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Next generation catalysts are turbulent: Development of

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Next generation catalysts are turbulent: Development of
2004-01-1488
Next generation catalysts are turbulent:
Development of Support and Coating
M. Bollig, J. Liebl, R. Zimmer
BMW Group
M. Kraum, O. Seel, S. Siemund
Engelhard Technologies GmbH
R. Brück, J. Diringer, W. Maus
Emitec GmbH
Copyright © 2004 Society of Automotive Engineers, In
ABSTRACT
今後の触媒システムには,限られた搭載スペースで高い効
率をあげることが求められている.この場合,触媒前のフロー
分布が均一でない設計になりやすい.
波フォイル及び平フォイルに孔開きフォイルを用い,チャンネ
ル内のフローを半径方向に分散させることにより,均一指数
(Uniformity Index) が非常に低い場合でも所定の触媒表面
を最大限に活用出来ることがフローテストベンチでの測定に
より明らかになった.このため,背圧も著しく低下することが測
定された.熱容量が小さくなるために,エミッション結果もコー
ルドスタート時に向上が見られた.
LS 構造(Longitudinal Structure)の波フォイルは,単一チ
ャンネル内で大きな乱流を引き起こす.担体はより早く加熱さ
れ,最大浄化効率にもより速く到達することが出来る.ヨーロ
ッパ運転サイクル において,50 µm の厚みのフォイルを有
する容積の小さい 300 LS Metalit 担体が,600 cpsi の超
薄壁セラミック担体と同じ効率を有することが証明された.LS
タイプの波フォイルと孔開き平フォイルを組み合わせることで,
触媒の効率を更に向上させることが出来る.
INTRODUCTION
1600 cpsi までのセル密度の担体の開発は,コールドスター
ト時の性能,及び暖機状態でのマストランスファーを向上させ
てきた[1, 2, 3, 4, 5].今日では,フロー速度の増加によって
前の小さなキャタリストが加熱を促進する構造のカスケード構
造を備えた,セル密度 1200 cpsi までのさまざまな量産車を
見かけるようになった [ 6,7 ].
壁厚を薄くした高セル密度の開発は,二つの成果をあげた.
効率の向上は一方で貴金属担持量の低減をもたらした [ 8,
9 ].他方で向上した浄化効率は,触媒システムの容量の削
減へとつながった. [ 10 ] では,600 から 1600 cpsi までの
さまざまなセル密度を,クローズカップルドと床下位置で調査
した.NMHC と CO の結果は全てのセル密度でほぼ一定で
あったが,触媒の容量は 600 cpsi から 1600 cpsi までで
32 %削減することが出来た.窒素酸化物のエミッションは,エ
ンジン制御システムの僅かな変化にも影響を受けることが知
られている.
これまで,触媒システムをさ更に最適化するために,セル密
度の更なる高セル化が必要な化学的及び熱力学的向上をも
たらすかは,完全に明らかにされていない.一方で,薄箔化
には明らかに限界がある.又,均一でないフロー分布や空燃
比の誤差の影響は,効率の向上とは相反するものである.モ
ノリスの背圧の増加も,許容することが出来ない.
通常の運転状態では,滑らかなチャンネルの中を通るガスフ
ローはラミナ-特性を示し,ガスから壁へのマストランスファー
を制限しがちな厚い境界層になる. [ 11 ] では改良されたメ
タル担体のフォイル構造“SQ 構造”が提案された。この構造
では,セルチャンネルの壁は一定の長さで破断され,横方向
にズレ新しいチャンネルを作る.この結果,表面で薄い境界
層と乱流ができる.一方で,コーティングの際,チャンネルが
ズレている部にてウォッシュコートが堆積するため,この構造
は量産には適さない.
本論文では,新開発のフォイル構造を用いることにより
ラミナ-状ではないフローを形成するためのさまざまな
方法をとりあげる.例えば,いわゆる “孔開きフォイル”
は熱容量を低減するものであり,担体内でのマストラン
スファーの増加によって,暖機状態での浄化率を高める
ものとなる.
