のためのアセスメント 野村 弥生 株式会社フロンティアチャレンジ 管理グループ人事教育チーム 精神保健福祉士 弊社では職場内で起こる精神障がい者社員の様々な課題と要因を分析し、入社時に人事が把握しておくべきポイントを予めアセスメントしておくことで、発達障がいを 含む30名ほどの精神障がいの社員の定着・継続をスムーズに行うことに役立てています。これまで取組んできた実践内容についての発表です。 3 精神障がい者の職場定着に対する取り組みと、職場定着の先に みえてきた課題への取り組みについて 松原 史明 大東コーポレートサービス株式会社 本社事業所 サービス1課 精神保健福祉士 大東コーポレートサービスでは、2006 年から8年間精神障がい者の雇用に取り組み続けている。試行錯誤を重ねつつ、その成果は職場定着率の高さという点で出て いる。離職率が低く、勤怠状況が安定している社員も多いからだ。しかし、課題もある。勤怠は安定していても、意欲や業務力の向上に欠ける事例が散見されることだ。 そこで、職場定着についての成果とともに、その先に見えてきた新たな課題への取り組みについて発表したい。 4 精神障害者の雇用に係る企業側の課題等について(1) ~企業アンケート調査の概要から~ 笹川 三枝子 障害者職業総合センター 研究員 障害者職業総合センター研究部門では、精神障害者の雇用に係る企業側の課題とその解決方策を検討するための調査研究に取り組んでいる。本発表では、企業が 精神障害者を雇用するにあたってどのような課題を持っているのか、詳細な実態を明らかにすることを目的に実施する企業アンケート調査の概要について報告する。 5 精神障害者の雇用に係る企業側の課題等について(2) ~地域センターにおけるリワーク支援の状況から~ 宮澤 史穂 障害者職業総合センター 研究員 障害者職業総合センター研究部門では、精神障害者の雇用に係る企業側の課題とその解決方策を検討するための調査研究に取り組んでいる。本発表では、全国の 地域障害者職業センターを対象にリワーク支援実施状況について行った調査を基に、精神障害者の職場復帰の面で、企業や医療機関が抱えている課題や地域障害 者職業センターが求められていることについて検討し、報告する。 第14分科会:企業における障害者雇用の取組Ⅱ 1 グループミッションとしての障がい者雇用の取組 (障がい者適職要件の共通言語化と、職域開拓における各社の役割) 樋口 安寿 株式会社リクルートオフィスサポート 経営企画室経営企画グループ戦略チーム リーダー 法定雇用率の見直しとグループの成長で、急激な雇用拡大が求められる中、従来の特例子会社単体では雇用と職域開拓が困難な見通しとなったリクルートグループ では、障がい者雇用をグループミッションと定め、連携して雇用推進にあたる事を決定。各社の役割と責任、障がい者雇用の為の適職条件の共通言語化と、職域開拓 における具体的なアクションプランと評価方法に関するフレームワーク。 2 就労は究極のリハビリであり、就労は障がいを軽減する。 ~企業に於ける合理的配慮とは~ 遠田 千穂 槻田 理 富士ソフト企画株式会社 人材開発部 部長 富士ソフト企画株式会社 人材開発部 主任 やり甲斐のある職種とマッチングすることで、障がい者の雇用継続、職場定着を図ることができる。人は必要とされている実感がないと、いくら時短等で配慮をされても 雇用定着は見込めない。障がい者の権利条約が批准された今、企業における個々人にとっての合理的配慮とは何かを展開しながら長く働ける土壌の作り方を紹介す る。 3 障害のある社員の潜在的ニーズを抽出し職場環境改善につなげる 取り組み 山崎 糧 大東コーポレートサービス株式会社 浦安事業所 相談員 大東コーポレートサービス株式会社浦安事業所は2010 年10月開所。主な業務は親会社等から受注した印刷物の製作、発送。知的、精神、聴覚、肢体に障害のある 社員が働いている。障害のある社員が働きやすい環境を作るため、当初顕在的ニーズに対応する形で環境整備を行なってきたが、潜在的ニーズの把握、対応が難し くそれが起因するトラブルへの対応も遅れることがあった。潜在的ニーズを抽出し環境改善に繋げる取り組みの紹介。 4 業務内容の見える化と障害者自身による作業週程の組立て 伊東 一郎 株式会社前川製作所 常務取締役 当社は、全社員をジョブサポーターとし全ての社員が障害者の就業をサポートする役割を担っている。そのため、単独作業の多い知的障害者が「いま・どこで・何をして いるか」誰でもわかる仕組みが必要であった。そこで知的障害者の作業内容を「見える化」するツールを作成し、業務を行っていたが最近、業務量の見直しを行ったと ころ社員への可視化だけでなく、障害者自身がそのツールを使い週単位で作業の組立てが出来るようになった。 - 12 - 第15分科会:キャリア形成、能力開発 1 「聴覚障がい者キャリアアップ研究会」の当事者主体によるメソッド開発 渡辺 儀一 聴覚障がい者キャリアアップ研究会 事務局長 大企業で管理職を担っている聴覚障害者およびリーダー職・主任職が主体となって立ち上げた「聴覚障がい者キャリアアップ研究会」の活動をご紹介する。中堅層の 聴覚障害者の就労問題と課題を明らかにすると同時に、社内における昇格や昇級等ができるためのキャリアアップの方法について研究している。 2 特別な支援を要する障害者のための職業訓練に関する研究 報告1 企業内CSRを参考にした精神障害者の受け入れカリキュラム 園田 忠夫 東京障害者職業能力開発校 オフィスワーク科 指導員 近年、障害者雇用をCSR(企業の社会的責任)として捉え推進している企業が増えてきている。本研究では、CSRの取り組みと訓練校の指導を対比させ、特に精神障 害者訓練に取り入れ、キャリア支援を行った。本校の本コースは、知的障害者を除いた全ての障害者を受け入れ、6ヶ月の短期訓練で就職支援を行っている。カリキュ ラムでは精神障害者の社会参加への意識向上を大きな目的としている。 3 特別な支援を要する障害者のための職業訓練に関する研究 報告2 コーポレートコミュニケーションを取り入れた精神障害者の指導事例 栗田 るみ子 城西大学経営学部 教授 企業は、社会との相互コミュニケーションを通じて、「良い評価」「良いイメージ」を培うことを目的としたコーポレートコミュニケーション活動(以下「CC」)がある。本研究で は、精神障害者の社会的自己実現へ向けた指導の一環に、CCの要因を定義した教材開発を行い、表現力を育成した。課題は「商品説明」としPCのナレーション機能 を利用した。生徒自身の声による商品説明と手作り動画制作を取り入れた指導事例を報告する。 4 「障害のある労働者の職業サイクルに関する調査研究」 ~調査対象者の働き方や意識の4年間の変化について 土屋 知子 障害者職業総合センター 研究員 「障害のある労働者の職業サイクルに関する調査研究」は、パネル調査の手法を活用して、身体障害(視覚障害、聴覚障害、内部障害、肢体不自由)、知的障害、精 神障害のある労働者の就労状況や就労に関係する意識の変化等について長期的に継続する調査である。これまでに蓄積された調査結果をもとに、障害のある労働 者の就労状況や意識の変化について、「障害の職場への開示」や「仕事への満足度」に着目して分析する。 第16分科会:精神障害者の雇用・就労 1 「もう一度働きたい」思いに寄り添った7年間 -Aさんと共に歩んだアザレア作業所の就労支援の今とこれから 小木曽 眞知子 社会福祉法人アザレア福祉会 アザレア作業所 施設長 就労継続支援B型アザレア作業所は、精神障がい者を対象としている定員20名の小さな作業所である。働きたいと思う利用者に対し、ハローワークや行政機関と連携 し企業に就職を進めてきた。現在3名の利用者が就労中だが、いずれも数年単位で就労を継続している。その中でも、現在7年間就労中のAさんに対する就労支援に ついて紆余曲折あった事例と、今後について報告したい。 2 精神障害者の雇用推進における福祉的就労のプラス面とマイナス面 清水 建夫 働く障害者の弁護団 代表/ NPO法人障害児・者人権ネットワーク 理事/弁護士 平成18年から精神障害者雇用が障害者雇用制度の実雇用に扱われるようになり前進した。しかしながら労働年齢に達している精神障害者が一般労働市場で働いて いるのは70人に1人にすぎない。精神障害者の多くは一般の労働市場から排除されている。福祉的就労が精神障害者を社会から遠ざけ引きこもり状態にさせている側 面がある。福祉的就労のプラス面とマイナス面について検討する。 3 精神障害者が、知的障害者等に電子機器の分解方法を教え、そうか! 解った!と反応する様子から、自分の価値を再認識させる試み 兎束 俊成 ひきこもり対策会議 船橋 代表 人は“持ちつ持たれつ”つまり助けて助けられての世界で生きています。しかし、障害者は「助けられる存在」と決め付けられてしまう場合が多く、彼らが社会復帰するた めには、心のバランスを取り戻す必要があると考えます。そこで『助ける側の試み』として、精神障害者が、知的障害者等に電子機器の分解の仕方等を教え、“「そう か!解った!」と嬉しそうに返って来る言葉 ”に響いた彼らの内面の変化について、考察し報告します。 