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海外情報2010② - 日本フローラルマーケティング協会(JFMA)

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海外情報2010② - 日本フローラルマーケティング協会(JFMA)
海外プロジェクト
今月の海外プロジェクトからは、海外の雑誌や資料から最新の情報をお伝えいたします。
Green Profit January 2010 P.10 :
Pantone LLC(色彩、色見本などについて有名な機関)が「ターコイズ色」を2010年の色で
あるとしました。Pantoneによるとターコイズとは「ブルーの清涼感と、グリーンの元気付けてく
れるような感覚をあわせもつ色である。トロピカルな水を連想させたり、物憂げに世界のすべ
てのトラブルから逃れることができる色」であるとしている。
ファッション界では、ターコイズは、靴、バッグ、手袋、アクセサリーなどに使うことができ、
ホームデコレーションでは、アウトドアで使う、ピロウ、ラグ、クッション、ガーデンコンテナ、ポッ
Pantonウェブより
ト、アクセントなどに使うことができる。
また、現在、女性がファッショングッズの買い控えをしているが、すでに持っているオーソドッ
クスなカラーとターコイズを合わせることで、新鮮な感じがするとしている。
ターコイズと以下のような色を組み合わせるのが今年流:
Tomato Puree - 今年のクラッシックレッド
Amparo Blue
- 典型的スプリングネイビーより、明るく、さらにエネルギーを感じる
Violet
- 暖かい気候の下では、ロマンティックなこの色を
Aurora Yellow
- 少し緑がかった黄色は、朝日の輝きを感じさせる
Fusion Coral
- オレンジ味を加える
Pink Champagne - デリケートでかすかな色合い
Tuscany
- Fusion Coral やVioletと合わせて、ベースカラーとして使える
Dried Herb
- 究極のグリーンニュートラル
Eucalyptus
- 永遠に使える灰色
左はターコイズ。左上から
Tomato Puree, Ampro
Blueの順
Comparative study of Cut Roses for the British Market Production in Kenya and Netherlands」 Precis
Report for World Flowers - 12 February 2007より
クランフィールド大学のウィリアムズ教授の研究によると:
イギリスの消費者がバラを購入する場合のライフサイクル(LCA)二酸化炭素排出量は
- オランダ産バラの二酸化炭素排出量はケニア産の 5.8倍
- オランダ産バラの温暖化ガス排出量はケニア産の
6倍(二酸化窒素・メタン含む)
となっています。
(このときの条件は、イギリスで2月に販売されたバラについてであり、ケニア(Oserian)からは航空便で輸送されて
いるものを使用しています。オランダ産のものはHookに近い場所で栽培されたものです。)
尚、LCAの計算項目や係数により、色々な研究結果があるため、上記のものがすべてではありません。
The Journal of Horticultural Science and Biotechnology ウェブサイト:
Dr Henry Wainwright 「Food Miles and Horticultural Trade」
ウェインライト博士によると、「北ヨーロッパの消費者が切花を購入する場合、オランダ産バラ1本あたり、670
gのCO2が温室の暖房だけで排出される。対して、ケニア産バラ1本あたり、335gのCO2が航空輸送だけで排
出される(2004年のオランダでの調査による)」としている。
しかし、ウェインライト博士は、二酸化炭素排出量だけが、消費者が購入を決定するファクターではないとも述
べている。「ケニアは18,650トンの切花をEU諸国に輸出し(2006年データ)、135,000名の従業員を養って
いる。ケニアの失業率は50%と高い中、この産業は、人々の生活を支えている。」としている。
Grower Talks January 2010 Volume 73、Number 9、
P14 ポインセチア「Ecke 北極グマ」
2009年12月9日からお正月まで、Ecke Ranchより新しく
出された、最も白いポインセチアの品種、「北極グマ」を記念し
て、ラスベガスに北極グマのディスプレイを設置した。
Ecke Ranchでは、この北極グマの鉢を販売する毎に、北極
グマ協会(PBI)に献金し、北極グマの保護に貢献していると
述べている。
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海外情報プロジェクト報告 201003
今月の海外プロジェクトからは、海外の雑誌や資料から最新の情報をお伝えいたします。
Green Profit January 2010 P.46-54
