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平成 25 年度 委託事項報告書

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平成 25 年度 委託事項報告書
平成 25 年度
委託事項報告書
東京都専門委員
檜原地区
野村
美和
師岡
伸行
茂木
紀夫
1.はじめに
檜原村からあきる野市にかけての山岳地域は三頭山(中央峰 1531m)を始めとして、主
に御前山、大岳山から馬頭刈尾根に繋がる尾根、浅間尾根、笹尾根の 3 つの尾根と北秋川、
南秋川の 2 つの河川から成っている。山容はなだらかであるが、北秋川、南秋川渓谷は急
峻である。南秋川沿いに三頭山の麓にある都民の森を経て奥多摩湖まで車の利用が可能で
あり、武蔵五日市駅から都民の森まではバスでのアクセスが可能である(12 月~2 月まで
は運休)
。途中所々に登山口があり、登山時に幾通りかのコース選択が可能で、穏やかな尾
根歩きがメインとなる場合が多く、登山初心者も歩きやすい。利用形態として他にマウン
テンバイクやトレイルランの利用も多い。また、北秋川下流や 2 つの河川の合流地点より
下流は比較的流れが穏やかであり、川に面して釣り掘りやキャンプ場が多数設けられ、夏
季には家族連れ等数多くの利用者が訪れる。
この山岳地域の東にはあきる野市と八王子市にまたがる秋川丘陵、あきる野市、羽村市、
青梅市にまたがる羽村草花丘陵がある。双方とも都立自然公園に指定されており、ハイキ
ングや周辺住民の散歩コースとして利用されている。秋川丘陵には小峰ビジターセンター
があり、ハイキングの案内や里山の自然をテーマとした展示やイベントを行っている。
東京都レンジャー檜原地区担当の主な活動エリアは以下の通り。
図 1-1. 東京都レンジャー檜原地区担当エリア
 秩父多摩甲斐国立公園の檜原村、
あきる野市区域
 都立羽村草花丘陵自然公園
 都立秋川丘陵自然公園
 関東ふれあいの道 富士見のみち
 かたらいの路 戸倉三山
 檜原南部都自然環境保全地域
特別保護地区
第一種特別地域
第二種特別地域
第三種特別地域
普通地域
図 1-2. 秩父多摩甲斐国立公園地種区分(檜原村、あきる野市)
1
担当地域写真
都レンジャー活動写真
2
以下、平成 25 年度の檜原地区の活動概要を件数で表した。
表 1-1. 平成 25 年度活動概要
(件)
施設管理
利用者対応
ー
コ
ス
解
説
P
R
1
4
5
36
30
0
2
3
4
0
1
4
0
14
12
0
0
3
6
4
助
言
3
0
R
カ
支
障
木
処
理
自
然
解
説
指
導
ー
月
救
護
ド
道
標
整
備
歩
道
整
備
施
設
整
備
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
0
3
2
0
3
7
0
5
1
1
2
0
4
0
0
4
4
0
4
1
1
1
計
15
19
37
1002
0
55
26
40
16
2
0
4
1
6
10
0
2
2
3
1
1
1
0
0
3
6
0
9
5
9
2
0
1
1
0
4
172
0
1
0
1
0
6
1
2
0
5
5
0
12
2
2
2
0
1
2
0
9
72
0
5
3
3
1
3
3
16
9
65
646
0
4
2
4
2
0
3
2
0
46
32
0
8
2
5
0
0
0
0
1
4
6
0
3
2
1
1
16 199
また、日々の巡視では出会った利用者に関する記録を行っている。年齢層や利用形態で
表すと、
平成 25 年度の檜原地区における利用者の記録はグラフ 1-1~1-3 のようになった。
平成 25 年度
グラフ 1-1. 巡視中に出会った利用者数
グラフ 1-2. 巡視中に出会った利
用者年齢層の割合
グラフ 1-3 . 巡視中に見られた利用形態
3
2.自然公園等における自然環境の保護と利用の促進に関すること
2-1.自然公園情報の一元化と都レンジャーが収集した情報の活用について
2-1-1.都レンジャーのデータから見る最近の自然公園利用者
秩父多摩甲斐国立公園の利用者数は増加傾向 1にあるが、これは 1990 年代からの中高年
層の登山ブームと、近年の若者層の登山ブームが大きく影響していると思われる。
都レンジャーが収集した檜原地区内の平成 21 年度及び平成 25 年度の利用者データを比
較してみても、年齢層の変化にその傾向が現れており(グラフ 2-1-1)、それらのブームに
伴い、登山初心者と思われる利用者を目にすることも多い。
都レンジャーの巡視業務には、
「自然公園利用者に対する利用マナーの普及啓発及び指導」
があり、積極的に利用者に接するように心がけているが、その際、情報収集不足と思われ
る利用者に出会うことが少なくない。
資料 2-1-1 は平成 25 年度中に都レンジャーが檜原地区内で実際に利用者に助言、指導し
た事例である。計画、装備が十分でない、また目的の山に登るのに経験や体力が足りてい
ない、登山道の最新情報を得ていない等、事前に収集しておくべき情報が不足している利
用者や、訪れた場所が自然公園であることや、自然公園の利用規制等について知らない利
用者が少なくなかった。
平成 21 年度
グラフ 2-1-1.









平成 25 年度
檜原地区内の利用者層
体力不足と思われる登山者へ安全登山の視点から助言。
スニーカーで訪れている利用者にコースを検討するよう助言。
登山道を外れないようお願いした。
地図を持たない利用者に地図を持ったほうが良いと助言。
利用者に道が違っていることを伝えた。
あまり山慣れているようには見えなかったため、ルートを助言。
マウンテンバイクの利用者に特別保護地区内の歩道は車両の乗り入れが禁止であると指導。
日没時間の早い時期に必要に応じてライト持参の確認や早めの下山等の指導や助言。
通行止区間を知らずに来てルート変更した利用者に登山道情報は最新情報を確認したほうが良いと助言。
資料 2-1-1 . 巡視中に行った利用指導、助言
2-1-2.現在行われている情報提供
現在、東京都、各ビジターセンター(以下、VC)や市町村及び観光協会は、利用者に
向けて、窓口、電話での対話、パンフレット類・インターネットへの掲載等により、自然
公園や登山、自然に関する最新情報を発信している。また、都レンジャーは、業務で収集
1 (財)国立公園協会(2012),2012 自然公園の手引,65-67
4
した情報をこれらの機関に提供するほか、利用者への直接の助言・指導、都のホームペー
ジ、月刊の印刷物「都レンジャーニュース」への掲載、また現場での簡易看板(登山道通
行時の注意喚起等を記す)の設置により発信している。
2-1-3.現状の問題点
(1) 利用者の意識
東京都では、高尾山や御岳山をはじめ多摩地域に多くの登山初心者が訪れる。また、
登山装備が必要な場所へ観光気分で訪れる利用者もいる。そのような利用者の中には、
登山装備として必須である地図やライトを持参していない、登山開始時刻が遅い等、装
備・計画が不十分なケースが見られる。
(2) 情報発信元の分散と性質の違い
多摩地域では、奥多摩町や御岳山、高尾山、秋川丘陵自然公園にVCが設置されてい
るが、檜原地域や秋川丘陵自然公園以外の都立自然公園にはそれに代わる都立の拠点が
存在しない(檜原地域では、旧檜原村役場跡地や十里木地区にVCの設置の構想があっ
たが、奥多摩VCの整備以降計画は延期となり、現在計画の予定はされていない)
。現在
は檜原都民の森や村役場及び観光協会等の各施設がそれぞれ情報発信を行っているが、
その性質上、観光やイベント関連の情報が中心であり、自然公園関連の情報発信者とし
ての役割を担うには限界がある。
(3) 自然公園に関する周知の不足
適正な利用を図る上で、目的の場所が自然公園であると利用者に周知することは必要
であるが、実際自然公園を認知している利用者は多くないように思われる。東京都の自
然公園は都のホームページで紹介されているが、登山情報を収集しようとする利用者が
第一にアクセスする場所ではないため、事前に知らせるべきカントリーコードや利用ル
ール等は利用者に極めて伝わり難い。ルールやマナーは利用者が自然公園に訪れる前、
計画を立てる段階で目に入る場所に明示すべきである。
また、マウンテンバイクの利用者が自然公園の特別保護地区では車両の乗入れが禁止
であることを知らないことがある。このケースに限らず、訪れている場所にどういった
規制があるかを知らない利用者は少なくない。
