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調理によるコロッケの

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調理によるコロッケの
調 理 に よ る コ ロ ッケ の
内 部 温 度 の 変 化 に つ い て(第1報)
亀 城 和 子
町 田 真理子
1目
石和田 初
江
大
子
谷 陽
的
ラ
コ ロ ッケ を揚 げ る 温 度 は 一 般 に170℃
前 後 と さ れ て い る が 、 この よ う に 高 温 で 揚 げ た コ
ロ ッ ケ の 内 部 温 度 も 、揚 げ る前 の 状 態 で 可 成 り左 右 さ れ る 。 こ の 事 は最 近 多 く用 い ち れ 始
め た 冷 凍 コ ロ ッ ケ を揚 げ て 、 し ば し ば 経 験 す る所 で あ る。 そ こ で 、 よ り好 ま し い 調 理 方 法
を見 出 す こ と を 目的 に 、 コ ロ ッ ケ を 普 通 に 調 理 し た 場 合 と 、 冷 凍 保 存 した コ ロ ッケ を 油 で
揚 げ た 場 合 と に つ い て 、大 き さ 、形 、揚 げ 温 度 な ど を変 え て 、 そ の 内 部 温 度 の 変 化 を 調 べ た 。
II実
験
方
法
コ ロ ッ ケ の 材 料 の 違 い か ら く る熱 伝 導 の 差 に よ っ て ば ら つ きが 出 る の を 避 け 、 実 験 条 件
を 一 定 に す る た め に今 回 は 、じ ゃ が い も の み の コ ロ ッ ケ を用 い て 内 部 温 度 の 測 定 を行 っ た 。
1.試
料調整
じ ゃ が い も を適 宜 に 切 っ て 茹 で 、 こ ふ き い も の 要 領 で 水 分 を飛 ば し皮 を む く。 熱 い う ち
に 、 い もつ ぶ し器 で マ ッ シ ュ し 、 室 温 に 放 冷 す る。 大 き さ は 、 じゃ が い も の み の 種 で40g
と80gに
し 、 型 は 小 判 型 と た わ ら型 に して 大 ・小2種
類 ず つ 作 る。 小 麦 粉 に ま ぶ し 、 卵 液
ユ (卵1ヶ
に 対 して 水100謡)、
パ ン粉 の 順 に つ け て 出 来 上 が りの コ ロ ッケ の 重 量 を計 っ て お
く。 コ ロ ッケ を 冷 凍 保 存 す る 場 合 は 、 内 部 温 度 測 定 の た め の 穴 を 温 度 プ ロ ー ブ の 先 で 中 心
部 ま で あ け 、 器 に 並 べ て ラ ッ プ で 覆 い 、 冷 凍 庫(-25℃
2.使
以 下)に
用 天 ぷ ら油
市販 の 味 の素 天 ぷ ら油
3.器
具
温度 計
a)高 感 度 記 録 計II形8C12-1119(三
熱
電
栄 測 器 株 式 会 社)
対
b)温 度 記 録 計8C12-M?
温 度 プ ロ ー ブK-5-B型(サ
ー ミス タ)
(三 栄 測 器 株 式 会 社)
c)200℃
ア ル コー ル 温 度 計
1
保 存 す る。
秤
a)寺 岡 式 二 回 転 上 皿 自動 秤(秤
b)無 錘 式 上 皿 桿 秤(秤
量4kg目
量1kg感
盛109)
量0.59)
ガスコンロ
リ ン ナ イ ガ ス コ ン ロ(R-1K型)
鍋
中 華 鍋(Toyo製
直 径30cm)
ス トッ プ ウ ォ ッ チ
4.コ
ロ ッケ の揚 げ方 お よび 内部 温度 測 定 法
コ ロ ッ ケ の 中 心 に プ ロ ー ブ の 先 が 当 た る よ う に さ し込 み 、 さ し込 み 口 は 、 小 麦 粉 を 卵 液
で 溶 い て の り状 に し た も の で 閉 じ る。 中 華 鍋 に 油600gを
的 の 温 度180℃ 、170℃ ま た は160℃
入 れ 、油 の 温度 が そ れ ぞれ の 目
に 保 て る よ う に 火 力 の 調 節 を して か ら一 旦 火 を 止 め て
ラ
