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ソロモン諸島周辺で発生した地震津波の解析結果(暫定版)

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ソロモン諸島周辺で発生した地震津波の解析結果(暫定版)
平成19年4月3日
ソロモン諸島周辺で発生した 地震津 波の解析結果(暫定版)
2007年4月2日にソロモン諸島周辺で発生した地震(Mw8.2)による津波が周辺の
島々を襲い,地震と津波により少なくとも13人の死者が確認されました.東北大学大
学院工学研究科災害制御研究センターでは,この津波の発生規模,津波災害の全貌に
ついて数値シミュレーションにより分析を行っています.シミュレーション結果につ
いて,本日現在の結果がまとまりましたので以下に報告いたします.
※本結果は地震直後の限られた情報により行ったシミュレーションです.今後予告無
しに変更する可能性がありますので,追加情報については本研究室のホームページ等
で確認してください.
問い合わせ先
東北大学大学院工学研究科
災害制御研究センター
津波工学研究室(電話 022-795-7516)
准教授
越村俊一([email protected])
http://www.tsunami.civil.tohoku.ac.jp
本震および余震の位置と断層運動による地盤変動分布(推定)
地震は,オーストラリアプレートと太平洋プレートとの境界面付近で発生して
おり,長さ約 180 キロメートル,幅約 60 キロメートルの断層が約 7 メートルず
れたと仮定する.断層のモデルは,断層走向,傾斜,滑り方向については筑波
大学大学院八木研究室が公開した結果を参考にした.
筑波大学八木研究室:http://www.geo.tsukuba.ac.jp/press_HP/yagi/EQ/20070401/
シミュレーションによる津波高分布(最大:5.9 メートル)
ソロモン諸島ホニアラでの計算津波波形
計算結果についての考察
計算結果によると,発生した津波の規模はソロモン諸島沿岸部で最大約 6 メ
ートルに達している.津波による被害の全貌は未だつかめていないが,震源に
近い Gizo 島,Ranongga 島,Vella Lavella 島,Kolombangara 島では津波による甚
大な被害が予想される.詳細な被災地調査により早期の被災者救援が望まれる.
津波はソロモン諸島首都の Honiara でも約 40 センチメートルの津波が来襲し
たことが予想された(太平洋津波警報センターによる観測報告では約 21 センチ
メートル).
発生した津波は大小多くの島々に阻まれて,太平洋全体に波及することは無
かった.しかし,ニューギニア島からソロモン諸島にかけては,1996 年 Biak 島,
1998 年 Papua New Guinea 島,2000 年 New Britain 島と津波の発生頻度が非常に
高い海域である.この海域でマグニチュード 8 クラスの地震が発生した場合に
は津波が太平洋全体に波及する可能性があるので,注意が必要である.
以上,文責:越村俊一
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