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電子機器の熱衝撃試験方法( Ⅱ )

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電子機器の熱衝撃試験方法( Ⅱ )
電子機器の熱衝撃試験方法(Ⅱ)
電子部品、実装プリント配線板、電子機器
の温度変化に対する耐性を短期間に評価する
N 1: 温 度 差 ⊿ T 1 の と き の 寿 命 ( 実 使 用
環境)
ために、加速試験として熱衝撃試験を実施す
ることが多い。
N 2: 温 度 差 ⊿ T 2 の と き の 寿 命 ( 加 速 試
験時)
電子機器が実際の市場環境と加速試験環境
で 受 け る ス ト レ ス の 相 関 ( 加 速 係 数 ,故 障 モ ー
(2)式 か ら 求 め た 加 速 係 数 を 表 に 示 す 。
この加速係数を使えば、市場における温度
ド)を調査し、加速試験の市場環境に対する
加速性が成立するならば評価に要する期間が
変化に対する製品の保証期間から加速試験
(熱衝撃試験)で実施す べきサイクル数を計
大幅に短縮できる。
この試験では、電子部品、電子機器を高温
算できる。
・熱衝撃試験の試験サイクル数の計算例
と低温の雰囲気に交互にさらすことにより、
温 度 の 急 変 に 対 す る 耐 久 性 を 評 価 す る が 、(1)
高 温 ・ 低 温 の 試 験 温 度 、(2)高 温 ・ 低 温 の 雰 囲
あ る 製 品 を 市 場 環 境 で の 温 度 変 化 に 対 し 、10
年保証するためには、1 日 に 1 回、温度幅が
40 ℃ 以 内 の 温 度 変 化 を 受 け る 場 合 、 低 温
気 に さ ら す 保 持 時 間 、(3)試 験 サ イ ク ル 数 を 適
切に決定することが重要である。
-25℃ 、 高 温 +85 ℃ の 試 験 条 件 で 加 速 試 験 を 実
施 す る と き 、 表 か ら 加 速 係 数 は 、20 で あ り 、
高温・低温の試験温度から決まる温度差と
評価に必要な試験サイクル数とは密接な関係
試験サイクル数 =(365×10)/ 20=182.5
(但し、n = 3 の製品の場合 )
がある。
熱衝撃試験をしたときの温度差によるスト
と な り 、実 施 す べ き 必 要 な 試 験 サ イ ク ル 数 は 、
183 サ イ ク ル と な る 。 安 全 率 を 考 慮 す る と さ
レスと寿命(サイクル数)との関係は、以下
のアイリングモデルで示される。
らに試験サイクル数は増加する。
熱 衝 撃 試 験 を 実 施 し た と き の温 度 差 に よ
Ln N = ln A − n ・ ln ⊿ T
N:サイクル数(寿命)
(1)
るストレスと寿命の関係を示すアイリングモ
デ ル 式 (1)に お け る 係 数 n は 、電 子 部 品 に よ り
異 な る 。 n の 値 に つ い て は 、 参 考 文 献 2)に 記
述されているので参照されたい。
A:定数
n:係数
⊿T:温度差(℃)
(1)式 は 、 N = A ・ ⊿ T − n
数 K が、求められる。
 ⊿T2 
N1

K =
= 
⊿T
N2

1 
となり加速係
n
(2)
愛 知 県 工 業 技 術 センターニュース(1995年9月号)
2)実 装 印 刷 配 線 板 信 頼 性 に 関 す る 研 究(第 10
報 )― 温 度 変 化 と 湿 度 に 関 す る 加 速 試 験 ―
中 部 エ レ ク ト ロ ニ ク ス 振 興 会 研 究 報 告(1995)
表
低 温
℃
(機械電子部 盛田耕作 )
参考文献
1)「 電 子 機 器 の 熱 衝 撃 試 験 方 法 」
高 温
℃
加速係数
加 速 係 数 (K )
温度差
⊿ T (℃ )
n=2
n=3
n=4
n=5
-25
+70
95
5
13
31
75
-40
+85
+100
+70
110
125
110
7
9
7
20
30
20
57
95
57
157
298
157
+85
+100
125
140
9
12
30
42
95
150
298
525
+125
165
17
70
289
1194
実使用時の温度差を⊿T=40 ℃と仮定した。
−3−
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