Comments
Description
Transcript
島根原子力発電所1号機の炉心隔壁(シュラウド)取替え
平成12年2月2日 中国電力株式会社 島根原子力発電所1号機の炉心隔壁(シュラウド)取替えについて 当社は,島根原子力発電所1号機のシュラウドについては,他プラントにおける応力腐食割れの 発生に鑑み,従来から計画的に点検を実施し健全性を確認しています。 平成10年1月からは,応力腐食割れ対策として,原子炉冷却水へ水素を注入することにより腐 食環境の改善を図っておりますが,より一層の信頼性向上の観点から島根1号機のシュラウドを, 平成12年度の第22回定期検査にて応力腐食割れが発生しにくい材料のものに取替えることとし ます。(平成10年2月27日発表済み) この度,取替工事の具体的な計画がまとまりましたので,お知らせします。 なお,島根2号機については,応力腐食割れが発生しにくい材料を使用しており,取替えの必要 はありません。 以上 【添付資料】 1号機シュラウド取替工事の概要 1.シュラウドとは 2.取替範囲 3.被ばく低減対策と放射線管理 4.放射性廃棄物の発生量と保管方法 5.取替工事の工程 6.取替工事の手順 シュラウド取替工事に関するQ&A 1.シュラウドとは シュラウドの役割 シュラウドは,原子炉圧力容器内部に取付けられた円筒状のステンレス製構造物(隔壁)で,内部 に燃料集合体や制御棒等を収納しています。シュラウドは,ジェットポンプによりシュラウド下部か ら炉心部に導かれた原子炉冷却水の流路を確保するための仕切板の役割を果たします。 シュラウドの構造 シュラウドは,高さ約7m,内径約4m,厚さ約4cm,重量約30トンで,内部には燃料集合体を上 下で支えるための上部格子板,炉心支持板などが組込まれています。 2.取替範囲 シュラウドのほか ジェットポンプ 給水スパージャ 炉心スプレイ配管 上部格子板 炉心支持板 などの炉内構造物を取替えます。 3.被ばく低減対策と放射線管理 被ばく低減対策 シュラウド取替工事に従事する作業者の被ばく(線量当量)を低減するため,さまざまな被ばく低減策を 講じて作業を行います。 主な被ばく低減策として ■ ■ ■ ■ 原子炉内の化学除染 遮へい体の設置 遠隔自動装置(シュラウド切断装置,開先加工装置,溶接装置など)の導入 実物大模型による作業訓練の実施 放射線管理 ■ 個人の計画線量当量は ・工事期間を通じて 最大で25mSv ・1日当たり 最大で3mSv に設定して管理します。 ■ 計画総線量当量は 約12人・Svを予想しています。 (参考1) 法令上の放射線業務従事者の線量当量限度は,年間50mSvです。 (参考2) 総線量当量(人・Sv)は全作業者の個人の線量当量(mSv)を合計した値です。 1Sv=1,000mSv 4.放射性廃棄物の発生量と保管方法 発生量 シュラウド取替工事に伴い発生する放射性廃棄物は約50トンを予想しています。原子炉から取出した シュラウド等は機器プール内において,水中で高圧水切断装置で細断します。またジェットポンプは燃 料プール内で切断します。 保管方法 放射能レベルの比較的高いシュラウド等は輸送容器に入れサイトバンカ建物の貯蔵プールに,また, 放射能レベルの低いものは固体廃棄物貯蔵所で安全に保管します。 5.取替工事の工程 6.取替工事の手順 1.炉内化学除染 制御棒,燃料集合体等の炉内機器を取外し,炉内の化学除染を行います。化学除染は,機器・配 管の表面の放射性物質を含んだ金属酸化物を薬品洗浄により除去する方法です。 2.シュラウド等取外し シュラウド,ジェットポンプ等を水中で切断装置により切断し,炉内から機器プール及び燃料プー ルへ移動します。取出したシュラウド等はプール内で細断した後,サイトバンカ建物内の貯蔵プー ル又は固体廃棄物貯蔵所まで輸送し保管します。 3.新ジェットポンプの取付け 短柵状の炉壁遮へい体を取付けた後,炉内の水位を下げ,作業足場を兼ねたジェットポンプ遮 へい体,十字遮へい体を設置します。その後,新ジェットポンプを取付けます。 4.新シュラウドの取付け 新シュラウドを溶接するシュラウドサポートの開先加工を行なった後,新シュラウドを吊り込み, 内・外面より遠隔自動溶接装置で溶接を行います。 5.新炉心支持板等の取付け 新炉心支持板,上部格子板等を吊り込み取付けます。 その後炉心スプレイ配管,給水スパージャ等の取付けを行います。 6.原子炉復旧 制御棒,燃料集合体等を原子炉内に復旧します。 シュラウド取替工事に関するQ&A