4 初発期精神病を有する従業員の疲労軽減のための事業主による 配慮の推進 石川 球子 障害者職業総合センター 特別研究員 いわゆる初発期精神病では、その診断から5年以内における地域生活やリカバリーへの適切な支援が重要である(精神病早期支援宣言)。そこで、本発表では「精神 障害・発達障害を有する従業員の疲労軽減等に関する実践事例調査」により収集した配慮事例(全66件)の中で、発達障害を含む初発期精神病11事例に共通した症 状管理とストレスへの対処に関連して疲労を訴える傾向に焦点をあてつつ、疾患別に配慮内容とその効果を報告する。 - 13 - 第17分科会:難病等 1 就労訓練による場面緘黙症状の変化 伊藤 麻希 株式会社コスモス 就労移行支援事業<コスモス>ケアサービス 緘黙症は重篤な場合は成人後も症状が継続し社会生活が困難になるが、研究はほとんどない。浜田ら (2010) によると、①話ができないという問題によって、②コミュ ニケーションが取れず、③人間関係が形成できないという問題が生じ、最終的に④社会生活が送れないという状況に陥る。本研究ではカードを用いた基本的スキルの トレーニングや個別での対話練習および職場実習を行った。その結果緘黙症状が改善され、就労を果たした。 2 難病者の就労支援に向けたアセスメントのあり方に関する一考察 ~京都府難病相談・支援センターとの連携による就労支援~ 武藤 香織 京都障害者職業センター 障害者職業カウンセラー 今回、脊髄小脳変性症、骨髄異形成症候群の2事例を通し、京都府難病相談・支援センターと連携、医療情報の整理、職リハという視点を加え、日常生活と職業生活 上の制約について検討し、手帳の取得をすすめ、その上で障害者職業センターの職業準備支援、ジョブコーチ支援へとすすめた経過について考察を行う。 3 難病者の就労支援に向けたアセスメントのあり方に関する一考察 ~京都障害者職業センターとの連携による就労支援~ 戸田 真里 京都府難病相談・支援センター 相談支援員(看護師) 京都府難病相談・支援センターでは難病のある方々から医療・療養・福祉に関する相談をお受けしている。その中でも近年就労に関する相談が増えてきているが、難 病のある方の多くは障害者手帳の取得が難しい方が多い現状である。今回、脊髄小脳変性症、骨髄異形成症候群の2事例を京都障害者職業センターと連携を図り支 援を進めた経過を難病相談・支援センターの視点から考察を行う。 4 難病の症状による職業上の困難に対する職場での配慮と地域支援の 課題 春名 由一郎 障害者職業総合センター 主任研究員 医療の進歩により就労可能性が広がっている難病患者であるが、疾患管理の継続的必要性や職業場面での体調管理の課題、症状や機能障害の変動等、これまでの 障害者とは異なる職業上の困難性を有している。難病患者や支援機関に対する調査結果を踏まえ、難病患者の有する就労支援ニーズに対して効果的な職場での理 解・配慮や、地域における労働分野と保健医療分野の効果的連携による支援のあり方について整理する。 第18分科会:「ビジネスと障害グローバルネットワーク」と外資系企業における取組(ILO関係) ※この分科会は、ILOとの連携により、障害者雇用の国際的な取り組みをテーマとしています。 ILOは、障害者雇用を進めるため、多国籍企業、国際的障害者団体、NGOなどをメンバーとして「ビジネスと雇用グローバルネットワーク(ILO Global Business and Disability Network(GBDN))」を展開しています。本分科会では、ILO本部のGBDN担当者2名とGBDNメンバー企業3社(外資系企業)が発表を行うとともに、パネル的 に意見交換も行う予定です。日英の逐語通訳が入ります。 1 ILOビジネスと雇用グローバルネットワークについて ヘンリック ・モレー ILO使用者活動局 シニア・アドバイザー 雇用グローバルネットワークの構成、機能、主な活動、活動の成果、これからの活動計画の紹介を行う。 2 ネットワーク・メンバー企業の経験と教訓 シュテファン ・トロメル ILO労働条件平等局ジェンダー平等・多様性部 障害者専門家 メンバー企業の経験に基づき、企業が障害者雇用を促進する鍵となる事項を探るとともに、経験から得られた知識についても説明する。 3 ダイバーシティとその経済効果 グローバル市場との連携による有益性 ナンシー ・ナガォ EYアドバイザリー株式会社 パートナー 障害者の活用をふくめさまざまな多様性を持った企業が、市場のビジネスにおいて生み出している経済効果について紹介する。 4 アクサ生命における障害者インクルージョンの取り組み 金子 久子 アクサ生命保険株式会社 企業文化変革&ダイバーシティ推進室部長 DIP(Disability Inclusion Program =障害についての理解を深める講座)は障害のある同僚と接した経験が少ない社員を対象にアクサ生命が定期的に実施している講 座で、講師は障害のある社員が務める。