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第一2回 死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会 議 事

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第一2回 死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会 議 事
第 2回 死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関す る検 討会
議 事 次 第
﹁1lJ
´ D 分 D
0
Ⅸ 0
∞
1開
会
2議
題
(1)医 療 機 関等 に お ける死亡 時画像 診 断の現状 等 につ いて
(2)そ の 他
3
閉
会
(配 付資料 )
日(資 料
1)第
1回 死 因究 明 に資す る死亡 時画像診 断 の 活用 に関す る検討会
議事録
・ (資 料 2-1)死 亡 時画像 病理診断 (A二ヽ tOpsy imaging)活 に
用 関す る
検 討委員会 第 二 次 中間報告 (今 村 先生提 出資料 )
・ (資 料 2二
2)医 療 ・ 医学 に お ける死亡 時画像診 断 (Ai)活 用 に 関 す る
検 討委員会
答 申 (今 村 先生提 出資料 )
日(資 料 3)診 療 関連死調査 と死
後画像 (深 山 先 生 提 出資料 )
・ (資 料 4)Jヽ 児 医療 め 現 場 か らの問題 提起 (相 田 先生提 出資
料)
第 2回 死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会
22年 7月 12日 (月
15:00∼
17:00
厚生労働省
省 議 室 (9階
平成
0
秘書官
卜 晶式
田
先
卜谷先報
卜崎先舗
卜田先→
卜本先→
卜山多舗
襲
製
鵬
QQ Q
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Q9 9
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9Q Q
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針礁Q
(事 務局 )
)
)
死 因究 明に資する死 亡時画像診断 の活用 に関する検討会 メンバー
五 十音順
◎ 座長
,相
○
◎
○ 副座長
田 典子
神奈川県立 こども医療センター 放射線部 長
池 田 典昭
九州大 学大学 院 医学研究院法 医学 分野 教授
今井 裕
東海大学教授
今村 聡
日本医師会 常任 理 事
北 村 善明
日本放射 線技 師会理事
木 ノ元 直樹
弁護 士
隈 本 邦彦
江 戸川大学 メディアコミュニケーション学部 教授
塩 谷 清司
筑 波 メディカルセンター 病院放射線科科長
菅 野 健 太郎
自治医科大学 消化器 内科教授
長谷 川 匡
札幌医科大学教 授
宮崎 耕治
佐 賀大学医学部 附属病院 長
門 田 守人
日本 医学会副会 長
山本 正三
和 田 仁孝
Ai学
│
会理事 長
早稲 田大学 法務研究科教授
(参 考 人)
深 山 正久
東京大学大学院 医学系研究科・医学部教 授
以
上
資料 1
第 1回 死 因究 明 に 資す る死 亡 時 画像 診 断 の 活 用 に関す る検 討 会議 事 録
22年
10:00∼
6月
15日
日時
平成
場所
厚 生 労 働省 省 議 室
12100
(火 )
(9階
)
○ 医 療 安 全 推 進 室 長 (渡 辺 )
定 刻 に な りま した の で 、 た だ 今 か ら 「第 1回 死 因 究 明 に 資
死
亡
の
時 画 像 診 断 活 用 に 関 す る 検 討 会 」 を 開 催 い た しま す 。 進 行 役 を 務 め させ て ぃ た
する
だ き ま す 厚 生 労 働 省 医 政 局 総 務 課 医 療 安 全 推 進 室 長 の 渡 辺 で す 。 本 日お 集 ま り の 皆 様 方 に
お か れ ま して は 、 ご 多 用 の 折 り、 当 検 討 会 に ご 出席 い た だ き誠 に あ りが と う ご ざ い ます 。
そ れ で は 、議 事 に入 ります 前 に 、私 か ら当 検 討 会 の メ ンバー の 皆様 の ご紹 介 を させ て い
た だ き ま す :神 奈川 県 立 こ ども医療 セ ン タ ー 放 射 線 部 長 の 相 田先 生 、 九 州 大 学 大 学 院 医学
研 究 院 法 医学 分 野 教 授 の 池 田先 生 、東 海 大 学 医学部 基 礎 診 療 学 系 画 像 診 断 学 教 授 の 今井 先
生 、 日本 医師 会 常任 理 事 の 今 村 先 生 、 日本 放 射線 技 師 会 理 事 の 北 村 先 生 、 江 戸 川 大 学 メデ
ィ ア コ ミュニ ケ こ シ ョン 学 部 教 授 の 隈 本 先 生 、筑 波 メデ ィカ ル セ ン タ ー 病 院 放 射 線 科科 長
の 塩 谷 先 生 、 自治 医 科 大 学 消化 器 内科 教 授 の 菅野先 生 、 札 幌 医科 大 学 附属 病 院 病 理 部教 授
の 長 谷 川 先 生 、佐 賀 大 学 医学 部 附 属病 院 院 長 の 宮崎 先 生 、 日本 医 学 会 副会 長 の 門 由先 生 、
早 稲 田大 学大 学 院 法務 研 究科 教 授 の 和 田 先 生 、Ai学 会 理 事長 の 山本 先 生です 。 そ れ と本 日
は ご 欠 席 との連 絡 を い た だ い て お ります が 、 弁 護 士 の 木 ノ元 直樹 先 生 に も委 員 をお 引 き受
け い た だ い て お りま す こ とを 申 し添 え させ て い た だ きます 。 ま た 、入 口付 近 で す が 、 オ ブ
ザ ー バ ‐ とい た しま して 警 察 庁刑 事 局 捜 査 第 一 課 、 そ して文 部 科 学省 高等 教 育 局 医学教 育
課 、 日本 医療 安 全 調 査 機 構 か ら ご 出席 を い た だ い て お ります こ とを 申 し添 え させ て い た だ
き ま す。
厚 生 労働 省 か らの 出席 者 の 紹 介 です 。 厚 生 労働 大 臣政 務 官 の 足 立 で す。 医 政 局 長 の 阿 曽
沼 で す 。 医政 局 総 務 課 長 の 岩 渕 で す。 医 政 局 医事 課 長 の 杉 野 です 。 大 臣官房 総 務 課 参 事 官
(医 療 安 全 担 当 )の 塚 原 で す 。 医政 局 医 事 課 長 補 佐 の 石 川 で す 。 最 後 に 、私 は 医政 局総 務
課 医 療 安 全推 進 室長 の 渡辺 で ご ざい ます 。
そ れ で は、 厚 生 労働 大 臣政 務 官 の 足 立 信 也 よ りご挨 拶 を 申 し上 げ ます。 よ ろ し くお願 い
い た しま す。
○ 足 立 政 務 官 改 め ま して 、 お は よ う ご ざ い ます 。 たぶ ん 、皆 さん 、傍聴 の 方 も含 めて 睡
眠 不 足 だ と思 い ま す が 、 ワニ ル ドカ ッ プ で 日本 以外 で 初 め て 日本 チ ー ム が 勝 利 した とい う
こ とで 、 それ は まず お め で た い こ とだ と思 い ま す 。 本 日は 、明 日を 会期 末 とい う中で 、何
と して も この 検 討 会 は 、 この 会 期 中 に 立 ち上 げ て 検 討 す べ きだ とい う方 向性 の 中 で急 遠 ご
参 集 い た だ き ま した 。 お 忙 しい 中だ と思 い ます が 、本 当に あ りが と うご ざい ま す 。
い ま 、 2つ の 大 きな流 れ が あ る のだ と思 い ま す。 これ は 、数年 来 です が 、診 療 関連 死 にお
い て も、 また それ 以 外 、異 状 死 体 、 い わ ゆ る非 自然 死 体 、 この 死 亡 の 原 因 は 何 な の か とい
う こ とに対 して 、広 く多 くの 国 民 の 方 々 に 亡 くな っ た 原 因 が 何 で あ る とい う こ とを 納 得 し
て い た だ け る シ ス テ ム が ど う して も必 要 だ と vヽ う動 きは 、 皆 さん 間違 い な く共 有 され て い
る こ とだ と思 い ま す 。 そ の よ うな 中 で 、 死 因 究 明 と い う こ とが ご ざ い ま す が 、 私 は そ うで
は な くて 死 亡 原 因診 断 だ とそ の よ うに思 つ て お りま す。 私 も、外 科 医 で した が 、 以 前 は 、
急 性 腹 症 の 場 合 で もお 腹 を開 けれ ばわ か るの で は な い か とい う こ とが ご ざい ま した が 、 い
ま そ うい う行 為 を と る外 科 医 は ほ とん ど い な い と思 い ます 。 可 能 な 限 り、非 侵 襲 的 に診 断
を して 、 そ して 対 処 に臨む とい う こ とだ ろ うと思 い ます 。
と い う こ とは 、 取 りも直 さず 亡 くな っ た 原 因 が 何 で あ る のか とい うこ とは 、 さま ざま な
手 段 で 原 因 を確 実 に 確 度 を上 げ る こ とが 必 要 で あ る。 そ して 、 また それ を望 ん で い る と私
は 思 い ま す 。 そ の 中 で 、 い ま全 国 で Aiセ ン タ ー 、Autopsy imagingセ ン ター 等 が 立 ち上 が
つ て お ります が 、や は り、 で き るだ け ハ ー ドル の 低 い 形 で 死 因 、死 亡原 因 が 診 断 で き るの
で あれ ば 、 それ に越 した こ とは な い ざ 多 くの 納 得 も生 まれ ます し、 また 、 これ を全 国 に広
i
め る こ と も昨 今 の IT技 術 く 画 像 診 断 レベ ル か ら考 え て 可 能 な こ とだ と私 は 思 つ てお りま す 。
で す か ら、 こ の 検 討 会 は 、 い か に 多 く の 国 民 の 皆 様 が 、 亡 くな っ た 原 因 に つ い て そ の 納 得
度 を 高 め る こ とが で き る た め に は 、 こ の 死 亡 時 画 像 診 断 を ど の よ うに 活 用 して い く べ き な
の か と い う こ と を検 討 して い た だ き た い と思 っ て お りま す 。 '
何 も 、 診 療 関 連 死 だ け で は ご ざ い ま せ ん 。 よ り多 く の 非 自然 死 体 と い う も の が こ の 国 に
存 在 す る わ け で す か ら、 皆 さ ん が 納 得 で き る よ うな 、 あ る い は 、 中 に は 犯 罪 が 隠 され て い
る か も しれ ま せ ん 。 そ の よ う な 死 亡 、 死 体 に 至 っ た とき に 、 確 実 に 確 度 の 高 い 診 断 に よ り
一 歩 で も近 づ け る よ うに 、 こ の Autopsy imagingと い うも の の 使 い 方 、 活 用 の 仕 方 を 是 非
と も 検 討 して い た だ き た い 。 そ して そ れ を 、 何 よ り も実 施 して 利 用 で き る よ うに 、 そ の 仕
組 み を 構 築 、 あ る い は 考 え て 提 言 を い た だ き た い と思 つ て お りま す 。 急 な 召 集 で した し 、
ま た 、 8月 末 ま で の 概 算 要 求 に あ る程 度 反 映 で き る よ うな 議 論 も必 要 か と思 い ま す の で 、 短
期 集 中 的 に 開 催 され る 可 能 性 が 高 い と思 い ま す が 、 是 非 と も皆 さ ん の 英 知 を結 集 して 、 こ
れ は 国 民 の 納 得 の た め に 資 す る検 討 会 で あ っ て い た だ き た い と思 い ま す 。 ど う か 、 よ ろ し
くお 願 い しま す 。
○ 医療 安 全 推進 室長
あ りが と う ご ざ い ま した 。 続 き ま し て 、 お 手 元 の 配 付 資 料 の 確 認 を
い
い
て
させ
た だ き た と思 い ま す 。 議 事 次 第 、 配 付 資 料 と して 資 料 1、 資 料 2、 資 料 3.資 料
4が 、 塩 谷 先 生 か ら の 提 出 資 料 、 資 料 5が 山 本 先 生 か らの 提 出 資 料 とい う こ とに な う て お り
ま す 。 以 上 で す が 、 資 料 の 欠 落 等 ご ざ い ま せ ん か 。 よ ろ し ゅ う ご ざ い ま し ょ うか 。 そ れ で
は 、 先 に 進 め させ て い た だ き ま す 。 現 在 、 座 長 の 席 が 空 席 に な っ て お りま す の で 、 座 長 の
候 補 者 を 事 務 局 か ら提 案 させ て い た だ き た い と思 い ま す が 、 い か が で し ょ うか 。
‐
(異
議 な し)
○ 医療 安 全 推 進 室長
よ ろ し い で し ょ うか 。 そ れ で は提 案 を させ て い た だ き た い と思 い ま
す 。 当 検 討 会 の 座 長 を 日本 医 学 会 副 会 長 の 門 田 先 生 に お 願 い した い と思 い ます が 、 い か が
で し よ うか 。
.
(異 議 な し)
○ 医療 安 全 推 進 室長 あ りが と うござい ま した 。 皆様 方 の ご賛 同 を い た だ きま した の で t
門 田先 生 に座 長 をお 願 い した い ど思 い ます 。 大 変 恐 縮 です が 、座 長 席 にお 移 りい た だ きた
い と思 い ま す 。
ご挨 拶 の ほ うを よろ しくお 願 いい た します 。
○ 門 田座 長 た だ い ま選 任 してい ただ き ま した 門 田 で ご ざ い ます 。 こ こで は 日本 医 学 会 副
会 長 と い う こ とに な っ て い ます が 、私 の 所 属 は 大 阪 大学 で して 、 現 在 、理 事・ 副学長 とい
う こ とで 務 め てお りま す。 も とも とは外 科 医 で して 、特 に肝 臓 の 外 科 、生 体肝 移植 な どで
は 、 非 常 に 画像 に は 助 け られ ま した。 今 で は血 液 の 流れ て い る臓 器 の 画像 に助 け られ た と
い う こ とで は な い か と思 い ま す が 、今 回 の テ ー マ は 、先 ほ どの足 立 政 務 官 の お 話 を伺 い ま
して も、非 常 に 重 要 な こ とを お っ しゃ ら て ぃ た だぃ た と感 じてお ります 。 と申 しま す の は 、
死 、 す な わ ち国 内 で 発 生 して い る患者 さん の 死 因 、 あ る い は 、異 状 死 体 に つ い て も、 我 々
が な か な か 理 解 が で きな い ま まに処理 され て い つ た こ と:が 改 めて 問題 視 され て い る と い う
こ とで す。 そ して 死 因 究 明 が 進 めば 、延 い て は それ よ り前 の 状況 、 す な わ ち我 々 に 関係 し
ます 治 療 と い う所 を反 省 させ られ る材 料 が 実 は た く さん あ るはず な の で す 。 そ して 、 医療
ま で 、 生 き て い る所 まで返 して くる とい う意 味 にお い て も非 常 に重 要 だ と思 い ます 。 で す
か ら、 先 ほ ど もお っ しゃ られ ま したが 、 単 に 医療 関連 死 だ けで は な くて 、 異状 死 を 含 め 、
い ろ い ろ な 死 、我 々 が 行 つて きた 医療 に基 づ く死 とい う こ とも考 え て 、 これ を社会 に還 元
す る とい っ た 意 味 に お い て 、 これ が大 き く利 用 で き る よ うに。 ま た 、 どこまで 利用 で き る
か 、 ど こ ま で それ を拡 大 で き るか 、逆 に限 界 は何 か とい う辺 りを 、是 非 、 皆 さん と一 緒 に
考 え させ て い た だ きた い と思 い ます 。 政 務 官 が お っ しゃ い ま した.8月 末 ま で に 、概 算 要 求
の 云 々 とい う、果 た してこれ は時 間的 に足 りる か ど うか 、 ち ょ つ と 自信 が な い とこ ろ で す
が 、 一 言 申 し上 げ させ て い た だい て 、 で き るだ け ご要 望 にお 答 え した い と思 つ て 、 皆 さん
と一 緒 に頑 張 りま す。 ど うぞ 、 よろ しくお 願 い い た します 。
ご挨 拶 させ て い た だ きま したが 、私 も生 身 の 体 で して 、 いつ 何 時 ど うい うこ とが発 生す
るか もわ か らな い と い う こ とか ら、 副 座 長 を どな た か にお願 い して お く必 要 が あ る ので は
な い か と思 い ます 。 そ こで 、 実 は私 の ほ うか らご指 名 させ て い た だ きた い と思 うので す が 、
今井 先 生 にお 願 い した い と思 い ます が 、 い かが で しょ うかし
(異 議 な し)
○門 田座 長 それ で は 、今 井先 生 、 よろ しくお 願 い い た します。
○ 医療 安 全 推 進 室 長 カ メ ラ撮 りの ほ うは 、 こ こで 終 了 させ てい た だ きた い と思 い ます :
では 、以 後 の 進 行 は、 門 田座 長 、 ど うぞ よろ しくお 願 いい た します 。
○ 門 田座 長 それ で は 、 議 事 に入 りた い と思 い ます が 、 そ の 前 に 、本 国も傍 聴 席 にた く さ
ん の 方 が み えて お られ ま す が 、基 本 的 に この 検 討 会 の 内容 に つ き ま して は 、す べ て公 開 で
行 い 、 議 事 録 に つ き ま して も、厚 生 労働 省 の ホー ム ペ ー ジで公 表 す るこ と と した い と思 い
ます ので 、 この点 に つ き ま して ご 了解 をお願 い い た します。
そ れ で は 、議 事 に入 らせ てい た だ きます 。議 題 (1)「 死 因究 明 に 資す る死 亡 時 画 像診断 の
活 用 に 関す る検 討 会 の 設 置 に つ い て 」 、事 務 局 か ら説 明 をお願 い します。
○医療安 全 推 進 室長 資 料 1に つ い て 、 ご説 明 させ ていただき ます 。趣 旨 の 所 、 3行 ほ どご
ざい ます が 、本 検 討 会 に お きま して は 、異 状 死 や 診 療 行 為 に 関連 した死 亡 の死 因究 明 の た
め に 、 死 亡 時 画 像 診 断 を活 用 す る方 法 等 に つ い て 、 幅 広 く検 討 を行 うこ と とす る、 とい う
もの です 。 検 討 課 題 に つ き ま して は 3つ ほ ど挙 げ て ご ざい ます が 、 これ ま で の 死 亡時 画像
診 断 に 関 す る現 状 です とか 、科 学 的 知 見 の 整 理 。 そ して 、 この こ とにつ き ま して の 今後 の
.取 組 方 策 。 そ の 他 、 死 亡 時 診 断 に 関す る こ と、 と い う こ とです 。 検 討 会 の 位 置 づ け等 にっ
きま して 、 大 臣政 務 官 が 主催 す る検 討 会 と し、 そ の庶 務 は事 務 局 に て行 う と して 、検討 会
の メ ンバ ー は、 い ま ご紹 介 させ て い た だ き ま した が別 添 にあ る とお りで す 。 以 上 で ご ざ い
ます 。
○ 門 田座 長 は い 、 あ りが と うご ざ い ま した 。 何 か 、 この点 で ご 質 問 が ご ざぃ ます か。 よ
ろ しいで す か 。
そ れ で は 、 そ の 次 、議 題 (2)「 医療 機 関等 にお け る死 亡 時画像診 断 の現 状 等 に つ いて 」 と
い う こ とで す 。 まず 厚 生 労働 省 の 取 組 状 況 を事 務 局 か ら、実 際 に 死 亡 時画 像 診 断 を活用 さ
れ て い る塩 谷 先 生及 び 山本 先 生 か ら問題 点等 の ご説 明 をお願 い す る とい う予 定 で す。
まず 、厚 生 労働 省 の 取 組 状況 を事 務 局 か らお願 い した い と思 い ます。
○ 医療安 全推 進 室長 資 料 2と 資料 3に つ き,ま して 、簡潔 に ご説 明 させ て い た だ きた い と
思 い ます 。 資 料 2に ご ざ い ます が 、 こ ち らに つ き ま して は、平 成 17年 度 か ら死 因 究明 に
「診 療等 に 関連 した死 亡 の 調 査 分析 モ デ ル 事 業 」 とい うの を進 めて ござい ま して 、 5年 経 っ
`
た あ との 総 括 を した とい うもの で す 。 6年 目か らは 、今 日、 オ ブザ ーバー で み えて お ります
日本医療安全調査機構に事務局となっていただき進めることになっております。内容につ
きましては詳 しいご説明はいたしませんが、1頁 か ら 13頁 まで、このような形で 2年 間の
総 括 、 取 りま と め と い う こ とで 、 こ ち ら の モ デ ル 事 業 の 運 営 委 員 会 の ほ う か ら 出 され た と
い う こ と を み ん な で確 認 い た しま して 、 今 年 度 平 成 22年 度 以 降 に つ き ま して も新 た に各 種
の 方 針 を 打 ち 出 して や つ て い か な けれ ば い け な い とい う こ と と議 論 が され て お り 、 この Ai
に つ き ま して も 取 り入 れ な が ら進 ん で い く と い う こ とで 、 先 先 週 開 かれ ま した 運 営 委 員 会
で大 き な 方 針 が 確 認 され た とこ ろです 。 ま た 、政 務 官 の ご指 示 も い ただ き ま して 、本 日の
検 討 会 と本 年 度 以 降 も進 め る こ と と してお ります モ デ ル 事業 の 運 営 委員 会 と有 機 的 な連 携
を と っ て 、 情 報 の 交 換 等 を十 分 に しな が ら進 め る とい う大 きな枠 組 み の も とに進 め るこ と
と してい る も ので す。 資料 2の 説 明 に つ い て は 、 以 上 です 。
引 き続 き、 資料 3の 説 明 も併せ て させ て い ただ き た い と思 い ます 。 1枚 紙 で す が 、 「異状
死 の 死 因 究 明 に 資 す る死 亡時 画像 診 断 の 活 用 に関す る厚 生 労働 省 の 取組 に つ い て 」 とい う
こ とです が 、 医政 局 の 医 事課 が メイ ン で 取 り組 ん で い る もので す。 平成 22年 度 の 新規事業
と して 、 大 き く 2点 ご ざ い ます 。 1点 目が 、異状 死 死 因究明支援 事 業 、2点 目が 死 亡時 画像
診 断 シス テ ム 整備 事業 と い うこ とです 。 1点 目に つ い て は、監察 医制 度 が運 用 され てい る地
域 以 外 で 、 異 状 死 の死 因 究 明 の た め に 、 法 医 学教 室 との連 携 等 に よ り独 自 の 解 剖 の 取組 を
行 つ て い る 自治 体 に対 し、 Aiを 含 め る の です が 、解 剖 経 費等 の財 政 支援 を行 っ て い く経 費
`
3
を平 成 22年 度 予 算 に お い て 計 上 した と い う も の で す 。 基 準額 が 1箇 所 あ た り 554万 6,000
円 とい うも の で す 。
次 に 、 2の シ ス テ ム 整 備 事 業 で す が 、 医 政 局 で 、 大 き め の施 設 。設 備 整 備 事 業 の 枠 が ご ざ
い ま す 。 そ こ の メ ニ ュー の 一 つ と して 、 死 亡 時 画 像 診 断 の 実 施 に 必 要 な施 設 の 新 築 、 増 改
築 及 び 改 修 に 要 す る 工 事 費 又 は 工 事 請 負 費 を追 加 す る と い う こ とに な っ て い ま す 。 こ の よ
うな 2点 の 事 業 に つ き ま して 、 平 成 22年 度 、 新 規 で 用 意 して い る と い う こ とで す 。
以 上 、 資 料 2と 資 料 3に つ い て 、若 干 で す が 、 Aiに 関 しま して 厚 生 労 働 省 で 取 り組 ん で
い る と こ ろ の 事 業 に つ い て ご 紹 介 を させ て い た だ き ま した 。 資 料 2と 資 料 3の 説 明 に つ い
て は以 上 で す。
○ 門 田座 長
は い 、 あ りが と う ご ざ い ま した 。 い ろ い ろ あ る も の を 簡 潔 に 説 明 して い た だ
′
き ま した 。 どな た か 、 ご 質 問 は ご ざ い ませ ん か 。 これ は い ま の 取 組 とい う こ とで 、 い ず れ
Aiを 動 か した 場 合 に 費 用 の 問 題 が 発 生 して く る と思 い ま す が 、 こ うい う形 で 前 も つ て 、 厚
労 省 サ イ ド と して 準 備 して い ま す よ と い う こ と を お っ し ゃ っ て い た だ い た と い う こ とで よ
ろ しい の で す か 。
○ 医療 安 全 推 進 室 長 確 認 的 に 申 し上 げ ま す 。 モ デ ル 事 業 にお い て Aiを や っ て 発 生 した 経
費 に つ い て は 、 モ デ ル 事 業 の ほ うか ら出 す よ うな 大 き な 方 法 が 確 認 され た と い う の が 今 年
度 の 運 営 委 員 会 で す 。 ま た 、 資 料 3の ぺ ニ パ ー で は 、 解 剖 経 費 等 、 Aiを 含 む も の と して 、
Aiの 設 備 整 備 に つ き ま して も、 補 助 の メ ニ ュー を用 意 して い る とい うよ うな こ とで 、座 長
が お つ し ゃ られ た よ うに 、 厚 労 省 の ほ うで も 、 若 干 で す が 予 算 の 枠 は 用 意 して あ る と い う
よ うな 状 況 で す 。
○ 門 田座 長
は い 、 わ か りま した 。 ほ か の 先 生 方 、 何 か ご質 問 ご ざ い ませ ん か 。 よ ろ しい 、
で す か 。 話 が 進 ん で い っ て 、 何 か ご ざ い ま した ら ご 発 言 い た だ く と い う こ とで 次 に 進 み た
い と思 い ま す 。
そ れ で は 、 続 き ま して 、 先 ほ ど の 資 料 4に つ き ま して 、塩 谷 先 生 の ほ うか ら 、 ご 説 明 よ
ろ し くお 願 い い た しま す 。
○ 塩 谷 先 生 筑 波 メ デ ィ カ ル セ ン タ ‐ 放 射 線 科 の 塩 谷 と 申 しま す 。 よ ろ し くお 願 い しま す 。
30分 ほ どお 付 き合 い くだ さ い 。 「Autopsy imaging:一 死 亡 画 像 診 断 の現 状 と 問題 点 ―」 を述
べ させ て い た だ き ま す 。
当院 の 紹 介 で す け れ ど も 、 中規 模 病 院 で あ り、 救 命 救 急 、 地 域 が ん 、剖 検 セ ン タ ニ を持
つ て い ま す 。 そ して 剖 検 セ ン タ ー で は 、 病 理 専 門 医 と法 医学 専 門 医 が 病 理 解 剖 と行 政 解 剖
を施 行 して い ま す 。 近 々 、 司 法 解 剖 を施 行 す る予 定 に して い ます 。 当院 は 1985年 の 筑 波 万
博 の 年 に 開 院 しま した けれ ど もtそ れ 以 降 、 死 後 CTを 施 行 して い ま す。
現 在 の つ くば 市 の 様 子 で す 。 関 東 平 野 の 山 と言 え ば 、 この よ うに 筑 波 山 ぐ ら い しか あ り
´
ま せ ん が 、 当 院 は こ こ に あ ります 。 こ の よ う に ヘ リポ ー ト棟 を持 っ てお りま して 、 救 急 搬