IMPLEMENTATION OF METALITS WITH
STRUCTURED FOILS
Calculations of the flow within a channel
孔開きの影響を,CFD モデル ( KIVA-II )を用いて調査した.
二つの隣り合うチャンネルの速度分布を計算によって求めた
[Fig. 2].これらチャンネル間のフロー速度の違いは,最初の
孔に到達する前で 2 m/s となるように境界条件が設定された.
チャンネル間の壁厚は 50 µm で,両側にコーティング厚み
の 25µm が加わる.ガス温度は 500°C に設定されており,
ガス密度は 0.46 kg/m³である.チャンネルの大きさは 0.8
mm で,孔の直径は 8mm である.
Perforated foils ( PE – catalyst )
触媒の効率を向上させるため,更なる物理的及び化学的ポ
テンシャルを明らかにするためには,セルチャンネル間を移
動できるフローの可能性を調査する必要がある.担体前の不
均一なフロー分布がそのままモノリス内部全長に流れてしまう
ことを改善する手段として,2 つの担体間にガスの混合部分
を設ける高価な 2 担体システムを採用することは,さまざまな
触媒システムにおいて不都合である.チャンネル間を横断す
る動き,そしてラミナ-状のフローを壊すことは,効率の向上を
もたらすものとなる.
12 m/s
11,4 m/s
10 m/s
10,6 m/s
孔開きメタルフォイル[Fig. 1]の開発によって以下の効果がも
たらされた.
-
フローと濃度の均一な分布
ラムダ変化量の吸収
熱容量の低減
Figure 2: CFD-modelling of a channel with perforation
孔の直径の 1/3 を過ぎてから,フローが開口部に突入して
いることが明確に見て取れる.フローの速度は,隣り合うチャ
ンネルの相互作用を表わしている.軸方向のフローは乱され,
半径方向への動きが発生する.これによって圧力勾配が生じ,
マストランスファーが増大する.
Development of a coating process for
structured foils
孔開きフォイル担体であれ,その他のフォイル構造と組み合
わせた担体であれ,チャンネルと形成された空孔を詰まらせ
ないために,コーティングの工程を改善する必要がある.
Figure 1: Perforated flat and corrugated foil
一方で,フォイルに孔を開けることは,幾何学表面積に関し
ては大きな損失となることも明らかである。今回の調査により
表面積の損失は,チャンネル内の “ 乱流のような “ フローの
生成によって埋め合わされることが明らかになった.標準的
な孔のサイズは 8 mm で,これによってフォイルの空孔率は
35%である.
この工程を最適化するための手順を, Figures 3 と 4 に示す.
PE 担体には単純なウォッシュコートが施され,工程管理のた
めに切り開かれている. 写真は,灰色のペイントのようなウォ
ッシュコートで被われたメタル担体である.
Figure 3 は通常のプロトタイプのコーティング工程で作った
サンプルの結果を示している.材料の堆積によって孔の部分
にはプラギングが形成され,孔の間はウォッシュコートが不均
一に付着している.
Influence of the perforation on the flow
distribution
フロー分布及び背圧に及ぼす孔開きフォイルの影響を,さま
ざまなレベルの孔及び空孔率を持つ,異なった担体を用い
て調査した [Tab.1].
washcoat
Metalit 1
Metalit 2
Metalit 3
Hole diameter
[mm]
----
8 mm
4 mm
Porosity [%]
0%
35 %
19 %
Geom. surface
area [m²]
3.57
2.32
2.89
uncoated
plugging
Figure 3: Impression of washcoat appearance for the
non-optimized coating process
コーティングの工程を改善することによって,望ましい好適な
表面の触媒層ができた [Fig. 4]: フォイルのあらゆる部分がウ
ォッシュコートで均等に被われ,空洞部分にもプラギングが発
生していないため,担体内の活性表面全体を用いることが可
能である.
Table 1: Design of tested substrates Ø95x101.5mm, cell
Density 1200 cpsi, foil thickness 40µm
測定は,3つのシリンダを有する量産マニフォールドを用いて,
テストベンチで行われた.このマニフォールドは,マスフロー
率 300 kg/h で温度が 100°C のフローをほぼ均一にコンバ
ータに送り込んでいる.全ての担体に 150 g/ft³の貴金属がコ
ーティングされている.ウォッシュコートの厚みは3つ全て同じ
である.このため,PE 担体についてはその空孔率のために,
ウォッシュコートの絶対量を減らさなければならなかった.
