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公表特許公報 特表2015
〔実 25 頁〕 公表特許公報（Ａ） (19)日本国特許庁（ＪＰ） (12) (11)特許出願公表番号 特表2015-527076 （Ｐ２０１５−５２７０７６Ａ） (43)公表日 平成27年9月17日(2015.9.17) (51)Int.Cl. ＦＩ テーマコード(参考) Ａ２３Ｃ 9/12 (2006.01) Ａ２３Ｃ 9/12 ４Ｂ００１ Ａ２３Ｌ 1/05 (2006.01) Ａ２３Ｌ 1/04 ４Ｂ０４１ Ａ２３Ｃ 15/00 (2006.01) Ａ２３Ｃ 15/00 Ａ２３Ｃ 19/00 (2006.01) Ａ２３Ｃ 19/00 Ａ２３Ｃ 13/00 (2006.01) Ａ２３Ｃ 13/00 審査請求 有 予備審査請求 未請求 （全35頁） 最終頁に続く (21)出願番号 特願2015-530543(P2015-530543) (71)出願人 599132904 (86)(22)出願日 平成25年9月12日(2013.9.12) ネステク (85)翻訳文提出日 平成27年4月17日(2015.4.17) スイス国，ブベイ，アブニュー (86)国際出願番号 PCT/IB2013/058509 (87)国際公開番号 WO2014/041510 (87)国際公開日 平成26年3月20日(2014.3.20) (31)優先権主張番号 61/699,929 (32)優先日 平成24年9月12日(2012.9.12) (33)優先権主張国 米国(US) ソシエテ アノニム ネスレ ５５ (74)代理人 100088155 弁理士 長谷川 芳樹 (74)代理人 100107456 弁理士 池田 成人 (74)代理人 100162352 弁理士 酒巻 順一郎 (74)代理人 100140453 弁理士 戸津 洋介 (74)代理人 100124062 弁理士 三上 敬史 最終頁に続く (54)【発明の名称】増粘された乳製品又は乳製品様製品及びそれらを製造するための方法 (57)【要約】 本開示は、乳児及び乳幼児の栄養要求量をも満たしなが ら、濃厚なテクスチャを有する、貯蔵安定性のある乳製 品ベース組成物、並びにそれを製造するための方法を提 供する。また、乳製品ベース組成物を増粘する方法も提 供される。一般的な実施形態において、本開示は、乳製 品ベース組成物及び特別に配合された果物又は香味調製 物を用意して、子供に魅力的であるテクスチャ及び栄養 成分を有する、増粘された乳製品ベース栄養組成物を生 み出すことによって、貯蔵安定性のある乳製品ベース栄 養組成物を製造するための方法を提供する。 【選択図】 図１ ( 2 ) JP 1 2015-527076 A 2015.9.17 2 【特許請求の範囲】 方法。 【請求項１】 【請求項８】 濃厚なテクスチャの乳製品ベース栄養組成物を製造する 前記栄養組成物をパッケージに入れる直前に、前記調製 方法であって、 物が前記乳製品ベース組成物と混合される、請求項１に 乳製品ベース組成物を用意するステップと、 記載の方法。 親水コロイドを含む調製物を用意するステップと、 【請求項９】 前記乳製品ベース組成物と前記調製物とを混合し、前記 約５０°∼約８０℃の範囲の温度で前記栄養組成物を熱 組成物の増粘を引き起こすステップと、 間充填するステップと、最終のパッケージにおいて後の 前記組成物をパッケージに入れるステップと、 前記組成物の後の増粘を起こさせるステップと 固化を行うステップとをさらに含む、請求項１に記載の 10 方法。 を含み、 【請求項１０】 前記乳製品ベース栄養組成物が、周囲温度で貯蔵安定性 果物調製物を用意するステップと、 がある、方法。 前記乳製品ベース組成物又は前記果物調製物のいずれの 【請求項２】 粘度よりも大きい粘度を有する栄養組成物を生み出すよ 前記乳製品ベース組成物が、発酵した乳製品ベース組成 うに、前記乳製品ベース組成物と前記果物調製物とを混 物である、請求項１に記載の方法。 合するステップと 【請求項３】 をさらに含む、請求項１に記載の方法。 前記乳製品ベース組成物が、ヨーグルト、サワークリー 【請求項１１】 ム、バターミルク、ケフィール、サワーミルク、生クリ 自分で食べ始めた乳幼児に栄養を提供する方法であって ーム、発酵チーズ、牛乳、ヒツジのミルク、ヤギのミル 20 、 ク、無発酵チーズ、クリーム、バター、及びこれらの組 子供の発達のための栄養素を含む乳製品ベース組成物と 合せからなる群から選択される乳製品原材料を含む、請 香味調製物とを混合し、それによって前記組成物の増粘 求項１又は２に記載の方法。 を引き起こし、製品をパッケージに入れ、栄養製品の後 【請求項４】 の増粘を起こさせることによって栄養製品を製造するス 前記乳製品ベース組成物が、ライスミルク、豆乳、ココ テップと、 ナッツミルク、アーモンドミルク、ナッツミルク、及び 乳幼児を含む標的市場による摂取のために前記栄養製品 これらの組合せからなる群から選択される乳製品代替原 を販売するステップと 材料を含む、請求項１∼３のいずれか一項に記載の方法 を含む、方法。 。 【請求項１２】 【請求項５】 30 前記乳製品ベース組成物が、発酵した乳製品ベース組成 前記調製物が、不完全水和親水コロイド、ペクチン、カ 物である、請求項１１に記載の方法。 ラギーナン、ゼラチン、グアルガム、タピオカ、デンプ 【請求項１３】 ン、及びこれらの組合せからなる群から選択される親水 前記乳製品ベース組成物が、ヨーグルト、サワークリー コロイドを含む、請求項１∼４のいずれか一項に記載の ム、バターミルク、ケフィール、サワーミルク、生クリ 方法。 ーム、発酵チーズ、牛乳、ヒツジのミルク、ヤギのミル 【請求項６】 ク、無発酵チーズ、クリーム、バター、及びこれらの組 前記栄養組成物が、炭水化物源、脂肪源、キャノーラ油 合せからなる群から選択される乳製品原材料を含む、請 、亜麻仁油、オメガ−３脂肪酸源、タンパク質源、繊維 求項１１又は１２に記載の方法。 源、香味料、着色料、野菜ピューレ、ビタミン、ミネラ 【請求項１４】 ル、ＤＨＡ、ＥＰＡ、ω−６脂肪酸源、アラキドン酸（ 40 前記乳製品ベース組成物が、ライスミルク、豆乳、ココ 「ＡＡ」）、リン脂質、卵脂質、酸化防止剤、アミノ酸 ナッツミルク、アーモンドミルク、ナッツミルク、及び 、魚油、フィトケミカル、プロバイオティクス、プレバ これらの組合せからなる群から選択される乳製品代替原 イオティクス、シンバイオティクス、非複製性微生物、 材料を含む、請求項１１∼１３のいずれか一項に記載の 液体全粒穀物、及びこれらの組合せからなる群から選択 方法。 される少なくとも１種の原材料を含む、請求項１∼５の 【請求項１５】 いずれか一項に記載の方法。 前記調製物が、不完全水和親水コロイド、ペクチン、カ 【請求項７】 ラギーナン、ゼラチン、グアルガム、タピオカ、デンプ 前記栄養組成物が、約６∼約３６ヶ月齢の乳児及びよち ン、及びこれらの組合せからなる群から選択される親水 よち歩きの子の栄養ニーズに合わせた主要栄養素及び微 コロイドを含む、請求項１１∼１４のいずれか一項に記 量栄養素を含む、請求項１∼６のいずれか一項に記載の 50 載の方法。 ( 3 ) JP 3 2015-527076 A 2015.9.17 4 【請求項１６】 とが重要である。しかし、乳幼児に栄養に富む食物を摂 前記栄養組成物が、炭水化物源、脂肪源、キャノーラ油 らせるには、味及びテクスチャが極めて重要である。 、亜麻仁油、オメガ−３脂肪酸源、タンパク質源、繊維 【０００３】 源、香味料、着色料、野菜ピューレ、ビタミン、ミネラ [0003]したがって、栄養支援の１つの目標は、子供の日 ル、ＤＨＡ、ＥＰＡ、ω−６脂肪酸源（例えば、アラキ 々の食餌に必要とされる栄養要求量も提供しながら、喜 ドン酸（「ＡＡ」））、リン脂質、卵脂質、酸化防止剤 びを与えるテクスチャを有する乳製品又は乳製品様製品 、アミノ酸、魚油、フィトケミカル、プロバイオティク のような、発達に適した栄養組成物を乳幼児に提供する ス、プレバイオティクス、シンバイオティクス、非複製 ことである。栄養支援の別の目標は、特別に適合された 性微生物、液体全粒穀物、及びこれらの組合せからなる 果物又は香味調製物の使用により、増粘されたテクスチ 群から選択される少なくとも１種の原材料を含む、請求 10 ャを有する乳製品又は乳製品様製品を製造するための製 項１１∼１５のいずれか一項に記載の方法。 造方法を提供することである。 【請求項１７】 【要約】 前記栄養組成物が、約６∼約３６ヶ月齢の乳児及びよち 【０００４】 よち歩きの子の栄養ニーズに合わせた主要栄養素及び微 [0004]増粘されたテクスチャを有する、貯蔵安定性のあ 量栄養素を含む、請求項１１∼１６のいずれか一項に記 る乳製品ベース栄養組成物が提供される。また、増粘さ 載の方法。 れたテクスチャを有する乳製品ベース栄養組成物を製造 【請求項１８】 する方法も提供される。一般的な実施形態において、方 前記栄養組成物をパッケージに入れる直前に、前記調製 法は、乳製品ベース組成物、親水コロイドを含む果物又 物が前記乳製品ベース組成物と混合される、請求項１１ は香味調製物を用意し、上記乳製品ベース組成物と上記 に記載の方法。 20 果物又は香味調製物とを混合し、それによって上記組成 【請求項１９】 物の増粘を引き起こし、上記組成物をパッケージに入れ 前記栄養組成物が、請求項１∼１０のいずれか一項に記 、必要である場合、上記組成物の後の増粘を起こさせる 載の方法からなる群から選択される方法によって製造さ ことによって乳製品ベース栄養組成物を製造することを れる、請求項１１に記載の方法。 含む。 【請求項２０】 【０００５】 乳幼児に栄養を提供することが、子供の成長及び発達を [0005]さらに別の実施形態において、乳製品ベース組成 促進する、請求項１１∼１９のいずれか一項に記載の方 物を増粘する方法が提供される。この方法は、カルシウ 法。 ムイオン、マグネシウムイオン、又はこれらの組合せか 【請求項２１】 らなる群から選択されるイオンを含む乳製品ベース組成 請求項１∼１０のいずれか一項に記載の方法からなる群 30 物を用意することと、親水コロイドを含む香味調製物を から選択される方法によって製造される栄養組成物。 用意することと、上記乳製品ベース組成物と上記香味調 【発明の詳細な説明】 製物とを混合することと、上記乳製品ベース組成物の増 【背景】 粘を引き起こすことと、上記組成物をパッケージに入れ 【０００１】 ることと、上記組成物の後の増粘を起こさせることとを [0001]本開示は、一般的には、健康及び栄養に関する。 含む。 より詳細には、本開示は、乳幼児（ｙｏｕｎｇ 【０００６】 ｃｈｉ ｌｄｒｅｎ）の栄養ニーズに適合した、増粘されたテク [0006]さらに別の実施形態において、乳製品ベース組成 スチャを有する、貯蔵安定性のある乳製品又は乳製品様 物を増粘する方法が提供される。この方法は、乳製品ベ 栄養組成物に関する。また、上記栄養組成物を製造する ための方法も提供される。 ース組成物を用意することと、不完全水和親水コロイド 40 を含む香味調製物を用意することと、上記香味調製物を 【０００２】 上記乳製品ベース組成物に導入することと、上記組成物 [0002]市場には現在、多くのタイプの栄養組成物が存在 の増粘を引き起こすことと、上記組成物をパッケージに する。栄養組成物は、当該栄養組成物における特定の食 入れることと、上記組成物の後の増粘を起こさせること 物及び／又は他の原材料に基づいて、一定の集団又は消 とを含む。 費者グループ、例えば、若年層、中高年層、運動選手な 【０００７】 どを標的とし得る。成長している乳幼児（例えば、乳児 [0007]一実施形態において、乳製品ベース組成物は発酵 （ｂａｂｙ）及びよちよち歩きの子（ｔｏｄｄｌｅｒ） されている。乳製品ベース組成物は、ヨーグルト、サワ ）に、特定の栄養素の摂取を制限しながら、彼らの毎日 ークリーム、バターミルク、ケフィール、サワーミルク の微量栄養素要求量及び主要栄養素要求量を満たすこと 、生クリーム、発酵チーズ、又はこれらの組合せからな を助けるために、包括的で栄養に富んだ食餌を与えるこ 50 る群から選択される乳製品原材料を含み得る。 ( 4 ) JP 5 2015-527076 A 2015.9.17 6 【０００８】 クス、プレバイオティクス、シンバイオティクス、非複 [0008]一実施形態において、乳製品ベース組成物は発酵 製性微生物、液体全粒穀物、又はこれらの組合せからな されていない。乳製品ベース組成物は、牛乳、ヒツジの る群から選択される少なくとも１種の原材料を含む。 ミルク、ヤギのミルク、無発酵チーズ、クリーム、バタ 【００１６】 ー、又はこれらの組合せからなる群から選択される乳製 [0016]一実施形態において、方法は、約３６ヶ月齢まで 品原材料を含み得る。 の乳児及びよちよち歩きの子の栄養ニーズに合わせた主 【０００９】 要栄養素及び微量栄養素を用意することを含む。