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竹下徹(理学部) 特殊相対性論(時間の相対性、長さの相対性) 一般相対
時間と空間の物理学 2 相対性理論 竹下徹(理学部) 特殊相対性論(時間の相対性、長さの相対性) 一般相対性理論(重力の導入) 1 相対性理論 アインシュタイン一人で構築 特殊と一般がある 特殊は、運動する系に加速度がない場 合のみをあつかう 一般相対論は、 座標系が加速度を持 つ:重力を扱う 2 特殊相対性理論 物体の運動の速さが光速(世界で一番速い) に近くなると 通常の世界では起こらない効果が見えてくる 2つの原理から出発 光速一定を原理 座標系の間で同じ法則がなり立つ 3 ニュートンとマックスウエル ニュートン力学:F=ma 物体の運動 相対的 V A B 電磁気学:Maxwell 電気と磁気の統合 非相対的 4 電磁気学:電気と磁気の学問 磁気は磁石 電流は磁気を作る 電磁誘導 磁気が運動すると電流ができる Maxwell 電子の運動が電流と電磁波をつくる 電磁波の存在:不変速度 単磁化はない mono-pole 5 相対座標 静止系 A 運動系 B A 移動する電子 =電流 V A B B (静止する)電子 6 光速一定 電磁波の速度 c =(en)-1/2 en 真空の値 電磁波を伝えるもの? エーテル説をマイケルソンモーレー実 験が否定 エーテル不要:真空でも伝わる 高速物体が出す光の速を地上で測る=c 7 相対性理論 特殊:座標系の間の関係 V 相対速度が一定 光速は一定の仮定 A Aから光を見てもc B Bから光を見てもc BはAから見て速さVで走っている Bは速さVの電車に乗っている Aはプラットホームに立っている 8 時間の相対性1 電車の中光源と鏡を置く V 天井の光源からでた光が床の 鏡にあたって戻る時間を B l Bがみると tB=2l/c 9 時間の相対性2 Aさんが見ると ピラゴラスの定理 直角三角形 (ctA /2)2=(VtA /2)2+(l)2 tA = V B VtA/2 ctA/2 A 2, 2 2 c -V V B l V B 10 時間の相対性3 c:光速 天井からでた光が床の鏡で反射してもどるま で、という事象について tA = A(止まっている)は B(動いている)は tB=2l/c tA = 両者をlでつなぐと、 2, 2 2 c -V 2, = ct B = t A c - V 2 c t = 2 2 B c -V 2 tB V 2 1-(c) 運動する時計は遅れる(進みが少ない) tA>=tB 止まっている時計はたくさん進む 11 光速cとVの関係 関係式は2乗の式 ピタゴラスの定理 VtA/2<ctA/2 VtA/2 直角三角形 ctA/2 tA = つまりV<c 光速c が最大値である いつも V/c =<1 である l tA = 2, 2 2 c -V tB V n 1-d c 2 12 我々の日常との関係 tA = 日常生活では、V/c 0 tB V n 1-d c 2 実際 飛行機720km/h=200m/s V/c=0.0000007 0 相対性理論のいう現象にお目にかかる ことはない 衛星:V=6400kmx2r/1h=11170m/s V/c=0.000037 0 13 V 浦島太郎物語 A A:村人 B B:太郎 太郎は亀で高速移動竜宮城から戻ってみると 太郎の時計では、tB=3年 tA = 村はtA=700年経っていた、、、 tA = tB tB V n 1-d c 2 1 700 V = & = 0.999991 V 2 c 3 1-(c) 14 陽子 宇宙線ミュー粒子 窒素原子核 r 上空20kmでつくられる B 寿命2x10-6s 等速度 光速で走っても600m 地上の人:A tA = 光速で走るミュー粒子:B ct A = ct B tB V n 1-d c 2 n 1 20km V = & = 0.99955 V 2 c 600m 1-(c) A 15 tB tA = 相対論的効果の検証 V n 1-d c 2 飛行機(重力のある世界なので一般相 対論効果がはいるが、、、) 地球1周時間 結果220ns 2 tA V n n = d 1-d tB c tA = tB 1 -2 1 V n ` 1+ d 2 c 2 2 2 v E VA 1 V 1 v E ± VA vE = ~ ± 2 c c 2 c 2 c c 4000000m m m vE = = 463 >> VA = 200 24 × 3600 s s 2 V = 1− 2 V c 1− c 1 1 2 −2 2 2 1 V 1 V ~ 1+ ,t A − t B ~ t B 2 c 2 c 2 2 2 1 V 1 v E ± VA 1 v E v E VA = ~ ± 2 c 2 c 2 c c c 4000000m m m vE = = 463 >> VA = 200 24 × 3600 s s v V vE V = 1.5 ×10−6 , A = 6.7 ×10−7 , E A = 10−12 c c c c v E VA −12 −7 t B = 10 × 200000 = 2 ×10 s c c € 16 相対論的世界 日常は V<<c 一般的速さが光速 に比べて大変小さいので 相対論的効果:時計の遅れを目にする ことはない 逆に V∼cとなるとその効果(日常 生活では目にしない)が顕著になる 17 光速不変 相対性理論は2つの座標系ないで同じ事が起き V ることを要求する(同じ法則が成り立つ) A B 光速が同じ速さであること Aから Bの光速も その反対も同じ速度に見えるものがあって、それ は光である。 だから不変 18 双子のパラドクス 一人は地球から、もう一人は去ってゆく人 ロケットに乗った人;地球が後ろにはなれてゆく 事となる、 相対速度は同じで同じことが起きるはずである。 浦島太郎:村が高速で後ろに行ってしまった。 従って運動の時間がゆっくり(小さく)動くの で、向こう村人が年を取らない、 村人にとっては、浦島が高速で飛んでいった、 従って、太郎が年を取らない、、、 これは矛盾だ! 19 同時刻とは 宇宙を普遍的に流れる時間を規定でき ない 同時刻は運動の仕方で異なる ベテルギウスはもうないのか? 20 長さの相対性1:Bの観測 電車内の前方に出た光 V 光源と鏡の往復時間t B t B= 2lB/c 電車内後方も同じ 光源に光は同時に光源 に帰ってくる A B lB lB B lB 21 長さの相対性1 電車の中、光源と鏡を置く V 天井の光源からでた光が壁の 鏡にあたって戻る時間を Bがみると、前にも後ろにも lB B lB t B=2lB/c 進行方向と直角tB=2lB/c Bからみるとt B =t B B lB 22 長さの相対性2 , Aは 静止観測者Aが運動する長さを測定した値 Aが見ると 光源をでて進行方向へ進む光の 前の鏡までの距離は大きくなる , A + Vt' A1 逆に帰りは光源が近づいてくる , A - Vt' A2 lA A lA 23 長さの相対性:Aの観測 電車内の前方に出た光:速さ=c 光源から鏡までの時間t A1 t A1= (lA+Vt A1)/c 電車内後方は t A2= (lA-Vt A2)/c 合計t A=t A1+t A2 A V t A1 前壁が逃げる t A2 後ろに出た光も同様 光源に光は同時に帰ってくる 光源が近づく 24 長さの相対性3 Aからみて前方へ行く光について 行き 帰り 和 ,A ct' A1 = , A + Vt' A1 , t' A1 = c-V ,A ct' A2 = , A - Vt' A2 , t' A2 = c+V ,A ,A 2c, A t' A = t' A1 + t' A2 = + = 2 2 c-V c+V c -V 25 長さの相対性4 Aからみて電車の進行方向と直角な光について 天井から床を往復する時間 tA 天井の光源に2つの光が戻ってくる Aが見てもBが見ても同時である tA=t A :進行方向への光の往復時間 A lA V lA t' A tA 26 長さの相対性5 進行方向の光の往復と 直角方向の光の往復は同じ時間なので 2c, A t' A = 2 2 = tA = c -V 2c, A 2 2 = c -V tB V 2 1-(c) 2, B c V 2 1-(c) ,B = 2, B tB = c ,A V 2 1-(c) 27 長さの相対性:同時観測 Aの進行方向の結果 ,A ,A t' A1 = , t' A2 = c-V c+V 2c, A t' A = t' A1 + t' A2 = 2 2 c -V lA A 進行方向垂直の光 同時 2, B t B = c = t' B t A = t' A 2, tB 2c, c = tA = 2 c -V V V 1c 1- 2 c B l B lB ,B = ,A B A 2 2 2 2 V2 1- 2 c 28 長さを測る ,B B 対象物が静止しているとき 対象物が運動しているとき D C 