、茨 城 県 の 筑 波 剖 検 セ ン タ ー を持 っ て い ます 。
送 を 受 け 入 れ て い ま す 。 そ して 、
当院 に お け る 死 後 画 像 撮 影 の 実 施 形 態 の 一 つ 日で す 。 救 急 外 来 の 異 状 死 、 入 院 患 者 の 突
然 死 、 警 察 依 頼 の 検 死 に 対 す る死 因 ス ク リー ニ ン グ 、 フ ィル タ ー リ ン グ に死 後 CTを 施 行 す
る。 こ う い つ た 方 は 死 亡 直 後 に読 影 す る こ とが 多 くな つ て い ます 。
そ し て も う一 つ で す け れ ど も、 解 剖 の 前 に そ の ガ イ ド、相 補 的 役 割 を果 た す た め に 、 死
後 の CTプ ラ ス MRIを 施 行 して い ます 。 こ うい っ た 対 象 は 、 亡 くな っ て 1日 か ら 3日 経 つ た
ご 遺 体 が 多 くな っ て い ま す 。
死 後 画 像 診 断 の 歴 史 で す が 、 い ま か ら約 100年 前 に レ ン トゲ ン博 士 が x線 を発 見 しま し
た 。 そ して 、 こ の よ.う な 法 医 放 射 線 医 学 の 教 科 書 が あ ります が 、 こ うい っ た 本 に よ りま す
と、 X線 が 発 見 され た 3年 後 に は 既 に ご 遺 体 の X線 撮 影 が な され て い たそ うで す 。 そ して 、
こ こ 2、 30年 で 死 後 画 像 撮 影 へ の CT、 MRIの 応 用 が 始 ま りま した 。 例 えば CTで こ の よ うな
こ とが で き る よ うに な ら た 。 こ れ を人 体 に 応 用 しま す と、 この とお りで す 。 最 近 で は 表 面
ス キ ャ ン も組 み 合 わ せ て 、 こ の よ うに ペ タ ジ と貼 つ て しま うと い う よ うな こ と も で き ま す 。
そ して 、 西 暦 2000年 で す が 、欧 米 で Virtual AutOpsy、 日本 で Autopsy imagingの 概 念 が
発 表 され ま した 。
これ ま で の死 後 画像診 断 の エ ビデ ン ス で す けれ ど も、 2000年 以 降 、 論 文 が 多数 出版 され
てい ます 。 最 近 で は 2009年 の『 Radilogy』 とい う雑 誌 に載 っ た論 文 で す けれ ども、全 身 の
CT、 MRI、 そ して超 音 波 下生 検 を組 み合 わせ た Minimally lnvasive Autopsyと 呼 ばれ て い
る も の と通 常 の トラデ ィ シ ョナ ル な解 剖 を比 較 した と こ ろ、高 い セ ン シ テ ィ ビテ ィー と ス
ペ ス イ フ イ シ イテ イー を示 した とい うこ とで す。
日本 発 の エ ビデ ン ス で す が 、欧 米 と 日本 で は死 因 究 明 の状 況 が 異 な りま す の で 、発 信 す
るエ ビデ ンス も異 な る と考 えて い ます 。 例 え ば 2008年 の 12月 、世 界 最 大 規模 の 北米放 射
線 学 会 で 、 日本 の 救命 救 急 病 院 の 放 射線 科 医 が 救急 異 状 死 の死 後 CTに よる ス ク リー ニ ン グ
を発 表 した とこ ろ、 効 率 が よ く安 価 な 方 法 と して 非 常 に 注 目 され ま した 。 これ がそ の とき
の 様 子 で す 。 次 か ら次 に 質 問す る方 が い ら っ しゃ っ て 、 休 む 暇 が な か っ た とい うこ とで し
た。
│
の
の
死
欧米
後 画 像 状 況 で す が 、 異 状 死 の 解 剖 率 は概 して 高 い 中 で行 われ て い ます 。 ア メ
リカや イ ギ リス は 50%以 上 あ ります 。 そ して 特定 の 法 医学施 設 が 死 体 専 用機 を使 つ て 、 主
に外 因性 、 外 傷 性 死 を対 象 に 解 剖 のガ イ ド、相 補 的 役 割 を果 た させ るた め に死 後 画 像 を撮
影 してい る とい う現 状 が あ ります 。
そ の 欧 米 の 諸 施 設 とい い ます の は 、 ここ に も挙 げ た通 りで あ ります q例 えば ス イ ス の ベ
ル ン 大学 法 医 学 教 室 。 これ は 2003年 の 北米 放 射線 学 会 で のプ レス リ リー ス です が 、 「法 医
放射 線 学 は仮 想 解 剖 を実 現 す る」 :こ の 発 表 以 降全 世界 に広ま って い き ま した。
そ の 中心 人 物 が 、 こ こに い ます ドク タ ー・ タ ー リです 。 夕Tり は 、 バ ー トプ シ こ とい うシ
ス テ ム を立 ち上 げ て精力 的 に活 動 して い ます 。
2003年 に発 表 した ス ライ ドを少 し借 りて ま い りま した が 、 ピス トル の 玉 が どこを ど うや
つて 通 つ て い た か とい うよ うな CTと MRI像 、 そ して CTと 解剖 は よ く対 比 で き る と。
ま た 、 これ は 刺 し傷 で す が 、解 剖 と MRIも よ く対 比 で き ると い うス ライ ドです 。
最 近 で は こ の よ うに 死 後 の 血 管 造 影 も行 つ て お り、 既 に こ の よ うな『 The vIRTOPSY
APPROACH』 とい う本 を出版 して い ます 。 こ れ はア メ リカ のデ ラ ウエ ア 州 に あ る ドー バ ー 空
軍基 地 で あ りま す 。 日本 にお け る三 沢 、岩 国 基 地 と同 じよ うな基 地 です が 、 わ か ります で
し よ うか 。
(PC中 断 )
○塩 谷 先 生 申 し訳 ご ざ い ませ ん で した 。 続 き か ら発 表 します。 これ は 、 ア メ リカ の デ ラ
ウエ ア州 に あ る ドー バ ー 空 軍 基 地 で す 。 日本 にお け る三 沢 、岩 国基 地 と一 緒 な ので す が 、
イ ラ クや ア フガ ニ ス タ ンで 亡 くな った 兵 士 、 年 間約 809人 は どい らっ しゃ るそ うで す が 、
ア メ リカ に帰 っ て く る とき に は 、 必ず こ こに 帰 つ て く る とい うこ とで す 。 そ して 、 こ こで
必 ず 解 剖 され て か ら、家 族 に返 され る。 なぜ 解 剖 され るか とい う と、 死 ん だ 原 因 を知 る こ
とに よ つ て、 効 果 的 な防御 方 法 を探 る とい う こ とで す 。
そ うい つた 経 緯 が 2009年 の ニ ュー ヨー ク タイ ム ズ紙 に掲 載 され てお りま す が 、 「戦 死者
の解 剖 は 兵 士 を救 う方法 を表 す 」。 2004年 以 降 は 、戦 死 者 全員 に CTが 施 行 され てい る とい
うこ とです。 こ こで働 いて い る、 AFIP、 ARMED FORCES INSTITUTE OF PATHOLOGYと 言 い ます
けれ ども 、 米 軍 の 病 理 学研 究所 に い ら っ しゃ い ます ハ ル ケ大佐 、 これ は カ ー ネ ル サ ン ダ ー
ス と同 じカマ ネ ル とい う称 号 を持 った 大 佐 で す けれ ども、 71歳 の 法 医放 射線 科 の 科 長 です 。
この 方 が 、 監 察 医 を対 象 に して 講 義 した ス ライ ドが あ ります 。 これ を借 りて ま い りま した 。
仮 想 解 剖 、 画 像 診 断 と法 医病 理 との 融 合 、 AFIPに お け る Virtual Autops,は 、実 際 の 法
医解 剖 に取 つ て 代 わ るわ けで は な い と。 た だ 、重 要 な 情 報 を解 剖 執 刀 医 に与 え る こ とで 、
解 剖 の 効 率 を上 げ る とい うよ うに認 識 され て い ます。 実 際 、AFIPで 使 ら てお られ る単 純 X
線 撮 影 装 置 、 あ とは 16列 の GE社 製 の ヘ リカ ル CT、 こ ういつ た ワー ク ス テー シ ョン を使 つ
て解 析 され て い ます 。 通 常 の 単純 X線 写真 よ りも、 CTに お ける 3Dの ほ うが わか りや す い で
す し、異 物 の 位 置 も、CTに お け る この よ うな水 平 断層 の ほ うが わか りや す い。 CTで す と、
この よ うに アー チ フ ァク トをひ き ます の で 単純 X線 も撮 影 して い る とい うこ とで す 。 こ こ
に 記 載 して あ ります 損 傷 、射 創 、 鈍 的 損 傷 、 熱 傷 、鋭 器 損傷 、溺 死 とい っ た もの に 関 して
非破 壊 的 な損 傷 評 価 を行 つて い ます 。
こ の 辺 は 少 し流 しま す け れ ど も 、 盲 管 射 創 、 射 創 管 に 沿 つ て この よ う に 金 属 片 が 入 つ て
い ま す が 、 CTで 玉 の 経 路 が よ くわ か る と。 あ とは 、 体 内 反 眺 、 ビス トル の 玉 が い ろ い ろ な
と こ ろ に 跳 ね 返 つ て 、 こ こ ら辺 に 留 ま つ て い る様 子 。
あ とは 貫 通 射 創 で す とか 、 射 出 回は 射 入 口 よ りも大 き い と か 、 ビス トル の 玉 が 通 っ た 跡
が CTで よ く評 価 で き ま すち
'こ
れ も 同 様 で す 。 あ とは 、 こ う い ら た ピ ス トル の 玉 とか だ けで は な くて 、 交 通 事 故 の よ
うな鈍 的 外 傷 に も こ うい つ た CTが 応 用 され て お りま して 、 解 剖 よ りも こ う い っ た 骨 の 骨 折
や 脱 臼 と い つ た も の は 、 CTの ほ うが 評 価 しや す くな っ て い ま す 。
これ は 鋭 器 損 傷 。
飛 ば しま す け れ ど も、 体 内 の 様 子 は 解 剖 で す と刺 し傷 は わ か りづ らい で す が 、 CTで す と
´
明 瞭 に示 す こ とが で き る と い う も の で す 。
、
あ とは 、 滋 死 。 滋 死 は 除 外 診 断 で す 。
こ こ も少 し飛 ば しま す :副 鼻 腔 内 の 液 体 貯 留 や 気 道 内 の 水 性 肺 気 腫 。 こ れ は 砂 で す 。 胃
の 中 の 砂 と い つ た も の も CTで わ か る と。 Virtual Autopsy Limitationsと い た しま して は 、
こ れ は 限 界 の こ とで す が 、 亡 く な っ て 数 日経 ち ま す と 、 腐 敗 が 目 立 っ て き ま す 。 死 後 変 化
が 出 て き ま す と 、 有 意 な 病 理 学 的 変 化 と な か な か 区 別 しづ ら い 。 ま た 、 血 管 損 傷 の 部 位 は
示 せ な い 。 臓 器 損 傷 の 過 小 評 価 を して しま う こ とが あ る と い う こ とで す 。 実 際 、 亡 くな っ
て 何 日か経 ち ます と、 血 管 内 にガ ス が 出 て き ます し、 これ が よ り高度 に な りま す とこの よ
うな状 態 に な る。 こ うな つ て しま うと死 因 の評 価 が で きませ ん。 将来的 に CTだ けで はな く、
MRIや 血 管 造影 に もやれ ば有用 で あ ろ う。 あ とは、通 常 の 監 察 医業務 で も使 用 で き る。入 院
患 者 の 病 理 解 割 前 もや れ ば非 常 に 有用 で あ ろ う。 解 剖 され る場合 に は 、 そ の 焦 点 を絞 っ た
低 侵 襲 な 解 剖 の 役 に立 つ とい う こ とが言 われ て い ます 。 彼 らが 実 際 にや っ てい る DIGITAL
AUTOPSYと い うも の です が 、 これ は画像 診 断 を併用 した 解 剖 とい うこ とで 、 各 専 門 家 に よ る
共 同作 業 に な る。 まず 最 初 に 、 監 察 医 が 外 表 所 見 の 情 報 を取 得 した 後 に 、 放 射 線 技 師 が 撮
影 して 、放 射 線 科 医 が 読 影 。 そ の あ とに ま た 監察 医 が 最 後 に 解剖 して 、す べ て の 情 報 を統
合 す る とい う方 法 を取 つて お られ ます 。 実際 、 ハ ル ク 大佐 が 書 かれ た レポー トで す が 、 X線
と CTの 情 報 を基 に して 、 どこ どこの部 位 に この よ うな外 傷 が あ る とい うよ うな レポニ トを
書 かれ ます。
オ バ マ さん が ま だ大 統 領 に な られ る前 の『 Newsweek』 日本 版 で す けれ ど も、 どぎ つ い 写
真 の 画 像 が 載 つ た こ とが あ ります 。 内容 は 、 千葉 大 の オ ー トプ シー イ メー ジ ン グ セ ン タ ー
とオ ー ス トラ リア の ビ ク トリア州 法 医 学 研 究所 の 紹 介 で した 。 ビク トリア 州 法 医 学研 究所
で 行 わ れ て い ます コ ロナ 制 度 とい うの は 、 世 界 で い ちば ん進 ん で い る制 度 と言 われ て い ま
す が 、 ビ ク トリア州 は 500万 人 い らつ しゃ い ま して 、 ご遺 体 の 取扱 数 が 5,000件 で 、そ の
うち解 剖 が 3,000件 行 われ て 、全 件 に CTを や つてお られ る とい うこ とで した。 この よ うな
ご遺 体 専 用機 を使 つ て画像 を撮 ってい る と。
去 年 、 ここで働 い てお られ ます 、 自 らを necrOttradiologist、 死体 放射線 科 医 と呼 ぶ 、 ク
リス・ オ ドン ネ ル 先 生 とい う方 が 日本 に 2回 い らっ しゃ つ て 、講 演 をな さい ま した 。 そ の
ときの 日本語 の ス ライ ドを借 りて ま い りま した。 突 然 死 の 画 像診 断 です 。 ビク トリア 州 法
医 学研 究 所。 CTの 導入 は 、 2005年 の 4月 に司法省 の 予算 に て導入。 これ ま で に 1万 例 以 上
撮影 した とい うこ とです 。 これ は 1施 設 にお い て は 世界 一 で す。 CTの 有用 性 を述 べ られ た
後 に 、 CTは 必ず しも有 用 で は な い と。 もちろ ん限 界 は あ ります 。 ただ 、結 論 と しま して は 、
CTを 含 めた断 層 は死体 の検 査 に 非 常 に 有 用。 日常 のル ー チ ン検 査 とな っ て い る。 解剖 す る
か ど うか の判 断材 料。 自然 死 、外 傷 死 と も有 用。 法 医学 実 務 に 有 用 。診 療 関連 死 に有 用 と
い う結論 で した 。
次 は ス ウェー デ ンの Linkooing uhiお rsityo Anders Persson博 士が去 年 の 10月 に ス ウ
ェー デ ン 大使 館 の 招 きで 日本 に い ら つ しゃ い ま した 。 大 使 館 の 招 きで い ら っ し ゃ った とい
うそ の 理 由は 、 日本 で死 因究 明 にお金 が つ く とい う話 が広 ま つた よ うで、 この よ うな 「the
Virtual AutOpsy table」 と い う商 品 の 売 込 み に い ら つ しゃ ってお りま した 。 これ は iPod
を 非 常 に 大 き く した よ うな ボ ッ ク ス な の で す が 、 中 に こ の よ うな 画 像 が 撮 影 して 、 作 成 し
て あ つ て 、 い ろ い ろ な や り方 が で き る と。 犯 罪 に も応 用 で き 、 人 だ け で は な く て 、 猿 や ミ
`
イ ラ に も応 用 で き る とい う こ と で す 。 外 国 の 方 は 、 非 常 に宣 伝 が うま い で す か ら、 も う既
に Virtual AutOpsyと い うの は 科 学 捜 査 班 と い っ た よ うな、 こ うい っ た ドラ マ に も使 わ れ
て お りま す 。 ドラ マ 上 で は 、 きれ い な CGな の で す が 、 演 出 上 は こ れ で よ い の で し ょ う。
そ れ か ら、 ハ ン ブル ク の 法 医 学 研 究 所 で す 。 解 剖 室 の 中 の タイ ル 張 りの 部 屋 の 中 に CTが
設 置 して あ りま す 。
こ う い つ た 欧 米 の 状 況 に 対 しま して 、 日本 の 死 後 画 像 とい い ま す の は 、 異 状 死 の 解 剖 率
が 非 常 に 低 い 中 で 行 わ れ て い ま す 。 10%程 度 で す 。 一 般 病 院 が 臨 床 機 を使 つ て 、 主 に 内 因
性 、 非 外 傷 性 死 を対 象 に 、 そ の 死 因 の ス ク リー ニ ン グ を行 っ て い る と い う状 況 です 。
Autopsy imaging、 以 下 ′
Aiと 略 しま す が 、 これ に 関す る全国 ア ン ケ ー ト調 査 は 、 い まま で
の
3回
が
に大 きな も
行 われ て い ます 。 日本 全 国 の 主要 な救命 救急 病 院 の 9割 が Alの 経験 が
あ る 。 日本 全 国 の一 般 病床 を有 す る病 院 の 36%は Aiの 経験 が あ りま す。 そ して 、 日本 救 急
医学 会 の 会 員 の 専 門医 に尋 ねた とこ ろ、そ の 費用 は保 険請求 3割 、 病院 負 担 3割 、遺族 負
担 1割 とい う内 訳 に な って お り、将 来 的 に は保 険 収載 され るべ き と考 え る専 門 医 が 80%に
て
も上 りま した 。
今 年 に入 りま しての Aiの 流 れ で す が 、 変死 体分 析 を CT診 断 で石 川 県警 と医療機 関、 こ
れ は 金 沢 大 学 そ の 他 の 医療機 関 で す けれ ど も、ネ ッ トワー ク を設 置 した と。 こ うい った ネ
ッ トワー ク は 全 国 で 初 とい う こ とで す 。 そ して 、 国家 公 安委 員 会 定 例会議 。 これ はイ ン タ
ー ネ ッ トに も載 つて い る ので す が 、石 川 県 を視 察 され た 吉 田委 員 が 、上 に 書 い て あ るよ う
な言 葉 を述 べ て お られ ます が 、 「放 射 線 の 医 師 が 画像 を解析 で き る とい う こ とは 、死 因 究
明 に 関す る医 師 の 数 が 随 分増 えた とい う感 じが した が 、 ど うだ 」 とい う間 に 対 して 、刑 事
局 長 は 、 「放 射 線 科 の 医師 の 見 立 て で 本 当 に 完壁 か とい うと議 論 が ある と ころだ と思 う」
と答 弁 な さ つ て い ま す 。 これ は本 当 に そ の とお りで 、我 々 も画 像 だ けで何 で も判 断 で き る
とは 思 つて お りませ ん し、読 影 す る とき に は い ろ い ろ な情報 を聞 い てか ら読 影 してお りま
す 。 画 像 だ け で 何 で も わか る とは思 って お りませ ん 。
今 年 の 2月 、厚 労省 全 国 医政 関係 主 管課 長 会議 にお きま して 、 Aiシ ス テ ム整備 事 業 を実
施 し、 それ に必 要 な CT、 MRIを 設 け る も の とす る と。 先 ほ ど資 料 3に 述 べ て あ る とお りで
′
す。
そ して 医師 会 の 定例 会 見。今 年 の 3月 です けれ ども、Ai活 用 に 関す る検 討 委員 会 、そ の
答 申 内容 が 発 表 され てお ります 。
この 委 員 会 とい い ます の は 、 法 医 ・ 病 理 ・ 放 射 線 ・ 救急 ・ 警 察 医 等 の 各 専 門 医 と放射 線
技 師 を含 む 11人 の委 員 で構 成 され てお ります が 、 3番 目の Ai活 用 に 際 して の 提言。 どの よ
うな提 言 か と い い ます と、全異 状 死 体 に Aiを 行 う こ とはなか なか難 しい の で可 能 な とこ ろ
か ら開始 しま し ょ うと。 それ に は小 児 、 特 に これ は虐 待 の 有無 を見 たい とい うこ とで小 児 、
あ とは 、 来 院 時 心 肺 停 止 状 態 で救 急 搬 送 され た患 者 さん には全 員 や りま し ょ うとい うこ と
で 、 次 の よ う に 提 言 され てお ります 。 費 用 は 国 庫 か ら拠 出す べ き で あ る6月 ヽ児 、約 2億
5,000万 、救 命 救急 患者 が 年 間 10万 人 と して約 50億 円、 これ だ け の 費用 が かか る と試 算 さ
れ て い ます 。 Aiと い う言葉 は 、 も う既 に何 回 も国 会 で も取 り上 げ られ てお ります 。 古川 先
生 や 足 立 先 生 も言及 され てお りま す 。 そ して 首相 官 邸 の ホー ム ペ ー ジ を見 ま す と、最後 の
ほ うに 「地 域 連 携 に よ り Aiに よ る死 因 究 明 を促 進 す る」 と記 載 して あ りま す。
実 際 、 死 因 究 明 CT撮 影 は全 国的 に増 えて い る よ うで あ りま して 、今 回 の 資料 に もあ りま
した し、診 療 死 究 明で Ai活 用 も とい う、 この よ うな共 同通信社 の 記 事 も載 つ てお ります。
ち な み に 、 日本 全 国 に死 体 専 用機 所 有 施 設 とい い ます の は 、 こ こ に挙 げ た とお りです 。
ま だ 20は い か な い ので す が 、今 後 は どん どん と設 置 され る予定 で あ る と聞 い てお ります。
これ は群 馬 大 のオー トプ シー イ メ ー ジ ン グセ ン タ ー 。 中古 の CTを ご遺体 専用!機 に 転用 し
た とい う こ とで した。
日本 にお い て 、死 後 画 像 が 撮 影 され る最 多 の 状 況 と して は 、 救命 救急 外 来 に来 院 時 心 肺
止
停 状 態 で搬 送 され た 後 に死 亡 した症 例 、 これ は 異 状 死 で す が 、 これ に対 して死 因 を ス ク
リー ニ ン グす るた め に、 CTを 施 行す る。
CTは 、 単 純 X線 よ り情 報 が 多 く、超 音波 よ り客観 的 で 、MRIよ り短時 間 で 施 行 可能 とい
うこ とか ら、そ の施 行 数 は 、他 のモ ダ リテ ィ を圧 倒 してお ります。
Aiと 言 い ま して も、Ai≒ Postmortem CTと 。 Postmortemと い うのは死 後 の 、検 死 の とい
う意 味 で す けれ ど も、 以 前 、 パ トリシ ア ・ コ ー ン ウ エル の『 検屍 官 』 とい う本 の 原 書 名 が
、
IPOSTMORTEM"で あ りま した。
日本 の PMCT事 情 です けれ ども、 監察 医 が 非 常 に少 な い 中 で 行 われ ていま す。 日本 にお け
る監 察 医 制 度 は、東 京 、横 浜 、名 古屋 、大 阪 、神 戸 とい つた 大都 市 で され て い ま す けれ ど
も、 日本 の 人 口の 85%は 監察 医制度 の な い 地 域 に 住 んで い ます 。 そ の反対 に 、 CTの 設 置 台
数 は世 界 二 です。 世 界 中 の CTの 半分 は 日本 に集 ま ってい るの で は な いか と言 われ て い ます 。
故 に 、 死 因 を正 確 に診 断 した い 。 そ して 遺 族 の 気 持 ち に応 え た い 。 こ の 「遺 族 の 気 持
ち 」 と言 い ます の は 、解 剖 は した くな い けれ ども死 因 は知 りた い とい う、 そ の よ うな気 持
ちです 。 これ に応 えた い 救命 救急 医 が 苦 肉 の 策 と して 、以前 よ り死後 CTを 施 行 して きた と
い う現 状 が あ ります 。
そ の死 後 CTの 役 割 と しま して は 、解 剖 の 承 諾 は得 られ な い 場合 の 死 因 ス ク リー ニ ン グ 、
解剖 が 絶 対 に必 要 な症 例 の フ ィル タ ー リン グ 、解 剖 が 行 われ た場 合 に そ の ガ イ ド、 相 補 的
な役 割 を果 た しま す 。
死 後 CTの 所見 と しま しては 、 死 因 を大 き く外 傷 と非外 傷 に 分 けて い ます 。 そ して 、 それ
らに つ い て 死後変 化 、蘇 生術 後変 化 の 3つ に 分 け る と我 々 は 読影 しや す い と考 えて い ます 。
外 傷 性 死 後 CTで す が、 これ は外 傷性 死因 の 特 定 に非 常 に有 用 です 。以前 よ り散 弾 銃 の玉
が ど こに あ るか とか 、 ピス トル の玉 が どこを ど うや って 通 つ て い た か とい う評 価 に 、 単純 X
線 写真 が 撮 影 され て お りま した が 、最 近 で は この よ うに CTも 撮影 され るよ うにな りま した 。
射入 口、 射 出 日、射 創 管 とい つた もの が明瞭 に描 写 され て い ま す。
実 際 の ご遺体 の 画 像 です けれ ども、拳銃 自殺 され た警 官 の 方 で す。
そ して胸 を刺 され て しま った 方 、 左 の 大量 血気 胸 を認 めます 。
頭 を ハ ン マー で 殴 られ た 方 t頭 が ク ラ ッ シ ュ した 状 態 、交 通 事 故 です。 これ は 首 が 切 れ
て 体 内 の血 液が外 に 流 出 した 状 態。
頚椎 の 脱 臼骨折。 これ も頚椎 の 骨 折 です けれ ども、4番 目の 頚椎 よ りも上 部 をや られ ます
と、 呼 吸 中枢 が 冒 され ます の で 、 そ の 場 で 生 存 能 力 が無 くな って しま うと い うこ とで す。
ただ 、 単 純 X線 写 真 で も、心臓 大血 管 内 のガ ス とぃ うの はわ か りますが 、CTを 撮 りま す と、
両側 の血 気 胸 とい つ た所 見 も明瞭 に示 す こ とが で きます。
これ は 飛 び 降 り自殺 で す けれ ど も、 心臓 は通 常 左 側 に あ ります が 、右側 に 寄 つて い て 、
心 臓 と大 動 脈 は離 断 してい ます 。
次 の 方 で す けれ ども 、 心 臓 大 血 管 が 先 にや られ ま す と、 血 圧 が 急 激 に下 が るた め に 、骨
盤 に大 き な 骨折 が あ つて も出 血 して こない とい う、生活反応 の欠 如 として示 され ます 。
右 下 の 像 です が 、 これ は 常磐 道 で 、 車外 放 置 され た 後 に後 続 の 車 、数 台 に 引 かれ た とい
う方 で す が 、 この方 は体 内 が ミン チ 状 に な つ て い ます 。 ここで 重 要 な こ とは 、体 内 で ミ ン
チ 状 に な つ て い る に もか か わ らず外 側 の輪 郭 が 保 たれ て い る とい うこ とで 、外 か ら見 た だ
けで は 体 内 の様 子 が わ か らな い とい う こ とを示 して い ます 。 この方 の よ うに外 か ら見 て も
これ で 亡 くな つた の だ とい うこ とが わ か らな い 限 りは、 CTを 撮 る意 味が あ る と考 え て い ま
す。
この 方 は 自殺 目的 で線 路 に横 た わ つ て い た 方 で 、 ち ょ うど線 路 の 幅で首 と足 が 切 れ て い
ます。
そ して こ の方 は水 平断 層 だ とわ か りづ らい ので す が 、 首 つ り自殺 です けれ ども、病 院 の
横 に公 園 が あ ります 。 朝 5時 頃 、患者 さん が 散 歩 を して い ます と、 雲梯 か らぶ ら下 が って
い る この 方 を発 見 しま した 。 遺 書 が 置 いて あ つた そ うです が 、警 察 の方 が い ら っ し ゃ るま
で に 、 こ うい った 縄 は外 せ ませ ん が 、 画像 上 だ けで は この よ う′