一実施 [0009]一実施形態において、乳製品ベース組成物は乳製 形態において、主要栄養素及び微量栄養素は、６∼３６ 品代替品である。乳製品ベース組成物は、ライスミルク ヶ月齢、又は１２∼１８ヶ月齢の乳児の栄養ニーズに合 、豆乳、ココナッツミルク、アーモンドミルク、ナッツ 10 わせられる。 ミルク、又はこれらの組合せからなる群から選択される 【００１７】 乳製品代替原材料を含み得る。 [0017]一実施形態において、方法は、カルシウム、マグ 【００１０】 ネシウム、及び亜鉛を用意することを含む。 [0010]一実施形態において、乳製品ベース組成物は、カ 【００１８】 ルシウムイオン、マグネシウムイオン、又はこれらの組 [0018]一実施形態において、方法は、乳児及びよちよち 合せからなる群から選択されるイオンを含む。 歩きの子の栄養ニーズに合わせたタンパク質含有量を用 【００１１】 意することを含む。 [0011]一実施形態において、果物又は香味調製物は、不 【００１９】 完全水和親水コロイドを含む。 [0019]一実施形態において、果物又は香味調製物は、栄 親水コロイドは、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、 20 養組成物をパッケージに入れる直前に、乳製品ベース組 グアルガム、タピオカ、デンプン、又はこれらの組合せ 成物と混合される。 であり得る。 【００２０】 【００１２】 [0020]一実施形態において、栄養組成物は、約６∼３６ [0012]一実施形態において、乳製品ベース組成物、及び ヶ月齢、又は１２∼１８ヶ月齢の子供に喜びを与えるテ 果物又は香味調製物は、最終の増粘された栄養組成物の クスチャまで増粘される。 粘度より低い粘度を有する。 【００２１】 【００１３】 [0021]一実施形態において、栄養組成物は、ゼリー化さ [0013]一実施形態において、調製物は、リンゴ、バナナ れたテクスチャまで、増粘される。テクスチャは、また 、マンゴー、オレンジ、タンジェリン、タンジェロー、 、滑らかで均一なテクスチャであり得る。 グレープフルーツ、レモン、ライム、ブドウ、パッショ 30 【００２２】 ンフルーツ、サクランボ、ベリー、ラズベリー、クロイ [0022]一実施形態において、方法は、約４０°∼約８０ チゴ、ボイゼンベリー、クワの実、イチゴ、ブルーベリ ℃の範囲の温度で栄養組成物を熱間充填することを含み ー、ゴジベリー、スグリ、アサイー、モモ、ネクタリン 、最終のパッケージにおいて後の固化を行うことを含む 、プラム、アンズ、パイナップル、グアバ、キウィ、チ 。一実施形態において、後の固化は、親水コロイドによ ェリモヤ、キンカン、ライチ、ピタヤ、ジャックフルー って支援される。 ツ、メロン、セイヨウナシ、マンゴスチン、ザクロ、又 【００２３】 はこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも [0023]一実施形態において、方法は、栄養組成物のＵＨ １種の果物成分を含む果物調製物である。 Ｔ処理を含む。一実施形態において、方法は、栄養組成 【００１４】 物の無菌処理を含む。一実施形態において、方法は低温 [0014]一実施形態において、調製物は、バニラ、チョコ 40 殺菌を含む。一実施形態において、方法は、衛生的（無 レート、コーヒー、カラメル、バタースコッチ、ミント 菌ではない）充填プロセスを含む。 、スパイス、ナッツ、ショウガ、シナモン、又はこれら 【００２４】 の組合せからなる群から選択される少なくとも１種の成 [0024]一実施形態において、方法は、また、熱ショック 分を含む、非果物香味調製物である。 処理、乳清タンパク質フラクションの加熱活性化、ミル 【００１５】 クタンパク質機能の修飾、菌体外多糖を有するヨーグル [0015]一実施形態において、栄養組成物は、炭水化物源 ト細菌培養物の組成物への組入れ、又はこれらの組合せ 、脂肪源、キャノーラ油、亜麻仁油、オメガ−３脂肪酸 のいずれかにより、栄養組成物のテクスチャに影響を及 源、タンパク質源、繊維源、香味料、着色料、野菜ピュ ぼすステップを含む。 ーレ、ビタミン、ミネラル、ＤＨＡ、ＥＰＡ、酸化防止 【００２５】 剤、アミノ酸、魚油、フィトケミカル、プロバイオティ 50 [0025]一実施形態において、パッケージは、子供及び彼 ( 5 ) JP 7 2015-527076 A 2015.9.17 8 らの保護者に、美的に魅力的である。一実施形態におい 与える。 て、パッケージは、自分で食べ始める子供にとって、適 【００３５】 切な大きさ及び形状のものである。 [0035]さらに別の実施形態において、自分で食べ始めた 【００２６】 乳幼児に栄養を提供する方法が提供される。この方法は [0026]一実施形態において、乳製品ベース栄養組成物は 、子供の発達のための栄養素を含む乳製品ベース組成物 、周囲温度で、貯蔵安定性がある。 と香味調製物とを混合し、それによって上記組成物の増 【００２７】 粘を引き起こし、上記組成物をパッケージに入れ、上記 [0027]別の実施形態において、既存の製造ラインを用い 組成物の後の増粘を起こさせることによって栄養組成物 て、貯蔵安定性のある新しい乳製品ベース栄養組成物を を製造することと、乳幼児を含む標的市場による摂取の 製造する方法が提供される。この方法は、乳製品ベース 10 ために上記製品を販売することとを含む。 組成物を用意することと、果物調製物を用意することと 【００３６】 、上記乳製品ベース組成物又は上記果物調製物のいずれ [0036]さらに別の実施形態において、子供の成長及び発 の粘度よりも大きな粘度を有する栄養組成物を生み出す 達を促進する方法が提供される。この方法は、乳製品ベ ように上記乳製品ベース組成物と上記果物調製物とを混 ース組成物と、子供の発達のための栄養素を含む香味調 合することとを含む。 製物とを混合し、それによって上記組成物の増粘を引き 【００２８】 起こし、上記栄養組成物をパッケージに入れ、上記組成 [0028]一実施形態において、果物調製物は、リンゴ、バ 物の後の増粘を起こさせることによって貯蔵安定性のあ ナナ、マンゴー、オレンジ、タンジェリン、タンジェロ る濃厚な乳製品ベース栄養製品を製造することと、子供 ー、グレープフルーツ、レモン、ライム、ブドウ、パッ の年齢及び発達段階に基づいて、子供に、上記貯蔵安定 ションフルーツ、サクランボ、ベリー、ラズベリー、ク 20 性のある濃厚な乳製品ベース栄養製品を提供することと ロイチゴ、ボイゼンベリー、クワの実、イチゴ、ブルー を含む。 ベリー、ゴジベリー、スグリ、アサイー、モモ、ネクタ 【００３７】 リン、プラム、アンズ、パイナップル、グアバ、キウィ [0037]一実施形態において、乳製品ベース組成物は発酵 、チェリモヤ、キンカン、ライチ、ピタヤ、ジャックフ されている。乳製品ベース組成物は、ヨーグルト、サワ ルーツ、メロン、セイヨウナシ、マンゴスチン、ザクロ ークリーム、バターミルク、ケフィール、サワーミルク 、又はこれらの組合せからなる群から選択される少なく 、生クリーム、発酵チーズ、又はこれらの組合せからな とも１種の果物成分を含む。 る群から選択される乳製品原材料を含み得る。 【００２９】 【００３８】 [0029]一実施形態において、この方法は、バニラ、チョ [0038]一実施形態において、乳製品ベース組成物は、発 コレート、コーヒー、カラメル、バタースコッチ、ミン 30 酵されていない。乳製品ベース組成物は、牛乳、ヒツジ ト、スパイス、ナッツ、ショウガ、シナモン、又はこれ のミルク、ヤギのミルク、無発酵チーズ、クリーム、バ らの組合せからなる群から選択される、非果物香味成分 ター、又はこれらの組合せからなる群から選択される乳 を用意することを含む。 製品原材料を含み得る。 【００３０】 【００３９】 [0030]一実施形態において、乳製品ベース組成物と果物 [0039]一実施形態において、乳製品ベース組成物は乳製 調製物との混合は、後の増粘の作用を引き起こす。 品代替品である。乳製品ベース組成物は、ライスミルク 【００３１】 、豆乳、ココナッツミルク、アーモンドミルク、ナッツ [0031]一実施形態において、栄養組成物の粘度は、製造 ミルク、又はこれらの組合せからなる群から選択される 工程の最終段階まで、高くならない。 【００３２】 乳製品代替原材料を含んでいてもよい。 40 【００４０】 [0032]一実施形態において、組成物は、既存の製造ライ [0040]一実施形態において、乳製品ベース組成物は、カ ンを改変することなく、製造される。 ルシウムイオン、マグネシウムイオン、又はこれらの組 【００３３】 合せからなる群から選択されるイオンを含む。 [0033]一実施形態において、１つの乳製品ベース組成物 【００４１】 が、異なるテクスチャを有する多数の栄養組成物を製造 [0041]一実施形態において、果物又は香味調製物は、不 するために用いられる。 完全水和親水コロイドを含む。 【００３４】 親水コロイドは、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、 [0034]一実施形態において、組成物は、約６∼３６ヶ月 グアルガム、タピオカ、デンプン、又はこれらの組合せ 齢の子供に喜びを与える高粘度を有する。一実施形態に であり得る。 おいて、高粘度は、約１２∼１８ヶ月齢の子供に喜びを 50 【００４２】 ( 6 ) JP 9 2015-527076 A 2015.9.17 10 [0042]一実施形態において、乳製品ベース組成物、及び も提供される。一実施形態において、栄養製品は、カル 果物調製物は、最終の増粘された栄養製品の粘度より低 シウム、マグネシウム、及び亜鉛に対する乳幼児の日々 い粘度を有する。 の要求量の少なくとも４５％を提供し得る。また、一実 【００４３】 施形態において、鉄も提供される。 [0043]一実施形態において、調製物は、リンゴ、バナナ 【００４９】 、マンゴー、オレンジ、タンジェリン、タンジェロー、 [0049]一実施形態において、栄養組成物は、支えられれ グレープフルーツ、レモン、ライム、ブドウ、パッショ ば座れる子、座れる子、はいはいする子、よちよち歩き ンフルーツ、サクランボ、ベリー、ラズベリー、クロイ の子、未就学児、又はこれらの組合せからなる群から選 チゴ、ボイゼンベリー、クワの実、イチゴ、ブルーベリ 択される発達段階の子供の栄養ニーズに合わせたタンパ ー、ゴジベリー、スグリ、アサイー、モモ、ネクタリン 10 ク質含有量を含む。 、プラム、アンズ、パイナップル、グアバ、キウィ、チ 【００５０】 ェリモヤ、キンカン、ライチ、ピタヤ、ジャックフルー [0050]一実施形態において、果物又は香味調製物は、栄 ツ、メロン、セイヨウナシ、マンゴスチン、ザクロ、又 養製品をパッケージに入れる直前に、乳製品ベース組成 はこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも 物と混合される。 １種の果物成分を含む果物調製物である。 【００５１】 【００４４】 [0051]一実施形態において、栄養製品は、約６∼３６ヶ [0044]一実施形態において、調製物は、バニラ、チョコ 月齢、又は１２∼１８ヶ月齢の子供に喜びを与えるテク レート、コーヒー、カラメル、バタースコッチ、ミント スチャまで増粘される。 、スパイス、ナッツ、ショウガ、シナモン、又はこれら 【００５２】 の組合せからなる群から選択される少なくとも１種の成 20 [0052]一実施形態において、栄養製品は、ゼリー化され 分を含む、非果物香味調製物である。 たテクスチャまで増粘される。 【００４５】 また、テクスチャは、滑らかで均一なテクスチャであり [0045]一実施形態において、栄養組成物は、炭水化物源 得る。 、脂肪源、キャノーラ油、亜麻仁油、オメガ−３脂肪酸 【００５３】 源、タンパク質源、繊維源、香味料、着色料、野菜ピュ [0053]一実施形態において、方法は、約４０°∼約８０ ーレ、ビタミン、ミネラル、ＤＨＡ、ＥＰＡ、酸化防止 ℃の範囲の温度で栄養製品を熱間充填することを含み、 剤、アミノ酸、魚油、フィトケミカル、プロバイオティ 最終のパッケージにおいて後の固化を行うことを含む。 クス、プレバイオティクス、シンバイオティクス、非複 一実施形態において、後の固化は、親水コロイドによっ 製性微生物、液体全粒穀物、又はこれらの組合せからな て支援される。 る群から選択される少なくとも１種の原材料を含む。 30 【００５４】 【００４６】 [0054]一実施形態において、方法は、栄養製品のＵＨＴ [0046]一実施形態において、方法は、約３６ヶ月齢まで 処理を含む。一実施形態において、方法は、栄養製品の の乳児及びよちよち歩きの子の栄養ニーズに合わせた主 無菌処理を含む。 要栄養素及び微量栄養素を提供することを含む。一実施 【００５５】 形態において、主要栄養素及び微量栄養素は、６∼３６ [0055]一実施形態において、方法は、また、熱ショック ヶ月齢、又は１２∼１８ヶ月齢の乳児の栄養ニーズに合 処理、乳清タンパク質フラクションの加熱活性化、ミル わせられる。 