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第21号 - 神戸大学

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第21号 - 神戸大学
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No.21
2010.12.1
神戸港の日本丸(鈴木 肇:生物 10 期)
理学研究科・理学部の庭
ホームカミングデイ
記念式典、ティーパーティ …………………………………………………………
理学研究科・理学部行事 ……………………………………………………………
自然科学研究棟4号館の竣工 …………………………………………………………
理学部サイエンスセミナー ……………………………………………………………
理学部説明会(オープンキャンパス) ………………………………………………
理学研究科長 兼 理学部長から …………………… 研究科長 坂本 博
「教育研究評議会」評議員から
ジャブラニによせて ……………………………………… 評議員 播磨 尚朝
六甲台近辺散策 …………………………………………… 〃 瀬恒潤一郎
理学研究科専攻長 兼 理学部学科長から
数学専攻・数学科 …………………………………………… 専攻長 吉岡 康太
物理学専攻・物理学科 …………………………………… 〃 林 青司
化学専攻・化学科 …………………………………………… 〃 持田 智行
生物学専攻・生物学科 …………………………………… 〃 三村 徹郎
地球惑星科学専攻・地球惑星科学科 ……………… 〃 郡司 幸夫
理学部卒業者・大学院理学研究科修了者 一覧 ……………………………
2
3
6
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8
9
10
11
12
〃
13
14
15
〃
研究への取り組み
強相関スピン系の電子共鳴国際ワークショップの開催 太田 仁
神戸大学の女性研究者支援 ……………………………………… 相馬 芳江
第3回数学ソフトウェア国際会議の開催 ………………… 野呂 正行
溶液中のナノチューブが声をかけると整列する現象発見 津田 明彦
第26回井上研究奨励賞受賞………………………………………… 前川 泰則
小池准教授に函数方程式論分科会第1回福原賞………… 高山 信毅
文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞 ………………………… 矢野 孝次
第15回日本物理学会論文賞受賞 ………………………………… 菅原 仁
第2回分子化学会賞受賞 …………………………………………… 冨宅喜代一
第7回有機合成化学協会関西支部賞を受賞 ……………… 瀬恒潤一郎
第64回日本セラミックス協会賞受賞 ………………………… 内野 隆司
理学研究科・理学部の動き
大学院理学研究科・理学部人事異動 …………………………………………
大学院理学研究科・理学部 教育研究スタッフ 一覧 ……………………
理学研究科 修士論文 題目一覧 …………………………………………………
理学部卒業者および大学院理学研究科 修了者進路 ……………………
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19
〃
20
〃
〃
21
〃
22
22
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24
26
****************************************************************************************
会員の広場
目次
…………………
27
くさの会の館
目次
…………………
42
理 学 部 研 究 科 ・ 理 学 部 の 庭
第 5 回 神 戸 大 学 ホ ー ム カ ミ ン グ デ イ 開 か る
台風が東へ逸れたお陰で、曇り空とはいえ傘を
差さずに六甲台購堂に到着。凌霜会の方々に限ら
ず、思い出深い正面の石段を昇っていると、入学
式、大学祭、クラブ活動に明け暮れた日々が蘇っ
てきます。
記 念 式 典
式典は出光佐三記念六甲
台講堂で午前10時30分から、
NHKアナウンサー朝山く
みさん(1999年 経済学部卒
業)の司会で始まりました。
まず、福田学長か
ら、六甲台講堂(514
名収容)の歴史と多
様な活用歴について
お話がありました。
【講演概要】生田区で生まれて 62 年間、定点
観測をしている(笑)。当時、経営と経済両部の入
学試験が交互に母校の神戸高校で行われていた。
経営学部と決めていたににも関わらず、その年、
経済学部が母校で入学試験となったため、
経済学
部に決めた。大学紛争中で8ヶ月間休講、「信念
をもって行動すれば正しい道を進める」というこ
とを大学で学んだ。
高度成長末期に卒業したため、
ある自動車メーカーに内定していたが、一生、神
戸に戻れないので断った。幸いにも友人から(小
津正次郎氏の息子;法学部 43 年、現阪急バス社
長)、「内の会社で採用してもらえるで」と声を掛
けられ、阪神電鉄に裏口入社した。
その後、村上ファンドに阪神電鉄の株式を 40
数%買い占められ、私は経理担当常務でしたが、
専務の宮崎(1965 年卒業 OB)が先頭に立って、住
友銀行の常務も神戸大学づくしで、灘高・東京大
学閥に対抗し乗り切りました(偏差値は負けてま
すけど)。神戸大学では実務に即した粘り強い教
育を受けていたのであろうと、感謝している。
最近の主なプロジェクトは、
阪神電車難波線の
完成と甲子園球揚のリニューアル(20 億円)、西
九条で止まっていた工事を平成 15 年から再開し、
890 億円と電車代をかけて、難波へ接続。三宮∼
難波(40 分)、難波∼奈良(40 分)、しかも、JR+
地下鉄利用では620円の運賃を400円で抑えたの
続いて、高崎学友会会長
から、「目まぐるしく変化
する大学環境(旧帝国大学
とその他の大学予算の格
差拡大)に置かれている母
校神戸大学を、学友会は応
挨拶される高崎学友会会長
援していきたい。損得、上
下関係なしに集えるホー
ムカミングデイに、本日、
マレーシアやシンガポー
ルから留学生OBも出席さ
れている。」など学友会の
講演される坂井信也社長
役割を語られました。
講演「神戸大学と私∼関西の活性化、鉄道と野球∼」の
講師は、阪神電気鉄道(株)、阪急阪神ホールディングス、
阪神タイガーズなどの代表取締役社長、坂井信也氏 (1970
年、経済学部卒業)で、楽しく拝聴しました。
で利用者が増加。神戸∼奈良のみならず、奈良∼海の街神
戸への乗客も増えている。ただ、神戸観光の焦点が定まら
ない、
と聞いている。
昭和8年築の阪神三宮駅を改築中(入
口増、バリアフリー化等)。皆さんは阪急電車や JR の車体
は良く目にされておられるが、
地下が多い阪神電車の車体
をご覧になることは少なく、
「どんな色?」と聞かれること
もしばしば。昨年度、58,000 人/日の利用があり増収。新
規の事業では普通予想値と実績が乖離し、悪ければ 20%
∼30%、良くて 80%と減収が常であることを考えれば喜
ばしい限りである。阪神沿線には大学、高校が 22 校ある
ことも増収の原因であろう。
最後に、阪神タイガーズのお話をしますと、「真弓をや
めさせろ∼」、「失敗しても笑っている。笑わすな∼」、「何
で、久保を変えさせるんや∼」と、かなり地位の高い方々
からもお叱りを受けている。「50 年来のファンです」と、
ある先生から言われた時には3回しか優勝してないのに、
辛抱強く応援してもらっているものだ、と感謝しました。
放映料がガタ落ちで赤字球団が多いところ、
お陰さまで黒
字3球団の一つが阪神タイガーズ。
地方に比べ全国ネット
は 10 倍以上の放映料、それが減っている。
一方、昔とは違い、阪神の選手の平均年俸は日本一(私
の年俸は最下位)やのに、なんで勝たれへんねん……。ま
して、ドラフトまで引きが弱い。現在、神戸大学卒業生が
80 名(京都大学・大阪大学が 60 名)おります。如意棒のよ
うに線路は短くても、
神戸の活性化に貢献できる会社にな
れるよう、頑張って参ります。
- 2 -
理 学 部 行 事
理学部行事は、午後2時からZ棟
201、202 多目的室で、坂本博学部
長・研究科長の挨拶から始まりまし
た。理学部の沿革、特に 2007 年、大
学院理学研究科博士課程が設置され、
今年3月と9月に後期課程の修了者
を送り出したこと、今年ノーベル化
学賞を日本人2名が受賞された事実
をみても、事業仕分で基礎科学分野
がターゲットにされているが、基礎
科学は長い目で見てほしい、と話された。さらに、広
報委員会が中心となって在学生と OB・OG の交流会とし
て、サイエンス・フロンティア研究会で学生によるポ
スター講演会を企画していること、また、化学科同窓
会の一環として、大西教授(化学)による化学科理化セ
ミナー等が行われました。
神戸大学交響楽団による軍隊行進曲などの演奏で
式典は閉会となりました。
化 学 科 同 窓 会
神戸大学交響楽団による演奏の一コマ
ティーパーティー
午後12時から会場をアカデミア館
一階BELBOXに移し、朝山くみさんの
司会、田中初一学友会副会長の乾杯
で始まりました。
続いて、グリークラブが「神戸大
学学歌」等を合唱、応援団部が創設50周年記念曲「光と
風のハーモニー」を斉唱、そして、応援団による応援エ
ールでパーティーを閉めました。
グリークラブによる合唱の一コマ
化学科同窓会の化学科理化セミナーとして、大西洋
教授(化学専攻、物理化学講座)が、「表面を化学する」
と題して講演された。
まず、皆に紙ヤスリと鉛の塊2個入った袋が配られ
た。鉛の塊の平たい部分をヤスリで磨き、2つを押し
付け合うとくっつく、という作業をやりました。トン
ネル走査顕微鏡で固体表面を映し出すと、原子レベル
での凹凸がわかりました。吸着している物どうしで、
常に動き入れ替わっている様子を動画で見せてもらい
ました。
走査プローブ顕微鏡法と総称される実験法で、
表面研究の発表でした。
最後に、笠原准教授(化学 36 期、修化 24 期)から化
学科の現状として、学生数、卒業状況、等の報告があ
り、終了しました。
応援団による校歌合唱の一コマ
化学科同窓会に出席された方々
- 3 -
サイエンス・フロンティア研究会の発表
在学生によるポスター講演
会は、各人1枚のポスターをパ
ネルに貼り出し、その前で各人
が研究内容を発表していくも
ので、今年が第1回目の試みで
す。数学6名、物理8名、化学
9名、生物6名、地球惑星科学 木下さん、齋藤先生
6名、計 35 名のパネルが並んでおり、私たち OB・OG、
学生は、作成者の発表を聞き、質疑応答。瞬く間に時
間が過ぎ、全部を聞くことができなかったのが惜しま
れます。
各学科の学生によるポスター発表等、学生の積極的
参加により参加者が一体となってホームカミングデイ
を盛り上げました。
理学的基礎研究とあまり関
係のない仕事をしている者に
とっては、現役学生の研究テ
ーマを先輩としてコメントす
るというのは難しいことでし
たが、
刺激的でした。
そして、
懇親会の場で学科(専攻)ごと
の優秀なポスター発表の投票
結果による優秀な発表者(以
ポスター発表:稲垣さん
下7名)が選出され、研究科
長から表彰状と記念品が授与されました。
私自身は、発表内容の学問的価値というより、テー
マの分かり易さとプレゼンテーションの巧さで投票し
ました。そのような決め方をした同窓会参加者も多い
と思いますので、選ばれなかった方もがっかりしない
で下さい。
表彰された方々 左から:木下さん、野原さん、日浅さん、早川さん、中岡さん、北場さん(表彰時稲垣さん不在)
専 攻
入賞者
年 次
学
木下奈保子
修士課程2年
射影曲線上の接続と Higgs 場の具体的表示
物 理 学
野原 弘貴
修士課程1年
鉄系超伝導体 FeSe における NMR による研究
日浅
巧
博士課程1年
原子間力顕微鏡を用いた固液界面における溶液構造の研究
稲垣
尭
博士課程2年
有機金属錯体を用いたイオン液体の開発
早川 昌志
修士課程1年
中岡 礼奈
博士課程2年
北場 育子
博士課程2年
細胞内共生クロレラをもつ原生動物の微細構造
伊豆新島西暦 886 年マグマ水蒸気爆発の噴火様式の研究
―堆積物の定置温度と岩相による考察―
107 万年前に起こった地球磁場の逆転と気候変化
―地球磁場は気候を変えうるか?―
数
化
学
生 物 学
地球惑星科学
懇 親 会
題
目
懇親会には、同窓生約 50 名と学生約 20 名、計 70
名程が集いました。
当日、化学科主催の理化セミナー(講演会)が開催さ
れたことから、化学専攻の笠原准教授が、懇親会の開
会を宣言されました。
引き続き、松田くさの会会長(生物 12 期)の挨拶があ
り、評議員播磨教授による乾杯で幕があきました。
播磨評議員による乾杯の挨拶
乾杯される参加者の方々
- 4 -
また、1 期生の濱村憲克氏(化学 1952 年卒業)から理
学部創立時の思い出話を伺いました。
●
●
一時間余り歓談の後、評議員瀬恒教授から閉会の挨
拶があり、会はお開きとなりました。
● 懇親会の一コマ ●
- 5 -
●
●
自 然 科 学 総 合 研 究 棟 4 号 館 竣 工
さかもと
理学研究科長 坂 本
ひろし
博
理学研究科を含む自然科学系5研究科とそれらの連携
組織である自然科学系先端融合研究環の研究をより一層
発展させるために、2010(平成 22)年3月に8階建ての自
然科学総合研究棟4号館が竣工しました。この新しい総
合研究棟は、自然科学総合研究棟1号館と隣接した場所
に建てられ、自然科学系から選ばれた複数の先端研究プ
ロジェクトが入居しました。
理学系からは、分子フォトサイエンス研究センターを
中心とするもの、バイオシグナル研究センターを中心と
するもの、理学研究科附属惑星科学研究センターを中心
とするものの3つのプロジェクトが入居し、今後の各プ
ロジェクト研究の発展・展開が期待されています。
分子フォトサイエンス研究センター
バイオシグナル研究センター
理学研究科附属 惑星科学研究センター
- 6 -
理 学 部 サ イ エ ン ス セ ミ ナ ー 2 0 1 0
「最先端の科学をわかり易く」
数学、物理学、化学、生物学、
地球惑星科学の5分野における最
新の研究を解り易く紹介する「サイ
エンスセミナー」が 2001(平成 13)
年から始められています。
今年は7月 31 日(土)に神大会
館六甲ホールで開催され、最新の研究を紹介された後、
質疑応答が行われました。
この企画の目的は「科学の面
白さや楽しさ」や「科学と社会の
繋がり」を幅広い世代(高校生以
上)の方々に理解して頂くこと
です。
「最強インフルエンザウイルスは出現するのか?」
生物学専攻 鎌田 真司 准教授
1年前にメキシコで発見された
ブタ由来の新型インフルエンザウ
イルスが、
あっと言う間に世界中に
広がり、
日本でも大騒動になりまし
た。特に、私たちが住んでいる神戸
では初期に感染者が見つかり、休
校となった学校も沢山ありました。幸いなことに、当初
恐れていた程の被害は無く、現在は終息に向かいつつあ
ります。それは、ウイルスそのものが弱毒性であったた
めでした。
しかし、今、更に強力なインフルエンザウイルスが出
現するのではないか、と恐れられているのです。ここで
は、
インフルエンザウイルスについての基本を理解して、
もし、最強ウイルスが現れた時、私たちに何ができるの
か等について解説されました。
「不動点定理とその魅力」
数学専攻 前川 泰則 講師
ある集合からその集合自身への
写像 F を考えたとき、rF(x)=x を満
たすような点を不動点といいます。
このように、
不動点はとても自然な
概念ですが、
数学の様々な分野で重
要な役割を果たします。
それでは、不動点はどのような場合に存在するのでし
ょうか。それに答えるのがいわゆる不動点定理ですが、
講演では、いくつかの不動点定理について紹介され、そ
の魅力に触れられました。
「有機金属イオン液体─金属を含む不思議な液体─」
化学専攻 持田 智行 教授
「塩」は普通高融点ですが、室温
で液体の「塩」が近年注目を集めて
います。
こうした塩が「イオン液体」
です。自由な分子設計が可能で、電
気を通す、蒸発しない、引火性がな
い、などの特徴があります。私たち
は最近、金属を含むイオン液体 (有機金属イオン液体)
を開発しました。これらは金属を含むため、液体状態で
磁性を示すなどの特徴があります。これらの物質系の特
徴と展望について紹介されました。
「強相関電子系化合物の純良単結晶育成と dHvA 効果によ
るフエルミ面の研究」
物理学専攻 菅原 仁 教授
ドハース・ファンアルフエン
(dHvA)効果はフエルミ面や有効質
量などの金属の電子状態を調べる
最も強力な実験手段です。
純良単結
晶育成により可能となった、
充填ス
クッテルダイト化合物や最近話題
となっている鉄系超伝導物質の dHvA 効果測定について
紹介されました。
「金星大気の不思議」─金星探査機[あかつき]へ向けて─
地球惑星科学専攻 林 祥介 教授
金星の自転周期は 243 日。
一方、
金星の大気雲層が金星を一周する
のは約4日。
速度に直すと金星惑星
表面の赤道での回転速度の約 60 倍
の速度で大気は西向きに流れてい
ることになります。
先日打ち上げら
れた金星探査機「あかつき」が解明をめざす、金星大気高
速流の謎について、地球大気との対比をまじえつつ、解
説されました。
*************** **
高校生からご高齢
の方まで93名の参加
があり、
セミナー終了
後、
坂本研究科長によ
修了証書を授与
る修了証書授与式が
行われました。高校生・一般の参加者からは、解説がわ
かりやすく面白かった、今後もぜひ参加したい、などの
感想や意見が寄せられました。また、もう少し詳しく聞
きたいのでセミナーを2日間にしてほしいなどの要望も
多くありました。サイエンスセミナーは諸般の事情によ
り今年より1日のみの開催となりましたが、基礎科学の
面白さや大切さを皆さまに少しでもご理解頂けるよう、
時間配分や講演内容について検討されるとのことです。
- 7 -
理 学 部 説 明 会 ( オ ー プ ン キ ャ ン パ ス ) 2 0 1 0
全 体説 明会
理学部では、高校生の皆
さんが理学部の教育研究
施設・設備あるいは雰囲気
などに、じかに接すること
によって、理学部とはどの
ようなところか、どのよう
な教育研究をしているのか、理学部へ進学するにはどの
ような準備をすればよいかなど、正しく認識して頂き将
来の進路決定の参考に資するよう、理学部説明会(オー
プンキャンパス)を開催しております。
物理学科
化学科
今年は8月6日(金)、猛暑の中、午前 282 名、午後 284
名の皆さんが参加されました。神大会館六甲ホールでの
全体説明会では、坂本理学研究科長から理学部の概要お
よび入試についての説明があり、評議員、各学科長が紹
介されました。
生物学科
学科別 説明 会
その後、高校生および父兄も含め約 600 名の参加者は
各学科に分かれ、学科説明・研究室見学等を行い、概要
説明、模擬授業や施設・設備見学、また、理学部や自然
科学系先端融合研究環の教室や実験室で、教員や大学院
生の説明を熱心に聞いていました。以下に各学科の説明
会の様子(一コマ)をご紹介いたします。
数学科
地球惑星科学科の実験・展示
- 1 -
理 学 研 究 科 長 兼 理 学 部 長 か ら
さかもと
理学研究科長 兼 理学部長 坂 本