テキサスA&M大学 教授 Dr. Charlie Hallによる経済状況が産業に与える影響について
経済:
現在、マスコミは不況のニュースばかりを伝えているが、現状は回復状況にあると見受けられる。
園芸業界にとって、住宅供給が重要であるが、不況後の回復のついては、3歩進んで2歩下がるような状況
となることが多い。実際、住宅供給サイドは住宅購入における税額免除措置の期限切れの恐れにより、建設
に二の足を踏んでいる。特に家族向け住宅においてこの状況は顕著であるが、一人用住宅にも影響が及んで
いる。ただこの状況は逆に、需要と供給を再度バランス調整しなおす機能があるともいえる。
需要サイドとしては住宅購入における税額免除措置は延期、拡大されている。政府の住宅政策は、会計をコ
ストダウンさせマーケットにおいて購入しやすくし、価格を下げることにより、購入者が少しずつ戻るようにする
というものである。住宅はゆっくりとではあるが、時々山がありつつも、徐々に回復するであろう。2010年は住
宅価格の安定化と住宅建築のリバウンドも考えられる。
良い情報としては、北米のGDPが4半期の3期で2.8%まで成長し、非公式ではあるが不況が終わったとい
えることである。しかし、現在も厳しい状況であることには変わりなく、将来、政府が景気刺激策として投入した
資金を払わなくてはならない。現在まだ使用していない「グリーン」のためのインフラプロジェクトの資金がグ
リーン産業のポテンシャルニッチマーケットに投入されるかもしれない。
インフレは現在まだ顕著化していないが、どこかの時点で、インフレのプレッシャー緩和のための金融措置を
とる恐れもある。短期的にみればより多くの刺激策を議会が出すかもしれないが、仕事の創出に関したものに
なると思われる。政府は可能な限り金利を、企業投資促進となるレベルに保持し、それはグリーンインフラに関
連している可能性があり、間接的には我々の商品やサービスの需要を作るかもしれない。
雇用状況:
この回復において、不思議なことは失業率が通常より高いままであることで、「雇用なき回復」となっている。
慎重な雇用は経済のV字型回復に影を落としている。一方で、これにより生産性が特異的に上昇し、設備投資
の資金を作り出すことができる。しかし、これでは消費者の信用を低下させ、収入の低下となるので消費を刺
激することができない。興味深いことに、労働局の発表によると、休職を必要とする疾病や労働災害2008年
と2010年の雇用状況を反映しているとしている。建築や小売といった不況に弱い部門ではこれらの理由が減
り、高齢の労働者の労働災害が増え、若い労働者では減少した。それは雇用のままであることが少ないから
である。また、グリーン産業の企業には労働力が増えたことになる。しかしこれは、移民についての議論の再
燃を意味するが、政策の変化ではなく強化の方向へ動くと思われる。
不況により労働力を減らした企業も、利益の増加に伴い、もうすぐ労働力を増加させる日も遠くないであろう。
2010年の春の終わりか夏には雇用の回復が起こり、技術産業が回復をひっぱると思われる。
昨年の春は、苗物と宿根がよく売れ、今年も同じであると予想でき、昨年より状況は良いと推測させる。疑問
点は、不況後、消費者に、長期間の購入習慣にどのくらい影響を与えたかということである。
長期消費者行動:
2010年半ばまでに家計は19%財産を減少させ、購買力を減少させ、貯蓄行動へ走らせ、特にリタイア層で
はこの傾向が顕著となる。したがってGDPの70%をしめる個人消費は収入の伸びよりもゆっくりとした回復と
なるであろう。居住面では、エネルギー価格が不安定であり、インフレ(現在は1.5%)が0になり2010年の終
わりにはデフレに転換するかもしれない。
本当に疑問なのは、不況後の消費者行動が短期間の行動の変化であるのか、ニューエイジの豊かさの指標
が現れるのかである。私個人としては人々がブームの熱狂を離れ「ノーマルへの回帰」をするであろうと考えて
いる。いずれにせよ、消費者は銀行家がどう思おうと、自らの貯蓄率を上げることができるというものである。
生活の質を向上させる:
我々の産業の将来にわたる価値の提案としては、消費者ベースの生活の質の向上という事に焦点を当てる
ということである。たくさんの調査により、感情や環境への花、緑、樹木の効用が判明してきている。グリーン産
業は精神の健康を向上させることができる。高齢者の健康を増進し、病からの回復率を上げ、社員の発明や
アイデアを促進し、優しさの気持ちを強くし、憂慮や心配を減らし、強いコミュニティーを構築する。(America in
Bloom等より)外環境要素を和らげ、家の価値を上げる。これらは恩恵のほんの一部である。また今後温室効
果ガスの取引などのトピックも注目されてくるであろう。
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海外情報プロジェクト
今月の海外プロジェクトからは、海外の雑誌や資料から最新の情報をお伝えいたします。
Flora Culture February 2010 P27 :
今年の流行色はターコイズ!