クタンパク質機能の修飾、菌体外多糖を有するヨーグル 【００４７】 ト細菌培養物の組成物への組入れ、又はこれらの組合せ [0047]一実施形態において、子供の発達のための栄養素 のいずれかにより、栄養製品のテクスチャに影響を及ぼ は、支えられれば座れる子（ｓｕｐｐｏｒｔｅｄ すステップを含む。 ｓｉ 40 ｔｔｅｒ）、座れる子、はいはいする子（ｃｒａｗｌｅ 【００５６】 ｒ）、よちよち歩きの子、未就学児、又はこれらの組合 [0056]一実施形態において、乳製品ベース栄養製品は、 せからなる群から選択される発達段階の子供によって、 周囲温度で貯蔵安定性がある。 健康的な成長のために必要とされる栄養素である。 【００５７】 【００４８】 [0057]一実施形態において、パッケージは、子供及び彼 [0048]一実施形態において、栄養組成物は、カルシウム らの保護者に、美的に魅力的である。一実施形態におい 、マグネシウム、及び亜鉛を提供することを含む。一実 て、パッケージは、自分で食べ始める子供にとって、適 施形態において、栄養製品は、乳幼児の１日当たりのカ 切な大きさ及び形状のものである。一実施形態において ルシウム、マグネシウム、及び亜鉛の要求量の少なくと 、パッケージは、栄養製品の標的市場の年齢及び／又は も１５％を提供し得る。また、一実施形態において、鉄 50 発達段階に関する指示を含む。また、パッケージは、栄 ( 7 ) JP 11 2015-527076 A 2015.9.17 12 養製品の香味に対応する色を含み得る。 ナナ、マンゴー、オレンジ、タンジェリン、タンジェロ 【００５８】 ー、グレープフルーツ、レモン、ライム、ブドウ、パッ [0058]一実施形態において、パッケージは、子供にとっ ションフルーツ、サクランボ、ベリー、ラズベリー、ク て適切な量のスナックであるのに十分な栄養製品を含む ロイチゴ、ボイゼンベリー、クワの実、イチゴ、ブルー 。一実施形態において、パッケージは、子供にとって適 ベリー、ゴジベリー、スグリ、アサイー、モモ、ネクタ 切な量の食事（ｍｅａｌ）であるのに十分な栄養製品を リン、プラム、アンズ、パイナップル、グアバ、キウィ 含む。一実施形態において、パッケージは、子供にとっ 、チェリモヤ、キンカン、ライチ、ピタヤ、ジャックフ て適切な量のデザートであるのに十分な栄養製品を含む ルーツ、メロン、セイヨウナシ、マンゴスチン、ザクロ 。 【００５９】 、又はこれらの組合せからなる群から選択される少なく 10 とも１種の果物成分を含む果物調製物である。 [0059]さらに別の実施形態において、貯蔵安定性のある 【００６７】 乳製品ベース栄養組成物が提供される。この組成物は、 [0067]一実施形態において、香味調製物は、バニラ、チ 乳製品ベース組成物及び香味調製物を含み、濃厚なテク ョコレート、コーヒー、カラメル、バタースコッチ、ミ スチャの栄養組成物を生じるように、乳製品ベース組成 ント、スパイス、ナッツ、ショウガ、シナモン、又はこ 物が香味調製物と混合されている。 れらの組合せからなる群から選択される少なくとも１種 【００６０】 の成分を含む、非果物香味調製物である。 [0060]一実施形態において、乳製品ベース組成物は発酵 【００６８】 されている。乳製品ベース組成物は、ヨーグルト、サワ [0068]一実施形態において、組成物は、炭水化物源、脂 ークリーム、バターミルク、ケフィール、サワーミルク 肪源、キャノーラ油、亜麻仁油、オメガ−３脂肪酸源、 、生クリーム、発酵チーズ、又はこれらの組合せからな 20 タンパク質源、繊維源、香味料、着色料、野菜ピューレ る群から選択される乳製品原材料を含み得る。 、ビタミン、ミネラル、ＤＨＡ、ＥＰＡ、酸化防止剤、 【００６１】 アミノ酸、魚油、フィトケミカル、プロバイオティクス [0061]一実施形態において、乳製品ベース組成物は発酵 、プレバイオティクス、シンバイオティクス、非複製性 されていない。乳製品ベース組成物は、牛乳、ヒツジの 微生物、液体全粒穀物、又はこれらの組合せからなる群 ミルク、ヤギのミルク、無発酵チーズ、クリーム、バタ から選択される少なくとも１種の原材料をさらに含む。 ー、又はこれらの組合せからなる群から選択される乳製 【００６９】 品原材料を含み得る。 [0069]一実施形態において、組成物は、カルシウム、マ 【００６２】 グネシウム、及び亜鉛を含む。 [0062]一実施形態において、乳製品ベース組成物は乳製 また、組成物は、鉄も含み得る。一実施形態において、 品代替品である。乳製品ベース組成物は、ライスミルク 30 組成物は、変性又は天然デンプンを含む。 、豆乳、ココナッツミルク、アーモンドミルク、ナッツ 【００７０】 ミルク、又はこれらの組合せからなる群から選択される [0070]一実施形態において、組成物は、低糖又は無糖の 乳製品代替原材料を含み得る。 組成物である。また、組成物は、香味料、人工の香味料 【００６３】 、着色料、及び保存剤を含まないこともあり得る。 [0063]一実施形態において、乳製品ベース組成物は、カ 【００７１】 ルシウムイオン、マグネシウムイオン、又はこれらの組 [0071]一実施形態において、組成物は、低酸性度（高ｐ 合せからなる群から選択されるイオンを含む。 Ｈ）組成物である。 【００６４】 【００７２】 [0064]一実施形態において、香味調製物は、親水コロイ [0072]一実施形態において、組成物は、カード（ｃｕｒ ドを含む。一実施形態において、親水コロイドは、不完 40 ｄ）のテクスチャを有するが、全く異なる栄養プロフィ 全水和親水コロイドである。一実施形態において、親水 ールを有する。一実施形態において、組成物は、標準的 コロイドは、ペクチン、カラギーナン、グアルガム、タ な冷蔵乳製品より少ないタンパク質含有量を有する。 ピオカ、デンプン、又はこれらの組合せからなる群から 【００７３】 選択される。 [0073]一実施形態において、子供の発達のための栄養素 【００６５】 は、支えられれば座れる子、座れる子、はいはいする子 [0065]一実施形態において、乳製品ベース組成物及び香 、よちよち歩きの子、未就学児、又はこれらの組合せか 味調製物は、最終の増粘された栄養組成物の粘度より低 らなる群から選択される適切な発達段階での栄養ニーズ い粘度を有する。 に合わせたタンパク質含有量を含む。 【００６６】 【００７４】 [0066]一実施形態において、香味調製物は、リンゴ、バ 50 [0074]一実施形態において、栄養組成物は、ゼリー化さ ( 8 ) JP 13 2015-527076 A 2015.9.17 14 れたテクスチャまで、増粘される。一実施形態において 【００８４】 、組成物は、滑らかで均一なテクスチャを有する。 [0084]本開示のさらに別の利点は、健康的な成長及び発 【００７５】 達を促進する乳製品又は乳製品様製品を提供することで [0075]一実施形態において、組成物は、スナックである ある。 。一実施形態において、組成物は、食事全体である。一 【００８５】 実施形態において、組成物は、食事の一部である。一実 [0085]本開示の別の利点は、骨の発達及び正常な骨の成 施形態において、組成物は、デザートである。 長のためのカルシウム、マグネシウム、及び亜鉛を含む 【００７６】 製品を提供することである。 [0076]別の実施形態において、乳幼児に栄養支援を提供 【００８６】 するように設計された、貯蔵安定性のある乳製品ベース 10 [0086]さらに別の利点は、増粘されたテクスチャを有す 栄養組成物が提供される。この組成物は、乳製品ベース る、貯蔵安定性のある乳製品又は乳製品様組成物を製造 組成物、香味調製物、並びに乳幼児の栄養ニーズに合わ する方法を提供することである。 せた主要栄養素及び微量栄養素を含み、濃厚なテクスチ 【００８７】 ャの栄養組成物を生じるように、乳製品ベース組成物が [0087]別の利点は、製造工程における粘度の高まりを遅 香味調製物と混合されている。 らせる、製造方法を提供することである。 【００７７】 【００８８】 [0077]一実施形態において、栄養組成物は、６∼３６ヶ [0088]さらに別の利点は、各相の個々の粘度より高い粘 月齢の子供の栄養ニーズに合わせた、主要栄養素及び微 度の最終製品を生じる、製造方法を提供することである 量栄養素含有量をさらに含む。一実施形態において、栄 。 養素含有量は、１２∼１８ヶ月齢の子供のニーズに合わ 20 【００８９】 せられる。 [0089]さらなる特徴及び利点は、本明細書に記載され、 【００７８】 以下の詳細な説明及び図から明らかになるであろう。 [0078]一実施形態において、栄養組成物は、６∼３６ヶ 【図面の簡単な説明】 月齢の栄養ニーズに合わせた、タンパク質含有量をさら 【００９０】 に含む。 【図１】本開示の一つの実施形態による、貯蔵安定性の 【００７９】 ある、後に増粘される乳製品又は乳製品様製品を製造す [0079]一実施形態において、栄養組成物は、支えられれ るために用いられる工程の流れ図である。 ば座れる子、座れる子、はいはいする子、よちよち歩き 【詳細な説明】 の子、未就学児、又はこれらの組合せからなる群から選 【００９１】 択される発達段階の子供に喜びを与える濃厚感を有する 30 [0091]定義 濃厚なテクスチャを有する。 【００９２】 【００８０】 [0092]本明細書で用いられる場合、単数形の「ａ」、「 [0080]一実施形態において、栄養組成物は、支えられれ ａｎ」、及び「ｔｈｅ」は、前後関係により、そうでは ば座れる子、座れる子、はいはいする子、よちよち歩き ないと明確に示されているのでなければ、複数の指示対 の子、未就学児、又はこれらの組合せからなる群から選 象を含む。したがって、例えば、「ポリペプチド」に対 択される発達段階の子供による消費にとって、適切な大 する指示対象は、２種又はそれより多いポリペプチドの きさである。 混合物を含む、などである。 【００８１】 【００９３】 [0081]本開示の一つの利点は、濃厚なテクスチャを有す [0093]本明細書で用いられる場合、「約」は、ある数値 る、貯蔵安定性のある乳製品又は乳製品様製品を提供す 40 範囲の数値を表すと理解されている。さらに、本明細書 ることである。 における全ての数値範囲は、その範囲内の全ての整数、 【００８２】 全数又は分数を含むと理解されるべきである。 [0082]本開示の別の利点は、乳児がひとりで食べ始め、 【００９４】 自主性を発達させることを助けるのに適合したテクスチ [0094]本明細書で用いられる場合、語句「許容される主 ャ及び分量サイズを有する製品を提供することである。 要栄養素分布範囲」は、慢性疾患のリスクの低下を伴う 【００８３】 主要栄養素摂取量の範囲を含むものとする（また、十分 [0083]本開示のさらに別の利点は、乳児及びよちよち歩 な必須栄養素も提供する）。 きの子の消費者が、新しいテクスチャを発見することを 【００９５】 可能にする乳製品又は乳製品様製品を提供することであ [0095]本明細書で用いられる場合、語句「十分な摂取量 る。 50 」は、全ての健康な個体の栄養素ニーズ（目標摂取量レ ( 9 ) JP 15 2015-527076 A 2015.9.17 16 ベル）をカバーすると考えられる栄養素のレベルを含む ス、ニゲロース、イソマルトース、及びパラチノースを ものとする。しかし、現在のデータは、この摂取量レベ 含む二糖；メレジトース、及びマルトトリオースを含む ル（目標摂取量レベル）によってカバーされる個体の数 三糖；コーンシロップ及びマルトデキストリンを含むオ を、自信を持って特定するには不十分である。 リゴ糖；並びに、グルカン（例えば、デキストリン、デ 【００９６】 キストラン、ベータ−グルカン）、グリコーゲン、マン [0096]本明細書で用いられる場合、語句「アミノ酸」は ナン、ガラクタン、及びデンプン（例えば、アミロース 、１種又は複数のアミノ酸を含むと理解されている。ア とアミロペクチンを含めて、トウモロコシ、コムギ、タ ミノ酸は、例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギ ピオカ、米、及びジャガイモからのもの。デンプンは、 ン、アスパルテート、シトルリン、システイン、グルタ 天然であるか、又は変性若しくは糊化されていてもよい メート、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキ 10 ）を含む多糖；並びにこれらの組合せを含むものとする シプロリン、ヒドロキシセリン、ヒドロキシチロシン、 。また、炭水化物には、甘味料源、例えば、蜂蜜、メー ヒドロキシリシン、イソロイシン、ロイシン、リシン、 プルシロップ、グルコース（デキストロース）、コーン メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タ シロップ、コーンシロップ固形物、高フルクトースコー ウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリ ンシロップ、クリスタリンフルクトース、果汁濃縮物、 ン、又はこれらの組合せであり得る。 