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Weekly Outlook
投資情報室
2014 年 7 月 17 日(木)
Weekly Outlook
週刊投資情報 No.163
CONTENTS
1.日本株式市場の見通しとポイント
2.米国株式市場のポイント
3.為替~当面の円相場の見通しとポイント
4.今週の国内経済動向~高水準維持ながら勢いに欠ける景況感
5.新興国市場・経済動向
6.第 1 四半期決算スケジュール(7 月 22 日~8 月 1 日)
7.豪ドル~当面は方向感に乏しいものの、明るい材料もあり
8.NZ ドル~急ピッチで上昇するも、上昇の足掛かりを失い反落
9.インドネシア~大統領選挙はジョコ氏の当選が有力に
10.ブラジル~ワールドカップ歴史的大敗の影響
11.来週・再来週の主なスケジュール
1/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
1.日本株式市場の見通しとポイント
長谷川 浩
7 月 11 日以降の日本株市場では、11 日にポルトガルの金融不安から日経平均は 25 日移動平均線を割り
込んだものの、週明け 14 日には反発に転じた。しかし、多くの投資家は依然として消費税増税後の景気回
復に自信を持ちきれないようで、日経平均は 5 月末以降の戻り高値を抜け切れずにいる。一方、8 月 7 日に
JPX 日経 400 の銘柄入替えが発表される予定で、入替えの予想される銘柄には影響が見られよう。
いる可能性がある。また、政府の策定した成長戦略等
において ROE 重視の経営を促す施策が取られている
他、将来的には日銀の資産買入れの対象として同指数
ETF の追加が検討されているとの報道があるなど、同指
数に対する注目は今後も継続すると思われる。
◆戻り高値を抜けない時間帯が継続した
7 月 11 日以降の株式市場では、11 日にポルトガルの
大手銀行の経営不安から日経平均は下落し、6 月以降
の下値支持線となっていた 25 日移動平均線を割り込ん
だが、週明け 14 日には、影響は限定的との見方が広が
って反発した。15 日には日銀金融政策決定会合で追
加の金融緩和策は発表されなかったが、市場では織り
込み済みで、株価への影響はほとんどなかった。期間
を通じて、株価が上値を抜けない時間帯が継続した。
また、指数のみならず、個別銘柄の選択において
ROE が意識される流れは継続しよう。企業側が同指数
への採用を意識することで、おのずと時価総額や ROE
に対する認識を強めることが期待され、そうした経営姿
勢の変化は中長期的な株価の下支え要因となろう。
◆JPX 日経 400 の銘柄入替え発表が近づく
8 月末に JPX 日経 400 の初めての銘柄入替えが行わ
れる。個別銘柄の株価変動は、実際に銘柄入替えが行
われる 8 月末より、入替え銘柄が発表される 8 月 7 日前
後の方が大きいだろう。弊社では 30 銘柄ずつの採用と
削除を予想しており、図表1ではそのうちの「定量的スコ
ア」の上位、下位の 10 銘柄を掲載している。
図表 1 JPX 日経 400 の入れ替え候補銘柄(弊社予想)
採用候補
コード
指数採用基準となる「定量的スコア」は、過去 3 年平
均 ROE や 3 年累積営業利益、時価総額から算出される。
また、銘柄選定にあたっては「定量的スコア」算出以前
に、流動性などを考慮したスクリーニングによって 1,000
銘柄に絞り込まれる。そして、最終的な銘柄選定にあた
っては、「定量的スコア」に加え、定性的な加点として、
社外取締役の有無や IFRS 採用等も考慮される。その
ため、JPX 日経 400 は、大型株から小型株まで高 ROE
銘柄を中心に構成された指数、というイメージとはやや
異なることに注意が必要である。実際、時価総額及び流
動性の高い 500 銘柄からなる TOPIX500 と比べた場合、
JPX 日経 400 採用銘柄の内、320 銘柄は TOPIX500 構
成銘柄となっている。また、指数構成比では 97.2%が
TOPIX500 構成銘柄である。ただし、JPX 日経 400 は個
別銘柄毎の組み入れ比率上限が 1.5%というルールが
あることから、個別銘柄や業種ごとの構成比は TOPIX
等とは異なっている。
JPX 日経 400 と TOPIX について、昨年 11 月 6 日の
構成銘柄発表以来のパフォーマンスを比較すると、今
年 4 月以降、JPX 日経 400 がアウトパーフォームしてい
る(図表 2)。GPIF(公的年金)が同指数を新たにベンチ
マークに採用するといった動き等を受けて、投資家が
JPX 日経 400 採用銘柄の組み入れを増やす動きが出て
時価総額
(百万円)
コード
銘柄名
株価
(円)
時価総額
(百万円)
4578
大塚HD
3,270
1,824,122
3167
TOKAI HD
441
68,443
8515
アイフル
596
287,193
8600
トモニHD
426
64,937
6724
エプソン
4,225
844,228
6758
ソニー
1,688
1,763,471
8601
大和証G
846
1,479,974
7522
ワタミ
1,424
59,362
6703
OKI
215
161,679
9204
スカイマーク
281
25,659
2229
カルビー
2,953
394,396
1417
ミライトHD
1,004
85,723
9810
日鉄住物
394
121,974
2685
アダストリアH
2,459
60,000
8628
松井証
984
264,956
3315
日本コークス
117
35,375
7003
三井造
207
172,014
7004
日立造
519
87,111
8616
東海東京
720
202,019
7581
サイゼリヤ
1,327
69,365
(注)株価、時価総額は 7 月 17 日現在。
(出所:Astra Manager よりSMBC日興証券作成)
図表 2 TOPIX と JPX 日経 400 の TOPIX 相対値の推移
110
13/11/6=100として指数化(JPX日経400算出要領、構成銘柄公表日)
JPX日経400
105
TOPIX
100
95
13/11/6 13/12/18
14/2/6
14/3/24
14/5/8
(出所:Astra Manager よりSMBC日興証券作成)
2/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
銘柄名
削除候補
株価
(円)
14/6/19
(年/月/日)
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
2.米国株式市場のポイント
河田 剛
7 月 10 日以降の米国株は、ポルトガルの銀行経営への懸念などから当初は下落したものの、その後はイエ
レン FRB 議長の議会証言がハト派的だったことなどで上昇した。17 日以降、IBM、アップル、マイクロソフト、
キャタピラーなど主要企業の決算発表が集中する。金融政策関係のスケジュールが一巡したこともあり、決
算が堅調であれば、目先の株価は上昇方向となろう。
◆先週、今週のレビュー
◆来週の見通し
7 月 10 日の米国株市場は、7 月 5 日終了週の新規
失業保険申請件数が事前予想を下回ったものの、ポル
トガルの銀行経営に対する不透明感などから、ダウ工
業株指数(NY ダウ)は前日比▲70 ドルとなった。7 月 11
日には、ウェルズ・ファーゴの 4-6 月期決算が事前予想
を下回ったことや、フィラデルフィア連銀のプロッサー総
裁が利上げ前倒しの可能性を指摘したことなどがマイ
ナス材料となったが、アトランタ連銀のロックハート総裁
が利上げを正当化できるのは 2015 年後半と発言したこ
とで、NY ダウは同+28 ドルとなった。週明け 14 日には、
イエレン FRB(連邦準備制度理事会)議長が緩和的な
金融政策の必要性に言及したことや、シティグループの
4-6 月期決算が事前予想を上回ったことなどで、NY ダ
ウは同+111 ドルとなった。15 日にはイエレン FRB 議長
が議会証言でハト派スタンスを維持したことや、7 月のニ
ューヨーク連銀製造業景況指数が事前予想を上回った
ことが好感されたが、6 月の小売売上高が事前予想を
下回ったことや、議会証言で一部のネット、バイオ株の
割高感が指摘されたことから、NY ダウは同+5 ドルにと
どまった。16 日にはインテルの 4-6 月期決算が事前予
想を上回ったことや、イエレン FRB 議長が議会証言が
引き続きハト派的だったことなどから、NY ダウは同+77
ドルとなった。
経済指標では、22 日発表予定の 6 月の中古住宅販
売件数(事前予想:前月比+1.6%)などが注目される。ま
た、17 日以降、IBM、アップル、マイクロソフト、キャタピ
ラーなど主要企業の決算発表が集中する。金融政策関
係のスケジュールが一巡したこともあり、決算が堅調で
あれば、目先の株価は上昇方向となろう。
注:事前予想は Bloomberg、2014 年 7 月 17 日 10 時時点のもの
図表 1 小売売上高(前月比)の推移
(%)
3.0
2.0
1.0
0.0
-1.0
-2.0
-3.0
09/01 09/07 10/01 10/07 11/01 11/07 12/01 12/07 13/01 13/07 14/01
◆最近のトピック~6 月の小売売上高~
(出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成)
15 日に発表された 6 月の小売売上高は、前月比+0.2%
と事前予想(同+0.6%)を下回ったが、5 ヵ月連続で前月
