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遠隔教育システムを利活用した 実践的ICT人材育成について

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遠隔教育システムを利活用した 実践的ICT人材育成について
遠隔教育システムを利活用した
実践的ICT人材育成について
実践的ICT人材育成推進委員会 利活用WG 主査
公立はこだて未来大学 教授 大場みち子
目次
1. 「点」から「面」へ
2. 遠隔教育システムの概要と課題
3. 利活用WGの成果
4. 今後の課題
5. まとめ
2
1. 「点」から「面」へ
3
実践的ICT人材育成の取り組み
総務省
高度ICT人材育成プログラム開発事業(H17~20)
最先端ネットワーク技術を活用した遠隔教育システムの開発・実証事業
(H21~23)
文科省
先導的ITスペシャリスト育成推進プログラム(H18~22)
経産省
産学協同実践的IT教育訓練基盤強化事業(H17)
産学連携人材育成事業「IT人材育成強化加速事業」(H21)
現在の状況
をみると・・・
各地に個々で偏在する大学の主体的取組みを企業が支援するという、
産学連携主体の「点」の取組みに終始
4
協働するための仕組み
各地に偏在する産学連携の「点」での取組みを、産学連携主体が効率的に
協働して人材育成を行う「面」の取組みとするために、
各産学連携主体が協働するための仕組みを整備することが必要
1. 産学連携主体のネットワーク
2. 育成ノウハウ・教材のスクリーニングルール・手法
3. 遠隔地間の産学連携主体が協働するためのツール
 遠隔地の企業から学生を指導、教員をフォロー
 各産学連携主体の知見・教材コンテンツを公開
 大学間、企業間での情報共有
5
「点」から「面」へ
遠隔地間で協働するためのツール(ICT)を提供することで
各地の実践的ICT人材育成の取り組みを全国に広めることが可能
「点」の取り組み
「面」の取り組み
産学連携の取り組み
産学連携の取り組み
産学連携主体が
協働するための仕組み
産学連携の取り組み
産学連携の取り組み
産学連携の取り組み
産学連携の取り組み
•
•
•
産学連携主体のネットワーク
育成ノウハウ・教材の
スクリーニングルール・手法
遠隔地間の産学連携主体が
協働するためのツール(ICT)
の提供 等…
産学連携の取り組み
産学連携の取り組み
産学連携の取り組み
産学連携の取り組み
産学連携の取り組み
6
産学連携の取り組み
利活用WGの位置づけと目的
各産学連携主体が協働するための仕組み
1. 産学連携主体のネットワーク
2. 育成ノウハウ・教材のスクリーニングルール・手法
3. 遠隔地間の産学連携主体が協働するためのツール 等
 遠隔地の企業から学生を指導、教員をフォロー
 各産学連携主体の知見・教材コンテンツを公開
 大学間、企業間での情報共有
本WGの目的:
「産学連携主体が協働するためのツール」として、
遠隔教育システムの活用を検討
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利活用WG委員構成
 主査
 大場 みち子
公立はこだて未来大学 システム情報科学部 教授
 委員
 湯浦
 天笠
 黒田
 田村
 松澤
静岡大学
筑波大学
愛媛大学
山口大学
静岡大学
克彦
俊之
久泰
慶信
芳昭
情報学部 教授
システム情報系 准教授
工学部 准教授
工学部 准教授
情報学部 助教
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2. 遠隔教育システムの概要と課題
9
遠隔教育システムの概要
 遠隔教育システムとは
遠隔での実践指導や遠隔地間の協働学習、演習環境の共同利用を可能と
する遠隔教育システム基盤。平成21~23年度にかけて総務省が開発した。
実践的ICT人材の育成にあたって、企業講師派遣の困難を解消するべく、
実地指導主体であったシステム開発PBL(Project Based Learning)の
遠隔教育を実現させることを主目的として開発された。
全国10以上の大学で実証実験を行う中で、PBLやeラーニングによる学習
について一定の有効性が確認された。
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遠隔教育システムの概要
教育機関
企業
・実践的指導
・進捗状況の確認
・開発
・進捗状況の報告
インターネット
教育者
企業講師
学習者
(SSL-VPN等)
ポータル機能
eラーニン
グ機能
9種類のIT系
教材を提供
プログラミ
ング演習
機能
ソースコード
の自動テスト
機能
個人学習支援機能
PBL進捗管理機能
リソースマネー
ジャ機能
遠隔授業
機能(セミナー)
リアルタイムな