さらに、都立自然公園ではコースを紹介した地図が得られない、という声を聞く。自
然公園の利用を促進させるには、正しいコースが紹介された地図の提供が必要である。
(4) 都レンジャーの情報の伝達方法の限界
都レンジャーによる情報発信は「都レンジャーニュース」や、現場に掲示している簡
易看板においてである。
「都レンジャーニュース」では、時期的な注意事項(熱中症、日
没時間、アイゼン持参ほか)を喚起しているが、閲覧できる範囲がその掲示場所や都の
ホームページ上のみのため、利用者に事前の情報収集ツールとして利用されにくい。ま
た、簡易看板の内容も同様に事前に知ることはできない。
2-1-4.提言―自然公園情報の一元化
情報収集不足な利用者がいる一方で、情報発信側にも提供方法を改善する必要性がある
のではないだろうか。
そこで、利用者が事前に情報を収集し易いよう、各所で独自に発信されている情報を、
5
東京の自然公園情報として一元化することを提言する。
情報の中には、通行の可否、クマやスズメバチの出没等、速やかに更新、提供すべきも
のもあることから、利用者への情報は、自然公園訪問前から訪問中まで、様々な段階で提
供することが必要である 2。
財団法人尾瀬保護財団の調査によれば、平成 17 年時、訪れている利用者のインターネッ
ト利用率は 6 割強であり、インターネット利用をしていない人のうち今後利用したいとい
う回答は 2 割強あった 3。現時点においてインターネット利用率は上がっていると予測でき
ることから、自然公園情報の一元化はインターネットの活用が最良であると考える。
インターネット上では山に特化したコミュニティサイトやブログも多く、最新の情報を
仕入れるには便利であるが、掲載された情報が確実なものとは限らないためあふれる情報
の中から確度の高いものとそうでないものとを見極めなくてはならない 4。そのため、確度
の高い都の発信情報が一元化されたものは利用者にとって大変有用な情報ツールとなる。
インターネットによる(この場合、ホームページによる)情報発信を積極的に行うと、
それに伴ってアクセス数が増加する 5。その一方で、ホームページ上の情報が羅列し、内容
の緊急性や軽重がわかりづらい、必要な情報がすぐに取り出せない等の課題が生じる 6ので、
わかりやすい表示となるように努めなければならない。
自然公園情報の一元化により、以下のことが可能となる。
(1) 利用者は必要な情報を今よりもスムーズに得ることができる。
(2) 都レンジャーは収集した情報をリアルタイムに利用者へ提供できる。
(3) 正しいコースが掲載された地図を提供できる。
(4) 利用者へ情報収集の具体的な方法としても紹介しやすくなる。
このような観点から、都から発信する自然公園情報をわかりやすい形で伝えることは、
自然公園の保護と適正な利用をさらに促すだけに止まらず、山岳事故防止を側面から支え
ることとなる。
2-2.山岳レースでみられる「短期集中型オーバーユース」の回避について
2-2-1.現状
近年、山道を走り抜けるトレイルランニング
(以下、トレラン)の愛好者が急増している。巡
視業務中のトレイルランナー(以下、ランナー)
遭遇日は、グラフ 2-2-1 のように増加している。
また、集団でタイムを競う山岳トレイルラン
ニングレース(以下、山岳レース)も多数実施さ
れており、平成 25 年度は都内で 9 件の山岳レー
スが開催された。
(図 2-2-1)
グラフ 2-2-1.
ランナーの確認日数(檜原地区)
2 総務省(2012)
「国立公園の利用・管理に関する行政評価・監視」
〈http://www.soumu.go.jp/main_content/000189517.pdf 〉
(参照 2014-3-23)
3 「
「尾瀬の今」をホームページで発信する尾瀬保護財団」,『国立公園』,2013 年,710 号,P11-14,一般財団法人自然公園財団
4 「知っていますか?山の「新常識」」,『山と渓谷』,2012 年 9 月号,p60,山と渓谷社
5 脚注 3 に同じ。
6 脚注 3 に同じ。
6
2-2-2.山岳レースの問題点
このような状況からa) 自然公園施設である歩道の荒廃、
b) 山岳事故の発生、c) 他の自然公園利用者への影響、d) 大
会運営における設置物について、の4事項について懸念 7を
表明している。
図2
2-2-1. 山岳レースの状況
2-2-3.原因
歩道の踏み外しが発生する原因と対策について、既にいくつかの指摘(※)がなされて
いる。山岳レースで発生する歩道の踏み外しについて調査を行った結果、
「短期集中型オー
バーユース」が登山道の荒廃につながることが判明した。
※奥多摩地区では平成 18 年度以降、雲取山周辺における石積みによる複線化防止の歩道
整備を実施している。高尾地区では平成 24 年度に「登山道のぬかるみ」が原因の歩道
の踏み外し対策について提言を行った。
2-2-4.調査結果と考察
調査は、2000 名を超えるランナーが参加する檜原地区で最も規模の大きな山岳レースに
あわせて実施し、ランナーによる歩道の踏外しの状況、ランナーの効果的な動線誘導の 2
点について調査を行った。
(1)歩道の踏外しの状況調査
歩道の踏み外し調査は、土居木階段のある歩道(黄色)に
対して階段を短絡する道(赤色)がついてしまった地点で実
施した(図 2-2-2)
。調査は山岳レース開催日に 1 回、開催さ
れていない日(以下、平常日)に 5 回実施した。土居木階段
のある歩道が正しい歩道であるので、ランナーが短絡する道
(赤色)を選択した場合に歩道を踏外したと判断した。
調査の結果、平常日 5 回の合計では 8.2%のランナーが踏外
図 2-2-2. 調査地点
したのに対し、山岳レース開催日では、30.6%のランナーが踏
外しを行っていた(グラフ 2-2-2)
。山岳レースでは、平常日に比べ歩道の踏み外しが 3.73
倍に増加した。
山岳レース開催日において、全てのランナーが調査地点を通過するのに約 2 時間 15 分の
時間を要した。先頭ランナーが通過して 20 分程度経過した頃からランナーは集団になりは
じめ、列になって調査地点を通過していく様子が観察された。
調査結果と現地で観察したランナーの状況から、歩道の踏み外しの原因を以下に述べる。
① 集団になると、先頭ランナーが選択した方向に後続ランナーも追随しやすい。よっ
て、先頭ランナーが踏外すと、後続もそれに倣うことが多い。(図 2-2-3)
② 調査地点の前後の歩道は細く追い越しを行いにくい。踏外しで複線化した地点を追
い越しに利用する。
7 平成 24 年度檜原地区提言
7
図 2-2-3. 行列になって通過してい
くランナー
グラフ 2-2-2. 歩道の踏み外し調査結果
(2)効果的な動線誘導調査
登山道が複線化している地点について、効果的に誘導する方法の調査を行った。動線を
誘導する方法として、ロープ、案内板、粗朶の 3 種類で比較を行った(図 2-2-4)。ロープ
はランナーに目立つ色と高さで張り、進路を誘導した。案内板は、矢印で進行方向を示し
た。粗朶は、周辺に落ちている木の枝を歩道脇に積み、進路を誘導した。
調査の効果、ロープでは 100%のランナーを誘導でき、案内板では 27.8%のランナーの
誘導ができ、粗朶では 99.6%のランナーの誘導ができた(グラフ 2-2-3)
。効果のある順番
は、ロープ、粗朶、案内板という結果であった。
図 2-2-4. 動線誘導の方法(ロープ・案内板・粗朶)
グラフ 2-2-3. 動線誘導の調査結果
調査結果と現地で観察したランナーの状況から、効果的な誘導について以下に述べる。
① ロープは確実に動線誘導ができるが、山岳レースのコースは数十 km になり、長距離
ロープを張るのは保守・管理の問題がある。放置されるとゴミになる。
② 粗朶は現地で材料が調達できる。景観になじみやすい。しっかり積まないとランナー
に壊される。
③ 立ち止まって案内板を読む時間がないため、山岳レースでは物理的に誘導する方がよ
い。ロープは上記①の問題があるため、自然公園の歩道踏み出し対策には、自然な素
材で動線誘導ができる粗朶を積む方法が適していると考えられる。
8
2-2-5.提言―「短期集中型オーバーユース」の回避
調査結果より、山岳レースでの歩道の踏外しが顕著であることから、この現象を「短期
集中型のオーバーユース」とした。
(1)都は、ガイドラインを作成し、山岳レース主催者(以下、主催者)に適切な助言を
行う。ガイドラインには、歩道の踏み外しを防止するため、以下の項目を設定する。