比プラス(図表 1)となった。5 月分は同+0.3%→0.5%に上
方修正された。業種別では無店舗販売が同+0.9%、衣
服・装飾品が同+0.8%、総合小売が同+1.1%と堅調だった
が、自動車は同▲0.3%、建設資材は同▲1.0%と低調だ
った。ガソリンスタンドは同+0.3%となった。自動車・部品
を除く小売売上高については、同+0.4%と事前予想(同
+0.5%)を下回った。一方、消費者センチメントについて
は、6 月 27 日に発表された 6 月のミシガン大学消費者信
頼感指数(確定値)が前月比+0.6 ポイントの 82.5 ポイント
と事前予想(82.0 ポイント)を上回った。消費者センチメン
トが堅調であることや、小売売上高も 4、5 月分が上方修
正されていることから、全体的には個人消費が堅調に推
移していると判断できよう。
図表 2 米国主要株価指数の推移
(2011/1/3=100)
165
155
NASDAQ総合
145
135
125
ダウ工業株
115
105
95
S&P500
85
11/1
11/7
12/1
12/7
13/1
13/7
(出所:Datastream よりSMBC日興証券作成)
3/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(年/月)
14/1
14/7
(年/月)
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
3.為替~当面の円相場の見通しとポイント
本間 英至
この 1 週間の円相場は、先週にポルトガルの銀行経営不安から円全面高となる場面があったが、不安一巡
後はまちまちの展開に。米ドルがじり高の一方で豪ドルはボックス推移、ユーロは軟調地合いとなった。来週
にかけては、米国の住宅関連指標やインフレ指標などが注目材料となろう。後者については、FRB が慎重
に金融政策の正常化を進めるには物価の安定が前提であるだけに、今後の政策を占う上で注目されよう。
◆この 1 週間(7/10~)のレビュー
は、米国景気が想定通り順調に回復を続けるなら、FRB
は 10 月の FOMC(連邦公開市場委員会)で QE を終了
する考えも表明した(図表 1)。実際に QE が終了されれ
ば、当分据え置きとはいえゼロ金利の解除が FRB の次
のアクションとして視界に入ってくることになり、市場の
意識も徐々にそこに向かっていくと予想される。
10 日の円相場は、日本の経済指標の下振れを受け
たリスク回避的な円買いが優勢となる中でスタート後、
ポルトガルの銀行経営不安の浮上を機に円買い外貨
売りが加速。米ドルが 101.07 円まで下落した他、ユーロ
は 137.50 円、豪ドルは 94.71 円まで売られた。その後、
ポルトガルの銀行不安の拡がりは限定的との見方から
落ち着きを取り戻すと、米ドルは週明け以降じり高の展
開。日米株式の堅調推移に加え、イエレン FRB(連邦
準備制度理事会)議長が 15 日の議会証言で、雇用市
場が想定を上回る改善を続ければ利上げ時期が早まる
可能性があると言及したこと等を材料に、16 日には
101.79 円まで回復した。ユーロは、ポルトガル銀行不安
の後退から 14 日に 138.45 円まで反発したが、15 日以
降は独経済指標の期待外れの結果等を受けて下落基
調に転じ、足元 137 円台前半で推移している。一方、豪
ドルも安値から反発したものの上値は重く、概ね 95 円
台前半での小動きに終始した。(東京時間 7/17 正午時
点)
この 1 週間の米景気の動向を振り返っても、6 月小売
売上高が 5 ヵ月連続で増加、7 月 NY 連銀製造業景況
指数が 4 年 3 ヵ月ぶりの高水準を回復する等、景気の
堅調推移が改めて確認されている。こうした中、ドル円
相場と連動性の高い米長期金利は低位安定が続いて
いるが、当室では、米長期金利が堅調な米景気を無視
し続けるのも限界が訪れるとみている。米 10 年国債利
回りがいずれ上昇するにつれて、ドル円相場もドル高円
図表 1 FRB の月当たり債券購入額
900
◆ドル円の見通しと来週にかけての注目材料
800
住宅ローン担保証券
700
米国債
600
(弊社予想)
500
ドル円相場は、この 1 週間も狭いレンジでの推移に終
始した。先週木曜日以降のザラ場高安の値幅は 72 銭。
今週に入ってからの値幅は僅か 47 銭と、膠着感が一段
と強まる展開となっている。今月初め以降、6 月雇用統
計(7/3)、黒田日銀総裁の記者会見(7/15)、イエレン
FRB 議長の議会証言(7/15~16)等、結果や内容次第で
ドル高円安材料となりうる注目イベントが続いたが、市場
の反応は概して限定的なものにとどまっており、2 月以
降のレンジ相場は今しばらく続きそうな気配である。
400
300
200
100
(ゼロ)
0
13/7
13/9
13/11
14/1
14/3
14/5
14/7
14/9
14/11
(年/月)
(出所:FRB 資料よりSMBC日興証券作成)
図表 2 米国債利回りの推移(2014 年 1 月~)
注目されたイエレン FRB 議長の議会証言については、
上述の通り同議長が利上げ時期前倒しの可能性に言
及したことから、議長はハト派色を弱めたとの見解も聞
かれる。しかし、議長は同時に、雇用市場の改善が遅
れれば利上げ時期が後ずれする可能性にも言及して
おり、政策姿勢が変わったとみるのは尚早だろう。むし
ろ、賃金の伸び悩み等を理由に雇用市場の slack(たる
み)は依然として大きいとし、量的緩和(QE)終了後かな
りの期間はゼロ金利を維持する意向を改めて示した点
等を踏まえれば、イエレン議長のハト派姿勢に特に変
更はなかったと判断されよう。ただ、その一方で同議長
4/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(億ドル)
3.3
(%)
(%)
0.55
米2年国債利回り(右軸)
3.2
0.50
3.1
3.0
0.45
2.9
2.8
0.40
2.7
0.35
2.6
2.5
0.30
2.4
米10年国債利回り(左軸)
0.25
2.3
1/1
2/1
3/1
4/1
5/1
6/1
7/1
(月/日)
(出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成)
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
安の動きを再開するとの見方をしているが、年末に向け
ては、米 2 年国債利回りの動向も、ドル円相場の変動要
因として浮上してくるのではないかと考えている。同利
回りは、5 月下旬以降、なかなか上昇しない 10 年国債
利回りを横目にジリジリと水準を切り上げている(図表 2)。
ドル円と米 2 年国債利回りの連動性は低下して久しい
が、QE 終了後に控えるゼロ金利解除が視界に入ってく
れば、同利回りの動きもドル円の材料として再評価され、
ドル高円安の支援材料となることが期待されよう。イエレ
ン議長証言など大きな注目イベントを通過した現在、ド
ル円相場はやや材料不足の感がある。8 月 1 日の 7 月
雇用統計が上振れれば、8 月 21~23 日のジャクソンホー
ル会合でのイエレン議長の発言が今夏最大の注目材
料として浮上しよう。しかし、同統計が不発に終わると、
夏休みモードから「夏枯れ相場」入りし、ドル円は当面、
従来のレンジ内の動きに留まることが考えられよう。ただ、
既述した年末に向けての展開を踏まえれば、足元のド
ル円相場を「ドル値固めの時期」として改めて位置づけ、
年末、年度末に向けたドル高円安の動きの再開を待ち
たいところである。
102.27 円(7/3 高値)が控える。
◆米ドル以外の来週にかけての注目材料
ユーロについては、ドラギ総裁が 14 日の欧州議会で
の議会証言の中で、「2012 年半ば以降のユーロの上昇
は物価安定に明らかに影響があった」「現在の状況で
はユーロの上昇は回復の持続性にリスクとなる」と発言。
ディスインフレを脱し、景気が順調に回復基調を辿る為
にも、通貨ユーロの動向を今後も注視していく考えを改
めて示した。これまでの発言も踏まえれば、ユーロが一
段高となった場合は、ECB による更なる通貨高けん制
発言に加えて、金融緩和策の強化すなわち QE 実施の
可能性が高まると予想されよう。こうしたことから、ユーロ
は対ドルでは当面上値の重い展開が、対円ではドル円
の動きに左右されながらもボックス圏推移が見込まれる。
来週にかけては、24 日の 7 月ユーロ圏マークイット PMI
(速報)、25 日の 6 月ユーロ圏マネーサプライと 7 月独
IFO 景況指数が注目材料となろう。
豪ドルについては、今週発表された中国の 4-6 月実
質 GDP が 前 年 比 +7.5% と 市 場 予 想 ( 同 +7.4% 、
Bloomberg 調査)を上回り、主要経済指標についても、
新規人民元建て融資額や固定資産投資、鉱工業生産
などの 6 月統計が軒並み良好な結果となった。しかし、
こうした中にありながらも豪ドルは狭いレンジでの小動き
に終始。先週号で紹介したスティーブンス豪中銀総裁
の通貨高けん制発言が依然尾を引いている様子が窺
える。22 日には、改めて同総裁の講演が予定されてお
り、豪ドルに対する発言には注意が必要だろう。経済指
標では、23 日に 4-6 月消費者物価指数、24 日に中国の
7 月 HSBC 製造業 PMI(速報)が発表される。
来週にかけての注目材料としては、17 日に住宅着工
件数、22 日に中古住宅販売件数、24 日に新築住宅販
売件数(いずれも 6 月分)と、15 日にイエレン議長が改
めて懸念を示した住宅市場関連の指標の発表が相次