に外 せ ます 。 これ が 何 の役
に立 つ か と いい ま す と、 この よ うに実 際 の 画 像 は裁 判 員 制度 で は 出す こ とが 生 々 し くてや
りづ ら い と い うこ とで 、 こ うい つ た画 像 が 役 に立 つ ので はな い か とい うよ うに 考 え て い ま
す。
実 際 の 症 例 を 提 示 しま す 。 31歳 女 性 、 車 運 転 中 、 中 央 分 離 帯 に衝 突 しま した 。 こ の 方 は
シ ー トベ ル トの 装 着 が な く、 エ ア ー バ ッ グ の み が 展 開 して お りま した 。 こ の 方 の CTを 撮 り
ま した と こ ろ 、 心 臓 周 囲 に 血 腫 を 認 め ま した の で 、 お そ ら く は 心 タ ン ポ ナ ー デ で 亡 くな っ
た と考 え ま した が 、 外 表 面 に 何 の 所 見 も な い た め に こ の よ うに解 割 が 行 わ れ て お りま す 。
外 表 面 は 所 見 な く 、 こ の よ うに 皮 下 組 織 や 筋 肉 に も外 傷 性 変 化 を認 め ませ ん が 、 心 臓 を 開
け ま した と こ ろ 、 心 臓 周 囲 に 大 量 の 血 液 貯 留 を認 め ま した 。 これ は ど うい う こ とか と い い
ま す と、 右 心 耳 が 破 裂 して お りま した 。 こ ち ら に ゾ ン デ が 通 つ て い ます 。 CTで 解 析 しま す
と 、 胸 骨 と椎 体 と の 間 に 右 心 耳 が 挟 ま れ て しま っ て 破 れ た の だ ろ う と い う よ うに 考 え ま し
た 。 実 際 、 5月 の 企 業 プ レス リ リニ ス で 、 トヨ タ が バ ー チ ャル 人 体 モ デ ル を 発 表 して お りま
す け れ ど も、 ハ ン ドル や エ ア ー バ ッ グ は 展 開 した と き に は 、 胸 が へ し ゃ げ る ぐ ら ぃ 衝 撃 が
あ る と い う こ とで あ りま す 。
次 は 55歳 の 男 性 。 職 業 は 土 木 作 業 員 。 朝 出 勤 し、 現 場 で 倒 れ て い る と こ ろ を 同 僚 が 発 見
しま した 。 こ の 方 も外 表 面 で は 擦 過 傷 程 度 しか あ りま せ ん で した が 、 CTを 撮 りま した と こ
ろ 、 こ の よ うに 肝 臓 周 囲 や 牌 臓 周 囲 、 グ グ ラ ス 富 に 血 栓 や 腹 水 を認 め ま した 。 解 剖 で も そ
れ を確 か め て お りま す 。 肝 左 葉 外 側 区 に 亀 裂 が あ り、 解 剖 で も肝 破 裂 の 状 態 で した 。 あ と
・大 動 脈 の 離 断 、 椎 体 の 離 断 とい う、 この よ うな 所 見 を 認 め ま し た こ
は、多発月
力骨 骨 折 、
。
い
い
れ は ど う う こ と か と言 ま す と 、 同 僚 が 本 人 を掘 削 機 械 と地 面 との 間 に 挟 み つ け て しま
つ て 起 こ つ た 事 故 と い う こ とが 判 明 しま した 。 同 僚 た ち は嘘 を ら ぃ て ぃ た ゎ け で す が 、 現
場 の 状 況 と CTの 画 像 情 報 が 非 常 に 乖 離 して い る た め に く 解 剖 に 回 り、 最 初 は 行 政 解 剖 だ っ
た わ け で す が 、 途 中 か ら司 法 解 剖 に 変 わ りま した 。 も し CTが 行 わ れ て い な けれ ば 、 虚 血 性
心 疾 患 と判 断 され て 、 見 逃 が され て しま っ た 可 能 性 が あ ります 。
こ こ で 一 つ 、 犯 罪 見 逃 しの 概 算 い た しま す と 、 非 犯 罪 死 体 と い う前 提 で 運 ば れ て き た 死
の
体
中 に は 、 1.25%の 割 合 で 犯 罪 死 体 が 紛 れ 込 ん で い る と言 わ れ て い ま す 。 これ を 日本 の
統 計 に 当 て は め ま す と、 日本 の 異 状 死 は 年 間 約 15、 6万 人 と言 わ れ て い ま す 。 こ の 1割 は
解 剖 され ます が 9割 は解 剖 され ま せ ん 。 これ に 1125%を 掛 け ま す と、 年 間 約 1,700人 の 犯
罪 見 逃 しが あ る と い う よ うに 計 算 で き ま す 。 こ れ は 統 計 に 出 て こ な い 暗 数 とな っ て い ま す 。
実 際 Aiが 事 件 を 暴 く と い う こ とか ら、 警 察 が 医療 機 関 に託 して ご遺 体 の CT撮 影 を した
例 が 約 1,800件 、 こ の うち数 件 で 犯 罪 が 見 つ か つ て き た とい う こ とで す 。 これ を 日本 全 国
に 当 て は め ま す と 、 CTだ け で 数 百 件 の 犯 罪 見 逃 しが 見 つ か つ て く る と い う計 算 に な りま す :
公 安 委 員 会 の 定 例 会 議 の 会 議 録 か ら取 つ た も の で す が 、 「非 犯 罪 死 体 の 中 で も、 毒 物 等
を使 っ て 病 死 の よ うに 見 せ か け て 、 結 果 的 に は 事 件 に も な らな い ケ ー ス が た く さん あ る の
か 」 と い う間 に 対 して 、 「た く さ ん は な い と思 う」 と答 え て お られ ま す 。 先 ほ どの 1,700
名 の うち 、 数 百 人 が CTで わ か る と して も、 薬 物 や 毒 物 を使 っ た殺 人 は CTで は わ か りま せ
ん 。 「お そ ら く CTで も判 断 す る の は 難 しい の で は な い か 」 と述 べ られ て い ま す が 、 これ は
そ の とお りで す 。 こ の 定 例 会 議 の 話 で す が 、 刑 事 局 長 は い つ も い い こ と を お っ し ゃ る の で
す が 、 「む し ろ 重 要 な の は 、 死 因 を 究 明 す る た め の 知 見 や ノ ウ ハ ウ の 蓄 積 が そ れ ぞ れ の 医
者 に どれ く ら い あ る か と い う こ と に な る」 と。
我 々 が 最 も多 く遭 遇 す る 死 後 画 像 と しま して は 、 早 期 の 、 亡 くな られ た 直 後 で あ る とか
い う非 外 傷 性 の 死 後 CT。 これ が い ち ば ん 多 い た め に 、 こ れ が 画 像 所 見 の 基 本 に な りま す 。
非 外 傷 性 死 後 CTは 、 出 血 性 死 因 は 画 像 だ け で 診 断 可 能 で あ ります 。 死 後 変 化 は循 環 停 止 に
よ りま す 。 そ して 蘇 生 術 後 変 化 の 主 な 所 見 は 、 血 管 内 ガ ス で あ りま す 。 例 え ば 、 く も膜 下
出 血 、 こ で は 解 剖 で も確 か め られ ま す が 、 脳 幹 の 出 血 。 これ は 橋 の 出 血 で す 。 画 像 と解 剖
は よ く対 比 で き ま す 6大 動 脈 解 離 、 解 剖 で も そ の とお りで す 。 腹 部 大 動 脈 瘤 破 裂 、 こ れ も
そ の とお りで あ りま す 。 こ うい つ た 出 血 性 死 因 は CTだ け で 診 断 可 能 で す 。
非 外 傷 性 の 死 後 CTで 認 め る所 見 。 死 因 、 死 後 変 化 、 蘇 生術 後 変 化 、頭 部 、 胸 部 、 腹 部 と
分 け て 、 こ の よ うな 表 を 作 る こ とが で き ま す が 、 も う既 に 新 潟 市 民 病 院 の 高 橋 先 生 が 、 次
の よ うな チ ェ ッ ク シ ー トを 作 つ て お られ ま して 、 こ の チ ェ ッ ク シ ユ トを使 う こ とで 、 ご遺
体 の 画 像 の 診 断 経 験 が あ ま りな い 医 師 で も、 効 果 的 に 、 再 現 性 の あ る読 影 が で き る と い う
9
こ と で す 。 死 後 CTで 診 断 可 能 な 死 因 と して 、 虚 血 性 心 疾 患 や 肺 動 脈 血 栓 塞 栓 が 挙 げ られ ま
す が 、 全 くわ か ら な い とい うこ とで は な く て 、 お そ ら くそ うだ ろ う とい う こ とま で は わ か
りま す 。 例 え ば 、 虚 血 性 心 疾 患 の 診 断 で あ れ ば 、 まず 外 傷 性 や 出 血 性 死 因 は 除 外 して 、 直
接 所 見 が 出 て き ま せ ん の で 、 あ とは 画 像 だ け で は な くて 、 既 往 歴 や 現 病 歴 、 検 査 所 見 、 例
えば ′
い電 図 上 の ST上 昇 や VF、 トロ ポ ニ ン上 昇 と い つ た よ うな 検 査 所 見 、 死 後 CT上 の 間 接
所 見 を総 合 的 に 判 断 し ま す 。 間 接 所 見 は ど う い つ た も の か と い う と、猛 烈 な 肺 水 腫 が 出 て
き ま す の で 、 急 性 者 心 不 全 の 方 は こ の よ う に テ カ テ カ パ ン パ ン と い っ た よ うな 像 を 呈 しま
す が 、 CTで 見 る と 両 側 び ま ん 性 の 陰 影 が 出 て き て 、 こ うい っ た も の か:ら 虚 血 性 心 疾 患 だ ろ
う と い うふ うに診 断 して い ます :
.こ うい つ た 直 接 所 見 が 描 出 で き な い と い う欠 点 を補 うた め に 、 最 近 で は 造 影 に よ る 死 後
CT、 これ は経 静 脈 的 に 造 影 剤 を 注 入 しな が ら 2分 間 心 臓 マ ッサ ー ジ をす る と、 亡 く な っ た
後 で も 心 大 血 管 が 造 影 され る と い う こ とが わ か っ て き ま した 。
例 え ば こ の 像 で す が 、 亡 くな っ た 後 に され た 造 影 CTで す が 、 この よ うに きれ い に 大 動 脈
解 離 とい う こ とが わ か ります 。
こ の よ うに 、肺 動 脈 の 3Dや 冠 動 脈 の 3Dま で で き る よ うに 、造 影 能 が 保 た れ ま す の で 、
こ こ ら辺 に あ る血 栓 塞 栓 が 診 断 で き る よ うに な る の で は な い か と考 え て い ま す 。 ち な み に 、
死 後 造影 CTは 「正 当業 務 行 為 」 に 相 当 し法 的 に は 問題 な い と い う言 葉 を い た だ い て お りま
す。
こ れ は 筑 波 山 か ら見 た 富 士 山 で す 。
そ して 、 も う一 つ は 、 死 後 の MRIo MRIは CTと 比 較 して コ ン トラ ス ト分 解 能 が 非 常 に 優
れ ま す の で 、 CTで は 評 価 困 難 な虚 血 心 筋 や 頚 髄 損 傷 、 肺 動 脈 血 栓 塞 栓 や 肝 損 傷 な ど が 検 出
で き ます 。
例えば、この方はコンバイ ンで納屋に入 つたす ぐ後に亡くなっておられました。 どうも
天丼に頭をぶつけて頚椎が過伸展したようですけれども、CTで は第 6頚 椎 が背側に変位 し
ているとい うことはわかりますが、MRIだ とその部分の頚髄損傷や椎間板の損傷、椎体の前 `
面 の 血 腫 と い っ た も の ま で 描 出 す る こ とが で き ま す 。 こ れ は 解 剖 で もそ の とぉ りで あ りま
した 。
39歳 、 男 性 。 自宅 で 亡 くな っ た 状 態 で.発 見 され ま した が 、 この 方 も肺 動 脈 の 中 に 血 栓 が
充 満 して い そ うだ とい う こ とで 、 こ の 方 も肺 動 脈 血 栓 塞 栓 と い う こ とが 事 前 に わ か りま し
た。
こ の 方 は 亡 く な る 前 日に バ イ ク で 転 倒 した と い わ れ ま す け れ ど も 、 亡 く な つ た 状 態 で 発
見 され ま した 。 肝 臓 周 囲 に 腹 水 、 肝 臓 に 亀 裂 が 入 つ て い る と い う こ とは 、 下 の 画 像 の MRI
で は わ か る の で す が CTで は 評 価 で き ませ ん 。 実 際 、解 剖 で は肝 破 裂 で した 。
46歳 、 男 性 。 自宅 で 亡 くな っ た 状 態 で 発 見 され ま した が 、 CTを 撮 りま した とこ ろ 、 両 側
び ま ん 性 の 肺 水 腫 。 解 剖 で は 左 冠 状 動 脈 前 下 行 枝 の プ ラ ー ク破 裂 に よ る血 栓 閉 塞 と い う こ
とが わ か りま した が 、 MRIの T2強 調 像 で 心 室 中 隔 か ら心 尖 部 に か け て虚 血 心 筋 を示 す よ う
な 高 信 号 を認 め て お りま す 。
次 の 方 も、虚 血 心 筋 を MRIで 認 め る こ とが で き ます 。 この よ うに 、 心内 膜 下梗 塞 ま で MRI
で は指 摘 す る こ とが で きます。
亡 くな っ て しば ら く経 つ て ご遺 体 専 用機 で な い ときに い ちばん 困 るのが 臭 い で す が 、 こ
の よ うな ボ デ ィニ バ ッグを使 うこ とで 臭 い は 抑 え る こ とがで きます 。
これ は 最 後 な の で す が 、以 前 に内 閣府 で 同 じよ うな講 演 を させ て い ただ い た とき に示 し
た 提 言 で あ ります 。 解 剖 自体 は強 力 な死 因 究 明手 段 で す けれ ども 、 そ の 実 施 率 は非 常 に 低
い 状態 に留 ま って お ります 。 異 状死 は全例 CTで ス ク リー ニ ングす べ きで は な い か と考 えま
す し、 こ うや る こ とで 解 剖 率 も上昇 してい き ます 。 これ は生 前 、診 察 、画 像 診 断 、 手 術 に `
対 応 させ て 、 亡 くな った 後 に も検 視 、検 案 → 画像 診 断 → 解 剖 を確 立 す る と い うこ とで あ り
ま す。 結論 は以上 の とお りです 。 ご清聴 あ りが と うござい ま した。
○ 門 田座 長 途 中 トラブル が 発 生 しま した けれ ど も、非 常 に大 量 の 資料 を 示 してい た だ き
ま して 現 状 の ご説 明 を い ただ き ま した が 、 全 体 的 には ま た 後 ほ どデ ィス カ ッシ ョン した い
10
と思 い ま す が 、 特 に い ま の ご 発 表 に 関 連 した こ と で ご 質 問 が あ りま した らお 受 け した ぃ と
思 い ま す が 、 い か が で し ょ うか 。
○ 長 谷 川 先 生 我 々 の 所 で も、 PMCTと い うか 、 そ れ と解 剖 を 併 用 して や つ て い る わ け で す
が 、 先 生 が お っ し ゃ る よ う に 、 特 に 虚 血 性 心 疾 患 は わ か りに く い とか 、 CTだ と限 度 が あ る 。
CTは 非 常 に 普 及 も され て い るわ け で す が 、 造 影 CTも い い の で は な い か とい う こ と も確 か に
言 わ れ て い る の で す が 、 現 実 的 に そ うい う不 得 手 な 分 野 も補 え る の か ど う か と い う の は い
か が な の で し ょ うか 。 MRIで な い とわ か らな い とか 、 そ の 辺 は い か が で す か 。
○ 塩 谷 先 生 内 部 組 織 の 評 価 に つ い て は 、 虚 血 の 心 筋 とか 頚 髄 の 損 傷 とが 、 こ うい っ た も
の は CTで は 全 部 の っ ぺ り と した 画 像 に な りま す の で 、 そ こが 異 状 だ とい うふ うに は 描 出 さ
れ て こ な い で す 。 MRIだ と 、 CTよ り も コ ン トラ ス トが 良 い た め に 、 こ うい っ た も の が 描 出
で き る 。 も ち ろ ん (現 在 、 CTで 確 実 に 画 像 だ け で 診 断 で き る の は 出 血性 の 死 因 、 脳 出 血 、
く も膜 下 出 血 、胸 部 の 大 動 脈 解 離 と腹 部 大 動 脈 瘤 破 裂 と い つ た よ うな 出血 性 死 因 は CTだ け
で 診 断 で き ま す け れ ど も 、 それ 以 上 確 実 に物 を 言 お うか と思 う と、 CTだ け だ と も う一 つ 造
影 した り とか 。 MRIだ と コ ン トラ ス ト分 解 能 が 優 れ て い るた め に 今 は CTで の 死 因 診 断 率 は
3割 と言 わ れ て い ま す が 、 それ が 6割 程 度 ま で に は も つ て い け る の で は な い か と考 え て お り
ます 。
○ 長 谷 川 先 生 た だ 、 先 生 も中 で お っ し ゃ られ て い た けれ ども 、 MRIと い う の は 撮 影 に 非 常
に 時 間 が か か る と い う難 点 が あ りす ね 。 そ の 辺 で 、 MRIだ けで や っ て い く とい うの も 、 時 間
の 制 約 と い うの が ど う して もあ る の か な と思 う の で す 。
○ 塩 谷 先 生 そ うで す ね 。 うち も、 1回 撮 る の に 、 全 身 撮 影 しま す けれ ど も 、 最 低 限 1時 間
程 度 か か りま す 。 そ れ に 対 して 、 CTだ と 5分 程 度 で 終 わ りま す の で 、MRIを や る と き に は
救 急 外 来 で 亡 くな っ た 人 を す ぐ撮 る と い うわ け に は い き ませ ん で 、 解 剖 が 前 提 と な つ た 方
を対 象 に 準 夜 帯 、 夜 9時 か ら 12時 の 間 にや っ て お りま す :確 か に 、 MRIは 非 常 に 時 間 的 な
制 約 が 大 き い も の で す か ら、 全 例 を や る の は 非 常 に 有 用 な の で し ょ うけれ ど も、 生 き た 患
者 さ ん が 優 先 で す の で 、 昼 は 生 き た 患 者 さ ん で 、 準 夜 帯 や 早 朝 に ご 遺 体 を 撮 影 して い る と
い うこ とで す 。
○ 門 田座 長 そ の ほ か 、 い か が で し ょ うか 。
○ 和 田先 生 私 、 門 外 漢 な の で 教 え て い た だ き た い の で す が 、 い ま の CTと MRIの 関 係 で 、
CTを バ ー ッ と や つ て 、 そ れ が 一 種 の ス ク リ ー ニ ン グ に な っ て 、 こ の ケ ー ス は MRIを
や った ほ うが い い な とか 、 これ は要 らな い な とか 、 そ うい う判 断 をす る、 2段 階 で の 形 とい
うの は あ り得 る話 な の で しょ うか 、 あ る いは 全 く十 分 で はない ので しょ うか :
○塩 谷 先 生 世 界 で も ア メ リカ、
に して もそ うです が 、 CTが 基本 に な って い ま す。 早 くで き
ます し、 CTは 空 気 や 骨 を描 出す る の が 非 常 に 得 意 で す ので 、外 傷 に 関 して 非 常 に得 意 で あ
る。 だ か ら、外傷 に 関 して は CTだ けで大丈 夫 だ ろ うな とい うふ うに皆 さん 考 え られ てい ま
す が 、 非 外 傷 で は 内 因性 死 、特 に死 因 の 半分 以 上 を 占 め る虚 血 性 心 疾患だ と心 筋 の 状 態 と
か 冠 動 脈 の 中 の 欠 損 を描 出 しない とい け な い の で す が 、CTだ とそ こは無理 か な と。 だか ら、
画像 だ け で は な くて 、急 に胸 が 痛 い と言 つて 倒 れ た よ うな 現病 歴 とか 、 も と も と陳 旧性 の
心 筋 梗 塞 や 狭 心症 を持 って い た とい う既 往歴 とか 、運 ばれ る ときに心電 図 上 S↑ が上 昇 して
い た とい う、 心電 図 の 異 常 です が 、死後 CTの 間接 所 見 、非常 に肺 水腫 、水 っ ぱ くな つ て き
ます の で 肺 に猛 烈 な 白 い 陰影 が 出 て き ま す が 、 そ うい つ た も の を総 合的 に 判 断 して 虚 血 性
心 疾 患 と。 だ か ら、 あ る程 度 は想 像 は つ く の で す が 、 直接所 見 が 描 出で き な い とい う意 味
で信 頼 で きな い とい うふ うに言 われ てお ります の で 、 CTで ス ク リー ニ ン グ を して 、 それ 以
上 は MRIを や るほ うが 最 も効率 的 な方 法 か な と思 い ます 。
○ 門 田座 長 ほか に い か が で しょ うか 。 よろ しい で す か 。 それ で は 、次 に行 つ て 、 また 後
.と
ほ ど時 間 が あ つ た らデ ィ ス カ ッシ ョン を続 け た い 思 い ます 。 次 は 、 山本 先 生 か ら資料 5
に基 づ い て ご説 明 を お願 い したい と思 い ます 。
○ 山本 先 生 ご紹 介 い た だ きあ りが と うご ざ い ます 。 資料提供 した ス ライ ドと今 日提 示す
る ス ライ ドが若 干 違 い ます ので 、 見 え る方 は 手 前 のモ ニ ター を ご覧 くだ さ い 。 私 は 、今 、
Ai学 会 の 理 事 長 とい う形 でや らせ て い ただ い て い ま す し、 死後 画 像 の読影 に つ い て は読影
例 え ば
11
専 門 の 第 二 者 組 織 と して Ai情 報 セ ン タ こ と い うも の を 昨 年 立 ち上 げ ま して 、 そ こ の 代 表 理
事 と い う形 で も勤 務 を して お りま す 。 そ の 資 料 に つ い て は い ち ば ん 最 後 の 頁 が 患 者 様 向 け
の 資 料 とな っ て お りま す 。
今 回 の テ ー マ は 、 私 が 聞 い た と き に は 、 モ デ ル 事 業 の 補 足 をす る よ うな 立 場 で の Aiの 活
用 な の か 、 そ うい うよ うな 形 な の か と最 初 は 思 っ て い た の で す が 、 足 立 政 務 官 の ほ う か ら
お 話 を い た だ い た とき に は 、 今 回 は Aiを 活 用 す るた め の Aiを 中 心 と した よ うな形 で の 死
因 究 明 を 有 効 に使 つ て い き た い と 。 そ うい うお 話 を い た だ き ま した 。 今 ま で い ろ い ろ な 検
討 会 が あ りま して 、 法 医 学 の 先 生 の 立 場 、 病 理 の 先 生 の 立 場 、実 際 の 読 影 に か か わ る と こ
ろ 、 そ の 私 た ち放 射 線 科 の 立 場 、 ま た 、 実 際 に 撮 影 す る の は 診 療 放 射 線 技 師 の 方 々 な の で
す 。 そ れ ぞ れ の 立 場 か ら の 話 とい うの が 今 ま で あ る の で す が 、 ど う も よ く考 え て み る と遺
族 の 視 点 が 欠 け て い る 。 い ち ば ん 問 題 な の は 、 最 初 の 足 立 先 生 の 挨 拶 に も あ つ た とお り、
遺 族 が 納 得 で き る 、 現 在 日本 で 行 え る死 因 究 明 は 何 な の か 。 そ の 視 点 に 立 っ た 話 が 、 ど う
も 上 滑 りな の か わ か らな い の で す が 、 な か な か 深 ま つ て い か な い と い うの が あ る と思 い ま
す。
で は 、 何 が 遺 族 の 視 点 に 立 っ た 話 な の か と い う と、 す つ に は 、 遺 族 が 受 け入 れ や す い 検
査 で あ る必 要 が あ る と思 い ま す 。 ま た 、 そ の 検 査 結 果 、 3割 しか わ か らな い と い っ た と して
も 、 そ れ の 検 査 を す る こ と に よ る 納 得 が 得 られ る 検 査 、 ま た 、 公 平 な 判 断 が で き る 検 査 。
監 察 医 療 制 度 と い うの が あ る の で す が 、 大 都 市 に 限 定 され て い る の で す 。 た だ し 、 日本 の
85%以 上 の 方 は 大 都 市 の 圏 外 に 生 活 して い る 。 そ うい っ た 所 の 方 々 も平 等 に 死 因 究 明 を で
き る、 そ うい っ た シ ス テ ム を つ く らな け れ ば い け な い とい うふ うに 私 は 考 え て お りま す 。
これ は 小 説 の 影 響 も あ る か も しれ な い の で す が 、 現 実 に は 、 私 た ち 医 療 関係 者 以 上 に Ai
と い う言 葉 を 遺 族 の 方 が 知 つ て お りま して 、 実 際 に 千 葉 大 で 勤 務 して い た とき に は 、 「Ai
を や っ て くだ さ い 」 と直 接 遺 族 か ら頼 ま れ る こ と も あ る の で す 。 そ れ ぐ ら い 、 世 の 中 に は
こ の Autopsy imagingと い う言 葉 が 広 ま つ て い る と い う現 実 が あ ります 。
1
い
た だ し 、 こ う っ た 現 実 は な か な か 伝 わ りに く く て 、 実 際 に よ く 出 て く る新 聞 報 道 は 、
これ は 6月 12日 の 、本 当 に つ い 先 日の 記 事 で す 。 「死 後 画 像 で 十 分 」 は 、 わ ず か 3%、 厚
労 省 班 研 究 。 こ の 班 研 究 は 、 実 際 に 私 と塩 谷 先 生 も入 つ て い た の で す が 、 首 班 の 先 生 が 病
理 の 先 生 で す の で 、 病 理 の 先 生 の 立 場 か ら見 る と画 像 だ け で は 十 分 で は な い と い う認 識 に
な つ て しま う の で す 。
そ れ で 、 私 た ち 放 射 線 科 医 と して は 、 別 に 、 取 っ て 代 わ ろ う とは 思 つ て い な い の で す が 、
新 聞 記 事 の ほ うで は 、 「解 剖 の 代 替 は 困 難 Jと い う形 の 記 事 に な つ て しま い ま す :遺 族 が
望 ん で い る の は 、 体 に 傷 を 付 け た くな い 、 た だ しあ る程 度 死 因 は 究 明 した い 。 そ れ が 普 通
の 方 の 真 っ 当 な 意 見 だ と思 うの で す 。 そ う い う こ と を 全 く考 え な い こ うい う記 事 が 出 て し
ま う の は 、 私 と して もす ご く心 外 で す 。
そ れ で 、 これ は 一 体 な ぜ こ うい う こ とが 起 こ る の か 。 解 剖 と い う も の が 普 通 の 医 療 行 為
だ と何 に 当 た る か と い う と、 お そ ら く、 手 術 に 当 た る と思 うの で す 。 私 た ち は 魔 術 師 で も
何 で も な い の で 、 自分 に 来 た 患 者 様 を 直 接 表 か ら見 た だ け で 「あ な た は癌 が あ る か ら手 術
を しま し ょ う」 と 言 う外 科 医 の 先 生 は い な い と尽 う の で す 。 癌 と 判 明 して 、 そ れ が 治 療 効
果 が あ る 手 術 に 持 っ て い く た め に は い ろ い ろ な 検 査 が 必 要 だ と。 そ の た め の 一 つ の 方 法 が
画 像 診 断 だ と思 う の で す 。 で す の で 、 患 者 様 が 来 た 。 そ こ の た め に 、 ま ず 、 解 剖 が 必 要 か
ど うか の ス ク リー ニ ン グ の た め 、 異 状 死 を発 見す る た め の ス ク リー ニ ン グ と して Aiが 必 要