双方向配信機能
学習教材の提示、版管理、
進捗状況の計測、成果物
自動提出機能、EVM
仮想サーバ
仮想サーバ切り出し
PBL学習支援機能
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(各利用機関の仮想化機能
またはHWを利用)
遠隔PBL
機能(ミーティング)
TV会議機能
遠隔授業機能
活用事例① 愛媛大学
 授業におけるeラーニング教材・プログラミング教材の活用
学部3年生
:ピックアップした教材を講義にて説明、その後自主学習(15コマ)
大学院生
:PBLの開始までに一通りの内容を講義にて説明もしくは自主学習
 PBLへの活用
システム上のPBL教材を参考に設計書等を作成
学生の利用する開発用サーバと遠隔教育システムサーバを連携
学習
インターネット
学生
集約
eラーニング
確認
開発
本体サーバ
インターネット
教員
学生
開発サーバ
 学生は、授業時間外でもWeb経由で自宅から学習・開発が可能
 システム上で常に最新のソースコードや進捗状況が確認可能
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活用事例② 山口大学
 課外活動PBLにて利用
初級コース
「ソーティングシステム開発演習プロジェクト」をPBLにて実施。
遠隔教育システムに登録されている設計書等のテンプレートを利用して
開発を行う。
• 4〜5名×4グループで、全グループ同一のプロジェクトを実施
• 実施結果に基づいてPBL支援機能の評価と有効性を検証
上級コース
研究活動にも利用できることを実証するため、以下の研究テーマに
対して遠隔教育システムのPBL機能を活用しつつ実施。
• オープンソースクラウドに対する信頼性評価のためのAirアプリケーション
の開発
• AIRによるモバイルアプリケーションのための信頼性評価ツールの実装
 時間的・地理的制約に関係なく、学習および指導が可能
 PBLを実践する過程で知識不足に気づいた際に、
システムのeラーニング等を利用し、その場で学習し理解できる
 システムに登録されている各種設計書のテンプレートを利用して、
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設計図について学習が可能
実践的ICT人材育成への活用における課題
 従来の大学単位のPBLサポートツールとしての遠隔教育システムを、
実践的ICT人材育成を「点」から「面」へ拡大するためのツールとするためには、
以下の課題をクリアする必要がある。
主たる課題
解決の方針
• 初めて実践的ICT人材育成に取り組もうとする教員や
学生にとっても、使いやすいツールの提供
初めてでも
使いやすい構成
• PBLのテーマがない、指導のノウハウがわからないという
教員に、取組みを行っている大学の知見・教材を提供
知見・教材
の共有
• 実践的ICT人材育成の取組みに関する知見や事例につ
いての情報を交換できる場を提供
大学間・企業間
での情報共有
14
3. 利活用WGの取組み内容と成果
15
取り組み内容と成果
 遠隔地間の産学連携主体が協働するためのツールとして、遠隔教育システム
の活用方法を検討
初めてでも
使いやすい構成
知見・教材
の共有
大学間・企業間
での情報共有
 PBL の事前学習教材として、eラーニング教材を整理
⇒ オンデマンド科目群
 取組みを実施する大学が、他大学に向け教材や指導の知見を
公開する機能を提供
⇒ 教育アーカイブで共有する仕組み
 取り組み経験のない大学に対して、他の大学の教員や企業
講師がアドバイスできる場を検討
⇒ つながる仕組み&持続可能なプラットフォーム
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新しいシステム「enPeL」の概要
 従来の遠隔教育システムに、PBL事前学習のためのオンデマンド科目群の整
理、育成ノウハウや教材等を共有するための教育アーカイブ機能を追加。
 それに伴い、「enPeL(education network for PBL and eLearning)」と改称。
インターネット
教員
学生
学生
企業講師
①ポータル機能
②個人学習支援機能
③PBL学習支援機能
リソースマネー
ジャ機能*
…
④遠隔授業機能 ⑤教育アーカイブ
機能
Webセミナー
機能
Web会議機能
オンデマンド科目群
プログラミング
演習機能
PBL進捗管理
機能
*各機関の仮想化
機能を利用
17
…
eラーニング
機能
設計ドキュメント等
*本システムと連動
して利用可能
知見・教材
オンデマンド科目群
 システム開発PBLに必要な基礎的知識・技術を学習するための科目として、
J07SEのカテゴリに沿って再編
科目群名称
概要
プログラミング科目群
プログラミングの基礎をJavaを中心に学習
