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【課題】 プエラリア・ミリフィカ (Pueraria mirifica)、ブテア・スペルバ

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【課題】 プエラリア・ミリフィカ (Pueraria mirifica)、ブテア・スペルバ
JP 2004-115521 A 2004.4.15
(57) 【 要 約 】
【 課 題 】 プ エ ラ リ ア ・ ミ リ フ ィ カ (Pueraria mirifica) 、 ブ テ ア ・ ス ペ ル バ ( Butea supe
rba) お よ び / ま た は ム ク ナ ・ コ レ ッ チ (Mucuna collettii) 由 来 の 抽 出 物 お よ び そ の 抽 出 方
法、前記抽出物を有効成分として含有する食品、飲料、医薬品および/または化粧品並び
にその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るプエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/または
ムクナ・コレッチ由来の抽出物を、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/
またはムクナ・コレッチ植物の塊茎、根、茎、葉および/または組織培養したカルスより
水、有機溶媒またはこれらの混合溶媒を用いて化学的に抽出することにより製造する。
【選択図】 なし
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JP 2004-115521 A 2004.4.15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブテア・スペルバおよび/またはムクナ・コレッチの塊茎、根、茎、葉および/または
組織培養したカルスより、抽出剤として水または1個以上の水酸基を有する低分子アルコ
ールを用いて化学的に抽出したことを特徴とするブテア・スペルバおよび/またはムクナ
・コレッチ由来の抽出物。
【請求項2】
ブテア・スペルバおよび/またはムクナ・コレッチ由来の粉末、乾燥抽出物、抽出液お
よび/または活性成分を、男性の勃起機能障害、勃起不全、または前立腺肥大治療のため
の健康食品および機能性食品の製造用原料として用いる方法。
10
【請求項3】
ブテア・スペルバおよび/またはムクナ・コレッチ由来の粉末、乾燥抽出物、抽出液お
よび/または活性成分を、男性の勃起機能障害、勃起不全、または前立腺肥大治療のため
の医薬品の製造用原料として用いる方法。
【請求項4】
ブテア・スペルバおよび/またはムクナ・コレッチ由来の粉末、乾燥抽出物、抽出液お
よび/または活性成分を、男性の勃起機能障害、勃起不全、または前立腺肥大治療のため
の飲料の製造用原料として用いる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
20
【0001】
本 発 明 は 、 プ エ ラ リ ア ・ ミ リ フ ィ カ (Pueraria mirifica, white Kwao Krua)、 ブ テ ア ・
ス ペ ル バ (Butea superba, red Kwao Krua)、 お よ び / ま た は ム ク ナ ・ コ レ ッ チ (Mukuna co
llettii, black Kwao Krua)由 来 の 抽 出 物 お よ び そ の 抽 出 方 法 、 前 記 抽 出 物 を 有 効 成 分 と
して含有する食品、飲料、医薬品および/または化粧品並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プ エ ラ リ ア ・ ミ リ フ ィ カ は タ イ 国 で 主 に 発 見 さ れ る マ メ 科 植 物 で 、 1930年 代 に 西 欧 に も
た ら さ れ 、 強 壮 作 用 を 有 す る タ イ 国 の 民 間 伝 承 薬 と し て 用 い ら れ て き た (Nature, Decemb
er 3 , 1960, 774)。 特 に 、 そ の 塊 茎 は 、 閉 経 期 以 後 の 女 性 の 強 壮 用 と し て 長 い 間 用 い ら
30
れてきた。
【0003】
ブ テ ア ・ ス ペ ル バ (Butea superba, red Kwao Krua)も 、 タ イ 国 で 主 に 発 見 さ れ る マ メ 科
植物である。この植物は赤色の樹液を有し、その塊茎は男性の強壮用薬の原料として長い
間タイ国で用いられてきた。
【0004】
ム ク ナ ・ コ レ ッ チ (Mucuna collettii, black Kwao Krua)は 、 亜 熱 帯 で 主 に 発 見 さ れ る
丈の高いマメ科植物である。この植物の全ての部分が、切断されて空気に露出されると黒
色に変わる。この植物の塊根もまた男性の強壮用民間伝承薬として長い間用いられてきた
。
40
【0005】
こ れ ら の 植 物 中 か ら は 、 ミ ロ エ ス テ ロ ー ル (miroesterol)、 ダ イ ジ ン (daidzin)、 ダ イ ゼ
イ ン (daidzein)、 ゲ ニ ス チ ン (genistin)、 ゲ ニ ス テ イ ン (genistein)、 β -シ ト ス テ ロ ー ル
(β -sitosterol)、 ス チ グ マ ス テ ロ ー ル (stigmasterol)、 ミ リ フ ィ ク メ ス タ ン (mirificoum
estan)、 ク ワ ク フ リ ン (kwakhurin)、 ミ リ フ ィ シ ン (mirificin)、 長 鎖 ア ル コ ー ル 、 5 -ジ