受講者は体験型のプログラムを通して身体、視覚、聴覚それぞれの障害についての基本的な特徴を学ぶと同時に、障害の特 性を活かした「異なる能力」についての認識を深める。内容はモジュール化されており、目的に合わせて構成を組み替えて実施している。 5 障がいと共に歩むための世界方針と日本での取り組み 徳光 健 ダウ・ケミカル日本株式会社 ダウオートモーティブシステムズ・ 成長戦略担当部長/ディスアビィリティエンプロイーネットワーク (DEN) 日本代表 ダウケミカルでは、2002年、障がい者が社内で相談機会をみつけ、経験を分かち、先輩と交流し、入社頂ける方にとってのアクセシビリティを高めるために提言を行うこ とを支援する、Disability Employees Network(DEN) を日本でも立ち上げた。DENのネットワークは世界中に張り巡らされており、幅広いプログラムを有し、障がいを有す るダウ社の全ての従業員をサポートしている。グローバル企業として、障がいへの理解を高め、障がい者も健常者も共に歩んで行ける職場作りに貢献すべく取り組んで いる試みと経験、また障がいに関わりつつ地域への貢献について紹介する。 - 14 - ※ ポスター発表は、発表者と直接意見交換や質問ができる発表形式です。タイトルや発表概要をもとに興味や関心のあるポスターを選び、発表者と討議を深め てください。発表時間以外(10時30分~15時10分)も自由にご覧になれます。 【ポスター発表】 12月2日(火)11:30~12:30 1 発達障害者の職業生活上の課題とその対応に関する研究 その1 根本 友之 障害者職業総合センター 主任研究員 本研究では、発達障害者の職業生活上の課題とその対応を整理し、地域の就労支援機関において活用できる資料として、本年度末にまとめることとしている。具体 的には、文献調査に基づき職業生活上の課題を整理し、地域障害者職業センターに対する調査等によりそれらの課題への対応の実例を収集した上で、支援の参 考となるような示し方を検討してきた。その1では、職業生活上の課題の整理と対応の調査結果等について報告する。 2 発達障害者の職業生活上の課題とその対応に関する研究 その2 望月 葉子 障害者職業総合センター 特別研究員 本研究では、発達障害者の職業生活上の課題とその対応を整理し、地域の就労支援機関において活用できる資料として、本年度末にまとめることとしている。具体 的には、文献調査に基づき職業生活上の課題を整理し、地域障害者職業センターに対する調査等によりそれらの課題への対応の実例を収集した上で、支援の参 考となるような示し方を検討してきた。その2では、職業生活上の課題と対応の示し方等について報告する。 3 発達障害者のワークシステム・サポートプログラムにおける特性に応じた 作業支援の検討(5) -作業環境に対する特性の検討- 阿部 秀樹 障害者職業総合センター職業センター企画課 職業レディネス指導員 発達障害者の特性として、感覚刺激の統制・作業場所の設定・人的体制の配慮等の必要性があげられる。障害者職業総合センター職業センターの「発達障害者 のワークシステム・サポートプログラム」の受講者の事例を通じて、発達障害者の作業環境の配慮点等について検討する。 4 「発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査」に おける結果の概要について 鴇田 陽子 障害者職業総合センター 主任研究員 平成25年度より2年計画により「発達障害者の職業生活への満足度と職場の実態に関する調査研究」に取り組んでいる。この度、当事者団体、就労支援機関等の 協力を得て、就業中の発達障害者を対象にアンケート調査を実施した。研究・実践発表会では、回答者の基本的属性、就業形態、職業生活について感じているこ と、職場の対応、生活状況等、調査結果の概要について報告する。 5 成人発達障害者のライフステージに対するイメージに関する調査報告 -職業を持ち、暮らしていくことのとらえ方について- 藤原 幸久 国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局 理療教育・就労支援部就労移行支援課 発達障害支援室 生活の長期ビジョンや将来イメージは、就労継続上のモチベーションとなり得るが、発達障害者はこうしたビジョンやイメージを持つことが困難であったり、具体性に 欠ける部分が散見される。