メー タ ー の 読 み を記 録 し 、 実 験 を 開 始 す る 。 コ ロ ッ ケ をフ ラ イ 返 しに の せ て 静 か に 油 の 中
へ 入 れ 、 同 時 に ス トッ プ ウ ォ ッ チ と記 録 計 の ス イ ッ チ を 入 れ る。 油 の 温 度 が 常 に180℃
保 つ よ うに 注 意 し 、1分
で 裏 返 し 、 揚 げ 時 間3分
を
で 火 を 止 め 、 同 時 に フ ラ イ 返 しで 静 か に
す く い 上 げ 、 そ の ま ま10秒 間 油 を き っ て 油 切 りの 網 の 上 に 置 き 、 内 部 温 度 は 、 ス タ ー ト よ
ヨ り9分 間 継 続 し て 記 録 させ る 。 ガ ス の 消 費 量 お よ び コ ロ ッ ケ の 油 吸 着 量 を 算 出 し 、 コ ロ ッ
ケ に つ い て は 、 色 の 観 察 と 出 来 上 が りの 重 量 を 測 定 す る。 尚 、 た わ ら型80gの
コ ロ ッ ケ が 油 か ち 出 て し ま うた め 油 の 量 を800gに
場 合 に 限 り、
して 行 う。 ま た 、 揚 げ 油 は 、30個 位 揚
の
げ た 所 で 新 し い 油 と交 換 す る。
III実 験結果 及び考察
揚 げ 時 間3分
均 値 を 表1に
の 場 合 の 室 温 及 び 冷 凍 コ ロ ッケ の 形 、 大 き さ 、 揚 げ 温 度 別 の 内 部 温 度 の 平
示 す。
最 高 内 部 温 度 に 関 し て は す べ て の 場 合 、 揚 げ 終 わ り3分 の 時 よ り も余 熱 で 相 当 上 昇 す
る こ と 、 しか し そ れ が 形 、 大 き さ 、 揚 げ 温 度 に よ っ て 可 成 り特 徴 が あ る こ と 、 そ して 冷 凍
コ ロ ッ ケ の 内 部 温 度 が 、室 温 コ ロ ッ ケ よ り可 成 り低 い こ と な どが 伺 わ れ る。 揚 げ 温 度160℃
で は 、い ず れ の 場 合 も色 が 簿 く、油 切 れ も悪 くコ ロ ッケ と して 不 適 当 で あ っ た の で 以 下170℃
と180℃ に つ い て 個 々 に検 討 す る 。 図1は
1.室
揚 げ 温 度 別 に 内 部 温 度 の 経 過 を示 し た もの で あ る。
温 コ ロ ッケ
1)形:大
き さ40g、
揚 げ 温 度180℃
3分 後 の 内 部 温 度 が そ れ ぞ れ71.6±6.57℃
よ る最 高 内 部 温 度 は86.7±1.25℃
余 熱 に よ る 上 昇 度 は 表2に
は 危 険率5%で
の場 合 の 小 判 型 と た わ ら型 に つ い て は 、 揚 げ 時 間
と64.3±7
と90.4±2.16℃
示 す 通 り、15.1±8.37℃
.43℃ に対 し 、 と り出 し て 後 の 余 熱 に
に 上 昇 して お り、 そ の 間 の 巾 、 す な わ ち
と26.1±5.59℃
有 意 の 差 が あ っ た 。 同 様 に揚 げ 温 度170℃
い て は 、 揚 げ 終 わ り時61 .8±3.21℃
と61.1±5.19℃
2
で あ る 。 これ ら の 間 に
の 場 合 の 小 判 と た わ ら型 に つ い
、 最 高 内 部 温 度81.4±1.34℃
と84.4±
コロッケの 平均 内部 温度
表1
大 き
形
小
揚 げ温度
芦
ス
タ
ー
ト 時
゜
g
180C
40
170
.2±0.84
℃21
19-:-7±0.91
揚 げ 終 わ り 時
(3分)
(室 温20∼30℃)
余 熱 時 の 最 高 温 度(
5∼9分)
゜
゜
71.6±6.57
86.7±1.25C
61.8±3.21
81.4±1.34
'
160
19.4±0.55
80±3.18
67.1±9.61
室
180
28±2.07
170
27.4±0.82
63.3±5.63
79.1±3.27
コ
160
29.4±0.55
64.8±2.02
77.7±2.02
口
180
26.6±1.:47
64.3±7.43
90.4±2.16
170
27.5±2.57
61.1±5.19