及びクリスタリン果汁も含まれる。 【００９７】 【００９９】 [0097]本明細書で用いられる場合、用語「酸化防止剤」 [0099]本明細書で用いられる場合、「完全栄養」は、投 は、活性酸素種（「ＲＯＳ」）並びに他のラジカル及び 与される消費者にとって唯一の栄養源であるのに十分で 非ラジカル種によって促進される酸化又は反応を抑制す あるように、十分な種類とレベルの主要栄養素（タンパ る、ベータ−カロテン（ビタミンＡ前駆体）、ビタミン 20 ク質、脂肪及び炭水化物）並びに微量栄養素を含む栄養 Ｃ、ビタミンＥ、及びセレンのような様々な物質のいず 製品を意味する。 れかの１種又は複数を含むと理解されている。さらに、 【０１００】 酸化防止剤は、他の分子の酸化を遅らせる又は防ぐこと [00100]本明細書で用いられる場合、乳製品ベースとい ができる分子である。酸化防止剤の非限定的例には、カ う用語は、ミルクから生産される乳製品、又は、豆乳、 ロテノイド、コエンザイムＱ１０（「ＣｏＱ１０」）、 ココナッツミルク、ライスミルク、ナッツミルク、アー フラボノイド、グルタチオン、ゴジ（ウルフベリー）、 モンドミルクなどのようなミルク代替品から生産される ヘスペリジン、ラクトウルフベリー、リグナン、ルテイ 乳製品様製品のいずれの製品を含む。 ン、リコペン、ポリフェノール、セレン、ビタミンＡ、 【０１０１】 ビタミンＢ１ 、ビタミンＢ６ 、ビタミンＢ１ [00101]本明細書で用いられる場合、「発達段階」は、 ２ 、ビタミ ンＣ、ビタミンＤ、ビタミンＥ、ゼアキサンチン、又は 30 子供が、特定の行動を典型的に示し始めるか、又は、特 これらの組合せが含まれる。 定の行為を典型的に実施できる、子供の人生における段 【００９８】 階を表す。例えば、固形食は、通常「支えられれば座れ [0098]本明細書で用いられる場合、「炭水化物」は、ト る子」の段階で子供に導入され、この段階は、約４∼約 リオース（例えば、ケトトリオース（ジヒドロキシアセ ６ヶ月齢であり得る。発達段階の他の例には、約ゼロ∼ トン）、アルドトリオース（グリセルアルデヒド））、 約４ヶ月の「誕生＋」、約６ヶ月＋の「座れる子」、約 ケトテトロース（例えば、エリトルロース）及びアルド ８ヶ月＋の「はいはいする子」、約１０ヶ月の「はいは テトロース（例えば、エリトロース、トレオース）を含 いする子１０＋」、約１２ヶ月＋の「よちよち歩きの子 むテトロース、ケトペントース（例えば、リブロース、 」、約２４ヶ月＋の「未就学児」が含まれる。 キシルロース）、アルドペントース（例えば、リボース 【０１０２】 、アラビノース、キシロース、リキソース）、デオキシ 40 [00102]本明細書で用いられる場合、「影響力のあるテ 糖（例えば、デオキシリボース）を含むペントース、ケ クスチャ属性」又は「鍵となるテクスチャ属性」は、特 トヘキソース（例えば、プシコース、フルクトース、ソ 定の年齢又は特定の発達段階について適切に分類されて ルボース、タガトース）、アルドヘキソース（例えば、 いる食物製品を区別する時に、重要な影響を及ぼすテク アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グ スチャ属性を表す。影響力のあるテクスチャ属性は、よ ロース、イドース、ガラクトース、タロース）、デオキ り大きなテクスチャ属性グループの統計分析（例えば、 シ糖（例えば、フコース、フクロース、ラムノース）を 段階的線形重回帰分析、段階的判別分析など）によって 含むヘキソース、ヘプトース（例えば、セドヘプツロー 特定され得る。 ス）、オクトース、ノノース（例えば、ノイラミン酸） 【０１０３】 を含む単糖；スクロース、ラクトース、マルトース、ト [00103]本明細書で用いられる場合、「有効量」は、不 レハロース、ツラノース、セロビオース、コージビオー 50 足を防止し、個体の疾患又は病状を治療する、或いは、 ( 10 ) JP 17 2015-527076 A 2015.9.17 18 より一般的に、症状を弱め、疾患の進行を管理する、又 ィドバクテリウムロンガム（Ｂｉｆｉｄｏｂａｃｔｅｒ は、個体に栄養上の、生理学的な、若しくは医療上の利 ｉｕｍ 益をもたらす量である。治療は、患者又は医者に関連し ィス（Ｂｉｆｉｄｏｂａｃｔｅｒｉｕｍ 得る。 ）及びビフィドバクテリウムブレーベ（Ｂｉｆｉｄｏｂ 【０１０４】 ａｃｔｅｒｉｕｍ [00104]本明細書で用いられる場合、「推定平均要求量 リウム、又は、例えば、ラクトバチルスパラカゼイ（Ｌ 」は、ある年齢グループにおける５０％の個体のニーズ ａｃｔｏｂａｃｉｌｌｕｓ を満たすと予想される栄養素レベルを含むものとする。 くはラクトバチルスラムノサス（Ｌａｃｔｏｂａｃｉｌ 【０１０５】 ｌｕｓ [00105]本明細書で用いられる場合、「食物グレード微 10 ｌｏｎｇｕｍ）、ビフィドバクテリウムラクテ ｌａｃｔｉｓ ｂｒｅｖｅ）などのビフィドバクテ ｐａｒａｃａｓｅｉ）若し ｒｈａｍｎｏｓｕｓ）などの乳酸桿菌は、熱処 理、特に、低温／長時間熱処理によって、非複製性にさ 生物」は、食物に用いられ、用いて安全であると一般に れ得る。 見なされている微生物を意味する。 【０１１１】 【０１０６】 [00111]本明細書で用いられる場合、「正常な骨の成長 [00106]本明細書で用いられる場合、ω−３脂肪酸（例 」は、小児期及び青年期の間、骨がモデリングによって えば、α−リノレン酸（「ＡＬＡ」）、ドコサヘキサエ 形作られることを含み、これは、１つのサイトでの新し ン酸（「ＤＨＡ」）及びエイコサペンタエン酸（「ＥＰ い骨の形成と、同じ骨の内部の別のサイトからの古い骨 Ａ」））源の非限定的例には、魚油、オキアミ、鳥肉、 の除去を可能にする。このプロセスは、個々の骨のサイ 卵、又は他の植物若しくはナッツ源、例えば、アマの種 ズが大きくなり、場所が移動することを可能にする。小 子、クルミ、アーモンド、藻類、改変植物などが含まれ 児期の間、骨は、骨の内部で再吸収（骨を破壊する過程 る。 20 ）が起こり、同時に、新しい骨の形成がその外側（骨膜 【０１０７】 ）表面で起こるので、成長する。思春期に、骨は、外側 [00107]本明細書で用いられる場合、「食事」食物製品 及び内側（骨内膜）表面の両方で形成が起こることがで は、朝食、昼食及び夕食の通常の食事時間に消費される きるので、太くなる。リモデリング過程は、全生涯を通 ことが意図された、１種又は複数の食物製品を表す。 じて起こり、骨がそのピーク骨量に達するまでに（通常 【０１０８】 、２０歳代初期までに）、主要な過程になる。リモデリ [00108]本明細書で用いられる場合、用語「微生物」は ングでは、骨梁の表面又は皮質の内部の少量の骨が、除 、細菌、酵母及び／又は真菌、微生物を含む細胞増殖培 去され、次いで、同じサイトで置き換えられる。リモデ 地、又は微生物が培養された細胞増殖培地を含むものと リング過程は、骨の形状を変えないが、それでもやはり する。 、骨の健康にとって不可欠である。モデリング及びリモ 【０１０９】 30 デリングは、全生涯を通して続き、その結果、成人の骨 [00109]本明細書で用いられる場合、用語「ミネラル」 格の大部分は、約１０年ごとに置き換えられる。リモデ は、ホウ素、カルシウム、クロム、銅、ヨウ素、鉄、マ リングは、初期成人期までに支配的になるが、特に骨の グネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、リン、 弱体化に応じて、モデリングは依然として起こり得る。 カリウム、セレン、ケイ素、スズ、バナジウム、亜鉛、 【０１１２】 又はこれらの組合せを含むと理解されている。 [00112]本明細書で用いられる場合、「栄養組成物」又 【０１１０】 は「栄養製品」は、任意の数の健康によい食物原材料と [00110]本明細書で用いられる場合、「非複製性」微生 、適用され得る全ての規制に完全に従い、且つ製品にお 物は、生存細胞及び／又はコロニー形成単位が、古典的 ける機能上の必要性に基づく任意選択の追加の原材料と 平板培養法によっては検出できないことを意味する。こ を含むと理解されている。任意選択の原材料には、これ のような古典的平板培養法は、微生物学の本：Ｊａｍｅ 40 らに限らないが、通常の食物添加剤、例えば、１種又は ｓ Ｍｏｎｒｏｅ ｆｏｏ 複数の、酸味料、追加の増粘剤、ｐＨ調節のための緩衝 ｄ ｍｉｃｒｏｂｉｏｌｏｇｙ」、第７版、Ｓｐｒｉｎ 剤若しくは薬品、キレート剤、着色剤、乳化剤、賦形剤 ｇｅｒ Ｊａｙら、「Ｍｏｄｅｒｎ Ｓｃｉｅｎｃｅ、Ｎｅｗ Ｙｏｒｋ、Ｎ． Ｙ 、香味剤、ミネラル、浸透剤、薬学的に許容される担体 ．７９０頁（２００５）に要約されている。通常、生存 、保存剤、安定化剤、糖、甘味料、テクスチャ付与剤、 細胞が存在しないことは、次のように示すことができる 及び／又はビタミンが含まれ得る。任意選択の原材料は ：様々な濃度の細菌調製物（「非複製性」試料）による 、適切な任意の量で添加され得る。 接種と、適切な条件下（好気的及び／又は嫌気的雰囲気 【０１１３】 で少なくとも２４時間）でのインキュベーションの後で [00113]本明細書で用いられる場合、「フィトケミカル 、寒天平板培地上に目に見えるコロニーがないこと、又 」又は「植物栄養素」は、多くの食物に見出される非栄 は液体増殖培地の濁度の増加がないこと。例えば、ビフ 50 養成分である。フィトケミカルは、基礎栄養の及ばない ( 11 ) JP 19 2015-527076 A 2015.9.17 20 健康上の利益を有する機能食物であり、植物源に由来す 例えば、リモネン、ペリリルアルコールなど）；サポニ る健康増進成分である。「フィトケミカル」及び「植物 ン；フィトステロール（例えば、カンペステロール、ベ 栄養素」は、使用者に１つ又は複数の健康上の利益を付 ータ−シトステロール、ガンマ−シトステロール、スチ 与する、植物によって産出される何らかの化学物質を表 グマステロールなど）、トコフェロール（ビタミンＥ） す。フィトケミカル及び植物栄養素の非限定的例には、 、並びにω−３、−６、及び−９脂肪酸（例えば、ガン 以下のものが含まれる： マ−リノレン酸など）を含む脂質；トリテルペノイド（ 【０１１４】 例えば、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、 [00114]ｉ）フェノール化合物、これらには、モノフェ モロン酸など）が含まれる； ノール（例えば、アピオール、カルノソール、カルバク 【０１１６】 ロール、ジラピオール、ローズマリノールなど）；フラ 10 [00116]ｉｉｉ）ベタレイン、これらには、ベタシアニ ボノール（例えば、クエルセチン、フィンゲロール（ｆ ン（例えば、ベタニン、イソベタニン、プロベタニン、 ｉｎｇｅｒｏｌ）、ケンフェロール、ミリセチン、ルチ ネオベタニンなど）；並びにベタキサンチン（非グリコ ン、イソラムネチンなど）、フラバノン（例えば、フェ シド型）（例えば、インジカキサンチン、及びブルガキ スペリジン（ｆｅｓｐｅｒｉｄｉｎ）、ナリンゲニン、 サンチンなど）が含まれる； シリビン、エリオジクチオールなど）、フラボン（例え 【０１１７】 ば、アピゲニン、タンゲリチン、ルテオリンなど）、フ [00117]ｉｖ）オルガノスルフィド、これらには、例え ラバン−３−オール（例えば、カテキン、（＋）−カテ ば、ジチオールチオン（イソチオシアネート）（例えば キン、（＋）−ガロカテキン、（−）−エピカテキン、 、スルホラファンなど）；及びチオスルホネート（ネギ （−）−エピガロカテキン、（−）−エピガロカテキン 類由来の化合物）（例えば、アリルメチルトリスルフィ ガラート（ＥＧＣＧ）、（−）−エピカテキン３−ガラ 20 ド、及びジアリルスルフィドなど）が含まれる；インド ート、テアフラビン、テアフラビン−３−ガラート、テ ール、グルコシノラート、これらには、例えば、インド アフラビン−３’−ガラート、テアフラビン−３、３’ ール−３−カルビノールが含まれる；スルホラファン； −ジガラート、テアルビジンなど）、アントシアニン（ ３，３’−ジインドリルメタン；シニグリン；アリシン フラボナール（ｆｌａｖｏｎａｌ））及びアントシアニ ；アリイン；アリルイソチオシアネート；ピペリン；ｓ ジン（例えば、ペラルゴニジン、ペオニジン、シアニジ ｙｎ−プロパンチアール−Ｓ−オキシド； ン、デルフィニジン、マルビジン、ペチュニジンなど） 【０１１８】 、イソフラボン（フィトエストロゲン）（例えば、ダイ [00118]ｖ）タンパク質阻害剤、これらには、例えば、 ゼイン（ホルモノネチン）、ゲニステイン（ビオカニン プロテアーゼ阻害剤が含まれる； Ａ）、グリシテインなど）、ジヒドロフラボノール、カ 【０１１９】 ルコン、クメスタン（フィトエストロゲン）、並びにク 30 [00119]ｖｉ）他の有機酸、これらには、シュウ酸、フ メストロールを含むフラボノイド（ポリフェノール）； ィチン酸（イノシトール六リン酸）；酒石酸；及びアナ フェノール酸（例えば、エラグ酸、没食子酸、タンニン カルジン酸が含まれる；或いは 酸、バニリン、クルクミンなど）；ヒドロキシケイ皮酸 【０１２０】 （例えば、カフェー酸、クロロゲン酸、ケイ皮酸、フェ [00120]ｖｉｉ）これらの組合せ。 