オ キ シ イ ソ フ ラ ボ ン 等 の 25種 以 上 の 化 合 物 が 発 見 さ れ て い る 。 特 に 、 こ れ ら の 植 物 は 他 の
マメ科植物に比べて非常に多量のフィトエストロゲンを含有することが見出されている。
【0006】
イ ソ フ ラ ボ ン 類 は 様 々 な 植 物 に 分 布 し て お り 、 特 に 、 ダ イ ズ 、 ク ズ ウ コ ン (arrowroot)
、アルファルファ等のマメ科植物に多くみられる。また、イソフラボン類をフィトエスト
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ロゲンと称するが、その理由は、これらの化合物が内因性のエストロゲンと類似の構造を
有しているからだけでなく、その生理的作用がエストロゲンと同様の効果をもたらすから
である。しかし、エストロゲンと比較した場合、フィトエストロゲンは極めて弱い生理活
性しか示さない。ただし、フィトエストロゲンを長期間にわたって摂取した場合、エスト
ロ ゲ ン ホ ル モ ン と 類 似 の 機 能 を 体 内 で 示 す と の 報 告 が あ る ( Bingham SA., Atkinson C.,
J. Nutr 1988 79(5 ) 393∼ 406) 。 フ ィ ト エ ス ト ロ ゲ ン は 、 ク メ ス ト ロ ー ル 、 ゲ ニ ス テ イ
ン、フォルモネチン、ダイゼイン、ビオカニンA等のサブグループに分類することができ
、その大部分はイソフラボン系化合物から成っている。
【0007】
日本人女性が西欧人女性に比べて更年期障害が軽微であることに注目した、フィトエス
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トロゲンに関する興味深い研究が報告されている。これには、フィトエストロゲンを多量
に含有する大豆関連食品を多く摂取する日本人の食生活が寄与していることがわかってき
た。そこで、フィトエストロゲンを利用して更年期障害を克服しようとする多くの研究が
現在なされている。例えば、マメ科植物から抽出しうるフィトエストロゲン物質であるゲ
ニステインは、更年期障害を克服するために処方されている。また、この化合物は、乳癌
または心血管系を予防するために使用されている。さらに、生理周期に関与するプロゲス
テ ロ ン の 前 駆 体 で 、 メ キ シ カ ン ワ イ ル ド ヤ ム ( Mexican Wild Yam) か ら 抽 出 し た ジ オ ス ゲ
ニンが、クリーム製剤として現在市販されている。また、フィトエストロゲンは乳癌発病
率を減少させるとの注目すべき研究結果が次々と報告されている。アジア人女性の場合、
フィトエストロゲンが多く含まれるマメ科植物から作られた食物を長い間摂取してきたた
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め 、 他 の 地 域 の 女 性 に 比 べ て 、 乳 癌 、 卵 巣 癌 、 子 宮 癌 な ど に な る こ と が 少 な い ( Adlercre
utz H., Honjo H., Am. J. Clin, Nutr. 1991, 54(6 ), 1093-1100) 。
【0008】
さらに、フィトエストロゲンは、抗酸化活性を有し、また、骨粗鬆症を予防または改善
さ せ る 作 用 が あ る こ と が 知 ら れ て い る ( Tsutsmi N. , Biol Pharm bull 1995, 18(7 ), 1
012-1015) 。 生 体 内 で 、 フ ィ ト エ ス ト ロ ゲ ン は エ ス ト ロ ゲ ン 受 容 体 と 結 合 し 、 こ れ に よ り
組織内でエストロゲンアゴニスト活性またはアンタゴニスト活性を示す。生体内で生産さ
れるエストロゲンのレベルは、受容体と結合するその親和性により明らかにすることがで
きる。更年期には、エストロゲンが極めて少量しか生産されないため、フィトエストロゲ
ンの作用は相対的に高くなりうる。一般的に、フィトエストロゲンはエストラジオールの
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約 1 / 400∼ 1 / 1000の 活 性 し か 有 し な い 。 し か し 、 こ の 低 い 活 性 の た め 、 フ ィ ト エ ス ト
ロゲンはエストロゲンの有する副作用を示さないという利点がある。従って、様々な研究
結果に示される通り、長期間摂取した時、フィトエストロゲンは、却ってエストロゲンが
もたらす副作用を予防しうると認識されている。けれども、多くの研究結果にも拘わらず
、フィトエストロゲンと関連する正確な治療作用機序と治療効果は未だ解明されていない
。
【0009】
フィトエストロゲンに関してこれまでに明らかにされている知見の一つとして、フィト
エストロゲンを皮膚に塗布した時に現われる生理的作用を挙げることができる。一般的に
、皮膚の老化が早く進行する更年期女性の皮膚にエストロゲンを塗布した時、皮膚の老化
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が抑制されることが観察された。詳しくは、約6ヵ月間エストロゲンを塗布した後に、皮
膚 の 弾 力 が 目 立 っ て 増 加 し 、 皺 の 深 さ が 60% 以 上 改 善 し た 。 こ の 効 果 は 、 皮 膚 の コ ラ ー ゲ
ン 繊 維 数 が 増 加 す る こ と に 起 因 す る こ と が 報 告 さ れ て い る (Schmidt JB., Binder M.,Int
J. Dermatol, 1996, 35(9 ), 669∼ 674)。
【0010】
皮膚においてエラスチン組織は、コラーゲン組織と網状に結合して皮下組織を構成して