84.4±3.68
160
25.6±-2.75
56.5±4.88
85.3±4.45
180
28.7±3.63
49.9±6.53
75.3±2.17
170
24±0.71
34.5±1.27
70.9±1.60
160
23.7±0.76
32.8±1.15
67.4±1.08
'
.1±3.60
30.8-±-12.2i
51.8±5.95
.4±2.53
18.3±8.53
53.2±2.22
.9±0.55
31.0±9.57
温
ツ
ケ
判
た
80
40
63.5±
二5.39
82.3±1.57
わ
ら
80
180
小
40
170
-12
一9
160
一12
180
=II
170
一17
コ
160
一15
口
180
一15
170
一II
160
一17
48±2.15
冷
凍 判
ツ
ケ
た
80
40
.6±4.05
17.5±7.28
44.3±8.22
.6±5.02
8.t±6.37
30.6±6.43
.2±2.68
3.3±3.42
28.7±3.25
1.2±1.79
40.8±1.96
.7±5.38
一1
.4±2.46
一3
.8±2.17
.3±1.25
37.4±1.34
.7±1.96
20.2±3.13
わ
ら
80
180
一
一3
170
一
一4
160
一
一3
.7±0.91
3.8±4.44
.1±1.19
1.3±1.19
.9±0.42
0.2±1.86
注
一3一
±は標準偏 差
図1コ
ロ ッ ケ の 内 部 温 度(揚
陶
一4
げ 時 間3分)
b)揚
げ 温 度170℃
一5一
表_2室
温お よび冷 凍 コロッケの余 熱 に よる内部 温度 の上昇 度
大 きさ
g
揚げ
40
80
形
小
温度(℃
判
温
冷
凍
判
*℃
゜G
室
小
た わ ら
た わ ら
゜G
℃
180
15.1±8.37
26.1.±5.59
18.8±6.33
25.4±6.96
170
19.6f2.22
23.3±10.36
15.8±5.34
36.4±2.48
**●
180
21±5.33
**△
39.6±3.25
26.8±6.21
7.5±3.69
25.5±5.76
5.4±0.59
△△
D
170
△
34.9±7.05
38.7±1.96
注 ±は標準偏差
同重量、同温度の形による差:**P<0.01
*P<0.05
同形、同温度の大小による差:●Pく0.05
同重量、同温度、および同型の室温:△ △P<0.01
と冷凍による差 △P<0.05
3.68℃ に そ れ ぞ れ 上 昇 し、 そ れ ら の 上 昇 度 は19.6±2.22℃
と23.3±10.36℃
で あ る。40g
の 同 重 量 の 場 合 の コ ロ ッケ の 内 部 温 度 に つ い て は 、 た わ ら型 が 小 判 型 よ り揚 げ 終 わ り時 の
内 部 温 度 が や や 低 い に もか か わ ら ず 、 余 熱 に よ っ て 最 終 的 に は 小 判 型 よ り高 く な っ て い る
と い う 興 味 あ る現 象 を得 た。
大 き さ80gで
は 、 揚 げ 終 わ り時 、 余 熱 時 共 に最 高 内 部 温 度 は 小 判 型 の 方 が 高 い が 、 揚 げ
終 わ り後 の 余 熱 に よ る上 昇 度 は40gと
同 様 に た わ ら型 の 方 が 大 き い。 揚 げ 温 度180°Cの
合 で 、最 高 内 部 温 度 は 小 判 型82.3±1.57℃
昇 度 は そ れ ぞ れ18.8±6.33℃
と25.4±6.96℃
た わ ら 型 の 最 高 内 部 温 度 は79.1±3.27℃
と36.4±2.48℃
、 た わ ら型75.3±2.17°C、
場
揚 げ 終 わ りか らの 上
で あ る。揚 げ 温 度170°Cの 場 合 で は 、小 判 型 と
と70.9±1.60℃
で 、 こ の 上 昇 度 の 差 は 危 険 率1%で
、 余 熱 時 の 上 昇 度 は15.8±5
.34℃
有 意 で あっ た。
コ ロ ッケ の 形 に 関 して は 、た わ ら型 の 方 が 余 熱 時 の 上 昇 度 が 大 き い。 そ して 大 き さ も40g