① 主催者は、ランナーが集団になりにくいよう参加人数を適正にする。
② 主催者は、スタート地点からランナー集団がばらけるまでの区間について、幅員が
大きな道をコースにする。
③ 主催者は、ランナーが集団にならないように、一斉スタートではなくウェーブスタ
ート(時間差スタート)を採用する。
④ 主催者は、無理な追い越しを行わないようランナーに指導をする。
⑤ 主催者は、歩道を外さないようにランナーに指導をする。
⑥ 主催者は、ランナーが歩道の踏み外しを行いやすい地点について、ランナーを歩道
に誘導する手段を講じる
(2)都は、積極的にガイドラインの周知を行うようにする。
ガイドラインの作成と周知徹底により、歩道の踏み外しやそれによる踏み荒しを防ぎ、
貴重な植物を守ると共に、他の自然公園利用者への影響も防ぐことができる。
これは、トレランという新たな自然の利用と自然公園の保護の両立を目指すものであ
り、自然共生社会を目指す「生物多様性国家戦略 2012-2020」の理念に合致するもので
ある。
3.国立公園、国定公園、都立自然公園及び自然環境保全地域並びにこれらに隣接する緑
地に立ち入る観光客等の利用者に対する利用マナーの普及啓発及び指導
1.現場での普及啓発
巡視は、制服を着用し複数人で行う。巡視中に出会った利用者の中で、適正な利用マナ
ーから逸脱している利用者については積極的に声をかけ、普及啓発や指導を行う。この際
配慮することは、威圧的な話し方ではなく、何気ない会話の中から伝えたい利用マナーの
話題も交えながら啓発、指導を行うことである。利用マナーの普及啓発や指導のために行
った利用者への対応がかえって大きなトラブルとなるケースも懸念されるため、このよう
な配慮は重要である。また、広く一般の利用者(利用マナーに問題の無い利用者)に対し
て積極的に声をかけ、日常的な会話の中で利用マナーを啓発する。また、話を聞くことに
より情報収集や利用状況の把握に努めている。
以下に、今年度の主な利用者対応を挙げる。利用者数の多い三頭山、檜原都民の森、大
岳山、浅間嶺での例が多い。
9
月日
場所
内容
トレイルランナーへの声掛けと体力不足と思われる登山者へ安全登山の視
点から助言。
スニーカーで訪れている利用者がヌカザス尾根の下山を考えているとのこ
と。滑りやすく急なため、コースの再検討を助言。
登山道を外れてスミレの写真を撮影中の利用者に、登山道を外れないようお
願いした。
H25.4.27
湯久保尾根
H25.4.28
三頭山
H25.4.28
三頭山
H25.6.5
富士見台
地図を持たない利用者に地図を持つよう助言。
H25.6.30
三頭山
山頂で無線交信を行なっている利用者に、音量を下げるようお願いした。
H25.6.30
檜原都民の森
H25.7.18
大岳山
H25.8.11
湯久保尾根
H25.9.23
浅間嶺
H25.9.29
入山峠付近
H25.10.30 秋川丘陵
H25.11.9
浅間嶺
H25.11.9
浅間嶺
H25.11.23 三頭山
H25.12.14 大岳山
H25.12.21 倉掛山
H26.2.25
数馬行きバス
三頭大滝に向かおうとして三頭山山頂方面に向かう利用者に道が違うこと
を伝えた。
60~70 代の女性が鋸尾根を下るという。話しかけた印象では、あまり山慣
れているようには思えなかったため、エスケープルートとして鋸林道を紹介
した。
雷が鳴り始めた為、登りの利用者に注意を呼びかけ、避難小屋までは距離が
あることを告げた。
マウンテンバイクの利用者に歩行者への十分な配慮をお願いした。また、雲
取山に行く予定とのことであったので、国立公園の特別保護地区が含まれ、
その中の歩道は車両の乗り入れが禁止である(道路、広場以外は禁止である)
と説明。「そのようなことを知らなかったので、そうであれば今後は行かな
い」と理解してくれた。
山岳レースを 2 週間後に控え、
試走を行うトレイルランナーを多く見かけた。
ハイカーに気をつけるようお願いをした。
散歩中に迷い込んだという利用者(70 代くらい)が道を尋ねて来たが、水も
持たず、病気後のリハビリ中とのことだったので引き返すよう促し、利用者
の要望で車道に出るまで同行(巡視のコースでもあった)。丘陵地内は人通
りも少なく、多少のアップダウンがあるので注意するよう話をした。
歩道をスピードを出して走ってきたマウンテンバイク利用者へ気をつける
ようお願いした。
飲酒後の利用者へ足元十分に気をつけて下山するよう助言。
山頂にて確認したマウンテンバイクの利用者(ヌカザス尾根から)に自然公
園の特別保護地区内は乗入れ禁止であることを伝えた。利用者には理解して
頂けた。
山頂は多くの利用者で賑わっていた。日没時間の早いこの時期は「ライトを
持っているか」「日没が早いことを意識しているか」という点から、必要に
応じて利用者への指導や助言を適宜、行った。
予定していたコースが工事のため通行できず、ルート変更した、というグル
ープがいた。最新版の地図には工事中と明記されているため、新しい地図の
確認を勧めた。
バスの中に登山の装備を持つ乗客が1名いた。笹尾根に行く予定とのことだ
ったため、大雪後山の状況は分かからないので無理をしないよう助言した。
2.イベントへの参加、出展
イベントを通じての利用マナー普及として、以下のイベントに参加した。都レンジャー
の巡視場所が山域であることが多いため、巡視中のマナー普及の対象は登山者等であるこ
とが多いが、イベントでは多数の参加者や観光目的の利用者に PR することができる。また、
関係機関との情報交換の場にもなっている。
10
・山ガール登山養成講座(H25/4/20,6/22)
御岳ビジターセンター主催による、登山初心者向けの「山ガール
登山養成講座」
(全 4 回)において、第 1 回(小峰公園~城山・弁
天山)及び第 4 回(都民の森~三頭山)の講師を務めた。第 1 回で
は、東京都の自然公園の紹介や備えるべき登山装備の説明等の座学
を行い、小峰公園から城山、弁天山を経て武蔵増戸駅まで歩く実
配布数
習を行った。第 4 回では、地図を見ながら現在地の把握やコンパ
都レンジャーカード
ス使用法について講義した。
計
41 枚
・キッズジャンボリー(H25/8/12,13)
東京国際フォーラムで開催されたキッズジャンボリー(環境局ブ
ース)に参加し、自然公園や生き物、東京都レンジャーの紹介、V
Cや都民の森等の PR を行った。
配布数
都レンジャーカード
・払沢の滝ふるさと夏まつり(H25/8/17,18)
檜原小学校校庭で行われた檜原村の払沢の滝ふるさと夏まつ
りにブースを出展した。東京の自然公園、都レンジャー・サポー
トレンジャー活動、自然の紹介やハイキングマップの配布を行い、
配布数
計
620 枚
計
都レンジャーカード
170 枚
都レンジャー缶バッヂ
47 個
地元の方を中心に多くの人に自然公園の PR を行った。
・ノエビア親と子の環境教室(H25/10/19)
小峰公園で行われたノエビア環境教室に参加し、午前中の野口健
氏の講演の後、自然公園や東京都レンジャーの活動について PR を
行った。
配布数
都レンジャーカード
・メレルと芝生で Sampo フェス(H25/10/27)
計
65 枚
都レンジャーの靴の提供メーカーであるメレルのイベントが「国
営昭和記念公園 みどりの文化ゾーンゆめひろば」で開催され、ブー
ス出展した。
・山火事防止キャンペーン(H25/11/9)
〈※H26/3/1 にも予定していたが雪害により中止〉
秋川消防署檜原出張所から全国火災予防運動に合わせた山火事
防止キャンペーンへの協力依頼があり、払沢の滝駐車場にて山火事
防止の呼びかけに加え自然公園利用マナーの普及啓発活動を行った。
配布数
11
計
都レンジャーカード
57 枚
都レンジャーゴミ袋
13 枚
・安全登山 PR イベント(H25/11/16,23)
配布数
利用者の増加する紅葉シーズンに合わせ安全登
山をよびかける PR 活動を武蔵五日市駅前、都民の
森で計 2 回行った。都民の森内のイラストマップと
日暮れ前の下山、装備につ
いて注意を記述したチラシを作成し、レンジャー
11/16
11/23
計
チラシ
327 枚 340 枚
667 枚
都レンジャーカード
351 枚 200 枚
551 枚
都レンジャー缶バッヂ
50 個
50 個
都レンジャーゴミ袋
129 枚
129 枚
カードと共に配布した。
◯日没の時刻が早くなっています。早めの下山を心がけましょう。
(15 時下山の計画を!)