いる。エラスターゼはエラスチンを加水分解する蛋白分解酵素であって、抗炎症メカニズ
ムの重要な役割を担うことが知られている。この酵素は、結合組織の骨格と形態を維持す
るために機能する全ての蛋白質、例えば、エラスチン、コラーゲン、プロテオグリカン、
ケラチン等を非選択的、無差別に加水分解する。一方、コラゲナーゼは限られた基質にの
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み 作 用 す る こ と が 知 ら れ て い る ( Wiedow, O.,Schroder,J.M., E.J.Biol,Chem.265(25), 1
4791(1990)) 。 UV-Aに 露 出 さ れ た 皮 膚 で は 軽 い 炎 症 が 繰 り 返 し て 現 わ れ る よ う に な る が 、
これはエラスターゼが網状組織に作用するためであって、エラスチンとコラーゲン繊維の
損 傷 を 引 き 起 こ し 、 最 終 的 に 皮 膚 が た る ん で し ま う (Motoyoshi, K., Takenouchi, M., Pr
oceedings of the 19th IFSCC Congress Sydney 22-25, October 1996)。 特 に 、 40代 以 後
に皮膚の弾力が急激に減少するようになるが、生化学的な側面から見れば、これはエラス
ターゼの作用が年をとるに従って非常に活発になり、エラスチン繊維が一部消滅したり、
凝 集 し た り す る 現 象 が 現 わ れ 、 コ ラ ー ゲ ン 繊 維 が 減 少 す る た め で あ る (Bissett,D.L., Pho
tochem.Photobiol., 1987, 46, 367∼ 378)。 最 近 、 エ ラ ス タ ー ゼ 活 性 に 対 す る 阻 害 物 質 を
探 す 多 く の 研 究 が な さ れ て い る 。 例 え ば 、 UV刺 激 に よ る 皮 膚 の 乾 燥 を 予 防 し た り 、 皮 膚 の
10
老化を抑制したりするために、エラスターゼ阻害物質を含有する外用化粧品が市販されて
いる。特に、抗酸化活性を有する植物抽出物はエラスターゼ阻害活性を有することが発見
さ れ て い る の で ( Bizot-Foulon V., Godeat G., W.Int.J.Cos.Sci.17, 255∼ 264(1995))
、該植物抽出物については、これを応用して皮膚の老化や皺を遅らせようとする研究が集
中して行われている。
【発明の開示】
【0011】
本発明者は、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバまたはムクナ・コレッチが、
他 の マ メ 科 植 物 に 比 べ て 40倍 ∼ 100倍 の エ ス ト ラ ジ オ ー ル 活 性 を 有 し ( 例 え ば 、 平 均 し て
約 0.5 I.U.の レ ベ ル の フ ィ ト エ ス ト ロ ゲ ン を 含 有 す る ) 、 コ ラ ー ゲ ン と 密 接 な 関 連 が あ る
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こ と に 鑑 み 、 こ れ ら が in vitroで 皮 膚 基 底 層 (stratum corneum)に 及 ぼ す 作 用 に つ い て 主
に試験した。
【0012】
一 般 的 に 、 マ メ 科 植 物 の フ ィ ト エ ス ト ロ ゲ ン 活 性 の 多 く は 、 約 1 / 20,000∼ 1 / 50 I.U
*
.( 1 I.U.= 0.1mgの エ ス ト ラ ジ オ ー ル に 相 当 )の 範 囲 で あ る 。 し か し 、 プ エ ラ リ ア ・ ミ リ
フ ィ カ (Mica)、 ブ テ ア ・ ス ペ ル バ お よ び ム ク ナ ・ コ レ ッ チ の フ ィ ト エ ス ト ロ ゲ ン 活 性 (約 0
.5I.U.)が 相 対 的 に 高 い こ と か ら も 予 測 さ れ る よ う に 、 こ れ ら は 高 い エ ラ ス タ ー ゼ 阻 害 活
性を示した。
【0013】
本発明者は、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよびムクナ・コレッチ由来
30
の抽出物は、抗酸化活性は高くないが、エラスターゼ活性に対する阻害効果が高いことと
、各抽出物の化粧品産業、医療産業および食品産業における種々の用途を見出し、鋭意検
討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0014】
したがって、本発明の目的は、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/ま
たはムクナ・コレッチ由来の抽出物を提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/またはムク
ナ・コレッチ由来の薬効成分を抽出する方法を提供することにある。
【0016】
40
本発明のさらに別の目的は、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/また
はムクナ・コレッチ由来の抽出物を有効成分として含有する食品、飲料、医薬品および/
または化粧品を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/また
はムクナ・コレッチ由来の抽出物を有効成分として含有する食品、飲料、医薬品および/
または化粧品の製造方法を提供することにある。
【0018】
前記目的の一つを達成するために、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび
/またはムクナ・コレッチの塊茎、根、茎、葉および/または組織培養したカルスを、水
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、有機溶媒またはこれらの混合溶媒を用いて化学的に抽出することにより、プエラリア・
ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/またはムクナ・コレッチ由来の抽出物は提供され
る。
【0019】
前記目的の一つを達成するために、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび
/またはムクナ・コレッチの塊茎、根、茎、葉および/または組織培養したカルスを温度
および時間が制御可能なオーブンで乾燥して粉砕し、水、有機溶媒またはこれらの混合溶
媒中に浸漬し、得られた溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥および/または真空乾燥することによ
り、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/またはムクナ・コレッチからの
抽出物の製造方法は提供される。
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【0020】
前記目的の一つを達成するために、本発明に係る食品・飲料・医薬品および/または化
粧品の製造方法であって、次の工程:
プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/またはムクナ・コレッチの塊茎、
根、茎、葉および/または組織培養したカルスを、温度および時間が制御可能なオーブン
で乾燥して粉砕して小片または粉末とし、水、1個以上の水酸基を有する低分子アルコー
ルまたはこれらの混合溶媒中に浸漬し、必要に応じてその溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥およ
び/または真空乾燥することにより、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび
/またはムクナ・コレッチから薬効成分を抽出する工程;および
該抽出物を、単独物質として使用するか、あるいは基剤、希釈剤、添加剤、着色剤、活
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性成分、界面活性剤、湿潤剤、抗酸化剤ならびに/または食品、飲料、医薬品および/も
し く は 化 粧 品 に 使 用 す る の に 適 し た そ の 他 の 添 加 剤 と 総 重 量 ま た は 総 体 積 を 基 準 と し て 0.
1∼ 99.9重 量 % ま た は 体 積 % 混 合 す る 工 程 ;
を含むことを特徴とする、上記方法を本発明は提供する。
【0021】
こ こ で 、 前 記 製 品 は 、 乾 燥 抽 出 物 ま た は 液 体 抽 出 物 を 0.1∼ 100% の 量 で 含 有 し 、 丸 剤 、
カプセル、小包、瓶、箱または他の密封形態からなる群より選択される形態であるのが好
ましい。また、前記抽出物には無機カルシウムまたは有機カルシウムを更に添加するのが
有 利 で あ り 、 前 記 乾 燥 工 程 は 40∼ 90℃ の オ ー ブ ン で 2 ∼ 9 時 間 行 う の が 好 ま し い 。
【0022】
30
本発明の前記目的の一つを達成するために、プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペル
バおよび/またはムクナ・コレッチから得られた粉末、乾燥抽出物、抽出液および/また
は 活 性 成 分 を 、 ス キ ン ケ ア 、 バ ス ト ケ ア 、 乳 房 の ハ リ ( breast firmness) 、 乳 房 の 拡 大
( breast enlargement) 、 乳 房 の 皺 除 去 の た め の 化 粧 品 、 機 能 性 化 粧 品 、 薬 用 化 粧 品 お よ
び医薬品;前立腺肥大の治療のための健康食品、機能性食品、飲料および医薬品;高コレ
ステロール血症および動脈硬化症の予防のための食品、飲料および医薬品;勃起不全また
は勃起機能障害治療の治療のための食品、飲料および医薬品;更年期症候群と閉経後症候
群の治療のための食品、飲料および医薬品を製造するための原料として用いることができ
る。
【実施例】
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【0023】
本発明について以下の実施例により詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定さ
れるものではない。
実施例1:プエラリア・ミリフィカ抽出物の製造
プ エ ラ リ ア ・ ミ リ フ ィ カ の 塊 茎 100gを 洗 浄 し た 後 、 熱 風 乾 燥 機 を 用 い て 70℃ で 約 5 時 間
乾 燥 し て 粉 砕 し た 。 得 ら れ た 植 物 片 に メ タ ノ ー ル / 水 (80/20 v /v )混 合 物 500mlを 加 え て
、 50℃ で 約 6時 間 抽 出 し た 。 抽 出 液 を 濾 過 し た 後 、 減 圧 濃 縮 し て 溶 媒 を 除 去 し 、 濃 縮 物 を
凍結乾燥して褐色の固形物を得、この固形物中のイソフラボンの含量を測定した。得られ
たプエラリア・ミリフィカの塊茎由来の抽出物中に含有されるイソフラボン類の含有量は
、表1に示す。
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【0024】
【表1】
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表1から明らかなように、前記方法により最高品質のプエラリア・ミリフィカ粉末を得