1.大学をとりまく状況について
すでに前回ご報告しましたが、昨年度で国立大学が法
人化して最初の6年が経ち、私たち理学研究科・理学部
は全体として比較的高い評価を受けたと思っています。
ところが、
既に新聞報道等でご存じかもしれませんが、
今年度から法人化第2期目としての6年間が始まったと
ころで、いきなり国立大学を支えている国からの運営費
交付金を相当程度削減するとの政府の方向性が打ち出さ
れ、これからどうなるのか予想もつかない状況になって
います。
もし運営費交付金が大幅に削減された場合には、教育
研究費を削減するとか授業料を上げるなどの措置をとら
ざるを得ず、教育研究の質の低下や学生の経済的負担の
増加につながることになり、この国の高等教育の存立基
盤を揺るがす一大事になります。
私たち大学人としてはこのようなことがないように祈
るばかりですが、この難局を乗り切るためには社会全体
からの国立大学へのご理解とご支援が欠かせないと思い
ますので、同窓会の皆様におかれましてもどうぞよろし
くお願いいたします。
2.研究活動について
昨年のくさだより執筆以降、理学研究科教員が中心と
なって以下の国際研究集会が神戸大学で開かれました。
2009(平成21)年8月31日∼9月2日に神戸大学百年記念
館で、国際会議「Physics in collision 2009」(粒子衝
突の物理国際会議) が開催されました。
この会議は、素粒子物理学、特に高エネルギー加速器
を用いた実験を中心に、宇宙物理などの関連分野を含め
て最新の実験結果を議論するもので、
過去 28 回の歴史を
誇ります。開催には物理学専攻の川越清以教授を中心と
した教員が尽力しました。
2009 年 11 月8日∼9日に神戸大学瀧川記念学術交流
会館において、国際ワークショップ「Electron Magnetic
Resonance of Strongly Correlated Spin Systems」が開
催されました。このワークショップに関連して、引き続
き 11 月 10 日∼12 日に第 48 回電子スピンサイエンス学
会年会が神戸大学百年記念館と瀧川記念学術交流会館に
おいて開催されました。両会議の開催には分子フォトサ
イエンス研究センターの太田仁教授を中心とした教員が
尽力しました。
2009 年 12 月7日∼9日に瀧川記念学術交流会館にお
いて国際研究集会「Mathematical Analysis on the
Navier-Stokes Equations and Related Topics, Past and
Future - In memory of Professor Tetsuro Miyakawa」
が開催されました。
この集会は 2009 年2月に御逝去され
た宮川鉄朗先生[1997(平成9)年から2002(平成14)年まで
ひろし
博
神戸大学理学部数学科教授] の追悼
として開かれたものです。開催には
数学専攻の教員が尽力しました。
2010(平成22)年9月13日から一週
間、神戸大学理学研究科のZ棟で、
3rd International Congress On
Mathematical Software (ICMS 2010
Kobe) が開催されました。これは4年に一度開催される
数学ソフトウエアに関する総合的な国際研究集会で主要
な数学ソフトの開発者が一同に集まります。我々の身の
回りでは数多くの数学アルゴリズムが動作していますが、
この集会で議論するのは数学研究の最先端のソフトウエ
ア化です。開催には数学専攻の高山信毅教授を中心とし
た教員が尽力しました。
また、研究活動による成果が認められて下記のような
受賞がありました。数学専攻では、前川泰則講師(現・
准教授)が第 26 回井上研究奨励賞を受賞しました。これ
は前川講師の博士論文「非圧縮性粘性流体とその周辺の
解析的研究」が評価されてものです。また、矢野孝次准
教授が「周遊理論に基づく極限定理の研究」の業績によ
り 2010(平成 22)年度科学技術分野の文部科学大臣表彰・
若手科学者賞を受賞しました。さらに、小池達也准教授
が「完全 WKB 解析を用いた微分方程式の研究」の業績に
より日本数学会・函数方程式論分科会・第一回福原賞
(2009 年度)を受賞しました。
物理学専攻では、菅原仁教授が第 15 回(2010 年)日本
物理学会論文賞を受賞しました。受賞論文は、充填スク
ッテルダイト化合物の純良単結晶を用いた磁場中での電
気抵抗や比熱測定から、磁場に鈍感な重い電子状態を初
めて見いだしたものです。
化学専攻では、瀬恒潤一郎教授が大環状ポリピロール
誘導体の合成と捻れたπ共役構造に基づく分子機能の業
績に対して、第 7 回有機合成化学協会関西支部賞を受賞
しました。また、内野隆司教授が電子構造制御による典
型元素酸化物の新規光機能の創出の研究により、第 64
回(2009 年度)日本セラミックス協会賞学術賞を受賞し
ました。さらに、2010 年 3 月に退職された冨宅喜代一名
誉教授が気相クラスター分光による構造と反応機構の分
子科学の先導的研究の業績が認められ、第 2 回(平成 22
年度)分子科学会賞を受賞しました。
3.教育活動について
2007(平成 19)年度に理学研究科が発足して9月で3年
半が過ぎ、今年の3月と9月には理学研究科発足後はじ
めての博士後期課程修了者をそれぞれ 21 名
(内4名は自
然科学研究科理学系)
と2名送り出すことができました。
改組によって完成した学部、大学院前期課程、後期課
- 9 -
程の一貫教育がようやくここまで来たかと感慨深いもの
があります。これからも教員一同で力を合わせて理学教
育の充実をはかり、卒業・修了後に社会で大いに活躍す
る人材を育てていきたいと考えています。
4.おわりに
最近はいわゆる「事業仕分け」が前面に出てきて、成
果のないものには税金をつぎ込むな、という風潮が強ま
っているように思います。もちろん、大切な税金を原資
とした国の予算は慎重な評価によって個々の事業に配分
すべきことは当然なのですが、一方で短期的な費用対効
果の尺度を学術にそのまま適用しては大変まずいのでは
ないかと思います。学術の振興には長期的な視点が必要
であり、この国の将来の姿と関連づけた国民のコンセン
サスが形成され、それに基づいて学術に対して適正かつ
継続的な予算が配分されることが重要だと思います。学
術の主要な担い手である私たち大学人は、そのような国
民のコンセンサス形成に向けてこれまで以上に努力しな
ければならないと痛感しているところです。
「 教 育 研 究 評 議 会 」評 議 員 か ら
ジャブラニによせて
はりま
ともひさ
評議員・副研究科長 教授 播磨 尚 朝
評議員3年目を迎えた播磨です。
同窓会誌に向けた文章は現在の理
学部・理学研究科の動向などをお知
らせするのが本来の役目かもしれ
ませんが、
それらは研究科長や各専
攻長の皆さんにお任せし、
例年通り
研究にまつわる気ままな文章を書
かせて頂きます。ここで取り上げ
る話題はある研究プロジェクトのニュースレターに掲載
したものとほぼ同じ内容のものです。
さて、今年の6月には4年に一度のサッカーワールド
カップが南アフリカで開催されました。その開幕試合を
観ていて、何とも不安な気持ちが芽生えました。どうも
せ
ボールがおかしい。その不安な気持ちに急き立てられ、
翌日、三宮のサッカーショップまで足を運びました。そ
うか、Td だったのか。それは、長いサッカーの歴史で、
ボールが反転対称性を失ったことを確認した瞬間でした。
これは大事件なのではないでしょうか。
サッカーの初期のボールはラグビーボールの様な革の
貼り方のボール(革の枚数を n として、Dnh?:これらの
記号は点群を表わす記号です)もあったようですが、現
在ではバレーボールで見られるような 18 枚
(場合によっ
ては 12 枚)の細長い革を縫い合わせたものが 1960(昭和
35)年代位まで使われていたようです。ここですでに Th
の対称性になっています(Th というのは4回対称軸を持
たない立方対称性の点群の1つです。これについては、
「日本物理学会第 11 回論文賞の受賞によせて」
:くさだよ
り No.17 Ⅱ-1(2006)も参照して下さい。
)その後、切頂
二十面体と呼ばれる正五角形 12 枚と正六角形 20 枚が組
み合わさった(フラーレンと呼ばれる C60 と同様の形の)
ボールが使われるようになり、1970(昭和 45)年のワール
ドカップメキシコ大会から公式試合球として使われてい
たようです。
1974(昭和 49)年の西ドイツ大会以降 1998(平成 10)年フ
ランス大会までボールの名前は変わるものの、デザイン
はほぼ同じで切頂二十面体のボールが使われています。
2002(平成 14)年の日韓共同開催の大会では、フィーバー
ノヴァと呼ばれる新デザインのボールが使われています
が、革の構成は切頂二十面体であり、ここまで Th 対称性
であることに変わりがありません。
大きな変化があったのが 2006(平成 18)年のドイツ大会
であり、チームガイストと呼ばれるプロペラ状のパネル
6枚とローター状のパネル8枚の計 14 枚の革で構成さ
れているボールが登場しました。ローター状のパネル8
枚は4つの3回軸の両端に、プロペラ状の6枚のパネル
は対となり直交する3つの2回軸を構成しており、基本
的に切頂二十面体と同じです。従って、対称性は同じ Th
でありTh を構成する革の枚数はこれ以上減らせないよう
に見えます。
このチームガイストというボールの対称性は従来と同
じなのですが、パネルの枚数が減った事もあって、Th の
対称性がより解り易くなっており、この対称性を持つス
クッテルダイトと呼ばれる結晶構造を解説するために、
チームガイストをよく使います。
ところが、です。2010(平成 22)年の南アフリカ大会の
公式球のジャブラニは Td です。Th と Td はどちらも Oh の
部分群であり位数(対称操作の数)は 24 です。上述の様
に Th を構成する革の枚数は 14 枚が最低でしょう。しか
し、反転対称性をなくしたジャブラニは8枚です。正四
面体はTd であるので実際は4枚でもTd を表現できますが、
それでは角が立ち過ぎるので8枚は仕方がないかもしれ
ません。はてさて、3次元の立体(球)を表現しようと
すると反転対称性を無くしたTd が究極の対称性になるの
でしょうか。
実は、最近、私たちの研究分野では、Th のスクッテル
ダイトから Td の対称性を持つパイロクロア化合物や 1-2
−20 と呼ばれる化合物に関心の中心が移りつつあります。
6月に出席した国際会議のポスターセッションでも、そ
の対称性の違いを強調したものが幾つかありましたが、
サッカーボールの対称性の変化に気がついた方はいませ
んでした。偶然とは言え、サッカーボールの対称性の変
化を用いて研究動向の変化を説明することができますの
で、より印象に残る説明が可能になります。もっとも、
- 10 -
サッカーボールは科学研究費などの申請の説明には使え
ないとは思いますが。
さて、4年後のワールドカップのサッカーボールはど
んな対称性を持っていて、その時にはどの様な対称性を
持っている物質が研究の中心になっているのでしょうか。
今から楽しみにしたいと思います。
六 甲 台 近 辺 散 策
せ つね じゅんいちろう
評議員・副研究科長 教授 瀬 恒 潤 一 郎
小生が本学に転任してきたの
は 1989(平成元)年4月ですから、
かなりの歳月が経過し、
この間、
文理農学部のキャンパスも大き
く変貌しました。
この春には自然科学総合研究
棟1号館の西側に4号館が竣工
し、理学研究科の幾つかの研究
室も移転しました。各学部学舎の改修や研究棟の新築が
行われてきましたので、1989(平成元)年当時そのままの
建物を探すのは難しいくらいです。震災で大きな変化は
ありましたが、キャンパスを一歩出れば皆様が在籍され
た当時と変わっていない興味深い場所が多くあります。
ここでは折りに触れ、眺めてきた六甲台キャンパス周辺
の景色のいくつかをご紹介したいと思います。
自然科学総合研究棟3号館が建つまでは、自然科学系
図書館と工学部の間の広場は球技には格好のグラウンド
でした。ここで研究室対抗ソフトボールの試合をされた
方も多いのではないかと思います。地図を見ると、ここ
は谷筋にあたり、水路がグラウンドの西側を通っていま
す。六甲越えのバス道に沿って下ってきた水路は学生会
館あたりから西へそれ、馬場の西側を回り込んで、現在
のウリボーロードに沿って自然科学図書館の東側を南下
しています。
この辺りでは水の流れは目視できませんからおそらく
は暗渠になっているはずです。その先はグラウンド南側
の崖に出て、東へ向きを変えて流れ下り、堰堤を越えた
後、民家の間の水路を流れて高羽小学校の西側に出てき
ます。これが高羽川ですが、他の河川に合流すること無
く海まで続いています。
高羽小学校のすぐ南にはクスノキの大木がある高羽丹
生神社があり、このクスノキにはアオバズクが毎年営巣
しているという話を聞きましたが、今はどうかわかりま
せん。全国に多くある丹生神社は水銀鉱業との深い関わ
りがあるとされています。
実際、新神戸から一駅の谷上あたりは丹生山田の里と
呼ばれ、その地域にある丹生神社は水銀を扱う渡来人の
足跡を残しているとか。その近隣には見晴らしの良い露
天風呂のある温泉があり、そこを訪れた際に丹生という
地名が気になっていました。高羽川に隣接している高羽
丹生神社は水銀というよりは水の神を祀るということで
す。
神社の南側から階段を左手に下ると高羽川ですが、高
い樹々に覆われて日中でも暗く涼しげな雰囲気が漂いま
す。阪急の線路を越えてすぐのところにある狭い階段を
降りると高羽川公園にでます。ここは住宅地の中にあり
ながら鬱蒼とした木々に囲まれた山中の深い谷筋の気配
を色濃く残している不思議な空間ですが、数百年前のこ
の地域の面影を見るような気がします。
ここを抜けると高羽川は道路脇の側溝に姿を変え、山
手幹線を越えて南下していきます。もしも、この駄文に
従って散策する方がいらっしゃるとすれば、大和公園の
南端で高羽川と別れて左折し、東に見える「ゆ」の看板
を目指して進んでください。かけ流しの天然温泉で疲れ
をいやす事ができます。
一方、六甲台南口バス停西側の交差点から北に六甲ケ
ーブル方面に 15 分程度歩くと亀の形をした大きな石が
道路の西側に見えてきます。ここが大土神社ですが、境
内が石垣で囲まれているせいか、城跡のような雰囲気が
あります。神社のすぐ西側は六甲川ですが、河原に下り
る遊歩道が整備され、川遊びには絶好のポイントになっ
ています。このあたりの河原は開けていて、5 m 位の高
さの段差を川幅一杯に水が流れ落ちてくる所に 10 m 四
方程度で深さ 1 m 弱のプールが作ってあり、夏休み快晴
の昼下がりには子供たちの歓声が上がる楽しい場所です。
大土神社の別社が文理農キャンパスのすぐ近くにあり
ます。ここは六甲台南口バス停から西側へ交差点の向こ
うに見える場所で、六甲川の対岸になります。晩秋にこ
この銀杏の大木が黄色に色づく様は大変美しいものがあ
ります。その大きさもさることながら、華麗な枝振りが
印象的で、小生の HP にも掲載したことがあります。
それなりの敷地に鳥居と小さなお堂があるだけの簡素
な場所ですが、高い樹々に囲まれて気持ちの良いところ
です。大土神社別社に至る六甲川の歩道橋を渡って西に
200 m ほど進むと篠原厳嶋神社の看板が見えてきます。
大きくはないが、きれいに整備された石段の上に鳥居が
見え、境内能書には平清盛や安徳帝の名前も見えます。
阪急六甲駅の南に隣接する六甲八幡神社はどなたもご
存知でしょう。本殿は奈良の春日神社(春日大社の旧称)
から移築されたものであるとか。龍の全身像の手水口は
立派なもので一見の価値があります。日が暮れた後、灯
籠に明かりの入った参道を通るとタイムスリップした気
分になります。
参道の南端を右折して六甲小学校の南側の道を西に
200 m 程進むと春日神社があります。この神社も奈良の
春日大社と深いつながりがあるそうですが、兵庫県文化
財に指定されている「神前の大楠」というクスノキの大
木があります。通勤通学途中や仕事や授業の合間のちょ
っとした気分転換や運動不足解消の際にご参考にして頂
ければと思います。
- 11 -
理 学 研 究 科 専 攻 長 兼 理 学 部 学 科 長 か ら
専攻長兼学科長 左から:吉岡教授、林教授、持田教授、三村教授、郡司教授
数学専攻・数学科
よしおか
こうた
数学専攻長 兼 数学科長 吉 岡 康太
数学専攻・数学科教員の異動からお知らせします。昨
年 10 月に構造数理講座助教に着任した原下秀士氏が半
年後の4月付で横浜国立大学大学院環境情報研究院に准
教授として転出されました。その後任の助教として現在
エコール・ノルマル・シュペリウール数学教室所属
SEDIGA プロジェクトポスドク研究員の山川大亮氏が 10
月付で着任されました。また、本年1月付で矢野孝次講
師が応用数理講座准教授に、10 月付で前川泰則講師が解
析数理講座准教授にそれぞれ昇任しました。
次に、受賞に関してですが、本年2月に前川泰則講師
が第 26 回井上研究奨励賞を受賞されました。
これは前川
講師の博士論文「非圧縮性粘性流体とその周辺の解析的
研究」が評価されたものです。また、4月に矢野孝次准
教授が、
「周遊理論に基づく極限定理の研究」の業績によ
り、2010(平成 22)年度科学技術分野の文部科学大臣表
彰・若手科学者賞を受賞しました。
本年も多くの教員が短期、長期にわたり海外での研究
を行なっています。その内のいくつかを紹介しますと佐
藤進准教授は JSPS の優秀若手研究者海外派遣事業に採
用され、
3月 31 日から半年間米国の南フロリダ大学にお
いて曲面結び目の研究を、また、谷口隆講師は JSPS の海
外特別研究員制度に採用され、4月より2年間米国のプ
リンストン大学において概均質ベクトル空間のゼータ関
数に関する数論的研究を行ないます。他にラスマン教授
が本年 11 月から3ヶ月間イギリスのバース大学に滞在
し、離散極小曲面についての共同研究を行います。
本年は4年に1度開催される国際数学会議の年でした。
本会議以外にも各専門分野の会議が多く開かれ、通常で
すと当専攻からも多く参加されるのですが、今回はイン
ドの地方都市であったためか、当専攻からはそれほど多
く参加されなかったようです。
私もアクセスの悪さと夏の暑さなどで参加を見合わせ
ました。ただ暑さに関して参加者の一人が言うには、確
かに暑かったが神戸の方が暑く感じたそうです。大変意
外に思いましたが、猛暑の記録を塗り替えたとのニュー
スを聞き納得しました。
その他、教育研究の支援体制に関しては昨年9月より
専攻事務補佐員1名が配属され、また学科事務室と図書
事務室の一体化および学生・院生のレポート返却ボック
スの充実などが行われ、
支援体制の強化が図られました。
その他の活動については数学専攻・数学科ホームペー
ジ(http://www.math.kobe-u.ac.jp/index-j.html)をご
覧下さい。今後とも同窓会の皆様にはご理解・ご支援を
よろしくお願いします。
物理学専攻・物理学科
りん
せいじ
物理学専攻長 兼 物理学科長 林 青司
まず、教員の異動ですが、粒子物理学講座の教授とし
て東京大学宇宙線研究所より竹内康雄先生が4月 16 日
付で着任されました。竹内先生は宇宙線研究所ではスー
パーカミオカンデ検出器を用いた太陽ニュートリノ検出
とその物理解析(ニュートリノ振動のパラメータの決定)
等で中心的な役割を果たされていましたが、神戸大学で
は主に、今話題の暗黒物質(ダークマター)の直接探索実
