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大学などのプロジェクト報告のサマリ

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大学などのプロジェクト報告のサマリ
光赤天連総会 2016年3月16日
TMTプロジェクト
進捗報告(2015.9.∼)
TMT計画についてはパンフレット、ホームページを参照く
ださい。
l建設地(ハワイ)をめぐる動き
・ハワイ現地工事の再開準備を進めていたが、ハワイ州土
地・天然資源委員会が承認していたマウナケアの保護地区
利用許可の手続きに瑕疵があったとする訴えをハワイ州最
高裁が認め、審査を差し戻す判決を出した(2015年12月2
日)。
・2016年2月にハワイ州土地・天然資源委員会に審査が差
し戻され、委員会が審査手続きを進めている。審査には1年
程度要する見込み。
・山頂工事の遅れをうけ、完成も延伸の見込み。
l国内製作・開発
•主鏡分割鏡材、非球面研削・研磨加工は量産が進行中。
•望遠鏡本体構造の詳細設計は進行中。最終設計審査は
2016年度末に延期。
•観測装置開発 第一期装置の開発・検討が進行中。第二期
観測装置をめざした戦略的基礎開発経費は2016年度も実施。
l TMT Science Forum を5月24-26日に京都で開催します。
参加登録受付中。多数の参加をお待ちしています。
l全国各地で講演会を引き続き開催中。講師としてのご協力
もお願いします。模型やプロモーション動画も整備されて
いるので、展示会などにも対応します。
東京大学アタカマ天文台(TAO)プロジェクト進捗報告
2016/3/16 光赤天連総会
・口径6.5m光赤外線望遠鏡をアタカマの世界最高地点(5,640m)に建設
・赤外線の広い窓を活用し、宇宙論から太陽系まで広範なサイエンスを実施
・次世代を担う大学院生・若手育成を重視し、サーベイ・萌芽的研究を推進
□ 6.5m望遠鏡本体進捗
・2012年から主要部品製作開始
・2016年秋のチリ出荷をめざし、日本および米国で製作調整作業が進行中
・山頂精密測量に基づくエンクロージャ+観測棟のコスト削減案策定中
・山頂道路輸送計画とりまとめ、年度内に道路拡張工事を予定
左上) ベンチレーション窓を
最適化したエンクロージャ
中上)望遠鏡Azの組立(*1)
右上) 道路調査の様子
中央) 風シミュレーションの様子
(*2)
中右) 山頂精密測量結果
下) 2015/11/16に行われた
拡大技術検討会の写真。
総計30名が参加。
資料提供
(*1)西村製作所
(*2)九州大学応用力学研究所
内田研究室、環境GIS研究所
□観測装置
・SWIMS/MIMIZUKU
三鷹での最終組み上げ試験実施中。
実験室内First Lightに成功(SWIMS)
 詳細は本年会 V228b, V229bを参照
上) SWIMSファーストライト画像
右上) 組み上げられた
MIMIZUKU Field Stacker
右下) MIMIZUKU H1RG MUX
□ 本学会での発表
✓ 企画セッション「東京大学アタカマ天文台のサイエンス戦略」
3/16 9:30-/13:30- (総計4時間)
レビュー4講演を含む20件の発表
✓ 通常セッション
・東京大学アタカマ天文台近赤外線観測装置 SWIMS 小西ほか
・東京大学アタカマ天文台中間赤外線観測装置 MIMIZUKU 上塚ほか
・中間赤外線高精度モニタリングに向けた二視野同時観測手法の開発 内山ほか
・TAO 6.5m望遠鏡エンクロージャー設計における非定常数値風況解析 小西ほか
・水素電離輝線を用いた近傍LIRGにおけるダスト減光の観測的研究 小早川ほか
京都大学(岡山 3.8m 新技術望遠鏡
関連)活動報告
2016.3.16 光赤天連総会
国立天文台 岡山天体物理観測所、名古屋大学 光赤外天文計測学講座、ナノオプトニクス・
エナジーとともに共同開発してきた。望遠鏡本体は、平成 25 年度補正予算 国立大学法人設
備整備費補助金として採択、岡山天体物理観測所の駐車場横の仮ドームに 2015.3 末に納入。
本設のドームは、平成 27 年度予算で 2015 から建設中である。
仮ドーム内に設置した架台
(2015 年 3 月 17 日撮影、岡山天体物理観測所の駐車場わき)
●主要 3 技術要素
1.研削・研磨による光学系の製作
2.主鏡の制御
3.軽量架台
・ ならい 3 点法での計測、データステッチングソフト開発
・ エッジセンサ環境試験、支持機構とウォーピングハーネス試験
・ 望遠鏡制御と運用の検討
○ 極限補償光学の実験、
面分光装置の基礎実験・観測開始、 アラートに対応するシステム・ToO 観測手順
○ 国立天文台との運用の議論を継続
●本設ドーム、平成 27 年度当初予算として認められる (現在、建設へと進行中)
本設ドーム完成後ただちに、望遠鏡本体を搬入、調整・試験観測にすすむ。