The Flowers & Plants Associationは2010年の花と緑の新しいトレ
ンド色は「ターコイズ」であると発表した。色のトレンド企業のパントー
ンは「ターコイズ」は万国共通なポジティブカラーであり、平和と癒し
のカラーとして尊重されており、一般的には都会の喧騒から開放され
たトロピカルビーチを思い起こさせ、リラックスや若返りを与える色で
もある。パントーンは、ターコイズは暖色と寒色の潜在的要素を持ち、
スペクトラムでは、どのような色ともよく合い、中間色や茶色にはさし
色になる。また、深いブルーでクラシックな海の雰囲気を醸し出す効
果もあるとしている。 The Flowers & Plants Associationはターコイ
ズは緑色のカーネーションやキク、トロピカルアイテム、アジサイ、シ
ダ、サボテンなどすべてを引き立てるとしている。また貝殻や孔雀の
羽を使ったアレンジも作りやすい。ターコイズはとてもインパクトが強
く、ディスプレイもターコイズにすると避暑地のバケーションを想起さ
せるので、寒い時期にでも使えるとしている。
Flora Culture April 2010 P28-30: 水問題について
2009年の干ばつによるケニア、ナイバシャ湖の水位の低下は、今年の季節はずれの雨により回復してきている。リ
フトバレーの世界有数の花生産地帯では周期的に水の欠乏が起こる。ケニアではバラ生産は第2位の外貨獲得産物
であり、200万人(人口の7%)のケニア人がかかわる重要な産業である。
水位が回復した一方、ウガンダ国境のエルゴン山では斜面の土
砂崩れが置き、5,000人が家を失った。水の管理はとても難しく、
国が行うべき長期的計画と個々人がコミットするべきことの両方が
なされなくてはならない。水問題は現在の花企業が投資スケジュー
ルを考えるべき問題である。
44haの温室を持つペンタフラワー社は40万㎥の水を年間
に使用する。不況ではあるが、温室の屋根から雨水を集め
る貯水池7万㎥を作った。これにより常時清潔な水が手に入
るようになり、ネマトーダや水が起源の病気などがなくなった。
インタープランツローズ社は最新の循環システムを取り入
れた。これは、浸透圧とUV殺菌を利用したもので水質を保
つことが可能である。インタープランツは40年間ファミリービ
ナイバシャ湖で新しく設置された浸透圧とUV殺菌を用いた
ジネスでバラを栽培してきたが、ナイバシャ湖に来るにあ
水浄化プラントをチェックするインタープランツ社のマネー
たって、IPMや水質保全を考えた栽培をすることにした。この
ジャー
循環システムはコンピューター制御である。また900㎥の貯
水池も設置した。
水蒸気を冷却するパットを用いることで、水の使用量を抑
えることができる。またCAPRI(根への局部的灌漑装置)(ぶ
どう栽培などに使用されている)をバラ栽培に用いることによ
り、収量を落とさず、水の使用量を削減することができる。
各々の企業が水質保全のための機器を設置することができ
るが、水問題そのものはグローバル規模での取組みが必要
である。ケニア政府は水を産出するマウの森を保全するため
に、2万家族をマウの森の10万ha内から立ち退かせた。また
ケニアの大統領Odingaは、このセンシティブな問題のために
特別委員会を発足させた。国連には40億ドルの融資を依頼
している。
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ペンタフラワーの7万㎥の貯水池
海外情報プロジェクト報告
今月の海外プロジェクトからは、海外の雑誌や資料から最新の情報をお伝えいたします。
アメリカでの園芸業界のTwitterやSNS、ネットを利用した販売などについての事情はどうなっているのでしょうか?
Green Profit March 2010 : P18
フェイスブックやTwitterはマーケティングに使えるのか?