だ と。 そ うい っ た 使 い 方 を して ほ しい 。
海 外 だ と剖 検 率 が 高 い とい う前 提 が あ る の で 、 別 に 、 そ れ は 構 わ な い の か も しれ な い の
で す が 、 日本 は 解 剖 率 力`低 い で す 。 異 状 死 に 対 す る 解 剖 率 は 10%と か い う の で す が 、 本 当
の 異 状 死 と い う の は 病 院 の 外 で 亡 くな つ た も の だ け な の か 。 い ま 問 題 に な っ て い る 診 療 関
連 死 と い う の は 病 院 の 中 で 亡 くな っ て い る 事 例 な の で す 。 そ うい う も の も含 め た 全 体 の 解
剖 率 とい うの は 、 実 は 、 2%台 な の で す 。 こ れ だ け しか 解 剖 が で き て い な い 。 100人 い た ら
97人 、 98人 は 表 か ら見 た だ け で 死 因 を決 め て い る の で す 。 ど う見 て も これ は 異 状 だ と6解
剖 は 、 先 ほ ど も言 つ た よ うに 、 遺 族 に や さ しい 検 査 で は な い の で 、 これ は な か な か 受 け 入
12
れ られ な い 。 そ うい つて 困 つ た と こ ろ で 救 急 の 先 生 方 が 使 い だ した の が Aiだ と い う と こ ろ
は あ りま す 。
先 ほ ど塩 谷 先 生 もお つ し ゃ つ て い た の で す が 、 別 に 、 私 た ち は 画 像 だ け で 診 断 して い ま
せ ん 。 通 常 の 読 影 業 務 で も 、 臨 床 情 報 、 電 子 カ ル テ の 情 報 を 全 部 参 照 に し、 生 前 の デ ー タ
が あ る の で した らそ れ も参 考 に した 上 で 画 像 診 断 を す る の で す 。 で す の で 、 そ うい っ た も
の を加 味 した 上 で 判 断 す る べ き で す 。 私 た ち が 本 当 に 素 直 に 「画 像 だ け で 3割 」 と 言 うの
を 、 ほ か の 先 生 方 が 使 っ た 場 合 に は 、 あ な た た ち は 本 当 に そ うい っ た 情 報 を 何 も信 用 しな
い で 解 剖 だ け の 所 見 で や つ て み た ら どれ ぐ ら い な の か 、 とい う こ と を 逆 に 聞 き た い と思 い
ます 。
で す の で 、 死 因 究 明 と い うの は 、 お そ ら く 、 い ろ い ろ な モ ダ リテ ィ、 情 報 も あ りま す し
薬 物 検 査 も あ りま す し検 死 の 情 報 も あ る 。 あ る 先 生 か ら聞 い た と こ ろ で は 、 検 死 の 情 報 だ
け で 6割 ぐ ら い は 死 因 究 明 が で き る と い う と こ ろ の 意 見 もあ りま す の で 、 異 状 死 に 関 して
は こ の 検 死 情 報 と Aiを 組 み合 わせ る と い うセ ッ トが 、 日本 で あ る程 度 広 ま つ て い け た らな
と 考 え て お りま す 。
こ こ か ら は ス ラ イ ドに あ る と思 い ま す 。 も う一 回 お さ ら い しま す 。 ど う して も 取 つ て 代
わ ろ う と は 思 わ な い の で す が 、 利 点 。欠 点 を 述 べ な け れ ば い け な い 場 合 に は 、 対 象 とな る
も の は 解 剖 と い う形 に な りま す 。 こ の 解 剖 と い う の は 、 遺 族 の 承 諾 が な か な か 得 に く くて 、
現 実 と して 2%台 で す 。 これ は 、 解 剖 医 を増 や そ うが 何 を しよ うが 、 遺 族 の ほ うか ら 「や つ
て くだ さ い 」 と い う お 願 い が な い 限 りは 増 え な い の で す 。 放 射 線 科 もそ うな の で す が 、 依
頼 を され て 初 め て 検 査 が 成 立 す る の で す 。 これ は 、 司 法 の 強 制 解 音J以 外 は み ん な 同 じ立 場
だ と思 い ま す 。 そ れ に 対 して 、 Aiと い うの は 遺 族 に と つ て優 しい 検 査 だ と思 うの で 、 拒 否
例 は ほ と ん ど あ りま せ ん 。 ま た 、 も う一 つ 重 要 な の は 、 情 報 提 供 ま で の 時 間 で す 。 検 査 時
間 は 10分 程 度 で 終 わ つ て 、 ざ っ と した 意 見 だ つ た ら数 時 間 以 内 に遺 族 に す ぐ伝 え る こ とが
で き る。 そ れ に 対 して 、 解 剖 は 、 固 定 標 本 を つ く つ て 、 顕 微 鏡 で 覗 い て 結 果 を ま と め る ま
で 数 力 月 か か つ て しま うの です 。
そ れ か ら 、 こ れ は 情 報 セ ン タ ー を つ く っ た と こ ろ の 意 義 に も あ る の です が 、 第 二 者 と し
て の 評 価 が 可 能 か ど うか 。 画 像 デ ー タ は 院 外 に 持 ち 出 し 、 これ は 改 宣 で き な い とか セ キ ュ
リ テ ィ の 問 題 を ク リア した 上 で す が 、 第 二 者 の 事 件 を そ の 画 像 を提 供 す る こ とで み ん な で
評 価 す る こ とが で き ます 。 そ れ に 対 して 、 一 度 破 壊 検 査 を して しま っ た 場 合 に は 、 そ れ を
も う一 回 検 査 す る と い う の は な か な か 難 し い と思 い ま す 。 ま た 、 検 査 費 用 に 対 して も値 段
が か な り違 う。 も う一 つ 、 裁 判 員 制 度 の 場 合 に は 、 画 像 情 報 は 提 示 す る こ とが 可 能 で は な
い か と い う こ と も言 え る と思 い ま す 。
で す の で 、 今 回 、 画 像 診 断 と い う形 で 検 討 会 が 立 ち 上 が つ た と思 うの で す が 、 基 本 に な
る も の は CTで す 。 こ れ は 全 国 一 定 レベ ル で ど こ で も行 え る。 簡 便 に 行 われ て 遺 族 に 優 しい
と い う と こ ろ が あ る の で 、 まず これ を 基 準 に 判 断 す べ き で 、 MRが ど うだ 造 影 CTは ど うか と
い う の は 、 ま た そ の 後 に こ の 制 度 が き ち っ とで き て 、 予 算 請 求 が で き た 上 で す べ き 問 題 だ
と思 い ま す 。 こ こ で 重 要 な の は 、 Aiを 行 う の は診 療 放 射 線 技 師 な の で す。 Aiを 読 影 す る の
は 画 像 診 断 で す か ら、 放 射 線 科 医 な の で す 。 ど う も、 放 射 線 科 と い うの は 今 ま で 日陰 者 で
して 、 あ ま り表 に 出 て こ な か つ た の で 、 画 像 診 断 は 誰 が す るの だ ろ うと。 今 ま で は こ の 死
因 究 明 と い う大 き な 括 り の 中 で 考 え られ て い た の で 、 お そ ら く、 死 因 究 明 に か か わ る人 た
ち は 法 医 学 の 先 生 方 あ る い は 病 理 の 先 生 方 とい う と こ ろ に コ ン サ ル トを して 、 「 ど う した
ら い い の で し ょ うね 」 と い う形 の 依 頼 が 多 か っ た の で す が 、私 た ち も、や っ とや ら な けれ
ば い け な い な と 。 社 会 的 な ニ ー ズ が あ る と い う こ と 、 必 要 に迫 られ て い る と い う こ とが あ
つ て 、 や つ と発 言 し始 め た とい うの が 現 状 で す 。
こ こ で 費 用 が 必 要 だ と。 これ は 何 の 費 用 な の か と い う と 、 先 ほ ど の 資 料 で 、 厚 労 省 の 方
々 は お 金 を 付 け て くだ さい ま した 。 確 か に 、 画 期 的 な こ とだ と思 う の で す が 、 要 は 箱 物 な
の で す ね 。 実 際 に 私 た ち は 現 場 で も う Aiを や つ て い る の です 。 国 か ら箱 物 に 費 用 が 付 い た
か らや つ て い る の で は な く て 、 自発 的 に や つ て い る の で す 。 で は 、 何 が 必 要 な の か とい う
と 、 撮 影 し た そ の 技 師 に 対 す る 正 当 な 費 用 、 あ る い は 読 影 した と き に対 す る正 当 な 費 用 、
・
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これ を払 つて くだ さ い。 そ れ さえ払 えれ ば 、 現 状 で あ る程 度 施 設 が あ りま す。 た だ 、死 体
損 壊 が 激 しい 症 例 な どに つ い て 専 用 め も の が 必 要 か も しれ な い の で 、 それ に 対 す る整 備 が
必 要 か も しれ な い の で す が 、 CTは オモ チ ャ で はない の です。 高等 な撮 影診 療機 械 で す の で 、
それ を きち ん と動 かせ る技 師 が必 要 で す 。 な お かつ 、 ど うい った 形 で 撮 る とい うプ ロ トコ
ー ル を決 め る放 射 線 科 医 の 判 断 が必 要 で す 。 で す の で 、 そ うい う こ とを加 味 した 費 用 を是
非付 けてい た だ き た い と思 い ます 。
Aiセ ン ター で す が 、 これ は私 が 千葉 大 に 所 属 して い ま した ので 少 し話 しま す が 、現 実 に
は 2005年 の 11月 か ら始 め てい ま す。 今 年 の 5月 で 350例 です 。 か な りの件 数 を こな して
い ます 。 た だ (い ろ い ろな段 階 が あ りま して 、私 も最 初 は 病 理 と対 比 しない と どん な 現 象
が 起 こるか わ か らな い 。 で す の で 、病 理 解 剖 とセ ッ トで 行 うこ とを始 め ま した 。 た だ し、
解 剖 数 が 限 られ て い て 検 査 件 数 が なか なか 増 えな ぃ の で 、 2007年 か らは院外 の 病 院 か らも
受 け付 け る よ うに しま した 。 これ が Aiセ ン ター の名 称 の基 になっ てい ます。
それ で 、 2009年 か らは病 理解剖 の 有 無 にか か わ らず 、遺 族 が 承 諾 した も の に 対 して は全
例 Ai実 施 とな って い ます 。 そ うす る と ど うな るか とい うと、 グラ フで 表 した よ うに、 2005
年 か ら年 々 増加 の一 途 を辿 ります 。 病 理 解剖 数 は、 い ちばん 下 に あ る の です が 、年 間 40例
前 後 で推 移 して い る の で す が 、検 査 件 数 は 増 えて くる。 です ので 、病 理 解 剖 が あ った に越
した こ とは な い の で す が 、 解剖 と画 像 検 査 は別 とい う認 識 を持 っ て くだ さい 。 そ う しな い
と、解 剖 医 が い な い 所 の 施 設 で は Aiが で きな い とい う こ とに もな りか れ ませ ん 。
こ うい つた 形 で 、現在 で は い くつ か の 病 院 で Aiセ ン ター が稼働 しま して 、今 日委員 と し
て 参加 な さっ て い る宮崎 先 生 の佐 賀 大学 医学部 で も Aiが 稼働 し始 めた 、札 幌 医科 大 学 で も
教 育 GPを 獲 得 して 検 査 を してい る とい う実情 が あ ります。
また 、 Ai学 会 の ほ うで 10施 設 で 実施 してい る もの に 申請 して くだ さい とい っ た 場合 に は、
も う 10何 施 設 以 上 登録 とい う現 実 もあ ります。 で す の で 、社会 的 に はあ る程 度 認 知 され て 、
実際 の 臨床 の 現 場 で動 い て い る とい うの が Aiの 現状 だ と思 い ます 。 ただ し、 な か なか難 し
い とこ、
ろが あ っ て 、 や りた くな い とい う方 もあ るの で す。 それ は 、社 会 制度 と して き ち っ
と認 定 され て い な い か ら、 あ る い は 院 内 の コ ンセ ン サ ス が 得 られ て い な い か らです 。 で は 、
そ のた め に何 を した らい い のか とい う形 で 臨床 の い ろ い ろな各 科 医 が活動 を始 め て い ま す 。
Ai学 会 は 2ё 03年 か ら、 日本 医師会 は今 まで 積極 的 に 検 討 してい た だいて 2007年 か らで 、
今 年 も中間 答 申 を 出 して い た だ い てお ります 。今 後 も活 動 は 続 く と思 い ま す 。 ま た 、技 師
会 の ほ うも 2008年 か らです。 この 診療 法射線 技 師 た ちが CT装 置 を使 って や る検 査 とい う
認 識 が も の す ご く強 くて 、 こ ち らも活 用 検討 委員 会 な ので す 。 2008年 か ら継 続 的 にヽ
検討会
を行 って い ま して 、今 度 の 7月 には シ ンポ ジ ウム も行 わ れ る予定 で す。
本 来 で した ら、 い ち ば ん 最 初 に 動 か な けれ ばい け な か った の は法 射線 専 門 医会 、 あ る い
は法 射線 学 会 な の です が 、 諸般 の 事 情 と して 、 まず 死 後 画像 に つ い て慣 れ て い る先 生 が い
な か った:あ と、 当然 、 費 用 が 付 か な か っ た 。 読影 を した 場 合 に 、 間違 つ た こ とを 書 い て 、
そ れ が 何 か 問題 が 起 こ るの で はな い か 。 裁 判 所 に 出廷 して 意 見 を言 わな けれ ば い け な い と
か 、通 常 の 日常 業 務 で も生 きて い る患 者 の 読 影 で 忙 しい の で す 。 そ うい っ た も の に加 えて 、
なぜ ただ 働 きま で して リス クを背 負 わ な けれ ばい け な い のか とい うのが 今 ま で根 底 に あ り
ま した の で 、 な か な か 前 向 きにな らな か っ た 。 た だ し、社 会 的 な意 義 は あ る、 そ して これ
は必 ず必要 にな る検 査 な の だ 、 とい うところで 2009年 に Aiの ワー キング グル ー プが 設 立
され ま した 。
この 目的 とい うの は何 か 。 お そ らく、 Aiが 新 しい死 因究 明制 度 に 組 み 込 まれ るだ ろ う。
それ を予測 して 、 見越 した上 で臨 床 医側 に立 った 死 因 究 明制度。 画像診断 が Alの 中心 で す
ので 、 司法 解 剖 、 病 理 解 剖 と切 り離 した 、 まず 画像 診 断 で何 が で き るか、何 を しな けれ ば
い けな い の か 、 と い うこ とを考 え る 目的 の 会 です 。 そ の た めに 、 い ちばん ネ ック とな っ て
い たの が 適 切 な報 酬 を付 け て くだ さい と。 ま た 、 き ち っ と した 読 影 を行 うた め に はデ ー タ
の 集積 と教 育 が必 要 だ ろ う。 そ うい っ た 形 の 活動 も しな けれ ば い け ない 。 こ うい う た形 で
の 教 育制度 、先 日、 札幌 で第 1回 目の研 修 会 も開 かれ たので す が 、や っ と動 き出 した ぐ ら
い です。
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問 題 点 と して は 、 ま だ 読 影 で き る先 生 が 少 な い と い う こ と 。 そ れ か ら 、 得 られ た 所 見 が
ど う解 釈 す べ き か 。 こ こ ら辺 の 統 一 が 、 読 影 本 は で き て い る の で す が 、 ま だ 難 し い b臨 床
の 先 生 方 が い ち ば ん 恐 れ て い る の は 、 間 違 っ た 場 合 に 訴 え られ て しま う の か 。 そ う い っ た
リ ス ク が あ る の で な か な か 難 しい と こ ろ が あ りま す 。 た だ 、 こ うい っ た 先 生 方 は 、 読 ま さ
れ た ら読 む か も しれ ま せ ん が 、 も しか して 別 に コ ン サ ル トで き る シ ス テ ム が あ っ た らそ ち
ら に 流 す とい う こ と も 可 能 な の で す 。 放 射 線 科 医 とい う の は 、 撮 影 に つ い て も あ る 程 度 の
意 見 を 言 い ます の で 、 そ の 施 設 の CT装 置 で こ うや つ て 撮 っ て くれ 、 と い うサ ジ ェ ス チ ョン
は 絶 対 に で き る は ず な の で す 。 で す の で (Aiは 撮 る 、 た だ し読 影 に つ い て は 第 二 者 機 関 に
回 す 。 そ うい っ た シ ス テ ム も必 要 な の で は な い か とい うの が こ の Aiの ワー キ ン グ グ ル ー プ
で の 課 題 に な りま して 、 今 の こ の Ai情 報 セ ン ター の 設 立 に つ な が っ て い ま す 。 活 動 と して
は 、 ガ イ ドライ ン を つ く る ヾ 読 影 の た め の 本 を つ くる と い うこ とに な っ て お りま す 。
そ れ で 、 や つ と ヮ ー キ ン グ グル ー プ が 活 動 しま して 、 情 報 セ ン タ ー を つ く ろ う と 。 こ の
情 報 セ ン ター の役 割 は何 な の か。 一 つ は 、 遺 族 が 求 め る情 報 が 、私 た ち 医療 者 側 が 必 要 と
す る情 報 と は違 う の で は な い か 。 私 た ち は 、 今 ま で 、 生 き て い る患 者 に 対 して 正 しい レポ
∵ 卜を 書 く こ とが 絶 対 に 必 要 な の だ な と。 そ うい つ た こ とを 重 点 的 に 考 え て 正 確 な レ ポ ー
トを つ く る 、 そ の た め に 研 鑽 を 重 ね て い ろ い ろ勉 強 して い た の で す が 、 ど うも、 遺 族 は そ
れ だ け で は な い の で は な い か と。 遺 族 が 求 め た い の は 公 平 、 公 正 中 立 的 な 第 二 者 と して の
意 見 が 聞 き た い と い う こ とが あ るみ た い な の で す 。
そ う い つ た こ と に 気 づ い た Tつ の 要 因 は 、 亀 田 の テ オ フ ィ リ ン 中 毒 の 訴 訟 と い う も の が
あ りま して 、 カ テ ー テ ル を 挿 入 した と き に 血 管 を傷 つ け て 出 血 した の で は な い か と い う形
に 遺 族 が 訴 え た の で す 。 た だ し、 こ の 症 例 に 対 して 病 院 内 の 病 理 解 剖 が 行 わ れ て い る 。 病
理 解 剖 で 血 管 に 傷 は な い の で す 。 た だ し 、 裁 判 に な っ た と き に そ れ が 証 拠 採 用 され な い の
です。
な ぜ か とい う と、 医 療 事 故 に お い て 、 院 内 の 解 剖 所 見 と い うの は 同 じ組 織 の 中 の 人 間 が
行 つ た 手 技 で す の で 証 拠 能 力 が な い と い う形 の 鑑 定 に な っ て しま う。 Aiも 、 同 じ 院 内 で 読
影 の 先 生 が 読 ん で しま つ た 場 合 に 、 これ が 問 題 に な る 可 能 性 が あ る 。 病 理 解 剖 が 認 め られ
な か っ た 最 高 裁 の 判 断 と して は 、 客 観 性 が な い か ら証 拠 採 用 しな か つ た 。 そ うい うふ うに
検 察 が 言 つ て い る の は合 理 的 だ ろ う と。 CTと い うの は 画 像 診 断 で 、 第 二 者 に も意 見 が 求 め
られ る 。 だ か ら 、 そ こ で 血 管 が 傷 つ け られ た よ うな ア ー チ フ ァ ク トが 出 た と した ら そ ち ら
の ほ うを優 先 す る とい う の は 判 断 と して 合 理 的 で す よ 、 と い う の が 最 高 裁 の 判 決 で した 。
そ れ で 、 実 際 に は 、 今 後 、 裁 判 員 制 度 が あ っ て 、解 剖 の 所 見 よ りも Aiめ 所 見 の ほ うが 証
拠 採 用 され る率 が 高 くな っ て く る で し ょ う し 、 ど こか の 事 例 で Aiが 証 拠 採 用 され た とす る
と、 今 度 、 裁 判 官 の 方 は 、 あ の 事 例 で は Aiが 情 報 と して 提 供 され た の に な ぜ 今 回 は 提 示 さ
れ な い の か 、 とい う こ と に も な りか ね な い と思 い ます 。
も う一 つ 、 こ の 第 二 者 の 意 見 を 遺 族 が 必 要 と して い る と い う事 例 を提 示 い た し ま す 。 こ
れ は 名 古 屋 大 学 の 事 例 な の で す が 、 1歳 の お 子 様 が 手 術 の 後 に急 変 して 亡 く な っ た 。 遺 族 は
第 二 者 と して の 解 剖 を して ほ しい と病 院 に 言 つ た の で す が 、 擦 っ た 揉 ん だ で な か な か 決 ま
ら な くて 、 そ の ご 遺 体 が 2カ 月 間 そ の ま ま 安 置 され て しま っ た とい うも の で す 。 名 古 屋 大
学 は 、 基 本 的 に 、 以 前 に 事 故 が あ つ た と い う こ とで 「隠 さな い 、 ご ま か さ な い 、 逃 げ な
い 」 と い う原 只」を つ く っ て 、 院 内 の リ ス ク マ ネ ー ジ メ ン トは き ち っ と して い る の で す 。 し
か し、 遺 族 の ほ うが 病 院 に 対 して 治 療 に 不 信 感 を持 っ て しま っ た 。 こ うい う場 合 は 、 い く
ら病 院 の ほ うが 高 邁 な 理 想 を 掲 げ て も 、 遺 族 と して は 殻 の 中 に 閉 じ こ も つ て しま っ て 意 見
を 聞 か な い 。 た だ 、 名 古 屋 は モ デ ル 事 業 の 地 域 で 、 も う一 つ 、 剖 検 運 営 シ ス テ ム と い っ て 、
輪 番 制 で ほ か の 施 設 の 解 剖 を 受 け 入 れ る と い う形 の シ 不 テ ム も あ っ た の で す が 、 こ れ は 、
も と も と 、 自分 の 所 で 病 理 解 剖 で き な い と き に 受 け付 け ま す よ 、 と い うタ イ プ の シ ス テ ム
で した の で 、名 古 屋 大 学 は 自分 の 所 で で き る 、 で は な ぜ こ ん な も の を使 う の か 、 と い う形
で 最 初 は 利 用 しな か っ た よ うで す 。
そ れ で 、 後 か ら考 え る と、 これ は モ デ ル 事 業 の ほ う が い い の で は な い か と い う声 も あ っ
た の で す が 、 こ れ に 対 して は 、 モ デ ル 事 業 を 異 状 死 に 限 定 して 運 用 して い る と。 た だ し、
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名 古屋 大 の 判 断 で は 、 医療 過 誤 に あた らな い と院 内 の 検 討 会 で判 断 した ら しい です 。 自分
の所 で 、 これ は 異 状 死 で な い と判 断 して しま っ た た め に 、 モ デル 事 業 に は届 け 出 られ なか
つ た 。 こ こが 問題 な の で す 。 遺 族 と して は第 二 者 の 意 見 を当然 聞 きた い 。 医療機 関 と して
は、 自分 は正 しい 医療 行 為 を行 つ てい て 、院 内 の 検 討 会 も開 催 して い る。 た だ し、 医療 関
連 死 か ど うか わ か らな い の です 。 そ の 判 断材 料 もな い の で す 。 モ デル 事 業 に 届 け出 るに は 、
診 療 行 為 に関連 した 死 亡 例 を受 け る とい う こ とに な っ て い る ので 、 そ うか ど うか わ か らな
い 段 階 で は な か な か 難 しい。 こ こが この 医療 機 関 とモ デ ル 事 業 の間 の ジ レンマ なの で は な
いか と思 い ます 。
で はヾ ここで Aiを 活 用 した ら ど うな るか 。 な お かつ 、第 二 者 の意見 と して の Aiを 取 り
入 れ る と、情報 セ ン タ ー に 意 見 を聞 く こ とが 第 二 者 と して は で き る。 医療 機 関者 と して は 、
院 内 の 検 討 会 の と きに この 客観 的 な 情 報 も参 考 に して 、 これ はや は リモ デ ル 事 業 に 届 け出
るか ど うか とい うの も判 断 で き るの だ と思 い ます 。 こ こまで は医療 機 関 で 行 う行 為 。 も し
これ が 今 後 続 くか も しれ な い モ デ ル 事 業 で行 わ れ た 場 合 に は 、 この 情 報 と剖 検 を組 み合 わ
せ て 、精 度 の 高 い 報 告 を行 って くれ とい う形 に な る の で は な いか と思 ぃ ま す。 た だ し、 こ
れ は別 ル ー トか ら Aiを 依 頼 され て い ます。
こ こで ポイ ン トな の は 、 そ この 病 院 でや る Aiに つ い ては遺 族 は何 ら文 句 を言 わ な いの で
す。 それ に対 して 、 第 二 者 の 意 見 が 聞 きた い と い う形 で画 像 が 私 の 所 に 送 られ て きま した 。
名 古屋 大 の 先 生 も、 き ちん と読 影 を してお りま して 、 そ この 所 の 読影 結 果 と私 た ち の 読影
結 果 は相 違 点 が あ りませ ん で した 。 そ して 、 そ の 結 果 を ま た遺 族 に説 明す る と、遺 族 の ほ
うか らは本 当に感 謝 しま した とい う形 で直接 御 礼 が くる の で す。 今 ま で、 私 は生 き て い る
方 の 読影 をず つ と 10年 以 上や らてぃ るの で す が 、診 断 され た方 か ら直接 レポー トの 報告 書
に つ い て 感 謝 され る と い う こ とは ま ず な い の で す。 レポー トを通 して 、 な お かつ 主治 医 を
通 して の 媒 介 です の で 、私 た ちが こ うい うふ うな形 で 社 会 貢 献が で き る の だ とい うの が 、
この Aiと い うも の の 特 徴 で あ り、放 射線科 医 が か か わ るべ き ところな のか も しれ な い と思
い ます 。
た だ し、解割 は ど うな う た か とい うと、最 初 に 揉 めて しま い ま した か ら 、遺 族側 の 弁 護
士 立 ち会 い で、 2時 間 で 、傷 み が ひ どか つ た と。 死 因 に結 び付 くよ うな話 は特 になか った 。
なお かつ 、病理 の 結 果 は さ らに 1カ 月か か る。 これ が よ くあ る報告 例 とな っ て しま い ます 。
です の で 、 モ デ ル 事 業 は 、 こ うい つ た形 で診 療 行 為 に関 連 した死 亡 を適 当 と考 え られ る
事 例 を 受 け付 け る と言 つて い る の で す が 、 医療 機 関側 か らす る と、 どれ が 適 当か適 当で な