OS・DB・ネットワーク
科目群
Linuxの基本操作やデータベースの概要、ネットワークの基礎
知識を学習
Webアプリケーション
開発技術科目群
TomcatによるWebアプリケーションサーバ構築やサーブレット
/JSPを学習
開発マネジメント科目群
システム開発の基礎やPMBOKによるプロジェクトマネジメント
の知識を学習
必要な科目を指定
必要に応じて学習
教員
学生
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教育アーカイブ
 実践的ICT人材育成の取り組みを実施する大学が、教材や指導の知見を公開
 経験のない大学は、教育アーカイブから得た教材や知見を自大学の取組みに利用
Sample
自治体向け施設予約管理
システム開発プロジェクト
教材・知見を公開
シラバス/学習スケジュール
A大学教員
教育目標・学習目標/留意事項
プロジェクト計画書/提案書
教材・知見を活用
設計ドキュメント
発表資料
報告書
B大学教員
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ポータル機能
20
個人学習支援機能 –オンデマンド科目群-
21
個人学習支援機能 –オンデマンド科目群-
22
個人学習支援機能 –プログラミング演習-
23
PBL学習支援機能
24
教育アーカイブ機能
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enPeL活用手引書
 従来のeラーニング機能、PBL学習支援機能等に、オンデマンド科目群、教育アーカイブ
を加えた「enPeL(education network of PBL and eLearning)」の活用方法をわかりや
すく解説した活用手引書を作成
【内容】
1. 高度ICT人材の必要性
2. 実践的ICT人材育成の課題
3. enPeLの概要
4. 活用事例
5. 利用の効果
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つながる仕組み –「面」の発展形遠隔地間で協働するためのツールとしてenPeLを提供することで、各地の
実践的ICT人材育成の取り組みを行う大学が相互に連携することを目指す
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持続可能なプラットフォーム
 「面」での取組みを持続可能なものとするためのプラットフォームを検討:
これまで実践的ICT人材育成の取り組み経験がない教員でも、
過去の教材や知見を閲覧できることで、人材育成に生かすことができる。
また、経験のある他大学の教員や企業の方々からアドバイスを受けることができる。
つながる仕組み
開発用サーバの提供
…
…
共有する仕組み
Facebook
…
eラーニング教材
知見等
PBL教材
テーマ等
教育
アーカイブ
DropBox
eラーニング
機能
…
Java教材
プログラミング
演習機能
PBL教材
PBL進捗
管理機能
VCUBE
Skype
各利用機関の
仮想化機能
リソースマネージャ
機能
Web会議
機能
大学間、産学間の
コミュニケーション機能
大学と企業等の
マッチング機能
オンデマンド科目群
凡例
H23年度までに開発
H24年度開発
インターネット
A大学
B大学
C大学
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H25年度以降検討
D大学
企業A
企業B
企業C
4. まとめ
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今後の課題
 実践的ICT人材育成を推進する上で、遠隔地間で協働するためのツールとして、
enPeLの利用を拡大
主たる課題
オンデマンド
科目群の活用
解決の方針
• PBLを実施する学生によるオンデマンド科目群の
利用
教材公開の
インセンティブ
• 教育アーカイブを運用する中で、教材を公開する側・
利用する側に対しヒアリングを実施
持続可能な
プラットフォーム
• プラットフォームの運用形態、より運用管理の負荷
が少ないシステムや学習方法を検討する。
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募集
enPeLを活用して
実践的ICT人材育成に取り組む大学を募集します。
希望される大学は、利活用WG委員が相談を受け付け、
必要に応じて取組みをサポートします。
「enPeL」のデモサイトはこちら。
<http://www.els-soumu.jp>
問合せ
<[email protected]>
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