ぐ。また、22 日には 6 月消費者物価指数も発表予定。
FRB にとって、物価の安定は金融政策の正常化を慎重
に進めるための前提であり、今後の政策を占う上で注目
されよう。チャート面をみると、米ドルの下値については
101.07 円(7/10 安値)および 101 円(大台替わりの心理
的節目)の維持が目先のポイント。仮に割れるようだと、
100.82 円(5/21 安値)と年初来安値の 100.76 円(2/4)が
視野に入ってくる。黒田日銀総裁は 15 日の記者会見で
図表 3 ドル円相場の推移(2014 年 2 月~)
2%のインフレ目標達成に改めて自信
(円/ドル)
(円/ドル)
を示したが、円高が加速するようだと目
104.5
104.5
標達成も遠のく。その際は追加緩和観
104.0
測の浮上が予想されるため、米ドルが 104.0
120日移動平均線
大きく崩れる可能性は低いとみている 103.5
103.5
が、為替においてはチャートポイントを
103.0
ブレークすると値動きが加速することが 103.0
あるため注意したい。一方、米ドルの 102.5
102.5
上値については、200 日移動平均線 102.0
102.0
の 101.95 円(7/16 現在)、102.00 円(大
101.5
台替わりの心理的節目)、120 日移動 101.5
平均線の 102.13 円(同)など 102 円処 101.0
101.0
にチャートポイントが集まる。その次の 100.5
100.5
200日移動平均線
ターゲットとしては、6 月以降の「上値
100.0
切り下げ、下値切り下げ」の下向きの 100.0
2/3 2/17 3/3 3/17 3/31 4/14 4/28 5/12 5/26 6/9 6/23 7/7
(月/日)
形状を崩す一つ目のポイントとなる
(出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成)
5/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
4.今週の国内経済動向~高水準維持ながら勢いに欠ける景況感
野村 真司
7 月のロイター短観では業況判断 DI が製造業で前月比横ばい、非製造業で同悪化した。ただ、水準的には高
水準を維持しており、全体としては消費増税後の反動減から平時に戻りつつある。一方、先行き見通しは改善
見通しながら、アジア需要の減速、地政学リスクに伴う原油高懸念等から改善幅は今一つ。また、日銀はいわ
ゆる異次元緩和の維持を決定した。市場では早期の追加緩和期待が後退しつつある。
◆7 月ロイター短観:業況判断 DI は高水準を維持
図表 1 ロイター短観・業況判断 DI の推移
調査期間は 6 月 30 日~7 月 14 日。業種別でみると、
製造業の業況判断 DI は前月比横ばいの+19 で、消費
増税前の駆け込み需要が活発化する前の昨年後半の
水準(+12~+17)を上回った。ただ、業種別にみると食品、
輸送用機器、精密・その他はマイナス、あるいは 1 ケタ台
のプラスにとどまっており、消費増税後の反動減を引き
ずっている。一方、非製造業は前月比▲6 ポイントの+23
と 2 ヵ月ぶりに悪化した。小売が 4 月以降、+20→▲9→
+25→▲8 と、消費増税の影響で不安定なままであるが、
非製造業全体としては過去最高(4 月:+35)からの反動
減は限定的で、製造業と同様に高水準を維持している。
先行き 10 月の見通しは製造業が+21、非製造業が+29 と
改善見通し。ただ、中国を含めたアジア需要の減速、イ
ラク情勢等、地政学リスクに伴う原油高懸念、人手不足
等から改善幅は限定的であり、勢いに欠けている。
(良い-悪い、%ポイント)
40
20
0
-20
◆来週の注目点
非製造業
-60
-80
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
(年)
(出所:「ロイター短観」よりSMBC日興証券作成)
図表 2 金融政策変更予測の推移
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
(人)
14
6月予測時点
16
7月予測時点
12
7
6
5
6
4
3
0
1
0
月
緩
和
7
月
緩
和
1
5
年
緩
1
和
月
以
降
そ
の
他
1
5
引
年
き
1
締
月
め
以
降
(出所:「ESP フォーキャスト調査」よりSMBC日興証券作成)
図表 3 輸出数量指数(地域別)の推移
(2010年=100、季節調整値)
160
140
全
米国
120
全体
100
米
80
24 日に 6 月の貿易統計が発表される。弊社では名目
輸出を前年同月比+0.4%、名目輸入を同+8.6%、貿易
収支は▲6,945 億円を見込む。また、季節調整値での
貿易赤字は▲1 兆 1,218 億円と、堅調な輸入を背景に
前月(▲8,622 億円)から拡大する見通し。
アジア
EU
60
40
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
(出所:内閣府「輸出入数量指数」よりSMBC日興証券作成)
6/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
製造業
-40
◆日銀金融政策決定会合:現状維持を決定
14~15 日の金融政策決定会合では、量的・質的金融
緩和(いわゆる異次元緩和)の維持を全員一致で決め
た。4 月にまとめた「経済・物価情勢の展望」の中間評価
では、2014 年度の実質 GDP 見通しを+1.0%と 4 月時点
(+1.1%)から小幅下方修正した以外は、2016 年度まで
の物価、GDP 見通しを据え置き。異次元緩和の導入か
ら 2 年程度で 2%の物価上昇安定目標を達成する、との
日銀のシナリオに揺らぎがないことを改めて示した。一
方、市場の日銀に対する追加緩和期待は一段と後退。
エコノミストが回答する ESP フォーキャスト調査(回答期
間:6 月 26 日~7 月 3 日)では、次の政策変更について
10 月の追加緩和が多数派を占める一方、2015 年 1 月
以降の緩和、あるいは緩和ではなく次の政策変更が引
き締めとの回答も増え始めている(図表 2)。追加緩和が
市場に再び材料視されるには時間がかかりそうだ。
見通し
(年)
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
山本 正樹 白岩 千幸
武田 泰典 前田 佑太
5.新興国市場・経済動向
新興国株式市場はポルトガルの信用不安を受け総じて下落した後、米国の低金利政策の長期化期待や堅調
な中国の経済指標などを背景に、足元で反発しているところが多くなっている。今週末・来週にかけては米国
の中古・新築住宅販売や企業決算の他、中国の HSBC 製造業 PMI の発表が予定されている。良好な結果と
なれば、新興国市場のサポート要因になろう。また、トルコでは 6 月の貿易収支の発表が予定されている。
◆最近の新興国市場の動向
◆新興国市場関連トピック
新興国株式市場は、10 日にポルトガルの大手銀行に
対する信用不安が浮上すると総じて下落したが、その
後は不安の後退とともに足元で反発しているところが多
くなっている。イエレン FRB(米連邦準備制度理事会)
議長が議会証言で緩和的な金融政策を長期間維持す
る方針を改めて示唆したことや、堅調な中国の経済指
標などもサポート要因となった。
中国~4-6 月実質 GDP 成長率は予想を上回る+7.5%
直近 1 週間の株価指数騰落率(図表 1、16 日時点)
をみると、ブラジル(+3.9%)、トルコ(+3.5%)、インドネシ
ア(+1.8%)などの上昇が大きい一方で、ロシア(▲2.6%)
は大幅な下落となっている。
政府は景気減速を懸念し、4 月以降に鉄道建設やバ
ラック改築等のインフラ投資の積み増しを決定し、また、
一部銀行の預金準備率を 4 月と 6 月に引き下げるなど
金融緩和を実施した。こうした中、6 月の社会融資総量
(企業や個人の資金調達の総額)は前年比+89.9%と、
2013 年 1 月(同 2.6 倍)以来の高い伸び率となった。金
融当局が景気支援のためにシャドーバンキング(銀行
融資以外の資金調達手段の総称)抑制の手綱をやや
緩めた可能性もあろう。
ブラジルは自国開催となったサッカーW 杯で、準決
勝および 3 位決定戦に相次いで大敗。これを受けてル
セフ大統領の支持率が低下するとの期待から、ブラジ
ル株式は大きく上昇した。ルセフ大統領の左派色の強
い経済政策に対する市場の評価は低く、市場は 10 月
の大統領選で野党への政権交代を期待する動きとなっ
ている。トルコ株式は、追加利下げ期待やイラク情勢を
受けてこのところ上昇基調となっている。17 日の金融政
策決定会合では、追加利下げが決定されるとの観測が
有力。15 日にはイラク議会が延期されていた議長の選
出を行い、政局安定に向けて一歩前進したことなどが
好感された。イラクはトルコにとって主要な原油の調達
先となっている他、輸出相手国としても大きな位置を占
めている。インドネシア株式は、9 日に実施された大統
領選で、市場からの評価が高いジョコ・ウィドド氏の当選
が有力となったことから上昇した。一方、ロシア株式は、
ウクライナ情勢の緊迫化から大きく下落した。
一方、6 月の住宅販売床面積は前年比▲3.5%となっ
た。金融当局が 5 月に銀行に対し住宅ローンの迅速な
承認を指示したこともあり、マイナス幅は 4 月の同▲
15.7%から 2 ヵ月連続で縮小した。万科や中国海外発
展等の大手デベロッパーの 6 月の販売状況をみると、
床面積あたりの単価は前年比 1 割程度下落したものの、
