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霞沢岳西尾根

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霞沢岳西尾根
霞沢岳西尾根
報告:古川 幹夫
 日程
2015 年 12 月 29 日(火)~30 日(水)(早朝発1泊2日)
 メンバー L : 古川、武村盛、武村恵、鈴木裕
上高地の釜トンネルの上にある霞沢岳は穂高岳の展望台として知られているが、徳本峠からのラッセル
が大変なことでも有名である。年末年始の休みが調整できずに長い日程がとれない中、武村さんより霞沢
岳西尾根を登れば短期間で山頂に立て、ミニバリエーションも楽しめるとのことで年末に計画した。
29日(火) 天候 晴れ
早朝に東京を発ち、中央道松本ICで降りる。塩尻付近
から小雪がちらほらしていたが既に止み、前方の山肌に沿
って雲が上がって行くのが見える。予報通り天気は回復傾
向のようである。しかしながら、道路の両側の雪は例年に
比べて格段に少なく、沢渡の車デポ地についても殆ど雪は
無いという状況である。タクシーで釜トンネルまで行き、
暗いトンネルを歩く。トンネルを出ると雪国となるが、そ
れでも積雪は20cm程度。梓川沿いの雪道を30分程度歩く
と「国土交通省砂防事務所」の看板。霞沢岳西尾根への分
急な西尾根を登る
岐である。脇道を100m程度歩くと電線下の西尾根への取
り付き点に着く。西尾根の側面は笹が出ており、尾根へ
上がる真っ直ぐな踏み跡が見える。雪と土の急斜面を登
り尾根に上がると反対側に大正池の端が望める。尾根上
には積雪も増え笹は雪の下となるが所々で飛び出してい
る。ゆるやかに登っていた尾根上のトレースは次第に急
となり、高度を稼いでいく。1800m付近の急斜面の下で
アイゼンを付け、幾つかの尾根上のコブを息を切らせな
がら登る。1950m付近のコブを巻きながら超えるとテン
ト一張程度のスペースがあり本日のキャンプ地とする。
整地してテントを張り、テントに潜り込む。梢越しに明
神ヶ岳が夕日に染まるのを眺めながら、夕食の準備をす
焼岳をバックに 2500m 岩峰
る。
30日(水)天候 晴れ
7:00過ぎにテントを出る。天気は晴れているが、ゆっく
りと流れる雲の動きから稜線では少し風がありそうだ。い
きなりの急登に息が切れる。急登の上は傾斜が落ち、尾根
も広くなっており良い天場が得られるが、急登を重荷を背
負って登る必要があるので我々の天場が正解とする。その
後も相変わらずの急登を2400m付近まで登ると傾斜も落
ちてきて森林限界となる。細くなった尾根の北側の斜面を
注意して通過すると正面に2500m岩峰の基部に着く。上
部の15m程度が急な雪壁となっており、武村盛さんがザイ
ルを引いて登る。岩峰の上からも細い稜線が少し続くが、
山頂で記念撮影
その後は広い尾根となる。冷たい風の吹く中、幾つかのニ
セピークを越えて霞沢岳山頂に到着する。正面に岳沢、そ
の奥に西穂から奥穂、前穂の稜線、乗鞍や御嶽山まで真っ白な山容が望める。吹きさらしの山頂で写真を撮
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り、少し下った稜線の影で一休み。岩峰はアップザイレンで下るが50m8φザイルで丁度。登ってきた急斜
面を下り、テントを撤収して下山する。西尾根の末端部は雪が溶けて笹が起き上がっており、アイゼンが引
っかかったり逆に滑ったりと以外に気が抜けない。西尾根の末端でドロンコのアイゼンを外し、釜トンネル
へブラブラと下山する。
真っ暗な釜トンネルを出ると西尾根末端にて呼んでおいたタクシーが待っており、沢渡の車デポ地へ戻る。
以前、新しい釜トンネルが出来た時に上高地に来た折には、トンネル内部は照明が点いていて歩きやすかっ
たが今回は消えていた。タクシーの運転手さんからは、
「照明が点いているとハイヒールの人もトンネルを
歩く。ヘッドランプを持っている人のみが歩くように照明を消した」とのことでした。
コースタイム
29日:釜トンネル9:50~砂防事務所入口10:57~天場13:20
30日:天場7:10~岩峰(下) 9:23 ~岩峰(上)9:45~霞沢岳~10:26 /10:35~天場12:21~撤収下山13:20~
釜トンネル15:10
岩峰を下る
山頂より穂高岳を望む
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