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ることができた。前記方法により得られた粉末を測定したところ、イソフラボン類と他の
フィトエストロゲンの含量が高かった。
【0025】
前記植物から得られたフィトエストロゲンには、ミロエステロール、ダイゼイン、ゲニ
ス チ ン 、 ゲ ニ ス テ イ ン 、 β -シ ト ス テ ロ ー ル 、 ス チ グ マ ス テ ロ ー ル 、 ク メ ス ト ロ ー ル 、 プ
エラリン、カンぺステロール、ミリフィクメスタン、クワクフリン、およびミリフィシン
が 含 ま れ る (Bounds and Pope, 1960; Ingham et al.,1986a; Ingham et Al., 1986b; I
ngham et al., 1988)。
【0026】
イソフラボン類は、特に乳癌、大腸癌および前立腺癌に対して強力な抗癌活性を示す。
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本発明で製造したプエラリア・ミリフィカ中の高含量のイソフラボン類は、人体に非常に
有益である。
【0027】
プエラリア・ミリフィカからの高含量のイソフラボン類の化学的抽出は、該植物の全て
の部分を、小片にスライスし、または粉末にして、水や1個以上の水酸基を有する低分子
アルコールのような溶媒中に浸漬するか、合成法によって製造することにより達成される
。この抽出物はそのまま使用することもできるし、あるいはさらに精製、濃縮した後で使
用してもよい。
実施例2:プエラリア・ミリフィカ抽出物含有スキンローション
本 実 施 例 に お い て は 、 表 2 に 示 し た 通 り 、 プ エ ラ リ ア ・ ミ リ フ ィ カ 抽 出 物 4.0重 量 % 、
ブ チ レ ン グ リ コ ー ル 4.0重 量 % 、 エ チ レ ン ジ ア ミ ン テ ト ラ 酢 酸 ナ ト リ ウ ム 0.001重 量 % 、 ク
エ ン 酸 0.01重 量 % 、 エ タ ノ ー ル 15.0重 量 % 、 パ ラ オ キ シ 安 息 香 酸 メ チ ル 0.1重 量 % 、 ポ リ
オ キ シ エ チ レ ン ソ ル ビ タ ン モ ノ ス テ ア レ ー ト 0.5重 量 % 、 香 料 0.2重 量 % お よ び 残 り は 水 を
含有する、スキンローション用化粧料組成物を製造した。このため、先ずエマルジョン成
分と水性成分をそれぞれ別の容器にいれて溶解させてから、エマルジョン槽で両者を合わ
せ て 乳 化 さ せ た 後 、 30℃ で 熟 成 さ せ た 。
【0028】
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【表2】
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【0029】
実施例3:プエラリア・ミリフィカ抽出物含有ローション
本実施例においては、前記実施例2と同様の方法で、プエラリア・ミリフィカ抽出物を
含有するローションを製造した。ローションの組成は、表3に示した通りである。
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【表3】
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30
【0030】
実施例4:プエラリア・ミリフィカ抽出物含有エッセンスローション
本実施例においては、前記実施例2と同様の方法で、プエラリア・ミリフィカ抽出物を
含有するエッセンスローションを製造した。エッセンスローションの組成は、表4に示し
た通りである。
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【表4】
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【0031】
実施例5:プエラリア・ミリフィカ抽出物含有クリーム
本実施例においては、前記実施例2と同様の方法で、プエラリア・ミリフィカ抽出物を
含有するクリームを製造した。このクリームの組成は、表5に示した通りである。
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【表5】
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【0032】
試験例1:化粧料組成物の人体への適用
本試験例においては、前記実施例5で製造した本発明のプエラリア・ミリフィカ抽出物
を含有するクリームを人体に適用して、皮膚の弾力およびつやの改善を試験した。この点
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に つ い て 、 20∼ 50代 の 健 康 な 女 性 ボ ラ ン テ ィ ア 44人 を 選 び 、 39人 は プ エ ラ リ ア ・ ミ リ フ ィ
カを含有するクリームを使用し、4人はプラリア・ミリフィカ抽出物を含有していないプ
ラセボクリームを使用した。使用期間は2ヵ月とし、1日2回、好ましくは朝夕に分けて
、 1 日 量 2 gの ク リ ー ム を 乳 房 の 全 部 位 に む ら な く 適 用 し た 。 最 初 の 適 用 は 、 各 被 験 者 の
月経が始まった後3∼5日目の日から開始し、この際、乳房の弾力度を測定した。2ヵ月
が経過した後、被験者の月経が始まった日から3∼5日目の日に乳房の弾力度を測定した
。 弾 力 度 の 測 定 は 、 乳 頭 の 中 心 部 か ら 12時 方 向 へ 1 cm離 れ た 部 位 を 、 Cutometer SEM474(