験である XMASS 実験で活躍されることになります。
また、前回の「くさだより」で既にお知らせしました
が、物性物理学講座においては、電子相関物理学、極限
物性物理学、電波物性物理学の3教育研究分野から、極
限物性物理学、低温物性物理学、電子物性物理学、量子
ダイナミクスの4教育研究分野への再編成が、また、理
論物理学講座でも、物性理論系の教育研究分野で物性理
論、量子物性論への再編成が行われ、4月より新体制で
正式にスタートしております。
次に、
物性物理学講座の菅原仁教授が第15 回(2010 年)
日本物理学会論文賞を受賞しました。受賞論文は充填ス
クッテルダイト化合物 SmOs4Sb12 の純良単結晶を用いた
磁場中での電気抵抗や比熱測定から、磁場に鈍感な重い
電子状態を初めて見いだしたものです。
理論物理学講座では、教員、院生の最新の研究成果に
関する記事が幾つか日本物理学会の会誌に掲載されまし
た。まず、坂本眞人助教が自身の研究成果も含め「話題:
ローレンツ対称性は真の対称性か?」
を 2010 年6月号に
執筆しています。これは素粒子理論において難問である
重力の量子化に関する最近話題となっている発展を紹介
するものです。また、7月号には素粒子理論研究室で推
進している「ゲージ・ヒッグス統一理論」の研究におけ
る最新の成果が共同研究者の中央大学・丸信人氏により
「最近の研究から: 高次元時空から見た CP 対称性の破
- 12 -
れの起源」として報告されています。
粒子物理学講座の話題では、CERN(ジュネーブ)研究所
の世界最高エネルギーの陽子・陽子衝突型加速器 LHC が
設計値の半分の重心系エネルギー7(TeV)で、この3月よ
り本格的な稼働を始めました。粒子物理学研究室は LHC
における国際共同実験アトラスに参加しています。
また、
新たに東海村に完成した J-PARK 加速器を用いた
ニュートリノ振動実験 T2K にも参加しており、更に、上
述の暗黒物質探索のための XMASS(エックスマス)が、岐
阜・神岡の鉱山跡にほぼ完成し、来春にも観測を始める
予定となっています。これらの実験から新たな知見や発
見が得られると期待されています。
物性物理学講座のその他の話題としては、本誌掲載の
国際ワークショップ EMRSCS200 が、分子フォトサイエン
ス研究センターの太田仁教授を Chairman として開催さ
れました。また、引き続き、神戸大学百年記念館と瀧川
記念学術交流会館で、
第 48 回電子スピンサイエンス学会
年会(大会委員長:太田仁教授)が、11 月 10∼12 日の日
程で開催され、210 名余りの出席者と 150 余の発表があ
り、大盛況でした。
今年も「物理学専攻談話会」を開催しています。他学
部・他専攻の方、同窓会の方も奮ってご参加下さい。特
に、最近の談話会 (下表) では物理学専攻を修了し活躍
されている方々を講師にお招きしました。
6月
「60テスラパルスマグネットを用いた強磁場物性研究」
25 日
木村尚次郎 氏 (大阪大学・極限量子科学研究センター)
7月
5日
10月
22 日
「J-PARC加速器の現状と今後」
石井 恒次 氏 (高エネルギー加速器研究機構)
「宇宙の始まりと星の終わり
―超高温・超高密度・超高エネルギーの物質世界―」
橘
基 氏 (佐賀大学理工学部物理科学科)
物理学専攻の教員一同、優れた研究成果の発表と、そ
れに基づく熱意を持った教育に今後とも努力して参りた
いと考えております。同窓会の皆様のご理解、ご協力を
何卒よろしくお願い致します。
化学専攻・化学科
もちだ
ともゆき
化学専攻長 兼 化学科長 持田 智 行
化学専攻・化学科では、2010(平成 22)年3月をもちま
して、姫野貞之教授(無機化学/溶液化学分野)、冨宅喜代
一教授(物理化学/反応物理化学分野)が定年を迎えられ
ました。本学における長年の教育・研究活動に対して敬
意を表します。なお冨宅名誉教授は、JST 先端機器開発
プロジェクトの研究代表者として、気体の核磁気共鳴装
置の開発を今年度まで継続されています。また、網井秀
樹准教授(有機化学/有機反応化学分野)が、
群馬大学工学
系研究科教授として転出されました。新天地でのご活躍
をお祈りします。
以上の先生方の定年、転出に伴い、来春の着任を目指
して3件の採用人事(有機化学、無機化学、化学全分野)が
進行中です。専攻内では、内野隆司准教授(無機化学/固
-
体化学分野)が教授に昇任され、
大学院連携講座に坂田修
身准教授(財団法人高輝度光科学研究センター)が新たに
加わられました。ますますの連携を期待しております。
次に受賞ですが、瀬恒潤一郎教授(有機化学/分子機能
化学分野)が第 7 回有機合成化学協会関西支部賞を、
内野
隆司教授(無機化学/固体化学分野)が第 64 回日本セラミ
ックス協会賞学術賞を、冨宅喜代一名誉教授が第2回分
子科学会賞を受賞されました。加えて、大西洋教授(物理
化学/物性物理化学分野)が日本表面科学会のフェローに
選出されました。学会等における学生の受賞も複数件あ
り、
教員、
学生共々学内外で顕著な業績を挙げています。
一方学内でも、学内外から講師をお招きしての学術講
演会、セミナーが随時開催されています。これらの状況
については化学専攻の HP(http://www.chem.sci.kobe-u
.ac.jp/)をご覧ください。
筆者も「若手研究者のための英
語論文作成講座」 他を企画、多数の熱心な学生の参加を
みました。
6月には、
本学で神戸大学、千葉大学、金沢大学、岡山大
学、新潟大学、熊本大学、奈良女子大学、お茶の水女子大学
の8大学化学科長・化学専攻長会議が開かれ、大学の現
況について意見交換をしました。入試・学生指導・進学・
就職状況のいずれも、本学は極めて良好です。
本専攻の大学院入学定員は、博士前期課程(修士)が 28
名、博士後期課程(博士)が6名です。学部生の9割は修
士に進学し、修了後も専門性を生かした職に就いていま
す。修士修了者の2割弱はさらに博士課程に進学し、先
導的な研究を担い、国内外の学会でも幅広く活躍してい
ます。昨今の不況下にあっても大学院生の就職状況は良
好です。同窓会の皆様方のお力添えに感謝いたします。
5月と6月には、他大学からの院進学希望者を主な対
象としたオープンラボ見学会を開催しました。研究室見
学も随時受付ています。今年度の大学院入試は学内外か
ら多数の受験者があり、学部3年次編入試験の受験者も
益々増加傾向にあり、
いずれも本専攻の認知度の高さと、
化学への関心の高まりを反映したものです。
例年7月に行われる理学部サイエンスセミナーでも、
理学的研究・学術研究のあり方を一般向けに紹介してい
ます。化学は学際領域を取り込みつつ進化・深化を重ね
てきた学問であり、物質の性質・変化の解明と、新物質
の創出を標榜しています。こうした背景を踏まえつつ、
本専攻では筆者が
「有機金属イオン液体 ―世界を変える
驚異の液体―」と題した講演を行いました。同窓生の皆
様も是非こうした行事にも足をお運び下さい。
以前の本誌にもご指摘がありましたように、本学は学
科定員が少なく、スケールが小さい感がありますが、少
人数教育を生かした高度な専門教育に取り組める点は大
きな利点です。
また、本学は関西圏での知名度とは裏腹に、関東 (全
国区) での認知度は低いようです。このような課題も認
識しつつ、今後の教育研究を展開します。化学科・化学
専攻のさらなる発展のために同窓生の皆様の変わらぬご
支援とご指導を、どうぞよろしくお願いいたします。
13 -
生物学専攻・生物学科
みむら
てつろう
生物学専攻長 兼 生物学科長 三村 徹 郎
生物学専攻・生物学科の近況についてご報告します。
昨年度3月末を持って、鶴見誠二教授が定年退職されま
した。鶴見先生は研究基盤センターRI 部門に所属される
と共に、兼務教員として生物学科・生物学専攻の教育、
研究にもご参加頂いてきました。3月9日には先生の最
終講義とパーティが催され、在学生、神戸大教職員の他
に、鶴見研卒業生も多数集まられて旧交を温め、楽しい
一時を過ごすことができました。鶴見先生は、夏前から
数ヶ月、オーストラリア・タスマニア島の共同研究者の
研究室に滞在され、実験を楽しまれていると伺っていま
す。また、この9月末でバイオシグナル研究センターの
高橋美樹子講師が帝京平成大学薬学部教授として、連携
教員で理化学研究所所属の澤斉教授が国立遺伝学研究所
教授に栄転されました。
一方、4月から新しく生物多様性講座に朝倉彰教授が
千葉県立博物館から着任されました。朝倉先生のご専門
は甲殻類の分類・生態学で、早速3年生の野外実習で小
菅先生と共に西表島まで学生を連れて行って頂きました。
さらに、6月から、生体分子機構講座に森田光洋准教授
がアメリカ・ニューメキシコ大学から着任されています。
森田先生のご専門は神経生理学です。このように、生物
学専攻の構成員はどんどん入れ替わっていますが、それ
はとりもなおさず研究活動が活発に行われている証拠で
もあると言えます。
生物学専攻・生物学科の教員は現在、
連携講座6名の先生を含め、34 名となっています。
さらに、生体分子機構講座で准教授(または講師)1名
の人事選考が進んでいます。この人事は神戸大学が今年
科学振興調整費として採択された「女性研究者養成シス
テム改革加速」事業に基づくもので、生物学専攻として
初めて女性のみを対象とした公募で行われました。
女性の社会進出が最も遅れていると言われる大学(そ
れでも生物学専攻には6名の女性教員が所属、学内でも
女性比率は最も高い)にも時代の風が吹き込み、今後は
教員の男女比も大きく変化するものと思われます。
また、
昨年 10 月から理学研究科事務に事務分室制度(各専攻一
名)ができ、
生物学専攻では北脇涼子さんに事務上の様々
な業務をお願いしています。
学生定員の学部生25名(内5名は3年次編入生)、博士
前期課程(修士)22名、後期課程(博士)8名はこれまで通
りです。
この4月には学部1年生26名+3年次編入生5名、
修士学生24名、博士学生8名が新たに生物学科・生物学
専攻に入学・進学してきました。学部1年生から博士3
年生まで全部で183名の学生・院生が勉学・研究に邁進し
ています。
学部1年生には3名(中国人2名、
韓国人1名)、
3年次編入生には1名(ブラジル人)の外国人学生が含ま
れ、大学院でも修士課程に3名、博士課程に3名の外国
人学生が在学中で、国際色も豊かになっています。
昨年も述べましたように、教員数に比べて学部生定員
が大変少なく、教育のためにはとても充実した環境が維
持できていると考えられますが、博士課程進学者の減少
や、学生定員の少なさは研究レベルの維持のためには必
ずしも良いわけではありません。そこで、現在修士定員
の増員を大学本部に依頼中です。
既に、昨年の「くさだより 第20号」にも生物学専攻・
生物学科同窓会中西会長のご報告のように、昨年10月の
ホームカミングデイでは生物学専攻・生物学科の同窓会
大会が開催され、同窓生32名を含む47名の方々に参加頂
きました。
若い卒業生が何名も参加して頂けたことから、
同窓会活動の一層の活発化が期待されます。
一方、昨今の経済状況から就職活動が困難になってき
ており、本学の学生も直撃を受け、学生・院生たちの就
職活動期間の長期化等をもたらしています。
幸い、
まだ、
ほぼ全ての学生が無事就職することはできていますが、
社会と生物学専攻・生物学科をつなぐ最も重要な組織が
同窓会であり、その重要性がますます増していることは
疑いもありません。今後も同窓会の皆さまには、生物学
専攻・生物学科と後輩たちのために、なお一層のご支援
を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
地球惑星科学専攻・地球惑星科学科
地球惑星科学専攻長 兼 地球惑星科学科長
ぐんじ
ゆきお
郡司 幸夫
地球惑星科学専攻では教授陣が入れ替わりの時期を
迎え、大きく変わろうとしています。ここ3年程で宇宙
科学の松田卓也先生、COE(Center Of Excellence)を牽引
された向井正先生、地震学の石橋克彦先生、今年3月に
は岩石鉱物学の佐藤博明先生が定年退職されました。
また、長らく海洋・電磁気学分野の一翼を担ってこら
れた山口覚先生が大阪市立大学理学部生物地球学科に教
授として栄転されました。どの分野の学生さんでも、必
ず何名かは地球惑星科学実習、電磁気学などで山口先生
にお世話になっており、そのお人柄と丁寧な授業には定
評がありました。新たな場所でのご活躍、さらなる展開
をお祈りする次第です。
一方、昨年7月にはた惑星科学の大槻圭史先生、10 月
には九州大学から地震学の吉岡祥一先生、
本年 10 月には
名古屋大学から荒川政彦先生が教授として当専攻に着任
されました。吉岡先生は超高圧下での粘弾性体数値計算
を得意とされ、スラブの挙動やマントル対流など、プレ
ート沈み込み帯の諸現象が専門で、伊東敬祐先生が指導
されていた岩鉱講座で学ばれ、先生が本学を卒業された
直後に、私が岩鉱講座に赴任しましたので、先生と私は
いわば伊東先生の兄弟弟子という関係になります。荒川
先生は衝突実験がご専門の研究者で、物理学を背景に豊
富な地質学的知識と素養を併せ持つ、名古屋大学ならで
はのオールラウンドな惑星科学者です。
私が神戸に赴任しました 23 年前、
伊東先生の講座には
助教授の藤井直之先生がおられ、学生の堀井洋一さんと
- 14 -
衝突実験を繰り返しておられましたが、そのあたりが衝
突実験始まりの時期だったのでしょうか。因みに藤井先
生は神戸大学教授の後、名古屋大学に転出されました。
また、当専攻には向井先生の COE の中心メンバーでも
あった中村昭子先生が衝突実験の西の雄として構えてお
り、衝突実験の陣容は充実したことになります。これを
もって、来年度より、かつての太陽系科学研究分野は実
験惑星科学分野と呼称変更になることとなりました。
現在はネットの時代でもあり、ホームページ等でご存
知の方も多いと思われますが、当専攻は向井先生の COE
の後、中川義次先生を代表とする GCOE(Global Center Of
Excellence)が採択され、
惑星科学研究センターが設置さ
れ、惑星科学の新たな拠点として動き始めております。
ここでは、中川先生、惑星気象学の林祥介先生、先に
述べました宇宙科学の大槻先生を中心に惑星科学研究セ
ンターを設立しました。今年度は新築された自然科学研
究棟4号館に拠点を設け、来年度にはポートアイランド
に新たな拠点を築くことになっております。まさに本学
は惑星科学をリードする大学として活躍しています。
なお、お世話になった伊東先生の近況をお伝えします。
最近はお体を崩され、散歩もままならぬと仰っていまし
たが、或るとき、私の研究室で飼育している粘菌(動物
とも植物ともとれる単細胞で、肉眼で観察可能な巨大ア
メーバ)を送ってくれとのメールがありました。乾燥標
本を封筒で送りますと、それを顕微鏡で観察し、様々な
実験をしてはホームページを作って、アップされるよう
になりました。論文を書く気はさらさら無いそうで、純
粋な好奇心でひたすら実験、観察し、実験器具などは空
き缶を金切り鋏みで切ってはハンダで繋ぐといった具合
に手作りです。純粋な好奇心一つでどこまでも突破する
研究者のエッセンスを見る思いです。
先生は、
神戸大学地球惑星科学の礎を築いた方であり、
研究分野の幅広さにおいても群を抜き、当該専攻の柔軟
さの源となった方です。この精神こそ、当該専攻の自由
闊達な風土であるとも思い、自分もその精神を忘れずに
生きていこうと襟を正す毎日です。
理学部卒業者、大学院理学研究科修了者 一覧
【 2009 年度 】
理学部
数
学
科
34名
物 理 学 科
46名
化
科
37名
生 物 学 科
25名
地球惑星科学科
45名
学
理学研究科
数
<博士前期>
学
専 攻
19名
数
<博士後期>
学
専 攻
2名
物 理 学 専 攻
19名
物 理 学 専 攻
5名
化
攻
23名
化
攻
6名
生 物 学 専 攻
27名
生 物 学 専 攻
6名
地球惑星科学専攻
15名
地球惑星科学専攻
5名
学
専
- 15 -
学
専
研 究 へ の 取 り 組 み
クロな磁石を磁場中にいれると、ミクロな磁石は磁場方
向を中心軸として、おもちゃのコマのように歳差運動を
おおた
ひとし
します。
この歳差運動の周波数をラーモア周波数といい、
物理学専攻 教授 太田 仁
磁場に比例します。ここに電磁波を入れ、磁場を掃引し
ていくと電磁波の周波数と、ラーモア周波数が一致する
磁場の値のところで共鳴がおこり、電磁波のエネルギー
が吸収されます。これが電子スピン共鳴(ESR)です。
観測された共鳴磁場から電子が物質中で持つエネルギ
ー準位の情報をえることができ、その線幅から緩和の情
報などが得られます。ESR は物理だけでなく、ラジカル
の測定が得意であるという特性を活かして、ラジカル分
子の状態(化学)、スピンプローブをつけてタンパク質の
状態や構造(生物)、スーパーオキサイドや腫瘍の酸素濃
度(医学・薬学)、年代測定(考古学・地学)を明らかにす
2009(平成 22)年 11 月8(日)∼9日(月)の日程で、瀧川
ることができるため、広い分野で利用されています。
記念学術交流会館において分子フォトサイエンス研究セ
従って、前述の電子スピンサイエンス学会はこの様な
ンター主催、物理学専攻極限物性物理学研究室の太田仁
広い分野の研究者を巻き込んだ学際的な学会です。市販
(Chairman)、大道英二(Secretary)、大久保晋と櫻井敬博(研
の X-band ESR 装置は携帯電話の周波数の約 10 倍の周波
究基盤センター)、富永圭介(分子フォトセンター) からなる
数10 ギガヘルツ(GHz) を利用するため、
共鳴磁場は0.33
EMRSCS 組織委員会の運営により、強相関スピン系の電子
テスラ(T) 程度ですので水冷電磁石を使用しますが、本
磁気共鳴国際ワークショップ (Electron Magnetic Re国際ワークショップでは更に 10 倍の 100 GHz 以上また
sonance of Strongly Correlated Spin Systems EMRSCS
は 3.3 T 以上の高周波強磁場 ESR が議論の対象でした。
2009) を開催しました。
高周波強磁場 ESR はスペクトル分解能の向上やゼロ磁
もともと分子フォトサイエンス研究センターは、国際
場でギャップを持つ系の観測を可能にするなど様々なメ
交流をその活動の重要な柱の一つと考え、毎年院生の国
リットがありますが、高周波数ほど一般的に発振器の出
際会議への派遣の支援や、センター主催で国際集会を開
力が低くなる傾向にあるため高出力発振器の開発や検出
催しています。
この趣旨にのっとり 2007 年に電子スピン
感度の向上、パルス磁場など強磁場発生技術の課題など
共鳴 (Electron Spin Resonance、ESR) に関する国際ワ
技術的に解決すべき課題があります。また、物理として
ークショップを開催していますが、今回はそれに続き、
はスピン間相互作用が強い強相関スピン系の高周波強磁
また第 48 回電子スピンサイエンス学会年会 [SEST2009、 場 ESR 測定が興味深いわけですが、その解釈にはモデル
2009 年 11 月 10(火)∼12 日(木)、百年記念館・瀧川記念
化と理論の支援が必要です。これらが、本国際ワークシ
学術交流会館、年会実行委員長:太田仁、年会事務局長:
ョップの主要テーマとなりました。
大久保晋] に先立ち、EMRSCS2009 が開催されました。
現在英国で大きな開発予算が Smith プロジェクトチー