本年会での報告:V246a 3 点法による大型自由曲面光学素子の計測 栗田光樹夫、
V247a 京大岡山 3.8m 望遠鏡:高コントラスト惑星撮像装置 SEICA の撮像性能 山本広大
2. 公募観測
西はりま天文台「なゆた望遠鏡」の運用
兵庫県立大学 伊藤洋一
プロポーザル
割当夜数
装置
審査
:
:
:
:
年間2回公募
半年で20夜
MINT, MALLS, NIC, LISS等
外部委員を含めた審査委員会
件数 又は夜数
1. 現状
•
•
•
•
40
• 口径2m
• 6個の観測装置 (カセグレン焦点、ナスミス焦点)
• 現時点で「日本最大の光学赤外線望遠鏡」
• 観測時間: 19:30までと21:00以降
30
提案件数
要求夜数
採択夜数
20
10
0
1
2
3
4
5
3. 再蒸着
3. 再蒸着
可視光での反射率:60%台から最大90%以上に改善
Alのみ
反射率
• 主鏡(7年ぶり)、副鏡、第三鏡(どちらも初)
• 三光精衡所 (茨城県つくばみらい市)
前回はフランスに空輸した
• アルミニウム蒸着 + SiO2のオーバーコート
反射率が550nmにピークを持つように調整
Al+SiO2
[%]
蒸着前
6
13B 14A 14B 15A 15B 16A
セメスター
蒸着後
波長
光・赤外線天文学大学間連携事業 進捗報告 2016/03/16 光学赤外線天文連絡会総会
⃝ 事業概要
衛星や地上のサーベイ観測から発見される突発天体について、短時間の天文現象の詳細な研究あるいは天体出現
直後の様子を捉えるために、機動性の高い中小口径望遠鏡を有機的に結びつけて、可視光・近赤外線の多地点・
多機能なフォローアップ観測するネットワークを構築する。大望遠鏡では達成困難な研究領域である時間軸の探
究の領域で、最先端研究を共同して行うことにより、大学での教育と研究を促進することを目指す。
事業期間: 平成 23 年度から 6 年間、次年度(6 年目)の継続が確定した
事業予算: H23: 99,858 千円, H24: 99,858 千円, H25: 96,862 千円, H26: 73,000 千円, H27:56,000 千円, H28:49,000 千円
主体機関: 北海道大学, 埼玉大学, 東京大学, 東京工業大学, 名古屋大学, 京都大学, 兵庫県立大学,
広島大学, 鹿児島大学, 国立天文台
協力機関: ぐんま天文台, 京都産業大学, 美星スペースガードセンター
⃝ OISTER(Optical and Infrared Synergetic Telescopes for Education and Research)
光赤外線天文学として初めて、専門分野が異なる研究者が密に連携して研究と教育を進める連携観測教育ネット
ワークを構築した。最近の連携観測では、すざく、Fermi、Swift などの天文衛星や木曽超新星サーベイ(KISS)の観測
をトリガーとした多波長フォローアップ観測を行っている。表 1 は連携観測数の一覧である。
教育的な取り組みでは、大学院生や若手研究者のスキルアップを図る短期滞在実習プログラムを昨年度から平成
25 年度から始めた。本年度は、5 名の実習を行った(表 1)。本事業では、将来的に連携観測の中枢となることを期待
される京大 3.8m と東大 6.5m 新望遠鏡計画を推進する人材の雇用もサポートしている。
・研究成果
OISTER による連携観測から、2015 年(2015/1-2015/12)に 3 編
(Ishiguro et al., 2015; Yamanaka et al., 2015; Kuroda et al., 2015)の
査読論文が出版され、本事業によるネットワークから派生した
協力関係や関連研究から 26 編の査読論文が出版された。表 2 に
は、これまでの論文出版状況の各年統計を示す。
また、光赤外大学間連携の活動をまとめた天文月報特集号
(2016 年の 2,3 月号)を出版した。本事業の紹介を始め、OISTER
によるサイエンス、教育、環境整備、解析パイプライン、進行中
の望遠鏡計画、将来展望を含む。
2015 年 11 月 11-12 日には、第 6 回大学間連携ワークショップ
@国立天文台三鷹を開催した(一部、国立天文台研究集会の補助
金による)。
表 2 光赤外大学間連携による研究成果の統計数
年
2011
2012
2013
2014
表 1 OISTER による観測実施状況
年度
観測天体数
短期滞在実習
H23
12(0)
0
H24
6(0)
0
H25
7(2)
5
H26
11(5)
2
H27
16(11)
5
()内は OISTER-GRB の観測数
2015
査読あり
12(0)
25(0)
36(1)
35(1)
26(4)
査読なし
36(0)
81(0)
52(2)
73(16)
47(18)
()内は OISTER を利用した連携観測による成果
図 1 209P/LINEAR の偏向度(Kuroda+2015)
・今後の予定
大学 VLBI 連携と合同で、PASJ 特集号を出版予定である。
