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81号 - 株式会社窪治組
人の和通信 ( 窪治 81号 ) あの「東京スカイツリー」ももうすぐ開業半年を迎えます。すでに「スカイツリー展望デ ッキ」への来場者は 100 万人を超え、商業施設「東京ソラマチ」への 来場者は 1000 万人を超えているそうです。 空気が澄んで見通しの良い 秋の空。天まで届きそうなほ どにそびえ立つ「634mの塔」 の姿にどこか武士の誇らし さを感じるのはわたしだけ でしょうか。それとも 634(武 蔵)という数字のまやかしで しょうか。それはともかくと して東京の景観にしっくりと 馴染んできた塔には、なんと 秋晴れが似合うのでしょう。近くからは勿論のこと、遠くからでも背 景を呑み込み「堂々たる主役」としての存在感があります。まさに絵 になる塔です。そしてこの秋ぜひこの塔を制覇してみたい・・・大げ さですが・・・展望台へ上ってみたいと思っています。そこからは東 京を、いえ関東を一望できるはず。天守閣に上った武将の気分をぜひ 味わってみたいものです。 今から 123 年前。初めて見る、眼下に広がる美しい街の風 景に驚嘆した人々がいました。今まで下から見上げたことし かなかった建物を当時出来たばかりの「世界一高い塔」から 美しいパリの街並みを一望し、その感動に言葉を失ったので した。 それはフランス革命 100 周 年を記念して、1889 年にパリ で行われた第 4 回万国博覧会 のために建造された「エッフ ェル塔」。それに先立つ三年前の 1886 年。コンペティション が開かれました。ここで、最優秀作品のひとつとして選ばれ たのが「ギュスターヴ・エッフェル」の「鉄の塔」。コスト と工期が見合うこともあり建設されるのは「鉄の塔」に決定 しました。 しかし当時ヨーロッパにおいて建造物は「石」が当たり前。 鉄は「卑しいもの」とされていました。そのため建設が始ま ってからも反対する意見が多くと うとう打ち切られることに・・・ そこでギュスターヴ・エッフェル は私財を投げ打って続行したの でした。 その建設は万博に間に合わせるため、2 年 2 か月という驚異的 な速さで行われ、その間 1 人の死者も出さなかったそうです。総 工費は 650 万フラン。建設当時の高さは 312.3m。現在は放送用アンテナが設置されたため、 324m となっています。展望 台は 3 つあり、第 2 展望台ま では階段でも昇ることが出来 ます。 「地上から斜めに上る水 圧エレベーター」など、建設 当時の基本構造は今でも現役 で稼動しています。 右の写真をご覧ください。この細部に至るまでの装飾には 本当に驚かされます。とことんまで手を抜かずに作り上げた ことを物語っています。この装飾、全体のフォルムからも建 造物というより芸術作品といえるのではないでしょうか。そ れに比べ、単にパイプを組み合わせただけのように見えるス カイツリーの外観がどうしても粗野に思えてしまいます。も ちろん強度を考えた上でパイプの太さ、組み合わせ方を考慮 し尽くした上に現代のデザイン性を生かしたものに違いな いのでしょうが。 ところがこんなに美しいエッフェル塔も当時はなかなか 受け入れてもらえなかったようで、こんな話も・・・ モーパッサンはしばしば塔のレストランで昼食をとった。とはいえ彼は塔を好きではなか った。「パリで塔が見えないのはこの場所だけだ」と彼は言ったものだった。 ・・・(ロラン・バルト『エッフェル塔』より)・・・ この話がもとで「エッフェル塔の嫌いなやつは、エッフェル塔に行け」という諺まで生ま れたそうです。 またこんな面白い話も・・・ 1940 年第 2 次世界大戦中ナチスドイツがパリ占領。パリが大好き なヒトラーが早速エッフェル塔に上ろうとした。ところ突然エレベ ーターが故障。やむなくヒトラーは展望台までエッチラオッチラ階 段で上った。エレベーターの故障はその後 1944 年 6 月のパリ解放の 時、ネジをちょっとひとひねりしたらすぐ直ったとか。実はパリ占 領の日、愛国心に燃える技師の一人がちょっと細工したらしいとか。 兎にも角にもエッフェル塔に比べればまだまだ歴史の浅いスカイ ツリー。これからいったいどんな逸話を生み、諺を作り出してくれ るのか見守っていきたいと思います。 窪目修一 編集後記 私のマンションのベランダから見えるんです。昼間だ け。不満なんです。見えないから。だって、秋は夕暮れ・・・ でしょ。・・・なのに、よく晴れた日中はとてもよく見え るのに見えないんです。「粋」も「雅」も全く。ライトア ップが淡すぎるんです。テレビで見るととてもきれいなの だけど・・・おしゃれにし過ぎ!・・・もっとギラギラ、 きらきら、チカチカ、はっきりさせて! じゃあないと飛行機ぶつかっちゃうわよ。アーチ型じゃ あないんだから通り抜けは出来ないし・・・ 渡邉由美子 179-0076 東京都練馬区土支田 4-12-22 鳶・土工・建設業 株式会社 窪治組 TEL 03-3925-1773 FAX 03-3925-1796 Mail [email protected] http://kuboharu.jp