販売床面積は同 2 割以上拡大し、需要の底堅さを示し
た。住宅市場の不振は今年後半の景気下振れ要因で
あるが、住宅需要が一方的に縮小する可能性は低くな
ったといえよう。
為替市場は、ポルトガルの信用不安から円高新興国
通貨安という典型的なリスクオフのパターンになった後、
不安の後退から新興国通貨に買い戻しの動きも見られ
たが、総じてやや軟調となった。
インド~生産は持ち直し、インフレは鈍化
11 日に発表された 5 月の鉱工業生産は前年比+4.7%
(5 月:+3.4%)と市場予想の+3.6%を上回り、2 ヵ月連続
のプラスとなった。前年同月が比較的大幅なマイナス
(同▲2.5%)であったために前年比が押し上げられた面
も考えられるものの、2012 年 10 月以来の高い伸び率と
なった。財別の内訳では、資本財が前年比+4.5%と 2 カ
直近 1 週間の通貨騰落率(図表 1、16 日時点、対円)
をみると、ウクライナ情勢を受けてロシアルーブル(▲
1.9%)の下落が目立つものの、その他の通貨は小幅な
下落にとどまっている。
7/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
7 月 16 日に発表された 4-6 月の実質 GDP 成長率は
前年比+7.5%と、予想(Bloomberg、以下同)および 1-3
月実績の同+7.4%を上回った。前期比では+2.0%(年率
換算+8.2%)となり、前年比、前期比ともに 3 四半期ぶり
に加速した。GDP 統計では支出項目別の詳細が発表さ
れないものの、月次統計等から推測すると、4-6 月の実
質 GDP 成長率が持ち直した背景として、輸出の回復に
加え、政府による景気浮揚策が奏功したことが挙げられ
る。一方、個人消費は所得の伸び悩みや住宅販売の減
少等を背景に低調となった。
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
す方針が示された。GST 導入は、州ごとに異なる複雑
な間接税体系を簡素化するとともに、税収基盤の拡大
も狙った改革であり、長年検討されながら、州政府との
利害調整が難航し、実現に至っていない。GST 導入へ
向けて前進すれば、新政権の大きな成果となろう。この
ほか、防衛産業、保険業に対する外資の出資上限引き
上げ(26%→49%)の方針も打ち出されている。
月連続で増加したほか、耐久消費財が+3.2%と 18 ヵ月
ぶりに増加に転じるなど、低迷が続いた分野で底打ち
の動きが目立っている。
昨年後半以降、世界景気の回復や通貨安効果から
輸出に持ち直しの動きがみられ、企業の景況感も底打
ち反転している。前年比で減少基調が続いた国内乗用
車販売台数が足元で増加に転じるなど個人消費にも明
るさが見え始めている。5 月には企業寄りの政策を指向
する新政権が発足したことから、前政権下で低迷してい
た民間投資の回復が期待される。加えて、新政権による
今年度予算案(後述)では、インフラ整備を重視する姿
勢が示されており、前政権下で停滞した公共投資の回
復も期待され、景気のサポート要因となろう。
今回の予算案では、財政赤字抑制の鍵を握る燃料
等の補助金について、制度改正等の具体的な削減策
が示されなかった点など、やや期待外れの面も否めな
い。ただ、前政権下で停滞気味であった規制緩和やイ
ンフラ整備等を通じて企業の投資環境を改善し、それ
によって成長力の回復を目指すという新政権のスタンス
が改めて浮き彫りになったといえよう。
一方、14 日に発表された 6 月の消費者物価指数
(CPI)は、前年比+7.31%と 5 月の+8.28%および市場予
想の+7.70%を下回り、2 ヵ月連続で鈍化した。前年比の
上昇率としては、2012 年の統計開始以来で最低水準と
なった。CPI は昨年まで前年比+10%前後と高水準で推
移していたが、食品インフレの鎮静化などから、今年 2
月以降は概ね同+8%台前半に鈍化しており、6 月は食
品価格の上昇率が一段と鈍化した。新政権は、食品イ
ンフレ対策として、流通業者による買い占め等の取り締
まりや輸出規制などを実施しており、その効果も表れた
とみられる。今後は、通貨の安定もあり、基調的なインフ
レ圧力は低下の方向が見込まれる。ただし、農業生産
を大きく左右するモンスーン(雨季:6~9 月)の雨量が現
時点で平年を大幅に下回っており、今後雨量の回復が
予想されてはいるものの、先行きのインフレリスク要因と
して注視する必要があろう。
トルコ~経常赤字の縮小傾向が継続
11 日に発表された 5 月の経常収支は▲34.3 億ドルと、
市場予想(▲40.0 億ドル)よりも赤字幅は下回った。前
年同月の▲76.1 億ドルから大きく赤字幅は縮小し、前
年比での赤字縮小は 2014 年 1 月以降 5 ヵ月連続とな
った。このようにトルコでは対外赤字の改善傾向が続い
ており、トルコリラのサポート要因となっている。ただ、6
月はイスラム教スンニ派過激派勢力(ISIS)がイラク第 2
の都市であるモスルを制圧するなど、イラク情勢が緊迫
化。トルコにとって第 2 の輸出国であるイラクの混乱によ
り、対外収支の悪化懸念が一部に浮上している。実際
にトルコ輸出業者協会は 1 日、6 月のイラク向け輸出は
前年比▲21%と大きく減少したと発表している。しかし、
欧州向け輸出は引き続き好調であり、14 日にトルコ自
動車工業会が発表した 6 月の自動車輸出台数は前年
比+21.1%と 5 月の同+9.2%から伸びが大きく加速した。
シムシェキ財務相も 15 日、イラク向け輸出の減少は欧
州の景気回復で補うことができていると発言している。
引き続きイラク情勢はリスク要因であるが、トルコの対外
赤字の縮小傾向は継続しよう。
インド~新政権が今年度の本予算案を発表
政府は 10 日、5 月の政権交代後、新政権として初と
なる予算案(本予算)を発表した。なお、新年度(2014
年度)は 4 月から既に始まっているが、総選挙が実施さ
れたため、前政権の下で暫定予算が組まれていた。
インド経済は 2013 年度の実質 GDP 成長率が+4.7%
と、前年度に続いて+4%台半ばに留まるなど低調となっ
ているが、新政権は 3~4 年以内に+7~8%成長への復帰
を目指すことを予算案で打ち出した。歳出は全体で前
年比+12.9%と前年度(+12.8%)並みの伸びとした中で、
インフラ整備に充てられる「計画支出」については、
+20.9%と前年度の+15.0%よりも高い伸びを確保した。
一方、歳出の中で大きなウェイトを占め、財政赤字拡大
の元凶とされる燃料等の補助金支出は、前年比+2.0%
としている。前年度の▲0.6%よりも高い伸びとなったが、
歳出に占める割合は 14.5%と前年度の 16.1%よりも縮小
した。歳入面では、全国レベルの物品サービス税(GST)
について、導入へ向けて年内に州政府との合意を目指
8/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
メキシコ~予想通り、政策金利を据え置き
メキシコ中央銀行は 11 日、市場予想通り、政策金利
を 3.0%で据え置くことを決定した。前回 6 月の会合では、
5 会合ぶりに利下げを実施したが、声明文では、予想さ
れる景気の回復や米国の金融引き締めなどを考慮す
れば、予測可能な将来において追加利下げは推奨さ
れないとしており、今回の決定は大方の予想通り。
今回の声明文では、景気は輸出をけん引役に回復し
つつあるとしたものの、依然として内需には明確な回復
の兆しがみられないと指摘。物価についても、需要面で
のインフレ圧力は見られないとする従来の見方を維持し
ており、政策金利は当面、据え置かれるとみている。
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
ブラジル~大統領選挙までは利上げ封印の見通し
ブラジル中央銀行は 16 日、政策金利を市場予想通り、
11.00%で据え置くことを全会一致で決定した。中銀は
前々回 4 月の会合まで 9 会合連続、累計 3.75%ポイント
の利上げを実施したが、景気の低迷などを受けて前回
5 月の会合では据え置きに転じていた。
声明文の文言は前回と全く変わらず、「現時点では」
政策金利を据え置くことを決定するとしており、将来の
利上げ再開には含みを残したものと考えられる。
一方、6 月の拡大消費者物価指数は前年比+6.5%と、
昨年 6 月以来の高水準に加速した。中銀が 6 月 26 日
に公表した四半期インフレ報告では、今年と来年の物
価見通しがそれぞれ前年比+6.4%、+5.7%に上方修正
され、中銀が目安とするターゲット(+4.5±2%)の中央値
を大幅に上回る水準となっている。こうした中、中銀が
利上げを見送った背景には 10 月の大統領選があると
みられ、選挙終了までは景気への配慮から政策金利を
据え置くとみている。
◆今週末・来週のスケジュールと見通し
今週末から来週にかけてのスケジュールでは、米国
で 6 月の中古および新築住宅販売件数(それぞれ 22、
24 日)の他、有力企業の決算発表が予定されている。
市場予想を上回る良好な結果となれば、新興国株式に
ポジティブに働こう。その場合、為替市場では米ドルが
新興国通貨に対し上昇する可能性はあろうが、円に対
しても上昇するとみられ、新興国通貨は対円では方向
感の出にくい展開となることが予想される。もっとも、米
金利が上昇しなければ、高金利の新興国通貨に対する
選好が強まり、堅調となる可能性もあろう。
一方、新興国では、中国で 7 月の HSBC 製造業購買
担当者指数(速報値、24 日)の発表が予定されている。
先に発表された 4-6 月の実質 GDP や 6 月の鉱工業生
産は堅調な結果となり、新興国市場のサポート要因とな
