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カナダ・トロント市に医学研究科学センター設立(カナダ)【PDF:74KB】
NEDO海外レポート NO.966, 2005.11. 2 < 新刊目次のメール配信をご希望の方は、http://www.infoc.nedo.go.jp/nedomail/ > 海外レポート966号目次 http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/966/ 【産業技術】ライフサイエンス カナダ・トロント市に医学研究科学センター(MaRS Center)設立 カ ナ ダ で 最 古 か つ 最 大 規 模 を 誇 り 、 優 秀 な 学 生 が 集 ま る ト ロ ン ト 大 学 ( the University of Toronto)は、トロント市の中心部に広大な敷地を占めている。その一 角、カレッジ通り(College Street)とユニバーシティ通り(University Avenue)に 面した、いわゆる「発見地区(Discovery District)」と呼ばれる場所に、いま大きな ビルが建設されている。 MaRS センターへの入居予定概要 このビルは、医学研究科学センター(Medical and Research Sciences Centre、略し て MaRS Centre)と名付けられ、現在その第 1 期の建物がほぼ完成している。引き続 き建設工事が進められ、第 1 期ビルに隣接した北西部にも新しい建物が姿を現そうと している。工費 1 億 8,300 万カナダ・ドル(以下 C ドル)を費やした第 1 期ビルには、 合計 7 万平方メートルの実験室とオフィスができている。 (注:1 カナダ・ドル=約 100 円、2005.11.) このうち東側のビルには、トロント病院、マウントサイナイ病院などトロント大学 に付属する 6 大病院を結ぶユニバーシティ・ヘルス・ネットワーク(University Health Network)及び小児科病院(Hospital for Sick Children)に所属する研究者が入居する予 定の研究室のほか、弁護士や会計士、投資会社などがそれぞれオフィスを構える。 また南側の建物には、ベンチャー企業(start-up company)及び中規模のハイテク企業 が、実験室やオフィスを借りて研究開発活動を行うことになっている。ここには、テナ ントであるベンチャー企業のインキューベーターとして、設備の完備した 42 の研究室 と 44 の家具付きオフィスが準備されている。そのほか各種ビジネスサービス、各種イ ンキュベータープログラムなどが用意されており、現在その 55%がリースされている。 なお MaRS センター内での活動に対しては、既に連邦政府が 2,000 万ドル、州政府 が 2,900 万ドル、更に研究から得られると予想される収入 6,300 万ドルが充てられる 他、いくつかの民間企業も出資する予定である。 第 2 期工事では工費 1 億 7,000 万ドル、総面積 6 万∼8 万平方メートルの 17 階建てビ ルが 2007 年半ばに完成する予定で、ここには主に大企業が入居することになっている。 MaRS センター今後の予定 MaRS センターの目的は、連邦・州政府及びトロント大学などの研究機関、民間企業 が協力し、革新的でレベルの高い医薬や医療に関する研究と開発活動を実施することで 62 NEDO海外レポート NO.966, 2005.11. 2 ある。すでに同センターの総責任者としてジョン・R・エヴァンス医学博士(Dr. John R. Evans)が就任している。同博士は若くしてトロント大学総長となり、その後バイオテク ノロジー 研 究会社ア リ レックス 社 (Allelix Inc.)、 ロ ッ クフェラ ー 財団(Rockefeller Foundation)、世界的アルミニウム企業のアルカン社(Alcan)、カナダ最大の発行部数を 誇る新聞「トロントスター紙」を抱えるトルスター社(Torstar Corporation)などの会 長を務めた。カナダにおいて最も信頼されている経営者の一人である。 今年 5 月 1 日には MaRS センターの最初の業務が開始され、夏には MaRS 協力セ ンター(MaRS Collaboration Centre)がオープンした。今秋、正式な開所式が催される 予定である。また 2008 年には第 2 期の MaRS センターの開所が予定されている。 以 出典: ・ MaRS NEWS Vol.1 No.5 www.marsdd.com ・ TORONTO STAR No.24 2004 Sunday Special 63 上