い か 決 め られ な く て迷 って い る の で す 。 そ こが 問題 な の です 。 で す の で 、 こ れ を き ち っ と
決 め るた めに何 が 使 え るのか。 たぶ ん Aiな ので は な い か と思 い ます 。
実際 に Aiを 活 用 して い な い モ デ ル 事業 は ど うな っ て い るか とい うと、結 果 は 10カ 月 以
上で 、 1例 当 り 94.7万 とい う形 にな ってい るの で 、 この ま まだ といか んだ ろ うと。 です の
で 、今 後 の死 因 究 明 シ ス テ ム は ど うす れ ば い い の か 。 一 つ は 、今 まで 既 存 の 形 のモ デ ル 事
業 を 中 心 と した も の が あ るか と思 い ます が 、 も う一 つ 、今 回 の 検 討 会 をベ ニ ス に して い た
だい た Aiを 基盤 と した 死 因究 明 システ ム も検 討 してい ただ きた い と思 い ます 。 この 場合 の
Aiと い うの は 、解 剖 の 代替 で は な い ので す 。 ス ク リー ニ ン グ と してや っ て くだ さい 。 これ
は 客観 性 が あ っ て 、第 二 者 に依 頼 す る こ とが で き る。 ま た、 即 時性 が あ っ て 遺族 に す ぐ説
明 が で き る。 こ こ ら辺 が 遺 族 に 優 しい 検 査 とい う形 に な る と思 い ます 。 な お かつ 、 異 状 を
見 つ け る こ とだ け が 問題 で はな い の で す。 医療 事 故 の 場 合 と うの は 、 お そ ら く、 み ん な 医
療 事 故 か も しれ な い とい う形 で 疑 心 暗 鬼 に な っ て い るの です 」 で す の で 、画 像 を撮 って 、
所 見 が な くて も構 わ な い 。 逆 に 、所 見 が な い こ との ほ うが 重 要 な の で す 。 要 は 、 医療 事 故
に 伴 う出血や臓 器 損 傷 が な い の です よ 、 とい う こ とを言 つて あ げ る こ とが で きれ ば 、 ま ず
そ の 病 院 の段 階 で の 患 者 と医療 者 側 の コ ン フ リク トが な くな る の で は な い か と私 は 考 え ま
す。
それ で 、 ここの 図 で は、 現 在 のモ デ ル 事 業 は 医 療 関連 死 に 関連 した 部 分 と。 ど うも、今
まで 、解 割 の事 例 で どこが 重要 か とい うと、 こ の異 状 死 16万 体 に つ い て 1万 6,000体 しか
解 剖 が で きて い ませ ん 、 10%で す よ 、 とい う こ とが言 われ てい る の で す が 、 本 当 に異 状 死
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は 病 院 の 外 だ け な の か とい う と 、 絶 対 に そ ん な こ とは あ り得 な い の で す 。 多 く 亡 く な っ て
い る の は 当然 病 院 の 中 な の で 、 こ の 中 に も異 状 死 は 当然 入 つ て き ます 。 なお か つ 、 モ デル
事 業 と い うの は 、 こ の 病 院 の 中 で 亡 く な っ た も の の 中 の ご く 一 部 の 医 療 関 連 死 しか 扱 っ て
い な い の で 、 これ の お ま け と して Aiが 使 わ れ た ら、 本 当 に 顕 微 鏡 の 虫 眼 鏡 で 見 る よ うな形
の 検 査 に しか な ら な い 。 これ は や め て い た だ き た い 。
で は 、 ど うす る か 。 と りあ え ず ス ク リー ニ ン グ と して 全 体 に Aiを 行 つ て く だ さい 。 で す
の で 、 た ぶ ん 、 異 状 死 に 関 して は 不 明 死 体 か ら事 件 性 の も の を ス ク リー ニ ン グ しま し ょ う。
検 死 の 情 報 と併 せ て 初 動 捜 査 を確 実 に す る。 そ うす る と 、 た ぶ ん 、 捜 査 費 用 が ど の ぐ ら い
軽 減 す る か とい う こ と が エ ビ デ ン ス と して 出 て く る か も しれ ま せ ん 。 ま た 、 病 院 の 中 に 関
して は 、 医 療 過 誤 死 と か い う問 題 も あ る と思 うの で 、 そ ち ら に 関 して は 、 Aiを 行 う こ とに
よ つ て 訴 訟 リ ス ク が ど の ぐ ら い 減 る か と い うエ ビ デ ン ス も 出 て く る か も しれ ま せ ん 。 で す
の で 、 院 外 で あ ろ うが 院 内 で あ ろ うが 、 Aiを や る こ との デ メ リ ッ トは あ ま りな い の で は な
い か 、 や る た め に は き ち ん とお 金 を付 け て く だ さ い と。
そ れ で 、 問 題 と して す ご く挙 が つ て い た の は 、 医 療 訴 訟 に な る.と き の 問 題 が 遺 族 と担 当
医 に 情 報 が 共 有 で き な い た め 、 溝 が あ っ た と 。 そ れ を埋 め る の が Aiと い う客 観 デ ー タ と い
うふ う に な る と思 い ま す 。 こ の 情 報 を 基 に す る と 、 医 療 者 側 の み が 情 報 を 持 っ て い る の で
は な く て 、 遺 族 側 に も 提 供 で き る。 情 報 格 差 も な く し 、 な お か つ 第 三 者 の 意 見 も聞 け る と
い う こ とに な りま す 。
で は 、 なぜ Ai情 報 セ ン タ ー が 必 要 な の か 、 各 地 に Aiセ ン タ ー が で き た か ら い い の で は
な い か と。 ど うも 、 Aiを 行 え る の は 一 般 病 院 、 最 近 増 え て き た Aiセ ン タ ー や 法 医 学 教 室 の
cT装 置 とい うの も あ りま す 。 も う一 つ は 、 モ バ イ ル CTの 活 用 も検 討 され る べ き だ と思 い ま
す 。 た だ 、 そ れ ぞ れ に 利 点 と欠 点 が あ つ て 、 一 般 病 院 で は き ち ん と検 査 の 撮 影 が で き る診
療 放 射 線 技 師 は い る の で す 。 た だ し 、 読 影 で き る 医 師 が い る か ど うか は 不 明 で あ る 。 法 医
学 教 室 で は 、 お そ ら く 、 放 射 線 科 医 が 所 属 し て い る所 が ほ とん どな い 、 協 力 で き て い る所
も ま だ 少 な い の で 読 影 で き る か ど うか わ か ら な い 。 あ と 、 一 般 病 院 で は 外 か ら の 症 例 に つ
い て 引 き 受 け る と い う所 は ま だ 本 当 に 限 られ て い ま す 。 で す の で 、 撮 る所 で 全 部 読 影 ま で
行 お う とす る と無 理 が あ る。 これ を解 消 す る た め に 何 をす れ ば い い か 。 二 般 病 院 の 問 題 と
い う の は 、 あ ま り うち で Aiを や つ て い る と い うの は 大 き な 声 で 言 つ て ほ し くな い ん だ よね
と。 自分 の 病 院 で 亡 く な っ た と き に は し ょ う が な い け れ ど も、 外 か ら の 検 査 な ん て 絶 対 に
引 き 受 け た くな い ん だ よ と。 実 は 、 放 射 線 科 の 先 生 が 死 体 を 読 ん だ こ とが な い か ら読 み た
く な い と言 つ て い る ん だ よね と。 講 演 会 で や る と 、 こ うい う声 が い く つ か 聞 こ え て く る の
で す 。 そ うす る と 、 何 が 問 題 か と い う と、 検 査 だ け は き ち ん と行 っ て く だ さ い 、 読 影 は ど
こ か 引 き 受 け る施 設 が あ れ ば そ こ に 回 せ ば い い の で は な い か と い う形 の 意 見 に な りま す 。
で す の で 、 院 内 で 実 施 で き る 場 合 に は そ こ で や つ て も ら う。 院 内 で 実 施 で き な い 場 合 は 、
受 付 先 と して い て 今 だ い ぶ 増 え て き た Aiセ ン タ ー を利 用 して も ら う、 あ る い は モ バ イ ル CT
を 利 用 して も ら う。 ま た 、 読 影 に 関 して は 専 門 医 会 が 立 ち 上 げ た Aiワ ー キ ン グ とか 、 メ ン
バ ー が 所 属 して い る Ai情 報 セ ン タ ー を活 用 して い た だ き た い 。
そ れ で 、 どれ に つ い て 行 うか と い うの が 今 回 の 検 討 会 で 是 非 議 論 して い た だ き た い と こ
ろ で す 。 よ く言 わ れ る の は 大 き な イ ベ ン ト、 手 術 の 後 に 急 変 した 症 例 と い う意 見 も あ りま
す し 、 児 童 虐 待 に つ い て や っ て い た だ き た い と い うの も 日本 医 師 会 の 提 言 と して あ りま す 。
ま た 、 も う一 つ 、 こ れ は 多 く の 遺 族 が そ うな の で す が 、 どん な 普 通 の 病 気 で も 最 後 は 急 変
す る こ とが 多 い の で す 。 そ う した 場 合 に 、 何 が 起 こ っ た か わ か らな い か ら、 別 に 、 病 院 を
疑 つ て い る わ け で は な い の だ けれ ど も何 が 起 こ っ た か 知 りた い 、 死 因 を あ る程 度 推 定 した
い と い うの が あ りま す 。 そ う い つ た 場 合 に も 、 遺 族 の 要 望 に対 して 応 え られ る よ うな 形 で
Aiを 実 施 で き る体 制 を整 え て い た だ き た い と思 い ます 。
で す の で 、 こ の 場 合 は 検 査 と読 影 を 分 け る 。 検 査 は 診 療 放 射 線 技 師 、 読 影 は 放 射 線 科 の
専 門 医 、 そ れ ぞ れ 別 に 費 用 が 必 要 だ とい う こ と を ま ず 認 識 して い た だ き た ぃ と思 い ます 。
そ うす る と 、 検 査 の 実 施 は 各 施 設 で 行 う こ と が で き て 、 少 な く と も 、 こ れ を各 県 に 一 つ 、
外 部 か ら の 依 頼 を 受 け 付 け る機 関 が で きれ ば 、 そ こ で まず Aiだ け を行 っ て しま う。 も しそ
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こ で 読 影 が で き る の で あれ ば そ こ で 任 せ て も い い で し ょ ぅ し 、 そ こ で 読 影 で き た と して も
第 二 者 の 意 見 が 聞 き た い と い う遺 族 の 要 望 が あ っ た 場 合 に は 、 それ を Ai情 報 セ ン タ ー に 送
つ て い た だ く。 こ うい つ た 形 の フ ォ ロー が で きれ ば 良 い 制 度 が で き る の で は な い か と思 い
ます 。
そ れ で 、 医 療 事 故 の 場 合 に 何 が 問 題 な の か 。 ポ イ ン トは 、 起 き た と き に す ぐ 亡 くな る事
例 以 外 の も の が た く さん あ る の で す 。 医 療 者 側 も必 死 に 救 命 しよ う と す る の で 、 事 故 が 発
生 した と き 、 そ れ か ら患 者 さん が 亡 くな つ た 場 合 に タイ ム ラ グが あ る の で す 。 そ うす る と 、
起 き た と き の 画 像 と 亡 くな っ た と き の 画 像 の 間 で い ろ い ろ情 報 が 変 わ っ て しま う。 今 ま で
こ うい つ た こ とに言 及 しな い で 行 われ て き た の が剖 検 だ け な の で す 。 剖 検 とい うの はす ご
く優 れ て い る の で す が 、発 生 した とき の 状 況 に い ろ い ろ な情 報 が 修 飾 され て しま うと こ ろ
が 問題 で す。 事 件 が 発 生 した とき と亡 くな つ た とき の 両方 で Aiを 撮 つ て あ げれ ば 、 この 画
像 2つ を比較 して 、 ど うい つた イ ベ ン トが起 こ っ た か とい う ことを今 ま で 以 上 に精 査 で き
るの で は な いか と思 い ます 。
そ の 情 報 を、 院 内 の 安全 委 員 会 だ と第 二 者 の 意 見 で は な い とい う意 見 が あ るか も しれ な
い の で 、 これ を情 報 セ ン タ ー で 読 影 す る。 それ で 異 状 死 の 疑 いが あ っ た ら、 この 後 、解 剖
に回 す 。 そ うい う流 れ もあ っ て い いの で は な い か と思 い ます 。 です の で 、 院 内 で の 実施 、
情報 セ ン ター の 活 用 、最 後 に剖 検 とい う流 れ が で き る と思 い ます。 現 在 、 Ai情 報 セ ン ター
にっ いて はホー ムペ ー ジで あ る程 度 活動 が 紹 介 で きて い ます 。 年 間 3,000例 ぐら い まで は
読影 可能 で す。 メ ンバ ー と して は ワー キ ン グ グル ー プ の 中 の 6名 の 放 射 線 科 の 専 門 医 が 所
属 してい ます 。
今 後 な の です が 、前 に放 射 線 科 の ニ ュー ス レ ター で 載 った ので す が 、 4%ぐ らい の 人 を 向
けれ ば、異状 死 16万 体 は何 とか な るので は な い か 。 そ の ため に向 けて 、 現 在 、研 修 会 の 制
度 あ る い は ガイ ドライ ン な どの整 備 を整 え て い る途 中 で す。 費用 は どの ぐ らい か 。 日本 医
師会 の ほ うの答 申で、 1体 の 費 用 を 5万 2,500円 とい う形 を試 算 してい ます ので 、 これ が ベ
ー ス に な る の で は な いか と思 い ま す。 また 、情 報 セ ン タニ で の読影 依 頼 は 1件 に つ い て 3
万 円 とい う額 を今 の ところ設 定 してお ります 。 読影 方法 に つ いて はイ ン タ ー ネ ッ トを経 由
した 簡 易 な シ ス テ ム で 、普 通 に パ ソ コ ンが 使 え る方 で した ら使 え る よ うな シ 不 テ ム を 目指
してい ます。
そ うい つた 形 で 、社 会 的 に も活 用す るた め の デ ー タベ ー ス の 蓄積 も行 つ てい く とい うの
も、今 後 、情報 セ ン ター の 活 動 の 一つ で す 。 目的 と して は、 Aiは 医療 の 現 場 の エ ン ドポ イ
ン トで 医療 従 事 者 が 診 断 しま し ょ う。 費用 は 医療 費 外 か ら医療 現 場 に支 払 つて くだ さい 。
Ai情 報 に つい て は 医療従 事 者 並 び に遺族 の 関係者 に も中 立的かつ公 平 に提 示す るシ ス テ ム
に して くだ さい 。 そ うい う ふ うに な ってい ます 。
最 後 で す。 遺 族 の立 場 で の 死 因 究明制 度 を是 非 とも確 立 して ほ しい と思 い ます 。 今 回 の
Aiと い うの は基 本 的 に画 像 診 断 です 。検 査 を行 うの は技 師 であ り、読 影 は 放射線 科 専門 医
が 行 い ます。 そ れ ぞれ に つ い て 、 物 では な くて人 に 費用 を付 けて くだ さい 。 Aiを ス ク リー
ニ ン グ と して 活 用 して くだ さい 。 これ が 私 と して の 意 見 で す。 ど うもあ りが と う ご ざい ま
した 。
○ 門 田座 長 非 常 に説 得力 の あ る ご発表 を して い ただ きま した が 、 まだ 10分 か 15分 ぐ ら
い の 時 間 は あ る と思 い ます の で 、 い まの 山本 先 生 か らの ご発表 につ い て の ご質 問 をお願 い
したい と思 い ます 。
○今村 先 生 2点 あ ります 。 日本 医師会 は 、例 えば この 制度 をつ くるた め に は きちん と した
拠 出 を して い ただか な けれ ば で きな い と うこ とは 申 し上 げて い て 、塩 谷先 生や 山本 先
費用・
生 も金額 につ い て触 れ てい た だい た の で す が 、現在 、 千葉 大 の Aiセ ン タ ー は年 々 読影 が 増
えて い る とい う こ とが あ る の で す が 、 この 費 用 に う い て は ほ とん ど持 ち出 しとい うこ とで
よろ しい の で し よ うか。今 、全 国 に Aiセ ンタ ー が 多数 で きて い る中で 、皆 さん は ど、
のよ う
い
のか
い
に運 営 され て る
な と うこ とが 1点 あ ります 。
も う 1点 は t情 報 の共 有 とい うか 、集 約 とぃ うの は とて も大事 だ と思 ってい る ので す が 、
今 、Ai情 報 セ ン ター の ほ うには 読影 の依 頼 が どん どん 増 えて きて い る の で しょ うか 。 現 状
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だ け 教 え て い た だ け ませ ん か 。
○ 山 本 先 生 1点 目 の 千 葉 大 で の 検 査 の 状 況 な の で す が 、基 本 的 に 病 院 持 ち で す 。 も と も と
が 科 研 費 を 少 し付 け て い た だ い て 始 め た も の な の で す が 、技 師 の 協 力 と放 射 線 科 診 断 医 が
生 体 の 読 影 の 合 間 を ぬ っ て 何 とか こ な して い る と い う の が 現 状 で す 。 私 た ち の 施 設 で した
ら、 何 とか 我 慢 して ね と い う形 で 言 え る か も しれ な い の です が 、 全 国 に広 げ る 場 合 に は 絶
対 に あ つ て は な らな い こ と な の で す 。 正 当 な 行 為 に 対 して は 正 当 な 費 用 を 拠 出 して い た だ
き た い と い うの が 私 た ち の 要 望 で す 。
も う 1点 、 Ai情 報 セ ン タ ー な の で す が 、 実 際 に 郵 送 受 付 を 始 め た の は 4月 か らで す 。 ま
だ 、 ア ナ ウ ン ス 不 足 と い う の が あ りま して 、 郵 送 で ぼ ち ば ち 来 て い る だ け で す 。 な お か つ 、
一 般 財 口 法 人 と い う形 で す の で 、 国 の 援 助 が 全 くな い 状 態 で 、 私 も ほ とん どた だ 働 き で 給
料 が 出 て い な い の で す 。 早 く何 とか して い た だ き た い とい う の が 、 も う一 つ 私 の 希 望 と し
て あ りま す 。
○ 北 村 先 生 山 本 先 生 、 Aiに 対 す る 考 え 方 、 詳 しい 解 説 を あ りが と う ご ざ い ま した 。 日本
放 射 線 技 師 会 で も 2008年 か ら Ai活 用 検 討 委 員 会 と い う こ とで 、 山本 先 生 と相 談 させ て い
た だ き なが ら い ろ い ろ な こ とで 活 動 して き て お ります 。 そ の 中 で 、 Aiの 検 査 を 行 うの は 我
々 診 療 放 射 線 技 師 と い う こ とで 、 CT等 を 使 つ た 院 内 ガ イ ドラ イ ン を作 成 して 今 年 春 に 出 さ
せ て い た だ い て お りま す 。 そ れ は 感 染 の 問 題 とか 撮 像 法 の 問 題 を 含 め て 、 診 療 放 射 線 技 師
が ど こ で も 同 じ よ うな 形 で で き な い と駄 目だ と い う こ とで そ うい うガ イ ドラ イ ン を 出 させ
て い た だ い て お りま す 。 ま た 、 調 査 等 を 行 っ た 結 果 、 これ ま で 全 国 の 病 院 で ほ とん どの 所
は こ うい う Aiの 検 査 を行 つ て い る と。 そ の 中 で 、 先 ほ ど説 明 の 中 で あ っ た とお り、 医療 費
の 中 で 30何 %と か 、 病 院 の 持 ち 出 し 30%と い う形 で 、 実 際 に は そ うい う検 査 を や つ て い く
と費 用 の 問 題 も 嵩 ん で く る と い う こ とが あ りま して 、 そ れ を ど う扱 うか 。 今 回 こ うい う検
討 会 の 中 で 、 そ う い う費 用 負 担 の 問 題 も含 め て 、 さ ら に 診 療 放 射 線 技 師 を ど う使 う か と い
う こ と も含 め た 形 の 検 討 を お願 い した い と思 つ て お ります 。
○ 門 田座 長 先 ほ ど の 今 村 先 生 の ご 質 問 に 対 し て 、 山 本 先 生 は 郵 送 で とお っ し ゃ られ た の
で す が 、 郵 送 な の で す か 。 今 の こ の 時 期 に 郵 送 な の か と思 った の で す が 。
○ 山 本 先 生 施 設 に よ っ て は 、 直 接 ネ ッ ト経 由 で や る とセ キ ュ リテ ィが と考 え る病 院 も あ
る の で す 。 で す の で 、 そ う い つ た 所 か ら も受 け 付 け られ る よ うな 形 と、 も う一 つ は 、 こ ち
ら と して は ネ ッ トが い ち ば ん 楽 な の で す が 、 そ れ に は 設 備 投 資 を しな けれ ば い け な い の で
す が 、 そ の お 金 が あ ま りな い と。 で す の で 、 い ま は ミ ニ マ ム ス タ ー トで 、 7月 か らは 読 影 を
ネ ッ トで 受 け付 け る 予 定 な の で す が 、 今 後 件 数 が す ご く増 え た ら 当 然 大 変 に な っ て しま う
か な とい う の が 現 状 で す 。
○ 池 田 先 生 両 先 生 の お 話 を 聞 い て い て 、 私 は 両 先 生 を よ く存 じ上 げ て い ま す の で い ま の
お 話 に つ い て は 大 変 あ りが た く拝 聴 した の で す が 、 こ の 検 討 会 に も か か わ る こ とな の で す
が 、 そ も そ も死 因 究 明 を 何 の た め に す る か と い う こ とで 、 山本 先 生 は 比 較 的 ご 遺 族 の 立 場
に 立 っ て い る な と。 塩 谷 先 生 は 、 異 状 死 体 の 中 に 犯 罪 の 見 落 と し も あ る と か て あ る い は 死
因 を 究 明 して 後 の 医 療 に 役 立 て よ う とか 、 観 点 の ニ ュ ア ン ス が ち ょ っ と違 う と思 うの で す
が 、 こ の 検 討 会 は そ もそ も 死 因 究 明 に 資 す る死 亡 時 画 像 診 断 で す の で 、 死 因 究 明 を何 の た
め に す る か と い う と こ ろ を 委 員 の 先 生 方 が 共 有 しな い と話 が進 ま な い の で は な い か と思 う
の で す 。 何 の た め に 死 因 究 明 をす る か と い うの は 、 た ぶ ん 、 立 場 に よ う て そ れ ぞ れ 違 うは
ず な の で す 。 例 え ば 病 理 の 先 生 だ っ た ら、 原 因 を 明 らか に して 次 の 患 者 に 役 立 て る とか 、
あ る い は モ デ ル 事 業 で した ら ば 、 死 因 究 明 、 再 発 防 止 が 第 一 義 的 な 目的 と い う こ と に な り
ま す し 、 そ の ほ か 、 保 険 の 公 正 の あ り方 と か 公 衆 衛 生 の 向 上 とか い ろ い ろ あ る と思 うの で
す が 、 私 は 法 医 学 者 で す け れ ど も 、 解 剖 す る しな い は 別 と して 、 死 因 究 明 と い うの は 、 先
ほ ど 山 本 先 生 が 言 い ま した け れ ど も 、 我 々 医 療 者 が で き る最 後 の こ とで す の で 、 そ れ は 究
極 的 に は 死 者 の た め に と い う か 、 死 ん だ 人 の た め に す る も の だ とい うふ うに 我 々 は 学 生 時
代 か ら習 つ た の で す が 、 そ うい うふ うな 観 点 が い ち ば ん 大 事 に な る。 そ れ は 延 い て は ご遺
族 の た め に も な りま す し て 保 険 給 付 の 公 正 に も な りま す し 、結 局 、 そ れ が 国 の た め に な る
の だ と。 で す か ら、 本 来 、 ご 遺 族 の た め に とか 、 犯 罪 の 見 落 と しを な くす た め に とか い う
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ふ う な 、 そ う い うふ うな 議 論 で こ の 死 亡 時 画 像 診 断 の 活 用 を 狭 く考 え る と 、 意 見 の 違 う人
た ち で は ま と ま ら な い の だ と思 うの で す 。 で すか ら、 死 因 究 明 は 死 者 の た め に 、 死 ん だ 人
が 最 後 の 情 報 を 発 信 して い る の を正 確 に 捉 え る 、 そ れ が 、 結 局 、 み ん な の た め に な っ て 国
民 の た め に な る の だ と い うふ うな観 点 か ら議 論 して い た だ きた い な と私 は 思 い ま す 。
こ の 件 に つ い て 、 どな た か ご 発 言 が あ りま す か 。 い ま お っ し ゃ っ て い た だ い
○ 門 田座 長
た 池 田先 生 の お 考 え も、 死 者 の た め で あ る が 、 そ こ か ら発 展 して 最 終 的 に は 国 民 の た め で
あ り、 い ま 生 き て い る人 の と こ ろ ま で 返 っ て く る とい う ご理 解 を 、 とい うふ うな こ と を お
つ しゃ つ て い た だ い て 、 特 に 、 例 え ば 診 療 関 連 死 云 々 と い う と こ ろ に 目的 を絞 っ て い る わ
け で も決 して な い し、 た ぶ ん 、 足 立 政 務 官 が 最 初 に お 話 され た の も そ こ に つ な が っ て い る
か の ご と く思 っ た の で す 。 そ う い う方 向 か な と い う こ とで 私 も最 初 に ご 挨 拶 申 し上 げ させ
て い た だ い て い る と思 うの で す 。
○ 宮 崎 先 生 私 の 大 学 で Aiセ ン タ ー を 開 い た と き 、 何 の た め に そ れ を した の か と い う質 問
を い ろ い ろ受 け た の で す が 、 一 時 期 に 、 法 医 の 教 授 が 転 出 され て お られ な い 時 期 を 1年 ち
ょ つ と経 験 して 非 常 に 困 つ た 時 期 が 過 去 に あ るも そ れ で 、 私 ど も の 所 は 救 命 救 急 セ ン タ ー
に 年 間 8,000人 ぐ らい の 救 急 患 者 が 来 られ る わ け で す 。 そ の 中 で 、 CPAの 患 者 さん が 結 構 入
つ て く る。 そ れ を 見 る と 、 法 医 が い な か っ た 時 期 も あ る と い う こ と も あ つ て 、 最 初 か ら体
表 検 視 で 返 され て しま う の で す 。 そ れ を 後 か ら報 告 書 をず っ と見 る と 、 果 た して こ れ は 本