国際ワークショップでは、極限物性物理学研究室が世
ムに投じられて進行中の世界最先端の高周波パルス ESR
界最先端の開発・研究を展開している高周波強磁場 ESR
の現状を Smith 博士が報告しました。核磁気共鳴(NMR)
に関する国内外の専門家 15 名を招待し、
その開発や応用
ではすでに電磁波をパルス的に発振して測定するパルス
および ESR 理論について招待講演が行われ、9ヶ国から
法が一般的ですが、周波数が1万倍以上の高周波 ESR で
海外研究者9名を
は発振器の高出力化やパルス整形など多くの課題が残っ
含む 40 名の参加者
ており、高周波パルス ESR は一つの大きな目標であり、
を得ました。また、
タンパク質研究等への応用が期待されています。
若手研究者と大学
また、現状のパルス ESR を用いた測定例が van Tol 博
院生による口頭発
士より紹介されました。実験では、研究の現状を反映し
表とポスター発表
て強磁場高周波 ESR を用いた量子スピン系、幾何学的フ
ポスター発表
も行われました。
ラストレーション磁性体や有機導体の研究発表が多数を
ここで、なじみがない読者のために ESR について簡単
しめました。理論では、スピンギャップ系における ESR
に説明いたします。電子は様々な物質の性質を支配して
の選択則、一次元磁性体や三角磁性体の ESR 理論が取り
いる主役であり、その情報を得ることは物性研究におい
上げられました。また、強磁場中や高圧下の測定を可能
て重要です。そこで、物質中の電子の情報を得る手段の
にする我々のグループによる多重極限高周波 ESR 測定装
一つが ESR です。電子はスピンという自由度をもってい
置の開発を太田が紹介した後、我々のグループの施設見
るため、ミクロな磁石とみなすことができます。このミ
学を行ない、あちらこちらで熱心な質問が続きました。
- 16 強相関スピン系の電子磁気共鳴国際ワークショップ
初日の懇親会前には会館ロビーでポスター発表が行わ
れ、招待講演者の Portugall 博士が高出力ジャロトロン
を光源としてパルス強磁場に組み合わせる可能性につい
て指摘した関係もあり、福井大学のジャロトロンの発表
と、大道を中心に我々のグループで開発を続けている微
小試料の測定を可能にするマイクロカンチレバーESR に
注目が集まっていたようです。その他のポスターでも活
発な議論が展開され、大学院生を含めた若い研究者にと
っては、世界の第一線の研究者との議論はおおいに刺激
になったと思います。また、ワークショップ全体では、
理論家を巻き込んで、あちらこちらでローカルな共同研
究の話も持ち上がっていたようで、本国際ワークショッ
プは十分な成果をあげることができたと思います。
さて、このようなワークショップではプログラムと講
演もさることながら、
懇親会やその他の活動も重要です。
懇親会は、初日の晩に会館1階の食堂で開催しました。
海の幸を中心とした料理とお酒がたっぷり用意され、最
後まで皆さんにお楽しみ頂きました。特に、酒蔵から寄
贈された日本酒は好評で、外国人出席者のお一人は桐の
箱と一升瓶を記念に持ち帰られました。
また、同伴者に菜食主義の方もおられたので、対応さ
せて頂きました。懇親会では分子フォトサイエンスセン
ターの招聘で神戸大学に滞在した経験をお持ちの
Portugall 博士、Rudowicz 教授、Demishev 教授から心
温まるご挨拶を頂き、大いに盛り上がりました。また、
海外からの招待講演者の一部はワークショップ前日に有
馬温泉に宿泊し、日本文化に触れてリラックスした後、
このワークショップに参加していたことも申し添えます。
最後に、今回の国際ワークショップに対してご支援を
頂いた神戸大学分子フォトサイエンス研究センター、神
戸大学本部、特定領域研究「フラストレーションが創る
新しい物性」
、
および協賛をして頂いた電子スピンサイエ
ンス学会と日本物理学会に厚く御礼申し上げます。
また、
講演の進行にご協力頂いた座長の先生方、
EMRSCS
組織委員会のメンバー、ならびに運営に多大な協力を頂
いた秘書の尾川さん、そして受付や会議進行などの業務
を担当してくれた学生諸君に心から感謝いたします。
神戸大学の女性研究者支援
そうま
よしえ
神戸大学特別顧問 相馬 芳枝
第3期科学技術基本計画(2006 年
3月) に女性研究者の活躍促進のた
めの具体策が記載され、女性研究者
の採用比率目標値 25%(理学 20%、
工学 15%、農学・保健 30%)が示さ
れたことにより、女性研究者支援の
夜明けが訪れた。
文科省は 2006 年度から女性研究者の活
躍促進のために思い切った大型予算をつけ始めた。中で
も、組織的に大きな影響を与えているのは環境整備を目
的とする「女性研究者支援モデル育成」事業である。2006
年∼2010 年に 55 大学・機関が採択され、男女共同参画
-
のためのユニークな取組みが行われている。
神戸大学では「再チャレンジ!女性研究者支援神戸ス
タイル」(概念図:裏表紙参照)というテーマ(2007 年∼
2009 年度)で、
「女性研究者支援モデル育成」事業を開始
した。その主な取組みについて以下に説明する。更に、
今年からは女性教員の採用を目的とする「女性研究者養
成システム改革加速」事業で「レボルーション!女性教
員養成神戸スタイル」(2010∼2014 年度)を開始した。
1.ポジティブアクション
神戸大学では、2007 年に学長直轄の男女共同参画推進
室を設置し、男女共同参画推進委員会を作った。次いで
2008 年に神戸大学男女共同参画学長宣言を出し、神戸大
学男女共同参画基本計画を策定した。さらに、女性研究
者増を目指し、次のポジティブアクションを作り、全学
への周知を図っている。
* 全部局で女性教員の採用比率 20 % を達成する。
* 募集要項に「女性の積極的な応募を歓迎する」こと
を明記する。
* 業績が同等である場合には女性を優先的に採用する。
2.女性教員採用をめざした育成研究員
女性は、出産・育児や配偶者の転勤等のために正規職
に就けない人が多い。この人たちを対象に教員採用の道
を拓くために、学長裁量経費により育成研究員として研
究室に配置し、研究力向上を図った。3年間に5名の育
成研究員を採用し、そのうち3名が工学研究科の講師と
助教、理学研究科の助教に採用された。
3.メンターとキャリアカフェ
若いときは研究と結婚、研究と育児の両立などについ
て、とかく悩むものである。神戸大学では先輩研究者の
メンターが若手研究者や学生の相談にのる仕組みを作っ
ている。現在、学内外の優秀なメンターが 47 名おり、3
年間に 76 回の相談が行われた。
相談内容は研究の進め方、
進路・将来の展望、キャリア継続の知恵等である。神戸
大学はメンター制度を定着させ、効果を挙げているとい
うことで、2009 年に日本生産性本部から「メンターアワ
ード 2009・組織部門優秀賞」を受賞した。
メンティーがメンターと出会い、ロールモデルと交流
する場として、
キャリアカフェを3年間に 18 回開催した。
キャリアカフェは気軽に参加し易いので、他の大学、企
業、公共機関、研究機関からの参加者も多く、地域連携
の輪を広げる場ともなっている。
4.育児中の研究者に研究支援員の配置
育児中は研究のための時間確保することが最大の課題
である。延べ 17 名の育児中の研究員に週6∼12 時間の
研究支援員を配置することで、
利用者からは「能率を落と
すことなく、良い研究ができた。地域貢献の仕事ができ
た。
」
等、
研究成果が上がったという声が寄せられている。
5.レボルーション!女性教員養成神戸スタイル
2009∼2014 年度で女性が少ない理学・工学・農学系に
女性教員を 21 名採用する計画で、現在、理学・工学・農学
系では助教以上の女性教員は 24 名で、
5年後にはほぼ倍
(化学 13 期)
増することになる。
17 -
第3回 数学ソフトウェア国際会議
の ろ
まさゆき
数学専攻 教授 野呂 正 行
Thomas Hales 氏による講演
2010 年 9 月 13 日から 17 日までの5日間、神戸大学理
学研究科Z棟において、ICMS (International Congress
on Mathematical Software)2010 が開催されました。こ
の会議はそのタイトルの示す通り、数学ソフトウェアを
テーマとする国際会議で、2002 年に第1回の会議が北京
で、2006 年に第2回がスペインのカストロ-ウルディア
レスで開催され、今回は第3回となります。参加者は 111
名、うち海外からの参加者が 67 名(欧州 59、北米6、ア
ジア2)でした。
数学は既に数多くの分野をもち、それぞれの分野にお
いてさまざまなアルゴリズム実装、そして応用の研究が
行われています。これらの分野ごとに国際的な研究集会
が開催され、それぞれの分野の発展に対して大きく貢献
しています。一方、この国際会議の最大の特徴は、数学
ソフトウェアそのものをテーマとした、分野を問わない
general な会議であるという点です。このような会議は、
さまざまな分野の数学ソフトェアの開発者、およびそれ
らに興味を持つ数学者が一同に会する得難い機会です。
第1回国際会議からの8年間に、一見無関係に見える
分野の数学および数学ソフトウェアの交錯により、新し
い研究分野がいくつか誕生しました。計算代数について
は、多面体幾何ソフトウェアとの連携によりトロピカル
幾何のためのソフトウェアが生まれ、また、統計学への
応用として、代数的統計学という分野が生まれました。
一方、数値計算においては、区間演算に代表される精
度保証つき数値計算が急速に実用化され、それが数学に
おける定理の証明に応用される例も多くなってきました。
この流れを受けて、計算代数、計算群論、formal proof、
可視化、多面体幾何といった従来からの分野に加え、今
回の会議では精度保証計算、高信頼性計算に関するセッ
ションが設けられました。
会議は、1日目に数学ソフトウェアのチュートリアル
が行われ、2日目から全体講演および2パラレルで分野
別セッションが行われました。全体講演は3件で、この
内、球の最密充填に関する予想であるケプラー予想を解
決した Thomas Hales 氏(Pittsburgh 大学)による講演で
- 18
は、自身の計算機による証明を、定理証明ツールである
HOL Light というソフトウェアにより検証するプロジェ
クトの進行状況について解説がありました。
分野別セッションは、セッション毎に数件の
招待講演、および、複数の査読者の査読を経て
受理された論文に関する発表が行われました。
proceedings は、Springer Lecture Notes in
Computer Science の1巻として刊行されました。
また、参加者の開発するソフトウェアをでき
る 限 り 収 録 し た Live Linux DVD で あ る
KNOPPIX/Math2010 ICMS DVD、および、Windows、
Macintosh 用ソフトウェアを収録した DVD を作
成し、参加者に配布しました。DVD は、希望者
の方に配布できますので、興味のある方は筆者
)までご連絡下さい。
(
ちなみに、本会議の前にインドで開催された
ICM (国際数学者会議) においても、この KNOPPIX/Math
DVD を配布しました。
分野別セッションの各講演時間は 40 分と設定したた
め、講演、質疑応答とも時間に余裕をもって進められた
のではないかと思います。一方、セッションが2パラレ
ルのため、聞きたい講演を聞きもらすこともあります。
そのため、全講演を録画し、講演者の承諾を得たものを
講演翌日にはウェブに公開。http://fe.math.kobe-u.
ac.jp /Movies/ms/icms2010/icms2010-video.html から
御覧いただけます。
学内レストラン「さくら」でのバンケットの一コマ
筆者は local organizer を任命されており、公式ウェ
ブサイト、参加登録用サイトの作成、参加者の宿泊の世
話(これが一番手間がかかりました)など、慣れない仕事
の連続でした。しかし、会議のスケジュールは講演で9
時から19時近くまで埋まっておりexcursionをする時間
はなく、
また、
バンケットも外に行く時間がなく、
学内(和
風レストラン「さくら」:比較的評判は良かったよう)で、
ということになり、これらについてあまり悩む必要がな
かったのは幸いでした。
それでも雑用は結構あって、しかも生来の怠慢な性格
の故に、会議直前の一週間前からドタバタすることとな
り、general chair の高山信毅教授や数学事務室の皆様
には大変ご心配とご迷惑をおかけし、さらには自分の発
表準備もおろそかになってしまいました。やはり準備は
早めにするに越したことはないようです。
-
溶液中のナノチューブが
声をかけると整列する現象を発見
つ だ
あきひこ
化学専攻・准教授 津田 明 彦
「人や動物は音を聴き、
感じ取るこ
とができる。
しかし、分子はどうだろ
うか?」。
音の伝播はマクロな物理現
象であり、分子スケールの現象とは
大きな隔たりがあります。したがっ
て、このような疑問を持つことは科
学的にナンセンスと思われるかもしれません。しかし、
私たちはこのような身近な謎の解明に、化学的なアプロ
ーチで科学的な一歩を踏み出しました。
人を含む多くの動物は聴覚を通じて音を知覚します。
動物は、音を聴くのに主として耳を使い、聴覚器官の聴
覚細胞が音によって刺激されることにより音を感知しま
す。また会話だけでなく、音は空間構造や他の動物や物
の存在などの周囲の状況を把握するためにも用いられま
す。音は、鼓膜や蝸牛を経由して、神経伝達物質シグナ
ルに変換され、神経細胞の発火を引き起こします。この
ように、動物は巨視的な物質振動としての音を、それと
は異なった物質情報に変換して感知しています。
一方、少々非科学的な感じを受けますが、ワイン、焼
酎、味噌、醤油などの醸造過程において、容器に直接ト
ランスデューサなどを接触させて音波(可聴音)を照射
すると、それらの味が変化することが経験的に知られて
おり、実際に工業的にも利用されています。ここでは、
音波照射によって水分子が形成するクラスターが小さく
なることにより、左記食品の熟成過程に変化が生じ、味
が変化すると考えられています。
音は、物質や生命と様々な関わりを持っていますが、
その寄与はまだまだ不明瞭であり、科学的に非常に興味
深い現象です。そのような背景において最近、私たちの
研究グループでは、自分たちの手でデザインした超分子
ナノファイバーが、音を感じて整列するというユニーク
な現象を発見しました。
私たちの研究グループでは、有機合成化学的なアプロ
ーチによって、小さな分子の自発的集合化を利用したナ
ノサイズの分子集合体の開発過程で、新しくデザイン・
合成した超分子ナノファイバーのサンプル溶液に人の声
と同程度の周波数の可聴音を、スピーカーから照射する
と、ナノファイバーが音の進行方向に沿って整列すると
いう極めてユニークな現象を発見しました。
ナノファイバーは空気から溶液に伝播した非常に微弱
な音波振動を感じ取り、流体力学的な相互作用によって
音波の進行方向に配向することがわかりました。このよ
うな現象は分子の自己集合化によって形成されるナノフ
ァイバーにのみ見られる現象と考えられ、市販のポリマ
ー(鎖状)等では現在のところ確認できていません。
本現象は、可聴音による溶液振動とナノマテリアルの
直接的な相互作用を分光学的に確認できた例として極め
て大きな意義を持っています。タンパク質や DNA など生
体関連物質のほとんどはナノスケールの構造を持つこと
から、本研究で得られた知見は、それらが音と何らかの
関わりを持つであろうことを示唆しています。今後は、
音と生命の関わりも視野に入れ、本研究のさらなる深化
日本経済新聞(9月6日朝刊)
と発展を目指す所存です。
第 26 回井上研究奨励賞受賞
まえかわ
やすのり
数学専攻 准教授 前 川 泰 則
2010 年2月に拙博士論文「非圧縮性
粘性流体とその周辺の解析的研究」に
対して、(財)井上科学振興財団から第
26 回井上研究奨励賞を頂くことができ
ました。この賞は、各分野で過去3年
の間に博士の学位を取得した 35 歳未満の若手研究者の
中から、
博士論文を選考対象として毎年約 30 名に授与さ
れるものです。私は流体力学に現れる偏微分方程式を数
学的な観点から研究しており、この度の受賞では、北海
道大学大学院での学位取得に係る博士論文を評価して頂
きました。
この論文の概要を簡単に紹介させて頂きます。
水などの流体が乱流状態になったとき、渦管とよばれ
る渦度場が集中した細長い領域が典型的に現れることが
知られています。この渦管の簡単なモデルとして
Burgers 渦という定常渦度場が知られています。博士論
文の成果の一つは、この定常渦度場の振る舞いや2次元
的な摂動に対する安定性と Reynolds 数との関係を数学
的に明らかにしたことです。例えば、安定性解析では線
形化作用素のスペクトルを調べることが重要なステップ
となりますが、Burgers 渦の場合、この問題は「ある自
己共役作用素に対して、Reynolds 数をパラメータとする
ある歪対称作用素が摂動として働いたときのスペクトル
を調べる問題」となります。これは純粋に数学的な問題
としても興味深いものです。スペクトルがどのように分
布しているかについては、物理サイドからの示唆は既に
あったものの、数学的に厳密な証明はそれまで得られて
いませんでした。流体力学は様々な分野から研究されて
おり、数学においても一つの大きな研究分野となってい
ます。実際、何らかの形で流体と関わっている数学者は
多く、また、日本はその中でも分野を牽引する世界的な
拠点の一つです。微力ではございますが、今後もこの分
野の発展に少しでも貢献できるよう精進してまいりたい
と思います。最後になりましたが、これまで支えて下さ
った多くの方々に改めて深く感謝申し上げます。
- 19 -
小池准教授に 函数方程式論分科会第1回福原賞
たかやま
のぶき
数学専攻 教授 高 山 信毅
数学専攻・解析数理講座の小池達也准
教授が、「完全 WKB 解析を用いた微分方
程式の研究」の業績により日本数学会函
数方程式論分科会第1回福原賞(2009 年
度)を受賞することになりました。
「函数方程式論分科会設立時より尽力
された故福原満洲雄教授の御功績にちなみ、函数方程式
論分科会で主に活動する日本数学会員研究者のうち、特
に優秀な業績を挙げた新進・中堅の研究者に函数方程式
論分科会福原賞は授与され、分科会全体の研究・交流の
促進をはかる」 ことを目的として 2010 年3月3日に設
立されたもので、第1回には小池達也氏を含む3名が受
賞することになりました。
受賞理由にある完全 WKB 解析とは、量子力学の研究な
どで有効に用いられる WKB 近似法を発展させたものであ
り、プランク定数を含むシュレーディンガー方程式に対
して構成される WKB 解のように、特異摂動的なパラメー
タを含む微分方程式に対して構成される形式解を Borel
総和法を用いて解析的な意味づけを与え、それにより解
の解析を試みる手法をいいます。
小池達也氏は1次元シュレーディンガー方程式のポテ
ンシャルの単純極が変わり点としての役割も担うことを
明らかにし、また、京都大学の河合隆裕氏・竹井義次氏、
および、近畿大学の青木貴史氏との共同研究において、
(無限階も含む)高階線形常微分作用素の WKB 解析の意味
での分解定理・新しい Stokes 曲線における接続係数につ