同時にC点、D点を読み取 れない ものさしA 空間上の異なる点の同時刻 は定義できない B できるのは、同一点の同時 刻のみ D D A C C ,A ものさしA A 29 ,A 長さの相対性 , B = 2 V 1 2 ,B F ,A c 動く長さlB を静止したAが測ったらlA と 短く見える 運動するものは縮んで見える tA>=tB 止まっている時計はたくさん進 む :動く時計はすすまない V A lA B lB 30 長さの相対性6 tB tA = V n 1-d c AとBの長さの関係式には同じ項 tA>=tB lB >= lA ,B = ,A V 2 1-(c) Aのものさしに比べて動くB のものさ しは長い AはBが縮んでみえる ローレンツ収縮 進行方向だけ 直角方向は影響しない A 2 lA V lA 31 時空図と世界線 空間1次元+時間1次元 位置 x0に立っている人B 時間 t 時間 t 光 原点に立つA 速さvで走る人B 光 Bが光を見る 0 位置 x0 空間 x 0 空間 x 32 時空図と世界線2 AがBとC に光の信号を送る 光を受け取った時刻を同時 同時の概念は、速さに依存する 全員静止 B 速さvで走る3人 時間 t A C B 光 光 光 0 光 C 同時 同時 空間 x 時間 t A 全員v 空間 x 0 33 時空図と世界線 速度vで移動する系の座標軸 t ,x 時間 t 同時である証拠 B 光:t=-x/c 時間 t t=x/v 光:t=x/c C 位置 x 0 t=xv/c2 空間 x 34 時空図と世界線 時間と空間の縮み 時間 t 時間 t ある出来事 位置 x 0 v t = 2x c 空間 x 35 ローレンツ変換 • (x,t)と(x ,t ) の間の関係式(一次) • xとtが混ざる t 時間と空間は独立ではない x' = ax + bt t' = dx + et t 係数a,b,d,eを決める条件 (A,B)原点同士の速度v (2式) (C) 光速一定=c x o,o x 36 ローレンツ変換2 x 原点同士の速度v b (A)x = 0, 0 = ax + bt t =- a = v x' b (B)x = 0, x' = bt t' = et =- e = v t' b =-av =-ev: a = e 光速一定=c b = dc 2 x = ct, x' = act + bt x' = ct', t' = dct + et x' act + bt ac + b = = =c t' dct + et dc + e aを決めればいい x' = ax - avt = a (x - vt) -av -v t' = 2 x + at = a ( 2 x + t) c c 37 ローレンツ変換3 2つの系を入れ替える x &-x', x' &-x, t + t' vx' v 2 x' = a ;a (x' + vt') - va (t' + 2 )E = a x' (1 - 2 ) c c a= 1 v 1- 2 c 2 x' = t' = 1 2 (x - vt) v 1- 2 c 1 -v ( 2 x + t) 2 v c 1- 2 c 2 38 • ローレンツ変換の応用 長さの相対性 ,' = x' 2 - x' 1 = = 1 v 1- 2 c 2 ,' = 0 ¦¦ 1 v 1- 2 c 2 (x2 - x1) = 同時 7(x2 - x1) - v (t 2 - t 1)A t , v 1- 2 c 2 = ,' t ,' x 2 同時 x1 x , v 1- 2 c 2 o,o x1 x2 , 2 2 2 2 2 2 c t − x = c t' −x' 4次元長さ不変 (t,x)系 x (t ,x )系 39 長さの測定2 lA A B 光を使う 時間 t 電車 最後尾の 速さV 先頭の 世界線 世界線 tA = tB 0 1t lA ,B = 空間 x ,A V 2 1-(c) 1t B B 1t B lB V 2 n 1-d c B 2tA 光 1t 時間 t 2t 1tA V 0 位置 x B lB 40 V 双子のパラドクス A B 一人は地球から、もう一人は去ってゆく人 ロケットに乗った人;地球が後ろにはなれてゆく 事となる、 相対速度は同じで同じことが起きるはずである。 -V 浦島太郎:村が高速で後ろに行ってしまった。 従って運動の時間がゆっくり(小さく)動くの A で、向こう村人が年を取らない、 村人にとっては、浦島が高速で飛んでいった、 従って、太郎が年を取らない、、、 B これは矛盾だ! 