った。今回も同様に中国景気の持ち直しが窺える内容
となれば、資源国通貨を中心に下支えとなろう。また、ト
ルコでは 6 月の貿易収支(25 日、通関ベース)の発表が
予定されている。前述の通り、6 月に貿易収支が大きく
悪化している可能性は低いとみている。このほか、22 日
までにインドネシアの大統領選挙の結果が発表される
予定。ジョコ氏の当選が有力ではあるものの、得票率の
差は僅差とみられ、対立候補のプラボウォ氏は憲法裁
判所への異議申立を行う構えを見せている。市場では
政局をにらんだ神経質な動きも予想される。
図表 1 主な新興国市場の動向
直近値
騰 落 率 (% )
7月 16日
2014年 初 来 2013年 年 間 過 去 1週 間 過 去 30日 間 過 去 90日 間 過 去 1年 間
株価指数
中国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南アフリカ
ブラジル
メキシコ
為替
上海総合指数
香港ハンセン指数
SENSEX30種指数
韓国総合指数
ジャカルタ総合指数
SET指数
FBM KLCI総合指数
フィリピン総合指数
MICEX指数
イスタンブール100種指数
JSE全株指数
ボベスパ指数
ボルサ指数
2,067.27
23,523.28
25,549.72
2,013.48
5,113.93
1,530.42
1,886.71
6,834.04
1,474.72
82,270.52
52,076.90
55,717.36
44,009.23
▲2.3
0.9
20.7
0.1
19.6
17.8
1.1
16.0
▲2.0
21.3
12.6
8.2
3.0
▲6.7
2.9
9.0
0.7
▲1.0
▲6.7
10.5
1.3
2.0
▲13.3
17.8
▲15.5
▲2.2
1.4
1.5
0.4
0.6
1.8
1.5
▲0.2
▲1.0
▲2.6
3.5
1.3
3.9
0.7
▲0.9
1.0
1.4
1.0
4.7
4.0
0.8
1.1
▲1.3
6.0
2.6
2.0
3.3
▲1.5
3.4
12.9
1.1
4.4
8.6
2.0
2.4
10.9
11.8
7.7
6.9
7.6
0.1
10.4
28.7
7.9
10.1
5.4
5.6
3.8
4.6
8.7
29.0
18.9
11.0
24.9
7.5
22.7
▲2.3
13.5
14.1
12.9
12.8
0.7
▲2.2
5.4
19.7
▲0.1
▲0.5
▲1.9
▲0.6
0.3
▲0.4
▲0.6
▲1.9
▲0.2
▲0.1
▲0.5
0.4
0.2
0.1
▲1.1
0.8
0.6
0.9
0.5
▲0.1
1.0
0.5
0.4
0.8
▲0.5
▲0.3
0.1
▲3.0
▲0.4
1.2
1.6
1.9
▲0.3
▲2.5
▲0.1
0.3
1.5
1.3
11.0
▲11.4
▲0.7
2.1
1.4
▲3.8
▲7.0
▲5.3
4.0
0.3
※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高
中 国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南ア
ブラジル
メキシコ
円/人民元
円/インドルピー
円/韓国ウォン(x100)
円/ルピア(x100)
円/バーツ
円/リンギ
円/フィリピンペソ
円/ルーブル
円/トルコリラ
円/ランド
円/レアル
円/メキシコペソ
16.38
1.69
9.86
0.86
3.16
31.89
2.33
2.94
47.97
9.51
45.72
7.87
▲5.8
▲0.6
▲1.3
0.5
▲1.6
▲0.6
▲1.6
▲8.1
▲2.1
▲5.1
2.6
▲2.5
(注:「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載)
(出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成)
9/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
図表 2 中国の実質 GDP 成長率
図表 3 中国の住宅販売金額と床面積
(前年比、%)
(%)
110
14
販売金額
90
12
前年比
10
70
8
50
6
30
4
10
前期比年率
2
-10
0
販売床面積
-30
10/3 10/9 11/3 11/9 12/3 12/9 13/3 13/9 14/3 (年/月)
11/1
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
(年/月)
(注:2 月の数値は 1-2 月の累計値)
(出所:CEIC、中国国家統計局よりSMBC日興証券作成)
(出所:CEIC、中国国家統計局よりSMBC日興証券作成)
図表 4 インドの鉱工業生産(3 ヵ月移動平均)
15
11/7
図表 5 インドの消費者物価指数
(前年比、%)
16
10
(前年比、%)
総合
燃料・電力
住宅
14
食品・飲料・たばこ
衣服・寝具・靴
その他
5
12
0
-5
10
-10
8
総合
資本財
耐久消費財
非耐久消費財
-15
-20
6
4
-25
12/1
12/7
13/1
13/7
12/1
14/1
(年/月)
(%)
9
8
7
6
政策金利
(右軸)
10
8.0
9
7.5
6.0
6
5.5
4
4.0
3
3.5
2
3.0
14.0
13.0
12.25
4.5
2.5
2.0
12.0
11.0
11.25
政策金利
(右軸)
10.0
9.0
8.75
7.25
8.0
7.0
06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 (年/月)
(出所:CEIC、ブラジル中銀などよりSMBC日興証券作成)
10/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
15.0
13.75
5.0
(出所:CEIC、メキシコ中銀などよりSMBC日興証券作成)
18.0
16.0
7
1
1
06/1 07/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1(年/月)
19.0
17.0
4
2
拡大消費者物価指数
(左軸)
6.5
5
インフレターゲット
消費者物価指数コア
(左軸)
(%)
(前年比、%)
7.0
5
3
14/1
図表 7 ブラジルの政策金利、拡大消費者物価指数
8
消費者物価指数
(左軸)
13/7
(出所:CEIC、インド中央統計局よりSMBC日興証券作成)
図表 6 メキシコの政策金利、消費者物価指数
(前年比、%)
13/1
(年/月)
(出所:CEIC、インド中央統計局よりSMBC日興証券作成)
10
12/7
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
6.第 1 四半期決算発表スケジュール(7 月 22 日~8 月 1 日)
西尾 浩一郎
来週以降、国内企業の 2015 年 3 月期第 1 四半期決算発表が本格化する。今回の決算で注目されるのは、
消費税増税後の業績動向。足元の経済統計や小売りなど各社の動向をみると、増税後のマイナス影響は
改善しつつあり先行きへの不透明感は徐々に払拭されると考えられる。国内景気の堅調継続、米国景気の
拡大などを背景に業績拡大は続くと考えており、今回の決算は弊社の見解をサポートする内容となろう。
図表 1 主要企業の 2015 年 3 月期第 1 四半期決算発表スケジュール
発表日 コード 銘柄略称
7月23日
7月24日
7月24日
7月25日
7月28日
7月29日
7月29日
7月29日
7月29日
7月29日
7月29日
7月29日
7月29日
7月30日
7月30日
7月30日
7月30日
7月30日
7月30日
7月30日
7月30日
7月30日
7月30日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
6594
4063
6954
9437
7201
2267
4661
6301
6645
7267
8604
9022
9201
4204
4901
5411
6503
6701
7012
7974
8591
9020
9433
1878
2802
3099
4005
4568
4911
5020
日 電 産
信 越 化
ファナック
NTT ト ゙ コ モ
日 産 自
ヤクルト
O L C
コ マ ツ
オムロン
ホ ン ダ
野村HD
JR東海
J A L
積 水 化
富士フイルム
J F E HD
三 菱 電
N E C
川
重
任 天 堂
オリックス
JR 東 日 本
K D D I
大 東 建
味 の 素
ミツコシイセタン
住 友 化
第一三共
資 生 堂
J
X
経常利益(百万円)
経常利益(百万円)
2014/3期 2015/3期通期
2015/3期通期 発表日 コード 銘柄略称 2014/3期 2015/3期通期
2015/3期通期
前年比
前年比 コンセンサス予想
1Q経常利益 会社予想
コンセンサス予想
1Q経常利益 会社予想
17,399
49,022
36,388
252,484
114,764
7,187
26,063
51,589
12,702
172,035
113,219
128,484
19,699
12,574
30,307
35,237
42,651
▲28,167
9,400
14,817
63,228
108,750
181,919
22,820
16,389
11,521
25,403
23,315
7,560
72,465
98,000
NA
216,200