フェイスブックやTwitterなどをマーケティングに使わなけれ
ばならないというわけではない。しかし、ある上手くいっている
ホームセンターのウェブサイトでは3月でも11月のイベントを
表示している。しかし、そのウェブサイトに「フェイスブックを見
てください」の表示がある。ウェブサイトに掲載しなくても、フェ
イスブックに載せておけばよい情報はこちらに書いておけばよ
い。
すべての情報を準備してからウェブサイトに掲載する前に、
少しずつ情報を自分で小出しに掲載できる。ウェブサイトには
古い情報が詰まっているが、ウェブサイトを最新に更新し続け
るのは、時間と労力と想像力が必要である。更新していない
ウェブサイトは顧客に悪い印象を与える。
上手くフェイスブックを使うと、常にページをアップデートし読
者に有用な情報を送り続けることができる。一方、フェイスブッ
年代別のフェイスブック利用人数
クは更新しなければ、読者は、あなたの情報がきちんと更新さ
(青 2009年1月 緑 2010年1月)
れておらず、そこにあなたがいない、期限切れであるというこ
とも同時に分かってしまう。
ソーシャルネットワーキングは、適切に利用すれば有用である。これには新しい情報を常にアップデートしておくス
タッフをつける必要がある。それにより顧客にタイムリーで生きた情報を提供することができる。1週間に2-4時間ほ
どでよいが時間を使う必要がある。一番の間違いは、「これは私ができるから、人を充てることもない」と思うことであ
る。もしオーナーが、更新すると決心しても、だいたい2週間ぐらいたつともう更新するのは後回しになる。そして更新
していないフェイスブックが顧客に対して悪い印象を与えるようになる。
たくさんのガーデンセンターが電話帳への掲載のための予算を削って、ソーシャルネットワーキングのための予算
にあてている。ソーシャルネットワーキングは今や子供の遊び道具ではなくなっている。フェイスブックの使用層は今
や35-54歳となっている。グラフを見ると、すでにすべての年代の人々にソーシャルネットワーキングが利用されて
いることがわかる。
ガーデンセンターは、ソーシャルネットワーキングをマーケティングに利用できるだろうが。しかしそれは、きちんと更
新していることが条件である。
Green Profit March 2010 : P50
Twitterやネットを利用した販売についての統計:
Twitterは最新のマーケティングに使えるネットワーキングツールである。しかしながら、専門家には、140文字かそ
れ以下で情報を発信することでのマーケティング効果に疑問を持つ人もいる。実際Twitterのページを持つ多くの会社
が効果的にその聴衆とコミュニケーションをとれているとはいい難い。Weber Shandwickの統計によると、フォーチュン
100の会社のうち76%が500ツイート以下の書き込みしかなく、50%は500フォロワー以下となっている。11%は
プレースホルダーアカウント(場所取り)、4%は何か特定の事柄のみ。また24%の会社はTwitterをブランド認識にの
みに利用している。16%が主に商品やサービスの販売促進に利用している。
Twitterでのプレゼンツを成功させたいのであれば、フォロワーを惹きつけるような企業戦略を練り、一貫性のあるブ
ランドの存在を提示してみせるようなベストなTwitterの実施をしなくてはならない。また、新しい顧客との関係性を促進
したり、ロイヤリティーを生むような会話を構築していくことも大切である。
VerticalRseponse Inc、が行った調査では、大多数の小さなビジネスはネットを利用したマーケティングを今年さらに
増やしていくであろうということが分かった。
74.1%の回答者がE-メールを利用した販売を増やす計画があるとし、63.8%がソーシャルメディアサイトのマー
ケティングへの利用を増やすとしている。3.8%のみが2010年にE-メールをマーケティングに利用する意思がないと
した。反対に小さな会社の96.2%がテレビを広告に利用する気がないとし、72.7%がラジオを広告に利用する気が
ないとしている。
ネットを利用した販売を現在行っていない園芸小売店も、2010年は、他の小さなビジネスが利用しているように、
ネットを利用した販売に力を入れ始めることになるかもしれない。
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バリフラワーコンテストツアー報告
AYANAリゾート&スパWeddingContest
4月16日-4月20日、国内からの厳選な選考によりAYANAリゾート&スパWeddingコンテ