◯万一のための装備を整えましょう。
ライト、雨具、防寒着はお持ちですか?
◯地図を持ち指導標を見て、現在地と行先を確認しながら歩きましょう。
シーズン
がやってきました!!
赤や黄に色づく檜原村の山々。
一年で最も人が訪れ、賑わうシーズンの
到来です。
心も体も紅葉パワーでリフレッシュ!
安全で快適な山歩きを楽しんで下さい!
ツキノワグマも
住んでます
-都民の森の歩き方- 3 つのコースをご紹介!
≪コースタイムに休憩時間は含まれていません≫
P
短時間コース(ちょっと散策)
◎大滝の路コース
往復約 1 時間 10 分
高低差の小さい歩き易い
コース
駐車場←5 分→森林館←20 分→大滝の路←10 分→三頭大滝
1 日コース(登山の装備で!)
約 3~4 時間
三頭山までの最短コース
◎三頭山ブナの路コース
駐車場-5 分→森林館-20 分→大滝の路-10 分→三頭大滝-
45 分→ムシカリ峠-20 分→三頭山西峰-10 分→中央峰-5 分→
東峰-40 分→鞘口峠-10 分→駐車場
N
約 4~5 時間
都民の森周遊
都民の森周辺は秩父多摩甲斐国立公園です。
三頭山の南東部は豊かな自然が残り、自然公園法で最も規制の厳しい特別保護地区に指定されています。
コース
◎三頭山(石山・深山の路コース)
駐車場-5 分→森林館-20 分→大滝の路-10 分→三頭大滝-
1 時間 10 分→大沢山-10 分→ムシカリ峠-20 分→三頭山西峰-
10 分→中央峰-5 分→東峰-40 分→鞘口峠-10 分→駐車場
東京都環境局 東京都レンジャー
裏
表
配布したチラシ
3.メディア(媒体)を通した利用マナーの普及啓発
都レンジャーは、利用マナーの普及啓発を行う主なメディア(媒体)として、都レンジ
ャーニュースと都レンジャーカードを活用している。
(1)都レンジャーニュースについて
都レンジャーニュースは、毎月都レンジャーが自然公園の魅力や旬な自然情報、注意喚
起等最新の情報を都民に発信している壁新聞である。夏季の掲示場所に掲示することによ
り、利用者や地域住民に直接目に触れてもらうことができる。また、掲示場所には地元の
主要な関係機関も含まれており、毎月掲示に訪れる際に自然情報や利用者情報の情報交換
を行うきっかけとして、我々も有意義に活用している。これまでに発行した都レンジャー
ニュースは都の環境局のホームページで閲覧できる。
①掲示場所一覧
檜原都民の森、檜原都民の森駐車場、小峰ビジターセンター、檜原村役場、檜原村観光
協会、三頭山避難小屋、数馬の湯、渋谷区自然の家、四季の里、払沢の滝入口バス停、
数馬バス停、笛吹バス停、人里バス停、上川乗バス停、あきる野市観光協会五日市支部、
瀬音の湯、羽村市郷土資料館、檜原村役場喫茶店、檜原学園檜原小学校、檜原中学校、
あきる野市役所五日市出張所、あきる野市立旧小宮小学校(順不同。計 22 箇所。
)
②一覧記事
(http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/nature/natural_environment/park/ranger/news/index.html)
H25.4
H25.5
春を告げる花たちにホッ♪
新緑の森へいらっしゃ~い♪
12
H25.6
H25.7
H25.8
H25.9
H25.10
H25.11
H25.12
H26.1
H26.2
H26.3
東京のレッドデータプランツ
夏の訪れを告げる蝶たち
都レンジャーは、報告書でこんな提言をしています
山で出会う危険な生き物
実りの秋 いろん等ングリを探してみよう
色とりどりの紅葉と安全登山で自然公園の秋を楽しもう!
ムササビに会える!?多摩の自然公園へ
馬にまつわるアレコレ
特別な自然が残る場所=自然公園特別地域
転ばぬ先の救急法!セルフレスキューを身につけよう
(2)都レンジャーカードについて
都レンジャーカードは、都レンジャーが利用者に知ってもらいたい情報(自然公園のマ
ナー、安全登山、都レンジャーの活動等)をまとめたカードである。巡視中に出会った利
用者に会話を始めるツールとしても活用しており、会話の内容をイメージして貰うことに
も役立っている。また、持ち帰った際に再度読み返して貰うことで、より一層の理解が得
られる。
「以前、都レンジャーカードを貰ったことがある」という利用者にもしばしば出会
うこともあり、都レンジャーの存在を知ってもらう効果もある。このように、都レンジャ
ーカードを利用者に直接手渡す効果は大きい。その他、以下のような利用者の溜まりやす
い場所に設置しており、一人でも多くの利用者に手に取って貰えるよう努めている。
・設置場所
JR 武蔵五日市駅、檜原村観光協会、あきる野市観光協会五日市支部、檜原都民の森、小
峰ビジターセンター、四季の里
4.自然公園等における植物の盗掘等の法令に違反する行為の監視及び是正指導
自然公園には各種法令による規制があり、その中で都レンジャーは、主に自然公園法に
基づく違法行為について確認、記録、報告を行っている。また、自然公園法で定められた
指定植物の盗掘等の行為の監視(モニタリング)を行っている。その他法令違反についても、
確認した場合には速やかに関係機関や都関係部署へ報告している。
平成 25 年度に檜原地区で対応した法令違反行為に該当する事例を以下に報告する。
[事例報告]
1. 無線アンテナの設置を確認した件
無線交信を行っている利用者
三頭山山頂の指導標にアマチュア無線のアンテ
ナを設置していた利用者を確認した。この場所が
国立公園の特別保護地区であり規制の対象となる
かったため、他の利用者への迷惑にもなることか
ら、音量を下げるようお願いした。
13
指導標にくくりつけた
アンテナ
可能性がある旨を伝えた。また、受信音量が大き
2. 密猟行為の疑いがあるオオルリを確認した件
都レンジャーが公用車で林道を移動中に、鳥カゴに入れられたオオルリを確認した。鳥
カゴに入っていたのはオスのオオルリ 1 羽であった。鳥カゴは風呂敷に包まれて運ばれた
形跡があり、密猟行為の疑いがあると判断し、五日市警察及び都関係部署へ連絡した。
現場付近
赤丸は鳥カ
赤丸は鳥カゴのあった
5.自然公園施設の点検及び危険箇所の補修
自然公園施設は、自然環境への負荷を減らし、利用者が安全に自然公園を利用するため
の施設である。都レンジャーはこれら施設について、安全上の支障の有無を巡視の際に点
検している。自然公園内には多くの自然公園施設が設置されているが、設置から時間が経
過し、老朽化したものも見られる。老朽化したもの全てに安全上の支障が発生するわけで
はないが、想定され利用方法、利用者像を踏まえ、安全上支障があると判断した場合は多
摩環境事務所自然環境課へ報告する。なお、都レンジャーが自然公園施設の補修の必要性
の有無を決定する際は、①都が直接管理する施設か、②安全上の支障はどのようなものか、
を確認・評価したうえで、都レンジャーで作業が可能と判断される場合は応急補修のうえ
報告し、自らの作業が困難な場合は状況を報告している。都レンジャーの行う応急補修は
多岐にわたる。マンパワーが必要な作業であればサポートレンジャーとの協働作業で対応
し、台風や積雪後等は近隣関係機関と情報共有を図りながら、迅速に対応している。
平成 25 年度中に行った補修作業は以下の通り。
(件)
支障木処理
55
指導標整備
26
歩道整備
40
※
施設 整備
16
※ここでは指導標、歩道以外
