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最高人民法院による不法出版物の 刑事事件の審理

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最高人民法院による不法出版物の 刑事事件の審理
最高人民法院による不法出版物の
刑事事件の審理における
法律の適用の若干の問題についての解釈
1998 年 12 月 17 日公布
独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)
北京センター知的財産権部編
※本資料は仮訳の部分を含みます。ジェトロでは情報・データ・解釈などをできる限り正
確に記するよう努力しておりますが、本資料で提供した情報などの正確性についてジェト
ロが保証するものではないことを予めご了承 下さい。
最高人民法院による不法出版物の刑事事件の審理における法律の適用の若干の問題につ
いての解釈
(1998 年 12 月 17 日最高人民法院公布 1998 年 12 月 23 日から施行)
法釈(1998)30 号
法に従い不法出版物の犯罪活動を処罰するために、刑法の関連規定に基づき、ここに不
法出版物の刑事事件の審理における法律の具体的応用の若干の問題について以下のよう
に説明する。
第 1 条 出版物に国家の分裂を扇動する、国家の統一を破壊する或いは国家政権の転覆
を扇動する、社会主義制度を覆す内容を掲載し、出版、印刷、複製、発行、配信が明白な
場合、刑法第 103 条第 2 項又は第 105 条第 2 項の規定に基づき、国家分裂扇動罪若しくは
国家政権転覆扇動罪の罪状を決定し処罰する。
第 2 条 営利を目的とし、刑法第 217 条に記す著作権を侵害する行為の 1 を実施し、個
人の違法所得額が 5 万元以上、単位の違法所得額が 20 万元以上の場合は、
“違法所得額が
比較的大きい”に属する。次の状況の 1 に該当する場合、
“その他深刻な情状”に属する。
(1)著作権侵害により行政責任や民事責任をかつて 2 回以上追及されたことがあり、2
年以内にも刑法第 217 条に記す著作権侵害の行為の 1 を実施した場合。
(2)個人の違法事業額が 20 万元以上、単位の違法事業額が 100 万元以上の場合。
(3)その他重大な結果を引き起こした場合。
営利を目的とし、刑法第 217 条に記す著作権侵害行為の 1 を実施し、個人の違法所得額
が 20 万元以上、単位の違法所得額が 100 万元以上の場合、
“違法所得額が膨大である”に
属する。次の状況の 1 に該当する場合、
“その他極めて深刻な情状にある”に属する。
(1)個人の違法事業額が 100 万元以上、単位の違法事業額が 500 万元以上の場合。
(2)その他重大な結果を引き起こした場合。
第 3 条 刑法第 217 条第 1 項に定める“複製発行”とは、行為者が営利を目的とし、著
作権者の許可を経ず、複製、発行する或いはその文字作品、音楽、映画、テレビ、ビデオ
作品、コンピューターのソフトウェア及びその他作品を複製したり、発行したりする行為
を指す。
第 4 条 営利を目的とし、刑法第 218 条に規定する行為を行い、個人の違法所得額が
10 万元以上、単位の違法所得額が 50 万元以上の場合、刑法第 218 条の規定に照らし、権
利侵害複製品販売罪の罪状を決定し処罰する。
第 5 条 刑法第 217 条に定める著作権侵害行為を行い、当該権利侵害の複製品を販売し
た違法所得額が膨大な場合、著作権侵害罪と定め、併合罪を実施しない。刑法第 217 条に
定める著作権侵害行為を行い、他人の権利を侵害する複製品を販売し、犯罪を構成したこ
とが明白な場合、併合罪を実施しなければならない。
第 6 条 出版物において公然と他人を侮辱する又は事実を捏造し他人を誹謗し、情状が
深刻な場合は、刑法第 246 条の規定に照らし、それぞれ侮辱罪、誹謗罪の罪状を決定し処
罰する。
第 7 条 少数民族を差別、侮辱する内容の作品を出版掲載し、情状が低俗で、重大な結