41 双子のパラドクス B速さvで出発 時間 A原点に静止 tA 原点に立つA Bは点Gで反転 (加速度運動) K 同時刻線 Bは一瞬 Gで反転中 J Aの時計はJか らKへ進む 速さvで走る人B 0 時間 tB 速さ-vで走る人B 光 xB 同時刻線 G xB 空間 xA 42 双子のパラドクス 戻るには、加速運動が必要で、特殊相対論で は扱えない。 が、もしちゃんと帰って来たとすると、加速 度を受けた系(ロケット)と地上(慣性系) で時の動きが違って当然である。 地球 加速 0.71y 減速 等速 0.44y この答えは、一般相対論計算したら、 地球時間6年で:1年加速、等速v=0.9c, 減 速、また加速、等速、減速で3年 減速 加速 0.71y 一般相対論の計算 43 相対性1 相対性理論の帰結 時間も長さも相対的である 止まっているAからみると 動くBは時間がゆっくり(短い)長さが短く この割り算(長さ)/(時間)は光速の普遍 性を保つ??? 44 長さの相対性 進行方向に縮んで見える 静止 運動 dE/dx 上昇 進行方向と 直角には変化しない 45 速さの足し算 uB + V uA = u BV 非相対論的世界∼日常 1+ 2 c u はAが見る玉の速さ u +V > u B A A uBはBが見る投げる玉の速さ 相対論での速さの足し算 ローレンツ 変換 V € A uA uB + V uA = ~ (u B + V) u BV 1+ 2 u V c << 1, << 1 B c c B uB 光 uB=c then uA=c 46 力学(古典) 運動量 p=mv:運動の勢い=質量x速度 エネルギーE=mv2/2:質量x速度2 単位が異なる 運動量保存則 p1+p2=p1 +p2 空間の一様等方性 エネルギー保存則 E1+E2=E1 +E2 1 時間の一様性 力は、運度量の変化である 1 2 2 47 相対論的時空 相対性理論では時間も空間も長さが変化する 不変なものは、光速だけか? ローレンツ変換が2つの座標の間を取り持つ 不変量はローレンツ変換不変と呼ばれる 空間3次元と時間1次元の融合 4元ベクトル 2 2 2 2 2 c t − x = c t' −x' 2 同じ次元として捉えた際の単位間の換算に用いる定数が光速である ct x y z 48 相対論的時空2 不変量は距離ではないが、光速不変なので 4次元(t,x,y,z)で 2 2 2 2 2 2 D = c (t1 − t2 ) = ( x1 − x2 ) + (y1 − y 2) +(z1 − z2 ) 2次元(t,x)で (DD) = (cDt) = (Dx) 2 2 2 ds = (cDt) - (Dx) 2 2 2 t t t2 t1 x 2 ds はLorentz不変となる t1 t1 2 2 2 2 2 c t − x = c t' −x' 2 x1 o,o x1 x2 x2 x 49 相対論的力学 2 2 2 2 2 c t − x = c t' −x' 2 一般に(時間成分)2 - (空間成分)2は不変 mc = E , mv = p c 時間と位置 pc v (t, x) & (1, v) & (m, mv) & (E, p) c = E 時間で割る 質量を掛ける 読み替え € 2 ある粒子に対して 単位を合わせる E 2 2 2 − p = m c 0 2 c 静止系 粒子の質量m0は、静止質量 E =p c +m c 2 1 = v 2 1 - (c) 1 pc€2 1-( ) E = 2 2 2 0 4 E E = 2 2 2 m0 c E - (pc) 50 相対論的質量 質量 E= m0 c 2 = mc , m = v 2 1 - (c) m0 v 2 1 - (c) 2 見かけの質量mは速さに依存 m 光速に近づくと増える 加速できなくなる cに到達不能 m0 0 c v 51 電子放射線源 ブヘラーの実験 コリメーター 磁場中での荷電粒子の 運動は F = ev # B R B ローレンツ力と呼ばれる F = evB コリメーター 電子エネルギー 測定シンチレーター m mv = F = evB R 2 mv = p = eBR v/c 52 2 E=mc 質量はエネルギーだ! みかけ アインシュタインの有名な式 エネルギーは質量*光速の2乗 太陽 2陽子 2陽子 解釈 E>=m0c2 太陽 4p " He ++ + 2e + 2oe + c + 1 2 2 ニュートン E = 2 m 0 v + m 0 c 運動E 静止E 53 