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演奏予定
演奏予定 ・『コンドルは飛んでゆく』 1913 年にペルー人作曲家ダニエル・アロミア=ロブレスが,伝承曲のメロディを元に書いた オペレッタの序曲。自然讃歌としての意味合いだけではなく,民衆が,植民地支配への反乱の さなか志半ばで散った英雄をコンドルに重ね合わせ,祈り,叫ぶ魂を表現した曲と言われる。 ほか ・アンデス民俗音楽「フォルクローレ」 ・ラテン音楽 ・日本の伝統唱歌 ・ヨーロッパの交響曲 など 出 演 わたなべ だいすけ 渡辺 大輔(ケーナ) マ ヤ 地元出身のプロケーナ奏者。日本最高峰のフォルクローレグループ「MAYA」の メンバーとして,全国規模でコンサート活動中。ほかギタリスト智詠,ケーナ奏者 Ren など,国内トップ クラスの演奏家と共演を重ねる。 現在は,演奏活動のほかにもケーナ講師・作編曲など幅広く活動している。 やすおか ひさし 安岡 恒 (ギター) フォルクローレギターとクラシックギターの両方を基調とした確かな技術と,生 来の柔軟な発想により,長きにわたって渡辺の演奏を支えてきた盟友。世界的 チャランゴ奏者・福田大治の伴奏も務めるなど,そのギタープレイは高く評価され ている。 ほさか ゆきえ 保坂 幸恵(チャランゴ) 2004年ボリビア・アイキレチャランゴコンクール・インターナショナル部門金賞 受賞。繊細な音色と献身的なアンサンブル精神を兼ね備えた,貴重な女性チャラン ゴ奏者。近年は渡辺をはじめとする同世代の演奏家にとって欠かせない存在として 活躍中。 いしはら しんや 石原 慎矢(サンポーニャ) 渡辺の大学の後輩にあたり,公私にわたって極めて親交が深い。主にサンポーニャ を演奏し,ほかにもギター・チャランゴ・ケーナまで高いレベルでこなすマルチプレイ ヤー。 第1回・第2回全日本大学フォルクローレ選手権大会連続優勝。 いしぐろ わたる 石黒 亘 (ケーナ) 同じく渡辺の大学の後輩にあたる,現役筑波大学生。ケーナの感性と高い集中力を 評価され,渡辺のサポートプレイを頻繁に務めている。 フォルクローレの楽器たち ケーナ アンデスを代表する縦笛。起源は定かでありませんが,インカ時代を遥か遡る古代から神事・ 祭礼の際に使用されていた管楽器が,スペイン人の入植以降,ヨーロッパの音楽の影響を受けな がら少しずつ形を変えて現在の形状・調律となりました。先住民の言葉で「笛」をあらわす「キ ナ」が語源と言われています。 カーニャと呼ばれる葦,各地の竹や木,珍しいものでは 動物の骨など,材料はさまざま。筒に 7つの穴をあけ, 吹き口を削っただけの単純な構造ですが,音色・音量・音域は 大変多彩で奥深く,無限とも言える豊かな表現が可能です。 ちなみに音が鳴る原理や構造は尺八に近いが,奏法や 必要な技術は大きく異なり,渡辺は安易な気持ちで尺八に 挑戦し,全く吹けなかったほろ苦い思い出を持つ。 サンポーニャ ケーナと並び,アンデスの音楽において欠かせないもう一つの管楽器。音程の異なる管を多数, 音階順に束ねたもの。もともとは,一つの音階を2列に分割し,1人1列ずつ2人で吹き合って メロディを奏でる「contestado(コンテスタード)」という独特の奏法で演奏されていました。今 回のコンサートでのように,1人で全ての音を吹くという一見あたりまえの 奏法が確立されたのは,ごく最近のことです。 名前は「シンフォニア」をスペイン語読みしたものであり, 先住民アイマラの言葉で「シーク」と呼ぶこともあります。 酔っぱらいさんがビール瓶を「ボーー」と吹くのと 同じ原理で音を鳴らしますが,特に低音の管を鳴らすには 酒瓶に比べて非常に高度な“こつ”を必要とし, 自在に吹くには膨大な練習を要します。 チャランゴ ボリビアなどにおいて盛んに演奏されている,小振りな弦楽器。16世紀にスペイン人が南米へ 侵攻した際,ヨーロッパから持ち込まれたギターの祖先「ビウエラ・デ・マーノ」という楽器を, 先住民たちが真似て作ったのが起源とされています。 背面が丸い形をしているのは,楽器の胴体にアルマジロの 甲羅を用いていた名残り。現在は木製のものが主流ですが, アルマジロで作られたチャランゴも現存しています。 その音色だけでなく,見た目のインパクトは衝撃的としか 言いようがありません。動物から楽器が生えているのですから。 マンドリンのように1コースあたり2本の弦が張られている ことで,より透明感のある音色が奏でられます。 弾いたときに鳴る,甲高くも美しい音を表現した 「チャランチャラン」という擬音が,ほぼそのまま楽器名に なったと言われています。 ギターラ 名称こそ独自のものですが,正体は,いたって普通のクラシックギター。しかしアンデスの音楽 においては,この「普通のクラシックギター」こそが合奏を支える大黒柱です。 クラシックのように主旋律を奏でることは稀で, 美しい爪弾きにせよ,パーカッションも兼ねているかの ようなリズミカルな奏法にせよ,伴奏(と言ってしまうには あまりに雄弁ですが)としてケーナ・サンポーニャ・ チャランゴらを土台から,強く優しく支えます。 そのため,クラシックやフラメンコとはまたひと味違う, 独特の奏法が数多く存在します。 ギターも「ビウエラ・デ・マーノ」がヨーロッパで 発展して生まれた楽器であるため,ある意味ギターラは, チャランゴと同じ親を持つ兄弟と言えるでしょう。