果を引き起こした場合、刑法第 250 条の規定に照らし、出版差別、少数民族作品侮辱罪の
罪状を決定し処罰する。
第 8 条 私利をむさぼることを目的として、刑法第 363 条第 1 項に定める行為を実施し、
次の状況の 1 に該当する場合、猥褻な物品の製作、複製、販売、配信を行ない私利をむさ
ぼった罪とし、処罰する。
(1)猥褻なレーザーディスク、ソフトウェア、ビデオテープを 50 から 100 本以上、猥
褻な CD、録音テープを 100 から 200 本以上、猥褻なトランプ、書籍や雑誌、画集を 100
から 200 冊以上、猥褻な写真や絵葉書を 500 から 1000 枚以上製作、複製、出版した場合。
(2)猥褻なレーザーディスク、ソフトウェア、ビデオテープを 100 から 200 本以上、
猥褻な CD、録音テープを 200 から 400 本以上、猥褻なトランプ、書籍や雑誌、画集を 200
から 400 冊以上、猥褻な写真や絵葉書を 1000 から 2000 枚以上販売した場合。
(3)他人への猥褻な物品の配信が 200 から 500 人以上に達する、若しくはみだらな映
像や画像の組織的な配信が 10 から 20 回以上に達する場合。
(4)みだらな物品を製作、複製、出版、販売、配信し、5 千から 1 万元以上の利益を
得た場合。
私利をむさぼることを目的として、刑法第 363 条第 1 項に定める行為を実施し、次の情
状の 1 に該当する場合、猥褻物品の製作、複製、販売、配信で私利をむさぼった罪の“情
状は深刻である”と認定しなければならない。
(1)猥褻なレーザーディスク、ソフトウェア、ビデオテープを 250 から 500 本以上、
猥褻な CD、録音テープを 500 から 1000 本以上、猥褻なトランプ、書籍や雑誌、画集を
500 から 1000 冊以上、猥褻な写真や絵葉書を 2500 から 5000 枚以上製作、複製、出版し
た場合。
(2)猥褻なレーザーディスク、ソフトウェア、ビデオテープを 500 から 1000 本以上、
猥褻な写真や絵葉書を 5000 から 10000 枚以上販売した場合。
(3)他人への猥褻な物品の配信が 1000 から 2000 人以上に達する、若しくはみだらな
映像や画像の組織的な配信が 50 から 100 回以上に達する場合。
(4)みだらな物品を製作、複製、出版、販売、配信し、3 万から 5 万元以上の利益を
得た場合。
私利をむさぼることを目的として、刑法第 363 条第 1 項に定める行為を実施し、その数
量(額)が前項に定める数量(額)の 5 倍以上に達し、次の状況の 1 に該当する場合、猥
褻物品の製作、複製、販売、配信で私利をむさぼった罪の“情状は深刻である”と認定し
なければならない。
第 9 条 他人へ書籍コード、雑誌コードを提供し、みだらな書籍・定期刊行物を出版し
た場合、刑法第 363 条第 2 項の規定に照らし、他人へ書籍コードしみだらな書籍・定期刊
行物を出版した罪とし処罰する。
他人へ著作権コードを提供し、みだらな音響映像製品を製作した場合、前項の規定に照
らし罪状を決定し処罰する。
他人がみだらな書籍・定期刊行物を出版するのに用いることを知りながら書籍コード、
雑誌コードを提供した場合、刑法第 363 条第 1 項の規定に照らし、みだらな物品を出版し
私利をむさぼる罪とし処罰する。
第 10 条 他人へ猥褻な書籍・定期刊行物、映画、録音録画などの出版物の配信が 300
から 600 人以上に達する場合、又は悪質な社会的影響を引き起こした場合は、“状況は深
刻である”に属するとし、刑法第 364 条第 1 項の規定に照らし、猥褻な物品を配信した罪
とし処罰する。
猥褻な映画、ビデオなどの音響映像製品の組織的な配信が 15 から 30 回以上に達する場
合、又は悪質な社会的影響を引き起こした場合は、刑法第 364 条第 2 項の規定に照らし、
猥褻な音響映像製品を組織的に配信した罪とし、処罰する。
第 11 条 国家の規定に違反し、本解釈第 1 条から第 10 条に規定する以外のその他社会