ストを開催することとなりました。コンテストの課題は、センターピース1台、バージンロードフラ
ワー1台で競技されました。審査方法は、AYANAリゾート&スパにご宿泊客と従業員による
投票です。200名余りの方に投票いただきました。花材は、AYANAが経営する農場
BALIROSEの花を使用しました。バラ、トルコギキョウ、アンスリウムに加えた数種類の葉物
が用意されました。
4/17 15:00- アレンジ制作
4/18 10:00- コンテストスタート
4/18 18:00- レセプションパーティー 表彰式
樋口 ひかりさんの作品
酒井 理江さんの作品
1位 樋口 ひかりさん
2位 酒井 理江さん
神部 節子さんの作品
柴田 絵理香さんの作品
3位 神部 節子さん
柴田 絵理香さん
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バリフラワーコンテストツアー報告
BALI ROSE 農場視察 =飴とあめの農場経営
*農場 ・・・第一農場・3ha/標高900m 第二農場・35ha/標高1,300m
*生産物 ・・・ バラ・トルコギキョウ・アンスリウム・その他、葉物
*気温 ・・・ 昼/30℃ 夜/10℃(±5℃) /年間通じてこれくらいの気温
*その他 ・・・ 朝霧が多少あるそうです。稲作が三毛作。
本田 剛司 氏
AYANAリゾート&スパから1~2時間ほど離れた山間部にありました。途中、いろいろな
マーケットを通り過ぎました。生鮮物、特に家具や銅像を売っている店が多かったです。
BALI ROSE農場近郊に住んでいる人達は、高原野菜を作っていて、野菜の現金収入が
あり豊かに暮らしています。一般的なバリの世帯収入は、夫婦共働きで3万円/月。農場の
賃金は、10,500円/月だそう。だから、ちょっと強く叱るとしばらく働きに来なくなってしまうそ
うです。現地の花の生産指導に迎えられた横田さんは、「飴とあめだね~」と笑ってお話し
てました。叱るより、ご馳走して、褒めておだてて・・。現地に日本人のやり方を強いるより、
自分が現地化した方がやりやすいんじゃないか?と私たちをまた笑わせてくれました。とに
かく、のんびりしていて働かない!ワーカーの働く要領は、普通の40%ほど、普通の3倍時
間がかかります。その他、文化の違いなどなど楽しく話してくれました。例えば、バリはヒン
ズー教が信仰されています。52週お祭りの暦があり、いつもどこかしらでやってるそうです。
そのたびにワーカーは、今日はどこそこのお祭りで・・。今日はあっちで・・と飛んで行ってし
まうそうです。
まだまだ未開発で、文化の違いなどからご苦労は感じられたが、将来、充分に花の輸出
をする農場になりえる可能性を感じさせられました。
土耕でアーチング栽
培された、バラ(スモー
ルウッド)
アンスリウム
横田さん
ジェネラルマネージャー
本田 剛司 氏
山が切り拓かれ棚田が広がっていました。
農場近郊の植生
植生が豊かで、特に手をかけていないというに
も関わらず、お花屋さんの店頭にありそうなもの
が沢山ありました。ドラセナ類は数種類、ストレリ
チア、シダ、フィロデンドロン、パパイヤやコーヒー
までありました。
デンドロ
パパイヤ
ドラセナ
コーヒー
ストレリチア
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海外情報プロジェクト
今月の海外情報プロジェクトのミーティング(6月8日 市ヶ谷)に、アクアレル社長 アンリ・デュ・モーブランさんがいらっしゃいまし
た。アクアレルはパリでネット販売を通して売り上げを伸ばしたお花屋さんです。モーブランさんにお話しをお伺いしました。
アクアレルの歴史と強み:
1980年代からインターネットに投資を行い、ネット業界で、
資金ができた。1997年に、ネット上では、強力な花屋さんが
なく、アクアレルを作ることにした。初期にはITシステムへの投
資が3-500万ドル、マーケティングへの投資が1000万ドル
が必要であり、2005年までなかなか利益が出なかった。しか
し現在では、約9億円の利益を得るまでに成長した。
アクアレルでお客様がネット注文を夕方5時までに行うと、パ
リ市内であればその日の夕方6時から9時までに契約ドライ
バーによって配達される。また、アクアレルの注文のほとんど
はギフトであり、ブーケは一つ一つ出荷前に自動的に写真が
とられ、メールで注文した送り主におくられる。したがって、ど
んなブーケが送り先に届いたか確認することができる。
アクアレルは毎日お花を入荷するが、入荷の2日前には注
文をだす。システムは現在の注文数から、自動的に2日後の
注文数を予測して、入荷数を決定する。
アクアレルは、人にメッセージを送る機会をサポートする会