就労移行支援事業の利用者が就労後の生活、中・長期の人生設計、将来のビジョンについてどのようなイメージを抱いているかについ て、支援に向けたアセスメントの一環として調査を行い、その結果を報告するとともに、活用方法について考察する。 6 発達障害者の機能評価と就労移行支援プログラム -体力・巧緻性 ・注意機能を中心に- 山口 佳小里 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター 作業療法士 就労移行支援においては、対象者の評価とそれに基づくプログラムの計画・実施が重要である。本センタ ーでは、従来の社会的評価や職業評価に加え、作業療 法士やリハビリテーション体育の専門職が関わり、機能評価とプログラムを実施している。今回の発表では、その中でも特に就労場面との関連が強いと考えられる、 体力、巧緻性、注意機能の評価結果と、それに基づいて計画された就労移行支援プログラムについて報告する。 7 発達障害者の就労移行支援における、生活活動に関するアセスメントの 試作の試み 小林 菜摘 国立障害者リハビリテーションセンター 就労移行支援課 発達障害支援室 発達障害者の就労移行支援事業における実践の中で、多くの利用者が、安定した就労のベースとなる生活活動に何らかの課題があり、生活活動が社会認識に結 びついていないことがその1つの要因であると考えられた。そこで、支援ニーズを支援者間及び、利用者ご本人と共有し、支援につなげることを目的に、社会認識と 生活活動に関するアセスメントを試作し、今後の課題について考察する。 8 サテライトオフィスにおける雇用管理サポートとメンタルヘルスサポート 刎田 文記 株式会社スタートライン 企画部 ㈱スタートラインが運営するサテライトオフィスでは、25社のオフィスで130名程度の障害者が就労している。本発表では、サテライトオフィスでの4半期毎に各社と共 に策定するサポートプランに基づく、雇用管理サポートや、日々の職業生活等で課題となるメンタルヘルスに対する臨床行動分析に基づくサポート等について報告 する。 9 サテライトオフィス運用における障害者6名に対するマネジメント実践報告 -発達障害者の眠気に対する取り組みと周囲の理解- 志賀 由里 株式会社スタートライン ワークサポート 事業部 精神障害者4名(うつ病・統合失調症・てんかん・発達障害)、身体障害者2名(高次脳機能障害・車椅子)の計6名が就業しているサテライトオフィスのマネジメント現 場の実例紹介。発達障害者の就業中に起きてしまう眠気に対するセルフマネジメント方法や、その発達障害者に対する周囲の反発が理解へと変化していくための アプローチ方法の実例。 10 F&T感情識別検査4感情版から明らかとなった発達障害者の特性 ~明確に表現された他者感情の読み取りの特徴~ 知名 青子 障害者職業総合センター 研究員 F&T感情識別検査4感情版は、音声や表情で呈示された「喜び」「悲しみ」「怒り」「嫌悪」の4つの他者感情を識別させることで、正しく感情を読み取れているか、ど のような読み誤りがあるか等、個人の感情識別の特性を明らかにすることを目的としている。4感情版を用いた調査の結果から把握できた発達障害者の感情識別の 特性とともに、質問紙調査で把握した感情識別の際の表情への注目箇所や感情語の理解の程度について報告する。 - 15 - 11 F&T感情識別検査拡大版から明らかとなった発達障害者の特性 ~曖昧に表現された他者感情の読みとりの特徴~ 武澤 友広 障害者職業総合センター 研究員 F&T感情識別検査拡大版は、音声や表情で呈示された「曖昧な感情表現」に対して、どの程度、快あるいは不快に偏って判断するかを評価することを通して、他者 感情の読みとりの特性を明らかにすることを目的としている。本報告では、拡大版を用いて把握した発達障害者の特性とともに、喜びや怒りといった感情の経験頻 度や対人ストレスとの関係について検討した結果も報告する。 12 「軽度の身体・高次脳機能障害を呈した症例への復職支援」 ~早期復職へ向けて回復期OTに必要な評価・訓練・支援とは~ 福地 弘文 医療法人ちゅうざん会 ちゅうざん病院 作業療法士 回復期リハ病棟において、復職を目標とする軽度の身体・高次脳機能障害を呈した若年脳血管障害患者を担当した。若年脳血管障害者の多くが仕事に従事して いる中での発症であり、今回の症例も早期復職の希望があった。回復期での評価・訓練の後、専門機関を介さず復職へ繋げ現在も順調に仕事に就いている。そこ で今回、症例への関わりを振り返り、回復期における復職に必要な評価・訓練・支援について考察を加え報告する。 