758,000
620,000
41,000
84,140
237,000
71,000
745,000
NA
388,000
135,000
85,000
160,000
NA
260,000
90,000
66,000
35,000
NA
341,000
735,000
94,900
75,000
32,000
120,000
120,000
42,000
210,000
15.8%
NA
24.0%
▲ 9.0%
17.6%
3.7%
▲ 25.3%
▲ 2.1%
14.5%
2.2%
NA
▲ 4.0%
▲ 14.4%
2.0%
1.8%
NA
4.4%
30.1%
8.9%
475.1%
NA
2.6%
10.9%
1.7%
7.9%
▲ 16.8%
8.0%
20.3%
▲ 18.3%
▲ 30.5%
111,306
197,133
228,350
763,226
647,220
42,722
97,357
241,585
74,423
815,819
308,883
401,758
155,676
84,425
162,915
201,164
281,381
99,000
72,100
36,281
320,493
343,630
745,806
96,028
75,408
34,269
121,467
118,370
45,311
270,564
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
7月31日
8月1日
8月1日
8月1日
8月1日
8月1日
8月1日
5401
5802
6201
6502
6702
6752
6758
6902
6971
6981
7003
7011
7259
7261
7270
8015
8053
8306
8411
8802
9001
9064
9104
9531
3407
4502
4503
4523
6460
7269
新日鉄住
住 友 電
豊田織機
東
芝
富 士 通
パナソニック
ソ ニ ー
デンソー
京 セ ラ
村 田 製
三 井 造
三 菱 重
アイシン精
マ ツ ダ
富 士 重
豊 通 商
住 友 商
三 菱 UFJ
み ず ほ
菱 地 所
東
武
ヤ マ ト HD
商船三井
東 ガ ス
旭 化 成
武
田
アステラス薬
エーザイ
セガサミーHD
ス ズ キ
86,455
26,615
38,746
17,404
▲18,735
122,612
46,253
116,753
34,813
24,699
8,607
28,022
54,005
8,396
64,504
46,069
76,975
420,646
289,118
24,038
15,256
9,412
15,291
39,613
27,514
52,490
37,404
12,861
17,044
47,184
NA
142,000
148,000
250,000
190,000
120,000
130,000
378,000
158,000
148,000
20,000
230,000
184,000
210,000
330,000
177,000
332,000
1,580,000
850,000
95,000
44,500
71,000
70,000
123,000
151,000
140,000
NA
49,500
35,000
198,000
NA
▲ 2.3%
7.1%
38.2%
35.1%
▲ 41.8%
405.0%
▲ 9.9%
8.0%
11.8%
▲ 23.6%
25.6%
▲ 2.9%
49.3%
4.9%
8.3%
9.1%
▲ 6.8%
▲ 13.9%
▲ 32.0%
▲ 14.3%
9.8%
27.3%
▲ 22.9%
5.7%
▲ 11.9%
NA
▲ 23.8%
▲ 13.6%
0.1%
428,721
157,608
163,120
281,900
194,535
139,493
140,156
413,467
154,247
154,944
23,667
240,062
201,720
228,023
370,901
178,200
356,691
1,587,212
882,699
100,446
46,300
70,103
70,664
132,850
151,240
147,459
209,701
46,560
40,971
218,723
※会社予想が非開示の場合、コンセンサス予想が無い場合は NA と表記。決算発表予定日は、7 月 10 日時点の情報を基にしており、変更される
場合がある。QUICK コンセンサス予想及び会社予想は 7 月 16 日時点で発表されていたデータを取得。米国会計基準と IFRS 採用企業について
は、税引前利益を経常利益とする。
(出所:東証 HP 及び Astra Manager 等よりSMBC日興証券作成。主要企業を任意で抽出。掲載企業は推奨するものではない)
11/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
7.豪ドル~当面は方向感に乏しいものの、明るい材料もあり
上西 晃
7 月の豪ドルは 1 日に 4 月以降の上値抵抗線である 1 豪ドル=96 円を一時上抜けたものの、その後反落し、
同 95 円前後で推移している。豪経済は景気の下押し要因と下支え要因が拮抗し、豪ドルも 1 豪ドル 95 円
前後で当面は方向感に欠く展開が続こう。とはいえ、鉱業投資がすでに景気下押し要因となっている中、設
備投資全体では増加の兆しが現れるなど明るい材料もみられる。
◆豪ドルは 7 月初めに一旦上昇後、下落
◆当面は方向感に乏しいものの、明るい材料もあり
7 月の豪ドルは 1 日に 4 月以降の上値抵抗線である
1 豪ドル=96 円を一時上抜けたものの、その後反落し、
同 95 円前後で推移している(7/16 終値:同 95.25 円、図
表 1)。
失業率が上昇し、消費者心理も 5 月に緊縮財政を打
ち出した連邦予算を受けて大幅に悪化してから回復が
遅れているため、個人消費は当面伸び悩むとみられる。
また、4-6 月には外需が GDP 成長を下押しするなど、当
面は潜在成長率を下回る成長が続こう。とはいえ、企業
景況感の良好さが豪州の景気下支えに寄与するとみら
れる。このため、景気の下押し要因と下支え要因が拮抗
し、豪ドルも 1 豪ドル=95 円前後で当面は方向感に欠く
展開が続こう。
1 日の金融政策会合で豪中銀は政策金利を市場予
想通り 2.50%に据え置いたものの、直後に公表された声
明文には市場の一部に残る利下げ観測の手掛かりがな
かったことから同観測が後退し、豪ドルが上昇した。そ
の後は 5 月の貿易収支(赤字幅が大幅に拡大)、5 月の
小売売上高(減少して市場予想を下回る)、豪中銀総裁
の発言(豪ドルが過大評価されていると警告)、などが
嫌気され、豪ドルは反落した。10 日には 6 月の労働力
統計(失業率が上昇)や中国の 6 月貿易統計(輸出入
の伸びが市場予想を下回る)、ポルトガルの銀行の経
営不安を受けた市場のリスクオフ、などからさらに下落し
た。
ピーク越えした鉱業投資はすでに景気下押し要因と
なっているが、設備投資全体としては増加の兆しが表
れている。6 月の NAB 設備投資支出指数は 3 ヵ月連続
で上向き、統計開始後 12 年にわたる平均を 2 ヵ月連続
で上回った。年末にかけてはこのようなプラス材料が
徐々に目立つようになり、豪ドルも次第に下値を切り上
げると予想する。
◆豪景気は引き続き強弱まちまち
確かに、5 月の貿易統計は主力品目である鉄鉱石、
石炭、天然ガスを中心に輸出が 3 ヵ月連続で減少、貿
易赤字はほぼ 1 年半ぶりの水準に拡大したことは足元
の景気の下押し要因となろう。雇用は拡大基調にあるも
のの、拡大ペースは鈍化した。失業率は 6.0%に上昇し、
2003 年 7 月以来であった 2 月の水準に再び達した。ま
た、5 月の小売売上高は前月比▲0.5%と減少し、市場
予想の同横ばいを下回った。ただし、5 月は豪州東部
の平年を大幅に上回る気温によって冬物衣料などの売
上が下押しされた点を割り引く必要がある。
一方、豪企業の景気全般に対する見方は引き続き楽
観的であり、6 月の NAB 企業信頼感指数は前月比+1
ポイントの 8 に上昇、楽観/悲観の分岐点ゼロのみなら
ず、1989 年の統計開始以来の平均 4.5 を上回り続けて
いる。売上や収益性の改善から業況拡大に転じており、
6 月の事業状況判断指数は前月比+3 ポイントの 2 と業
況拡大/悪化の分岐点ゼロを上抜けた。新規受注指数
は受注増加/減少の分岐点ゼロ近辺で推移しており、短
期的には業況の大幅な拡大は期待しにくいとはいえ、
業況の底堅さが明るい材料である。
(出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成)
12/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
図表 1 豪ドルの対円、対米ドル相場
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
8.NZ ドル~急ピッチで上昇するも、上昇の足掛かりを失い反落
上西 晃
NZ ドルは 7 月に対米ドルで変動相場制開始以来の最高値に迫る勢いとなり、対円でも 1NZ ドル=90 円を
試す展開となったものの結局上抜けに失敗、足元で続落した。ただし、足元の NZ ドル安は、ヘッジファンドな
どが急速に買い戻す中で急ピッチに上昇した NZ ドルが、上昇の足掛かりを失って反落したという側面が強
い。NZ ドルのファンダメンタルズは良好であり、1NZ ドル=90 円をうかがう展開が再び訪れよう。
◆NZ ドルは足元で続落
◆ただし、あくまでも過熱気味のペースからの鈍化