Courge+ Khazaka Electronic GmbH製 )を 利 用 し て 測 定 し た 。 結 果 を 以 下 の 表 6 お よ び 表
7に示した。
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【表6】
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【0033】
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【表7】
10
20
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適用前と適用後の弾力度の差異がないという帰無仮説と、処置後に弾力度が改善される
という対立仮説とを検討した場合、プエラリア・ミリフィカ抽出物含有クリームを適用し
た 群 (処 置 群 )の 片 側 検 定 の P値 が < 0.05で あ っ た 。 し た が っ て 、 帰 無 仮 説 は 棄 却 さ れ 、 乳
房の弾力度が改善したことが分かる。一方、プエラリア・ミリフィカ抽出物を含有してい
な い ク リ ー ム を 適 用 し た 群 (対 照 群 )は 、 被 験 者 が 少 な い た め 統 計 的 解 析 が 容 易 で は な い が
、 片 側 検 定 の P値 を 測 定 し た と こ ろ 、 > 0.05で あ っ た 。 す な わ ち 、 帰 無 仮 説 は 認 容 さ れ 、
乳房の弾力度に改善がみられないことが分かる。また、乳房の弾力度に加えて、乳房の拡
大について該クリームを試験した。これに関しては、乳房の拡大に対するプエラリア・ミ
リ フ ィ カ 抽 出 物 の 効 果 を 、 ク リ ー ム の 適 用 前 後 で 乳 房 の 大 き さ を MRI装 置 で 測 定 す る こ と
により調べた。その結果、顕著な乳房の拡大はなく、統計的有意差は認められなかった。
試験例2:本発明の食品補助剤または機能性食品の閉経期前女性への適用
下記表8に示した通り、本発明のプエラリア・ミリフィカ抽出物を食品補助剤や機能性
食 品 と し て 使 用 し 、 20∼ 45歳 の 健 康 な 閉 経 期 前 の 女 性 97人 に 摂 取 さ せ た 。
【0034】
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【表8】
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31人 の 被 験 者 を 含 む プ ラ セ ボ 群 は 、 月 経 初 日 か ら 2 ヵ 月 間 、 1 日 お き に 、 タ ピ オ カ 澱 粉
カ プ セ ル を 1日 2 カ プ セ ル 投 与 し た 。 こ の プ ラ セ ボ 群 の 全 て の パ ラ メ ー タ ー は 、 有 意 な 変
化 を 示 さ な か っ た 。 32人 の 被 験 者 を 含 む 第 1 番 目 の 処 置 群 は 、 プ ラ セ ボ 群 と 同 様 の 条 件 で
30
、 プ エ ラ リ ア ・ ミ リ フ ィ カ カ プ セ ル を 1日 2 カ プ セ ル ( 1 カ プ セ ル あ た り 200mg含 有 ) 投 与
し た 。 乳 房 の ハ リ お よ び 拡 大 に も 関 係 す る 乳 房 の 痛 み (44% )、 皮 膚 の 回 復 (88% )、 毛 髪 の
改 善 (75% )、 charasma clearness(100% )、 膣 分 泌 の 改 善 (44% )、 月 経 の 改 善 (6% )、 乳
房 の ハ リ (44% )、 乳 房 の 拡 大 (9% )お よ び 臀 部 の 拡 大 (9% )を 含 む 種 々 の パ ラ メ ー タ ー で 、
大きな改善を見せた。
【0035】
33人 の 被 験 者 を 含 む 第 2 番 目 の 処 置 群 は 、 プ ラ セ ボ 群 と 同 様 の 条 件 で 、 プ エ ラ リ ア ・ ミ
リ フ ィ カ カ プ セ ル を 1日 4 カ プ セ ル ( 1 カ プ セ ル あ た り 200mg含 有 ) を 投 与 し た 。
【0036】
投 与 し て か ら 2 ヵ 月 後 に 、 乳 房 の 痛 み (94% )、 皮 膚 の 回 復 (94% )、 毛 髪 の 改 善 (88% )、
40
charasma cleaness(100% )、 膣 分 泌 の 改 善 (85% )、 乳 房 の ハ リ (94% )、 乳 房 の 拡 大 (88% )
お よ び 臀 部 の 拡 大 (59% )を 含 む 全 て の パ ラ メ ー タ ー が 、 大 き な 改 善 を 見 せ た 。 数 名 の 被 験
者で、投与後、血中コレステロール値が減少したとの報告もあった。
【0037】
結果として、プエラリア・ミリフィカ抽出物を含有する食品補助剤または機能性食品は
、 皮 膚 の 状 態 、 頭 髪 の つ や 、 乳 房 の ハ リ お よ び 乳 房 の 拡 大 の 改 善 に よ り 、 女 性 の 性 機 能 (s
ex appeal)を 増 強 し う る 。
試験例3:本発明の食品補助剤または機能性食品の閉経期女性への適用
実施例1のプエラリア・ミリフィカ抽出物を、食品補助剤として使用するか、または機
能 性 食 品 に 成 型 し た 。 6 人 の 閉 経 期 女 性 に 、 4 ヵ 月 間 に わ た り 1 ヶ 月 の う ち 21日 間 、 200m
50
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gの プ エ ラ リ ア ・ ミ リ フ ィ カ 抽 出 物 を 含 有 す る カ プ セ ル を 1 日 に 1 カ プ セ ル ず つ 投 与 し た