ルラ酸、クマリンなど）；リグナン（フィトエストロゲ 【０１２１】 ン）、シリマリン、セコイソラリシレシノール、ピノレ [00121]本明細書で用いられる場合、「プレバイオティ シノール及びラリシレシノール；チロソールエステル（ クス」は、腸内で選択的に、有益細菌の増殖を促進する 例えば、チロソール、ヒドロキシチロソール、オレオカ か、又は病原細菌の増殖又は粘膜付着を抑制する食物物 ンタール、オレウロペインなど）；スチルベノイド（例 質である。それらは、胃及び／又は腸上部において不活 えば、レスベラトロール、プテロスチルベン、ピセアタ 40 化されない、又は、それらを摂取する人の胃腸管におい ンノールなど）並びにプニカラギンが含まれる； て吸収されないが、胃腸内微生物叢及び／又はプロバイ 【０１１５】 オティクスによって発酵される。プレバイオティクスは [00115]ｉｉ）テルペン（イソプレノイド）、これらに 、例えば、Ｇｌｅｎｎ は、カロテン（例えば、α−カロテン、β−カロテン、 ｒｃｅｌ γ−カロテン、δ−カロテン、リコペン、ノイロスポレ ｙ Ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎ ン、フィトフルエン、フィトエンなど）、及びキサント Ｒ．Ｇｉｂｓｏｎ、及び、Ｍａ Ｂ．Ｒｏｂｅｒｆｒｏｉｄ、「Ｄｉｅｔａｒ Ｃｏｌｏｎｉｃ ｏｆ ｔｈｅ Ｈｕｍａｎ Ｍｉｃｒｏｂｉｏｔａ：Ｉｎｔｒｏ フィル（例えば、カンタキサンチン、クリプトキサンチ ｄｕｃｉｎｇ ｔｈｅ Ｃｏｎｃｅｐｔ ｏｆ Ｐｒｅ ン、アエアキサンチン（ａｅａｘａｎｔｈｉｎ）、アス ｂｉｏｔｉｃｓ」、Ｊ．Ｎｕｔｒ．１９９５ タキサンチン、ルテイン、ルビキサンチンなど）を含む １４０１∼１４１２によって定義されている。プレバイ カロテノイド（テトラテルペノイド）；モノテルペン（ 50 オティクスの非限定的な例には、アカシアゴム、アルフ １２５： ( 12 ) JP 21 2015-527076 A 2015.9.17 22 ァグルカン、アラビノガラクタン、ベータグルカン、デ ｕｄｏｃａｔｅｎｕｌａｔｕｍ）、リゾプス（Ｒｈｉｚ キストラン、フラクトオリゴ糖、フコシルラクトース、 ｏｐｕｓ）、サッカロマイセス（Ｓａｃｃｈａｒｏｍｙ ガラクトオリゴ糖、ガラクトマンナン、ゲンチオオリゴ ｃｅｓ）、スタフィロコッカス（Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏ 糖、グルコオリゴ糖、グアルガム、イヌリン、イソマル ｃｃｕｓ）、ストレプトコッカス（Ｓｔｒｅｐｔｏｃｏ トオリゴ糖、ラクトネオテトラオース、ラクトスクロー ｃｃｕｓ）、トルロプシス（Ｔｏｒｕｌｏｐｓｉｓ）、 ス、ラクツロース、レバン、マルトデキストリン、乳オ ワイセラ（Ｗｅｉｓｓｅｌｌａ）、又はこれらの組合せ リゴ糖、部分加水分解グアルガム、ペクチンオリゴ糖（ が含まれる。 ｐｅｃｔｉｃｏｌｉｇｏｓａｃｃｈａｒｉｄｅ）、難消 【０１２３】 化性デンプン、老化デンプン、シアロオリゴ糖、シアリ [00123]本明細書で用いられる場合、用語「タンパク質 ルラクトース、ダイズオリゴ糖、糖アルコール、キシロ 10 」、「ペプチド」、「オリゴペプチド」又は「ポリペプ オリゴ糖、又はそれらの加水分解物、或いはこれらの組 チド」は、単一のアミノ酸（単量体）、ペプチド結合に 合せが含まれる。 よってつながれた２つ若しくはそれより多いアミノ酸（ 【０１２２】 ジペプチド、トリペプチド、又はポリペプチド）、コラ [00122]本明細書で用いられる場合、プロバイオティク ーゲン、前駆体、同族体、類似体、模倣物、塩、プロド ス微生物（以後、「プロバイオティクス」）は、適切な ラッグ、代謝産物、又はこれらの断片、或いはこれらの 量で投与された時に宿主に健康上の利益を付与し得る、 組合せを含む何らかの組成物を表すと理解されている。 より詳細には、宿主の腸内微生物バランスを改善し、宿 明瞭さのために言えば、上記用語のいずれかの使用は、 主の健康又は良好な状態への効果につながることによっ 特に断らない限り、交換可能である。ポリペプチド（又 て、宿主に有益な影響を及ぼす、食物グレード微生物（ はペプチド又はタンパク質又はオリゴペプチド）は、自 半生存若しくは衰弱化を含めて、生きている、及び／又 20 然界に存在する２０種のアミノ酸と一般に呼ばれる２０ は、非複製性）、代謝産物、微生物細胞製剤又は微生物 種のアミノ酸以外のアミノ酸をしばしば含むこと、並び 細胞構成成分である。Ｓａｌｍｉｎｅｎ Ｓ、Ｏｕｗｅ に、末端アミノ酸を含めて、多くのアミノ酸は、グリコ Ｙ．ら、「Ｐｒｏｂｉｏｔ シル化及び他の翻訳後修飾などの自然の過程によるか、 ｈａｎｄ Ａ．Ｂｅｎｎｏ ｉｃｓ：ｈｏｗ ｓｈｏｕｌｄ ｔｈｅｙ ｂｅ ｄｅ 又は当技術分野においてよく知られている化学的修飾法 ｆｉｎｅｄ？」、Ｔｒｅｎｄｓ Ｆｏｏｄ Ｓｃｉ．Ｔ によるかのいずれかで、所定のポリペプチドにおいて修 ｅｃｈｎｏｌ．、１０、１０７−１０（１９９９）を参 飾され得ることが、認識されるであろう。本発明でのポ 照。一般に、これらの微生物は、腸管内の病原性細菌の リペプチドに存在し得る、知られている修飾の中には、 成長及び／又は代謝を阻害する、又はそれに影響を及ぼ これらに限らないが、アセチル化、アシル化、ＡＤＰ− すと考えられている。また、プロバイオティクスは、宿 リボシル化、アミド化、フラバノイド又はヘム部分の共 主の免疫機能を活性化し得る。この理由で、プロバイオ 30 有結合、ポリヌクレオチド又はポリヌクレオチド誘導体 ティクスを食物製品に含めるための多くの異なる手法が の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスファ 存在する。プロバイオティクスの非限定的な例には、ア チジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフ エロコッカス（Ａｅｒｏｃｏｃｃｕｓ）、アスペルギル ィド結合の形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、シ ス（Ａｓｐｅｒｇｉｌｌｕｓ）、バチルス（Ｂａｃｉｌ スチンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、 ｌｕｓ）、バクテロイデス（Ｂａｃｔｅｒｏｉｄｅｓ） ガンマ−カルボキシル化、糖化、グリコシル化、グリコ 、ビフィドバクテリウム、カンジダ（Ｃａｎｄｉｄａ） シルホスファチジルイノシトール（「ＧＰＩ」）膜アン 、クロストリジウム（Ｃｌｏｓｔｒｉｄｉｕｍ）、デバ カー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリ ロマイセス（Ｄｅｂａｒｏｍｙｃｅｓ）、エンテロコッ ストイル化、酸化、タンパク質分解プロセシング、リン カス（Ｅｎｔｅｒｏｃｏｃｃｕｓ）、フゾバクテリウム 酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、 （Ｆｕｓｏｂａｃｔｅｒｉｕｍ）、ラクトバチルス、ラ 40 ポリペプチドへのアミノ酸の転移ＲＮＡ媒介付加（例え クトコッカス（Ｌａｃｔｏｃｏｃｃｕｓ）、ロイコノス ば、アルギニル化）、及びユビキチン化が含まれる。ま トック（Ｌｅｕｃｏｎｏｓｔｏｃ）、メリソコッカス（ た、用語「タンパク質」は、「人工タンパク質」も含み Ｍｅｌｉｓｓｏｃｏｃｃｕｓ）、ミクロコッカス（Ｍｉ 、これは、ペプチドの交互の繰り返しからなる直鎖状又 ｃｒｏｃｏｃｃｕｓ）、ムコール（Ｍｕｃｏｒ）、オエ は非直鎖状ポリペプチドを表す。 ノコッカス（Ｏｅｎｏｃｏｃｃｕｓ）、ペディオコッカ 【０１２４】 ス（Ｐｅｄｉｏｃｏｃｃｕｓ）、ペニシリウム（Ｐｅｎ [00124]タンパク質の非限定的な例には、乳製品ベース ｉｃｉｌｌｉｕｍ）、ペプトストレプトコッカス（Ｐｅ タンパク質、植物ベースタンパク質、動物ベースタンパ ｐｔｏｓｔｒｅｐｏｃｏｃｃｕｓ）、ピキア（Ｐｉｃｈ ク質及び人工タンパク質が含まれる。乳製品ベースタン ｉａ）、プロピオニバクテリウム（Ｐｒｏｐｉｏｎｉｂ パク質には、例えば、カゼイン、カゼイン塩（例えば、 ａｃｔｅｒｉｕｍ）、シュードカテヌラータム（Ｐｓｅ 50 カゼインのナトリウム、カルシウム、カリウム塩を含む ( 13 ) JP 23 2015-527076 A 2015.9.17 24 全ての形）、カゼイン加水分解物、乳清（例えば、濃縮 のための）操作の回数というテクスチャ属性は、全て、 物、分離物、脱塩物を含む全ての形）、乳清加水分解物 本明細書において以下で説明されるように、舌→口蓋法 、ミルクタンパク質濃縮物、及びミルクタンパク質分離 （Ｔｏｎｇｕｅ 物が含まれる。植物ベースタンパク質には、例えば、ダ を用いて測定され得る。別の実施形態において、濃密さ イズタンパク質（例えば、濃縮物及び分離物を含む全て 、脆さ、及び塊の粗さというテクスチャ属性は、全て、 の形）、エンドウ豆タンパク質（例えば、濃縮物及び分 本明細書において以下で説明されるように、咀嚼法（Ｃ 離物を含む全ての形）、キャノーラタンパク質（例えば ｈｅｗｉｎｇ 、濃縮物及び分離物を含む全ての形）、商業的には、コ また、上述のテクスチャ属性の多くは、舌→口蓋法評価 ムギ及び分画コムギタンパク質、トウモロコシ及びゼイ 、及び咀嚼法の両方を用いて測定され得る。例えば、一 ンを含むその画分、米、オートムギ、ジャガイモ、ピー 10 実施形態において、かたさ、湿性、湿分吸収、細分化、 ナッツ、グリーンピース粉末、サヤインゲン粉末である 塊の凝集性、塊の付着性、嚥下の容易さ、及び残留口腔 他の植物タンパク質、並びに、マメ、ヒラマメ、及び豆 被膜は、全て、舌→口蓋法又は咀嚼法のいずれか又は両 類に由来する任意のタンパク質が含まれる。動物ベース 方により測定され得るテクスチャ属性の例である。 タンパク質は、牛肉、鳥肉、魚肉、子羊肉、海産食物、 【０１２９】 又はこれらの組合せからなる群から選択され得る。 [00129]本明細書で用いられる場合、「舌→口蓋法」は 【０１２５】 、食物試料を舌で硬口蓋に押し付け、操作することを含 [00125]本明細書で用いられる場合、用語「貯蔵安定性 む、食物製品の評価方法を表す。舌→口蓋法において評 のある」は、損なわれる又は腐ることなく、室温（例え 価される主要パラメータには、これらに限らないが、初 ば、約２０℃∼約２５℃）で、長期間（例えば、３ヶ月 期の舌の操作、舌による口蓋への最初の押付け、舌によ を超えて）、保存できることを意味する。典型的な乳製 20 る口蓋への、試料の５∼７回の操作、及び舌による操作 品ベース栄養組成物は、通常、冷蔵され保存される必要 回数が含まれる。 があるが、本開示の実施形態における貯蔵安定性のある 【０１３０】 乳製品ベース組成物は、それらの味又はテクスチャを許 [00130]本明細書で用いられる場合、用語「ビタミン」 容されないほど変えることなく、有益に長い貯蔵寿命の は、体の正常な成長及び活動のために僅かな量であるが 間、室温又は周囲温度で、密封された容器に安全に保存 不可欠であり、植物及び動物食物から天然に得られるか できるように処理されている。 又は合成的に作製される様々な脂溶性又は水溶性有機物 製造される乳製品ベース栄養組成物は、例えば、３ヶ月 質（非限定的な例には、ビタミンＡ、ビタミンＢ１（チ 、６ヶ月、９ヶ月、１２ヶ月、１８ヶ月などを超える、 アミン）、ビタミンＢ２（リボフラビン）、ビタミンＢ 貯蔵安定性があり得る。 ３（ナイアシン又はナイアシンアミド）、ビタミンＢ５ 【０１２６】 30 ｔｏ Ｐａｌａｔｅ Ｍｅｔｈｏｄ） Ｍｅｔｈｏｄ）を用いて測定され得る。 （パントテン酸）、ビタミンＢ６（ピリドキシン、ピリ [00126]本明細書で用いられる場合、「スナック」食物 ドキサール、又はピリドキサミン、又は塩酸ピリドキシ 製品は、食事食物製品より分量サイズが通常少ない、及 ン）、ビタミンＢ７（ビオチン）、ビタミンＢ９（葉酸 び／又は、朝食、昼食及び夕食の通常の食事の間に消費 ）、及びビタミンＢ１２（様々なコバラミン；一般的に されることが意図された、１種又は複数の食物製品を表 は、ビタミンサプリメント中のシアノコバラミン）、ビ す。 タミンＣ、ビタミンＤ、ビタミンＥ、ビタミンＫ、葉酸 【０１２７】 及びビオチンが含まれる）、プロビタミン、誘導体、類 [00127]本明細書で用いられる場合、「シンバイオティ 似体のいずれをも含むと理解されている。 