6 月に騰勢が強まった NZ ドルは、7 月上旬には格付
け大手フィッチ・レーティングスによる NZ 国債の格付け
見通しの上方修正や米早期利上げ観測の後退などか
ら一段と上昇。対米ドル相場は 7 月 10 日に一時 1NZ ド
ル=0.8836 米ドルと、1985 年の変動相場制開始以来の
最高値である同 0.8843 米ドルに迫る勢いであった。また、
対円でも、今年 4 月に続き、7 年ぶりに 1NZ ドル=90
円を試す展開となった。しかし、結局上抜けに失敗し、
15 日には米早期利上げ観測の高まり、16 日には NZ 追
加利上げ観測の後退(NZ の 4-6 月消費者物価の伸び
が市場予想を下回ったため)、などが嫌気されて続落し
た。
しかし、これらの経済指標は、1-3 月の潜在成長率を
はるかに上回る景気拡大ペースから持続可能なペース
への鈍化を表すものであり、ある意味自然な流れといえ
る。住宅建設許可件数は確かにピークを越えつつある
とはいえ、建設許可の次の段階に相当する建設着工の
伸びは加速傾向が続いており、住宅投資も加速傾向を
たどるとみられる。住宅価格の伸び鈍化は、頭金の少な
い住宅ローンへの規制の結果であり、住宅市況の過熱
が避けられたという意味でむしろ望ましい結果といえる。
小売カード支出は 6 月に伸び悩んだものの、これは 4 ヵ
月連続で増加した後の一服と言える。企業信頼感指数
は低下したとはいえ、ほぼ 20 年ぶりの 10-12 月、1-3 月
の高水準からの低下であり、かつ、楽観/悲観の分岐点
を依然として大幅に上回っている。
◆景気拡大ペースの鈍化を示す経済指標
足元の NZ ドル安は、ヘッジファンドなどが急速に買
い戻す中で急ピッチに上昇した NZ ドルが、上昇の足掛
かりを失って反落したという側面が強い。実際、ヘッジフ
ァンド等は 6 月中旬に NZ ドルの先物およびオプション
の買いポジションを一旦手仕舞い、その純買い持ち高
は 6 月 17 日には 3,187 枚と昨年 12 月 17 日(3,136 枚)
並みの水準に低下していた。その後、NZ ドルが買い戻
され、7 月 8 日には 1 万 2,677 枚と NZ ドル買いポジショ
ンが手仕舞われる直前の水準(6 月 10 日:1 万 4,892 枚)
の 85%まで買い戻された(図表 1)。
ただ、この間に発表された経済指標は、NZ 経済の拡
大ペースの鈍化を示した。5 月の住宅建設許可件数は
前月比▲4.6%と 3 ヵ月ぶりの減少となった。不動産価格
を査定する公社 QV の住宅価格指数は 6 月に前年比
+8.0%と昨年 12 月の同+10.0%からの鈍化傾向が続い
ている。6 月の小売カード支出は前月比横ばいにとどま
り、変動の大きい自動車および自動車燃料を除くコア小
売カード支出は前月比▲0.4%と 5 か月ぶりに減少した。
NZ 経済研究所の 4-6 月の企業信頼感指数は 32 と、1-3
月の 52 から低下した。
このように、NZ ドルのファンダメンタルズは良好であり、
足元の NZ ドルの下落は急ピッチで上昇した反動という
側面が強い。向こう 2 年にわたるとみられる利上げサイク
ルを背景に NZ ドルが切り上がり、1NZ ドル=90 円をう
かがう展開が再び訪れよう。
図表 1 ヘッジファンド等の NZ ドル純買い持ち高と NZ ドル
(出所:米商品先物取引委員会、Bloomberg よりSMBC日興証券作成)
13/18
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2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
9.インドネシア~大統領選挙はジョコ氏の当選が有力に
山本 正樹
9 日投票のインドネシア大統領選挙は、各種民間調査でジョコ氏の当選が有力となった。ジョコ氏を改革派と
みて当選を期待していた市場はひとまずこれを好感している。今後は、対立候補でなお敗北を認めていない
プラボウォ氏の出方や、国会での過半数確保へ向けたジョコ陣営による新たな連立交渉の行方等が焦点と
なろう。新政権発足までには紆余曲折が予想され、市場は当面政局動向に一喜一憂する展開となるだろう。
◆プラボウォ氏が猛追もジョコ氏が僅差で逃げ切った模様
ジャカルタ州知事等を務めたジョコ氏と元陸軍高官の
プラボウォ氏の一騎打ちとなったインドネシア大統領選
挙は、7 月 9 日に投票が実施された。各種民間調査によ
ると、明らかにプラボウォ氏寄りの調査機関を除けば、ジ
ョコ氏が得票率で 5%ポイント程度の差を付け、優位に
立っている。選挙の最終的な結果については、21~22
日に予定される公式発表を待つ必要があるものの、民
間調査の精度は高く、現時点でジョコ氏の当選が有力
になったといえよう。今回の選挙戦では、当初圧倒的な
支持を誇った「庶民派」ジョコ氏に対し、軍出身のプラボ
ウォ氏が「強いリーダー」像を売りに猛追したが、結局は
ジョコ氏が僅差で逃げ切った形。ただ、プラボウォ氏は
多くの民間調査で劣勢の結果が出たものの、なお敗北
を認めていない。正式な開票結果がジョコ氏勝利となっ
た場合、憲法裁判所へ異議申立を行う構えを示してい
る。その場合、判決による選挙結果の最終確定は 8 月
22~24 日にもつれ込む見通し。
領選でジョコ陣営に加わった政党の国会での議席は合
計で 37%にすぎず、プラボウォ陣営の 63%に大きく水を
あけられている。このため、議会運営上、大統領選挙で
プラボウォ陣営に加わった政党とも連立が必要となる。
新たな連立相手としては、4 月の総選挙でジョコ氏の属
する闘争民主党に次ぐ第 2 党となったゴルカル党が有
力とみられる。同党が連立に加われば、ジョコ陣営は国
会で過半数に達し、政権基盤の安定が期待されるため、
連立交渉の行方には注目が集まろう。
市場は今回の選挙結果をひとまず好感しているが、
当初期待されたような「ジョコ圧勝シナリオ」はほぼなく
なったため、一段と上値を追う展開とはなりにくいだろう。
政権発足までは、プラボウォ陣営の動きや連立交渉な
ど政局動向に一喜一憂する展開が予想される。
図表 1 インドネシアの政治日程
◆ジョコ氏当選が有力となったことを市場は好感
大統領選挙でジョコ氏当選が有力となったことを受け
て、10 日の株式市場では、ジャカルタ総合指数が前営
業日(8 日)比+1.5%の 5,098.01 へ、通貨ルピアも同
+0.4%の 1 ドル=11,574 ルピアへと、ともに上昇した。市
場は、政治家の名門でも軍人の出身でもなく、既得権
層とのしがらみの少ないジョコ氏をかねてより改革派と
みて評価している。このため、選挙期間中、ジョコ氏が
プラボウォ氏の猛追を受けていることが明らかになるに
つれ、株価や通貨は軟調となっていたが、投票日直前
からはジョコ氏の逃げ切り勝ちを期待した先回り買いの
動きがみられた。
大統領選挙投票日
7月21-22日
総選挙委員会による公式結果確定
7月23-25日 憲法裁判所への異議申立
8月4-21日
憲法裁判所における紛争解決期間
8月22-24日
憲法裁判所判決を踏まえた総選挙結果確定
10月1日
国会議員就任
10月20日
正副大統領就任
10月21日以降
組閣
(出所:在インドネシア日本大使館 HP よりSMBC日興証券作成)
◆新政権発足までには紆余曲折も
今後の注目点としては、プラボウォ陣営の今後の出
方やジョコ陣営の連立交渉の行方などが挙げられる。
プラボウォ氏は、陸軍高官時代に特殊部隊を指揮して
様々な工作活動に携わったとされている。大統領選挙
でも当初支持率でジョコ氏に大差を付けられながら、自
らの影響下にあるメディアを通じた情報戦略を駆使し、
最後は接戦に持ち込んでいる。今後、異議申立の他に
も、様々な策略を繰り出す可能性もあろう。一方、大統
14/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
7月9日
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
10.ブラジル~ワールドカップ歴史的大敗の影響
武田 泰典
ブラジルはサッカー・ワールドカップの準決勝で歴史的大敗を喫し、その後の 3 位決定戦でも完敗したが、試
合の翌営業日の株式市場は大幅高となった。ブラジルの惨敗によって市場から不人気なルセフ大統領の支
持率が低下し、10 月の大統領選において市場が好む政策を掲げている野党候補へ政権交代するのではな
いかとの期待感が背景にある。世論調査で支持率低下が示されれば、市場の支援材料となろう。
◆ブラジル株式市場はワールドカップ大敗を好感
図表 1 ボベスパ指数およびレアルの対米ドル相場
サッカー・ワールドカップのブラジル大会はドイツの優
勝で幕を閉じた。中南米開催での欧州勢による初の優
勝となった一方、開催国ブラジルは 8 日の準決勝でドイ
ツに 1-7 と歴史的大敗を喫し、12 日の 3 位決定戦でも
オランダに 0-3 で完敗した。大会期間中の工場等の休
業増加に加え、ブラジルの敗戦を受けた消費者心理の
悪化による景気への影響が懸念されるが、試合の翌営
業日に当たる 10 日と 14 日の株式市場はボベスパ指数
が共に前日比+1.7%の大幅高となった。背景にはルセ
フ政権の支持率低下期待、及びそれに伴う大統領選
(10 月 5 日)での政権交代期待がある。
70,000
ルセフ政権の支持率は景気減速やインフレ加速など
を背景に低迷が続いている。7 月 2~3 日の世論調査で
は W 杯でブラジルが勝ち進む中、支持率はやや持ち
直したが、その後の試合で歴史的大敗を喫したことで、
急落する可能性がある。大統領選は当初ルセフ大統領
の再選が濃厚とみられていたが、野党候補との支持率
の差は縮小傾向にあり、再選に黄信号が灯りつつある。
大統領の再選により市場の期待が巻き戻すリスクには