当 に これ で よ か っ た の か と。 死 因 は 、 結 局 、 疑 い の ま ま な の です 。
本 当 に死 因 が 究 明 で き な い と い う こ と も あ る の で す が 、 も う一 つ は 、 本 当 に 犯 罪 を 見 落
と して い な い の か 。 大 学 病 院 の 外 来 ま で 来 て い な が らそ れ を 見 落 と して しま う と い う こ と
は 避 け た い 。 そ う い う こ と も あ つ て 、 専 用 の CT機 器 を入 れ て 、 そ れ で 開 い た の で す が 、 開
く と き に 医 師 会 と県 と県 警 本 部 の 方 に 集 ま つ て い た だ い て 、 こ れ を 外 に 向 か っ て オ ー プ ン
とす る か ど う か 。 そ れ は 、 一 つ は 、 先 ほ ど 山 本 先 生 が お っ し ゃ っ た 、 を最 初 か ら考 え て お
か な い と い け な い 。 これ は 、 池 田先 生 の 言 わ れ た 何 の た め か と い う こ と と 関係 す る の で す
が く 誰 が 希 望 す る の か し も し死 者 そ の も の とい う こ とで あれ ば 国 が 見 る べ き だ ろ う と思 う
の で す が 、 実 際 は 要 求 は さま ざ ま な の で す 。 家 族 の 方 が 、 解 剖 は した くな い け れ ど も死 因
は は つ き り させ て い た だ き た い と い う方 も お られ る し 、 警 察 の ほ う は 、 司 法 解 剖 を す る か
ど うか と い う事 前 の 少 し時 間 が 経 っ た よ うな も の を 受 け て も ら え る か ど う か とか 、 医 師 会
の ほ うは 、 自分 の 病 院 で 起 こ っ た 問 題 に 対 して そ う い う こ とで や っ て も ら え る か とか 、 立
場 は そ れ ぞ れ あ りま す gそ れ で 、 うち の ほ うで い ろ い ろ検 討 した 結 果 、 そ れ ぞ れ の 要 求 す
る側 か ら料 金 は い た だ こ う と い う、 ち ょ っ と フ ァ ジ ー な 制 度 を つ く っ た の で す 。 そ れ で 、
料 金 規 定 は 独 自で い ろ い ろ な こ とを計 算 した 結 果 は 、 この 検 討 委 員 会 が 提 出 した 5方 強 の
この 額 とほ と ん ど 一 緒 で 、 読 影 料 と撮 像 料 は 逆 転 して い ま す けれ ど も、 そ うい う料 金 を 設
定 い た しま した 。 そ れ で 、 実 際 に ど うか と い う と、 司 法 の ほ うは 料 金 規 定 を決 め た 後 は 頼
ま な くな つ た の で す 。 こ れ は ど うか な と い う の はち ょ っ と問 題 が あ る の で す が 、 い ち ば ん
多 い の は ご 遺 族 で す 。 解 剖 は した くな い け れ ど も 、 5万 円 強 を払 え ば そ れ を して も らえ る な
らば と い う こ とで 、 精 度 は 30%以 下 だ と い う こ とは ご 説 明 した 上 で す けれ ど も、 い ち ば ん
多 い の は ご 遺 族 だ とい う現 状 で す 。
○ 門 田座 長 そ れ で は 、 今 村 先 生 。
○ 今 村 先 生 池 田 先 生 の お っ し ゃ る こ と は 本 当 に そ の とお りだ と思 つ て い ま す 。 別 に 、 山
本 先 生 の お 答 え を 私 が す る の は 変 な の で す が 、 山 本 先 生 も よ くわ か つ て お られ て 、 患 者 の
視 点 とい う の が 抜 け て し ま うの で そ の こ と を あ え て 強 調 され て 言 わ れ た の か な と私 は理 解
して 聞 い て お りま した 。 とに か く、 い ま あ る 死 因 の 究 明 と い う の が ほ と ん どな され て い な
い 状 況 を少 しで も改 善 す る た め に は 、 こ うい うス ク リー ニ ン グ と して Aiを 入 れ た ら い い の
で は な い か と い う こ とに つ い て は ほ とん ど の 方 も合 意 と い うか 、 同 じ考 え な の で は な い か
な と私 は 思 つ て い ま す 。
○ 今 井 先 生 塩 谷 先 生 と 山本 先 生 の お 話 を 伺 っ て 私 た ち も ほ ぼ 同 じ よ うな 意 見 な の で す が 、
山本 先 生 が お っ し ゃ っ て い る Aiの ス ク リー ニ ン グ と い う意 味 は 、 私 は少 し違 和 感 を感 じま
す 。 病 理 解 剖 が 減 つ た の は な ぜ か と い う と 、 画 像 診 断 学 が 進 ん で 、 死 ぬ 直 前 ま で 画 像 も撮
20
れ て 、 遺 族 も ど う し て 亡 く な っ た の か の 説 明 も き ち ん と受 け て い て 、 そ うい っ た 場 合 に 新
`
た に Aiを や る必 要 が あ る か と い う の は 大 き な 問 題 だ と思 い ま す 。 で す の で 、 Aiを や る に は
適 用 を き ち ん とガ イ ドラ イ ン 等 で 決 め て お く。 こ うい っ た 場合 に は Aiを や る 、 そ して 必 要
で あ れ ば 解 剖 に い く。 あ る い は 、 Aiは 解 剖 の た め の 情 報 と して 非 常 に必 要 だ と い うよ うな
位 置 づ けで や つ て い く と い うの が 必 須 だ と思 い ま す 。
も う一 つ は 、 私 た ち は 救 命 救 急 以 外 で は あ ま り経 験 しな い の が 法 医 関係 の 事 例 だ と思 い
ま す が 、 そ こ は ま た 、 私 は 直 接 法 医 解 剖 等 の 関 連 の 仕 事 を して い な い の で わ か りま せ ん が 、
基 本 的 に い ろ い ろ な 情 報 が 少 な い 中 で や りま す の で 、 先 ほ ど塩 谷 先 生 が お 見 せ に な られ た
よ うな 、 体 表 か らは 全 く変 化 が な い け れ ど も内 臓 は ミ ン チ 状 態 だ っ た と い う ょ うな も め は
Aiで な い と無 理 だ と思 い ま す の で 、 そ こ は 、 そ うい つ た 場 合 を 考 慮 す る と ス ク リー ニ ン グ
と い う考 え 方 も成 り立 つ と思 い ま す 。 で す の で 、 そ の 状 況 、 院 内 死 亡 か 院 外 死 亡 か 、 あ る
い は 院 内 で も本 当 の 異 状 死 と遺 族 が 考 え て い る か ど う か 等 に よ っ て 考 え て い く べ き か な と
思 い ます 。
○ 門 田座 長 ほ か に どな た か 。
○ 隈 本 先 生 実 際 に どれ ぐ ら い の 費 用 が か か る か と か 、 どの ぐ ら い の 人 間 が 要 る の だ ろ う
か とい う こ と を 具 体 的 に 考 え て こ の 検 討 会 で 提 言 す べ き だ と思 うの で す 。 今 、 そ の 5万 円
とい うの は こ の Ai情 報 セ ン ター に コ ン サ ル トを依 頼 した 場 合 は プ ラ ス 3万 円 とい う こ とで
8万 円 とい う こ とに な る の で し ょ うか 。 そ れ か ら、 具 体 的 に どの ぐ らい の 人 数 が 実 際 に 診 断
が 必 要 に な る の か 。 も う一 つ 、 各 病 院 に い ろ い ろ な CTが あ る と思 うの です が 、 実 際 に 診 断
をす るのは 各 県 の Aiセ ン ター だ けにな るのか 。 それ とも、各 病 院 でや った 画 像 を Ai情 報
セ ン タ ー で 読 影 す る とい うの が理 想 の イ メ ー ジな の で し ょ うか 。 そ の 辺 を 山本 先 生 にお 伺
い した い と思 い ます 。
○ 山本 先 生 読 影 に 関 して は 3万 円 とい う額 で規 定 させ てい た だ い てお りま す。 各施 設 で
行 う場 合 に は そ れ ぞ れ の 規 定 が い ろ い ろ あ る の で す が 、今 の と こ ろはそ この 施 設 で 検 査 と
読 影 を行 つ た 場合 に 5万 円 か ら 5万 2,500円 、 6万 円ま で の 間 とい うのが あ る程 度 共 通認 識
か な と思 って い ま す 。 あ と、 どれ ぐらい 行 うか と。 これ は 、本 当 に も し全 例 行 うの で した
ら、 年 間 116万 体 とい う形 にな ります 。 全 部 の死 亡 に な ります 。 そ こまで は必 要 な い だ ろ
うと。 病院 の 外 で した ら 16万 体 が 対象 にな るか も しれ ませ ん が 、 それ も判 断 が 分 か れ る と
こ ろ です 。 要 は 、誰 が オ ー ダ ー を 出す か 。 一 つ は主 治 医 の 先 生 が 判 断す る 場 合 、 も う一 つ
は 遺 族 が判 断 す る場 合 、 そ うい つ た 場 合 に 要 望 が あ っ た らで き る体 制 を整 え て 、 どの ぐ ら
い 要 望 が出て くる か 。 これ は Aiの 認知 度 に よって違 って くる と思 うのです 。 千葉 大 の 場合
だ と、大体年 間 400例 ぐ らい 亡 くな っ てい るの で す が 、 全例 実 施 します よ とい うア ナ ウ ン
ス を して も年 間 100体 ぐ らい で す。 これ は 医師 が ま だ よ く知 らな い 、特 に研 修 医 の 方 々 が
Aiの 意 味が分 か らな い とい うの が あ ります し、 タイ ミ ン グ とい うの もあ る と思 い ます 。 こ
れ に つい て は 、今 後 、蓄 積 して い かな けれ ば い けな い とこ ろで す。
あ と、Ai情 報 セ ン タ ー の 活 用 方 法 な の で す が 、基 本 的 には 、 そ この病院 で 検 査 と読 影 を
して 、遺族 が 納 得 して い た だ け る ので した らそれ で お しま い で い い と思 い ま す 。 そ こで 第
二 者 の 意 見 が 聞 きた い とか 、読 影 して い る先 生 が こ こは 分 か らな い か らほ か の 人 の 意 見 を
聞 き た い と言 つた とき に 、情報 セ ン ター を活 用 して い た だ けれ ば と思 い ます 。
○ 門 田座 長 それ で は 、 菅 野先 生 :こ れ で 最 後 の 質 問 に させ て い ただ きた い と思 い ま す。
○ 菅 野 先 生 この 問題 に つ い て は 、 ま ず 医療 関連 死 と異 状 死 と分 けて考 え な い と議 論 が進
ま な い と思 うの で す 。 医 療 関連 死 の場 合 は 、 Aiは 確 か に 一 つ の 有 力 な手段 に な って きます。
私 自身 もそ れ を読 ま され た こ と も あ ります の で 、非 常 に 有 力 な情 報 が 手 に入 る。 しか し、
Aiの 他 に も医療 関連 死 の 死 因 究 明 には 行 うべ き こ とが い ろ い ろ あ ります。 例 えば処 置 中 に
突 然 亡 くな られ る方 の 場 合 は 、 生 体 モ ニ タ リン グ情 報 が 付 随 して い るこ とが あ ります が 、
‐
そ の 保 存規 程 が 定 ま っ て い な い 。 モ ニ タ リ ン グ装 置 の 電 源 を うつ か り切 つ て しま うと、不
整 脈 が そ の 前 に あ つ た の か ど うか とい う情 報 が 保 存 され な い 場 合 が あ ります 。 大 き な施 設
の 手 術 室等 で は それ が 保 存 され る シス テ ム があ りま す が 、 それ に は 費用 が 数 千 万 円か か る
とい うよ うな こ とが あ りま して、 それ と併せ てや る必 要 が あ ります 。 それ か ら、 Aiの 診 断
21
有 用性 が 30%と い うお 話 が あ りま したが 、 十 分 では な いわ けで あ りま して 、ネ ク ロ プ シー
とか 生 体 成 分 分析 等 、 そ うい うも の も併 せ て 多 面 的 な ア プ ロー チ をで きる よ うな体 市1を と
る必 要 が あ る ので はな い か とい うこ とが一 つ あ ります 。
それ か ら、異状死 に関 して 、今 、 千葉 大 学 は死体 専 用 の CT施 設 をお持 ちです が 、病 院 は
生 きて い る患 者 を扱 つて い ま す の で 、 異 状 死 体 の 中 に は感 染 性 の 不 明 な危 険 な場 合 もあ り
ま す か ら、 医療安 全 あ る い は感 染 制御 の 立 場 か ら、 生 き た 患者 とき ち っ と設 備 を 分 け て 扱
うべ きで は な い か と思 い ます 。 そ の 場 合 の 死 体 専用 設 備 も、質 の 保 証 が 必 要 だ と思 い ます 。
日本 は CT装 置 が 普及 して い るわ けです が 、 そ の 画像 の 質 は 、千差 万別 であ りま して 、最低
どの ぐら い の 室 の解 像 度 が必 要 な のか 、 つ ま リマル チデ ィテ クタ ー CTを 必 須 とす るので あ
れ ば 16列 程 度 を標準 とす る のか ど うか な ど、 そ うい う統 一 基準 が必 要 では な い か と考 えま
す 。 持 ち運 び 型 の CTも あ る とい うお 話 で した けれ ども 、それ で 質 の保 証 が で き るのか 疑 問
です 。 従 つて Aiに 要求 され る画像 の 問題 をき ちん と考 えてお かな い と、Aiが 十 分 機 能 しな
い の で は な い か と思 い ます 。 それ か ら、読 影 の 問題 をお っ しゃ い ま した けれ ども 、先 日の
日本 医学 会 で 、放 射線 学 会 か ら検 診 画像 等 の 読 影 を 中 国 に依 頼 して い る事 例 が あ る とい う
よ うな 問題 提 起 が あ って 、放 射 線 読影 医 の マ ン パ ワー が患 者 の 画 像 読 影 にお い て さえ、 絶
対 的 に不 足 してい る の で は な い か とい う可能 性 が 指 摘 され ま した 。 この 問題 に つ い て も十
分 に議論 しておか な い と、 Aiを ス ク リー ニ ン グ的 に使 うとい うこ とに対 して はす ぐ タ ン ド、
ギ ブ ア ップ に な って しま うの で は な い か とい う こ とで あ りま して 、 そ こ ら辺 りを整 理 して
考 えた ほ うが よろ しい ので は な い か と思 い ます 。
○ 足 立 政 務 官 池 田先 生 も菅 野先 生 もお つ しゃ る こ とは 、 冒頭 、 室 長 が この 検 討 会 の趣 旨
とい うこ と を、 この 文 書 以 外 に話 した こ ともあ りま した ので 、 い ま は 質 問 か らだ ん だ ん ア
ジ ェ ン ダ設 定 にな って い ます けれ ど も、 次 回 の一 つ の テー マ と して趣 旨を しっ か りす る と
い う こ とを お願 い した い と思 い ます 。 そ こで 、相 田先 生 にお 聞 き した いの で す が 、 来 月 改
正 臓 器 移 植 法 が施 行 され ま す 。 小児 の 虐 待 に対 して は 、 い まお 2人 の 先生 か らも これ が 非
常 に有用 で あ ろ うとい う話 が あ りま した 。 そ の 点 に 関 連 して ご意 見 を伺 い た い と思 い ます 。
○相 田先 生 最後 に発 言 させ て い た だ こ うか 迷 つて い た ところで す が 、小 児 の 医療 の ほ う
の 視 点 か らす る と、 虐 待 を 見落 と さな い こ とは臓器 移 植 法 とも関連 します し、非 常 に大 事
な問題 な の で す が 、 い ま の よ うに Aiが ご家族 の 希 望 や ご家族 の 同意 で行 われ る とす る と、
連 れ て くる の は虐待 した か も しれ な い 親 族 、親 御 さん で す ので 、 た いがい Aiは 希 望 され な
い とい う こ とにな つて しま うと、制 度 的 に あ る程度 法 的 な 規 制 を して も らわ な い 限 り、私
た ち が Aiを したい と思 つて も拒否 され て しま うとい うこ とにな る と思いま す の で 、 そ の辺
の 制 度 的 な 問題 もあ る と思 い ます 。 それ が い ち ばん 大 き い な と思 い ます 。 それ と 、 小 児 と
い うの は 必 ず しも大人 と一 緒 では な い と い うか 、 か な り複雑 な 問題 が あ りま して 、 読影 す
る数 が 少 な い とい まお っ し ゃ っ て い た だ きま した けれ ども、 ま して 、小児 の 専 門 家 とい う
の は 日本 で は絶滅危 惧 種 ぐ らい 人数 がい な い も ので す か ら、例 えば Aiセ ン ター で あ っ て も、
さ らに小 児 で あ る と コ ン サ ル トされ る よ うな こ とに な る と思 うの で す が 、 専 門 家 め 育成 も
含 めて 医 学 放 射線 学 会 の ほ うの バ ック ア ップ も受 けて 、両方 でや らな い と、制 度 を つ く っ
て も実 際 は 機 能 しな くな っ て しま うとい うこ とを心 配 してお ります 。 ただ 、小 児 は死 亡 自
体 は少 な い です けれ ども、 そ の 中 で ど う して も拾 い 上 げ な けれ ば な らな い こ と、 あ る い は
医療 事 故 を 疑 う親御 さん と い うの は、子 どもは か わ い い で す か ら、 率 と して は多 い の で 、
そ うい うニ ー ズ に応 え るた め に 、 実 際 の ケ ー ス は少 な いで しょ うけれ ど も、 ま た 大 人 の 方
と違 う視 点 で 考 えてい た だ きた い とす ご く思 つて お ります。
○ 門 田座 長 あ りが と うご ざい ま した 。 第 1回 日で それ ぞれ重 要 な問題 が い くう も挙 げ ら
れ て きて お ります。 最 後 に足 立 政 務 官 か ら宿題 をい た だ きま した けれ ど も、 とに か く最初
の 段 階 で本 来 の趣 旨 をは つ き りと皆 さん で共 有 して い る ところで ス ター トす る とい う、 ご
れ に つ き ま して も次 回 ま た 引 き続 き皆 さん の 意 見 をお 受 けす る とい う形 で や らせ て い た だ
きた い と思 い ます 。 い ま 出 て お りま した い くつ か の 問題 、費用 の 問題 、件 数 の 問 題 、 クオ
リテ ィ め 問 題 、教 育 も含 め てや って い く とか 、 今 日だ けで もい ろ い ろな問題 が 挙 が つ て き
てお ります の で 、 これ に つ き ま して も今 後 引 き続 き検 討 させ て い た だ きた い と思 い ま す。
22
こ の 検 討 会 も 、 今 の 予 定 で は 12月 い つ ぱ い ま で に提 言 と して ま とめ た い と思 い ま す が 、 骨
子 は 冒 頭 に 足 立 政 務 官 が お う しや られ た よ うに 、 8月 ぐ ら い ま で に あ る方 向性 を と い う こ と
が 出 て お りま す の で 、 一 応 、 そ の 方 向 で デ ィ ス カ ッ シ ョ ン は 進 め た い と思 い ま す が 、 い ま
の よ うな 複 雑 な 話 に な れ ば 、 そ ん な に簡 単 で も な い か な と い うふ う に も思 い ま す 。 しか し 、
問 題 点 は 徐 々 に ク リ ア に な る と思 い ま す の で 出 して い き た い と思 っ て お ります の で 、 よ ろ
し くお 願 い い た します 。
今 後 の 予 定 で す が 、 例 え ば 医 学 法 射 線 学 会 とか 、 放 射 線 技 師 会 等 も含 め て 、 い ろ い ろ な
現 場 の ご 意 見 を さ らに も う少 し聞 か せ て い だ く し、 あ る い は そ の ほ か の 情 報 を提 供 して い
た だ け る よ うな こ と に 対 して は こ ち らか ら もお 願 い した い と思 い ま す 。 ま た 、 同 時 に 皆 さ
ん 方 の ほ う で 、 こ の 方 の 意 見 を 聞 き た い 、 と い うよ うな も の が あ り ま した ら事 務 局 の ほ う
に お っ しゃ っ て い た だ き た い と思 い ま す 。 時 間 も過 ぎ て お りま す の で 、 一 応 (本 国 の 予 定
して い た 議 題 は こ れ で 終 わ り と い う こ と に させ て い た だ き た い と思 い ます が 、 事 務 局 か ら
何 か 連 絡 事 項 は あ りま す か 。
○ 医 療 安 全 推 進 室 長 次 回 第 2回 で す が 、 7月 中 の 開 催 を 予 定 して お ります 。 日程 調 整 は ま
た させ て い た だ き た い と思 い ます の で 、 そ れ に つ き ま して も ご 協 力 方 お願 い い た しま す 。
○ 門 田 座 長 そ れ で は 、 本 国の 検 討 会 は こ れ で 終 わ りた い と思 い ま す 。 ど うも あ りが と う
ご ざ い ま した 。
以
上
資料 2-1
死亡時 画像病理診 断 (Ai=本 utops,imaging)
活用 に 関す る検討委員会
第 二次 中間報告
死亡時画像病理 診断
(Ai)の 実態の把握
及 び今後 の死亡時医学検索 の具体的な
展開 の方途 につい て
平成 21年 3月
日本医師会死 亡時画像病理診断 (Ai=Autopsy lmaging)
活用に関する検討委員会
中間報告
本委員会 は、平成 20年 9月 10日 に、唐澤会長 よ り「死 亡時画像病理診断 (A
l)の 実態 の把握及 び 、剖検 との組 み合 わせ を基本 とした 、死亡時 医学検索 の
′
具体的 な展 開 の方途 につい ての提言」 につい て諮 問 を受 けま した。死 亡時医学
検 索 の今後 の具体的な展開に向けた方 向性 と課題 につい て 、平成 21年 3月 25
日まで に 3回 の委員会 を開催 し、鋭意検討 を重ねま したので、 ここに 中間報告
いた します。
平成 21年 3月
日 本 医 師 会
会
長
唐 澤
詳 人
殿
死 亡 時画像病理診 断
(Ai)
活用 に関す る検討委員会
副委員長
池 田 典 昭
稲 倉 正 孝
委
員
石 原
哲
委
員
江 澤
英 史
委
員
坂 本
委
員
田村
哲 也
正 三
委
員
三 宅
委
員
山 本
委 員 長
(委 員
智
正 三
:五 十音順 )
死亡時画像病理診断 (Ai=AutOpsy imaging)活 用に
関する検討委員会 委員
◎池 田 典 昭 (九 州大学大学院医学研 究院法医学分野 教授 )
○稲 倉 正 孝 (宮 崎 県医師会 会長 )
^
石原
哲 (医 療法人社団誠和会 白髪橋病院 院長 )
江澤 英史 (放 射線 医学総合研究所 重粒子医科学 センター病院
診断課臨床検査室 病理医長 )
坂本 哲 也 (帝 京大学 医学部救命救急 セ ンター 教授)
田村 正 三 (宮 崎大学放射線科 教授 )
三宅
智 (鹿 児島県医師会 常任理事)
山本 正三 (千 葉大学医学部附属病院放射線科 講師)
(委 員 は五 十音順 )
◎委員長
○ 副委員長
死亡時画像病理診断 (Ai)の 実態 の把握及び今後 の
死亡 時医学検索 の具体的な展開 の方途 について
目
次
は じめに ……… … …………… …… … …… ………… ……… … … 1
具 体的検討 に向 けた課 題 の整 理 … … … ∵… …………… …… ……2
・……………… ……… … …2
ア ンケ ー ト調 査結果 …・…・…… …… ∴
………… ……… ………… …8
今 後 の 展 開 の方 途 …・………… …… 。
・……
・……………
・…
・
・………… ・…
・………
・
・
・10
ま3た)り に・………………………………
1・
巻末付録
:
死 亡 時画像病理診 断 (Ai)に 関す るア ンケー ト集 計結果
は じめ に
我 が国 には現行 の制度 として、病理解剖 、司法解剖 、行政解剖 の 3種 類 の解
剖 がある。 しか しなが ら、東京都 23区 や 一部 の大都市 で行われ てい る行政解剖
以外 は、国 における制度 の不備、解剖 資格 を持 つ 医師 の絶対的 な不足等 によ つ
て極 めて低 い解 剖率 に止 まってい る。 この原因 としては、行政 の 関心 の低 さ と
財政支援 の な さが考 え られ る。現在 、 日本では司法解剖 の費用 は国負担、行 政
解剖 (承 諾解剖 )の 費用 は都道府県
(ま
たは遺族 )負 担、病理 解剖 の費用 は病
院負担 である。 この よ うに財 源 一つ に して も拠 出主体 がば らば らであ り、特 に
病理解剖 にお い ては 、何 らか の手 当を行 わない 限 り病院 の持 ち出 しが この先 も
続 くことが考 えられ る。
こ うした 中、解剖 に導 くた めの死亡時の画像診 断へ の 関心が 高ま らてい る。
特 に平成 19年 6月 に起 きた時津風部屋 の力 士の死亡 事件以降、日本における死
因究明制度 の不備 が社会的に注 目を集 めるよ うにな り、 この よ うな社会背景 の
変化 によって 、よ り正 確 な死因 の判断 が求 め られ るよ うになつてきてい る。
そ こで、本委員会 では平成 19年 度 よ り「死因究明 のための制度 の円滑な運用
の方策 の一 つ として、全国に普及 してい る一般 の CTや MRI等 の利用 による
死亡時画像病理診断 (Ai=Autopsy imaging)を 用 いた死後画像 と剖 検 との組
み合 わせ による医学的及び社会的な死 亡時患者情報 の充実 の可能性や課題 」 に
つ いて検討 を行 つて きた。幼児 の死亡については原則 として全 例 に単純 レン ト
ゲ ン、 CTや MRIを 行 う旨を提言 し、財源 問題や マ ンパ ワー の確保 、 また実
態 の把握 、課題 の提起 も行 つた。
今期与 え られた諮 問 は、「死亡時画像病 理診断
(Ai)の 実態 の把握 ょ び、剖
検 との組み合 わせ を基本 とした 、死亡時 医学検索 の具体的な展 開の方途 につ い
て の提 言」 で ある。 Aiの 可能性や位 置付 けについ て議論 を行 う必要 があるた
め、実態 を把握す べ く一般病床 を有す る病院 6,150施 設 に対 しアンケー トを行
い 、2,450病 院 か ら回答 を得、検討 を行 つた。
具体的検討に向けた課題の整理
Aiは 死 亡 時 に遺族 にその場 で説明が で き、所見があれ ば解剖 にも進 みやす
い。 また ス ク リー ニ ン グの 面で も即時性 の面 で も有用 であ り、非破壊検査 で 、
後 に見直す こ ともで きる。 そ うした こ とか ら、後 々遺族 か ら不信 が 出た場合や
裁判時 に有用 であ り、医療従事者 のために も遺族 のために も普及 が求められ る。
(1)Aiセ ンターの展 開 (2)幼 児 死 亡に関 しては虐待 の
恐れ もあ る こ とか ら、全例施行す べ き― 等、 Aiを 促進す るため の提案 を した
前期 中間報告 では
一方 (3)事 例 の不足 (4)費 用 の医療費以外 か らの拠出― 等 の課題 の提起 も行
つた。
よ り現実 的な運 用 の仕 方 を提言す べ く、現在 各 医療機関 に設 置 されてい る C
Tや MRIの
死亡時 の活 用 につ いて 、一般病床 を有す る全 国 の病院全てに対 し