ク」は、一緒に働いて腸の微生物叢を改善する、プレバ 【０１３１】 イオティクとプロバイオティクの両方を含むサプリメン トである。 [00131]栄養組成物の成分 40 【０１３２】 【０１２８】 [00132]本開示は、周囲温度で貯蔵安定性がある、濃厚 [00128]本明細書で用いられる場合、語句「テクスチャ なテクスチャを有する乳製品ベース栄養組成物、並びに 属性」は、食物製品のテクスチャに関する属性又は記述 特別に調製された果物及び／又は香味調製物の使用によ 的特性を表す。テクスチャ属性には、これらに限らない り当該栄養組成物を製造する方法を提供する。上記貯蔵 が、マトリックスにおける断片の量、表面粗さ、かたさ 安定性のある乳製品ベース栄養組成物は、消費者に喜び 、湿性、細分化（ｂｒｅａｋｄｏｗｎ）、塊の凝集性、 を与える、高められた濃厚なテクスチャを有する。一実 塊の付着性、湿分吸収、（嚥下の準備のための）操作の 施形態において、濃厚なテクスチャは、乳児及びよちよ 回数、嚥下の容易さ、残留口腔被膜、濃密さ、脆さ、及 ち歩きの子に魅力的である。子供が組成物を消費する時 び塊の粗さが含まれ得る。一実施形態において、マトリ 、組成物のテクスチャ属性が経験され、子供が新しい食 ックスにおける断片の量、表面粗さ、及び（嚥下の準備 50 物テクスチャを発見することが可能になる。この発見は ( 14 ) JP 25 2015-527076 A 2015.9.17 26 、ちょうど自分で食べることを学ぶ乳幼児に役立つ。 【０１３３】 [00133]現在、市場には多くの冷蔵される食物製品が存 在する。冷蔵は、食物製品の寿命を延ばすために、より 低い温度に、食物製品を冷却又は冷凍する方法である。 貯蔵の間、食物製品内の細菌は、経時的に食物製品が損 なわれる原因となり得る。冷蔵することによって、食物 製品は、数週間又は数ヶ月間のような長期間、損なわれ ることなく維持することができる。冷蔵を必要とする典 型的な食物製品には、肉及び乳製品が含まれる。通常、 10 それらは、冷蔵又は冷凍に伴うエネルギーコストのせい で、冷蔵されない食物より、保存するのに、より大きな コストがかかる。周囲温度で貯蔵安定性のある食物を提 供することにより、より低い価格を設定することが可能 になり、また消費者にとっての利便性が増す。 【０１３４】 [00134]貯蔵安定性のある食物は、通常は冷蔵保存され るが、長い貯蔵寿命の間、室温又は周囲温度で安全に保 存できるように処理されている食物である。様々な食物 保存及び包装技術が、食物の貯蔵寿命を延ばすために用 20 いられる。これらの技術のいくつかは、食物製品中の有 効水分の量を減らすこと、その酸性度を増すこと、又は 食物製品を照射するか若しくは別の方法で滅菌し、次い で、それを気密容器に密封すること、を含む。いくつか の食物では、代わりの原材料が使用され得る。一実施形 態において、貯蔵安定性のある乳製品ベース組成物が提 供される。一実施形態において、これらの組成物は、９ ヶ月までの貯蔵安定性がある。 【０１３５】 [00135]また、本開示の組成物は、様々な年齢又は発達 30 段階の子供の消費者の健康ニーズを満たすように特に合 わせられた微量及び主要栄養素を含み得る。組成物は、 乳児又は乳幼児の健康にとって栄養の点から適切である ものと、その年齢でその特定の発達段階にある子供に、 味及びテクスチャが魅力的である食物タイプとのバラン スを捜し求めている保護者に適している。上記のように 、子供の発達は、特定の年齢で通常達成される行動及び 能力に基づいて、一定の発達段階に分けることができる 。これらの段階が、表１に特定され、記載されている。 【０１３６】 40 [00136] 【表１】 【０１３７】 [00137]また、各発達段階は、特定の栄養要求量を有す る。特定の発達段階の子供向けの製品は、他の段階での 消費に考案されたものとは全く異なり得る。一実施形態 において、本組成物は、様々な発達段階の子供の栄養必 要量を満たし、さらに、その発達段階の子供にとって魅 力的であると思われる味及びテクスチャを有する製品を 50 提供する。例えば、ここで開示されている組成物は、よ ( 15 ) JP 27 2015-527076 A 2015.9.17 28 ちよち歩きの子の発達段階の、１２∼１８ヶ月齢の子供 ク、アーモンドミルク、ナッツミルクなどからの少なく の栄養必要量を満たす。また、その年齢の子供にとって とも１種を含む。 魅力的な味及びテクスチャ特性も有する。別の実施形態 【０１４４】 において、組成物は、未就学の発達段階の中で、３６ヶ [00144]無発酵乳製品ベース製品は、製造工程の一部と 月齢までの子供の栄養必要量を満たす。 して、発酵されてもよい。 【０１３８】 【０１４５】 [00138]本栄養組成物は、少なくとも２つの成分（乳製 [00145]また、本発明の栄養組成物は果物調製物である 品ベース成分及び香味調製物）を含む。これらの成分は 香味調製物をも含む。調製物は、どのような食用果物か 、低い粘度を有する。しかし、組み合わせにすると、こ ら作製されてもよい。非限定的な例には、リンゴ、バナ れらの成分の混合物は、どちらの成分の粘度より高い粘 10 ナ、マンゴー、オレンジ、タンジェリン、タンジェロー 度を有する組成物を生じ、より濃厚なテクスチャが実現 、グレープフルーツ、レモン、ライム、ブドウ、パッシ され得る。当業者は、栄養組成物は上記２つの成分だけ ョンフルーツ、サクランボ、ベリー、ラズベリー、クロ に限定されないこと、及び、多数の他の原材料が含めら イチゴ、ボイゼンベリー、クワの実、イチゴ、ブルーベ れ得ることを認識するであろう。 リー、ゴジベリー、スグリ、アサイー、モモ、ネクタリ 【０１３９】 ン、プラム、アンズ、パイナップル、グアバ、キウィ、 [00139]また、ここで開示されている栄養組成物は、子 チェリモヤ、キンカン、ライチ、ピタヤ、ジャックフル 供の成長を支えるのに必要な栄養素を含む。一実施形態 ーツ、メロン、セイヨウナシ、マンゴスチン、ザクロ、 において、組成物は、ミルクの自然の滋養分により、健 などが含まれる。一実施形態において、果物調製物は、 康的な成長及び発達を支える。また一実施形態において モモ−ラズベリーである。別の実施形態では、マンゴー 、栄養組成物は、一般に成長並びに強い骨及び歯の発達 20 である。自然の果物は、成人及び乳幼児の両方の食餌に のために、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛を提供す 対する、健康によい添加物である。 る。一実施形態において、６０グラムの栄養組成物の２ 【０１４６】 回の提供は、乳児の１日当たりのカルシウム、マグネシ [00146]他の香味調製物も、同様に、組成物に用いられ ウム及び亜鉛の必要量の４５％を提供する。 てもよい。果物調製物の代わりに、又はそれに加えて、 【０１４０】 栄養組成物は、バニラ、チョコレート、コーヒー、カラ [00140]上記のように、本発明の栄養組成物は、乳製品 メル、バタースコッチ、ミント、スパイス、ナッツ、シ ベース組成物である。乳製品ベース組成物は、ミルクか ョウガ、シナモン、などの香味を添えられてもよい。当 ら作製される原材料、又はミルク代替品から作製される 業者は、様々な香味が消費者に魅力的であり得ることを 原材料のいずれかを含む。栄養組成物の様々な実施形態 認識するであろう。 は、ラクトース不耐性、又は特定のミルク製品に対する 30 また、当業者は薄い香味の栄養組成物が製造され得るこ 他の嫌悪を有する者によって消費されることが可能であ とも認識するであろう。 る。栄養組成物は、発酵した乳製品ベース製品、又は無 【０１４７】 発酵乳製品ベース製品のいずれかにより調製され得る。 [00147]果物／香味調製物は、栄養組成物に、魅力的で 当業者は、どのような乳製品ベース製品も、組成物に使 食欲をそそる香味を加える。また、乳製品ベース組成物 用され得ることを認識するであろう。 と混合される果物／香味調製物の反応が製品の増粘を引 【０１４１】 き起こし、理想的なテクスチャ属性が実現されることを [00141]一実施形態において、発酵した乳製品ベース製 可能にするという機能的な目的をも有する。 品が、組成物に用いられる。例えば、発酵した乳製品ベ 【０１４８】 ース原材料には、ヨーグルト、サワークリーム、バター [00148]様々な香味は、自分で食べ始めたばかりの子供 ミルク、ケフィール、サワーミルク、生クリーム、発酵 40 の消費者が、新しい味を認識し、また彼らの味覚を向上 チーズなどが含まれる。 させることを可能にすると同時に、子供のその時点の年 【０１４２】 齢に対応する発達段階で乳児又は乳幼児が必要とする正 [00142]別の実施形態において、無発酵乳製品ベース製 しいバランスの栄養素及びビタミンを、子供が受け取る 品が用いられる。これらには、牛乳、ヒツジのミルク、 ことを可能にする。 ヤギのミルク、無発酵チーズ、クリーム、バター及び異 【０１４９】 なるミルクから作製される他の製品などが含まれ得る。 [00149]他の原材料は、適宜、標的とする消費者の栄養 【０１４３】 ニーズを満たすために含められ得る。例えば、様々な発 [00143]また、乳製品様製品（乳製品代替品）も本発明 達段階で子供の成長を支えるために付加される栄養素が の栄養組成物に組み入れられてもよい。一実施形態にお 、適宜、含められ得る。子供が１２ヶ月齢を超えると、 いて、組成物は、ライスミルク、豆乳、ココナッツミル 50 両親及び保護者は、多くの場合、伝統的な乳児食から子 ( 16 ) JP 29 2015-527076 A 2015.9.17 30 供を離させるための食物を探し始める。しかし、１２ヶ 有するヨーグルト細菌培養物を含む。 月齢では、乳児は、依然として一定の栄養ニーズを有す 【０１５４】 る。一実施形態において、栄養組成物は、６∼３６ヶ月 [00154]一実施形態において、栄養組成物は、アエロコ 齢の年齢の範囲の子供に適する主要栄養素及び微量栄養 ッカス、アスペルギルス、バクテロイデス、ビフィドバ 素を供給する。別の実施形態において、栄養組成物は、 クテリウム、カンジダ、クロストリジウム、デバロマイ １２∼３６ヶ月齢の子供に必要な主要栄養素及び微量栄 セス、エンテロコッカス、フゾバクテリウム、ラクトバ 養素を提供する。また、組成物は、１２∼１８ヶ月齢の チルス、ラクトコッカス、ロイコノストック、メリソコ 子供にとっても適切であり得る。組成物は、当該の発達 ッカス、ミクロコッカス、ムコール、オエノコッカス、 段階の子供の栄養ニーズを満たすのに役立つ。 【０１５０】 ペディオコッカス、ペニシリウム、ペプトストレプトコ 10 ッカス、ピキア、プロピオニバクテリウム、シュードカ [00150]また、本栄養組成物は、他の有益な又は機能的 テヌラータム、リゾプス、サッカロマイセス、スタフィ な原材料を含み得る。例えば、栄養組成物は、タンパク ロコッカス、ストレプトコッカス、トルロプシス、ワイ 質源を含んでいてもよい。タンパク質源は、これらに限 セラ、又はこれらの組合せからなる群から選択される１ らないが、動物タンパク質（例えば、肉タンパク質又は 種又は複数のプロバイオティクスをさらに含む。 卵タンパク質）、乳製品タンパク質（例えば、カゼイン 【０１５５】 、カゼイン塩（例えば、カゼインのナトリウム、カルシ [00155]また、栄養組成物は、繊維源、繊維又は様々な ウム、カリウム塩を含む全ての形）、カゼイン加水分解 タイプの繊維のブレンドをも含み得る。繊維ブレンドは 物、乳清（例えば、濃縮物、分離物、脱塩物を含む全て 、可溶性及び不溶性繊維の混合物を含んでいてもよい。 の形）、乳清加水分解物、ミルクタンパク質濃縮物、及 可溶性繊維には、例えば、フラクトオリゴ糖、アカシア びミルクタンパク質分離物）、植物タンパク質（例えば 20 ゴム、イヌリンなどが含まれ得る。不溶性繊維には、例 、ダイズタンパク質、コムギタンパク質、米タンパク質 えば、エンドウ豆外側繊維が含まれ得る。 、及びエンドウ豆タンパク質）、又はこれらの組合せを 【０１５６】 含めて、食餌用タンパク質であり得る。一実施形態にお [00156]一実施形態において、栄養組成物は、炭水化物 いて、タンパク質源は、乳清、鶏肉、トウモロコシ、カ 源をさらに含む。これらに限らないが、スクロース、ラ ゼイン塩、コムギ、アマ、ダイズ、イナゴマメ、エンド クトース、グルコース、フルクトース、固形コーンシロ ウ豆、又はこれらの組合せからなる群から選択される。 ップ、マルトデキストリン、変性デンプン、アミロース 【０１５１】 デンプン、タピオカデンプン、コーンスターチ、又はこ [00151]一実施形態において、本発明の栄養組成物は、 れらの組合せを含めて、適切な任意の炭水化物が、本栄 適切な発達段階の子供の栄養ニーズを満たすように合わ 養組成物に用いられ得る。 せた、そのように合わせていない乳製品ベース製品より 30 【０１５７】 少ないタンパク質含有量を有する。 [00157]一実施形態において、栄養組成物は、脂肪源を 【０１５２】 さらに含む。脂肪源には、適切な任意の脂肪又は脂肪混 [00152]また、一実施形態において、乳製品ベース組成 合物が含まれ得る。例えば、脂肪には、これらに限らな 物は、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンのよう いが、植物脂肪（例えば、オリーブオイル、トウモロコ なイオンを含む。当業者は、これらのイオンが、天然由 シ油、ヒマワリ油、菜種油、ヘーゼルナッツオイル、大 来であるか、又は、組成物に添加されてもよいことを認 豆油、ヤシ油、ココナッツオイル、キャノーラ油、レシ 識するであろう。 チンなど）、及び動物脂肪（例えば、乳脂肪）が含まれ 【０１５３】 得る。 [00153]一実施形態において、本発明の栄養組成物は、 【０１５８】 １種又は複数のプレバイオティクス／菌体外多糖をさら 40 [00158]別の実施形態において、栄養組成物は、１種又 に含む。プレバイオティクスは、アカシアゴム、アルフ は複数のアミノ酸をさらに含む。アミノ酸の非限定的例 ァグルカン、アラビノガラクタン、ベータグルカン、デ には、イソロイシン、アラニン、ロイシン、アスパラギ キストラン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ガ ン、リシン、アスパルテート、メチオニン、システイン ラクトマンナン、ゲンチオオリゴ糖、グルコオリゴ糖、 、フェニルアラニン、グルタメート、トレオニン、グル グアルガム、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ラクトス タミン、トリプトファン、グリシン、バリン、プロリン クロース、ラクツロース、レバン、マルトデキストリン 、セリン、チロシン、アルギニン、シトルリン、ヒスチ 、部分加水分解グアルガム、ペクチンオリゴ糖、老化デ ジン、又はこれらの組合せが含まれる。 ンプン、ダイズオリゴ糖、糖アルコール、キシロオリゴ 【０１５９】 糖、又はこれらの組合せからなる群から選択され得る。 [00159]一実施形態において、栄養組成物は、１種又は 一実施形態において、本発明の組成物は、菌体外多糖を 50 複数のシンバイオティクス、植物栄養素及び／又は酸化 ( 17 ) JP 31 2015-527076 A 2015.9.17 32 防止剤をさらに含む。酸化防止剤は、カロテノイド、コ [00164]栄養組成物は、製品のテクスチャ、粘度、及び エンザイムＱ１０（「ＣｏＱ１０」）、フラボノイド、 食感に影響を及ぼす要素をさらに含み得る。一実施形態 グルタチオン、ゴジ（ウルフベリー）、ヘスペリジン、 において、果物／香味調製物は、親水性コロイド、例え ラクトウルフベリー、リグナン、ルテイン、リコペン、 ば、ペクチン、ゼラチン、カラギーナン、ゼラチン、グ ポリフェノール、セレン、ビタミンＡ、ビタミンＢ１、 アルガム、タピオカ、デンプンなどを含む。当業者は、 ビタミンＢ６、ビタミンＢ１２、ビタミンＣ、ビタミン 他の親水コロイドも同様に組成物に使用され得ることを Ｄ、ビタミンＥ、又はこれらの組合せからなる群から選 認識するであろう。 択され得る。 一実施形態において、組成物は、後の増粘の作用を可能 【０１６０】 [00160]一実施形態において、栄養組成物は、１種又は にするために、テクスチャ付与剤又は増粘剤（変性デン 10 プンが含まれる）を含む。 複数のビタミン及びミネラルをさらに含む。ビタミンの 【０１６５】 非限定的例には、ビタミンＡ、Ｂ−コンプレックス（例 [00165]また、異なる発達段階の子供は、異なる好みの えば、Ｂ−１、Ｂ−２、Ｂ−６及びＢ−１２）、Ｃ、Ｄ テクスチャ属性、及び食物に関連する他の鍵となる属性 、Ｅ及びＫ、ナイアシン、並びに酸性ビタミン、例えば を示し得る。また、自分で食べることを学んでいる子供 、パントテン酸及び葉酸、ビオチン、又はこれらの組合 は、他のものより喜びを得られる特定のテクスチャ及び せが含まれる。ミネラルの非限定的例には、カルシウム 属性を見出し得る。一実施形態において、本組成物は、 、鉄、亜鉛、マグネシウム、ヨウ素、銅、リン、マンガ 乳児及び乳幼児が自分で食べることを学ぶ助けとなるよ ン、カリウム、クロム、モリブデン、セレン、ニッケル うに適合されたテクスチャを有する。一実施形態におい 、スズ、ケイ素、バナジウム、ホウ素、又はこれらの組 て、組成物は濃厚なテクスチャを有する。より濃厚なテ 合せが含まれる。 20 クスチャは、乳幼児が助けなしに組成物をスプーンです 【０１６１】 くって食べることができることを助けることによって、 [00161]一実施形態において、組成物は、炭水化物源、 自分で食べることを容易にする。別の実施形態において 脂肪源、キャノーラ油、亜麻仁油、オメガ−３脂肪酸源 、組成物はゼリー化されたテクスチャを有する。組成物 、タンパク質源、繊維源、香味料、着色料、野菜ピュー は、滑らかで均一なテクスチャを有し得る。組成物は、 レ、ビタミン、ミネラル、ＤＨＡ、ＥＰＡ、酸化防止剤 冷蔵乳製品において得られるテクスチャに類似したテク 、アミノ酸、魚油、フィトケミカル、プロバイオティク スチャを有し得る。 ス、プレバイオティクス、シンバイオティクス、非複製 【０１６６】 性微生物、液体全粒穀物などを含み得る。 [00166]乳製品ベース栄養組成物は、一実施形態におい 【０１６２】 て、乳製品ベース栄養組成物が、乳児及び乳幼児が発達 [00162]他の任意選択の原材料が、栄養組成物を、十分 30 の各段階で必要とする栄養素とビタミンとの適正なバラ に口に合うようにするために添加されてもよい。例えば ンスを有するという点で、乳児及び乳幼児の両親及び保 、本開示の栄養組成物は、通常の食物添加剤、例えば、 護者に魅力的であり得る。また、組成物は、子供の味覚 酸味料、追加の増粘剤、ｐＨ調節のための緩衝剤若しく 及び味の識別力を、彼らに、新しい味、テクスチャ及び は薬品、キレート剤、着色剤、乳化剤、賦形剤、香味剤 香味に初めて触れさせることによって、進歩させる助け 、ミネラル、浸透剤、薬学的に許容される担体、保存剤 となる。 、安定化剤、糖、甘味料、テクスチャ付与剤、又はこれ 【０１６７】 らの組合せのいずれかを任意選択で含んでいてもよい。 [00167]また、分量サイズは、特定の発達段階の子供の 任意選択の原材料は、適切な如何なる量で添加されても 消費を標的にする組成物を開発するために重要である。 よい。一実施形態において、組成物は、如何なる人工の 香味料、着色料、又は保存剤をも含まない。 分量サイズは、消費者に、適切な発達段階に必要な栄養 40 素を供給するのに十分なだけ多くあるべきであるが、自 【０１６３】 分で食べることを学び始めた消費者を、おじけづかせる [00163]栄養組成物は、少量の添加された糖を含み得る 程多すぎるべきでない。一実施形態において、組成物は 。一実施形態において、組成物は、従来の冷蔵乳製品よ 、子供が一人で食べ始め、自立性を発達させることを助 り少量の糖を含む。一実施形態において、組成物は、添 けるのに適する分量サイズのものである。 加された糖を全く含まない。少量の糖を含む組成物は、 【０１６８】 大量の添加された糖を彼らの食餌に含むべきでない乳幼 [00168]当業者は、分量サイズが、与えられる子供の発 児及び乳児、並びに糖尿病、低血糖を有するか、さもな 達段階によって決められることを認識するであろう。分 ければ低い糖の食餌を必要とする人にとって、有益であ 量サイズは、食事全体、食事の一部、スナック、デザー る。 トなどに適切であり得る。一実施形態において、組成物 【０１６４】 50 は、ミルクベースのデザートである。一実施形態におい ( 18 ) JP 33 2015-527076 A 2015.9.17 34 て、組成物は、完全な食事の一部である。 [00175]一般的な実施形態において、乳製品ベース栄養 【０１６９】 組成物を製造する方法が提供される。一般的な実施形態 [00169]栄養組成物は、何らかのタイプのパッケージに において、方法は、乳製品ベース組成物と、香味調製物 入れられ得る。パッケージは、消費の市場性を向上させ （果物又は非果物ベースのいずれか）とを混合して、濃 るために、ロゴ、色、及びデザインを含むように構築さ 厚なテクスチャを有する、周囲温度で貯蔵安定性のある れ得る。 乳製品ベース栄養組成物を生み出すことを含む。これら 一実施形態において、パッケージは、子供及び彼らの保 の方法は、標的消費者グループの栄養ニーズに適合させ 護者に、美的に魅力的である。 ることができ、新しいテクスチャを体験させる栄養組成 【０１７０】 [00170]パッケージは、消費者に組成物に関する情報を 物を製造する。また、以下の方法は、貯蔵安定性のある 10 乳製品ベース栄養組成物だけでなく、増粘されたテクス 伝えるための指示を含み得る。 チャを有する冷蔵乳製品ベース組成物の製造にも適用可 パッケージは、組成物が対象とする年齢範囲を説明する 能であり得ることを、当業者は認識するであろう。 情報を含み得る。一実施形態において、パッケージは、 【０１７６】 組成物が１２∼１８ヶ月齢の子供向けであることを示す [00176]図１に例示されるように、果物／香味調製物は 。 、最終の乳製品ベース栄養組成物をパッケージ又は容器 【０１７１】 に充填する前の最終ステップとして、乳製品ベース組成 [00171]また、パッケージは、栄養組成物の栄養プロフ 物に添加され得る。出願人は、乳製品ベース組成物と果 ィールに関する情報をも伝え得る。一実施形態において 物／香味調製物との混合が栄養組成物の増粘を引き起こ 、パッケージは、中の組成物は、強い骨及び歯のために すことを見出した。また、組成物が最終のパッケージに 、また健康な骨を構築するために、カルシウム及び鉄が 20 入れられた後、組成物の後の増粘が起こることも見出さ 豊富であることを、記載する。当業者は、成長又は他の れた。 健康上の主張が、パッケージに含められ得ることを認識 【０１７７】 するであろう。一実施形態において、パッケージは、カ [00177]図１にさらに例示されているように、方法は、 ルシウム、マグネシウム、及び亜鉛含有量、並びに、こ また、果物／香味調製物の添加と共に、乳製品ベース組 れらの健康上及び成長上の利点に関する主張を含む。 成物の調製、組成物の低温殺菌、乳製品培養物の添加に 【０１７２】 よる発酵、加熱殺菌及び滅菌、並びに無菌収容をも含み [00172]パッケージの色は、標的とする消費者による自 得る。方法は、超高温（ＵＨＴ）処理を含んでいてもよ 己選択の助けとなる表示であり得る。薄い黄色のパッケ い。 ージはバニラ、茶色のパッケージはチョコレート、赤い 【０１７８】 パッケージはラズベリー、オレンジ色のパッケージはマ 30 [00178]一実施形態において、方法は、組成物の熱間充 ンゴーを含み得る、など。当業者は、様々な色が、様々 填、及び最終カップにおける後の固化を含む。一実施形 な香味と対にして組み合わせられ得ることを認識するで 態において、熱間充填は、４０∼１００℃の間の温度で あろう。また、パッケージは、１つより多い香味を含ん 行われる。一実施形態において、熱間充填は、５０∼８ でいてもよい。 ０℃の間の温度で行われる。当業者は、後の固化の効果 【０１７３】 が、親水コロイドを含めて、選ばれる原材料によって、 [00173]パッケージが乳幼児のための栄養組成物を含む 支えられ得ることを認識するであろう。 場合、当業者は、乳幼児が自分で食べている間、パッケ 【０１７９】 ージを保持できるように、パッケージが成形され得るこ [00179]組成物に用いられる果物調製物は、ペクチン、 とを認識するであろう。一実施形態において、パッケー ゼラチン、グアルガム、カラギーナン、タピオカ、デン ジは、乳幼児の手に合うように曲がっており、その結果 40 プンなどのような親水コロイドを含み得る。当業者は、 、子供は、パッケージを独力で保持できる。また、小さ 様々な親水コロイドが、果物調製物に含められ得ること なパッケージは、多くの品目を一度に携行する必要のあ を認識するであろう。チョコレート、カラメル、コーヒ る両親又は保護者の助けになる。また、乳製品ベース栄 ー、スパイス、ナッツなどのような香味調製物が、果物 養組成物のためのパッケージは、このような組成物を捜 調製物と共に、又はその代わりに用いられてもよい。ま し求めている他の買い手に訴えることも、目標とし得る た、香味調製物は、親水コロイドをも含み得る。 ことを、当業者は認識するであろう。 【０１８０】 【０１７４】 [00180]また、乳製品ベース組成物は、親水コロイドと [00174]貯蔵安定性のある乳製品ベース栄養組成物を製 反応する成分、例えば、Ｃａ 造する方法 を含んでいてもよい。これらの成分は、天然由来であっ 【０１７５】 50 ＋ ＋ 、Ｍｇ ＋ ＋ てもよく、又は組成物に添加されてもよい。 