13 県外企業への復職を目指した高次脳機能障害者の復職支援経験 -当院の就労支援の現状と今後の課題を踏まえて- 小林 裕司 医療法人輝山会 輝山会記念病院 総合リハビリテーションセンター 作業療法士 脳出血の発症により高次脳機能障害を呈した症例に対する復職支援経験を報告する。症例は就業していた県外企業を休職し、医学的リハビリ目的で実家へ帰省 され当院回復期病棟へ入院。復職を目標とした回復期リハビリ・外来通院リハビリを実施後、障害者職業センターの支援のもと復職に至った。復職までの作業療法 の実践経験を当院の就労支援の現状と今後の支援方法の課題を踏まえて考察したため報告する。 14 精神障がい者ならびに高次脳機能障がい者のための職務の創出と 就労継続支援 永楽 充代 はーとふる川内株式会社 事業部 リーダー 精神障がい者の雇用を創出するために、医薬品の生産工場における搬送作業をシステム化した。本システムは、精神ならびに高次脳機能障がいを持つ社員の就 労の機会を拡大するとともに職場定着に大きく貢献している。本発表会では、搬送システムの概略と記憶障がいを伴う高次脳機能障がい者の雇用継続支援の詳細 について報告する。 15 一般就労を目指す精神障害者の作業所におけるリハビリテーションの 実践例 野田 正道 社会福祉法人小さい共同体 飛翔クラブ 職業指導員 長期のひきこもり生活をしていた当事者が施設職員として一般就労するまでの経過を紹介する。通所に至るまで長い葛藤があり、対人関係では他の利用者と多少 問題はあったが、安定した生活が出来るまでになった。最初の就労は職場での失敗から精神的に不安定になり破綻した。再度の通所で精神的な落ち着きを取り戻 し、作業、生活と良好なコミュニケーションができるようになった。就労に対する意欲が高まり、施設職員への道が開けた。 16 気分障害等による休職者の復職支援プログラムにおける 「アンガーマネジメント支援」 -試行の実際について- 古屋 いずみ 障害者職業総合センター職業センター開発課 障害者職業カウンセラー 障害者職業総合センター職業センターでは、気分障害等の精神疾患による休職者を対象とした復職支援プログラムの開発を行っている。休職者の中には、怒りの 感情コントロールに困難さを感じている者も多いため、その感情を理解し対処方法を学習する目的で「アンガーマネジメント支援」を試行している。集団で行っている 講習の具体的な内容と事例を紹介し、試行状況について発表する。 17 ワークサンプル幕張版(MWS)の新規課題開発の取り組み その1 -社内郵便物仕分けについて- 加賀 信寛 障害者職業総合センター 主任研究員 トータルパッケージの中核的構成ツールである、ワークサンプル幕張版(MWS)に対するユーザーのニーズを踏まえ、障害者職業総合センター研究部門において は、MWSの改訂作業と併せ、新たなワークサンプルの開発に取り組んでいる。本発表においては、実務作業領域の作業課題として開発を進めている、「社内郵便 物仕分け」の内容について報告する。 18 ワークサンプル幕張版(MWS)の新規課題開発の取り組み その2 -給与計算について- 中村 梨辺果 障害者職業総合センター 研究員 トータルパッケージの中核的構成ツールである、ワークサンプル幕張版(MWS)に対するユーザーのニーズを踏まえ、障害者職業総合センター研究部門において は、MWSの改訂作業と併せ、新たなワークサンプルの開発に取り組んでいる。本発表においては、OA作業領域の作業課題として開発を進めている、「給与計算」 の内容について報告する。 19 ワークサンプル幕張版(MWS)の新規課題開発の取り組み その3 -文書校正について- 前原 和明 障害者職業総合センター 研究員 トータルパッケージの中核的構成ツールである、ワークサンプル幕張版(MWS)に対するユーザーのニーズを踏まえ、障害者職業総合センター研究部門において は、MWSの改訂作業と併せ、新たなワークサンプルの開発に取り組んでいる。本発表においては、事務作業領域の作業課題として開発を進めている、「文書校正」 の内容について報告する。 20 回復期リハビリテーション病院での就労支援 -ワークサンプル幕張版を用いた効果について- 中林 智美 社会医療法人若弘会 わかくさ竜間リハビリテーション病院 療法部 作業療法士 社会医療法人若弘会 わかくさ竜間リハビリテーション病院では、平成26年1月からワークサンプル幕張版を導入した。主に回復期リハビリテーション病床の入院患 者に対し、就労支援を目的に作業療法士が実施するリハビリプログラムに追加して活用した。それにより復職に至った事例・病気に対する認識が向上し復職を断念 したが新しい就労先を探すに至った事例などについて、考察を加えた発表を行う。 - 16 - 21 特別支援学校における就労定着についての取り組み ~教員のジョブコーチ支援から見る合理的配慮から~ 宇川 浩之 高知大学教育学部附属特別支援学校 高等部 教諭 高知大学教育学部附属特別支援学校では、今年度新たに発達障害のある卒業生を食品加工における臨時用務員として採用した。本発表では、就労後の環境設 定や業務の構築などを、教員ジョブコーチが窓口になり、作業担当や食品加工・接客実習室職員と連携しながら就労定着を目指している取り組みを報告する。これ より、勤務初期の環境設定と本人に対する支援など、合理的配慮の有用性について考えたい。 22 雇用継続の一考察 -(有)K 木工所の事例- 田中 誠 就実大学/就実短期大学 教授 永年における障害者雇用を実践している(有)K木工所について。経営者を中心に従業員がひとりひとりの障害者を各作業ポジションにおいて育て、私生活におい てもフォローし、企業マンとして成長させてきた会社側の精神的要因を考察する。 23 川崎市内の就労移行支援・就労継続支援A型事業所の実態に関する 報告 勝野 淳 川崎市役所 健康福祉局 障害者雇用・就労推進課 平成18年に障害者自立支援法の施行と同時に制度化された就労移行支援・就労継続支援A型事業であるが、制度化から8年がたち、その数は確実に増加してい る。また社会福祉法人だけでなく株式会社の事業参入も目立ってきているが、その実態に関する詳細な調査はまだ行われていない。本報告では、川崎市内の両事 業所に対するアンケート及びインタビューによる調査を行い、都市部における両事業所の実態について報告する。 24 米国における障害者の福祉から雇用への移行政策としての Employment Firstから日本が学べること 野元 葵 障害者職業総合センター 研究協力員 日米は障害者政策の歴史が異なるにもかかわらず、障害者の福祉から雇用への移行は共通の課題である。米国では2006年から連邦労働省が、障害種類・重度に よらず生産年齢にある者は就業を第一の目標として人生設計を行えるようにするEmployment Firstを提唱している。現在、これが多くの州政府、障害当事者団体、 支援者を巻き込み大きな広がりを見せている現状と課題を踏まえ、わが国が学べることを考察する。 25 くまジョブKumaJOB ~“顔の見える”求職者情報登録システム~ 求職者情報を可視化し、企業と効率的なマッチングを図る仕組み 原田 文子 社会福祉法人慶信会 第二城南学園 くまもと障がい者ワーク・ライフサポートセンター縁 主任就業支援ワーカー 就労系福祉サービスを利用している求職者のニーズや現状・職業能力等の情報を、インターネット上に集約、可視化することで、求職者と企業とを迅速かつ効果的 にマッチングさせるシステムを開発した。ハローワークや就労移行支援事業所等が協働しマッチングを検討することで労働と福祉の連携を深めている。また、就労継 続支援事業所からの「福祉的就労から一般就労へ」も推進し、地域(熊本)でチーム支援に取り組んでいる。 26 社内デリバリー業務における知的障がいのあるメンバーのキャリアアップ 濱 文男 株式会社ベネッセビジネスメイト メールサービス課 課長 知的障がいのあるメンバーが努力し、育成される中で成長している事例をご紹介します。従来、各フロアまでの配達だったものを、個々人の席までの配達をほぼ全 員ができるまで成長。さらに、3~4名のグループごとに、ポテンシャルのあるメンバーを、リーダー的な役割である「キャプテン」に任命。日々の業務はメンバーだけ で運営できています。 27 当事者視点から見た障害者の就労支援に関する実態と課題および 効果的取組 清野 絵 障害者職業総合センター 研究員 全障害種別の当事者を対象とした調査において、就労支援を実施している様々な地域関係機関・職種の利用状況と主観的な意識から見た効果について分析を 行った結果、当事者が利用して役にたった・役に立たなかったと感じた支援や、利用したことはないが必要だと考える・特に必要がないと考える支援等が明らかに なった。さらに障害種別ごとの地域関係機関・職種の利用状況の差や、職業上の課題改善に効果的な取組について明らかになった。 28 職場復帰支援の実施に際した障害福祉サービス事業所との連携 ~復職準備性の向上にむけた実践の報告~ 高橋 郁生 富山障害者職業センター 障害者職業カウンセラー 職場復帰支援のニーズは全国的に高まっている。しかしその中には、回復状況が芳しくなく、復帰に向けた活動が進まないという現状におかれている休職者も存在 する。