いての問題といった完全 WKB 解析の基礎付けの際に重要
となる結果を得てきました。また、パンルベ階層と呼ば
れる非線型常微分方程式(系)の族が線型常微分方程式の
変形理論でよく知られた非線型偏微分方程式系である退
化ガルニエ系の直線への制限として得られることを示し
た最近の結果は、完全 WKB 解析を高階パンルヴェ方程式
へ拡張する際の基礎となりました。
授賞式は 12 月 18 日、19 日に京都大学で開催される研
究集会「微分方程式の総合的研究」にて行なわれます。
文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞
や の
こうじ
数学専攻 准教授 矢野 孝次
2010年度の科学技術分野の文部科学
大臣表彰若手科学者賞を受賞し、4月13
日に新宿の京王プラザホテルで行われ
た授賞式で賞状とメダルを授与されま
した。メダルのデザインは古代ローマの
建築家、ヴィトルヴィウスの著書「建築
十書」の挿絵と考えられるものだ
そうです。名誉ある賞を賜り、光栄に思います。これを
励みにしてさらなる研究活動に邁進する所存です。
私の専門の確率過程論は、熱の拡散をランダムに動く
粒子の平均と捉え、そのミクロな動きの性質を論ずるこ
とから生まれた数学理論です。その最も基本的なものは
一次元拡散過程であり、一次元空間を動き連続な標本路
を持つ強マルコフ過程として特徴づけられます。
その性質により標本路は、連続であるが、ほとんど至
るところ微分不可能、どんなに短時間にも無限回出発点
に戻ってくる、
という二つの想像し難い性質を持ちます。
伊藤清先生が確立した確率微分方程式と周遊理論という
二つの理論によって、標本路の持つ二つの複雑な性質は
見事に解明されました。
今回の受賞対象となった業績は「周遊理論に基づく極
限定理の研究」です。周遊理論とは、標本路を、原点を
出てから戻るまでの周遊路(それは出発点の近くには無
限個あります)に分解し、
その確率法則を記述する理論で
す。周遊理論は標本路の再帰的な性質を完全に記述する
強力な理論ですが、経路空間上の無限測度を平均に持つ
ポアソン点過程を扱わねばならないという解析的困難か
ら、その極限定理への応用は未開拓でした。
半直線上の強マルコフ過程で境界では反射または跳入
を持つものをFellerの境界条件を持つ拡散過程と呼びま
す。私はその極限定理を、Fitzsimmons氏との共同研究で
得た周遊路の時間変更の理論を用いて研究し、跳入測度
が可積分な場合とそうでない場合とで異なる漸近性質を
持つことを示しました。極限においては、前者の場合は
跳入が消え、後者の場合は逆に反射が消えます。
現在は処罰問題と呼ばれる極限定理の問題、および
Tsirelson 方程式と呼ばれる無限の過去から来る確率方
程式の問題に取り組んでいます。
第 15 回日本物理学会論文賞受賞
すがわら
ひとし
物理学専攻 教授 菅 原 仁
2010 年3月 22 日、日本物理学会発
行の英文誌 「Journal of the Physical Society of Japan」 および 「Progress of TheoreticalPhysics」 に発表さ
れた論文の中から、独創的で物理学に
重要な貢献をした功績に対して贈られ
る賞「第 15 回日本物理学会論文賞」を受賞しました。
表彰件数は毎年5件以内とされており、さまざまな物
理学分野の多くの重要な研究成果の中から、我々の研究
成果が論文賞として表彰されたことは大変名誉なことだ
と感じております。受賞論文の題目は「Exotic HeavyFermion State in Filled Skutterudite SmOs4Sb12」で、
以下に研究成果の概要を簡単に説明します。
希土類やアクチノイドを含む金属間化合物の中には磁
性を担うf電子と電気伝導を担う伝導電子が存在し、そ
れらの相互作用により、伝導電子の有効質量は本来の電
子の質量の数倍∼数千倍に重くなる物質が存在します。
このように有効質量が重いことから、これらの物質群を
重い電子系と呼び、その相互作用は、非従来型の超伝導
や磁性等の多様な物性の起源と考えられてきました。
- 20 -
これまでは、強い磁場をかけると有効質量が減少する
ことから、重い有効質量の起源は磁気的な相互作用によ
るものと考えられてきました。ところが、この常識を打
ち破る物質を我々が初めて発見したのです。その物質と
は充填スクッテルダイト化合物 SmOs4Sb12 であります。
私は
「物質開発」
を一つの研究手段としておりますが、
一番の醍醐味は、一つの物質の発見でこれまでの常識が
がらっと変わり、次々と新しい研究成果が出てくるとい
うところです。まるで金脈や宝石を求めて穴を掘る山師
に似ているかもしれません。今後も第二・第三の金脈を
求めて精進したいと思っています。
論文賞に関して、さらに詳しくは日本物理学会のホー
ム ペ ー ジ ( http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/jps/guide/
ronbun-kitei.html)をご覧いただければと思います。
第2回分子科学会賞受賞
ふ け
きよかず
神戸大学 名誉教授 冨宅 喜代一
この度は過去 30 年間続けて参り
ましたクラスターの研究が専門の物
理化学分野で認められ、「気相クラス
ター分光による構造と反応機構の分
子科学の先導的研究」により、分子科
学会賞を頂くことになり、大変うれ
しく光栄に思っております。原子や
分子が数個から数百個集まった気相
クラスターは、気相と液体や固体の
中間に相当するナノサイズの物質群
です。このクラスターとの関わりは 1981(昭和 56)年に慶
応大学理工学部化学科創設時に赴任して以来です。
当時の上司の茅幸二先生(元理化学研究所長)が、研
究室立ち上げのため、分子を極低温に冷やせる超音速分
子線法と質量を選別し光吸収が高感度で測定できる分光
法を用意されておりました。この分子線法により容易に
クラスターが生成できますので、逸早くクラスターの分
光研究に取り掛かれました。当時はまだクラスターは物
理的研究しかなく化学の分野では「クラスター」の言葉
すら探すのが困難でした。
しかし、クラスターは、原子·分子を一個から数十個と
くっつけて物質を再構築でき、溶質分子に溶媒分子を順
次くっつけて溶液の一部を再構成できるので、当時発展
し始めていたレーザー分光と組み合わせることにより、
新しい物理化学の分野が生まれることに気付きました。
初めて取りかかったのが、分子に順次水分子を付加し
た水和現象とプロトン移動反応の詳しい機構を調べる分
光研究で、今でも多くの研究者に受け継がれています。
次の任地の分子科学研究所では、溶液化学のミクロな
理解を深めるため、新しい分光法を開発しながら、化学
で重要な電子や金属イオンの溶媒和と酸化反応をクラス
ターの中で調べる、新たな研究の流れを生み出すことが
できました。
神戸大学赴任後は、この研究をさらに発展させると共
に、
クラスターの命題となっていた温度制御も実現でき、
生体関連分子の水和構造とその温度効果の研究を手掛け
て参りました。現在も、気相 NMR の新たな分野の開拓に
挑戦しているところです。クラスター研究の萌芽期に立
ち会え、非常に面白くわくわくする日々を過ごせたこと
が受賞に繋がったのは本当に幸運でした。
この間、化学科の先生方のご協力と研究室の多くの学
生さんのご努力のお陰で、クラスターの研究を盛り上げ
ることができましたことを深く感謝いたしております。
第7回有機合成化学協会関西支部賞を受賞
せ つね じゅんいちろう
化学専攻 教授 瀬 恒 潤 一 郎
「大環状ポリピロール誘導体の合成と捻れたπ共役構
造の動的挙動」に関する研究で有機合成化学協会関西支
部賞を頂き、昨年の 11 月 24 日に大阪科学技術センター
にて授賞式と受賞講演会がありました。
私は長年にわたりヘムやクロロフィルの分子骨格であ
るポルフィリン誘導体の合成研究を進めてきましたが、
十数年ほど前に、その当時発展途上にあった大きなサイ
ズのポルフィリンアナローグを研究に利用することにし、
大学院生の K 君が文献に従って合成実験をしてくれまし
た。ポルフィリンの 1.5 倍の環サイズのものだけができ
るはずでしたが、2倍のサイズのものも極少量ですが、
同時に生成していることを彼が見つけてくれました。
2倍サイズのポルフィリンアナローグはその当時すで
に知られていましたが、K 君が参照した合成法ではその
ようなものはできないはずでした。我々が環化反応に使
用した合成原料は少しだけ文献のものとは異なっていた
ので、当時はそんなものかと納得していました。
そのまま、半年くらい時間が経過した頃に何故か2倍
サイズのポルフィリンアナローグが気になり、我々の使
用した合成原料の些細な特徴を更に誇張すれば、2倍サ
イズのポルフィリンアナローグが多くできるのではと思
い至り、早速、合成実験を行ったところ、予想が的中し、
3倍サイズ、4倍サイズ、5倍サイズのポルフィリンア
ナローグを世界で初めて合成することができました。
これをきっかけに、巨大なポルフィリンアナローグの
研究に本格的に踏み込む事になりました。ポルフィリン
は5円玉のように硬い平面状の分子ですが、4倍サイズ
のポルフィリンアナローグはネックレスのようにとりと
めもない柔らかい構造を持ち、取り扱いは容易ではあり
ません。しかし、適切な分子設計を施すと捩じれた 8 の
字型の構造を安定化させることも可能です。
従来無かったものを創り出す研究では研究計画や予想
というのはあまり役に立たないというか、かえって邪魔
になる場合もあり、実験台での注意深い観察が極めて重
要です。今回の賞は、ポルフィリンアナローグに関する
新規な物質の合成研究とその構造に起因する性質や機能
の開拓について、これまでの成果を認めて頂いたもので
す。実験台でのいろいろな出来事を私に教えてくれた学
生諸氏の努力の賜物と思います。
- 21 -
第 64 回日本セラミック協会賞受賞
うちの
たかし
化学専攻 教授 内野 隆司
我々の研究室では、ケイ素や
マグネシウム、アルミニウムな
どの典型軽元素化合物の構造と
物性に関する研究を行っていま
す。これら典型軽元素は、地球
上には SiO2 (シリカ)、MgO (マグ
ネシア)、Al2O3 (アルミナ)とい
う酸化物の形で存在しています。
土や岩など、いわゆる「地面」
は、このような酸化物から構
日本セラミックス協会にて
成されています。
「地面」というと、「硬い」、「熱に強い」、
「安定」といった強固で頑丈なイメージを抱かれる方が多
いと思います。
まさしく、
このような「頑丈」な酸化物は、
がいし
窓ガラス、碍子、光ファイバーなど、高度な熱耐久性、
電気抵抗性、光透過性が要求されるような場で利用され
ています。
ただ、「頑丈」ということは、光や電場などとは相互作
用しにくいことを意味します。そのため、これら酸化物
に電子的な機能を付与させたい場合は、遷移金属元素、
希土類元素といった「活性」
元素を材料中に添加しなけれ
ばなりません。例えば、透明なガラスに色をつけたい場
合は、銅やコバルトなどがガラスに添加されます。
しかし、我々は、典型軽元素化合物の材料としての新
たな可能性を追求するため、「活性」元素を添加すること
なく、
電子的な機能を持たせることはできないかと考え、
現在研究を行っています。例えば、シリカの場合はシリ
カを微粒子にし、
その表面に Si と O からなる特殊な結合
状態を作り出すことで、紫外発光や可視発光という通常
のシリカには見られない光機能が発現することを見出し
ました。
このたび、我々の一連の研究に対して、日本セラミッ
クス協会より「電子構造制御による典型元素酸化物の新
規光機能の創出」という題目で学術賞を頂くことができ
ました。この受賞は、私が 2002(平成 14)年に神戸大学に
赴任して以来、共に研究を行ってくれた多くの学生さん
の努力と汗と涙(!?)がなければ到底実現しなかった
ものです。
私の無理難題に耐えて結果を出してくれた、研究室の
卒業生の皆さんにこの場を借りて、あらためて感謝の意
を表したいと思います。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
理学研究科・くさの会懇談会にて(4月 14 日)
大学院理学研究科・理学部 人事異動
氏
名
異
動
後
異
姫野 貞之
定年
退職
冨宅喜代一
着任
昇任
動
前
化学専攻 物理化学講座 教授
佐藤 博明
地球惑星科学専攻 地球科学講座 教授
10 年 3 月
生物学専攻 研究基盤センター 教授
原下 秀士
横浜国立大学大学院環境情報研究院 准教授
数学専攻 構造数理講座 助教
網井 秀樹
群馬大学大学院工学研究科 教授
化学専攻 有機化学講座 准教授
山口
大阪市立大学大学院理学研究科 教授
地球惑星科学専攻 地球科学講座 講師
藤原 亮正
大阪府立大学理学部 助教
化学専攻 助教
高橋美樹子
帝京平成大学薬学部 教授
生物学専攻 バイオシグナル研究センター 講師
澤
斉
国立遺伝学研究所 教授
生物学専攻 発生生物学講座 教授
朝倉
彰
生物学専攻 生物多様性講座 教授
千葉県立中央博物館 上席研究員
日下部りえ
生物学専攻 生命情報伝達講座 助教
生物学専攻 プロジェクト奨励研究員
竹内 康雄
物理学専攻 粒子物理学講座 教授
東京大学宇宙線研究所 准教授
森田 光洋
生物学専攻 生体分子機構講座 准教授
ニューメキシコ大学
荒川 政彦
地球惑星科学専攻 惑星科学講座 教授
名古屋大学大学院環境学研究科 准教授
山川 大亮
数学専攻 構造数理講座 助教
フランス国立科学研究センター ポスドクフェロー
矢野 孝次
数学専攻 応用数理講座 准教授
数学専攻 応用数理講座 講師
内野 隆司
化学専攻 無機化学講座 教授
化学専攻 無機化学講座 准教授
井上 邦夫
生物学専攻 生命情報伝達講座 教授
生物学専攻 生命情報伝達講座 准教授
前川 泰則
数学専攻 解析数理講座 准教授
数学専攻 解析数理講座 講師
覚
異動日
化学専攻 無機化学講座 教授
化学専攻 非常勤講師
鶴見 誠二
転出
[2009 年 12 月∼2010 年 11 月]
- 22 -
3月
10 月
4月
6月
10 月
1月
4月
10 月
大学院理学研究科・理学部 教育研究スタッフ 一覧
数学科・数学専攻
化学科・化学専攻
生物学科・生物学専攻
Ⅰ.解析数理講座
教 授 足立 匡義
〃
野海 正俊(環)
〃
福山 克司
〃
山田 泰彦
准教授 小池 達也
〃
前川 泰則
Ⅱ.構造数理講座
教 授 齋藤 政彦
〃
中西 康剛
〃
吉岡 康太
〃
ラスマン・ウェイン
准教授 佐藤
進
講 師 谷口
隆
助 教 名倉 利信
〃
山川 大亮
Ⅲ.応用数理講座
教 授 高山 信毅
〃
野呂 正行
〃
樋口 保成
〃
山崎
正
准教授 太田 泰広
〃
矢野 孝次
〃
渡邉
清
Ⅰ.物理化学講座
教 授 大西
洋
〃
和田 昭英(分)
准教授 石川 春樹
〃
笠原 俊二(分)
講 師 木村建次郎
助 教 枝
和男
Ⅱ.無機化学講座
教 授 内野 隆司
〃
富永 圭介(分)
〃
持田 智行
准教授 大堺 利行
〃
秋本 誠志(分)
助 手 鵜川 和子(助)
Ⅲ.有機化学講座
教 授 瀬恒潤一郎
〃
鍔木 基成
〃
林
昌彦
准教授 田村 厚夫
〃
津田 明彦
助 手 福塚万寿美(助)
Ⅳ.連 携 講 座
[ 構造解析化学講座 ]
連携先…(財)高輝度光科
学研究センター
教 授 梅咲 則正
〃
岩本 裕之
准教授 坂田 修身
Ⅰ.生体分子機構講座
教 授 尾崎まみこ
〃
林
文夫
〃
前川 昌平
〃
三村 徹郎
准教授 洲崎 敏伸
〃
深城 英弘
〃
宮本 昌明(基)
〃
森田 光洋
助 教 七條千津子
Ⅱ.生命情報伝達講座
教 授 井上 邦夫
〃
小野 功貴(B)
〃
斎藤 尚亮(B)
〃
坂本
博
〃
菅澤
薫(B)
〃
深見 泰夫(遺)
〃
吉川
潮(B)
准教授 鎌田 真司(B)
〃
向井 秀幸(B)
助 教 北川
円
〃
日下部りえ(共)
〃
アレキサンデル
物理学科・物理学専攻
・トクマコフ(遺)
Ⅲ.生物多様性講座
教 授 朝倉
彰
〃
角野 康郎
〃
川井 浩史(内)
准教授 小菅 桂子(遺)
〃
村上 明男(内)
講 師 坂山 英俊
助 教 羽生田岳昭(内)
Ⅳ.連 携 講 座
[ 発生生物学講座 ]
連携先…(独)理化学研究所
教 授 林
茂生
〃
倉谷
滋
准教授 花嶋かりな
[ 分子薬理学講座 ]
連携先…塩野義製薬(株)
教 授 坂田 恒昭
〃
藤原 民雄
准教授 勝浦 五郎
【2010 年 10 月】
地球惑星科学科
地球惑星科学専攻
Ⅰ.地球科学講座
教 授 乙藤洋一郎(惑)
〃
林
祥介(惑)
〃
兵頭 政幸(内)
〃
宮田 隆夫
〃
吉岡 祥一(都)
准教授 岩山 隆寛(惑)
〃
大内
徹(都)
〃
鈴木 桂子
〃
島
伸和(内・惑)
助 教 筧
楽麿
〃
山崎 和仁
Ⅱ.惑星科学講座
教 授 荒川 政彦(惑)
〃
大槻 圭史(惑)
〃
郡司 幸夫(惑)
〃
留岡 和重(惑)
〃
中川 義次(惑)
准教授 相川 祐理(惑)
〃
伊藤 洋一(惑)
〃
中村 昭子(惑)
助 教 瀬戸 雄介(惑)
〃
春名 太一(惑)
Ⅲ.共
通
技術職 三軒 一義
Ⅲ.連 携 講 座
[ 人類紀環境講座 ]
連携先…岡山理科大学
自然科学研究所
(独)産業技術研究所
教 授 板谷 徹丸
宇都 浩三
准教授 兵藤 博信
[大気海洋環境科学講座]
教 授 山中 大学(惑)
准教授 荻野 慎也
Ⅳ.惑星科学研究センター
センター長 中川 義次(惑)
准教授 木村
宏
助 教 高橋 芳幸
〃
西澤 誠也
Ⅰ.理論物理学講座
教 授 播磨 尚朝
〃
林
青司
准教授 久保木一浩
〃
園田 英徳
〃
西野 友年
助 教 坂本 真人
Ⅱ.粒子物理学講座
教 授 川越 清以
〃
武田
廣
〃
藏重 久弥
〃
竹内 康雄
准教授 原
俊雄
〃
山崎 祐司
助 教 越智 敦彦
〃
鈴木
州
〃
松下
崇(環)
Ⅲ.物性物理学講座
教 授 大田
仁(分)
〃
菅原
仁
〃
藤
秀樹
准教授 大道 英二
〃
岡村 英一
〃
小手川 恒
〃
河本 敏郎
〃
櫻井
誠
〃
松岡 英一
助 教 入澤 明典
〃
大久保 晋
(環)-自然科学研究環
(基)-研究基盤センター
(遺)-遺伝子実験センター
(都)-都市安全研究センター
(分)-分子フォトサイエンス
(B)-バイオシグナル
(内)-内海域環境教育
(惑)-惑星科学研究センター
研究センター
研究センター
研究センター
-23-
(共)-男女共同参画推進室
大 学 院 理 学 研 究 科
[タイトル左横は指導教員]
【数 学 専 攻】
野呂
精度保証付き数値計算による固有値問題および代数方程式の求解への応用
足立
Scattering Theory for a Charge Transfer Model in a Time-Dependent Electric Field
渡邉
ある Mordell-Weil 群の torsion 部分群について
渡邉
2の羃を類数とする Order の Ring Class Field の決定について
吉岡
K3 曲面の分類とその種々の性質
中西
Alexander polynomial and crossing change
ラスマン
The Gauss map for discrete constant mean curvature surfaces
高山
Linearization coefficients of orthogonal polynomials
高山
Some formulas for Gauss hypergeometric functions
佐藤