システムは,ドイツ自動車協会 の手順を用い,最高温度
950°C で 96h のエージングを行った [12].フロー分布の判
定のためには,均一指数[13] を用いた.この指数は,担体の
断面におけるフローの均一性を表わすものである. ( 最良値
=1 ).
最初のテストでのフローの均一指数は 0.92 だった.Figure
5 は,担体の出口で計測したフロー分布を示している.
Figure 4: Impression of washcoat appearance after
Optimization of the coating process
Standard
コーティングに関する同様の改良は,標準フォイルと PE 構
造のあらゆる組み合わせにおいて可能である.本論文で後
述するフォイル構造を有する担体は,近年の通常のコーティ
ング工程を僅かに最適化するだけで製造が可能である.
35% porosity
19% porosity
Figure 5: Flow distribution of the tested Metalits
Figure 5 において,標準担体においてフローは担体入口
の左下部に向けられ,そこに高速フローが集中している.空
孔率が 35% の Metalit を用いると,高速の部分がより均等
に分布しているのが明確にわかる.一方で,空孔率が 19%
のものは,標準担体と大きな差異がない.しかし,各システム
の圧力損失を測定してみると,21% 及び 10%の低減を示し
ている.これは,各チャンネルでの速度の均一化のためであ
ると考えられる [Tab 2].
Metalit 1
Metalit 2
Metalit 3
Porosity [%]
0%
35 %
19 %
Uniformity
Index [-]
0.92
0.92
0.92
Back
Pressure
[mbar]
at 300kg/h
Metalit 1
Metalit 2
Metalit 3
Porosity [%]
0%
35 %
19 %
Uniformity
Index [-]
0.49
0.78
( + 37% )
0.49
( - )
28.5
15.4
( - 46% )
23.1
( - 19% )
Back
Pressure
[mbar]
Table 3: Results from the flow test bench
Substrate: Ø95x101.5mm, cell density 1200cpsi,
foil thickness 40µm
Influence of the perforation on heat capacity
18.4
14.4
( - 21% )
16.5
( - 10% )
Table 2: Results from the flow test bench
Substrate: Ø95x101.5mm, cell density 1200cpsi,
foil thickness 40µm
平フォイルと波フォイルの孔は,Metalit の熱量を低減する.
Tab. 4 では,35% の孔が熱容量に与える影響を, Ø 110 x
110mm, 600cpsi の担体で示した.それぞれの壁厚は異な
るが,貴金属 担持量は 150 g/ft³である.600cpsi の孔開き
50µm フォイルで,30µm フォイルと同じ熱容量のものを作る
ことも可能である.
不均一なフローをシミュレートするために,各 Metalit の入口
側で,担体の外周部を 15 mm のリングで被った.このためフ
ローは,障害物のない直径 65 mm の空間がある担体中央
部へと集中した.これらの計測結果を Fig. 6 に示す.
Heat
Capacity
[ J/K ]
600cpsi
40µm
600cpsi
30µm
0.500
0.410
600cpsi
600cpsi
40µm
50µm
perforated perforate
d
0.405
0.355
Table 4: Influence of perforated flat and corrugated foils
on the heat capacity using various foil thickness
and a washcoat thickness of 0.025 mm
Standard
35% porosity
19% porosity
Figure 6: Flow distribution of the tested Metalits
孔のない担体の場合,前のテストで見られるものと同様なガ
スの集中があれば,基本的にフロー速度は増加する. 35%
の孔がある担体では,101.5 mm の長さのなかで,マント
ルに向けてフローを分布させる.この結果均一指数の測定
値を 37%増加させて,背圧を約 40% 低減することが可
能になる [Tab. 3].空孔率の低いものは,ここでも高速であ
った部分を均一にするだけで,分布を広げるほどの効果はな
かったが,圧力損失に対する効果は,約 20% ほどあった.