また、その場での処理が不可能と判断した場合は、簡易看板を設置し注意喚起を行って
いる。
14
1.支障木処理
歩道上または周辺に見られるかかり木や倒木等、安全な通行を妨げる危険性のあるもの
の除去作業を行っている。
作業前
作業後
2.指導標整備
老朽化した指導標の交換、補修作業や、指導標の指す歩道の現況に鑑み、必要に応じた
矢羽根の取り外しや追記等の補修作業を行っている。
笹尾根指導標交換
作業前
丸山山頂標識交換交換
作業後
作業前
作業後
3.歩道整備
15
・歩道の掻き均し
歩道上に土砂や落葉が流れ込み、歩道や階段が埋まってしまう場合がある。安全確保の
ため、定期的な掻き均し作業が必要となる。
陣馬尾根歩道掻き均し
作業前
作業後
・草刈り作業
春から秋にかけて、歩道脇の草本が繁茂する。歩道が草本に覆われ不明瞭になると、谷
沿いの歩道では足元が見えず踏み外しや道迷い等の事故が生じる可能性があるため、草刈
りを行っている。また、園地における野外卓やベンチ、案内板や指導標等自然公園施設が
覆われてしまうこともあるため、それら周辺の草刈りを定期的に行っている。
富士見台園地草刈り
作業前
作業後
4.指導標や歩道以外の施設整備
巡視中、自然公園施設であるトイレや野外卓、ベンチ等の問題の有無を確認する。問題
がある場合はその場で可能な対応を行い、報告している。
5.悪天候後の施設点検
大雨や台風、大雪等悪天候の直後に、自然公園施設が被害を受けていないか、緊急点検
を行っている。また近隣関係機関から情報収集を行い、担当地域内の状況をまとめ、報告
している。
16
檜原地区担当内の緊急点検対象施設、問合せ機関については以下の通り。
対象施設:神戸岩便所、神戸園地便所、払沢の滝便所、時坂路傍施設便所、数馬便所、九
頭竜便所、柿平便所、十里木便所
問合せ先:檜原村観光協会、あきる野市観光協会、檜原都民の森、小峰ビジターセンター
平成 25 年度に行った緊急点検は以下の通り。
月日
H25.4.7
H25.9.17
H25.10.17
H25.10.28
H25.2.11,12
H25.2.20
H25.2.28
起因
暴風、大雨
台風 18 号
台風 26 号
台風 27 号
大雪
大雪
大雪
自然公園施設被害
無し
無し
無し
無し
無し
無し
神戸岩便所休憩舎上へ倒木
平成 25 年度中に行った主な作業は以下の通り。
月日
場所
H25.4.9
秋川丘陵
H25.4.11
H25.4.25
仲ノ平-西原峠
陣馬尾根
H25.4.28
都民の森
H25.4.29
浅間尾根
H25.5.6
風張峠周辺
H25.5.12
H25.5.18
H25.5.21
H25.5.22
H25.6.2
H25.6.5
H25.6.7
H25.6.11
H25.6.15
H25.6.25
H25.6.28
H25.7.2
大岳山
入山峠
数馬広場便所
浅間峠
臼杵山
富士見台
醍醐丸-生藤山
馬頭刈尾根
秋川丘陵
大岳山
秋川丘陵
浅間峠
H25.7.2
浅間峠
H25.7.7
戸倉城山
内容
登山道入口の案内板が外れていたためパウチを設置。
歩道をまたいで木にかかるコナラを確認。安定しているようだが歩道上のため、『頭
上注意』を 2 枚掲示。
登山道上に見られた倒木を切断、処理。(2 件)
登山道の砂礫の掻き均し。
歩道上の岩がぐらつく箇所に応急的に石を詰め安定化。都民の森管理事務所に
報告。
指導標の矢羽根の表示に補足的にパウチを設置。
登り口が急であったり、歩道が崩れやすい状況であるため、指導標に『通行注意』
を掲示。
歩道上にかかる部分の草刈り。
登山道へ上がる階段の掻き均し。
便所の電灯のタイマー設定を調整。
指導標が新しくなったため、補足的に設置していたパウチが不必要になり撤去。
登山道上に見られた倒木を切断、処理。(2 件)
繁茂した草本で野卓、ベンチ、指導標や歩道がわかりにくくなるため草刈りを実施。
歩道の草本が繁茂している箇所について通行に支障がないように草刈りを実施。
歩道上に草が繁茂している場所の草刈り。
階段の掻き均し。
大岳山まき道の草刈り。
沢戸橋にある指導標の矢羽根を補修。
指導標の表示の補修。
4 月に開催された山岳レースの案内表示が都指導標に括りつけられたままになって
いたため、撤去。
立枯れたモミを確認。歩道上に倒れる可能性があるため、『頭上注意』を掲示。
17
H25.7.7
荷田子
H25.7.11
浅間嶺
H25.7.12
H25.7.12
浅間尾根
浅間尾根
H25.7.16
小河内峠
H25.7.16
小河内峠
H25.7.16
羽村草花丘陵
H25.7.20
サイグチ沢
H25.7.26
上川乗
H25.7.26
浅間峠
H25.8.5
H25.8.11
H25.8.11
H25.9.4
H25.9.4
笛吹
湯久保尾根
湯久保尾根
富士見台園地
馬頭刈尾根
H25.9.6
入小沢ノ峰
H25.9.17
羽村草花丘陵
H25.9.19
藤倉,宮ケ谷戸
H25.9.30
H25.10.9
H25.10.11
H25.10.12
H25.10.28
H25.10.29
H25.11.4
H25.11.10
H25.11.13
H25.11.14
H25.11.16
H25.11.20
秋川丘陵
富士見台園地
羽村草花丘陵
笛吹
湯久保尾根
日原峠付近
浅間嶺間
浅間嶺
三頭山
藤倉,宮ケ谷戸
秋川丘陵
陣馬尾根
H25.11.23
都民の森
H25.11.25
H25.12.6
H25.12.9
H25.12.9
丸山
羽村草花丘陵
陣馬尾根
陣馬尾根
4 月に開催された山岳レースの案内表示が都指導標に括りつけられたままになって
いたため、撤去。
歩道上に 2 本の倒木を確認。1 ヶ所切断処理。もう 1 ヶ所は処理できなかったため
『頭上注意』を掲示。
歩道に掛かる下草の草刈りを実施。
歩道上の倒木の処理。
都道 205 号線の土砂崩れによる通行止めにより藤倉-夏地間のバスが運休。陣馬
尾根を藤倉に下山するとバス便がないため、登山者への周知のパウチを、月夜見
第二駐車場に 1 枚、小河内峠に 3 枚設置(H25.8.29 通行止め解除に伴い撤去)。
歩道上に引っかかっていたサクラの枯枝を除去。
指導標が壁にもたれかかっているという情報があり確認。同じ場所に設置し直すこ
とができなかったため、隣の案内板にロープで固定。
踏み跡が分かりにくくなっている場所に『←三頭山』のパウチを設置。
登山道上の枯損木 2 本を処理。
登山口すぐに倒木が横たわっていたため除去。
歩道脇に立枯れたコナラを確認。歩道上に落枝の可能性があるため『頭上注意』を
掲示。
指導標の支柱の根元が腐食し倒れそうであったので応急的に固定。
低木が茂り歩道が見えにくくなるので、草刈りを実施。
枯損木が折れてかかり木になっていたため、『頭上注意』を掲示。
繁茂した草本で野卓、ベンチ、指導標や歩道がわかりにくくなるため草刈りを実施。
大岳山と大岳山巻道の分岐にある注意喚起パウチの再設置。
指導標の「金風呂」方面を指す矢羽根は、奥多摩管理センターや多摩環境事務所
と相談の結果、道がわかりづらい、踏み跡がない等複数の理由から、撤去。
倒木があるという情報が入ったため、現場を確認。台風 18 号の影響により倒れたと
思われる。かかり木の状態のため、『頭上注意』を掲示。
陣馬尾根の取付きにある指導標と、湯久保尾根の取付きにある指導標に奥多摩体
験の森内の通行止めの周知パウチを設置。
台風の影響か、倒木やかかり木が複数見られ、可能な範囲で処理を実施。
草刈りを実施。
支障木を 3 本処理。