。
【0038】
被 験 者 の 年 齢 は 35∼ 58歳 で 、 高 体 温 、 軽 度 の 妄 想 、 皮 膚 乾 燥 症 お よ び / ま た は 月 経 や 閉
経に関連する疾患を有する被験者を対象とした。被験者の健康状態は、血液検査とともに
、投与直前および投与直後に検査した。結果は以下の表9に示した通りである。
【0039】
【表9】
10
20
30
表9から明らかなように、プエラリア・ミリフィカ抽出物は、食品補助剤または機能性
食品として、高体温、軽度の妄想、皮膚乾燥症、月経不順などの更年期症状に優れた治療
効果を示し、有用でありうる。
試験例4:プエラリア・ミリフィカ抽出物の皮膚アルレギー試験
実施例1のプエラリア・ミリフィカ抽出物が皮膚アルレギーを生じるかどうかについて
試験した。該試験は、6匹のウィスター系ラットと6匹のウサギを対象として実施した。
試 験 結 果 は 以 下 の 表 10に 示 し た 通 り で あ る 。
【0040】
40
(16)
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【表10】
10
試験動物にアレルギー反応を引き起こさなかったという結果より、本発明のプエラリア
・ミリフィカ抽出物は、人の皮膚にも安全であると思われる。
実施例6:ブテア・スペルバ抽出物の製造
ブ テ ア ・ ス ペ ル バ の 塊 茎 100gを 洗 浄 し た 後 、 熱 風 乾 燥 機 を 用 い て 70℃ で 約 5 時 間 乾 燥 し
て 粉 砕 し た 。 得 ら れ た 植 物 片 に メ タ ノ ー ル / 水 (80/20v /v )混 合 物 500mlを 入 れ 、 50℃ で
約6時間抽出した。抽出液を濾過した後、減圧濃縮して溶媒を除去し、濃縮物を凍結乾燥
して褐色の固形物を得た。
試験例5:食品補助剤または機能性食品としてのブテア・スペルバの有効性
20
実施例6で製造したブテア・スペルバ抽出物が食品補助剤または機能性食品として使用
し う る か ど う か に つ い て 判 断 す る た め に 、 20∼ 55歳 の 勃 起 機 能 障 害 患 者 142人 に 、 該 抽 出
物またはプラセボを経口投与した。
【0041】
プ ラ セ ボ 群 は 、 プ ラ セ ボ と し て 200mgの タ ピ オ カ 澱 粉 を 含 有 す る プ ラ セ ボ カ プ セ ル を 、
1 日 2 回 、 た と え ば 朝 ・ 夕 の 食 事 後 に 投 与 し た 。 第 1 番 目 の 処 置 群 に は 、 200mgの ブ テ ア
・スペルバ抽出物を含有したカプセルを、1日2回、たとえば朝・夕の食事後に、1カプ
セ ル ず つ 2 ヶ 月 間 投 与 し た 。 一 方 、 第 2 番 目 の 処 置 群 に は 、 200mgの ブ テ ア ・ ス ペ ル バ 抽
出物を含有したカプセルを、1日2回、たとえば朝・夕の食事後に、2カプセルずつ2ヶ
月 間 投 与 し た 。 以 下 の 表 11に 示 し た 通 り 、 勃 起 機 能 障 害 に 関 連 す る 8 つ の パ ラ メ ー タ ー に
ついて測定した。
【0042】
30
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【表11】
10
20
※
5 人 の 被 験 者 は 副 作 用 (2 人 : 首 の 痛 み 、 3 人 : 背 中 の 痛 み )に よ り 3 ∼ 4 日 間 試 験 を 中
断した。痛みの状態をみて、1人は試験から除外したが、4人の被験者は新鮮な牛乳を毎
日摂取したところ副作用が消失したため試験を継続した。
30
【0043】
ブテア・スペルバをムクナ・コレッチとともに使用した場合、単独で使用した場合より
も、勃起機能障害または勃起不全に対してより大きな治療効果が得られた。したがって、
本発明により、勃起機能障害または勃起不全の治療に有用である、ブテア・スペルバとム
クナ・コレッチの両方を含む製品が提供される。
【0044】
結 果 と し て 、 本 発 明 の ブ テ ア ・ ス ペ ル バ 抽 出 物 は 男 性 の 性 的 活 性 (sexual activity)に
関し治療的に有効である。ブテア・スペルバは陰茎に対し強い血管拡張効果があると考え
られており、この効果により、ブテア・スペルバは、直接あるいは有効成分として男性勃
起機能障害の治療に利用することができる。
【0045】
こ の 仮 説 を 証 明 す る た め に 、 65人 の 勃 起 機 能 障 害 、 勃 起 不 全 を 有 す る 男 性 を 二 つ の 群 に
分 け た 。 そ し て 、 プ ラ セ ボ 群 は 、 200mgの タ ピ オ カ 澱 粉 を 含 有 す る プ ラ セ ボ カ プ セ ル を 1
日 2 回 、 た と え ば 朝 ・ 夕 の 食 事 後 に 、 1 カ プ セ ル ず つ 摂 取 し た 。 他 方 、 処 置 群 は 、 200mg
のブテア・スペルバ抽出物を含有するカプセルを1日2回、朝・夕の食事後に摂取した。
全員について、勃起機能を調べた。試験結果は、以下の表12に示した通りである。
【0046】
40
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【表12】
10
表12にみられるように、プラセボ群において勃起能力が回復した者は数名にすぎない
反面、処置群においては大部分の被験者が性的能力の回復を示した。
【0047】
しかも、ブテア・スペルバ抽出物の投与後において、前立腺肥大の症状は全く現われな
かった。この結果は、前立腺肥大に対し強力に予防的に作用することが報告されているβ
‐ シ ト ス テ ロ ー ル (Kippel et al, 1997)を ブ テ ア ・ ス ペ ル バ が 含 有 す る と い う 事 実 を 裏