仮想結び目の交点数とステイト数
足立
時間周期的に変動する電場中の短距離型量子力学系に対する多次元逆散乱問題について
小池
エアリ方程式に付随するリッカチ方程式の完全 WKB 解析について
齋藤
接続のモジュライの跳躍現象とパンルヴェ型方程式
野海
アフィン・リー代数の指標のヤコビのテータ関数による表示
足立
時間的に変動する電場中の量子力学系に対する波動作用素の存在・非存在について
矢野
分布の意味での逆関数のいくつかの例について
山田
Padé 近似と q-PⅥ方程式の特殊解
吉岡
楕円 K3 曲面上のμ半安定層の分類と twisted 安定性の解析
櫻井
多価イオンの表面改質効果に関する研究
播磨
鉄系超伝導体の電子状態と電場勾配に関する理論的研究
林
シーソー機構と SO(10)GUT の性質
藤
層状窒化物超伝導体 LiXZrNCl の 15N-NMR による研究
播磨
鉄系超伝導体 LaFePO および関連物質の電子構造とフェルミ面の理論的研究
大道
MEMS 技術を用いたカスタムカンチレバーの作製
太田
スピンギャップを持つ S=1/2 低次元反強磁性体の高磁場 ESR 測定
岡村
鉄系超伝導体 SrFe2As2 の高圧下における光学伝導度
林
太陽ニュートリノ振動の現象論とその実験
藤
A8X16X'30 型(A=Ba, Sr;X=Ga;X'=Sn, Ge)クラスレート化合物の NMR による研究
越智
メッシュ付きμ-PIC の Ion Back Flow 減少と電子収集率向上に向けた研究
河本
遷移金属錯体における励起三重項状態のスピンダイナミクス
河本
量子常誘電体における光誘起格子ダイナミクスと紫外線照射効果
西野
モンテカルロシミュレーションによる液晶の相転移解析
太田
強磁場 ESR を用いた三角格子反強磁性体とダイヤモンド鎖化合物の研究
岡村
重い電子系化合物の赤外分光による研究
久保木
異方的超伝導体・強磁性体接合系における近接効果の Ginzburg-Landau 理論による解析
太田
ESR measurements of Er,O codoped GaAs
鍔木
Cytochrome b5 ヘムポケット部位特異的変異体の酸化還元電位解析
林
銅(I)─2-(2'-ピリジル)ベンズイミダゾール触媒による N-アリール化反応
林
活性炭―酸素系を用いる種々の酸化反応 ─ チオールからジスルフィドの酸化を中心に ─
富永
時間分解蛍光分光法による水溶液中における回転緩和と溶媒和ダイナミクスの研究
大堺
油水界面型フローセルを用いるイオンの分離定量法の開発
富永
溶液中におけるベンゾニトリルの相互作用と動的挙動に関する分光学的研究
枝
ナノサイズ縮合モリブデン酸{Mo36}イオンを用いた結晶構造体構築の研究:高次元化酸化物骨格とその生成プロセス
網井
銅触媒クロスカップリング反応によるトリフルオロメチル化芳香族化合物の合成
田村
シグナル伝達タンパク質 Ras と異種由来エフェクターとの相互作用機構
瀬恒
芳香族スペーサーを持つオリゴピロール誘導体の合成
秋本
超高速時間分解分光法を用いた渦鞭毛藻における励起エネルギー移動に関する研究
姫野
新規α-Keggin 型[XW12O40]n-(X=H3, CuⅡ, ZnⅡ)錯体の合成および酸化還元挙動の研究
瀬恒
大環状ポルフィリノイドの錯体形成による構造制御と機能開発
大西
周波数変調方式原子間力顕微鏡を用いた水溶液−金属酸化物界面の解析
(不掲載1名)
【物 理 学 専 攻】
【化 学 専 攻】
-25-
(不掲載1名)
修 士 論 文 題 目 一 覧
[2009 年度]
瀬恒
オリゴピロール金属錯体の合成とらせん構造の制御
林
新規な光学活性シッフ塩基配位子の開発と触媒的不斉 1,2-付加および 1,4-付加反応
秋本
時間分解蛍光分光法による Acaryochloris sp. strain Awaji における励起緩和ダイナミクスの研究
鍔木
線虫 C.elegans における cytochrome b561 ホモログの遺伝子発現様式と機能解析
網井
フッ素系アルコール部位を有する軸不斉触媒配位子の合成とその応用
石川
水素結合クラスターにおけるプロトン移動反応の分光学的研究
瀬恒
C3 対称性オリゴピロール誘導体の合成と錯体形成挙動
瀬恒
N(21), N(22)架橋ポルフィリン銅錯体の合成・構造と反応に関する研究
坂本
ショウジョウバエオス成虫附属腺の発生における mitosis と endomitosis の違いについて
倉谷
ヌタウナギの鼻・下垂体の発生と脊椎動物の頭部形態の進化
角野
チョウジタデ属植物の比較生態学的研究
【生 物 学 専 攻】
深城
側根形成能が顕著に低下するシロイヌナズナ fewer roots 変異体の解析
宮本
分裂酵母 Ypt5(Rab5)の細胞機能における役割
井上
RNA 結合タンパク質 Fox の発現と機能の解析
坂本
ショウジョウバエ オス成虫附属腺を構成する二核細胞の二核化の意義について
(不掲載2名)
三村
シロイヌナズナ根系におけるリン酸吸収機構:リンと鉄の相互作用
白井
Roles of PKC isoforms in histamine release from RBL-2H3 cells, ∼Mechanism of actin remodeling during histamine release∼
坂本
線虫 C. elegans の生殖細胞性決定機構における RNA 結合タンパク質 Y14 の機能解析
向井
PKN2 ノックアウトマウスの表現型解析
鎌田
DNA 傷害に対する細胞応答機構の解析
洲崎
ユーグレナ類鞭毛虫 Euglena gracilis と Peranema trichophorum の膜内在性タンパク質 IP39 の解析
井上
メダカ初期胚における miR-430 の発現と機能
向井
PKN3 ノックアウトマウスの表現型解析
尾崎
アリの歩行運動のコンピュータ解析
深城
根端メリステムの維持に異常を示すシロイヌナズナ LR11-4 変異体の解析
尾崎
クロキンバエ摂食行動の匂いによる調節機構
小野
小頭症の原因遺伝子産物 CDK5RAP2 の中心体における機能解析
川井
日本産ハバモドキ属(褐藻ハバモドキ科)の系統分類学的解析
井上
熱ストレス応答によるスプライシング制御機構の解析
鎌田
Caspase の新規基質の同定とその機能解析
洲崎
ユーグレナ類鞭毛虫 Peranema trichophorum の滑走運動の機構
白井
Regulatory mechanism of Rac activation by RhoGDI during Fcγ receptor-mediated phagocytosis
洲崎
ミドリゾウリムシの細胞内共生の成立と維持に関する研究
島
電気伝導度異方性と shear wave splitting で推定する上部マントル異方性構造
伊藤
中型望遠鏡へ最適化した矩形開口ステラコロナグラフの開発
宮田
六甲山地東部・芦屋断層帯に沿う新期堆積物の研究
伊藤
ドップラーシフト法による連星系に付随する系外惑星の探査
【地球惑星科学専攻】
中川
原始惑星系円盤における Kelvin-Helmholtz 不安定性に関する研究
乙藤
Paleomagnetic study of an Archean dyke of southwest Greenland: Geomagnetic field intensity
伊藤
フィラメント状分子雲に付随する前主系列星の探査
伊藤
ほ座星形成領域にあるブライトリム分子雲の近赤外撮像観測
佐藤
新富士火山初期溶岩における斜長石集斑状組織について
伊藤
若い星から噴出するアウトフローの探査
伊藤
固有運動による散開星団に属する天体の探査
宮田
神戸市沖、和田岬断層の活動性とその地震動予測
宮田
Study of the Wenchuan earthquake faults, using ground penetrating radar, in Sichuan Basin, China
郡司
兵隊ガニにおける個体と集団の関係
留岡
エフレモフカ CV3 炭素質コンドライトに見られるクラスト,コンドリュールリムの成因
島
南西インド洋海嶺 37°E における上部マントル電気伝導度構造の推定
鎌田
AMS 測定を用いた火砕流 流動方向の測定及び3次元 X 線 CT 法による検証
留岡
炭素質コンドライト中の Fe-Mg オリビンの水質変成条件に関する実験的研究
宮田
四国西部、白亜系和泉層群堆積盆の形成過程に関する擬似モデル実験
-25-
理学部卒業者 および 大学院理学研究科 修了者 進路
理
学
部 卒業者
[2009 年度]
大学院理学研究科 博士前期課程 修了者
187 名 (就職他 44 名:進学 143 名)
106 名 (就職他 88 名:進学 18 名)
数 学 科 34 名(就職他 11 名:進学 23 名)
(株)インテック
グローリー(株) ファイザー(株)
(株)アンドリュー[志学館]
教員(4)
その他(3)
名古屋大学大学院多元数理科学研究科
京都大学大学院理学研究科(2)
大阪府立大学大学院理学研究科
神戸大学大学院理学研究科(18)、同 工学研究科
数 学 専 攻 19 名(就職 17 名:進学 2 名)
(株)京都放送
第一生命保険(相) (株)富士通関西システムズ
ブレイン(株)
(株)テイエラコム ブレーンバンク(株)[四谷学院]
(株)日本ビジネスデータープロセシングセンター
(株)新興出版社啓林館
(株)エス・エー・アイ構造設計事務所
(株)ソリッドアーツ
教員(5)
その他(2)
物 理 学 科 46 名(就職他 12 名:進学 34 名)
コクヨ(株)
エルピーダメモリ(株)
地方公務員
KDDI(株)
トヨタ自動車(株) フリーランス
その他(6)
北海道大学大学院理学院
山形大学医学部
名古屋大学大学院理学研究科(2)
京都大学大学院理学研究科(5)
大阪大学大学院理学研究科(2)、同 工学研究科
神戸大学大学院理学研究科(22)
物 理 学 専 攻 29 名(就職 24 名:進学 5 名)
日立工機(株)
住友電気工業(株)
(株)デザックワイヤロープ
三菱電機(株)
(株)日立製作所(2)
(株)イクズアネックス
豊田通商(株)
三菱重工業(株)(2)
三栄ハイテックス(株)
ウシオ電機(株) (株)菱友システムズ (株)エイワイテック
AZAPA(株) 京セラコミュニケーションシステム(株)
(株)ユーフィット その他
化 学 科 37 名(就職 5 名:進学 32 名)
(株)池田銀行
東洋アルミニュウム(株)
(株)大和総研
ノバシステム(株)
その他
東北大学大学院理学研究科
京都大学大学院理学研究科
大阪大学大学院
兵庫教育大学大学院学校教育研究科
熊本大学大学院自然科学研究科
神戸大学大学院理学研究科(27)
生 物 学 科 25 名(就職他 4 名:進学 21 名)
森永乳業(株)
岡田春夫総合法律事務所
フリーランス(翻訳)
その他
京都大学大学院理学研究科(2)
神戸大学大学院理学研究科(19)
地球惑星科学科 45 名(就職他 12 名:進学 33 名)
(株)京都銀行
森永乳業(株) (株)さくらケーシーエス
日本生命(相)
(株)アイル
エアーニッポン(株)
(株)エフ・シー・エス
(株)日本システムデベロップメント
研究職派遣社員 地方公務員
その他(2)
東京大学大学院理学系研究科(2) 同 農学生命科学研究科
名古屋大学大学院環境学研究科
京都大学大学院(3)
神戸大学大学院理学研究科(26)
神戸大学大学院理学研究科(2)
化 学 専 攻 23 名(就職他 19 名:進学 4 名)
花王(株)(2)
住友金属工業(株) アサヒホールディングス(株)
住友精化(株)
エスケー化研(株) 日本たばこ産業(株)
神東塗料(株)
(株)シーエーシー 東洋インキ製造(株)
(株)アテクト
東洋ビューティ(株) サカタインクス(株)
京セラミタ(株) ハリマ化成(株)
宮野医療器(株)
(財)塩センター 海水総合研究所
その他(2)
神戸大学大学院理学研究科(4)
生 物 学 専 攻 27 名(就職他 18 名:進学 9 名)
双日(株)
全薬工業(株)
(株)かんぽ生命保険
(株)滋賀銀行
アース製薬(株)
(株)シンプレックス・テクノロジー
森永乳業(株)
シスメックス(株)
(株)アッシュ・セー・クレアシオン
ライオン(株)
日本ケミカルリサーチ(株)
(株)ワークスアプリケーションズ
日本食研(株)
(医)星田南病院
(有)ジェイ・ケイ・ライジング
アイテック阪急阪神(株)
教員
その他
神戸大学大学院医学研究科(2)
神戸大学大学院理学研究科(7)
地球惑星科学専攻 19 名(就職他 16 名:進学 3 名)
岩谷産業(株) エヌ・ティ・ティ・コムウェア(株) 三菱スペース・ソフトウエア(株)
岡谷鋼機(株) 日本カーネルシステム(株)
西日本旅客鉄道(株)
TIS(株)
(株)技研製作所
(株)日立システムアンドサービス
神戸大学
古河機械金属(株)
南海マネージメントサービス(株)
地方公務員
司法書士事務所
海上自衛隊幹部候補生[技術]
その他
神戸大学大学院理学研究科(3)
大学院自然科学研究科 理学研究科 博士後期課程 修了者 (24 名)
自然科学研究科 修了者:[ ]で表示
数 学 専 攻 2名
(株)新興出版社啓林館
[その他(1)]
化 学 専 攻 6名
住友化学(株)
神戸大学フォトサイエンス研究センター(博士研究員)
神戸大学理学研究科(学術推進研究員)
神戸大学連携創造本部(研究機関研究員)
未定(1)
[埼玉医科大学ゲノム医学研究センター(リサーチフェロー)]
地球惑星科学専攻 5 名
(株)セック
高等学校教員
地方公務員 その他(1)
[(株)オージーケーカブト]
物 理 学 専 攻 5名
(株)コベルコ科研
松江工業高等専門学校(助教)
日本学術振興会(特別研究員)
神戸大学連携創造本部(研究機関研究員)
[高エネルギー加速器機構 計算科学センター(博士研究員)]
生 物 学 専 攻 6名
お茶の水女子大学(特任リサーチフェロー)
理化学研究所基幹研究所(研究員)
Fraunhofer Center for Molecular Biotechnology(CMB)
[塩野義製薬(株)(2)]
[理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(研究員)]
-26-
く
さ
の
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
会
目
会長から皆さまへ................................................................... 会長 松田 吉弘 42
神戸大学理学部北米同窓会を設立........................................ 山口 泰人 43
横山千秋先生を偲んで.................................................................. 山崎日出男 〃
岸本先生を偲んで、訃 報........................................................ 曾谷 紀之 44
名簿の発行について................................................ 名簿委員長 松田 吉弘 45
寄付者芳名録....................................................................................................................〃
会計報告、監査報告、活動報告、役員一覧...................................................46
神戸大学クラブ(KUC)の活動........................... 運営委員 木戸 健二 47
編集後記..............................................................................................................................〃
次
の
館
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
理学研究科・理学部就職委員会、.............................................................................48
くさの会就職支援活動の報告...................................... 峯本 工
OB・OGによる合同会社説明会.............................................................................49
科学の祭典ひょうご県内大会ご報告.........................委員長 原 俊雄 50
くさの会から神戸会場に出展....................................................................................〃
地球惑星科学科同窓会...................................................................................................51
地球科学科同窓会、「神戸の香」純米大吟醸ご利用を.....................................〃
2010 年度 入学ガイダンス........................................................................................52
2009 年度 卒業・修了祝賀会...................................................................................54
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
会長から皆さまへ
まつだ
よしひろ
くさの会 会長 松田 吉 弘
くさの会会員の皆
様、
お元気でお過ごし
でしょうか。
今年の第5回ホー
ムカミングデイでは、
5学科の大学院生に
よる初のポスター研
究発表会が開催され、
在学生と理学部 OB・
OG との交流がより一
理事会にて(前列中央:筆者)
層深まりました。
また、化学科同窓会主催の講演会も他学科にオープン
な形で開かれ、その後の懇親会も賑わいました。
昨年の本欄で、ホームカミングデイに学科同窓会を併
催して頂くようにお願いしましたが、本年は化学科同窓
会のご協力を頂き大変ありがたく思っております。
「ホー
ムカミングデイに出たいのだけど、知った方が参加して
いないので二の足を踏む」という声をよく耳にします。
学科同窓や同期、同郷、同研究室出身など、横の繋がり
をもつ会をホームカミングデイの日に計画し、この日を
大いに盛り上げて頂きますよう、今後ともご協力の程よ
ろしくお願いいたします。
さて、今回は、皆様にくさの会の財政状況について、
右の図を使って少し詳しくご説明し、ご理解を頂きたい
と思います。
1988(昭和 63)年、理学部同窓会(後のくさの会)が再発
足した当時の正会員(卒業生と大学院修了者)の実数(重