支柱が腐って倒れた指導標の立て替えを実施。
倒木が 1 本あり、切断処理。
老朽化した指導標の交換作業を実施。
歩道上にモミの枯枝があり『頭上注意』を掲示。
あずまやの案内板の地図にあるバス停名が変更されたため、表記を補正。
避難小屋の脇に焚き火跡を確認。燃え残りは持ち帰り、燃え跡は除去。
陣馬尾根、湯久保尾根取付きに設置した体験の森内通行止め周知パウチを撤去。
土居木階段の補修、老朽化したトラロープの張り替え等を実施。
かかり木 2 件、歩道に支障のある倒木 1 件を確認。かかり木に『頭上注意』を掲示。
歩道上の岩がぐらつく箇所について、応急対応として、平たい石等でぐらつきを弱
める等の作業を実施。また利用者に歩道状況の情報提供を実施。
老朽化した丸山山頂標識の交換。
老朽化した階段の芯の部分をノコギリで切除。
尾根上部の掻き均し。
歩道上に確認したかかり木の処理。
18
H25.12.14
H25.12.14
H25.12.14
H25.12.15
H25.12.15
H25.12.20
H25.12.20
H25.12.24
H26.1.4
H26.1.11
H26.2.2
H26.2.7
H26.2.12
H26.2.25
H26.3.6
H26.3.8
大岳山
鋸山-大岳山
『凍結注意 アイゼン等必要』のパウチを設置。
サクラの倒木(歩道上部を覆っていたもの)を 1 本処理。
複線化している箇所、設置者不明の迂回路をそれぞれ閉じ、トラロープで利用者の
大岳山
動線を正規ルートへ戻した。
仲の平-西原峠
木に設置された赤いランプの撤去。
仲の平-西原峠
歩道脇の立ち枯れた木を切断処理。
上川乗
積雪によると思われる倒木があったため、処理。
払沢の滝園地便所 「だれでもトイレ」にある緊急ブザーの点検、確認。問題点を報告。
グミ尾根
歩道沿いの立枯れたアカマツ 2 本、針葉樹 1 本を処理。
大岳山
指導標に設置していた『落石注意』のパウチを交換。
三頭山
避難小屋近くにあるシカ柵の網が一部破けていたため、補修。
山頂西側のロープが樹木に食い込んでいた(利用者からの情報提供)。利用者の
大岳山
動線を誘導するトラロープであり、必要最低限の箇所だけ残し、緩めに巻き直した。
男子手洗い場が凍結。排水管に巻きつけてある熱線が故障していると思われる(電
払沢の滝園地便所
源ランプ点灯せず)。使用禁止にした(管理センターへ報告)。
歩道に向かって雪の重みで倒れこんだスギ 2 本を、雪に埋まった部分を掘り出し、
時坂-浅間嶺
立ち上がらせた。
檜原村役場より、落雪の危険があるため払沢の滝遊歩道を通行止めにする連絡が
払沢の滝周辺
あり、払沢の滝入口周辺にある都の施設に『通行止め』パウチを設置。
仲の平
歩道上に倒れた支障木を除去。(2 ヶ所)
湯久保尾根入口の指導標に設置している、バス停方向を示す簡易矢羽根につい
て、地元住民から変更されたバス停名が書き換わっていないとの指摘があったた
宮ケ谷戸
め、書き換えた。
6.自然環境の継続的な観測及び監視
将来の長きにわたり、自然環境を良質な状態で維持していくためには、自然環境の「今」
を長期継続して観測していくことが必要である。観測の蓄積が、自然環境の変化傾向を知
ることにつながる。負の変化に対しては、迅速な対策につなげていくことが可能となる。
そこで巡視中に確認した動植物の生息・生育情報を GPS を用いて記録し、GIS にてデー
タの管理を行っている。また、平成 23 年度から、哺乳類を主な対象に、センサーカメラを
使用した野生動物の生息状況調査を行なっている。
1.調査方法
(1)巡視中の生息・生育状況の確認
巡視中に動植物の生息・生育情報が得られた際に、その確認位置を GPS にて記録し、種
名、確認方法(目視、死体、痕跡等)等を記録用紙に記入した後、データをエクセル及び
GIS ソフトにて管理している。植物については、秩父多摩甲斐国立公園の指定植物及び東
京都レッドリスト 2010 年版(本土部)掲載種(西多摩地域)を調査対象種とした。また、動
物については、同定可能な範囲で全ての哺乳類及び主な両生類、爬虫類の生息情報を記録
している。さらに、主要な特定外来生物指定種についても記録を心がけた。野生動物の痕
跡については初確認と思われる新しいもののみを記録し、重複記録しないように努めた。
19
(2)センサーカメラ調査
野生動物の中には、痕跡のみの同定が難しい種、個体数が少なく生
息確認が難しい種等も存在するため、通常の巡視による調査を補う形
で、平成 23 年 9 月より、センサーカメラを使用した野生動物の生息状
況調査を開始している。
調査は、都の自然公園(秩父多摩甲斐国立公園、都立自然公園内)
をカバーする地域標準 3 次メッシュ(約 1×1km)を調査単位とした。
自然公園を代表すると思われるメッシュを広範囲の中から複数選択し、
1メッシュにつき 1 台、任意の場所にカメラを設置した。調査対象は、
リス大以上の哺乳類とし、カメラは地面から 1.2〜1.5m の高さ、下向
きに角度が付くよう(垂直位置から約 15 度角)主に樹木に固定した。カメラは同時に最大
9 台を使用しながら多くのメッシュからデータを得るようにした。メッシュあたりの調査期
間は、1 ヶ月以上とし、1 度設置した調査メッシュは以降の調査対象から除外し、順次調査
地を変更した。
2.結果
(1)保護上重要な植物の確認件数
平成 25 年(1 月~12 月)において東京都レ
ンジャー檜原地区(以下、檜原地区)が確認し
た、秩父多摩甲斐国立公園及び東京都版レッド
リスト(2010 年版・西多摩)の種数は 64 種
である。指定植物及びレッドリストのカテゴ
指定植物(秩父多摩甲斐国立公園)
絶滅危惧IA類(CR)
東京都レッドリスト
(西多摩)
絶滅危惧IB類(EN)
絶滅危惧II類(VU)
準絶滅危惧(NT)
8
2
22
6
表 6-1. 平成 25 年に檜原地区が確認した指定植物及び
レッドリスト掲載種のカテゴリーごとの種数
リーごとの種数は表 6-1 の通りである。
檜原地区の巡視エリアにおいて、基準地域 3 次メッシュごとの植物の確認種数を地図上
にプロットしたのが図 6-1 である。
図 6-1. 平成 25 年に檜原地区が確認した基
準地域 3 次メッシュごとの植物の種数
(2)動物の生息確認状況
①動物の生息情報確認件数
平成 25 年に檜原地区が確認した哺乳類及び保護上重要と思われる両性類、爬虫類、甲
殻類、その他注意が必要な外来生物について一覧にした(表 6-2)
。
20
47
表 6-2. 平成 25 年に東京都レンジャーが確認した保護上重要と思われる動物及び注意が必要な外来生物
分類群
両生類
両生類
両生類
両生類
両生類
爬虫類
爬虫類
爬虫類
爬虫類
爬虫類
爬虫類
鳥類
鳥類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
哺乳類
科名
サンショウウオ科
アオガエル科
アカガエル科
アカガエル科
ヒキガエル科
カナヘビ科
トカゲ科
ナミヘビ科
ナミヘビ科
ナミヘビ科
ヤモリ科
チメドリ科
チメドリ科
オナガザル科
ウサギ科
ネズミ科
リス科
リス科
アライグマ科
ジャコウネコ科
イタチ科
イタチ科
イタチ科
クマ科
イヌ科
イヌ科
イノシシ科
シカ科
種名
東京都RDB( 南多
摩)
東京都RDB
( 西多摩)
・
VU
VU
EN
○
NT
VU
VU
NT
VU
*
NT
NT
NT
NT
○