モーブランさんと、JFMA理事海下さん。
社である。花はとてもよい感情やイメージを表しやすい。また、
花だけでなくチョコレートなども一緒に送ることができ、お客様が誰かにメッセージを送る機会を強力にサポートしている。
アクアレルのウェブサイトを覗いてみると、ブーケ、お花とチョコレートのセット、アクセサリー
などが並んでいます。ブーケのラインナップは1週間ごとにかわるそうです。
40本のバラで27ユーロ
上記のブーケは29ユーロ
お花のジュエリーも販売しています。
(一番左のスカーフネックレスで39.1ユーロです。)
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国際セミナー報告
講演 Ⅱ
「一般のお花屋さんからデジタルお花屋さんへの変身」
アクアレル・ドットコム・グループ CEO アンリ・デュ・モーブラン 氏
アクアレルは、パリに行くと立寄ってみるお花屋さんでJFMAの欧州研修ツアーでもお馴染み。
そのアクアレルがお花屋さんから宅配のお花屋さんにシフトしていることは知りませんでした。ア
クアレルのモーブラン社長の講演の概要をまとめる。
●1997年の「アクアレル」
フランスのトップチェーンで店舗は21店あったが、売上は約9億円、従業員数は80人で、収
益率は1.5%以下に留まった。そこでどのように事業を伸ばしていくか検討した結果、アクア
レルのブランドは強力で潜在力は高い。但し、フランスでは、家賃が高く販売拠点を増やすに
は高水準の資本投下を必要とした。競争も激しく、投資規模により成長に制約があり、収益性
も予測し難い状況であった。そこでアクアレルは1997年に物理的な店舗は止めて、インター
ネット販売にシフトして行った。
モーブラン社長
●「アクアレル」の新しいコンセプト
インターネット販売の新しい戦略は次の通り。
*アクアレルのブランドを構築 品質を保証する信頼のブランドイメージの構築
*魅力ある商品と適正な価格 いくら商品が良くても高くては売れない。「新鮮で高品質」で「適正価格」を模索。
*時間厳守の配達と情報の共有化の実現 指定の時間に配達、流通のどの段階(配送のプロセス)にあるかもお客様と情
報を共有する。写真証明を作る。お客様に発送直前のお花の写真を電子メールで送信する。
*単一の生産拠点 花は加工用に毎日世界中から到着。通常は85%がオランダの市場から届く。加工は、予測値に基づ
き毎日製造され、直ぐに発送される。在庫は持たない。なお、日曜日と祝日以外は毎日出荷。
●2008年のアクアレル
ヨーロッパにおけるトップオンラインフローリストとなる。売上高は約40億円、従業員は140名。収益(金利、税金、償却前
利益)は8%となっている。全売上高の95%がインターネット販売となっていて、店舗は3店のみ。
●ブランドの認知度をどう上げていったか?
自然、手作り、感情・・・とブランドイメージを創り、一方、「アクアレルは高くない!」というようなメッセージも発信し続けた。
「花はモノを売るだけではなく、感情をお届けするお手伝いをしている」として、お客様との信頼関係を築くことを最重要のこと
と考えているそう。
アクアレルとは?
仏国メディア界の寵児である、デュ・モーブラン社長が1987年に設立。陳列された手作りの花束を自分で
選んで購入できる花店として発展。1997年に仏国最大の花店チェーンとして40店舗を有した。この頃会社
の戦略として成長をするのに、このまま店舗を増やすべきか?否か??につき考える。この種の販売方法に
おいて金銭的収益は今後も大きくはない、出店における投資は大きなリスクを伴いながら膨れ上がってくる。
そう考えたアクアレルは、強いブランドイメージを利用してその流通方法を再考し、『デジタルお花屋さん』に変
身を開始した。
アクアレルは、花の通信販売市場が世界的な花市場から見て、まだ一部でしかないことに注目し参入する
ことを決意した。既存にあるシェア率80%を誇る花の通販を分析すると、様々な消費者指向がなされてない
ことを気づかされた。宅配料金が高い!(12ユーロ/1花束)、提供する商品の情報不足!宅配される花の品
質の不安感!このようなことから、アクアレルは、3つの基本原理にのっとり戦略を構築した。
(1)受注コストを軽減し、販売を躍進させ顧客に高品質のアフターケアを保証するためインターネットを活用
する。
(2)様々なプロセスを組み立て、花束を効率良く最適に生産できる単一の生産基地として製造工場を設立。
(3)生鮮である花を、より早く!フランス中にお届けするため独自の物流システムの構築。
その結果、路面店経営の花屋の物理的ネットワークが徐々に減り3店舗となった一方で売上は急増し200