複者を除いた数)は 2,808 名でした。また、この時から、
同窓会活動の財源は、
学部および大学院入学者(進学者除
く)から終身会費として徴収した会費収入(年間 500 万円
前後)と会員からの寄付金(年間 100 万円前後)になりま
した。
当初 10 年間は、黒字決算が続き、1998 年には繰越金
が4千万円近くに達しました。その後、繰越金は、理学
部創立 50 周年記念事業、理学部五十年史発行、同窓会名
簿発行などの特別支出によって減少し、現在では半分程
度になっております。
一方、会員数は定常的に増え続け、2000 年には当初の
約 1.7 倍(4,742 名)、2010 年には約 2.5 倍(6,953 名)に
達しました。この 22 年間、会費収入の方は、ほぼ横ばい
か、やや低下気味(最近の会費納入率が 70%程度に落ち
てきていることが原因)の状態ですので、近年は、経常収
支をトントンにもっていくのが大変難しくなっています。
以上、ご説明しましたように、現在のくさの会会計シ
ステムは、収入額は増えないで、支出額は会員数の増加
に伴って確実に増え続けるというものであります。日本
の年金システムと似ていますね。
繰越金がまだある程度は残っている今の内に会計シス
テムを見直す必要があると思っています。会員数の増加
が収入の増加に反映される会計システムとしては、例え
ば、年会費制の導入があります。何人かの方から、
「そろ
そろ、年会費をとってはどうですか」というご意見も伺
っております。
会員の皆様はどう思われますか。ご意見なり、何かい
いアイデアがありましたら、ぜひお聞かせください。
終わりに、今後ともくさの会の活動にご理解とご協力
を頂きますよう、よろしくお願いいたします。
(生物 12 期)
- 42 -
名簿の発行について
まつだ
よしひろ
名簿委員長 松田 吉 弘
くさの会では、これまで、4年ごとに自前で同窓会名
簿を発行し、希望会員(約 2,000 名)限定の無償配布を
行なってきました。しかし、理事会(本年5月開催)での
活発な議論の結果、
「今後は冊子体の名簿の発行を中止す
る」ことが決定されました。2011 年度の名簿発行を心待
ちにされていた会員も多数おられることでしょうが、皆
様に発行中止の事情をご説明し、どうかご理解いただき
ますようお願いいたします。
中止する主な理由は、
① 冊子体から個人情報が漏れる
危険性が常につきまとうこと、
② 名簿不掲載希望者が多
くなり、名簿の情報価値が低下してきていること,③ 経
常経費が赤字の現状では、発行費用はすべて繰越金の取
り崩しでまかなうことになること、であります。希望者
に有償で配ってはどうかという意見も出されましたが、
情報は決して売買の対象としない という私たちのポ
リシーに反しますし、また、個人情報漏洩の危険性もさ
寄
[旧
員]
10
(物理:3 名)
10
3
10
(化学:4 名)
5
20
5
2
(生物:6 名)
10
5
10
10
20
5
現
教
員
(数学:1 名)
10
(化学:1 名)
5
(生物:1 名)
10
(地球惑星:1 名) 10
数学専攻・学科
5
1
5
2
5
10
30
付
教
者
らに高まるということで採用されませんでした。
今後は、冊子体発行に代わり、①名簿データをプリン
トアウトし、簡易製本した冊子を事務局に置き、会員が
閲覧できるようにすること、②「名簿データ提供申請書」
を提出した会員に、必要範囲の情報を提供すること、と
いたします。同期会、支部会、研究室同窓会など、いろ
いろな「集い」をお考えの時や、会員の消息が知りたい
といった時には、どうぞお気軽に事務局まで名簿データ
の提供をお申し出ください。
一方、4年ごとの会員データ確認調査は、くさの会の
活動にとって大切なエネルギー源になりますので、これ
までと同様に、今後も継続して行っていきます。現在で
は調査対象者数も 6,000 名を超えましたので、2010 年度
分(数学科・物理学科・化学科)と 2011 年度分(生物学
科・地球惑星科学科)に分けて、5学科卒業・修了者の
正会員と旧・現教員の特別会員の方々全員に調査カード
をお送りする予定です。事務局からの調査カードがお手
元に届きましたら、
どうか必ずご返信くださいますよう、
よろしくご協力をお願いいたします。
芳
10
10
10
4
5
1
2
3
2
3
5
(数学:1 名)
物理学専攻・学科
名
【 2009 年 12 月∼2010 年 11 月 】
1
3
1
2
2
2
2
5
1
10
3
5
5
5
5
5
2
2
3
2
5
5
化学専攻・学科
2
2
5
3
3
25
2
5
10
10
5
5
10
5
10
3
2
2
5
2
10
5
2
17
3
3
5
2
10
2
2
2
地球惑星科学
専攻・学科
2
2
3
2
2
3
2
2
2
3
3
2
5
2
2
生物学専攻・学科
[註]① ご芳名右の ( ) に神戸大学での最終歴を掲載しています。
② 企業・団体からの寄付金は KTC と共同実施の就職支援説活動への謝礼金です。
130 名の方々と1団体から、総額 895,828 円 の寄付を頂戴いたしました。
誠にありがとうございました。ここに厚くお礼申し上げます。
- 43 -
3
10
5
10
10
2
5
1
2
10
3
5
5
1
2
10
2
3
20
2
2
3
10
5
企業・団体
(敬 称 略 単位:千円)
200
岸本先生を偲んで
そたに
のりゆき
曽谷 紀 之
岸本先生との初めての出会いは
3年生の物理化学の実験であり、
4
年生で卒業研究のため菟原研究室
に配属になり、
先生の直接指導を受
けました。兵庫農業大学 (現農学
部) から変わってこられたばかり
で、
徹夜の実験や家が篠山に在った
関係もあり、
週の何日かは研究室に
寝泊り、
研究に励んでおられました。 姫路城(1995 年秋)
岸本先生、
そのため、
研究室には米軍払い下げ Ted B.Flanagan 教授
の木製簡易ベッドと寝袋がありました。私もまねて下宿
を引き払い、同様の生活を始めました。
夜遅くに腹が減ると研究室の窓から飛び出て(理学部
は阪神御影駅の北側にあった)、
阪神のガード下の飯屋や
飲屋で岸本先生や仲間と腹を満たし、酒を覚えました。
1964(昭和 39)年4月から、理学部は御影学舎から六甲
台の現学舎に移転するため、卒業研究は 1963(昭和 38)年
12 月に終了し、翌1月から移転のための荷造りを行いま
した。卒業と同時に理学部は新しい学舎に移動し、1年
後(昭和 40 年)に大学院修士課程ができました。それを
契機に、私は民間企業に就職していたのですが、大学院
に入り、再び岸本先生との付き合いが始まりました。
岸本先生は「エチレンの水素化反応の金属触媒の活性
点について」の学位論文をまとめるため、それこそ、日
夜を問わず研究に没頭されていました。Clareburg の金
属の電気抵抗は、焼きなましをすることにより変化し、
それは、金属の欠陥に依存するという論文で、これをヒ
ントに、金属触媒の活性点は、点欠陥や転移によると考
え、ニッケル、パラジウム、白金などの線を冷加工し、
欠陥を作り、焼きなましをして、欠陥の濃度を制御した
金属触媒を作り、エチレンの水素化反応を行い、その活
性点を明らかにされた研究です。丁度その頃、私たちも
新しくできた大学院の学生として、岸本先生の研究を見
習い、非常に多くの影響を受けたものでした。毎日2∼
3人の学生が徹夜で実験に励んでいました。
また、岸本先生は何よりも酒が好きだったので、みん
なと一緒に飲んだものでした。
旧 16 番の市バス六甲台口
(神戸大学前)にあった「みどり屋」という酒屋は、午前0
時になるまでは、酒の注文は OK で、顔なじみでした。当
時の菟原研究室のメンバーが右下の写真です。当時助教
授であった和田先生はアメリカに留学され、帰国後、奈
良女子大学の教授として赴任され、岸本先生が助教授に
昇任されました。
1968(昭和 43)年4月から、私は教養部の助手になり、
以後、岸本先生とは更に付き合いが親密になりました。
学会に行くのも、論文考究もいつも一緒にさせてもらい
ました。論文を書くときは丁寧な指導をして頂き、その
- 44
お陰で、論文が一人
で書けるようにも
なり、何とか学位も
取ることができま
した。
私は、親父が亡く
なってから田舎の
家から通っていた 前列:岸本先生、加藤、竹内、幡山、藤花
後列:和田先生、筆者、上山、水島、麦野
のですが、岸本
菟原先生
(左から)
先生の同級生の浜村さんの実家が大学の下にあって、名
古屋の衛生研究所に赴任のため家を空けられるというこ
とで、岸本先生と一緒に離れの1室を借り、授業の前日
や、会議等で遅くなるときは、そこで寝泊りしました。
同じ日に泊まると一緒に飲んでしまうので、授業は別の
日になるように組んでもらうことにしましたが、やはり
よく飲み歩きました。
しばらくして、
岸本先生はアメリカの Flanagan の所に
留学され、金属触媒の活性点についての研究をさらに発
展させ、帰国後、教授になられました。教養部が改組さ
れ、私は理学部に配置換えになりましたが、さらに、い
ろんな面でお世話になりました。
定年後は、毎週一回関西棋院に通い、若いときからお
好きだった囲碁の腕を磨かれておりました。今年の1月
にお電話したときはかなり元気になったとお伺いし、同
級生でお宅をお尋ねしたいと話していた矢先に突然の訃
報の連絡が入りびっくりした次第です。私たち、物理化
学講座の卒業生にとっては、良きにつけ、悪きにつけ大
変お世話になった先生です。
安らかなご冥福をお祈りします。
(化学 12 期、修化1期)
横山千秋先生を偲んで
やまさき ひ で お
山 崎 日出男
横山さん、
親しみを込
めて私たち
は「さん」と
呼んでいた
が、10 月6日
理学部A棟東の非常階段2階にて
に亡くなら
左端:横山先生、右端:筆者
れた。
6月末に入院されたと聞き、神戸大学病院にお見舞い
に行ったときは、少し痩せられ微熱もあるご様子だった
が、
「近く家に帰れる、今度は食事の訓練だ。
」と言われ、
手掛けておられた ATLAS 実験(CERN の LHC)
の巨大ミュー
オン検出装置の写真を私に見せながら、
「この部分を製作
したんだ。これが、実働して2,3年後の結果が楽しみ
…」と、にこやかに話されていた。
10 月 30 日に原先生(物理 21 期、修物 11 期)から訃報を聞
き、
「えっ!何!?」と信じられず、
大きな衝撃を受けた。
-
翌日、妻とお宅に伺い、ご霊前にお線香をあげた。見せ
て頂いた今年の蔵王スキー場でのお写真は昔と変わらず
にこやかで、
「よう来たな。
」と、奥から笑顔で出てこら
れそうな気がした。奥様、お嬢様と写真を見ながら、話
は尽きなかった。
横山さんとの出会いは、私が専門課程で、トランジス
タの特性を調べる実験を指導して頂いた時だった。話し
方や表情がとても親しみやすく丁寧で、
何かホッとでき、
頼りになるお兄さんという印象を強く受けた。皆川研究
室に入り、横山さんともお話しする機会が増えた。私よ
り一回り上の酉年生まれで天皇と誕生日が同じ、そのこ
とで宮内庁から記念品をもらったと聞き、
びっくりした。
気球で揚げた荷物が天竜川上流の山中に落下、回収に
行った時 60 kgw のエマルジョンチェンバーを一人で担
ぎ、道なき山中を下山されたこと。乗鞍岳の宇宙線観測
所に3月に片づけに行った時、重いザックを背負い、す
いすいとスキーで降りて行かれた時の見事な姿。体力と
バランス感覚の良さに驚かされた。私はノロノロ、ボー
ゲンでついていくのがやっとだった。が、横山さんと一
緒だと思うと何故か安心できた。
研究室ではエレクトロニクスの部分を一手に引き受け、
考案されたものを模作して、チェック実験を繰り返しデ
ータを記録されていた。どんなプロジェクトの時もこう
した積み重ねが成功につながる大きな原動力になってい
たと思う。日々ダイアリーノートもつけておられた。
こうした地道な努力に加え、笑顔で皆を包み込んでし
まう包容力の大きさ、人間としての魅力が、私たちを惹
きつけて止まない人であった。
本当に惜しい人を失った。
もっともっと山やスキーを、ご一緒したかった。
ご冥福とご家族のご安寧をお祈りします。
(物理 16 期、修物4)
神戸大学理学部北米同窓会を設立
やまぐち
やすと
山 口 泰人
北米同総会世話人の方々
神戸大学理学部北米同窓会は 「神戸大学の同窓会は北
米にはないのか?」 という単純な疑問から始まり、
「くさ
の会」 と坂本理学研究科長からご支持を頂き活動を始め
ました。ここに活動内容と近況をお知らせできることに
慶びを感じています。
アメリカ西海岸、特にベイエリア一帯は学術的にも国
際的にも世界屈指の恵まれた環境で日本人コミュニテイ
も多く、セミナーやネットワーキング等が活発に行われ
ています。また、旧帝国大学を始め有名私立大学や地方
の国立大学もベイエリアにオフィスを構え、大学間連携
国際化推進活動等を行っています。各大学の同窓会も定
期的に開かれ、日本を離れた卒業生の親睦を深める機会
や日本にいる在学生向けツアーさえ用意されています。
さて、神戸大学を卒業した私たちがこうした環境で生
活をして最初に感じたこと、それは、
「神戸大学の名前を
あまり聞かないではないか?」と言うことです。神戸と
いう土地柄、自分たちの卒業した大学は国際性豊かな大
学だと信じていたばっかりに、ショックでした。
そこで、自分たちの知る範囲で理学部卒業生が今どれ
位アメリカに留学しているのかを調べてみたところ、な
んと約 20 名の生物学科卒業生、
関係者がアメリカにいる
ことがわかりました。この数字は生物学科が1学年 25
名程度しかいないことを考えると、驚くべき値です。と
なると、
問題は留学しているこれだけ多くの方々に対し、
交流の場が整備されていないのは明白です。そこで、私
たちも他大学に負けないようなコミュニテイを作り、よ
り快適な生活を送れるように、メーリングリストを作成
し、情報交換を行うことからその活動を始めました。
さらに、今回作った北米でのネットワークを活用する
ことで、理学部在学生に向けて、① 北米の大学を見学す
る機会の創出、② 卒業生の留学先情報の提供、③ 留学
予定者または希望者との情報交換が行えるのではないか
と考えています。私たちは、くさの会北米支部として、
アメリカ在住者の親睦を深めるだけでなく、神戸に向け
て様々な情報を発信し、神戸大学理学部の国際化推進に
貢献できるよう努力して参ります。
最後に、生物学科卒業生の大保三穂さん(生物 46 期、修
自5期)、高崎輝恒さん(生物 49 期、修自8期)、筆者、山
口恭子(生物51期)の4名がカリフォルニア州ベイエリア
にて暫定的にお世話をさせて頂いております。同地域、
他地域でお手伝い頂ける方、歓迎いたします。世話人が
皆、生物学科卒業生なので他学科を卒業、留学されてい
る方々の情報を入手していません。皆様の周りでアメリ
カ留学中の方がおられましたら、是非
までご連絡下さい。より一層、活動が
充実することと思われます。
(生物 49 期、修自8期)
高崎さん、大保さん、筆者、撮影:山口恭子
- 45 -
会 計 報 告
【2009 年度】
[期間:2009 年4月1日∼2010 年3月 31 日]
【 収 入 の 部 】(単位:千円)
科
目
2009 年度 決算 2010 年度 予算
前年度繰越金(A)
17,962
経 常 収 入(B)
(会費収入)
(預金利息)[定期]
4,331
4,800
(4,290)
(41)
(4,760)
(40)
会員等寄付金(C)
収 入 合 計(B+C)
総
額
17,710
968
900
5,299
5,700
23,261
23,410
【 支 出 の 部 】(単位:千円)
科
目
2009 年度 決算 2010 年度 予算
事務局費
(人 件 費)
(事 務 費)
(備 品 費)
(通 信 費)
(交 通 費)
(施設利用費)
1,908
(1,153)
(191)
(97)
(62)
(235)
(170)
2,370
(1,230)
(250)
(250)
(70)
(395)
(175)
121
(65)
(55)
150
(80)
(70)
通常事業費
3,380
(会誌制作費)
(1,289)
(会誌郵送費)
(520)
(名簿管理費)
(0)
(ホームページ管理費)
(0)
(就職支援活動費)
(56)
(外 務 費)
(34)
(母校援助費)
(500)
(卒業式経費)
(543)
(学友会分担金)
(110)
(学科同窓会活動費) (208)
(科学の祭典援助費) (100)
(六甲台祭支援費)
(20)
(雑
費)
(0)
4,330
(1,500)
(550)
(600)
(0)
(60)
(40)
(500)
(550)
(110)
(300)
(100)
(20)
(0)
運 営 費
(会 議 費)
(郵便振替料金)
予 備 費
142
100
5,551
6,850
次年度繰越金
17,710
16,560
総
23,261
23,410
支出合計
額
監 査 報 告
【2009 年度】
監査の結果、左の通り相違ないことを確認
しました。
2010 年4月 26 日
会計監査
会計監査
高木 恕司
南
孝久
活動報告
[2010 年1月∼2010 年 12 月]
① 理事会
5 月 22 日(土)
12 月 11 日(土)
② 正副会長会議
4 月 14 日(水)
③ 理学研究科懇談会
4 月 14 日(水)
④ 会誌委員会
[企画会議]
[編集会議]
10 月 11 日(祭)
6 月 19 日(土)
9 月 19 日(日)
11 月 18 日(木)
⑤ 総務・会計委員会
[卒業・修了祝賀会]
3 月 25 日(木)
[会費納入手続]
3 月 14 日(日)
3 月 17 日(水)
3 月 26 日(金)
[会計監査]
4 月 26 日(月)
⑥ 理学部就職委員会
[理学研究科合同会議]
4 月 14 日(水)
[就職支援講座(理学研究科主催)]
10 月 7 日(木) 10 月 14 日(木)
10 月 26 日(火)
[OB・OG による会社合同説明会]
11 月 12 日(金)
⑦ ホームカミングデイ
[プロジェクトチーム委員会]
4 月 23 日(金)
6 月 23 日(木)
[式典、理学部企画]
10 月 30 日(土)
⑧ 科学の祭典
[神戸会場]
9 月 4 日(土)
5 日(日)
⑨ 学友会
[幹事会]
5 月 25 日(火)
2 月 9 日(火)
8 月 4 日(火)
11 月 11 日(木)
[常任幹事会]
12 月 21 日(月) 3 月 8 日(月)
8 月 30 日(月)
[広報委員会]
5 月 20 日(木) 11 月 20 日(金)
⑩ 神戸大学クラブ(KUC)
[講演会、行事]
2 月 19 日(金)
5 月 11 日(火)
8 月 18 日(水) 11 月 25 日(木)
[運営委員会]
3 月 18 日(木)
6 月 24 日(木)
9 月 9 日(木)
11 月 25 日(木)
⑪ 学長を囲む会
11 月 12 日(金)
(下線表示:2009 年 12 月)
- 46 -
くさの会役員一覧
[2010 年4月∼2012 年3月]
会
長
松田 吉弘 (生物 12 期、学友会)
副 会長 ・事 務局長
兵頭 政幸 (地球1期、修地1期)
副会長・事務局次長
西元 俊男 (数学 13 期、学友会、 KUC)
原田 敏彦 (修化2期、学友会)
副会長
山崎日出男 (物理 16 期、修物4期)
事務局員
林
恭子 (化学 27 期)
村上公弥子 (地惑 25 期)
【 総務・会計委員会 】
中西 康剛 (委員長、修数 14 期)
藤谷 達也 (地球 1期、修地2期)
山本 孝恵 (地球2期)
【会誌委員会】