注意が必要だが、政権交代が実現した場合は市場の
支援材料となろう。調査機関ダッタフォリャとイボペの世
論調査がそれぞれ 15~16 日、13~18 日に実施されてお
り、その結果が目先的な注目点となろう。
1.9
レ
ア
ル
高
2.0
60,000
2.1
55,000
2.2
ボベスパ指数
(左軸)
50,000
2.3
45,000
2.4
※データは2014年7月16日まで
40,000
13/1
13/3
13/5
13/7
13/9
13/11
14/1
14/3
2.5
14/7 (年/月)
14/5
(出所:Bloomberg よりSMBC日興証券作成)
図表 2 ルセフ政権の支持率
70
(%)
支持
60
50
43
40
41
40
どちらでもない
30
41
37
30
25
20
0
11年3月
11年9月
12年3月
12年9月
13年3月
38
38
35
33
26
28
21
不支持
10
17
13年9月
14年3月
(出所:調査機関ダッタフォリャの世論調査よりSMBC日興証券作成)
図表 3 大統領選で決選投票になった場合の投票先
60
(%)
54
50
ルセフ大統領(与党・労働者党)
50
46
46
47
40
39
36
31
30
38
ネベス(ブラジル社会民主党)
27
※横軸日付は調査期間
20
2月19‐20日 4月2‐3日
5月7‐8日
6月3‐5日
7月2‐3日
※1 回目の投票で過半数の票を獲得する候補がいなかった場合は上位
2 候補による決選投票が実施される。世論調査によれば、ルセフ大統
領とネベス氏の決選投票が実施される可能性が高まっている。
(出所:調査機関ダッタフォリャの世論調査よりSMBC日興証券作成)
15/18
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
米ドル・レアル
(右、逆軸)
65,000
ルセフ大統領は 2011 年 1 月に就任して以降、拡張
的な財政政策に加え、燃料価格の値上げ抑制や電気
料金の値下げなど国営企業の販売価格管理、鉱山会
社への課税強化など投資家や企業収益を軽視する政
策を相次いで実施したことから、市場の不興を買ってい
る。一方、大統領選で野党の有力な対立候補となって
いるネベス氏やカンポス氏は、財政再建やインフレ抑制、
国営企業への経営介入の抑制、税制の簡素化など市
場が好む政策を掲げており、市場は政権交代を好意的
にみている。ボベスパ指数が 4 営業日続伸となった
8~15 日の騰落率をみると、同指数が+4.3%だったのに
対して、低価格での燃料販売を強いられている国営石
油会社ペトロブラスが+11.1%、国営銀行の低利融資に
よって厳しい競争にさらされている民間のブラデスコ銀
行が+8.3%となっている。
◆政権交代につながれば、市場の支援材料となろう
(レアル/ドル)
(ポイント)
2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
11.来週・再来週の主なスケジュール
<来週のスケジュール>
発表日
7月 21日 (月 )
国・ 地域
日本
インドネシア
日本
7月 22日 (火 )
米国
7月 23日 (水 )
日本
豪州
南ア
ブラジル
日本
米国
7月 24日 (木 )
ユーロ圏
中国
NZ
ベトナム
韓国
日本
米国
7月 25日 (金 )
ユーロ圏
独
英国
トルコ
ベトナム
-
6月
6月
5月
6月
6月
4-6月期
4-6月期
6月
5月
6月
6月
6月
6月
6月
4-6月期
7月
7月
7月
6月
-
7月
4-6月期
6月
7月
-
6月
6月
6月
7月
4-6月期
6月
1-7月
1-7月
休場(海の日)
インドネシア大統領選開票結果発表(発表日未定、~22日)
全国スーパー売上高(前年比)
全国コンビニエンスストア売上高(前年比)
FHFA住宅価格指数(前月比)
中古住宅販売件数( 前月比)
消費者物価指数(除食品&エネルギー、前年比)
アッ プル決算( 1株当たり利益)
中曽日銀副総裁が記者会見
消費者物価指数(前期比)
消費者物価指数(前年比)
失業率(発表日未定、~24日)
貿易収支
貿易収支(季調済)
輸出( 前年比)
輸入( 前年比)
新築住宅販売件数( 前月比)
キャタピラー決算(1株当たり利益)
サービス業PMI(速報)
製造業PMI(速報)
HSBC製造業 PMI ( 速報)
貿易収支
政策金利発表
消費者物価指数(前年比)
実質GDP(前期比、速報)
全国消費者物価指数( 生鮮食品除く 、 前年比)
都区部消費者物価指数(生鮮食品除く、前年比)
安倍首相が中南米5ヵ国を歴訪(~8月4日)
耐久財受注( 除輸送用機器、 前月比)
耐久財受注( 前月比)
マネーサプライM3(前年比)
IFO景況指数
実質GDP(前期比、速報)
貿易収支
輸出(前年比、発表日未定、~31日)
輸入(前年比、発表日未定、~31日)
市場予想 前月・ 前期・ 前年
-
-
-
-
▲2.2%
-
▲0.8%
-
0.1%
0.0%
1.6%
4.9%
2.0%
2.0%
1.23ド ル
1.66ド ル
-
-
0.6%
-
6.7%
6.6%
5.0%
4.9%
▲6,653億 円
▲9,108億 円
▲9,300億 円
▲8,622億 円
1.5%
▲2.7%
9.6%
▲3.5%
▲5.3%
18.6%
1.51ドル
1.61ドル
52.8
-
51.8
-
50.7
-
2.85億NZドル
-
3.25%
-
5.0%
-
0.9%
-
3.3%
3.4%
2.7%
2.8%
-
0.5%
0.0%
-
-
-
-
-
-
-
0.0%
▲0.9%
1.0%
109.7
0.8%
▲71.1億 ド ル
14.9%
11.0%
7月 26日 (土 )
7月 27日 (日 )
(注)発表日は現地時間。市場予想と実績は 2014 年 7 月 17 日 12 時時点の Bloomberg の値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります。
(出所:Bloomberg および各種報道などよりSMBC日興証券作成)
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2014 年 7 月 17 日(木) 投資情報室
Weekly Outlook No.163
<再来週のスケジュール>
発表日
7月 28日 (月 )
国・ 地域
米国
日本
7月 29日 (火 )
米国
日本
7月 30日 (水 )
米国
ユーロ圏
日本
米国
7月 31日 (木 )
ユーロ圏
フィリピン
日本
6月
6月
6月
6月
6月
-
5月
7月
6月
4-6月期
7月
-
7月
6月
7月
6月
7月
-
-
7月
6月
6月
8月 1日 (金 )
米国
中国
インドネシア
ブラジル
6月
7月
7月
7月
7月
7月
7月
7月
6月
中古住宅販売成約指数(前月比)
失業率
家計調査-実質消費支出(前年比)
有効求人倍率
小売業販売額(前年比)
FOMC( 連邦公開市場委員会、 ~ 30日)
S&P/ ケースシ ラー住宅価格指数( 前年比)
コンファレンス ボード消費者信頼感指数
鉱工業生産指数( 前月比、 速報)
実質 GDP( 前期比年率、 速報)
ADP雇用統計( 前月比)
政策金利発表
経済信頼感指数
毎月勤労統計-現金給与総額(前年比、速報)
シカゴ購買部協会景況指数
失業率
消費者物価指数( 速報、 前年比)
政策金利発表
黒田日銀総裁が講演(内外情勢調査会)
新車販売台数(除く軽自動車、前年比)
個人所得(前月比)
PCEコア・ デフレータ
( 食品・ エ ネルギ ーを除く 個人消費デフレータ、 前年比)
個人支出(前月比)
非農業部門雇用者数( 前月比)
民間部門雇用者数( 前月比)
失業率
ISM製造業景況指数
自動車販売台数(年換算)
製造業 PMI
消費者物価指数(前年比)
鉱工業生産(前月比)
市場予想 前月・ 前期・ 前年
6.1%
-
3.5%
-
▲8.0%
-
1.09倍
-
▲0.4%
-
-
-
10.82%
-
85.2
-
0.7%
-
▲2.9%
-
28.1万 人
-
0.00~0.25%
0.00~0.25%
102.0
-
0.8%
-
62.6
-
11.6%
-
0.5%
-
3.50%
-
-
-
▲0.7%
-
0.4%
-
-
1.5%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
0.2%
28.8万 人
26.2万 人
6.1%
55.3
1,692万台
51.0
6.70%
▲0.6%
8月 2日 (土 )
8月 3日 (日 )
(注)発表日は現地時間。市場予想と実績は 2014 年 7 月 17 日 12 時時点の Bloomberg の値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります。
(出所:Bloomberg および各種報道などよりSMBC日興証券作成)
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円)の委託手数料をお支払いいただきます。債券を募集、売出し等又は相対取引により購入される場合は、購入対価のみをお支払いいただきま
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いいます)を上回る場合があるとともに、対象となる有価証券の価格または指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等を
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