付けるものである。このような証拠を有することから、ブテア・スペルバは前立腺肥大を
予防するための治療薬または健康食品の製造に用いることができる。また、さらに強力な
20
治療効果を得るために、ムクナ・コレッチと混合することもできる。
【0048】
したがって、本発明により、勃起機能障害または勃起不全の治療のためのブテア・スペ
ルバに基づく医薬品を提供することができる。
試験例6:ブテア・スペルバ抽出物の皮膚アレルギー試験
実施例6のブテア・スペルバ抽出物が皮膚アルレギーを生じるかどうかについて試験し
た。該試験は、6匹のウィスター系ラットを対象として実施した。試験結果は以下の表1
3に示した通りである。
【0049】
【表13】
30
40
表13に示された結果から、本発明のブテア・スペルバ抽出物は、ヒトの皮膚に安全に
適用することができ、外用の化粧品や医薬品として開発できると認識される。
試験例7:勃起機能障害に対するブテア・スペルバ抽出物から製造したゲルの有効性
勃起機能障害のための治療薬としての有効性についてブテア・スペルバ抽出物を評価す
る た め に 、 63人 の 男 性 被 験 者 達 を プ ラ セ ボ 群 と 処 置 群 の 二 つ の グ ル ー プ に 分 け た 。 そ し て
、プラセボ群には、1ヵ月間1日2回ずつ陰茎にブテア・スペルバを含有していないゲル
を塗布し、一方、処置群には、ブテア・スペルバ抽出物を含有するゲルを使用した点以外
は 、 プ ラ セ ボ 群 と 同 様 に し て 塗 布 し た 。 観 察 後 、 試 験 結 果 は 以 下 の 表 14に 示 し た 通 り で あ
る。
【0050】
50
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【表14】
10
プラセボ群における勃起能力の回復は、心理的な効果によるものか、またはゲルを塗布
する間のマッサージ効果によるものと思われる。プラセボ群とは対照的に、処置群では被
験者の多くに性機能の回復が認められた。結果的に、ブテア・スペルバから勃起機能障害
や勃起不全の治療に有効である外用製品を製造することが可能である。
【0051】
ムクナ・コレッチの粉末抽出物を製造するためには、プエラリア・ミリフィカやブテア
・スペルバの場合と同様の製造方法を使用することができる。ムクナ・コレッチの粉末抽
出物は血管拡張活性が非常に高く、重篤な副作用を示さない。
【0052】
20
プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバ、ムクナ・コレッチの3種の薬草からの化
学的抽出は、根、塊茎、茎、葉、組織培養したカルスを含む植物の全ての部分を小片にス
ライスし、該小片または粉末を、水、1個以上の水酸基を有する低分子アルコールのよう
な溶媒中に浸漬するか、合成法によって製造することにより達成される。この抽出物は適
当な基剤と均一に混合され、外用の化粧品や医薬品が製造される。この新規混合物は、経
皮浸透性も示すことが判明した。
【0053】
さらに、これら3種の薬草より高水圧で抽出した抽出物は、他の成分と容易に混合され
、飲料の製造に適していた。
【0054】
30
プエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバ、およびムクナ・コレッチから、薬効成分
の粉末は、噴霧乾燥、凍結乾燥または真空乾燥により製造されるが、いずれの方法も高品
質の抽出物を得るために好適である。
【0055】
本発明では、薬効成分は3種の薬草から化学的抽出により効果的に抽出され、蒸留によ
り濃縮物として得られる。このように、本発明の方法により得られた抽出物は高い薬効を
示す。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上説明した通り、本発明のプエラリア・ミリフィカ、ブテア・スペルバおよび/また
はムクナ・コレッチ由来の抽出物は、イソフラボン類を高濃度で含有し、前記抽出物から
製造した化粧品、医薬品および/または食品は、人体に適用したとき、皮膚の弾力および
皮膚のつやの優れた改善をもたらし、また勃起機能障害や勃起不全の治療にも使用できる
。それゆえ、食品産業、飲料産業、製薬産業および化粧品産業において様々な利用が可能
である。
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(20)
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フロントページの続き
7
(51)Int.Cl.
FI
A61P
テーマコード(参考)
9/10
A61P 13/08
A61P 13/08
A61P 15/10
A61P 15/10
A61P 15/12
A61P 15/12
A61P 43/00
111 A61P 43/00
A23L
F
2/00
(74)代理人 100091096
弁理士 平木 祐輔
(74)代理人 100096183
弁理士 石井 貞次
(72)発明者 チェルドシェワサート、ウィチャイ
タイ国 10800 バンコク、バングシュ、プラチャチョエン ロード、ソイ チョティワット
−1、16
Fターム(参考) 4B017 LC03 LG15 LL09 LP01
4B018 LB08 MD61 ME02 ME07 ME14 MF01
4C088 AB59 AC05 AC13 BA10 CA11 MA16 MA28 MA34 MA37 MA52
MA63 ZA45 ZA81 ZC20 ZC33
(21)
【外国語明細書】
2004115521000001.pdf
JP 2004-115521 A 2004.4.15
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