⃝ 最後に
本事業は残り 1 年となり、本事業をベースに次なる大学間連携の検討を始めた。今後、光・赤外線天文学の一層
の発展とさらなる大学の教育研究基盤の強化のために、これまでに蓄積した経験やノウハウを継続し、天文学の研
究教育拠点の裾野を拡げるため将来像を模索している。
SPICA
現状報告
光天連総会 2016-03-16
1. SPICAの再定義完了
-科学目的・目標の明確化。コアサイエンス+先進的研究
-望遠鏡(口径2.5m、冷却8K)、望遠鏡横置き型の衛星設計
-観測装置仕様の変更(12 - 210ミクロンの撮像、分光機能)
-国際役割分担を変更
ESA主導+JAXA+欧米加の各機関+国内諸大学+NAOJ
-各宇宙機関の枠組みにほぼ収まる計画案になった
2. 評価・審査プロセス
-宇宙理学委員会ミッション定義審査に合格 (2015年10月)
-宇宙科学研究所計画審査に合格(2015年12月)
「所内準備チーム」としてフェーズA1に入った。
SPICAチーム、SPICAプリプロジェクトチーム
-国際科学アドバイザリーボード設置
P. Andre, M. Barlow, A. Blain, D. Elbaz, R. Genzel, G. Helou,
M. Meixner, R. Maiolino, E. van Dishoeck, Y. Aikawa, T. Takeuchi
3. 国内の活動
-光赤天連で将来計画で最優先に位置づけられた
-日本天文学会年会 SPICA 特別セッション (2016年3月16日)
4. 今後の予定・計画
2016年
日本学術会議大型計画マスタープラン
秋
ESA Cosmic Vision M5 提案
2018年
日欧でプロジェクト承認・スタート
2027/28年 打上。 ノミナル3年間の運用。
HiZ-­‐GUNDAM (High-­‐z Gamma-­‐ray bursts for Unraveling the Dark Ages Mission)
ガンマ線バーストを用いて宇宙暗黒時代の終焉と天体形成の幕開けを観測する
初期宇宙の星形成、宇宙再電離、重元素合成の歴史的な変遷の解明を目指す
(1)
(2)
(3)
(4)
X 線によるGRB 検出と発生情報のアラート送信
自律制御で姿勢変更、近赤外線で残光を追観測
「詳細な方向」と「赤方偏移の情報」をアラート
地上大型望遠鏡と協力して高赤方偏移GRBの分光観測
※ GRB の待機時は近赤外線での広域サーベイ観測
GRB 以外の X 線突発天体の監視, 重力波対応天体
衛星重量: バス 200kg + ミッション機器 100kg を想定
投入軌道: 太陽同期極軌道、ローカルタイム 9h-­‐21h 小型科学衛星の機動性を活かして即時追観測を実施
X線イメージング検出器
シリコン + コーデッドマスク
1 – 20 keV の広視野モニター
視野 1 ステラジアン以上
角度分解能5~10分角
有効面積 ~1000 cm2
可視・近赤外線望遠鏡
口径 30cm, 軸外しグレゴリアン
視野34分角
0.5 – 2.5 μm の4バンド測光
2016年の進捗
01/28 公募型小型計画に提案
02/12 宇宙研SE室ヒアリング
02/13 ミッション定義審査
02/22 光赤天連・高宇連へ
大型学術計画の提案
03/04 天文・宇宙物理分科会
からは推薦しないとの連絡
宇宙赤外線背景放射観測プロジェクト(CIBER-2,EXZIT)
主な研究機関:関西学院大,東北大,JAXA/ISAS,Caltech,JPL,UCI,KASI,SNU,ASIAA
観測ロケットや衛星・探査機を用いた宇宙赤外線背景放射(CIB)の測定により,初期宇宙
や再電離期を探査する. HP-h?p://www.ir.isas.jaxa.jp/~matsuura/darkage/index_da.html
CIBER-2(2017年打上げ)
目的: NASAロケット実験.波長0.5-2μmにおけるCIBのゆらぎとスペクトル観測
H27年度 レンズ光学系の製作ほぼ完了,望遠鏡低温試験準備,キャルランプの開発
H28年度 FM望遠鏡の製作・冷却光学試験・機械環境試験
Caltechへの出荷,インテグレーション,冷却試験
本年会発表: 新井ら V213b,白旗ら V214b
EXZIT/ソーラー電力セイル(SPS) (2025年頃打上げ)
目的: SPS搭載望遠鏡により深宇宙から黄道光の影響なくCIB測定をおこなう
(SPSは木星トロヤ群の探査を目的とする)
H27年度 SPS ISAS戦略的中型ミッション提案,WG活動,ミッション定義審査,
システム追加概念設計
EXZIT 概念検討,SPSシステムI/F検討,分光フィルター開発
H28年度 SPS 計画審査,Phase-A1ISAS所内準備チーム活動>JAXA準備審査
2016年3月光赤天連総会報告資料 作成:松浦(関学大)
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