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年頭ご挨拶 - Fujitsu
年頭ご挨拶 富士通株式会社 代表取締役社長 新年を迎え,一言ご挨拶を申し上げます。読者の皆様方には平素より格別のご高配 を賜り厚くお礼申し上げます。皆様にとりまして,新しい年が希望に満ちた実り多い 年となりますよう,心からお祈り申し上げます。 世界の経済は,一昨年から続くサブプライムローン問題に端を発した金融・証券界 の混乱と,それによる景気減速に加え,原油価格の高騰などに象徴される資源・原材 料高の高波に揉まれております。私は,このように困難な状況にあるからこそ,富士 通グループとしては,お客様にとってより価値を高めるために変革を一層加速する必 要があると強く思っております。私は,社長就任に際し,富士通クループが進めてき た「お客様起点経営」を更に深化させるために,三つの起点の変革に挑むと申し上げ ました。それは「お客様のお客様起点」「グローバル起点」,そして「地球環境起点」 です。「お客様のお客様起点」とは,我々がお客様のITを考えるとき,その「お客様 のお客様」のことを考えて,行動するということです。これは,お客様のITだけでな く,お客様のビジネスを良くするということにつながると考えています。「グローバ ル起点」は従来の日本中心という発想を変えていくということです。そして「地球環 境起点」とは,言うまでもなく,自社はもちろんお客様のCO2削減のためにITの持つ 可能性を追求していくということです。 「お客様のお客様起点」については,お客様の業務やプロセスを起点にお客様の課 題をとらえる新しい人材としてのフィールド・イノベータの育成や,要件定義での品 質向上に取り組むビジネス・アーキテクトの育成を進めております。まだまだこれか らのことではありますが,富士通グループの人材の変革に鋭意取り組んでまいります。 「グローバル起点」ということで言えば,私が就任して最初に取り組んだのは,海 外のビジネス体制の変革です。それまで地域別体制をしいていたものを,海外ビジネ スとして一本化したことです。この体制で,北米ビジネスの再編,グローバルな共通 サービスの提供を実現するための「グローバル・インフラストラクチャー・サービ ス」への取組みを始めました。また,昨年11月4日には,シーメンス社と合弁で運営 してきた富士通シーメンス・コンピューターズ(FSC)のシーメンス側の全株式を取 得し,今年4月1日に完全子会社化すると発表いたしました。その際,私は「FSCの完 全子会社は,富士通が追求するテクノロジに支えられた“サービスとプロダクトの両 輪”でのビジネスをグローバルに展開する扉を開くものである」と決意を申し上げま した。これからサーバビジネスの主戦場であるIAサーバの世界で,グローバルに 「サービスとプロダクト」を提供する体制を早急に作り上げたいと考えております。 「地球環境起点」については,一昨年の12月に, 「Green Policy Innovation」を発表 し,2010年までに,CO2を約700万トン削減することを目標に活動を開始しておりま す。また,自社のCO2削減に向けては「ロー・カーボン委員会」を置き,これまでの 環境活動に加え,CO2排出量削減にフォーカスした活動も始めました。また,昨年の 洞爺湖サミットでの2050年までにCO2排出量の半減という目標共有を踏まえて,中長 期の環境ビジョンである「Green Policy 2020」を発表させていただきました。低炭 素のほか,生物多様性や安心な生活環境など,豊かさへの貢献も考慮した,「低炭素 で豊かな社会」の実現を目指す,富士通グループの決意を示すものです。 これからの経済情勢は,予断を許さない状況が続くものと思われますが,今後も 「常に変革に挑戦し続ける」というFUJITSU Wayを実践して,三つの起点の変革に挑 み,社員とともに,お客様に,より信頼され,高い価値の提供ができる富士通グルー プを目指して,全力で取り組んでまいりますので,何卒,倍旧のご指導・ご支援を賜 りますようお願い申し上げます。