イオンなど ( 19 ) JP 2015-527076 35 A 2015.9.17 36 【０１８１】 、方法は、１２∼１８ヶ月齢の子供の栄養要求量を満た [00181]方法は、従来の製造ラインで、ラインに如何な す組成物を製造するために用いられる。 る変更も要することなく、新しい高粘度製品を製造する 【０１８４】 のに用いられ得る。発酵乳製品組成物と選ばれた親水コ [00184]当業者は、方法がまた、１つの乳製品ベースを ロイドを含む果物／香味調製物との混合は、最終の栄養 、異なるテクスチャ及び栄養プロフィールを有する様々 組成物をパッケージに充填する直前に実施される。混合 な別個の最終製品に差別化する能力をも提供することを の後、製品の増粘が引き起こされ、最終のパッケージに 認識するであろう。一実施形態において、方法は、低い おいて後の増粘が起こる。当業者は、どのようなタイプ 酸度（高いｐＨ）を有する、濃厚なテクスチャの乳製品 の乳製品ベース組成物も使用され得ることを認識するで あろう。 ベース製品を製造するために用いられ得る。 10 【０１８５】 【０１８２】 [00185]如何なる理論にも拘束されないが、乳製品ベー [00182]果物／香味調製物及び乳製品ベース組成物は、 ス組成物と果物／香味調製物との組合せによって実現さ どちらも、低粘度を有する。しかし、開示されている方 れる増粘作用は、果物調製物中の選ばれた親水コロイド 法によって製造される最終の栄養組成物は、副次成分の （例えば、ペクチン）と、乳製品ベース組成物中に存在 いずれよりも高い粘度、及び、望ましい濃厚なテクスチ する成分（例えば、Ｃａ ャを有する。貯蔵安定性のある濃厚な乳製品ベース栄養 来であるか又は添加される）との、増粘及び／又はゼリ 組成物を製造する、開示されている方法は、製造工程に ー化作用を生じる相互作用に基づき得ると、出願人は考 おける粘度の高まりを遅らせることを可能にし、したが える。 って、高粘度製品が、より低い粘度の製品と同じライン 【０１８６】 で製造されることを可能にする。この方法は、粘度の高 20 [00186]また、テクスチャ属性は、発酵した乳製品ベー まりを遅らせることを通じて、製造ラインの所定の圧力 ス組成物への、果物又は香味調製物を通じての、非水和 限界未満に留まりながら、濃厚な栄養組成物が製造され 又は不完全水和親水コロイドの導入によって実現され得 ることを可能にする。既存の製造ラインは、充填ステッ る。果物調製物の低いａｗ値のせいで、親水コロイドの プに至るまで、高粘度の製品を取り扱う能力に限界があ 膨潤は、最初、抑制される。しかしながら、最終製品に り得るので、この方法は、既存の製造ラインの技術的変 おける親水コロイドの膨潤は、発酵乳製品ベース組成物 更（投資を含む）を最低限にしながら、高粘度の製品を が、高いａｗ値を有するので、果物と乳製品ベース組成 製造する可能性をもたらす。最終製品における後の増粘 物との混合によって開始される。これは、親水コロイド の作用を活用することで、能力上の制約が回避される。 の完全な膨潤、さらには粘度の高まり又はゼリー化が起 一実施形態において、開示されている方法を実施するた こり得るのに十分な自由水を提供する。 めに、既存の製造ラインへの如何なる変更も、行われる 30 【０１８７】 必要はない。 [00187]また、方法は、組成物に含まれる乳清タンパク 【０１８３】 質フラクションの加熱活性化、乳製品ベース組成物のミ [00183]さらに、開示されている方法によって製造され ルクタンパク質機能の修飾、及び／又は、菌体外多糖を る栄養組成物において実現され得る濃厚なテクスチャは 有する様々なヨーグルト細菌の使用により、増粘効果を 、カードのような高粘度乳製品のテクスチャに似せるこ 実現することを含み得る。本明細書に記載された、本発 とができると同時に、全く異なる栄養プロフィールを保 明の好ましい実施形態への、様々な変更及び改変が、当 つ。例えば、ここで開示されている組成物は、本方法を 業者には明らかであろうことが理解されるべきである。 用いて製造されたのではない同じようなテクスチャの従 このような変更及び改変は、本発明の主題の精神及び範 来の乳製品ベース製品より少ないタンパク質含有量を有 囲から逸脱することなく、また、その意図される利点を し得る。一実施形態において、ここで開示されている方 40 減じることなく、成され得る。 法によって製造される栄養組成物は、濃厚なテクスチャ したがって、このような変更及び改変は、添付の特許請 を有するが、また、６∼３６ヶ月齢の乳児及びよちよち 求の範囲によって包含されるものとする。 歩きの子の栄養要求量をも満たす。一実施形態において ＋ ＋ ＋ ／Ｍｇ ＋ イオン、天然由 ( 20 ) JP 2015-527076 A 2015.9.17 【図１】 ───────────────────────────────────────────────────── 【手続補正書】 前記乳製品ベース組成物が、ヨーグルト、サワークリー 【提出日】平成27年4月17日(2015.4.17) ム、バターミルク、ケフィール、サワーミルク、生クリ 【手続補正１】 ーム、発酵チーズ、牛乳、ヒツジのミルク、ヤギのミル 【補正対象書類名】特許請求の範囲 ク、無発酵チーズ、クリーム、バター、及びこれらの組 【補正対象項目名】全文 合せからなる群から選択される乳製品原材料を含む、請 【補正方法】変更 求項１又は２に記載の方法。 【補正の内容】 【請求項４】 【特許請求の範囲】 前記乳製品ベース組成物が、ライスミルク、豆乳、ココ 【請求項１】 ナッツミルク、アーモンドミルク、ナッツミルク、及び 濃厚なテクスチャの乳製品ベース栄養組成物を製造する これらの組合せからなる群から選択される乳製品代替原 方法であって、 材料を含む、請求項１∼３のいずれか一項に記載の方法 乳製品ベース組成物を用意するステップと、 。 親水コロイドを含む調製物を用意するステップと、 【請求項５】 前記乳製品ベース組成物と前記調製物とを混合し、前記 前記調製物が、不完全水和親水コロイド、ペクチン、カ 組成物の増粘を引き起こすステップと、 ラギーナン、ゼラチン、グアルガム、タピオカ、デンプ 前記組成物をパッケージに入れるステップと、 ン、及びこれらの組合せからなる群から選択される親水 前記組成物の後の増粘を起こさせるステップと コロイドを含む、請求項１∼４のいずれか一項に記載の を含み、 方法。 前記乳製品ベース栄養組成物が、周囲温度で貯蔵安定性 【請求項６】 がある、方法。 前記栄養組成物が、炭水化物源、脂肪源、キャノーラ油 【請求項２】 、亜麻仁油、オメガ−３脂肪酸源、タンパク質源、繊維 前記乳製品ベース組成物が、発酵した乳製品ベース組成 源、香味料、着色料、野菜ピューレ、ビタミン、ミネラ 物である、請求項１に記載の方法。 ル、ＤＨＡ、ＥＰＡ、ω−６脂肪酸源、アラキドン酸（ 【請求項３】 「ＡＡ」）、リン脂質、卵脂質、酸化防止剤、アミノ酸 ( 21 ) JP 2015-527076 A 2015.9.17 、魚油、フィトケミカル、プロバイオティクス、プレバ 合せからなる群から選択される乳製品原材料を含む、請 イオティクス、シンバイオティクス、非複製性微生物、 求項１１又は１２に記載の方法。 液体全粒穀物、及びこれらの組合せからなる群から選択 【請求項１４】 される少なくとも１種の原材料を含む、請求項１∼５の 前記乳製品ベース組成物が、ライスミルク、豆乳、ココ いずれか一項に記載の方法。 ナッツミルク、アーモンドミルク、ナッツミルク、及び 【請求項７】 これらの組合せからなる群から選択される乳製品代替原 前記栄養組成物が、６∼３６ヶ月齢の乳児及びよちよち 材料を含む、請求項１１∼１３のいずれか一項に記載の 歩きの子の栄養ニーズに合わせた主要栄養素及び微量栄 方法。 養素を含む、請求項１∼６のいずれか一項に記載の方法 【請求項１５】 。 前記調製物が、不完全水和親水コロイド、ペクチン、カ 【請求項８】 ラギーナン、ゼラチン、グアルガム、タピオカ、デンプ 前記栄養組成物をパッケージに入れる直前に、前記調製 ン、及びこれらの組合せからなる群から選択される親水 物が前記乳製品ベース組成物と混合される、請求項１に コロイドを含む、請求項１１∼１４のいずれか一項に記 記載の方法。 載の方法。 【請求項９】 【請求項１６】 ５０° ∼８０℃の範囲の温度で前記栄養組成物を熱間充 前記栄養製品が、炭水化物源、脂肪源、キャノーラ油、 填するステップと、最終のパッケージにおいて後の固化 亜麻仁油、オメガ−３脂肪酸源、タンパク質源、繊維源 を行うステップとをさらに含む、請求項１に記載の方法 、香味料、着色料、野菜ピューレ、ビタミン、ミネラル 。 、ＤＨＡ、ＥＰＡ、ω−６脂肪酸源（例えば、アラキド 【請求項１０】 ン酸（「ＡＡ」））、リン脂質、卵脂質、酸化防止剤、 果物調製物を用意するステップと、 アミノ酸、魚油、フィトケミカル、プロバイオティクス 前記乳製品ベース組成物又は前記果物調製物のいずれの 、プレバイオティクス、シンバイオティクス、非複製性 粘度よりも大きい粘度を有する栄養組成物を生み出すよ 微生物、液体全粒穀物、及びこれらの組合せからなる群 うに、前記乳製品ベース組成物と前記果物調製物とを混 から選択される少なくとも１種の原材料を含む、請求項 合するステップと １１∼１５のいずれか一項に記載の方法。 をさらに含む、請求項１に記載の方法。 【請求項１７】 【請求項１１】 前記栄養製品が、６∼３６ヶ月齢の乳児及びよちよち歩 自分で食べ始めた乳幼児に栄養を提供する方法であって きの子の栄養ニーズに合わせた主要栄養素及び微量栄養 、 素を含む、請求項１１∼１６のいずれか一項に記載の方 子供の発達のための栄養素を含む乳製品ベース組成物と 法。 香味調製物とを混合し、それによって前記組成物の増粘 【請求項１８】 を引き起こし、製品をパッケージに入れ、栄養製品の後 前記栄養製品をパッケージに入れる直前に、前記調製物 の増粘を起こさせることによって栄養製品を製造するス が前記乳製品ベース組成物と混合される、請求項１１に テップと、 記載の方法。 乳幼児を含む標的市場による摂取のために前記栄養製品 【請求項１９】 を販売するステップと 前記栄養製品が、請求項１∼１０のいずれか一項に記載 を含む、方法。 の方法からなる群から選択される方法によって製造され 【請求項１２】 る、請求項１１に記載の方法。 前記乳製品ベース組成物が、発酵した乳製品ベース組成 【請求項２０】 物である、請求項１１に記載の方法。 乳幼児に栄養を提供することが、子供の成長及び発達を 【請求項１３】 促進する、請求項１１∼１９のいずれか一項に記載の方 前記乳製品ベース組成物が、ヨーグルト、サワークリー 法。 ム、バターミルク、ケフィール、サワーミルク、生クリ 【請求項２１】 ーム、発酵チーズ、牛乳、ヒツジのミルク、ヤギのミル 請求項１∼１０のいずれか一項に記載の方法からなる群 ク、無発酵チーズ、クリーム、バター、及びこれらの組 から選択される方法によって製造される栄養組成物。 ( 22 ) 【国際調査報告】 JP 2015-527076 A 2015.9.17 ( 23 ) JP 2015-527076 A 2015.9.17 ( 24 ) JP 2015-527076 A 2015.9.17 ( 25 ) JP 2015-527076 A 2015.9.17 ──────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. Ａ２３Ｃ ＦＩ 11/00 (81)指定国 (2006.01) テーマコード（参考） Ａ２３Ｃ 11/00 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,T M),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,R S,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA, BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,H R,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI ,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA, UG,US,UZ (72)発明者 リンセンマイアー， ドイツ， (72)発明者 シュトル， ドイツ， (72)発明者 アンドレアス ９１７２３ フランク ハレ， ６１２３１ マンフレッド ディッテンハイム， アム ヒルパート ５ アンドレ バート ナウハイム， アム エアレンシュテク ５８ ドイツ， マシルド ７８４６２ コンスタンツ， ガルテン シュトラーセ Ｆターム(参考) 4B001 AC05 AC15 AC20 AC30 AC99 EC05 EC99 4B041 LC05 LD01 LH02 LH05 LH07 LH10 LH13 LK37 ３ エー