[ 14 ] では,Ø118 x 74.5 mm, 400 cpsi ( 壁厚 50µm ) で
36% の空孔率のものと,孔のないものの温度を,前面から
25 mm 位置の中心部で測定した.その結果,孔のあるもの
は FTP サイクルのコールドスタートにおいて,約 3.5 秒 速く
250℃に到達した.
Emission results
エミッションの測定は,EU IV の 6–シリンダ, 3.0 L エンジン
で Engelhard Technologies により,ヨーロッパ運転サイクル
で行われた[ECE + EUDC].テストでは,標準的な孔のない
フォイルと,空孔率 19% 及び 35%のものを用いた.担体は
それぞれ 160 g/ft³ のトリメタル触媒を施された.チャンネル
内でのマストランスポートの向上が,幾何学表面積の損失を
補うことが出来るか否かがこの測定の焦点となった.
0,04
Standard
8 mm, 37% porosity
4 mm, 19% porosity
Emission g/km
0,035
0,03
Figure 8: Schematic flow field within a channel using
the TS – structure
この技術は,担体のデザインを変えず浄化率を向上させる目
的として,あるいはエミッション性能を維持したままセル密度
を小さくし背圧を低くする目的として,業界で広く採用されて
いる.
チャンネル内の乱流のようなフローの生成を更に促進するた
めには,適切な形状によって,フローがチャンネルを変えるよ
うにしなければならない.このような構造は数年前からあった
が,コーティングの技術が十分に開発されていないためにそ
の適用範囲は限られていた.しかし,近年開発された新しい
製造技術によって,近い将来にこのようなフォイル構造の採
用が可能になりそうである.
0,025
0,02
0,015
0,01
0,005
0
HC
NOx
Figure 7: Accumulated emission results during the
EU driving cycle as an average of 3 tests
熱容量における優位性によって,孔開きのシステムはどちら
もコールドスタート時の HC エミッションを削減することが出来
た.一方でトータルエミッションの結果は,加熱特性だけで決
められるものではなかった.暖機状態での限られたマストラン
スファーのために,特に濃度が低い場合,拡散の速度が大き
な役割を果すこととなった.コールドスタート時における HC
エミッションの少なさは,サイクル全体でも損なわれなかった
ため,幾何学表面積の損失は,半径方向へのフローの生成
とそれに伴うマストランスファーの向上によって補われることが
わかる.
NOx エミッションの浄化は,熱容量ではなく,表面積と拡散
の速度によって決定される.得られた結果は孔が機能してい
ることを明確に示しており,チャンネル内でのフローの乱流化
及び濃度の均一な分布によって,19% もしくは 35% という
表面積の損失がほぼ補えることがわかる.
Implementation of Metalits with LS structured
foils
チャンネル内の拡散工程を促進するという発想は,1994 年
に Emitec が, Volkswagen AG に TS 構造 (Transversal
Structure)を採用したのが初めてである[ 15, 16 ].フローに
対して垂直方向の突起状の波形状は,半径方向への流れを
作りだし,それが浄化率を高めるものとなった [Fig.8].
Figure 9 はこのような構造の例である“LS 構造 “ を示してい
る.この構造ではチャンネルに刻み目がつけられており,軸
に対して垂直方向に波形が形成されている.これによって,
ラミナー流が妨げられ,特に濃度が低い場合,拡散過程は
速度に限定されなくなる.
LS 構造で 300 cpsi の Metalit の内側を見ると,逆向きの波
形があるために, 600 cpsi の Metalit が用いられているよう
な印象を受ける.以下のテストでは,300/600 LS の担体を
用いて,その潜在能力と 600 cpsi の標準担体を比較した
[Tab. 7].
300
cpsi
600
cpsi
Figure 9: Schematic of a 300/600 support with
LS – structured foils
First emission experience with LS-structure
BMW 3.0 l エンジンの量産システムには,Ø 80 x 50.8 mm,
500TS Metalit とそれに続く Ø 98,4 x 101.5 mm, 600 cpsi
Metalit とのカスケード設計が用いられている.このシステムを,
同じ PGM 担持量の 300/600 LS 構造担体からなる同寸法
のカスケードと比較した.