西元 俊男 (委員長)
永松 陽子 (副委員長、生物 17 期)
吉高
研 (数学 29 期)
山崎日出男 (物理 16 期、修物 4期)
木戸 健二 (化学 21 期)
尾崎まみこ (生物 25 期)
廣田 伸之 (地惑 27 期)
【 ホームページ委員会 】
山崎日出男 (委員長)
森下 淳也 (物理 27 期、修物 15 期)
斎藤 恵逸 (修化 13 期)
笠原 俊二 (化学 36 期、修化 24 期)
加藤 誠夫 (地球 11 期、修地 1期)
【外務委員会】
木戸 健二 (委員長、KUC)
藤森 陽子 (数学 22 期、KUC)
峯本
工 (物理 10 期)
中西 敏昭 (生物 20 期、修生8期)
【名簿委員会】
松田 吉弘 (委員長)
中西 康剛 (修数 14 期)
原
俊雄 (物理 21 期、修物 11 期)
大野
隆 (修化 11 期)
堀江
修 (生物 46 期)
【 就職支援委員会 】
峯本
工 (委員長)
玉木 和子 (数学 15 期)
高橋 美貴 (物理 26 期、修物 14 期)
松田 吉弘 (生物 12 期)
会 計 監 査
藤井
寿 (化学 14 期、修化2期)
竹内 崇郎 (化学 13 期、修化1期)
神戸大学クラブ(KUC)の活動
き ど
けんじ
神戸大学クラブ 運営委員 木戸 健二
神戸大学クラブ(KUC)は神戸大学全学部の卒業生と教
職員のクラブとして設立され、各学部の委員により運営
しています。理学部の運営委員は西元さん(数学 13 期)、
藤森さん(数学 22 期)と私(化学 21 期)です。
2010 年の活動は、福田秀樹学長
による新春講演会(2月、楠公会
館) から始まりました。演題は「企
業経験を神戸大学に生かす!」
。福
田学長は、企業から大学 (工学部)
へ移り、工学部から学長に選出さ
れた異色の方です。自らの企業時
代の経験に基づいて今後の大学運
営について語られました。
5月には脳神経外科吉田病院の吉田耕造名誉院長が
「脳卒中治療の流れ」と題して講演されました。わが国の
3大疾患は、ガン、心臓病、そして脳卒中ですが、特に
我々中高年が気になるのは脳卒中です。半身不随といっ
編
集
た後遺症が残る恐れがあるので、脳卒中も発症超早期の
対応が大事です。処置後の超早期リハビリも重要です。
これらの治療の流れについて語られました。
8月には神戸市立博物館で開催の「ボストン美術館浮
世絵名品展」を、
学芸員の解説を受けた後、
鑑賞しました。
ボストン美術館はアメリカ東海岸の歴史ある港町ボスト
ンの地に 1870 年に創立、浮世絵では版画5万点、肉筆画
700 点を収蔵。
これらは色褪せを恐れ、展示を控え保存されてきまし
たが、今回、18 世紀後半に焦点を絞り、名品約 140 点が
厳選展示されていました。10 月には神戸新聞社の高士薫
社長(法学部 22 期)が「最近のメディア事情と関西・神戸」
の表題で講演され、情報産業の最近の劇的な変貌、すな
わち、
新聞・テレビの代わりに出現したインターネットへ
の情報の受発信によるメディアの将来を語られました。
また、ゴルフ同好会、英雄を語る会、旅行会や囲碁ク
ラブなどの定例行事以外でも活動しております。このよ
うな学部を越え、職域を越えた交流は刺激が多くおもし
ろいものです。残念ながら、KUC に占める「くさの会」
の会員は少なく、全会員約 400 名のうち 20 名程です。皆
(化学 21 期)
様もぜひ入会して下さい。
後
今年は、私の転勤があり、ほとんど何もお手伝いできず、
「会員の広場」の原稿(数学科)が少なくなり、残念です。
それでも紙面が埋まったのは皆さんが原稿を寄せて下さっ
たお陰です。原稿を寄せて下さった皆さん本当にありがと
うございました。ただ、転勤したことから、色々なところ
に同窓生が隠れていることを知りました。来年もよろしく。
(数学 29 期 吉高 研)
今年は編集委員2年目、物理の先生への原稿依頼を任さ
れ、どうしてよいかわからず、ほとんど原先生に依存、原
先生ありがとうございました。「会員の広場」の原稿依頼
は、一名は快諾、少し安心したものの、後は、名簿からピ
ックアップし、依頼状を出し、電話でお願いすると、皆さ
ん快く引き受けて下さいました。本当にありがとうござい
ました。原稿も順調に届き、校正で気が付いたのですが、
お願いした筆者全員が私と同じ仕事の分野でした。お忙し
い中、感謝申し上げます。来年は分野も年齢層も幅広くお
願いしていきたいと思っています。
(物理 16 期、修物4 山崎 日出男)
数年ぶりに会誌の編集委員になりました。委員は全学科
から選出されており、私は化学科関連の原稿依頼や校正を
主に担当しました。ただ、ほとんど先輩の会誌委員が手際
よく、することはあまりありません。委員は大学の同窓会
事務局に集まるので、大学に対する懐かしさと、事務局が
大学にあることのありがたさが良くわかります。これまで
の会誌や同窓会名簿が全てそろっているのです。
(化学 21 期 木戸 健二)
1977 年に本学を卒業して、30 年ぶりに母校へ舞い戻りま
した。あちらこちら転々としていた頃は同窓生という気概
も薄かったものが、このような巡り合わせで、原稿を手に、
一字一字、一行一行をたどりつつ、改めて、本学同窓の感
慨を深めることになりました。
記
今年は夏から冬へ急転直下の厳しい変化、学府を取り巻
く状況も激しい変化に曝されておりますが、各地で活躍さ
れている同窓の方々と母校を繋ぐくさだより、沢山の書き
手の気持ちのその中に、微力、非力の編集委員の申し訳な
い気持ちも見え隠れ。
(生物 25 期 尾崎まみこ)
今回初めて、微力ではありましたが、くさだよりの編集
に携わらせて頂きました。原稿を快く書いて下さった皆様、
ありがとうございました。これまでは読むだけの立場でし
たが、編集に関わってみて、 この 1 冊 の作成に、たく
さんの方のご協力があることを改めて感じました。
同窓会に関わって何よりよかったと思うことは、母校へ
足を運ぶきっかけができたことかもしれません。くさだよ
りが卒業生と母校をつなぐ大切な 1 冊となりますように。
(地惑 27 期 廣田 伸之)
・くさだより 三十一文字で 語るなら
ペンでつなげる 恩師と友を
・くさだより ほっと一息年が明け
桜だよりで 取材始まる
・くさだより なぜかと尋ねる人ありて
いわ
曰くと共に 中身の自慢
・くさだより 一行もある肩書きの
ポイント少し落とし 納める
・くさだより ライフワークとなりし日は
まだ若き頃 ふた昔まえ
(生物 17 期 永松 陽子)
今号は8頁の削減に取り組みましたので、写真の縮小や
一部文面の短縮等、また、卒業年次、学科を考慮しました
が、読み易さを第一に、一部紙面で年次等を逆に掲載して
いますことを併せご了承頂きたく存じます。今号も多くの
方々のご協力とご努力により、何とか発行にこぎつけまし
た。ありがとうございました。 (数学 13 期 西元 俊男)
- 47 -
理学研究科・理学部就職委員会、くさの会就職支援活動の報告
はやし
まさひこ
林
昌彦
理 学 研 究 科 就 職 委 員 会 委員長
みねもと
くさの会就職支援委員会 委員長 峯本
今年度も理学部在学生への就職支援を理学研究科・理
学部就職委員会とくさの会が協力して行っています。理
学研究科就職委員会主催の就職支援講座を(株)ディスコ
のご協力により武田佳久氏[(株)ディスコ]を講師に迎え、
下記のとおり、午後5時∼6時30分、201-202多目的室で
実施ました。
第1回 10月7日(木) 「自己分析・自己PR対策講座」
第2回 10月14日(木) 「業界・企業研究講座」
第3回 10月26日(火) 「面接対策講座」
ガイダンスには総数
名の参加者があり、理学研究
科就職委員会とくさの会共催の「OB・OGによる合同会社
説明会」は11月12日(金)に、右の22団体の協力の下、個
別会社説明会と懇親会が行われ、OB・OG:21名、学生106
名(院生90名、学部生16名)が参加しました。
懇親会には各研究科の就職委員の先生方が参加され、
大いに懇談が弾み、参加した学生たちも有意義な情報を
得たことと思います。多忙な中を参加下さいましたOB・
OGの方々に深く感謝申し上げます。
また、神戸大学工学振興会(KTC) とくさの会就職支援
委員会共催で行った就職支援セミナーは下記の通りです。
第1回 リターンマッチ模擬面接
第2回 インターンシップの心構え
−就職とは−
峯本くさの会理事、小菅先生、松田くさの会会長
しかし、当の学生たちからはあまりそのような雰囲気
は感じられません。これも時代の変化というものでしょ
うか。大学生・修士学生にもなれば、これからの時代を
いかに生きてゆくかを日頃から、もう少し真剣に考えて
いてほしいと願うのは老婆心というものでしょうか。
協力企業名(番号順)
(株)NTTデータ
富士通(株)
6月4日(木)
第3回 就職とは
6月18日(木)
第4回 業界研究1 製薬・医療
10月1日(木)
第5回
〃
2 食品
10月15日(木)
第6回
〃
3 化学・バイオ系
11月5日(木)
第7回
〃
4コンサル・建設・土木系
11月12日(木)
住友生命保険(相)
(株)東
芝
住友電気工業(株)
(株)ルネサスエレクトロニクス
セミナー終了後には、学生が KTC 事務局スタッフ手作
のスナックを食しながら、出席企業の方々と懇談する会
を持ち、企業の社風などについて貴重な情報を得ている
ようです。
なお、今後、
「機械系業界研究」
、
「建設・鉄道・公務員」
「電気・通信系業界研究」
、
「体験講座…エントリーシー
ト」
、
「模擬面接:グループディスカッション」など6回
のセミナーおよび数十社の企業が参加する就職セミナー
「 Career Meeting 神 戸 大 学 」、「 JOB Guidance for
Future!」
、
「きらりと光る優良企業説明会」を 12 月と来
年1月に行う予定です。
2002 年(平成 14)度から9年にわたり就職支援を行って
きていますが、今年ほど学生にとって厳しい年は無かっ
たように思えます。
工
左から:樋口先生、坂本研究科長、(株)ディスコ竹田氏
明治安田生命保険(相)
大同生命保険(株)
TIS(株)
5月7日(木)
たくみ
(株)東陽テクニカ
大日本印刷(株)
(株)日本触媒
住友化学(株)
(株)村田製作所
(株)日立製作所
岩谷産業(株)
デンロコーポレーション(株)
大日本住友製薬(株)
住友金属工業(株)
(株)新日鉄ソリューションズ
大日本スクリーン製造(株)
協和発酵キリン(株)
-48-
OB・OG出席者
(農学部)
(自数 13、数学 54)
(工学部)
(自数9、数学 50)
(数学 42)
(自地 11、地惑 28)
(工学部)
(研数1、数学 55)
(自物 10、物理 51)
(自数 11、数学 52)
(研物2、物理 56)
(修物 24、物理 36)
(自物 6、物理 47)
(物理 55)
(自化 12、化学 53)
(自化 12、化学 53)
(自化 12、化学 53)
(自化 10、化学 51)
(自化 10)
(自化 14、化学 54)
(自物 4、物理 45)
(自物 8、物理 49)
(自物 11)
(自海事)
(経済学部)
(自生9、生物 50)
(自化 13、化学 54)
(物理 53)
(化学 57)
(農学部)
理 学 研 究 科 ・ 理 学 部 O B ・ O G に よ る 合 同 会 社 説 明 会
全体説明会での会社紹介
自社ブースで説明される先輩の方々
和やかな懇親会の一コマ
ご協力頂いた企業の方々
- 49 -
科 学 の 祭 典 ひ ょ う ご 県 内 大 会 の ご 報 告
はら
としお
ひょうご県内大会連絡協議会大会委員長 原 俊雄
子どもたちに科学の楽しさを伝えるための実体験型科
学実験「青少年のための科学の祭典 2010」は兵庫県下で
開催された8会場で 16,089 名の来場者があり、
神戸会場
でも多くの子供たちでにぎわいました。
1992(平成4)年度から始めた「青少年のための科学の
祭典」も 19 年目(神戸会場では 16 年目)を迎え、昨年度
実績では全国約 109 ヶ所で開催が予定されていましたが、
ス タッ
3大会が新型インフルエンザの影響で中止されました。
ひょうご県内大会会場
(財)日本科学技術振興財団会長
丹波会場
7 月 25 日(日)
有馬朗さんは挨拶の中で新学
豊岡会場
7 月 31 日(土)
習指導要領の小学校理科の目
8 月 1 日(日)
標は「自然に親しみ見通しを
姫路会場
8 月 7・ 8 日(土・日)
もって観察、実験等を行い、
西はりま会場
8 月 31 日(土)
問題解決の能力と自然を愛す
北はりま会場 8 月 8 日(日)
る心情を育てると共に、自然
東はりま会場 8 月 21・22 日(土・日)
の事物・現象についての実感
淡路会場
8 月 21・22 日(土・日)
を伴った理解を図り、科学的
神戸会場
8 月 4・ 5 日(土・日)
な見方や考え方を養う」とあ
ります。……中略……
「青少年のための科学の祭典」にかかわる多くの関
係者の方々には、地域における理科教育の指導的な役
割を担って頂きたいと思います。「青少年のための科
学の祭典」を通して、青少年の科学技術人材育成の一端
を皆様と共に担って行きたいと考えています。
会場の一コマ
受
フの皆さん
(後列左から3人目:筆者)
(来場者総数:16,089 名)
ショッピングセンター ゆめタウン 641 名
但馬県民局但馬文教府
1,315 名
兵庫県立大学書写キャンパス
県立先端科学技術支援センター
多可町立那珂ふれあい館
東播磨県民局生活創造センター
ショッピングセンター パルティ
神戸市立青少年科学館
2,309 名
1,346 名
683 名
2,250 名
1,092 名
6,453 名
くさの会から神戸会場に出展
神戸会場には生物学科同窓生の中西敏昭さん(生修 8
期、生物 20 期)、市毛康之さん(生物 24 期)、奈島弘明さん(生
修 12 期、生物 24 期)、藤友和子さん(生物 35 期)、土居恭子さ
ん(生修 25 期、生物 37 期)、西海蔣雄さん(生物 39 期)が理学
部同窓会として、昨年と同じ「水が氷になっていく様子
を見よう」をテーマにブースを設けて活動されました。
生物学科同窓生のブース
付
- 50 -
すずき
地球惑星科学科同総会
本年5月1日、向井正先生(昨年定年
退職)や佐藤博明先生(本年定年退職)が
ご出席下さり、滝川記念学術交流会館で
同窓会(総勢 30 名)が開催されました。
加藤(1期生)さんの司会で始まり、向
井先生は自由になられ、たっぷり時間に
余裕ができたこの1年のお話を、退職さ
れたばかりの佐藤先生は地震直後に着任
された思い出やこれからのご予定を、そ
れぞれ話されました。また、本年4月に
大阪市立大学に移られた山口先生からも
ご挨拶を頂きました。
司会者の権限で、突然指名された同窓
生の皆様もそれぞれの近況や活躍ぶりを
ご紹介下さり、楽しく和やかな会となり
ました。
予定の2時間半もあっという間に過ぎ、次は、東京で?という話題も
出ながらの散開となりました。遠くから駆けつけて下さった皆様、ご出
席下さいました皆様、心より感謝申し上げます。 (地球2期、修地2期)
左4人目から: 佐藤先生、向井先生、山口先生、右から2人目:筆者
地 球 科 学 科 同 総 会
2010 年 10 月 16 日(日)
、東京都千代
田区にある学士会館にて 初期の神戸大
学地球科学科同窓会 が開催されました。
1973 年に地球科学科が発足し1977 年に
最初の卒業生を出してから、首都圏で初
めて開く同窓会でした。米寿を迎えられ
た杉村新先生をはじめ増田彰正先生など
主に首都圏在住の恩師、卒業
生に加え、関西からも駆けつ
けた 11 名を合わせて総勢 61
名が集いました。
幹事の福井謙三氏(1 期)
の司会のもと、横田崇氏(1
期)
の乾杯の音頭で幕を開け、
30 年以上も昔の初期地球科
学科時代の話に花が咲き 3 時
間の懇親会もあっという間で
した。
初期の地球科学科とは、
けいこ
地球惑星科学専攻 准教授 鈴木 桂子
地球惑星科学専攻 教授
ひょうどう
まさゆき
兵 頭
政幸
今回は 1 期∼13 期生までの時代をさします。ただし一人だけ 21 期生で
参加した丸山正氏(産総研)は例外ですが、彼は 1993 年に地球惑星科
学科に名称変更後の第 1 期生です。
このような会を今回きりにしたくないという声が多数挙がり、12 期
生の宝田晋治氏(産総研)が次期幹事に指名されました。今後、記念文
集の発行が行われ、それを理学部同窓会ホームページで閲覧できるよう
にする計画になっています。
(地球 1 期、修地 1 期)
前列左2人目から:高安先生、伊勢崎先生ご夫妻、 増田先生、杉村先生、清水先生
藤井先生、小林先生、前川先生、井口先生、3列目右端:宮本先生、杉村先生右後ろ:筆者
「神戸の香」純米大吟醸ご利用を
神戸大学企画の 「神戸の香」は農学研究科附属食資源
教育研究センターで、酒米 「杜氏の夢」を厳しい安全管理
のもとに栽培し、富久錦が丹精込めて醸造した産官学連
携による高品質のお酒、1本 3,000 円(税込、送料別)で
販売しています。また、神戸大学大学院人間発達環境学
研究科の岸本吉弘画家および神戸大学名誉教授の魚住卿
山書家による気品高いラベルも大好評。
-51-
神戸大学支援合同会社(神大 LLC)で
は、皆様の懇親会やご贈答品としてご
利用頂くためのサービス(5本以上ご
注文は追加サービス)に努めておりま
す。∼是非ご連絡を !! ∼
・神大 LLC のホームページ「神戸の香」
http://www.kobe-u-llc.co.jp/
・Tel/ Fax:078-881-6826
・E-mail:
2 0 1 0 年 度
理 学 部
福山学生委員、齋藤教務委員長、瀬恒・播磨評議員、坂本研究科長
数 学 科
物理学科
化 学 科
生物学科
地球惑星科学科
三年次編入
- 52 -
入 学 者 ガ イ ダ ン ス
理 学 研 究 科
吉岡、林、持田、三村、郡司 専攻長・学科長
博士前期課程 数 学 専 攻
博士前期課程 物 理 学 専 攻
博士前期課程 化 学 専 攻
博士前期課程 生 物 学 専 攻
博士前期課程 地球惑星科学専攻
博 士 後 期 課 程
- 53 -
2009 年 度
数 学 科
物 理 学 科
化 学 科
生 物 学 科
地球惑星科学科
- 54 -
2010(平成 22)年3月 25 日(木)、恒例の
理学部と共催の「2009(平成 21)年度卒業・修
了祝賀会」をZ講義棟2階の多目的室で開催い
たしました。
卒 業 ・ 修 了 祝 賀 会
数 学 専 攻
卒業・修了者に加え、教員、同窓会員、在学
生で会場は満杯、盛況な祝賀会になりました。
2010 年度は 2011 年3月 25 日(金)の予定です。
物 理 学 専 攻
化 学 専 攻
生 物 学 専 攻
地球惑星科学専攻
- 55 -
カンリガルポ山群のロプチン峰に初登頂して(40p)
卒業・修了祝賀会にて(54p・55p)
自然科学総合研究棟4号館(6p)
幸運を呼ぶと言われている彩雲 [三上氏撮影](33p)
理学研究科博士授与式にて(第1期生)
月の石保管ケース前で(39p)
帰還報告会、山崎直子さんと(29p)
「再チャレンジ!女性研究者支援神戸スタイル」(17p)
発
行
神戸大学理学部同窓会
発行日
2010 年 12 月 1 日
責任者
会長
事務局
〒657-8501
Tel/Fax
(078)806-3055
くさの会
松田吉弘
神戸市灘区六甲台町 1−1
E メール
ホームページ http://www2.kobe-u.ac.jp/~kusaa/
ホームカミングデイ会場風景(2p-5p)
Fly UP