と小 さ い 場 合 は 、 揚 げ 終 わ りの 温 度 が 小 判 型 と大 差 が な い た め 、 余 熱 時 に そ れ を凌 い で 上
昇 す る の で最 高 内 部 温 度 は 高 く な る が 、 た わ らの 形 が80gと
大 き い場 合 は 、 揚 げ 終 わ り時
の 温 度 が50℃ 以 下 で 、 同 重 量 の 小 判 型 と は 、 揚 げ 温 度180℃
の 時 ほ14°C、170℃
の 時 は約
30℃ も開 き、 余 熱 に よ る上 昇 度 が 相 当 大 き くて も 、 小 判 型 の 温 度 ま で に は 至 ら ず 、 結 果 と
し て10℃ 前 後 低 い 温 度 で 止 ま る。
2)大
き さ:小
判 型 の 大 小 、 た わ ら型 の 大 小 に つ い て 内 部 温 度 を比 較 す る と 、 表1に
られ る よ う に 、 揚 げ 温 度170℃
値 で わ ず か1.5℃
の 小 判 の 大 型(80g)の
み
揚 げ 終 わ り の 温 度 が 小 型 よ り平 均
高 い 外 は 、 揚 げ 終 わ りの 温 度 お よ び余 熱 時 の 最 高 内 部 温 度 は 、 い ず れ も
同 型 な ら ば 小 型 の 方 が 高 い。 し か し余 熱 に よ る上 昇 度 の 方 は 、 表2に
示 す 通 り同 型 の 大 小
で は大 き な 差 も な く、 ど ち ら と も云 い難 い 。 た だ し、 揚 げ 温 度170℃
に お け る たわ ら型 の
場 合 だ け が 、 大 型36.4±2.48℃
、小 型23.3±10.36℃
一6
で あ り、 こ れ ら の 間 に 危 険 率5%で
有 意 差 が 出 た こ と に つ い て は 、 揚 げ 温 度170℃
内 部 温 度 が34.5±1.27℃
の 場 合 の た わ ら の 大 型 の み 揚 げ 終 わ り時 の
と非 常 に 低 い の で 、室 温 との 差 も小 さ く、 した が っ て 室 温 へ の 放
熱 も少 な く内 部 温 度 の 上 昇 度 が よ くの び た の で は な い か と考 え られ る。
3)揚
げ 温 度:揚
げ 温 度 に よ る差 は 、180℃
で 揚 げ る方 が170℃
で 揚 げ る よ り、 揚 げ 終
わ り時 お よ び 余 熱 に よ る最 高 内部 温 度 は 高 い 。
2.冷
凍 コ ロ ッケ
1)形:冷
凍 コロ ッケ の 内 部 温 度 は 予 想 外 に 低 く 、 小 判 型40gを
大 き さ40g、
揚 げ 温 度180℃
らべ る とそ れ ぞ れ30.8±12.21℃
除 く と食 用 に は な ら な い。
の 場 合 の 小 判 型 と た わ ら型 の 揚 げ 終 わ り時 の 内 部 温 度 を く
と1.2±1.79℃
で 、 た わ ら 型 は 非 常 に 温 度 が 低 くや っ と解
凍 が 行 な わ れ た にす ぎな い。 そ れ らは 余 熱 に よ っ て 最 高 内 部 温 度51.8±5.95℃
と40.8±1.96
℃ に上 昇 し 、 た わ ら型 も何 とか 食 べ ら れ る よ うに な る 。 そ の 上 昇 度 は 表2に
示 す よ うに 、
21±5.33℃
と39.6±3.25°Cで
、 室 温 コ ロ ッケ の 場 合 と 同 様 に こ こ で も た わ ら型 の 上 昇 度 は
大 き く、 こ れ らの 上 昇 度 を く らべ る と危 険 率1%で
有 意 差 が あ っ た 。 同 じ く揚 げ 温 度170
℃ の 場 合 の 小 判 型 と た わ ら型 に つ い て は 、 揚 げ 終 わ り時18.3+8.53℃
非 常 に 低 い が 最 高 内 部 温 度53.2±2.22℃
と37.4±1.34℃
の 上 昇 度 は 大 き く34.9±7.05°Cと38.7±1.96℃
大 き さ80gで
と 一1.3±1.25℃
と
に そ れ ぞ れ 可 成 り上 昇 し 、 そ れ ら