てア ンケ ー ト調査 を行 い 、実態 の把握 を行 うこ と とした。
ア ン ケ ー ト調 査 結 果
'調
今 回の
査 に当た っては 、全 日本病 院協会 、 日本病院会 に協 力 い ただ きて一
般病床 を有す る病院 6,150施 設 に対 してアンケ ー ト調査を行 つた。
有効回答数 は 2,450施 設 であ り、39.8%の 有効 回答率であつた。
患者死 亡 時 また は死 亡後 、あ るい は警察 か らの依頼 によ り何 らかの画像 を撮
影 した こ とがある医療機 関 は
35.8%(876施 設 )で あつた。県別 に見るとAi
を施行 した ことの あ る施 設 の害1合 には頭著な地 域差 が見 られた。 多 い ところで
は山梨県、長崎県が 70%を 超 え、福 島県、静岡県が 60%を 超 えた。 一方、東京
都 、神奈川 県、大阪府 、和歌山県は 10%台 であ つた。なお 、東京都 23区 、横浜
市、大阪市 には監 察 医制度 があ る。以 下 、 Aiを 施行 した ことの ある施設 をA
群 、施行 した ことの ない施設 を B群 として集計結果 を見てい くこと とする。
■施行 したケース
B群 と比 較 して A群 の割合 が特 に高か つたケース
(図
1参 照 )は 「治療 中の
患者 以外 の救急搬 送 後 」 で あ つた。 また 「治療 中 の 患者 の救急 搬送後 」 に つ い
て は 10ポ イ ン トB群 が 高 く、「病院 内で の急変」「病 院 内 の 自然 死 」 につい ては
い ずれ も B群 が A群 の割合 の倍 以 上 で あ った。 これ らの こ とか ら、 B群 は 、 主
に 自施設 で治療 中 の 患者 に対 して Aiを 施行 したい と思 つ てお り、それ に対 し
て A群 はやむ を得 ず Aiを 施行 してい る可能性 が 読 み取れ る。
図 l Aiを 施行 した (施 行したい)ケ ース
(%)
100
80
60
40
20
そ の他
警 察 の依 頼
□ A群 (N=870)国
病 院 内 の自 然 死
病 院 内 で の急 変
治 療 中 の患 者 以
外 の救 急 搬 送 後
治 療 中 の患 者
の救 急 搬 送 後
0
B群 (N=694)
:
■費用
Ai施 行 に対 し、誰 がい くら支払 つたかを見 てみ る。 A群 の 52.0%(855施
設 中 445施 設)が Aiの 費用 を 自施設か らの持 ち出 しで賄 つた ことが あ り、 そ
の うち 7a3%、
A群 全 体 の 41.3%(353施 設 )が 自施設 のみ で賄 っていた。 ま
た 、 自施設 のみ で賄 つた施 設 を含 め、64.3%が 、実際 に支払われた金 額 では不
十分 と回答 した。
A群 の平均受領額 (図 2参 照)は 、自施設 のみ で賄 つた施設 を除 いて も、20,000
円以下 が 83.0%を 占めた。適 正金額 と思 う額 については、20,000円 以下につい
て見るとA群 が 25。 9%、
B群 が 43.1%で あつた。20,001円 以 上について見 る と、
A群 が 74.1%、 B群 が 57.0%で あ り、A群 の方 が高 く設定す る傾 向が見 られた。
実際 に施行す ると想 定以上 に コス トがかか ることが垣間見 えた 。 また 、実際 の
受領 金 額 と、適 正金 額 と思 う額 には乖離 があることが浮 き彫 りとな った。
図2平 均受領額と適正金額
国 014
口 3.3
︰〓
100%
80%
60%
層0塑 暉
ノ
餡
:11.01:
〕
10.〔
\\
\
40%
20%
コ:7.4:II
17.41
口 13.3
11■ 14.1:
□32.4
030,00140,000Fq
笏 23.彰
口 2Q∞ 1円 ∼
30,000Fl
210,001円 ∼
鏃
\
0%
平均 受領 額
(N==451)
回 40,001円 ∼
50,000Pl
口 32.1
\
B29`3
口 50,∞ 1円
以上
ュ22イ
A群 適 正 金 額
(N=448)
:口 11.9:
B群 適 正 金 額
(N=664)
20:000FЧ
口 10,000円
以下
なお 、本 アンケー トで は どの部位 を撮影・ 読影す るかは質 問 してお らず 、回
答者 に任 せ てい る。撮影 部位 が全身 等広範 囲に渡 つた場合 は、 当然 よ り多 くの
コス トを要す る:定 め られた撮影 部位 の有無等 につ いて は図 3を ご覧 いただ き
た い。
図3定 められた撮影部位 (N=853)
口なし
口頭部・体幹部
口頭部
口頭部・頸部・体幹部
、
□体幹部
口全 身
目その他
Ai施 行 が頻回 な施設 での費用 について見 てみ る
(図
4参 照 )。 年 間 20件 以
上 Aiを 施行す る 138.施 設 につい ては 53.6%(74施 設 )が Aiの 費用 を 自施設
か らの持 ち出 しで賄 つた こ とが あ り、そ の うち 71.6%(53施 設 )が 自施設 のみ
で賄 ってい た。 また、 自施設 のみ で賄 つた施設 を含 め、65.8%(117施 設 中 77
施設 )が 実際 に支払 われ た金額 では不十分 と回答 した。 自施設 のみ で賄 つた施
設 を除い た平均受領額 を見 ると、20,000円 以下が 88.3%(77施 設 中 68施 設)
を占めた。適 正金額 と思 う額 については、20,000円 以下が
17.6%(13施 設
)、
20,001円 以 上が 82.4%(61施 設 )で あ つた。
年間 20件 以 上 Aiを 施行す る施設の 自施設で賄 う割合や平均受領額 は A群 全
体 とほ とん ど変 わ らなか っ た。適 正金 額 と思 う額 について はA群 全 体 と比 べ さ
らに高 く設定す る傾 向が見 られ た。
図420回 以 上Ai施 行施 設 の平均 受領額 と適正金額
100%
口50,001円
以上
80%
回40,001円 ∼
50,000円
60%
口30,∞ 1円 ∼
40,000円
40%
口20,001円 ∼
30,000円
20%
● 10,001円 ∼
20,000円
□ 10,000円
以下
0%
平均受領額
(N=77持 ち出しB不 明を除く
)
■ケース別費用
ケース別費用負担者を見 ることにする
(図
5参 照)。 本アンケー トではケース
別に費用負担者を問 うていないので、ケースを一うだけ選択 している施設を抽
出 した。複数回答施設は除かれ、標本数は少なくなるが、ある程度は現状把握
の参考になるだろう。救急搬送 された場合、自施設からの持ち出 しで賄 う割合
はおお よそ 5割 で あ り、遺族等 が支払 う割合 は 4割 程度 か ら 5割 であつた。 ま
た病 院 内で亡 くな っ た場合 の 自施設 か らの持 ち出 し率 は 8割 を超 えた。救命救
急施 設 に対す るア ンケー ト1に 鑑 み て も、救命救急施設 では普段 か らAiを 施行
して お り、救命救急施設 で ない ところ と比 べ費用 を徴収す る準備 がで きて い る
ことが 考 え られ る。警察 が依頼 した上 で Aiを 施行 したケース を見 る と、警察
が費用を拠出 した割合は 5割 弱であり、遺族が支払った割合は 4割 弱であ った。
自施設から持ち出した割合は 14.7%で あった。
図5ケ ース別負担元
そ の他
︵N= 3 6 ︶
警 察 の依 頼
︵N= 1 3 6
病 院 内 の自 然 死
︵N= 8 ︶
病 院 内 で の急 変
︵N= 8 6 ︶
治 療 中 の患 者 以
外 の救 急 搬 送 後
︵N= 1 1 2 ︶
治 療 中 の患 者
の救 急 搬 送 後
︵N= 2 7 ︶
■公 表・ 受入
外 部 か らAi施 行希望 を受 け入れ る考 えはあ るか、あ るい は受 け入れ ない ま
で も、 Aiを 行 つて い る こ とを公 表す る考 えはあるかについ ては、「はい」 との
回答 は 27.7%(857施 設 中 237施 設 )で あ つた:
■問題
一 般施設 での CT装 置 の Ai使 用 に際 しての 問題 につい ては、「倫理」に関 し
1「 わが国における心肺機能停止症例の死後画像検査施行状況」
,大 橋教良ら,『
日本救急医
学会誌』 (日 本救急医学会),2006;17;387
10
ては B群 が A群 よ り 12.1ポ イ ン ト高 かつた (図 6参 照)。
A群 は経験があるが
故 に倫理 問題 をク リア してい る と思われ る反面、31.9%が 倫理 に 問題 がある と
思 い なが らAiを 実行 していた とい うこ とになる。「費用」に関 してはAttB群
ともに 、最 も問題 であると考 えてお り、いずれ も 6割 程度 で あ つ た。 ほかに、
法的問題や死 亡診 断書 の責任 の所在 、 一般患者 の 目に付 く、衛生 ・感染症、時
間的・人員 的制約 、撮影機器や読影 技術 tと い つた問題 が挙 げ られ た。上方で、
全 く問題 は無い とい う意見 もあ つた。
%
<
図6-般 施設でのCT装 置のAi使 用に際しての 問題
(複 数回答 )
0 0 0 0 0
8 6 4 2
一般機器
の転用
国民の
同意
□A群 (N=731)国 B群 (N=1476)
■他施設 での Ai
他施設
(Aiセ ンタニ な ど)で 撮影・ 読影 診 断で きるな ら、利 用 したい と思
うか につい ては、 A群 では 29.8%(848施 設 中 253施 設)が 、 B群 では 37.o%
(1478施 設 中 547施 設 )力 `「は い」 と回答 した。 A群 では 「自施設で行 つてい
るので 必要 ない」 ほか、全体的 には 「検 死時に行 うため急を要す る」「僻地なの
で地理 的 に難 しい」「搬送またはそれ に伴 う死亡診断書作成 の 問題 」 といった問
題 が挙 げ られた。
■遺族 の要望
遺族 の要望でAiを 行 つた ことが ある施設は 180施 設 であ り、A群 の約 2割 、
全 体 の 7.3%で あった。Ai施 行 に向けた啓発活動 の可能性 を示す もの と考 える。
今後の展開の方途
■ Aiセ ンターの 展 開
Aiセ ン ター につ い ては 、最終的 には各都道府 県 へ の設置が望ま しい ところ
である。
ア ンケー ト調査 では 、Aiを 施行 した ことの あ る施設 の 61.6%、
Aiを 施行
(Aiセ ンター等)で 撮影 ・読影診 断 で
した こ とのない施 設 の 51.3%が 他施設
きる として も利用 したい訳 ではない と回答 してい る。その理 由 として 前述 した
よ うに 「検 死時 に行 うため急 を要す る」「僻地 な の で地理的に難 しい」「搬送 ま
たはそれ に伴 う死 亡診 断書作成 の 問題 」 といつ た問題 が挙 がつてい る。 こ う し
た問題 は現在千葉 大学で試 み られ てい る遠隔診 断 である程度解決 でき よ う。 c
T装 置 の有無 につ いて は、Aiを 施行 した ことの ない施設で も 87.2%が 「あ る」
と回答 してい る。 これ ら一般 の病 院 に普及 してい る CTを 利用 し、例 えば 島嶼
部 で も効果 を挙 げ られ るのが遠隔診断である。普及 した CT装 置 の有効利用 と
もなる、 こ うした Aiの ネ ッ トワー ク (図 7参 照 )の 構築が肝要 とな る。
図7
Aiの
ネ ッ トワー ク
送信
(撮 影 )
(読 影 )
Aiセ ンタT
医療機関
(病 理解剖 の要否 )
フ ィー ドバ ック
「Aiで 済 ませ ず解剖す べ き」 といつ た意見 も散見 され るが、これ は Aiに
対す る誤解 であ り、前期 中間報告 で書 い た よ うに、 Aiと は現在 の死 亡時医学
検索 で ある [体 表 か らの検案 →診断 ]あ るい は [体 表 か らの検案 →解剖 → 診断 ]を 、
8
12
[体 表 か らの検案 →
Ai→ 診 断]あ るい は [体 表 か らの検案 → Ai→ 解剖 → 診断
]
とし、死 亡時 の検案精度 を向上 させ るべ きもので ある。従 つて 自ず と (1)解 剖
のス ク リーニ ング (2)解 剖 の補完― とい う二面性 を持ってい ることになる。 こ
の こ とは注 目すべ き点である。
Aiに 対す る医療従 事者 の誤解 や 、 あるい は Aiの 施行 に対 す る問題 と して
Aiを 施 行 した こ との な い施設 の 36.0%が 「国民 の 同意」 と回答 した こ とを鑑
み る と、 今後 Aiの 意 義 を国民 と医療従事 者 に啓 蒙 してい く必 要 が あ る。 意 義
とは貝口ち、犯 罪 に よ り死 亡 した こ とが決 して 見逃 され な い こ とで あ る。 また 医
療 従 事 者 に とっ て もt
Aiの 持 つ 透 明性 は 医事紛 争 回避 の た めの ツー ル で あ っ
て 、遺 族 が死 因 に対 し不 信 感 を持 っ て い る場 合 には 、 自施設 で はな く他施 設 で
の診 断 に よ り、 よ り透 明性 が 高 ま る と言 える。
費用 の負担 につ い て は、今 後 国 の予算化 につ い て 求 めてい か な けれ ばな らな
い 。 ま ず は各 医療機 関 に対す る補 助 を行 うた め 、 関連学会 、 医師会等 と十分 に
協議 を行 う必 要 が あ る。 そ の上 で い くつ か の 地 域 に実験 的 に Aiセ ン ター を設
け、 実 際 の費用 の概算 が 見込 まれ た時点で 国 に対 して提 言 を行 うこ とが必 要 で
あ る。
■幼児死亡に対するAiの 施行
児童 の身体的虐待の検挙件数 を見ると、平成 16年 から平成 20年 まで顕著な
増加傾 向は見られない。児童が死亡 した児童虐待事件検挙件数についても同様
である2。 しかし全国の児童相談所 が対応 した児童虐待に関する虐待相談対応件
数は年 々増え続けてお り、平成 18年 度の相談件数 (37,323件 )は 平成 2年 度
(1,101件 )の 約 34倍 、児童虐待防止法施行前の平成 11年 度 (11,631件 )の
3倍 強である3.虐 待に対する社会的関心は高い。
2「 少年非行等の概要
(平 成
20年 1∼ 12月
)」
,警 察庁生活安全局少年課 ,平 成
21年 2月
http:〃 www.npa.gojl′ safetylife● yOnen38/syonenhkOu_h20.pdf
3「 平成 18年 度 児童相談所における児童虐待相談対応件数等」,厚 生労働省,平 成 19年
9月 ,http7/wwimhl‐ gojpん unya/kodomo/dv16ノ index.html
13
本委員会で は幼児死 亡に対 して全例 Aiの 施行 を提言 してい るところで あ り、
解剖 で発見 し難 い骨折痕等 はAiの 得意 とす る とこ ろである。 全例施 行 の義務
化 に向け、医師会 を中心に、関係 学会 を交えた形 での検討 が必 要 である。
.
■費用
病院 にお け る死 亡に 関 しては、救命 救急施設 では既 に Aiを 施行 し、独 自に
画像診 断 を行 つてい る現状 があ るが t費 用は 5割 程度 が持 ち出 しであ る とい う
結果がア ンケ ー トか ら得 られた。 病理 解 剖 費用 に対 す る財源措置 もな く、 こち
らも持 ち出 しであ る。 司法 の分野 だけでな く院 内で の死亡 に対す る画像診 断、
解剖 に対す る財源 措置 が急 務 で あ る:
■その他の問題
アンケ ー トで も意見があ つた ところだが、 一般 の CT機 器 を死体 に使 用す る
ことに よる 「衛生・ 感染症 問題」 また 「読影 技術」「法的問題 」「国民 の 同意」
といつた様 々 な問題 が ある。そ の 中の一つ であ る読 影報告書 に対す る責任 問題
は、特 に読影者 に とっては 関心が 高 い 。 アンケー トでは主治 医・ 救急担 当医等
を除 くと、読影者 として は放射線 科 医が最 も多 く、38.8%で ある。死体 に対す る
事例 の蓄積 の ない まま読影 をす る こ との不安 も聞 かれ る。前述 した Aiセ ン タ ´
―の仕組み において も、読影者 が 不安 を抱 えたままでは成 立 し得 ない。今後 ガ
イ ドライ ン等 を早急 に策定す る必 要 がある。
おわりに
厚生労働省 「診療行為 に関連 した死亡に係 る死因究明等の在 り方 に関す る検
討会」で議論 されて い る医療 安全調査委員会 (仮 称 )の い わ ゆる 「第 二 次試案」
においては、前期 中間報告 で提言 した内容 で もある、「死亡時画像診断等 を補 助
的手段 として活用す る ことも今後 の検討課題 である」 とい う文言が盛 り込 まれ
10
14
た4。 これに関連 して平成 20年 、21年 度 を通 して厚 生 労働省科学研究費補 助金研
究事業 で 「診療行為 に関連 した死亡の調査分析 にお ける解剖を補助す る死因究
明手法 (死 後画像 )の 検証 に関す る研 究」 が行 われ ている。
平成 20年 8月 、衆議院法務委員会が 「死 因究 明制度改革 に関する提言」 を法
務 大 臣 に提 出 した。 ス ウェ,デ ンでは裁 判 にお いて も見やす い とい う理 由で C
Tに よる断層 図が評価 され てい る等 の報告 が な され てお り、我 が国 においての
CTな ど画像検査 の一層 の活用 が提言 され た
奈 良県にお いては承諾 解剖前 に原則 CT検 査 を行 うこととした承諾 解剖制度
5。
が平成 20年 10月 に導入 された。
日本 法医学会 の死因究明医療 セ ンター構想 に関す る提言では 「死亡時画像検
査」 について 、症例不足 で 「時期 尚早」 と但 し書 きを付 けなが らも 「意義は大
きい もの と考 えている」 としている6。
平成 21年 3月 24日 、 日本放射線科 専門医会 ・ 医会 が 内閣府 にAiの 役割等 を
提言 した ところである。
また 、警察庁では平成 19年 に検視 に医療用 CTを 導入 し、費用 を補助す るこ
とと した。平成 20年 度 か らは警察官 (検 視官)を 増員す るとともに医療用 CT
やMRIの 併用 で死 因特定 を行 い始 めてい る。
今後 t死 亡 時医学検索 の検 査 の一っ と しての Aiの 確 立が求 められ る ところ
であ るが、 司法や行政主導ではな く医療者主導で行われ なけれ ばな らない こ と
は言 うまで もな い。従 つて 、医師会、関連 学会 の緊密 な連携 、協議 の もと進 め
てい くこ とが重要 と考 え、次年度以降は具体的な行動 に移 りた い。
'
4「 医療 の安全 の確保に向けた医療事故による死亡の原 因究明 。再発防止等の在 り方に関す
る試案一 第二次試 案 一」 ,厚 生労働省 ,平 成 20年 4月
5「 死因究明制度改革に関す る提言要旨 (案 )」
,衆 議院韓国及び欧州各国司法 。法務事情等
20年
7月
31日
調査議員団,平 成
,http:〃 ww‐ hayakawa‐ chuko.com/hear/080902b.html
6「 提言 日本型 の死因究明制度 の構築を 目指 して一死因究明医療センター構想―」,日 本
法医学会 ,平成 21年 1月 ,http://plaza.umin.acjp■ egalmed/sllnnkyuumeyteigen090119ゃ
11
15
死亡時画像病理診断
(Ai)に つ いてのアンケー ト
集計結果
ア ンケー ト集 計結果 ‐1
17
(Ai)に
死 亡 時画 像 病 理 診 断
つ い ての ア ンケー ト集 計 結 果
送付数 6,150
回収数 2,484(40.4%)
有効回答数 2,450(39.8%)
以下、設問 (1)の 回答が 「1.は い」 (Aiを 施行 したことがある)を A群 、「2.い いえ」 (Ai
・ を施行 したことがない)を B群 としている。
死亡後 の画像診断
(Ai)に ついてお尋ね します。該当番号に○を付 けて くだ さい。
(1)貴 施設では患者死亡時または死亡後、あるいは警察からの依頼で、何 らかの画像を撮影 した
ことが ありますか。 (N=2450)
2.い い え
876(35.8%)
1574(64.2%)
回答数
朧 )
i
●施行率・
植位で伍):
ハ11讐行麟
そ
施設メ
:::数
::
北海 道
37.0
青森 県
岩手 県
34
囃
船
.
1.は い
r
‐
Al施 行施設
数〔
施設 ):・
:∼
::1頂
:・
滋賀 県
27.3
京都府
32.7
施行率
位て
位〉
41.2
大阪府
44
宮城県
37.2
兵庫 県
40
秋 田県
37.5
奈良県
7
山形 県
45.5
和歌 山県
4
福 島県
60.0
鳥取 県
9
38.9
茨城 県
島根 県
栃木 県
岡山県
54
広島県
70
56.7
群馬県
42
埼玉 県
千葉 県
東京都
43.8
210
神奈川 県
56.8
14
56.0
10
34.5
46
愛媛県
34
10
29.4
高知 県
30
山梨県
76.5
14
福 岡県
28.6
14
44
長崎県
48.3
2
熊本県
38.8
41.3
大分 県
41.9
岐阜県
27
59.3
宮崎県
64.5
鹿児島県
静岡県
愛知 県
沖縄県
59.1
計¨
二重 県
42
41
32
46
3
34
43.3
長野 県
1
10
47.1
山 口県
佐賀県
47.6
55.6
香川 県
石川 県
福井 県
30
徳島県
20
7
10
55.6
47
新潟県
富山県
33.3
16
38.1
26
44.1
29.6
:・
246a
ア ンケ ー ト集 計結果 ‐2
18
(2)「 はい」の施設にお聞き します。
2-1,ど んな種類 の撮影 です か
また、過 去一年間に概ね何例撮影 しましたか。
(複 数回答可 )。
(N=871)
■合計
不明・
過去 一 年に限らな い
5
∼
∼ 10
35
95
6
2
98
120
502
20
4
482
2
2
00
29
97
::9
162・
■51
:
:∞
:・
3
0 ・0 ・
梓 :00
:4
0
0:
^´ 1:50
::3
獅
:::4
・:23
一
〇
:`]
ヽ
″
ヽ
′
:4(沿
∼
計
1:3
lo
:6
0:
0
:2
:0
0
:0
U
:0
0
2 9
850
2
・
γ
0:
:0:
0
●
∼
:8
01
0 ・
一
:3:沿
│:1:2‐
0:
・
0
一
3
:3
■0:
:5
∼
■劉
麺
::0
hV
1
::5
:0
:■ 0:
:
:0
0‐
:0
Oi
:0
31
8
1:
1:
871
撮影の種類
(%)
100
(N=871複 数回答
)
97.6
80
60
40
20
0
CT
MRI
ア ンケ ー ト集計結果 ‐3
19
2-2.誰 の指示で、誰が撮影 し、誰 が読影 しま したか。 また、定め られた撮影部位お よび、撮影
条件 の有無 があればお答 え ください。
a指 示者 (N=869):
1.院 長
156
2.主 治 医
729(※ 救急 医 。当直医・担 当医を含 む)
(%)
90
100
3。
そ の他
指 示者
(N=869複 数回答 )
8
○警察 医
60
3 1
3
4
○警察
○その他 。不明
80
8
○医療安 全担 当
40
20
0.
主治医
院長
撮影 者
b撮 影者 (N=868):
45
1.主 治 医
(※ 救急 医 。当直 医 。担 当医を含む )
2.放 射線 科 医 58
3.技 師
4.そ の他
785
3
その他
(N=868複 数回答)
(%)
100
80
60
40
20
0
主治医
c読 影者 (N=859):
1.主 治 医
333
3.読 影 しない 39
そ の他
76
0警 察 医
7
2.放 射線 科 医
4。
0医 療 安全 担 当 3
0専 門医
12
・
の
0そ 他 不明 54
技師
その他
読影 者
598
(※ 救急 医・ 当直 医・ 担 当医 を含む)
放射線科医
(N=859複 数回答)
(%)
100
80
60
40
20
0
主治 医
放射線科医 読影しない
その他
アンケー ト集計結果 ‐4
20
d定 め られた撮影部位 (N=853):
11な い
定められた撮影部位 (N=853)
440(51.6%)
頭部・ 体幹部
132(15.5%)
頭部
114(13.4%)
頭部・ 頚部・体幹部
74(8.7%)
体幹部
30(3.5%)
全身
22(2.6%)
41(4.8%)
その他
口なし
□頭部・体幹部
□頭部
□頭部・頸部・体幹部
□体幹部
回全 身
目その 他
e撮 影条件 (N=777):
1.あ る 148(19.0%)
2.な い 629(81.0%)
撮影条件
(N=777)
2-3.過 去一年 間 に貴施設 で亡 くな った方 はお よそ何例 です か。 また、警察 か らの依頼 はお よそ
何例 あ りま したか。
死亡者数に対するAi施 行割合と死亡者数 (N=664)
死 亡 者 数 に 対 す る A i 施 行 割 合 ︵% ︶
100
90
80
70
60
50
40
30
20
♪'st
◆
8“ .・
10
▼
◆
0
Ai施 行割合 が 100%よ
(※ 死亡者数に対す る
り大きい
(例 えば死亡者
1に 対 して CTと 単純 X線 を
併用)7施 設を省略。)
ア ンケー ト集計結果 ‐5
21
ヘ
2-4.ど の様 な場合 に Aiを 施行 しま したか
(複 数 回答 可)。
(N=870)
1.治 療 中 の患者 の救急搬送後
266
2.治 療 中 の患者 以外 の救急搬送後 497
3.病 院 内で の急 変
│
329
4.病 院 内 の 自然 死
64
5.警 察 の依頼
384
6.そ の他
91
○ 家族 の希望 ・ 家族 の不信
7
33
OCPAOA・ 救急外 来
・
15
○異 状 死 外や 自宅 での死亡
。
0不 明 そ の他 の死 因不 明
36
2あ
の
の
1、
るい は 5と 重複 す る部分があろ うが、回答者 に よる。)
(※ そ 他 中には選択肢
C
l
。 4
。 。
。 6
”0
2 0
0 8
Aiを 施行 した (施 行 したい )ケ ニ ス
そ の他
警 察 の依 頼
病 院 内 の自 然 死
病 院 内 で の急 変
治 療 中 の患 者 以
外 の救 急 搬 送 後
治 療 中 の患 者
の救 急 搬 送 後
□A群 (設 問2-4)(N=870)国 B群 (設 間3-3)(N=694)
2-5.費 用は誰が負担 しま したか
(複 数回答可)。
また、実際に支払われた額 は 1件 につ き、平均
い くらで したか。 (N=855)
計
445
3.警 察
2.遺 族等
4。
351
159
その他
■′
■■
1.施 設 (持
ち出し)
23
14
22
①10,000円 以下
116
16
10
②10,001∼ 20,000円
172
89
13
③ 20,001∼ 30,000円
29
31
2
④ 30,001∼ 40,000円
10
8
0
1
0
不明
⑤40,001円 以上
1
ア ンケー ト集 計結果 ‐6
22
40,001Fヨ
以上
□ 30,00140,000F弓
□20,001円 ∼
30,000Fヨ
□ 10,001円 ∼
20,000Fl
日 10,000円
以下
平均受領額
遺族等 (N=328
不明を除く)
・不明
(N=451持 ち出し
警察 (N=145
不明を除く)
その他(N=25
不明を除く)
を除く)
2-6.撮 影 :読 影診断す るにあた り、上記 2-5の 費用 で十分だと思います か。不十分な場合、1
例あた りどの ぐらいが適 当だ と考えます か。 (N=731)
1.十 分
計
470
22
10
106
144
63
不明
①10,000円 以下
② 10,001∼ 20,000円
()30,001-30,000円
④ 30,001ん 40,000円
⑤40,001∼ 50,000円
⑥50,001円 以上
はい
35.7%
47
78
いいラ
l
64.3%
平均受領額と適正金額
国 0.4
10096
実際に支払われた額で十分だと
思うか (N=731)
2.不 十分
261
口 3.3
口 13.3
80%
ゝ
:彗 lii4:
ノ
/
\
F百 111.ol
菫:14.1■
6幌
E132.4
\
40%
E132.1
\
幌
平均受領額
(再 掲)
・
にJ29.3
鰊
一7
20%
謳
妥.2
A群 適正金額
(設 問2-6N=448)
50,001F弓
以上
40,001F弓 ―
50,000円
30,00140,000円
20,001円 ∼
30,000円
10,001 Fl―
20,000円
10,000Fヨ
:白 11.9:!