NT
NT
NT
NT
VU
*
NT
○
○
○
*
NT
○
○
○
○
○
○
○
CR
○
○
○
○
EN
○
○
○
ハコネサンショウウオ
カジカガエル
タゴガエル
ヤマアカガエル
アズマヒキガエル
ニホンカナヘビ
ニホントカゲ
ジムグリ
ヒバカリ
ヤマカガシ
ニホンヤモリ
ガビチョウ
ソウシチョウ
ニホンザル
ニホンノウサギ
アカネズミ
ニホンリス
ムササビ
アライグマ
ハクビシン
アナグマ
テン
ニホンイタチ
ツキノワグマ
キツネ
タヌキ
イノシシ
ニホンジカ
環境省RDB
( 第4 次)
備考
特定外来生物
特定外来生物
LP
LP
特定外来生物
外来種
LP
LP
檜原地区巡視エリアにおいて、基準地域3次メッシュごとの在来動物の確認種数を地
図上にプロットしたのが図 6-2 である。
図 6-2. 平成 25 年に檜原地区が確認した基
準地域 3 次メッシュごとの在来動物種数
②センサーカメラ調査
平成 24 年 2 月から平成 26 年 4 月時点での調査地は 17 箇所となった(図 6-3)
。これ
まで撮影された哺乳類のうち、種を同定できたものは 13 種であった。センサーカメラの
設置箇所と撮影された哺乳類を表 6-3 に示す。
図 6-3. 檜原地区担当の東京都レンジャーがセ
ンサーカメラを設置した基準地域標準 3 次メッ
シュ(メッシュ内の数字は表 6-3 の No.に対応)
21
表 6-3.
センサーカメラの設置箇所と撮影された哺乳類
カモシカ(No.4 湯久保尾根)
ニホンジカ(No.14 熊倉山西側)
(3)注目している動植物の生息、生育状況
①ニホンジカ
ニホンジカについては、多摩地域全体で確認メッ
シュの増加が見られた(平成 25 年度の東京都レ
ンジャーのモニタリング結果より)
。ニホンジカの
生息域拡大により今年度も檜原地区では広範囲で
ニホンジカの痕跡を確認した(図 6-4)
。檜原地区
では、生息域の最前線である檜原村とあきる野市
との境界域におけるニホンジカの動向に注目し、
定点を定めて植生への影響を調査した(関東山地
ニホンジカ対策広域植生モニタリング調査票に基 図 6-4. ニホンジカを確認した基準地域
づく調査)
。その結果、植生への影響度は 2(影響 標準 3 次メッシュ
度は 0~7 の 8 段階)であった。
②ツキノワグマ
檜原地区には広くツキノワグマが生息している。ツキノワグマについては、目視の他、
クマ棚、糞、樹皮剥ぎ(クマ剥ぎ)を元にモニタリングを行っている。これら痕跡につい
ては、年度によって確認件数に変動があるため、都レンジャーのモニタリング結果と生息
状況が必ずしも一致しないが、ツキノワグマについては狩猟が当面禁止されていることも
あり、生息数に大きな変化はないと思われる。
また、人家付近への出没状況については、今年度については、出没が多かった平成 24 年
度ほど報告されていない。ツキノワグマの人家付近への出没については堅果類の豊凶との
関係が知られている(森林総合研究所(2011)「ツキノワグマ出没予測マニュアル」)。このた
22
め、平成 25 年度は森林総合研究所のマニュアルに基づき、堅果類の豊凶に関して調査を行
った。結果は次の通りであった(表 6-4)
。
表 6-4. 平成 25 年度の堅果類調査の結果
樹種
平成 25 年結実量評価
コナラ
並作~豊作
ミズナラ
豊作
クリ
豊作
堅果類調査の様子
(サポートレンジャーとの協働)
図 6-5 は、檜原地区における平成 24 年度と 25 年度に檜原地区で確認したクマ棚の作ら
れた樹木数である。平成 25 年度はクマ棚の確認本数が 4 本と平成 24 年度と比べて少なか
った。
図 6-5.平成 24 年度と 25 年度に檜原地区で確認し
たクマ棚の作られた樹木数
クリの木に作られたクマ棚
③外来種
1)アライグマ、ハクビシン
外来種であるアライグマ、ハクビシンを対象に、多摩地域全体で平成 24 年度~25 年度に
かけて、寺社等木造建築物痕跡調査、巡視による痕跡確認、センサーカメラによる調査を
実施した。アライグマとハクビシンは、いずれも屋根裏へ侵入する動物で、木造建築物の
侵入痕跡(柱等に残る爪痕)が似通っているため、同定が難しい。壁等に明瞭な泥の足跡
が残されていれば、足型は特徴があるので同定可能であるが、柱等に残る爪痕だけでは判
断が困難であった。そこで、寺社等木造建築物痕跡調査では、爪跡の幅(足幅:第 1 指~第
5 指の幅)を計測し、便宜的に「5cm 以上」、と「4 ㎝以上 5 ㎝未満」と分け、前者を「ア
ライグマの可能性が高い痕跡(5cm 以上)」、後者を「ハクビシンの可能性が高い痕跡(4
㎝以上 5 ㎝未満)
」
、として整理した。また、指の本数や爪跡の幅の大きさに関わらず、確
実に同定が可能な足跡が同じ場所が発見された場合は、
「確実にアライグマ」もしくは「確
実にハクビシン」のデータとして整理した。
なお、檜原地区ではセンサーカメラにアライグマは撮影されなかった。檜原地区での結
果は、図 6-6 の通りである。檜原地区では、沢沿いを中心に広範囲にアライグマの生息の可
能性がある。上記結果の詳細については、都関係部署へ提出した。
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寺社等木造建築物痕跡調査の様子
図 6-6.檜原地区アライで確認されたアライグマと
ハクビシン
5 本の爪跡(写真は爪跡の幅 4.5cm)
2)ガビチョウ
特定外来生物指定のガビチョウは、檜原地区の広範囲に生息している。多摩地域全体で
は平成 22 年度から本格的にモニタリングを行っており、ガビチョウの確認件数は増加して
いる。檜原地区における平成 25 年の 1 月~12 月の確認件数は、35 件であった(平成 24
年は 31 件)
。
7.事業者が実施する環境調査への情報提供
1.環境調査
都レンジャーは巡視の際に確認した植物(秩父多摩甲斐国立公園指定植物、東京都版レ
ッドリスト)や動物(主に哺乳類、爬虫類、両生類)、施設(要整備箇所)等の位置情報を
GPS やデジタルカメラを用いて記録している。(※モニタリング方法の詳細は「6.自然環
境の継続的な観測及び監視」参照)
一例として、これらのデータより、ツキノワグマやニホンジカ等の年間を通じての分布
情報等がまとめ、集計情報を東京都の調査データとして活用している。過去(平成 25 年度
以前も含む)情報提供したものは、以下の通り。
提供情報
ニホンカモシカ痕
跡・目視情報
提供先
(株)自然環境教育センタ
ー(文部科学省・東京都教
育委会からの委託)
ニホンジカ痕跡・
目視情報
東京都環境局
ツキノワグマ痕
跡・目撃情報
東京都環境局
堅果類豊凶状況
東京都環境局
内容
都レンジャー巡視時のニ
ホンカモシカ痕跡・目視情
報(年月、位置、頭数)
都レンジャー巡視時のニ
ホン ジカ痕跡・ 目視情報
(年月、位置、頭数)
都レンジャー巡視時のツ
キノワグマ痕跡・目視情報
(年月、位置、頭数)
堅果類(ブナ、ミズナラ等)
の今年度の豊凶状況
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備考
関東山地カモシカ保護地域特
別調査報告書の分布情報とし
て利用
ニホンジカ保護管理計画策定
のための資料として利用
ツキノワグマ保護管理計画策
定のための資料として利用
ツキノワグマの里地への出没
予測検討データとして利用
自然公園利用実