に な っ た。
は 、 揚 げ 終 わ り時 、 余 熱 時 共 に 内 部 温 度 は 小 判 型 の 方 が 高 い。 し か し 、 図
1か ら も わ か る よ う に 、 た わ ら 型 の 内部 温 度 が あ ま りに 低 く比 較 す る意 味 が な い ほ ど で あ
る 。 揚 げ 温 度180℃
と 一3.7±0.91℃
の 場 合 を く らべ て み て る と、 揚 げ 終 わ り時 の 内 部 温 度 は17.5±7.28℃
で あ り、 余 熱 時 の 最 高 内 部 温 度 は44.3±8.22°Cと3.8±4.44°Cで
上 昇 度 は26.8±6.21℃
と7.5±3.69℃
、 その
とな り、 小 判 型 は 可 成 り上 昇 す る が た わ ら 型 は あ ま
り上 昇 しな い 。 し た が っ て 冷 凍 コ ロ ッ ケ は 、 外 観 は お い しそ う に 揚 が っ て い て も そ の 内 部
は 、 や っ と解 凍 さ れ た状 態 に す ぎ ず 、 食 用 に は な ら な い こ と に な る。
こ の こ とか ら 、 揚 げ 時 間 内 に解 凍 す ら出 来 な か っ た た わ ら型80gを
除 く と た わ ら型 の 方
が 、 室 温 、 冷 凍 共 に 余 熱 に よ る 上 昇 度 は 大 き い 。 これ は 、 た わ ら型 の 方 が 、 熱 が 中心 に ま
で 伝 わ る の に 時 間 が か か る が 、 一 旦 温 た ま る と保 温 力 が 大 き い た め と思 わ れ る 。 しか し た
わ ら型40gは
、 揚 げ 終 わ りの 温 度 が 低 い た め39.6±3.25℃
の 上 昇 度 を持 ち な が ら 、 か ろ う
じ て 食 用 と な る40.8℃ の 内 部 温 度 に しか な ら な い 。 し た が っ て 冷 凍 コ ロ ッ ケ の 場 合 は 、 解
凍 過 程 が 加 わ る た め 表 面 積 が 大 き い小 判 型 の 方 が 熱 の 通 りが 良 く解 凍 は 早 い 。 し か し小 判
型40gで
す ら余 熱 に よ る最 高 内 部 温 度 が53.2±2.22℃
で あ るか ら、細菌 汚染 な ど食 品衛 生
の 面 か ら考 え る と、 内 部 温 度 が80℃ 以 」:にな る よ う な 形 、 大 き さ 、 揚 げ 時 間 を検 討 す る 必
要 が あ る。
2)大
き さ:冷
凍 コ ロ ッ ケ の 場 合 は 、 前 述 し た よ う に 解 凍 と い う過 程 が 加 わ る ため 、 小
さ い 方 が 熱 の 通 りが 良 く 、余 熱 に よ る温 度 上 昇 が 大 き い 。 形 が 大 き い と解 凍 に 時 間 が か か
る の で 、 余 熱 に よ る 内 部 温 度 の 上 昇 も期 待 し難 くな る 。
3)揚
げ 温 度:揚
げ 温 度 に よ る差 は 、 小 判 型40gの
7
余 熱 に よ る上 昇 度 の 比 較 に お い て 、
揚 げ 温 度170°Cの
°Cの方 が170°Cで
3.室
方 が180℃
よ り も少 し高 く な っ て い る 以 外 は 、 室 温 コ ロ ッ ケ 同 様 に180
揚 げ る よ りも
、 揚 げ 終 わ り時 、 最 高 内 部 温 度 共 に 高 く な っ て い る。
温 コ ロ ッケ と冷 凍 コ ロ ッ ケ の 比 較
室 温 コ ロ ッ ケ の 場 合 は 、 た わ ら型809を
除 く と最 高 内 部 温 度 が80℃ 以 上 に な る の で 問 題
は な い が 、 冷 凍 コ ロ ッ ケ は 室 温 コ ロ ッ ケ に 比 較 して 、 揚 げ 終 わ り時 お よ び 余 熱 時 の最 高 内
部 温度 が は るか に低 く、冷凍 コロ ッケ の最 高 内部 温 度 は 、 それ ぞれ の室 温 コ ロ ッケ の 揚 げ