8年には20%以上の伸び率となった。2009年アクアレルの連結収益は40億円を超え、145人の従業員年
間70万束の花束を届けている。花と一緒にワインやスイーツをお届けする部門も続伸。売上の95%がイン
ターネット、85%がフランス国内の販売、ドイツ・ベルギー・ルクセンブルグ・スペイン・オランダ・イギリスへも
販売している。
15
国際セミナー報告
花宅配市場-アクアレル・ドット・コムとインターフローラの市場 2000年以降の推移
パネルデスカッション 「日本の花き産業、これまで10年、これからの10年!」
コーディネーター 小川孔輔氏JFMA会長
パネラー
農林水産省花き産業振興室 室長 表 尚志 氏
アクアレル・ドットコム・グループ CEO アンリ・デュ・モーブラン 氏
インパック株式会社 代表取締役社長 守重知量 氏
昭和花き研究会 会長 菅家 博昭 氏
小川 私は、花業界23年目になる。JFMAが10周年を迎えて、皆さんとも何年関わっているかで考えていた。守重社長とは
最初に出会って、それでJFMAを創ることになった。
守重 アメリカのスーパーで花を売り始めたのに興味を持った。当時はスーパーでセルフで花を売るのは想像できなかった。
オランダから花束加工の機械を買って日本に持ち帰った。その展示会で小川先生に出会った。25年前だったと思う。
今、花き産業は誰も儲からない状況で反省している。ただ、これから大きく変わっていく。商品も価格も変わっていく。
ヨーロッパの価格と日本が高いという価格差があってはいけないと考えている。
小川 菅家さんには、生産者の方でJFMAに参加していただいた。 きっかけは何でしたか?
菅家 1993年から花をやっている。1994年オランダプロコナを導入した。1994年からプロコナを使用したが花屋さんは返し
てくれなかった。その頃、イスラエルに行った。畑で前処理、STS処理など衛生管理を学んだ。1994年から取組む。
昭和花き研究会は、栽培面積34haで、日本の夏場の70%のカスミソウを算出する。今の時代は、自分で売っていかな
いとやっていけない。
JFMAは、「農耕と園芸」の磯村社長のコラムで知って、2000年11月に入会した。小川会長は、会長ではあるけれど
自分から名刺を配って話しかけるような人だった。他団体の会長と違うと思った。
表
時系列で言うと、2008年の8月4日、出張、暑いがキーワードになっている。私は普段はオフィスワークですが、自分の
目でいろいろなことを確かめたいとある市場を見せてもらった。7時前なのに既に暑かった。市場の花もげんなりしていた。
周りの温度は、25度と説明を受けたがとても25度にみえなかった。それが、日持ちに着目した原体験だった。
話は変わるが、日本一の生産地、愛知県に行った。5品目生産している鉢物部会長のところにお邪魔して、「何が儲かる
か?」と聞いたが答えがなかった。これで良いのかと強烈な体験だった。
菅家 生産者は、数字は把握しているはず。切花は数字的には掴んでいる。儲かっていないけどやめられないのが現状。
小川 モーブランさんは今朝日本に到着され、大田市場を見学された。日本は価格が高いという印象を持たれたようですが、価
格以外で印象は?
M氏 花の日持ちのことを考えると、低温にしたほうが花が持つし、花に触る人が少ない方が良い。バクテリアがつかないから
花が長持ちする。 (M氏:モーブラン氏 以下同様)
小川 日持ちの話が出たが、菅家さんは最初から日持ち保証に関わってきた。
菅家 JFMAで最初の2年間リーダーとして担当した。オランダの日持ち試験の条件を日本ではどうしようというのが最初の問
題だった。日本は北から南まで長い。室内を考えると北海道の冬は暖かい。いろいろ議論した。
エルフバケットを導入したが、インフラが整っていなかった。日本で環境が整っているのは少ない。福岡花市場とか3つだ
けで、低温で管理する施設がない。
表さんが革新的に日持ち保証販売に手をつけられたことで、スタートだと思う。 漸く道筋が出来たと思っている。
16
国際セミナー報告
守重
小川
表
小川
守重
小川
守重
小川
表
小川
小川
守重
小川
M氏
小川
藤原
小畑
菅家
M氏
アールスメイアで見たバケットを日本で見た。デイリィフーズのお客様を扱っていた。厳しい管理を
やっている。本来なら花も同等の品質管理が必要。花業界は足りないものが沢山あった。バケット
も並べればこれは何?で、業界に興味を持ってもらえた。
日持ち試験も当時自分たちでお金を掛けてやってみたけど切りがなかった。200万円使っても何
も出来なかった。今は今は1点5千円で出来る。
野菜の分野は、温度管理されていると思っていたが、花と余り変わらないので驚いた。花も野菜も
取組むべきことは変わらない。野菜も鮮度管理が重要?