の秩序に深刻な損害を与え市場の秩序をかく乱するような不法出版物を出版、印刷、複製、
発行し、情状が深刻な場合は、刑法第 225 条第(3)項の規定に照らし、不法経営の罪と
し処罰する。
第 12 条 個人が本解釈第 11 条に規定する行為を実施し、次の情状の 1 に該当する場合、
違法事業行為の“情状が深刻である”に属するとする。
(1)事業額が 5 万元から 10 万元以上である場合。
(2)違法所得額が 2 万元から 3 万元以上である場合。
(3)新聞 5 千部以上又は定期刊行物 5 千冊以上又は図書 2 千冊以上、又は音響映像製
品、電子出版物 500 枚以上の事業活動を行なう場合。
次の情状の 1 に該当する場合、不法事業行為の“情状が極めて深刻である”に属すると
する。
(1)事業額が 15 万元から 30 万元以上である場合。
(2)違法所得額が 5 万元から 10 万元以上である場合。
(3)新聞 1 万 5 千部又は定期刊行物 1 万 5 千冊又は図書 5 千冊又は音響映像製品、電
子出版物 1 千 5 百枚以上の事業活動を行なう場合。
第 13 条 単位が本解釈第 11 条に規定する行為を実施し、次の情状の 1 に該当する場合、
不法事業行為の“情状が深刻である”に属するとする。
(1)事業額が 15 万元から 30 万元以上の場合。
(2)違法所得額が 5 万元から 10 万元以上の場合。
(3)新聞 1 万 1 千部又は定期刊行物 1 万 5 千冊又は図書 5 千冊又は音響映像製品、電
子出版物 1 千 5 百枚以上の事業活動を行なう場合。
次の情状の 1 に該当する場合、不法事業行為の“極めて情状が深刻である”に属すると
する。
(1)事業額が 50 万元から 100 万元以上の場合。
(2)違法所得額が 15 万元から 30 万元以上の場合。
(3)新聞 5 万部又は定期刊行物 5 万冊又は図書 1 万 5 千冊又は音響映像製品、電子出
版物 5 千枚以上の事業活動を行なう場合。
第 14 条 本解釈第 11 条に規定する行為を実施し、事業額、違法所得額又は事業数量が、
不法事業行為の“情状が深刻である”、
“情状が極めて深刻である”の金額、数量の起点基
準に近き、且つ次の情状の 1 に該当する場合、不法事業行為の“情状が深刻である”、
“情
状が極めて深刻である”と認定することができる。
(1)2 年以内に不法出版物の出版、印刷、複製、発行により 2 回以上行政処罰を受け
たことがある。
(2)不法出版物を出版、印刷、複製、発行し悪質な社会への影響又は深刻な結果を引
き起こした場合。
第 15 条 出版物の出版、印刷、複製、発行業務に不法で従事し、市場の秩序を混乱さ
せ、情状が極めて深刻で、犯罪を構成した場合、刑法第 225 条第(3)項の規定に照らし、
不法事業罪とし処罰することができる。
第 16 条 出版単位と他人が事前に共謀し、その販売、貸出し又はその他の方法で当該
出版単位の名称、書籍コード、雑誌コード、著作権コードを譲渡し、他人が本解釈第 2
条、第 4 条、第 8 条、第 9 条、第 10 条、第 11 条に規定する行為を実施し、犯罪を構成し
た場合、当該出版単位に対して共犯とし処罰を定める。
第 17 条 本解釈に言う“事業金額”とは、不法出版物の定価の金額に行為者の経営す
る不法出版物の数量を乗じた所得額を指す。
本解釈に言う“違法所得額”とは、利益額を指す。
不法出版物に定価のない場合又は国外通貨による定価である場合、その単価額は行為者
が実際に販売した価格に基づき認定しなければならない。
第 18 条 各省、自治区、直轄市の高級人民法院は、当該地の状況と社会の治安状況に
基づき、本解釈第 8 条、第 10 条、第 11 条、第 13 条に規定する関連金額、数量基準の範
囲内で、当該地で執行する具体的な基準を確定することができ、最高人民法院へ届出記載
を申し出ことができる。
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