終 わ り時 の 内 部 温 度 に も満 た な い 。 しか し 内 部 温 度 の 上 昇 度 は 、解 凍 の み に 終 わ っ た た わ
ら 型80gを
除 け ば 、 冷 凍 コ ロ ッ ケ の 方 が 室 温 コ ロ ッケ よ り可 成 り大 き い 。 こ の こ と は コ ロ
ッ ケ の 温 度 と室 温 と の 間 の 温 度 差 の 大 小 に よ っ て 、 コ ロ ッ ケ が 高 温 の も の は 、 室 温 に 多 く
放 熱 す る た め と も考 え られ る。 表2に
示 す よ う に 小 判40gを170℃
ロ ッ ケ の 内 部 温 度 の 上 昇 度 は 、 室 温 の そ れ に 比 べ て 有 意(5%)の
ら 型40gで
は 、 揚 げ 温 度170℃
、180℃
で 揚 げ た場 合 、冷 凍 コ
上 昇 を し て お り、 た わ
共 に 冷 凍 コ ロ ッ ケ の 上 昇 度 の 方 が 有 意(1%)に
大 きい。
次 に ス タ ー ト時 と揚 げ 終 わ り時 との 内 部 温 度 の 相 関 係 数 お よ び 揚 げ 終 わ り 時 と余 熱 時 の
最 高 内 部 温 度 と の相 関 係 数 を 表3に
示 す。
表 一3内
部 温度 の相関係 数
ス ター ト時 と揚 げ 終 わ り時
灘
室
温
冷
凍
揚 げ終 わ り時 と
余熱 時 の最 高 温度
180
170
180
170
40
0.641
0.424
0.664
0.386
た
わ 40
ら
0.640
0.417
*
0.892
-0 .455
40
0.482
0.744
0.813
o.ssa
80
0.334
-0 .203
**
0.979
O.594
小
判
小
判
注
危険率1%で
有意差**
危険率5%で
有意差*
ス タ ー ト時 の 内 部 温 度 と揚 げ 終 わ り時 の 内 部 温 度 と の相 関 係 数 は 、室 温 コ ロ ッ ケ の 揚 げ
温 度180℃
の 場 合 、 小 判 型40gが0.641、
170℃ の 場 合 は小 判 型40gが0.744と
た わ ら型40gが0.640、
冷凍 コ ロ ッケ の揚 げ 温度
、 そ れ ぞ れ 有 意 で は な い が 、 可 成 り高 い 相 関 関 係 を示
し て い る。
揚 げ 終 わ り時 の 内 部 温 度 と余 熱 時 の 最 高 内 部 温 度 の 相 関 関 係 は 室 温 コ ロ ッ ケ の 揚 げ 温 度
8
180℃ の 場 合 の た わ ら 型40gが
危 険 率5%で
、 冷 凍 コ ロ ッ ケ の 小 判 型80gが1%で
ぞ れ 有 意 の 相 関 を 示 し た 。 ま た 有 意 で は な い が 、 室 温 コ ロ ッ ケ の 小 判 型40gお
ロ ッケ の 小 判 型40gも
、それ
よび冷 凍 コ
可 成 り高 い 相 関 を 示 し て い た 。
以 上 の 事 か ら冷 凍 コ ロ ッケ を 揚 げ る 場 合 、 内部 温 度 が 高 くな る よ う な方 法 、例 え ば 揚 げ
温 度 を外 観 の 色 も考 え て170℃
で4∼5分
間 揚 げ る とか 、 二 度 揚 げ す る な ど の 揚 げ 方 の 工
夫 が 今 後 の 課 題 と して 残 る 。
Nま
と
め
じゃ が い も種40gと80gで
小 判 型 お よ び た わ ら型 の コ ロ ッ ケ を作 り 、 室 温 の ま ま の も の
と冷 凍 保 存 し た も の に つ い て 、 揚 げ 時 間 を 一 定(3分)に
お よ び160°Cで
は 他 の2つ
して 、 揚 げ 温 度180℃
揚 げ 、 内 部 温 度 を 測 定 し た 。 そ の 結 果 、 揚 げ 温 度160℃
の 温 度 で 揚 げ た も の よ りお と る の で 除 外 し 、180°Cと170℃
、170℃
で 揚 げ た コ ロ ッケ
で 揚 げ た コ ロ ッケ
に つ い て 検 討 し た。
内部 温 度 は 揚 げ 時 間3分
で と り出 し て 後 も余 熱 で 可 成 り上 昇 し 、 そ れ が 、 形 、 大 き さ 、