守重氏
共選共販組織って? 全体のレベルを上げるもの?
富山の鉢物生産者に行った。私の質問に、たちどころに雇用の確保のため、これは儲けるためとか即座に答えた。
珍しいと思った。
切花で良く共選共販組織を作っている。聞くと下の人のレベルに合わせている。下が上を引っ張る状況は可笑しいと思
う。JAひまわりでは、お互いにレベルの低い人を引揚げている。そういう共選組織もある。
小売店の一般は、価格が書いていない、花の名前を書いてない、産地名も書いてない。また、店に入ると、「いらっしゃ
い」と言っているが、下を向いている。お客さんの顔を見ていない。これで商売が出来ているのは花は素晴らしい商品
なのだと思う・・・。
昔は寿司屋の価格がなかった。今は、回転寿司で変わった。お花もそうなっていくか?
展示会の意義は?
展示会に触れてみたい。以前は、展示会で商売の場はなかった。積極的に売っていこうという場でなかった。明日の商
品を並べていたりしていた。トレードショウが日本でも出来ないかということでIFEXを導入した。
生産者、流通、小売と集まる展示会の場をもっと生かしたらと思う。IFEXが一番充実している。中国、韓国、台湾がどん
どん来ている。欧米も来ている。
アジアでNO1にならなければ続かない。来場するだけでなく皆さんにお手伝いをお願いしたい。
展示会は社員の気持ちが盛上る。
宣伝じみていたが・・・。
消費者は環境に対する志向が強い。リサイクル、CO2イメージとして思っていて、そこをしっかり掴んでいくことも大事。
日持ちからしっかり入って欲しい。バケツを洗う。30分以内に冷蔵庫に入れるなど一つ一つ科学的にアプローチして
欲しい。 また、環境に対する対応をして欲しい。
MPSの日本への導入はやって良かった。カーボンフットプリントにつながっている。農業のやり方を変えるきっかけに
なっている。
日持ち保証販売は、何日持つかだけでなく、その過程が大事で品質を改善している。
本屋が消えている。花屋は残っている。
お花屋さんがしっかり残っている。なぜ残っているのか。JFTDなどがしっかりしていたからと思っている。
青山にピーターラビットを作った。
ショッピングセンターに素敵なお花屋さんが欲しい。食べ物屋はある。
モーブラン氏 「おばあさんの日」を作ったら!
年間最初の6ヶ月は、新年、バレンタイン、母の日と続く。「おばあさんの日」というのを日本でもやったらと提案したい。
孫がお花を買える年代となっている。バレンタイン、おばあさんの日のお客様は素晴らしい。プロモーション、新しい夢
を売る。メディアにとっても良いストーリーとなり、記念日が増える。政府にとっても予算は要らないから良い。 高齢化
社会にあった提案だと思う。是非検討して欲しい。
会場からご意見がないでしょうか?
日本の花は高いのか?
日本の花は高いという指摘で、確かに安い方がよいが、苗にはパテント、土も輸入、油も輸入で、どうしても高くなり、
そう簡単にはいかない。
日本の花きは文化。長さのものさしで市場は動いている。今の長さセンチの流通が正しいのか?
お客様に何を求められているか? スーパーなどの売上が増えてくるなら品質、種苗から考えなければならない。梱
包効率、流通コスト、市場から全て考え直す必要があると思う。
私のところの生産は夏場だけ。油は使っていない。土も自分達で作っている。地域の価値を入れて
商品価値を高められないかと思っている。東洋的文化価値を持つお花を訴求していこうと思っている。
いくら安くてもそれに反応していくお客様は少ないのではと思う。
自然にある草花とかはバケットにあう。段ボールに入れる中で草花が消えていったように思う。日本
人が求めている商品を掘り出していくのにインフラを整えていかなければならない。
消費者が価格が低くなったらどの位増えるか? お客様に買ってもらうためにいくらにしたら良いの
菅家氏
か?その議論が必要と思う。いくらかかるから売価をいくらにするかの発想では駄目。
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