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私の友達(PDF/127KB)

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私の友達(PDF/127KB)
佳作
私の友達
札幌北斗高等学校 1 年
平澤 幸奈
人は、愛を持つ事で歩き出すことができ、お金を持つことで歩き続けることができる、
というのが私の自論です。
もちろん、愛とお金さえあれば十分というわけではありません。健全な体など、他にも
必要な物はあります。ですが、最もシンプルに考えた結果、この考えに至ったのです。
たとえば、オリンピックの選手があの舞台に立てるのは、少しの才能と日々の努力のお
かげ、と多くの人が言うでしょう。しかし、嫌々練習してそこまで上手くなるでしょうか。
そして、その競技を続けるのにどれだけのお金が必要だったでしょうか。やはり、才能や
努力よりも根本的な部分に、その競技への愛と練習費用があるのではないでしょうか。
ところで、私には友達がいます。その中に一人、ウガンダの女の子がいます。
彼女と会ったのは一回だけです。もしかすると、彼女はもう私の事など覚えていないか
もしれませんが、私は彼女の事を一生忘れないでしょう。
私は学校で「ウガンダに対してできる事を考え、行動する」という活動をするクラブに
所属しています。彼女と会えたのも、そのクラブのおかげです。細かい説明は省きますが、
私の学校でウガンダのエイズ孤児の子ども5人と、クラブの人と一部の文化系部の人達で
交流会をしたのです。
初めて彼女と話した時はすごく緊張しましたが、一生懸命に笑顔を作ると、彼女も少し
ぎこちない笑顔を返してくれました。そして、私の拙い英語をちゃんと聞き取って、丁寧
に答えてくれました。それだけで、私は嬉しくてしかたがなくなるのでした。お互いに馴
れると、彼女について色々な事が分かりました。おとなしいと思っていたのに、実はすご
くやんちゃだった事。まだ十歳だという事。果物が好きだという事。バレーボールが得意
な事。変顔をするとお腹を抱えて笑う事。その年頃の子には当たり前の返答・反応かもし
れませんが、それが外国の子だと新発見の様に感じ、彼女の全てに驚きました。
交流会の最後に、子どもたちが歌をうたってくれました。クラブのメンバーは、一緒に
前に出てうたったのですが、私はその時に、彼女と手を繋ぎました。彼女の手はとても温
かかったのですが、何か違和感を感じました。結局歌い終わるまで違和感の正体は分かり
ませんでした。
交流会が終わり、子供達が去った後、クラブのメンバーは彼女達の保護者的青年とお互
いの近況報告をしました。彼は彼女達のウガンダでの暮らしについて話してくれました。
日本では考えられないような話に、涙を流す子もいました。彼は「あの子達は日本に来て
美味しい物をたくさん食べて太って幸せそうです」と言いました。その時になってやっと
違和感の正体に気付きました。彼女の手は、子供の手だと言うにはあまりに、細すぎたん
です。日本に来て太ったはずなのに、柔らかさが足りなすぎたんです。その事実にやっと
気付いたのが悲しくて、涙が止まらなくなりました。
私はお金持ちではありませんが、今まで経済面で不安になった事はありません。たぶん
これからも、当たり前のように生きていけると思います。ですが、それが幸せな事だと、
私は絶対に忘れません。そして、生きている限り、世界中の人が私と同じ幸せを感じられ
るような、そんな未来を目指して歩き続けたいです。
あの時彼女に感じた気持ちを始めの一歩にしたいです。
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