Volume
[l]
Ø80 x 50.8mm
500TS, 50µm
+
Ø98.4 x
101.5mm
600cpsi, 30µm
Ø80 x 50.8mm
300LS, 40µm
+
Ø98.4 x
101.5mm
300LS, 40µm
Heat
capacity
[ kJ/K ]
Geometric
surface area
[ m² ]
500TS / 600cpsi
Fresh
10.000
300LS / 300LS
20.000
30.000
40.000
Distance [km]
Figure 11: HC emission during the FTP-test cycle
1.03
0.494
3.554
Further Emission testing
1.03
2.587
0.448
Table 7: Physical data of the tested systems
同様のシステム比較は,4 シリンダーの 1.6 L 量産エンジン
を有するミニカーでも行われた.マニフォールドは,クローズ
カップルドのメインコンバータを持つ 4-into-1 マニフォールド
である [Fig. 12].排気システムのデザインは,コンバー
タの前で僅かに右に曲がったように形成されており,フ
ローが主にその方向に導かれることが予測される.
6 シリンダのエンジンを有する 5 シリーズの車を用いて,新品
の状態と,BMW 内部高負荷運転サイクルにおいて,ローラ
ーテストベンチでエージングを行った状態で,これらのシステ
ムの測定を行った.エージングの間,車は FTP-75 サイクル
で 10,000km ごとに測定を行った.エミッション結果(少なくと
も2回のテストの平均)のうち炭化水素を Fig.10 に,NOx を
Fig.11 に示す.
Figure 12: Catalytic exhaust system
500TS / 600cpsi
Fresh
10
20.000
300LS / 300LS
30.000
Volume
[l]
Heat
capacity
[ kJ/K ]
Geometric
surface area
[ m² ]
1.17
0.49
3.21
40.000
Distance [km]
Figure 10: HC emission during the FTP-test cycle
300/600 LS 構造の Metalit の性能は,高セル密度で表面
積の大きい標準担体と同等であった.刻み目のついたチャン
ネルによってフローはばらばらにされ,乱流のような渦の生成
が,低セル密度による表面積や水力直径のデメリットを補うも
のとなる.このため,現行のシステムを低セル密度の LS 構造
に変更することが可能になるのである.
Metallic
Ø105x135mm
300LS, 50µm
Ø105,7x152
mm Ceramic
1.33
0.52
600 cpsi, 3 mil
Table 8: Physical data of the tested systems
4.39
これらの担体には,最初の 50 mm に 50g/ft³ のトリメタルコ
ーティング,残りの部分には 20 g/ft³ というゾーンコーティン
グが施されている.ここでも,最高温度 950℃で 96 時間のド
イツ自動車協会のエージング手順が行われた.
Fig. 13 に示す結果も,LS 構造フォイルのポテンシャルを示
している.LS 構造の 300/600 担体の場合表面積は 25 %
削減(セル密度の減少と容積の低減のために)されているが
エミッション結果は全て変わりがない.乱流の生成や厚い境
界層の分離が,フローの中心部と表面との間での集中的な
排ガスの交換をもたらしたからである.
1,17l, 300LS
1,33l, 600cpsi
Ø105x135mm
300LS/PE 6%,
50µm
Heat
capacity
[ kJ/K ]
Geometric
surface area
[ m² ]
1,17
0,49
3,21
1,17
0,40
2,62
Ø105,7x152
0,52
mm ceramic
1,33
600 cpsi, 3 mil
Table 9: Physical data of the tested systems
0,08
Acc. Emissions [ g/km ]
Ø105x135mm
300LS, 50µm
Volume
[l]
0,07
0,06
4,39
0,05
0,04
0,03
0,02
0,01
0
HC
NOx
CO/10
平フォイルに孔を開けることによって,HC と CO の エミッ
ションがほぼ 10%向上する.熱容量の低下はごく僅かであ
るため ( ちょうど 6% の空孔率 ),性能の向上という大きな効
果は,担体での最適化されたフロー分布による,よりスムーズ
なエージングとして現れる.孔を開けることによって,チャンネ
ル間でフローを往き来させ,所定の表面積を活用できるよう
になり,これによって NOx のエミッションが約 20%向上した.