態調査
ハンカイシオガマ
の生育状況につ
いて
アライグマ・ハクビ
シンの爪跡調査
東京都環境局
調査結果に対するコメント
自然公園施設の長期改修計
画や維持管理に資するため、
利用の実態を把握する調査
東京都多摩環境事務所自
然環境課指導係
ハンカイシオガマの確認
地点と確認数
熊本大学に在籍する研究者
から当該植物の採集の希望
関西野生生物研究所
外来哺乳類(アライグマ・
ハクビシン)の生息情報
東京都多摩環境事務所自然環境課指導係に提供したハンカイシ
オガマの生育状況については、指導係より 6 月下旬に生育状況の照
会があった。ハンカイシオガマは、指定種(秩父多摩甲斐国立公園)
であり、東京都レッドリスト(西多摩)で絶滅危惧 IB 類(EN)に選
定されている。7 月に自生地の生育状況を確認し、これまでの巡視
記録とともに指導係に生育状況を報告した。
2.近隣関係機関
檜原地区では、利用者からの情報、自然情報、登山道や施設の情報、山岳事故情報等を
下記の機関と相互に情報交換している。台風や積雪情報等、緊急時にもこうした情報交換
は役立っている。迅速に対応するために、こうした機関との連携は不可欠である。
機関名
檜原村役場
檜原村観光協会
あきる野森林レンジャー
あきる野市観光協会五日市支部
檜原都民の森
小峰ビジターセンター
秋川消防署檜原出張所
五日市警察署
内容
・台風や降雪時の被害状況
・登山道や施設の状況
・自然情報
・利用者からの情報
・台風や降雪時の被害状況
・施設の状況
・三頭山周辺の自然情報
・台風や降雪時の被害状況
・施設の状況
・秋川丘陵に関する情報
・管内の山岳事故情報
檜原村役場及び檜原村観光協会については、情報交換だけでなく、合同の巡視及び作業
を 5 回実施し、情報の共有を行った。
日付
参加人数
役場
協会
場所
内容
湯久保尾根にある村が設置した指導
標の状況把握
村が管理する登山道の状況把握
3名
2名
1名
H25.7.2
大ダワ-御前山-湯久
保尾根
浅間峠-日原峠-人里
3名
2名
1名
H25.9.11
湯久保尾根
村観光協会が設置した指導標の交換
3名
1名
1名
H25.10.21
湯久保尾根
村観光協会が設置した指導標の交換
2名
2名
H25.11.29
桧原南部都自然環境
保全地域
保全地域内の状況把握
3名
2名
H25.5.7
都R
湯久保尾根に檜原村観光協会が設置した指導標があるが、経年により痛みが激しくなっ
ていた。痛みの激しい 3 本を交換することにし、新しい指導標は檜原村観光協会が制作し
25
た。交換作業は 2 回に分けて行い、9 月 11 日に 1 本、10 月 21 日
に 2 本を交換した。また、平成 26 年 1 月 18 日に開催された NPO
法人フジの森(檜原村)の事業である「ふるさとの森」の活用法に
関するワークショップに参加し、自然公園の保護と利用に関する観
点より、檜原村の自然や生物について意見を述べた。
多摩地域の保全地域を管轄する多摩環境事務所自然環境課保全
係と合同で、桧原南部都自然環境保全地域の巡視を平成 25 年 6 月
7 日と 7 月 26 日の 2 回実施した。
また、関東ふれあいの道の状況把握のために環境省関東地方環境事務所奥多摩自然保護
官事務所、東京都環境局自然環境部緑環境課、多摩環境事務所自然環境課自然公園係と合
同で巡視を行った。
日付
巡視場所
都R
参加人数
東京都 環境省
H25.11.21
杉の木陰のみち
2名
4名
2名
H25.12.11
鍾乳洞と滝のみち
2名
4名
1名
H25.12.20
歴史のみち
2名
3名
2名
8.サポートレンジャーの指導及び監督
サポートレンジャー会との協働を通してマンパワーを提供して頂くことは、活動エリア
が広域な都レンジャーの活動にとって極めて有用である。都レンジャーとしても、サポー
トレンジャーが安全かつ有意義な活動を展開するため、研修への協力や、密接な連携ため
の定期的な話し合いの場を設けている。
1.檜原レンジャーとサポートレンジャーとの協働活動
都レンジャーとサポートレンジャーとの協働活動は、1)都レンジャーとサポートレンジ
ャーが合同で巡視、作業及び調査を行う活動と、2)サポートレンジャーのみで巡視や調査
を行う活動、の 2 つに大きく分けることができる。今年度、檜原レンジャーとサポートレ
ンジャーとの協働活動は次の通りである。
1)檜原レンジャーとサポートレンジャーが合同で巡視、作業及び調査を行った活動
日付
場所
内容
H25.5.18
入山峠
階段掻き均し
3名
H25.6.29
御岳山
緑ボラ講習下見
4名
26
参加人数
写真
H25.7.6
御岳山
緑ボラ講習
6名
H25.8.17
~18
払沢の滝
(檜原村夏祭り)
利用マナー等
PR 活動
7名
H25.9.1
奥多摩地域
堅果類調査
11 名
H25.10.12
笛吹
笛吹指導標交換
2名
H25.10.29
日原峠
日原峠指導標交換
1名
H25.11.16
武蔵五日市駅
利用マナーPR 活動
2名
H25.11.16
金剛の滝
歩道補修
1名
H25.11.25
丸山
丸山山頂標識交換
1名
H26.2.1
浅間嶺
サポレン会体験入会
3名
・堅果類調査(H25.8.31)
ツキノワグマの里地への出現の予測のために、堅果類の豊凶調
査をサポレン会との協働作業で行った。奥多摩地域の広い範囲を
一斉に調査を行う必要があり、人員を必要とする。サポレン協働
で行うことにより調査員の確保ができた。堅果類の豊凶調査は、
継続的に行っていく必要のある調査であり、サポレン協働の形で
続けていきたい。
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・武蔵五日市駅前利用マナーPR 活動(H25.11.16)
武蔵五日市駅はあきる野市・檜原村への登山の起点になってい
ることから、バス待ちの登山者が多く、その待ち時間の間に安全
登山の PR 活動を行うことができる。サポレン協働により自然公園
利用者へチラシを配布し、PR 活動を行った。
PR 活動は成果が直ちに現れるものではないが、既に都レンジャ
ーのことを知っていた登山者もあり、成果が蓄積されつつある。
9.その他
・ECO-TOP インターン生受入(H25/8/12,13,14)
東京都の自然公園について、都が管理している施設の説明や、都
レンジャーの活動の説明を行い、登山道調査に協力してもらった。
また、環境フォーラムで行われたキッズジャンボリーにおいて来場
者応対の補助を行った。
・第 43 回野鳥の巣箱コンクール表彰式(H25/10/27)
巣箱コンクール表彰式に出席し、東京に生息する動物の紹介や都
レンジャーの PR を行った。
・小学校への出張授業の実施(H25/11/26)
府中市立新町小学校の 6 年生 61 名へ出張授業を行った。新町小
では総合的な学習の時間を使ってキャリア教育を実施しており、今
回対応した授業では、子供達の憧れの職業であるパークレンジャー
の業務として東京都レンジャーの活動の紹介等を行った。
・読売新聞多摩版への掲載(H26/2/14)
読売新聞立川支局から都レンジャーの活動について取材をうけ、読売新聞多摩版に掲載
された。実際に巡視を行っている状況、レンジャーになったきっかけ、レンジャーとして
心がけていること等の取材を受けた。
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