以下
B群 適正金額
(設 間3-4N=664)
ア ンケ ー ト集計結果 ‐7
23
ケ ース別 負担 元
回
回
1
6
圏4
囲1
図
1
回
2
そ の他
︵N = 3 6 ︶
警 察 の依 頼
︵N = 1 3 6
病 院 内 の自 然 死
︵N1
I8 ︶
病 院 内 で の急 変
︵N= 8 6 ︶
治 療 中 の患 者 以
外 の救 急 搬 送 後
︵N= 1 1 2 ︶
治 療 中 の患 者
の救 急 搬 送 後
︵N= 2 7 ︶
2-7.遺 族 の要望 で Aiを 行 つた ことがあ ります か。 (N=865)
1:は い
2.い い え
3。
そ の他
180(20.8ツ 6)
667(77.1%)
18(2.1%)
遺族の要望でAiを 行つたことが
ありますか (N=865)
アンケー ト集計結果 ‐8
24
│
1
│
1
´
2-8.上 記 2-7(遺 族 の要望で撮像・読影 したか ど うか)に 関わらず、結果 を遺族に伝えま したか。
(N=821)
ヽ
1.は い
719(87.6%)
2:い いえ
66(810%)
、
3.そ の他
36(4.4%)(ケ ースバ イケニス・ 警察 に一任・ 不明
)
(A群 (設 問 歩 8))
(B群 (設 問 3-5))
結果を遺族に伝えようと
思いますか(N=695)
結果を遺族に伝えましたか
(N=821)
いいラ
L
いいラ
L
8.酬
2-9.Aiを 行 つた あ とで解剖 にな った症例 はあ りま したか。 また 、あ るとした ら何例です か。
(N=855)
Aiを 行つた後で解剖になつた症例は
140(16.4%)
2.い いえ 667(79.2%)
そ の他 38(4.4%)(不 明
1.は い
3。
ありましたか (N=855)
はい
)
16.4%
(N=120)
:・
摯剖数
:
1件
2件
3件
4件
5件
6件
■件数
:・
:
72
12
2
10件
11件
15件
1
1
25件
1
35件
1
100件
1
アンケー ト集計結果‐9
25
2-10.外 部 か らAi施 行希望 を受 け入れ る考 えはあ ります か。あ るい は受 け入 れ ない まで も、A
iを 行 つてい るこ とを公表す る考 えはあ ります か。
(N=857)
1.は い
237(27.796)
2.い いえ
3.そ の他
受入・公表する考えはありますか
(N=857)
544(63.5%)
はい
27.7%
76(8.9%)‐
2-11.貴 施設 にAi専 用 の CT装 置 はあ ります か。また、一般施 設 での CT装 置 のAi使 用 に際
し、 どんな問題 が 考 え られます か。 (※ 複数 回答 )
専用装置
(N=871):
1.専 用装置が ある
2.専 用装置がない
問題
(N=731):1.倫 理
2.費 用
3.一 般機器 の 転用
10(1.1%)
861(98.9%)
233
441
302
120
そ の他
0多 忙 。人員 。時間的制約
43
)○ 患者 の視線
11
・
0衛 生 感染
22
4。
0撮 影機器 ・ 読影技術
8
0法 的問題・ 責任 の所在
3
19
0問 題 な し
0そ の他 ・ 不 明
14
‐
一般施設でのCT装 置 のAi使 用に際しての問題
(複 数回答 )
(%)
80
60.3
60.7
60
□A群 (設 問2-11)(N=731)
圏B群 (設 問3-6)(N=1476)
40
20
0
倫理
費用
一 般機器
の転用
国 民の
同意
そ の他
ア ンケ ー ト集 計結果 ‐10
26
2-12.他 施設 (Aiセ ンター な ど)で 撮影・読影診 断できるな ら、利 用 したい と思います か。
(N=848)
1.は い
253(29.896)
2.い い え
522(61.6%)
3.そ の他
73(8.6%)
(A群
`
(設 問 2-12))
(B群
(設 問 3-7))
他施設を利用したいと思いますか
他施設を利用 したいと思 いますか
(N=848)
(N=1478)
はい
29.8%
(3)「 いいえ」 の施 設 にお聞き しま す。
3-1.貴 施設 に CT装 置 はあ ります か。
CT装 置 はありますか
(N=1564)
(N=1564)
1.は い
1364(87.2%)
2.い い え
200(12.8%)
はい
87.2%
3-2. (CT装 置 があれ ば)こ れ か らAiを 施行
したい と思 い ますか。 (N=1427)
1.は い
639(44.896)
2.い い え
788(55.2%)
Aiを 施行したいと
思いますか
(N=1427)
はい
44.8%
アンケー ト集 計結果 ‐11
27
3-3.ど の様 な場合 に施行 したいです か。 (N=694)
1.治 療 中の患者 の救急搬送後
282
2.治 療 中の患者 以外 の救急搬送後 241
3.病 院内 での急 変
554
4.病 院 内 の 自然 死
157
5.警 察 の依頼
277
6.そ の他
50
。
0家 族 の希望 家族 の不信
21
0CPAOA・ 救急外来
2
・
0異 状 死 外や 自宅 での死亡 2
0不 明 。そ の他 の死 因不明
25
(※ そ の他 の 中 には選択肢 1、 2あ るい は 5と 重複す る部分があろ うが、回答者 による。図は設 問
24参 照)
3-4.施 行す る とした ら、撮影 。読影診断す るにあた り費用 は どの くらいが適 当だ と考 えます か。
(N=664)
① 10,000円 以下
② 10,001∼ 20,000円
③20,001∼ 30:000円
④30,001∼ 40,000円
⑤40,001∼ 50,000円
⑥5Q001円 以上
79(11.9%)
207(31.2%)
215 (32.496)
73(11.0%)
41(6.2%)
49 (7.496)
(※ 図 は設 問
2-6参 照 )
(※ 図 は設 問
2-8参 照 )
卜 5.Aiの 結果 を遺族 に伝 えよ うと思 い ます か。 (N=695)
1.は い
640(92.1%)
2.い い え
3.そ の他
13(1.9%)
42(6.0%)(分 か らな い 。ケースバ イケース・ 不 明)
アンケ ー ト集計結果 ‐12
28
3-6.Alを 行 うにあた り、また一般施 設 での CT装 置 の Ai使 用 に際 し、 どん な問題 が 考 え ら
れ ます か 。 (※ 複数 回答)(N=1476)
1.倫 理
2.費 用
3.二 般機 器 の転用
4.国 民 の 同意
5。
そ の他
650
896
487
532
242
0多 忙 。人員 ・ 時間的制約
41
0患 者 の視線
5
0衛 生・ 感染
12
0撮 影機 器 ・ 読影技術
38
0法 的 問題 ・ 責任 の所在・ ルール 化
21
0家 族 の 同意
38
0問 題 な し
8
・
の
0そ 他 不 明
79
(※
3-7.他 施設 (Aiセ ンタ
図は設 問 卜 11参 照 )
な ど)で 撮影・ 読影診断できるな ら、利用 したい と思います か。
(N=1478)
「
1.は い
547(37.096)
2.い い え 758(51.3%)
3.そ の他
173(11.7%)(分 か らない 。ケースバ イケマ ス・ 不明
)
(※
図は設 問 212参 照 )
アンケマ ト集計結果 ‐13
29
アンケー ト集計結果 7ペ ージ 設問 2-60表
調 ③30,001∼ 30,000円
.正 )Cと 0,001∼ 30,000日
´
:
:
¬
アンケ● 卜集計結果 9ペ ージ 設問 2‐ 9
誤 )2.い いえ 667(79.2%)
=正 )2.い いえ 嘔7(79。 2%)
│
:
資料 2-2
医療 0医 学 における死亡時画像診断 (Ai)活 用に関す る検討委員会
答申
医療・ 医学 にお ける死 亡時画像診断 (Ai)の
活用 につ いて
1
日本 医師会
平成 22年 3月
医療・ 医学 にお ける死 亡時画像診断 (Ai)活 用に関す る
検討委員会
答申
本委員会は、平成 21年 8月 7日 に、唐澤会長 より「死亡時画像診断 (Ai)に お
ける、医療・ 医学的合意 と社会的合意に基づいた具体的な展開方法についての
提言」について諮問を受けました。平成 22年 2月 24日 までに 5回 の委員会を
開催 し、鋭意検討を重ねましたので、ここに答申いたします。
平成 22年 3月 11日
日本 医師会
会長
唐澤
諄人
殿
医療 ・ 医学 に お ける死 亡 時画像 診 断 (Ai) 活用 に 関す る検 討委員 会
委員 長
池 田 典昭
委
員
石 原
委
員
井野
賢司
委
員
江澤
英史
委
員
大 木
賞
委
員
黒 田
誠
委
員
坂本
哲也
委
員
高野
英行
委
員
田村
正三
委
員
三 宅
委
員
山本
哲
智
正三
(委 員 は五 十音 )贋 )
医療 ・ 医学 にお ける死 亡時画像診 断 (Ai)活 用 に関す る検討委員会
委員
◎池 田 典昭 (九 州 大学大学院医学研究院法医学分野
石原
哲 (医 療法人社 団誠和会 白碁橋病院
教授 )
.
院長 )
副診療放射線技 師長 )
江澤 英 史 (放 射線 医学総合研 究所 重粒子医科学 セ ンター病院
井野
賢 司 (東 京 大学医学部附属病院放射線部
Ai情 報研究推進室 室長 )
賞 (福 岡県医師会 理事 )
黒 田
誠 (藤 田保健衛生大学医学部病理診断科 教授 )
坂本 哲 也 (帝 京 大学医学部附属病 院救命救急 セ ンター 教授 )
高野 英行 (千 葉 県 がんセ ンター画像診断部 部長 )
大木
田村
正三 (宮 崎大学 医学部放射線科
三宅
智 (鹿 児 島県医師会 常任理事)
正三 (千 葉大学医学部附属病院放射線科
山本
教授 )
講師)
◎委員長
(委 員 は五十音 )贋 )
医療・ 医学における死 亡時画像診断 (Ai)の
活用 につ い て
目
1
次
は じめ に
2
4
5
我 が国 における死体 の取扱 いの現状 と問題 点
(1)死 体取扱いの流れ
(2)解 剖 の現状
(3)死 因究明に関す る問題 と解決 の方 向性
2
2
3 Aiの 活用 に際 しての提言 ―一―――一一 … …………………… 6
4
むすび
―……………………………………………………… 7
1.は じめ に
人 の一生 の最期 にっ いて 、そ の死因を正確 に究明す ることは、人 々の基本 的な権利 ・利
益 として尊重 されな くてはならない。 もちろん死因 の究明は、公衆衛生の向上や犯罪捜査
において重要な役割 を担 うが、死因は ときに死者本人及び遺族 の権利関係にも重大な影響
を及ぼ しうる。 したが つて死因を科学的に明 らかに してお くこ と自体 を国民の権利 と見る
べ きで、国はそ のための体制を構築す る責任 を負 う。 しか し現状 では、一旦病死 と判断 さ
れた後に実際は事件性 のある死であることが明 らか とな つた事 例 が散見 され るな ど、我 が
国 における死 因究明 が十分 でないこ とは明 らかである。犯罪死であ つたにも関 わ らず病死
として死因が確 立 された事例 は多い と思われ る。
また診療関連 死について も同様 である。生前 に診断 されてい た傷病以外で突然死 した場
合 、あるい は手術等 の 医療行為 の後に予期せず死 亡 した場合、医師は 自ら行 つ た医療行為
が妥当であったか否 か を医療者 として知 りたい と望む。 さらに医療過誤が疑われても、死
因 の厳密な特定がな されていないために遺族 へ の説明に困難を来す場合が多い。 こ う した
ときに望ま しいのは 中 立的死因究明機 関だが、 自民党政権下で議論 されていた死因究明制
度は今 のところ頓挫 している。異状死 と認められれば依然医師法 21条 により警察 に届 け出
なければな らない。
:
司法的観 点か らも医療的観点 か らも死因究明制度 を整備するのは国家の義務 である。我
が国のつ ぎはぎだ らけの死因究明制度は構造的 に変革す る必要がある。ただ しこ うした変
革は医師法や死体解剖保存法 のみな らずt犯 罪捜査の根 幹 である刑事訴訟法等 にも関 わる
ため、その改正は容易 ではない。
、
'死
本委員会は、 後画像 と剖検 とを適切に活用す る ことによって死後診断の精度 の向上を
図るべ く、平成 19年 度 に 「死亡時画像病理診断 (Ai=Autopsy imaging)活 用 に関す る検
討委員会 (プ ロジェク ト)」 として発足 し、死 亡時画像診断 の拡充にっ いて検討 を行 つて き
た。平成 20年 度 には 6千 あま りの病院にアンケー ト調査 を行 い、その約 4割 か ら回答を得、
3分 の 1以 上が何 らか の死後画像を撮影 してい ることが明 らか となった。また、多 くの医療
施設で費用 の持 ち出 しが発生 している等の問題 も浮 き彫 りとな つた。
本年度は、関係各分野 の医師 が認識 を共有す ることが重要であるとの観点か ら、委員会
名 を 「医療 。医学にお ける死亡時画像診断 (Ai)活 用 に関する検討委員会」 と改称 し、法
医 :病 理・放射線・ 救急・ 警察医等 の各専門医を含む 11名 の委員をもつて構成 した。過去
2年 間の議論を踏まえ、唐澤会長か らの諮問 「死亡時画像診断 (Ai)に おける、医療・ 医学
的合意 と社会的合意 に基づいた具体的な展 開方法 についての提言」 を受け、我 が国 におけ
る死体の取扱 いや解剖 を巡 る制度 の問題点を確認 しつつ、死因究明制度に Aiを 活用す るた
め の方策を中心に議論 を行 つた。
2.我 が国における死体の取扱いの現状 と問題点
(1)死 体取扱いの流れ
次 ペ ー ジ の 図は我 が 国にお ける死亡時 の流 れ を示 してい る。状況 に分 け以下説 明す る。
なお検案 とは 医師 が死 者 の外 表検査 に よ り死 因や 死因の種 類 を判定す る ことをい う。最高
裁 は、当該 医師が診察 した患者 であった者 も含 まれ ると した 註。
①医療施設 内で死亡 した場合
医療施設で診察 ,治 療 が行われてい る患者が死亡 した際、医師が検案 を行 う。診療
′
中 の傷病に よる死亡である場合は死亡診断書を交付す る。診療中以外 の傷病 による
死 亡である場合 は死体 検案書 を交付す る。病理解剖 により死 因究明がな されること
もある。異状 があると認 められれば 医師法 21条 によ り警察 に届け出る必要がある。
② 心肺停止 状態 で搬送 されたな どの場合
救急搬送 され た患者が蘇生せず死亡 した際、医師 が検案 を行 い、異状 がな ければ死
体検案書を交付 し、異状があると認 め られれば医師法
21条 によ り警察 に届け出る
必 要 がある。監察医制度 のない地域 にお い ては上記① と同様、病理解剖 により死因
究明がなされ ることもある。
③医療施設外で死体 として発見 された場合
ほ とんどの場合、警察 が介入す るのが現状 であるが、死者 が生前医師 の管理下で診
療 を受 けていた場合、診療 していた 医師へ連絡すれば医療施設で死 亡 した場合 と同
、様 である。その他 の医師に連絡 し検案 された場合、異状 がなけれ ば死体 検案書の交
付 、異状 があると認 め られれば警察 へ届 けることになる。
④警察へ 届 出・ 通報後
警察 が明 らかな非犯罪死 と判断 した場合、警察官 による見分
師 の立会
(検 案)に
(行 政検視 )並 びに医
よ り死因が特定 されれ ば、死体検案書 の交付が、不明なら行政
解剖 が行われ る。犯罪性 が あるか ど うか明 らかでない場合、司法警察員 による代行
検視
(司 法検視
)並 び に医師の立会 または監察医による検案 によ り死因の特定が行
われ る。 この時点で警察が必要 と判断すれば捜査 を行 い、司法解割 が行 われる。
⑤遺族 が警察 に届けた場合
ほ とん どが司法解剖 に付 され るとい う現状 がある。
註 最高裁 の
判断は医師法 21条 にい う「検案」の解釈 として示 されたものであるが、 これに対 して、学説
では「憲法 38条 の定める自己負罪拒否特権に反 して違憲である」 との批判が有力である。本答 申は、平成
16年 最高裁判決以降の実務 を前提 として記述 してい るが、 日本医師会 として、この解釈及 びそれが医療現
場にもた らしてい る混乱を是認す るものではなぃ。
図 我が 国の死体取扱 いの流れ
※1 必ず行われ る訳ではない。 日本病理剖検輯 報 によると年間リツ千件弱 (2007年
※2 このルー トは理 論上は考えられ るが現実的には無 い。
警察 はまず変死体 として扱 い、医師 の検案を経て犯罪死 として捜査す る。
)。
(2)解 剖 の 現 状
2007年 の我が国における死亡総数約 110万 体 において、把握 されてい る解剖数 は 31,522
件、解剖率は約 2.8%程 度 である。現在 死因究明に関 して、司法解剖・行政解剖 ・病理解割
が行 われてい る。
①司法解剖
犯罪 の疑 いの ある死体 に対 して行われ る。2009年 の 司法解剖は 6,569件 、警察庁 の
取扱 死 体数 における司法解剖率 は 4.1%で 近年増加傾 向にある。司法解剖費用 の一
部は国庫
(警 察庁)か
ら鑑定人
(法 医学者 )に 支弁 されてい る。
│
②行政解剖
監察医制度 の ある地域で、非犯罪死体あるいは犯罪性不詳の死体 で死 因 が不明なも
の な どについて行われるのが、遺族 の同意 を必要 としない行政解剖である。 自治体
が費用 を拠 出 している。監察医制度 の ある地域が所在す る、東京都、ヽ
大阪府、兵庫
県、神奈川県、愛知県 の行政解剖数は 9,135件 (2009年 )。
監察医制度 の ない地域では、遺族の承諾 を得た上で承諾解剖を行 う。 自治体が費用
を拠出 しているが、2007年 度予算 で、茨城県 の 842万 円か ら山口県のゼ ロまで開
、 きがあ り、 100万 円未満が 25府 県 である
(読 売新聞,2007年
7月 8日 )。 全行政
解剖数 か ら監察医制度 の ある都府県を除いた解剖数は 480件 (2009年 )。
③病理解剖
医療現場 において病態 の解明な どのために行われる。病理専門医数は全国に 2千 人
強 で、厚生労働省 が管轄 しているが、費用負担は病院である。「日本病理剖検輯報」
(日
本病理学会)に よると病理解剖数は 19,347件 (2005年 )、 17,805件 (2006年 )、
16,797件 (2007年 )と 年 々減少 してい る。
4
(3)死 因 究 明 に 関す る 問題 と解 決 の 方 向性
死体があれ ば基本的には医師が検案 を行 う。 上述 したよ うな監察医制度 の有無 などによ
る地域格差 が指摘 されてい る。
①医療施設内で予期せず死 亡 した場合
医療施設で診療を受 けていて も予期せぬ死亡であっ た場合、 トラブルにな る可能性
は高い。異状死であれば医師は警察に届け出なけれ ばな らないが、警察 が犯罪性 が
ない と判断すれば司法解剖 が されず、 された として も司法解剖 の特性 として情報 が
開示 されない。 また医療者 が死 因を究明 したい と望んで も遺族が拒否 した場合病理
解剖 がで きない。 いずれ の場合 も医療者 ・遺族間の トラブル は解消 されない。
② 心肺停止状態 で搬送 されたな どの場合
通常の病死ならば患者 の病歴な どか ら診断可能だが 、それ以外では体表 か ら死体を
検索す るため、手がか りに乏 しい。監察医制度 のある東京都区部な どは監察医が異
状死体 を検案す るが、他の地域 では現場 の 医師は体表か ら死因を診 断 できず、本来
な ら行政が費用 を負担すべき ところを医療施設が負担 し、行政解剖的な 目的で病理
解剖 が行われ ているとい う実態 もある。
③医療施設外 で死体 として発見 された場合
監察医制度のない多 くの地域 では、刑事調査官 (2009年 は全 国で 196人 )が 検視
し、警察医が検案 している。警察医が検案 しても県警察 か らの検案料は微 々たるも
ので ある。犯罪性 の疑われ る死体については司法解剖が行われるが、大学 の機構改
革 に伴 う予算 。人員削減圧力による法医学者の減少 が指摘 されてい る。
④診療関連死に関 し遺族 が警察 に届けた場合
遺族が死因究明を警察に求めると、業務 上過失致死罪に該当す るか ど うかの判断 の
ための鑑定処分の一環 として 、司法解剖す るとい う現状 がある。結果、原 因究明 ど
ころか情報 が開示 されない。なによ り本来 のルー トでないことが問題である。
こ うした 中実際には多 くの医療施設で Aiが 導入 されてい る。Aiを 行えば医師に とっては
検案 の手 がか りとな り、所見があつた場合 に遺族 に解剖を勧めやす い。また保存 された撮
像デー タを開示 し、第二者 が読影す ることも可能 である6デ ー タを開示す ることは、医療
者 の 「隠 していない」 ことの意思表示であ り、遺族の不信感を拭 う効果 が想定 され る。 こ
のこ とは医療者 を遺族 との トラブルか ら防衛す るのみな らず、死因の究 明を切望す る遺族
の希望を叶える一助 となる。誰 もが迎 える死 につ いて、そ の原因が究明 されない不幸がな
くなる ことは国民の希求である。
5
3.Aiの 活 用 に 際 して の 提 言
Aiは 非破壊検査 で あ って必ず解剖 に先行す る。 したがつて検案 時 に行 うこ ととな る。 最
良 の方策 は全異状死 体 を解剖す るこ と、あるい は Aiの 全例実施 に よ り、死因不明死 体 を極
力無 くす ことで ある。 しか し現状 では全 異状 死 体 に Aを 行 うことは財源不足 及 び マ ンパ ワ
ー 不足 か ら困難 で あ るので 、可能 な ところか ら広 げて い くべ きで あ る。 当然 なが ら、実施
に 当た っては体制 の構築 と財源 の確保 が な され なけれ ばな らない。
なお 新 聞報道 に よる と、警察庁 は本年 1月 に有識者研究会 を発足 させたが、参加 メンバ
ー は司法関係者 が 多 い。本来 な ら死因究明制度 につ いて は警察庁 内で の議論 に とどま らず、
大局的 な ビジ ョンを持 ち法務 。厚生行 政 が横 断 的 に議論 す べ き問題 で ある。 ところで 、司
法 的 な 部分 で死 因究 明 に携 わ る警察 医は普段 は診療 に従事 してお り、専従 ではない。 日本
警察 医会 とい う組織 は あ るものの全 国的 に網羅 され るに いた つてい な いのが現状で あ る。
今後 、全 国的組織 を強 化 し日本医師 会 と連 携 しその上 で地 域 での死 因 究明に携 わ るこ とが
望 ま しい 。 死 因究 明す べ き死体 の一 部 は診療 の周辺 での死 な ので あ るか ら、行 政 にお ける
死因究 明 に関す る議 論 の 中 には当然 臨床 医 も参 画す る必要が ある。'
この よ うな こ とか ら本委員会では医療 。医学 の観 点か ら以下 の提言 を行 う。
1)以 下 の対象に Aiを 行うべ き
①小児
警察庁 に よる と 2009年 中に警察が検挙 した児童虐待事件 は 335件 で、
被 害児童 347
人 の うち 28人 が死 亡 してい る。また虐 待 につ いて は相談件 数 、検挙件数 ともに年 々
増加 してい る。小児 の場合、親 の心情 的側 面 か ら解剖 が拒否 され、死因が究 明 され
ない こ とは 多 い。 一 方
Aは 非破壊的 で あるか ら親 の理解 を得 られやす く、Aiま で
拒否す る親 は虐待 の 可能性が高 い とも見 な し うる。死 亡総数 が少 な く、あま り:費 用
がかか らな い ことで もあ るか ら、小児全 例 につ いて体表 か らのみではな く Aiで 死因
を確認す べ きであ る。
② 心肺停 止状態 で救急搬送 された患者な ど
心F機 能停 止 状態 で搬送 された場合、体表か らのみ検索 が行われ、ほとん どが確実
な診断を受 けずに死体検案書が交付 されてい るとい う実態がある。犯罪性を有 して
い る可能性 は十分 に考えられ るし、また、症例検討 の積み重ねがより多 くの人 を救
命 できることを鑑 みれば、医療者 として大多数 の死 因を不明 の まま放置すべ きでは
ないのは 当然であ り、できるだ け Aを 活用す べ きである。また、それ以外 の事例で
も医師 が必要 と判断 した場合は積極的に Aを 活用す るのが望 ま しい。医師 の診断 と
判断 こそが最 も重要 である。
6
10
2)Aiに 関する費用を国庫 から拠出するべき
医療 の現場は疲弊 してい る。 しか るべ き費用が確保 されなければ、 これ以上業務 を増や
す ことはで きない。全ての死亡に対 し適 正な診断を下す べ く Aiを 行 うに当た つては、読影
す る放射線科 医のみな らず撮像す る診療 放射線技師 の確保 も必要で、それぞれ に費用 が発
生す る。そ こで、
死 因不明の死に関 し上述 の Alに 関す る費用を国庫か ら拠出すべ きである。
また社会正義 の精神 か らほぼボラ ンテ ィアで検案 を行 らてい る警察医、 また心肺停 止状態
で搬送 された患者 の病理解剖に対 して も費用を拠出す る仕組みを作るべ きである。
石川県警察 は石川県医師会 、金沢大学医学部、金沢医大などに協力を要請 し、2010年 1
月に 「死亡時画像診断ネ ッ トワニ ク」を発足 させた。 このほか 、石川県医師会 は診 療関連
死に関 して 「死因究明 システ ム」 を立ち上げている。 この取扱要綱では
Al体
の費用 を
52,500円 としている。本答 申では これ を試算 のベ ース とす る。
①小児
我が国 の 2098年 の小昇年齢 (0∼ 14歳 )の 死亡数 を見ると、乳児 (0歳 )2,798人
を含 め 4,820人 。 全例に Aを 行 うに当た り約 2億 5千 万円必要である。
② 心肺停止状態 で救急搬送 された患者な ど
総務省消防庁によると 2008年 の心肺機能停止傷病者搬送人員 の うち、lヶ 月後死亡
10万 人 であるが、そのほとん どは心拍 が再開することなく搬送後まもな
く死亡 している。大雑把 に見積 もると全例 に Aiを 行 うためには約 50億 円必要であ
者数は約
る。
4.む す び
医療現場における Aiに ついて、臨床医のみな らず診療放射線技師 も積極的に関わるのが
望ま しい。 また死後画像読影 の専門家がきちん と診断 し、第二者 の意見 も聞 くことので き
る体制 を整 えることが重要である。そ のためには専門家育成、ガイ ドライン策定や、将来
に渡 ってデー タを統一的に集積 してい く必要がある。
全て の死体 を検案 できるのは医師 のみ であ り、医師はほぼ 100%の 死 に関わ つてい る。日
本医師会は医師 の代表 として Aiの 活用 について国に提言 してい くべ きである。
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