Figure 13: Emission results during the EU driving cycles
( average of 3 tests )
1,17l, 300LS
1,17l, 300LS/PE
1,33l, 600cpsi
この技術は,高セル密度を用いる戦略と同様のポテンシャル
をもたらすものである. 新開発のフォイル構造を用いることに
より,触媒システムの容量を小さくするか,もしくは触媒の担
持量を少なくすることが出来る.この選択肢と共に,担体部材
についてもおよそ 30%の コスト削減ができる可能性がある.
Emission Measurements with slotted LS foils in
combination with perforated flat foils
Acc. Emissions [ g/km ]
0,08
0,07
0,06
0,05
0,04
0,03
0,02
0,01
0
HC
刻み目のある LS 構造を用いると,乱流の力によってフロー
が隣り合うチャンネル間を相互に行き来できるようなる.孔開
きフォイルは,担体内でより大きな径方向のフローを引き起こ
すことが可能であり,両方の構造を組み合わせることも考えら
れるようになる.平フォイルに開けられた孔は,直径 8 mm で,
空孔率は全表面積のうちの 6 %ほどである [Tab. 9].全ての
担体は同時に,ドイツ自動車協会のサイクルでエージングを
行った.
コンバータの効率の測定もヨーロッパ運転サイクルで行い,
前述のテスト結果と比較した [Fig. 14].
NOx
CO/10
Figure 14: Emission results of a combined 300LS / PE
substrate compared to a standard and a
300LS-only support
今後のテストプログラムでは,15%まで空孔率をあげた平フォ
イルを用いて,これら全ての調査が繰り返し行われる予定で
ある.更に,400/800 LS までのセル密度をテストして,より小
さい水力直径の影響や,刻み目のあるチャンネル内でのフロ
ー速度に及ぼすその影響を調べることになる.
CONCLUSION
[3]
“Design Criteria for Metallic Substrates for
Catalytic Converters“, SAE – Paper 950789
R. Brück, R. Diewald, P. Hirth, F.-W. Kaiser,
Emitec GmbH
[4]
“Design Criteria for Metallic Substrates for
Future Catalyst Applications, Part III“, SAEPaper 971027
A. Bergmann, R. Brück, C. Kruse, Emitec GmbH
[5]
“Close-Coupled
Catalytic
Converters
for
Compliance with LEV/ULEV and EGIII
Legislation – Influence of Support Material, Cell
Density and Mass on Emission Results”, SAE –
Paper 960261,
B. Pfalzgraf, M. Rieger, G. Ottowitz, AUDI AG
“Das BMW SULEV ( PZEV ) Konzept Emissionsreduzierung ohne Kompromisse, Wien
Motorensymposium 2002
J. Liebl, R. Hofmann, Th. Melcher, BMW AG
メタル担体の新技術,孔開きフォイルや LS 構造は,次世代
触媒システムのためのさまざまな可能性を広げている.
今後の担体の主要な目標は,マストランスファーを高めるた
めに,チャンネル内のラミナー流を攪拌し,乱流のようなフロ
ーを形成することである.メタルフォイルの孔開けは,チャン
ネル間のフローを担体の内方向及び径方向に往き来させる
最初のステップである.フローと壁の間の激しい相互作用に
よって,表面積が 35% 小さくても,標準担体と同じだけの効
率をあげることが出来る.孔開きフォイルは熱容量が小さいた
め,高セル密度にするために必ずしも超薄壁を用いる必要
はない.これは高温耐久性を高め,例えば,高温のターボエ
ンジン用として都合が良い.更に,背圧も著しく低減される.
刻み目のある LS 構造は,チャンネルの真中でフローを妨害
し,境界層をばらばらにして,各刻み目で乱流フローを生成
させる.このため浄化効率は著しく向上し,例えば 600cpsi
の代わりの 300 LS のように,セル密度を小さくすることが可
能になる.更に,標準システムと較べて触媒容量を小さくする
ことも可能である.