太陽中心のエネルギー生成 基本原子核反応 4p " He ++ + 2e + 2oe + c + 4*1.6726 *10 -27 kg 6.6447 *10 -27 kg 2*0.0009 *10 -27 kg 6.6904 *10 -27 kg 6.6447 *10 -27 kg 0.0018 *10 -27 kg 0.0439 *10 -27 kg E=0.0439*10-27*(3.00*108)2=0.4*10-11J/基本反応 400万t/s 1039基本反応/s 54 2 E=mc 1gの物質が全てエネルギーに変化したら E=10-3*(3*108)2=9*1013 J 2*107ED 1kwの電熱器を1時間 2000万世帯:日本中 ED=103*3600=4*106J 電熱器の前は暖かい:熱が空中を光(赤外 線)として伝わって、あなたの皮膚の温度を 上昇させている、太陽も同じだ 55 放射性核ゴミ Sr 98 2 E=mc の応用 n 原子力発電所 U235を燃やす 235 92 98 38 U 235 Xe 136 136 54 n+ U→ Sr+ Xe + 2n + γ 1.0087 + 235.0439 → 97.9054 + 135.9072 + 2.0174[u] 236.0526 → 235.8300 + 0.2226[u] http://ja.wikipedia.org/wiki/核分裂反応 Dm 質量欠損 E=Dmc2=0.3321x10-10 J 1kgのU100%(体積50ml)が燃えると1015J 56 (静止)質量0の意味 質量のない粒子はあってもいい! たくさんある、photon, gluon, graviton,,,,neutrino 質量がある:秤に乗れる=止まれる 質量がない&E=p=0:存在がない 質量なし:静止系が存在しない:止ま れない:光速cで常に走るE=pc 57 対称性と保存則 空間の対称性<>運動量保存則 時間の一様性<>エネルギー保存 空間回転の普遍性<>角運動量保存則 カイラル対称性<>電荷保存則 2 EinsteinのE=mc はエネルギー概念を変えた 広い意味のエネルギー保存は成り立っている 58 相対論と古典論 F = ma 力Fが働くと加速度aを得る、mは比例係数 m0 相対論:質量は速度依存 m= 2 v 1− 加速度は速度の時間変化 c Dp Dv Dmv F=m = = Dt Dt Dt 力は運動量の変化 € 59 相対論と古典論 v<<c 古典論=ニュートン 2 2 −1 v m0c 1 2 2 2 E= ~ 1− m0c = m0c + m0v 2 2 c 2 v 1− n (1 + x) + 1 + nx : x % 1 c 2 古典論では定数項 m 0 c を無視している 静止エネルギー 運動量も1次までとれば一致 v v p= 2 E = 2 c c m0c 2 v 1− c 2 2 −1 v 2 v 1 ~ m0v1− = m0v + m0v c 2 2 c 60 光子 E = p c +m c 2 pc v = c E 2 2 2 0 4 m0 = 0 v=cからE=pc E= 光子の質量はゼロ しかしエネルギーや運動量は持つ 質量がないので止まれない、光速c m0 v 1-d n c 2 E = pc 質量のある粒子はその静止系があり、そこに乗れば止まっている 止まれないので、追いかけても追いかけてもcで逃げる 61 光子は電子に崩壊? もし光子が電子と陽電子に崩壊したら E = E1 + E 2 , p = p 1 + p 2 ローレンツ不変量を計算してみると 2 E - p c = (E1 + E 2) - (p 1 c + p 2 c) = 0 2 2 = 2m e + 2E1 E1 - 2p1 p 2 c cos i > 0 2 2 2 2 左辺=0、右辺>0 よって矛盾 光子は(質量のある粒子2個に)崩壊しない 62 2 粒子を作る E=mc 加速器で陽子を加速 高いエネルギー陽子と陽子を衝突させる 結果:2個の陽子以外に別の粒子が生成される p 重心系 p X p -p p+ p→ p+ p+π 止まっている E E 2 2 2 (E + E) - (p c + (- p) c) = 4E = m p + m p + m X X € 63 2 E=mc は粒子も作る 陽子 窒素原子核 地球外からくるエネルギーの高い粒子 ほとんどは陽子 r 宇宙線は大気上空で空気分子と衝突 等速度 ここでパイ粒子を生成する エネルギーが粒子を作り出している例 