揚 げ 温 度 に よ っ て 、 そ れ ぞ れ 特 徴 の あ る変 化 を示 し た 。
室 温 コ ロ ッ ケ に つ い て は 、 形 で は 、 小 判 型 の 方 が 全 体 に 高 温 が 得 ら れ て い る。 た わ ら型
は 小 判 型 に く らべ て 、 揚 げ 時 間3分
後 の 温 度 は 低 い が そ の 後 の 余 熱 で の 上 昇 度 が 可 成 り大
き い こ と が わ か っ た。 そ れ は 揚 げ 温 度180℃
で は 、40gの
も の の 聞 で 危 険 率5%で
、170°C
で は 、80gの
も の の 間 で1%で
有 意 差 が あ っ た。 し た が っ て 、 室 温 コ ロ ッケ の た わ ら の 小
型(40g)の
場 合 は余 熱 時 の 上 昇 に よ っ て 小 判 型 を凌 い で 内 部 温 度 が 高 くな っ た 。
大 き さ で は 、 同 型 の 場 合 小 型(40g)の
方 が 内 部 温 度 は 高 い 。 揚 げ 温 度 も 、170℃
より
180℃ の 方 が 内 部 温 度 は 高 い と い う妥 当 な 結 果 を得 た 。
冷 凍 コ ロ ッ ケ に つ い て は 、 室 温 コ ロ ッ ケ よ り、 内 部 温 度 は 可 成 り低 く、 た わ ら 型 の 場 合
揚 げ 時 間3分
で は 、 外 観 は お い し そ う な コ ロ ッ ケ に 揚 げ られ て い て も 、 内部 は解 凍 が 出 来
か ね る状 態 で あ り、 大 型(80g)に
至 っ て は 、 余 熱 に よ っ て や っ と解 凍 が 出 来 た程 度 で 食
用 に は な ら な か っ た 。 小 判 型 も最 高 内 部 温 度 が53℃ ∼30℃ で 何 とか 食 べ られ て も、 細 菌 汚
染 な ど衛 生 上 の 安 全 性 も問 題 と な る な ど結 局 、'室温 コ ロ ッ ケ の 揚 げ 条 件 は 冷 凍 コ ロ ッ ケ に
は 不 適 当 で あ る こ とが わ か っ た 。
揚 げ 温 度 別 に ス ター トの 温 度 と揚 げ 時 間3分
後 の 温 度 と 、 こ の 揚 げ 時 間3分
余 熱 に よ る 最 高 内部 温 度 との 関 係 は 、 室 温 コ ロ ッ ケ40gの
後の温度 と
もの は 、 揚 げ 終 わ り時 の 温 度 と
ス タ ー ト時 お よ び余 熱 時 の 最 高 内 部 温 度 の い ず れ と も可 成 り相 関 して お り、 冷 凍 コ ロ ッ ケ
で は 小 判 型 の40gが
室 温 と 同 じ傾 向 で あ り、80gは
揚 げ 終 わ り と余 熱 に よ る最 高 内 部 温 度
と の相 関 が 高 か っ た。
コ ロ ッ ケ の 内 部 温 度 を80℃ 以 上 に す る に は 、 余 熱 に よ る上 昇 度 も考 え 、 揚 げ 終 わ りの 温
度 を60℃ 位 に 高 くす る こ と で 内 部 温 度 を80℃ 以 上 に 上 昇 す る こ とが 出 来 る と推 察 され る 。
そ こ で 冷 凍 コ ロ ッケ で は 外 観 の 色 か ら 、 揚 げ 温 度180℃3分
9
が 限 度 の よ うに思 え る の で170
℃ で 揚 げ 時 間 を長 くす る とか 、2度
揚 げ を す る な ど今 後 の 課 題 と し て 研 究 を続 け た い 。
温 度 記録 計 に関 して ご助 言 を いた だ い た 川 口武 豊教 授 に深謝 し ます 。
V文
献
1)山
崎 清 子,島
田 キ ミエ:調
2)松
元 文 子:調
理 実 験(1969)
3)高
井 富 美 子 他:日
4)島
田 淳 子,黒
理 と理 論,同
常 食 品 の 調 理 実 験,医
沢 和 子,松
元 文 子:家
文 書 院(1971)
歯 薬 出 版(1969)
政 学 雑 誌23,32(1972)
一10一
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