新しい設計に基づいたフォイル構造を有する新型メタル担体
には,新規の触媒技術と改良されたコーティング工程が必要
である.製品と工程開発に関して設定された目標は達成され
た.PE 及び LS/PE 型における幾何学表面積の損失は補う
こ と が 出 来 る よ う に な っ た . 小 さ い セ ル 密 度 の LS 及 び
LS/PE 型担体担体であっても,通常フローと比較して性能を
向上させるものとなった.
[6]
[7]
“The development of BMW Catalyst Concepts
for LEV/ULEV and EUIII/IV Legislations 6
Cylinder Engine with Close Coupled Main
Catalyst”, SAE – Paper 980418
E. Otto, F. Albrecht, J. Liebl, BMW AG
[8]
“Utilization of Advanced Three-Way Catalyst
Formulations on Ceramic Ultra Thin Wall
Substrates for Future Legislation”, SAE – Paper
2002–01–0349
J. Schmidt et.al., DaimlerChrysler AG, W. Müller
et. Al., OMG AG CO.KG,
T. Buckel et. Al., Faurecia Abgastechnik, F. Abe
et.al., NGK Insulaters Ltd
[9]
“New Ultra Thin Wall Metal Catalysts for CloseCoupled Applications“, SAE – Paper 980420
R. Brück, R. Diewald, W. Maus, L. Wieres, F.-W.
Kaiser, Emitec GmbH
[10]
“Advanced Performance of Metallic Converter
Systems, Demonstrated on a Production V8
Engine”, SAE – Paper 2002-01-0347
R. Brück, K. Müller-Haas, J. Breuer, Emitec
GmbH / C. Webb, SWRI
[11]
„New High-Performance Gas Flow Equalizing
Metal Supports for Automotive Exhaust G
Catalysts“, SAE – Paper 900270,
M. Nonnenmann, Südd. Kühlerfabrik
[12]
“ Gemeinsames Katalysatorprüfverfahren von
Audi, BMW, Mercedes, Porsche und VW“
MTZ Motorentechnische Zeitschrift 55 ( 1994 )
Heft 4
[13]
„Optimisation of Catalytic Converter Gas Flow
Distribution by CFD Prediction“,SAE – Paper
930780, H. Weltens, H. Bressler, F. Terres, H.
ACKNOWLEDGMENTS
Emitec は,BMW グループに対して,今回の開発における
エンジンやその他のアプリケーションに関する継続的なサポ
ー ト に 感 謝 の 意 を 表 す る も の で あ る . Engelhard
Technologies は新しいフォイルデザインの制約を解決する
ための新規コーティング技法と,これらの設計のためのコー
ティング技術を開発した.担体,及びフローの最適化や新し
い乱流構造のシミュレーションのような基本技術については
Emitec が提供した.
REFERENCES
[1]
[2]
„Application Guideline to define a Catalyst
Layout for maximum Catalytic Effeciency”, SAE
– Paper # 2001-01-0929
P. Marsh, F. Acke, Volvo/ R. Konieczny, R.
Brück, P. Hirth, Emitec GmbH
“Product Design and Development of Ultra Thin
Wall Ceramic Catalytic Substrate”, SAE – Paper
2002-01-0350
Yoichi Aoki, Yukio Miyairi, Yukihito Ichikawa,
Fumio Abe NGK Insulaters Ltd
Neumaier, D. Rammoser, Heinrich Gillet GmbH
& Co. KG
[14]
„Niedrigstemissions-Fahrzeuge sind heute
realisierbar –Neue Innovationsschwerpunkte für
metallische Katalysatorträger:
Kostenreduzierung und Dauerhaltbarkeit „
W. Maus, J. Diringer, R. Brück, Emitec GmbH
Symposium: Entwicklungstendenzen bei
Ottomotoren in Esslingen, 2002
[15]
„Improved Cell Design for Increased Catalytic
Conversion Efficiency“, SAE – Paper 940932,
Dr. Held et al, Volkswagen AG
[16]
„Flow Improved Efficiency by New Cell
Structures in Metallic Substrates“, SAE – Paper
950788.,
R. Brück, J. Diringer, U. Martin, W. Maus Emitec
GmbH
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