当発表においては、回復状況が芳しくなかった方が現状への認識を深め、復職準備を整えていくために、障害福祉サービス事業所の協力を得た事例を紹 介。障害福祉サービスと連携した支援がもたらした効果から、これからの復職支援の在り方について提言をしたいと考える。 29 視覚障害者を対象とした就労移行支援の活動報告 石川 充英 東京都視覚障害者生活支援センター 就労支援課 課長 当センターは、平成22年4月より視覚障害者を対象とした就労移行支援事業を開始した。平成26年3月までの4年間で70名の利用があった。利用開始時の就労状 況は離職者39名、在職者22名、その他9名であった。また、終了時の就労状況は、新規就職者27名、復職者11名、その他が9名であった。今後は新規就労者や復 職者が増加した際のフォローアップの実施について、対応方法や頻度などを検討する必要がある。 - 17 - 東京ビッグサイトへの交通アクセス 新木場 東京 JR 有楽町 山 手 線 浜松町 新橋 JR 京葉線 至千葉方面 豊洲 有楽町線 大崎 りんかい線 ゆりかもめ 東雲 天王洲 アイル 青海 有明 国際展示場 国際展示場正門 東京テレポート 東京ビッグサイト 最寄駅 羽田空港 ※ 詳しくは、東京ビッグサイトのホームページでご確認ください。 http://www.bigsight.jp/general/access/index.html 最寄駅からのアクセス 受 付(会議棟 6F) 東京湾岸道路 2F入口 会 議 室 徒歩 7分 会場 (東京ビッグサイト会議棟) 606 605 608 607 610 609 受 付 徒歩 3分 有明駅 国際展示場正門駅 (ゆりかもめ) イーストプロムナード(屋根付歩道) 国際展示場駅 (りんかい線) 東展示場 ※ ご来場の際は、必ず受付を済ませてから 各会場にお入りください。 西展示場 - 18 - 第22回職業リハビリテーション研究・実践発表会 参加申込書 ※ホームページからのお申し込みができない場合に限り、この申込書をコピーし、平成26年11月4日(必着)までに下記 へ郵送してください。なお、申込内容は各自必ず控えてください。 所属先 (会社・法人名) ふ り が な 氏 名 担当部署・職名 〒 - 連 絡 先 (勤務先又は自宅) TEL: FAX: e-mail: @ 以下、該当箇所に○印をつけ、必要事項を記入してください。 12月1日(月) 特別講演 ( ・ ( )参加しない 13:15~14:45 ( )参加する ・ ( )参加しない パネルディスカッション 15:00~16:40 ( )参加する ・ ( )参加しない 12月2日(火) 参 加 希 望 内 容 )参加する ( )参加する ・ ( )参加しない ※「口頭発表第1部」「口頭発表第2部」「テーマ別パネルディスカッション」から、各々いずれか1つを選択して ください。参加を希望しない場合は、空欄のままで結構です。ポスター発表は参加予定をお聞かせください。 口頭発表 第1部 9:30~11:20 ポスター発表 11:30~12:30 口頭発表 第2部 13:00~14:50 テーマ別 パネルディスカッション 15:10~16:50 分 第1 ( 第2 第3 第4 科 会 第5 第6 第7 第8 第9 第15 第16 第17 第18 )参加する予定 分 第10 第11 第12 Ⅰ 休職者の復職支援 第13 科 会 第14 Ⅱ 教育から雇用への移行支援 手話通訳、会場内誘導等を希望される方はこちらに具体的に記入してください(ご案内P.3を参照)。 備 考 今回の発表会を何で知りましたか。 1.所属先に届いたパンフ 2.当機構ホームページ 5.他機関のホームページ (機関名 6.他機関のメールマガジン、メーリングリスト (機関名 7.他機関の印刷物 (機関・印刷物名 8.各種学会・セミナー等での案内 (学会名等 9.知人等からの紹介 10.その他 ( 基礎講座 12月1日(月) 10:30~12:00 3.働く広場(広報誌) 4. メールマガジン(当機構) ) ) ) ) ) ※ 受講希望者は、いずれか1つを選択してください。 Ⅰ 精神障害 Ⅱ 発達障害 Ⅲ 高次脳機能障害 【申込先】第22回職業リハビリテーション研究・実践発表会 参加申込事務局 株式会社日本旅行* 公務法人営業部 ECP営業部 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-18-19 虎ノ門マリンビル11階 * 株式会社日本旅行はプライバシーマーク制度認定事業者で、当機構と参加申込業務に関する委託契約を結び「個人情報保護に 関する事項」に基づく厳重な情報管理を行っています。 - 19 -