パイ粒子は寿命が短くミューに崩壊 -13 10 s ミューは地上に降る 10-6s n A 64 光速不変の最近の検証 Fermi gamma ray space telescope On May 10, 2009, Fermi and other satellites detected a socalled short gamma ray burst, designated GRB 090510. Astronomers think this type of explosion happens when neutron stars collide 73億光年はなれたガ ンマー線バーストから エネルギーの異なる光 が同時に観測された http://www.nasa.gov/mission_pages/GLAST/news/first_year.html 65 一般相対論 特殊相対論:等速直線運動する座標 一般相対論:加速度あり 加速度系での法則は同じ F=ma=mgg 地上の重力 慣性質量mと重力質量mgは同じ 光速不変 66 一般相対論 Bもボールも静止 加速度のある系を結ぶ理論 加速度系が作る見かけの力 加速度系には力が現れる B:落ちないボールには力が 働いていると解釈 これを見かけの力 加速度系が力を作った B 重力 A 等加速度 落下中 67 加速するロケット 加速 宇宙空間で(重力なし) 加速するロケット内のB 投げたボールは放物線を描く B あたかも重力があるのと同じ このボールを光粒子に変えても 同じことが起きる 加速度運動のせいだから 重力は質量に働くのに、、、 68 重力場中の光 ドップラーシフトを起こす、光が 重力源から逃げるとき:赤方変移 重力源へ落ち込むとき:青方変移 観測と計算がよい一致 重力源の 星 69 重力は空間の曲り 空間の曲りは質量でもできる 太陽の回りの空間の曲り 空間が曲がっている 光も曲がる:凸レンズ アインシュタインレンズ 70 アインシュタインレンズ HST観測 星のスペクトルは 同一(同じ星) 71 MACHO MAssive Compact Halo Object 重力レンズ効果 MACHO E Galaxy 72 重力 重力とは空間のひずみ 2つの玉は地球中心で くっつく 力が働いたとも解釈で きる 地球の中心 73 重力は時間を遅らせる 重力あるいは加速 重力は光を曲げる 光の幅を考える 光 光速はもはや一定ではない(内と外) 重力が強いほど光速は遅くなる 重力源 速遅 時間も遅れる 重力は時空を曲げる 74 ブラックホール 曲がった空間の極限 光も中から出て来れない星: 大きさがある 脱出速度>c:太陽質量なら 半径3km http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/theory/theory06.html 75 アインシュタインの重力方程式 一般相対論の帰結 Rno - gno R - mgno = lTno 1 2 空間の曲り成分 空間の曲率 宇宙項 エネルギー運動量 GM FNewton = m 2 r 8rG the biggest blunder in my career 弱い重力、v<<c m = 0 l = l c 4 :アインシュタインの重力定数 76 シュバルツシルト解(厳密解) 球対称、時間変化なしの場合 e -m a = 1- r 2GM lc M a= = 4r 2 c 2 a:積分定数:長さ M:重力源質量 a:シュバルツシルト半径:これより内側の光は 外に出る事ができない :ブラックホール M = M 9 then a~3Km 77 一般相対論の検証 重力場での光の波長のずれ(ドップラー効果) 重力場での光の曲り(Macho,重力レンズ) 惑星の近日点の移動 重力波(光速) # 質量を持つ物体の加速運動により重力波が放射される。 ニュートン力学では楕円軌道 近日点2 S 宇宙の曲率 近日点1 アインシュタインの重力では楕円軌道が動く 78 空間の曲り 一般相対論=幾何学 リーマン、ユークリッド、ロバチェフスキー 2次元の幾何学 三角形内角の和 >180 =180 <180 球面 平面 双曲面 79 一般相対論の応用 GPSやケータイ 高速で運動するGPS衛星の運動による発振信号の時間の遅れ(特殊相対論効果)10-10 地球の重力場による地上の時間の遅れ=衛星の時間の進み(一般相対論効果) 5x10-10 両者の効果は1日あたり1万分の1秒、これを補正する 補正量∼30km/日 L2 L1 正確な時計 80