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「達成!」~1 年間の留学を終えて

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「達成!」~1 年間の留学を終えて
「達成!」~1 年間の留学を終えて~
国際関係学部国際教養学科 4 年
北京大学派遣交換留学生
山本桃子
「達成感」1 年間の留学を終えた感想として、この言葉が私は一番似合うと思います。苦
しいこと、楽しいこと、悩んだことなど全てひっくるめて、自分は留学をやり遂げたとい
う気持ちでいっぱいです。
振り返れば、留学前、大学 3 年の後期から始まる留学に対し、たくさんの不安を抱えて
いました。帰国したら就職活動はどうすればよいのか、今まで努力して履修してきた教職
課程を諦めることなく、4 年間で卒業することができるのか、親元を離れ、日本を離れ、慣
れない土地でやってゆけるのだろうか。不安を語ればきりはありません。ですが、それで
も留学を決意したのは、高校生の頃から、大学生になったら留学をしてみたいという願望
がありましたので、大学 4 年間どこにも行かないまま終わりたくないという強い気持ちで
した。
実際に留学生活が始まってみると、留学前に抱えていた不安など、なかったかのように
充実していました。ルームメイトとはすぐに打ち解け、たくさんの外国人と仲良くなるこ
とができました。留学生は基本的に皆明るく、外国語が流暢に話せなくても、こちらに話
す意欲さえあれば、ゆっくりでも、単語が間違っていてもしっかりと聞いてくれます。な
ので、決して話せないから、聞き取れないからといって、会話をすることを途中で諦めな
いでください。私自身も、最初のころはコミュニケーションをとることに苦労しました。
勿論中国語での会話も苦労をしましたが、何より苦労したのは、英語でした。ルームメイ
トがスペイン人だったこともあり、欧米人と出かけることが多々ありました。その際の共
通言語は英語です。留学に来て、初めて世界の共通語はやはり英語なのだなと痛感させら
れました。ですから、日本にいる時にもっと英語の勉強をしておけばよかったなという反
省点もあります。しかし、英語が流暢でなくても、毎日毎日ルームメイトや周りの友人と
英語で会話をしたことで、英語での聞き取りはかなり成長しました。勿論中国語も、かな
り成長しました。留学当初は、学食のおばちゃんの言っていることが全く聞き取れず、学
食を食べるのにも一苦労という時期もありました。ですが、留学生活終盤の時は、学食の
おばちゃんが言っていることは勿論のこと、中国人との授業でのグループ発表や、中国語
のレポートを書くことにも嫌悪感を抱かなくなるまで成長しました。語学を身に付けたい
なら、とにかくノンストップで話してください。聞いてください。これが、語学力を付け
る一番の近道だと思います。
ここまで、語学力を伸ばしたいならひたすら外国人と関わることが大切です。と述べて
きましたが、日本人と適度に関わることも非常に大切だと考えます。実際に、何かあった
時や、就職活動についての質問やアドバイス、どうしようもなく寂しくなった時などは、
やはり日本人に助けを求めていました。また、北京大学に来ている日本人学生は、優秀な
学生が非常に多かったので、日々いい刺激を受けながら、同じ日本人として切磋琢磨する
ことができました。さらに、北京にはたくさんの日本から派遣できている、日系企業の社
会人の方々がたくさんいます。日本では会うこともできない方々と簡単にお会いすること
ができ、様々なことに対して親身になって話を聞いてくれます。社会人の方々には、留学
中大変お世話になりました。私の留学期間が、就職活動の時期と少し重なってしまい、日
本に途中で帰国してインターンや OB 訪問ができないで困っていた際に、社会人の方々が
「北京のオフィスでよければいつでも遊びに来ていいよ」と声をかけてくれたおかげで、
OB 訪問も無事にすることができました。このように、留学中は日本人との関係を完全にシ
ャットアウトするのではなく、適度に関係を持つことが非常に大切であると思います。
次に、私はこの 1 年間、メリハリをしっかりつけて過ごしていたかなと思います。私は、
留学前にプライベートの時間をどのように過ごすか計画をしっかりと立てて出発しました。
計画としては、留学の前半戦は、北京でたくさんの人と出会い、日本文化を伝えるという
計画を立てていました。そのために、私は、北京大学内のサークルに 3 つほど所属し、更
に学外でも日中交流サークルを立ち上げました。これらの活動で、たくさんの人と出会え
たのは勿論のこと、折り紙や、日本の観光地、食文化、踊りや化粧までたくさんの日本文
化を伝えることができました。私の話を興味津々に聞いてくれる中国人学生に、少しでも
楽しくなるような話をしようと、たくさんの工夫や努力も重ねました。毎回イベントが終
わると、一生懸命日本語で話しかけてくれる中国人学生に、何度も日本の魅力を逆に教わ
りました。そして、留学の後半戦はたくさん旅行をしました。冬休み中はフィリピンのマ
ニラで 1 か月の英語留学をし、中国に戻ってからは、福建省、河北省、上海、内モンゴル、
山東省など、全部で 10 地域めぐることができました。旅行をしてゆく中で、たくさんのこ
とを発見しました。北京から離れ、中国の西部に行くにつれ、まだまだ発展途上の地域が
たくさんあり、貧富の差、食生活の差、宗教の違いなど、北京にいたからこそ見えなかっ
た、たくさんの中国の社会問題を目の当たりにしました。一見、東京のように栄えている
北京でさえ、南の方に行けばいつも見るキラキラした北京とは景色が違います。ゴミが街
に乱雑に捨てられ、古い家がたくさん残っています。このように、旅をしたからこそ、い
ろいろな色を持っている中国を、知ることができたと思います。また、フィリピンや中国
旅行の経験から、更に日本を客観視することができました。
最後に、留学を通じて、日本の利便性、環境の良さ、そして安全性など、日本の魅力を
更に知ることができました。また同時に、日本の学生の意欲の低さや、外国人学生が思う
日本人の欠点など、日本の長所も短所も知ることができ、非常に貴重な経験をすることが
できたと思います。また、自分自身の内面も鍛えることができたと思います。留学前は、
冒頭でも申し上げたように、不安がたくさんありました。ですが、実際現地に行くと、自
分は今何をしなければいけないのかが明確に見えてきます。目の前にあることをひたすら
必死にこなしてゆけば、どんな悩みも不安も、知らぬ間に解決することができていました。
留学は本当に人を大きくさせるのだなと感じた一年間でした。
そして、本部派遣留学に行くことを応援してくれ、留学が終了するまで助けてくれた家
族、国際交流室の職員の皆さんと、国際関係学部の国際教育センターの職員の皆さんとゼ
ミの先生、友人、留学中に出会った全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。本当にあ
りがとうございました。これからは、留学で培った様々な能力を活かし、更なるグローバ
ル社会の中で活躍してゆきたいと思います。
内モンゴルの草原にて
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