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英語アニメ教材Culture Swap開発の経緯およびその概要 大澤 真也
外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) 英語アニメ教材Culture Swap開発の経緯およびその概要 大澤 真也 広島修道大学 概要 筆者の勤務校では,2007 年から e ラーニングを活用した英語教育のあり方を検討して きた。その流れの中で,2010,2011 年度には大学 1 年生を対象に実施した英検 Can-Do リ ストを利用した英語力の自己評価と TOEIC Bridge スコアとの関係を探るための調査を行 った。その調査結果に基づき,学習者が自信を持てない項目を場面設定に取り入れた英語 アニメ教材 Culture Swap を作成した。教材作成のねらいは e ラーニングで活用できる教材 を広く無償で公開することである。本論文では,教材開発に至るまでの経緯および概要に ついて述べる。 Keywords: Moodle, Can-Do, e ラーニング 1. はじめに 筆者の勤務校である広島修道大学では,2007年度よりeラーニングを利用した英語科目 を導入し,その後2012年度からLearning Management System(以下LMS)であるMoodleを全 学統一のeラーニングシステムとして採用した。2007年度以降,筆者を含むプロジェクトチ ームではeラーニングを活用した英語教育の可能性について検討を進めてきた。その流れの 中で2013年夏に英語アニメ教材Culture Swap: The Adventures in the U.S.A. and Japan(以下 Culture Swap)を完成させ,現在, 学内外を問わず大学英語教育関係者が無料で利用できる ように公開している。 1 本論文では教材の開発に至るまでの経緯および教材の概要につい て述べることにする。 2. 英 語 科 目 に お け る Moodle の 活 用 広島修道大学にeラーニングを利用した英語科目が導入されたのは2007年度のことでる。 当時は教室内に学生がパソコンを持ち込み,無線LAN経由でインターネットに接続した上 で,コンピュータを利用した教育・学習を行うという形態であった。しかし当然のことな がら単にeラーニングを導入しただけでは思ったような効果はあがらなかった。そこで英語 教員を中心に有志教職員でプロジェクトを立ち上げ,より効果的な活用方法について定期 的に情報を共有し,話し合うことになった。現在に至るまでプロジェクトにおける議論に 28 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) 基づいて様々なことを行ってきたが,主な成果としてはMoodleの導入とCan-Do調査の実施 を挙げることができる。 2.1 Moodle の 導 入 2007年当時は商用のeラーニングシステムが全学標準のものとして導入されていた。し かしながら使い勝手の悪さおよび学内におけるサポートの欠如などから利用者数は伸び悩 んでいた。そこで2010年度より英語科目においてオープンソースのLMSであるMoodleを試 験的に導入することにした。その後2011年度には,利用範囲を1年生必修の「情報処理」 科目まで広げた。そして2012年度よりMoodleサーバが情報センターに移管され,商用シス テムに代わる全学標準eラーニングシステムとして稼働することになった。2010年度は117 コース(うち英語科目は90)だったものが2011年度205(英語86),2012年度231(英語 68),2013年度には257(英語58)になり,コース数は着実に増加している。また2012年 度以降は情報センターによって在学生全員がMoodleに登録されているが,教員および過年 度生を含むユーザ数は9,734名まで増加した(2013年12月時点)。なお英語科目におけるコ ース数は2011年度以降減少しているが,これは以前すべてのクラスにおいてeラーニングの 利用を義務づけていたものを,中級以上のクラスにおける利用に限定したからである。 Moodleを英語科目に導入する際にはいくつの障壁があるが,何よりも「eラーニング に興味を持っている」が使い方のわからない層に対するサポートが重要にある。そこで学 内において定期的にワークショップを開催したり『Moodle事始めマニュアル』2を作成し配 布したりするなどして,Moodleの使い方の普及に努めた。ちなみに広島修道大学では,初 年次必修科目である「情報処理入門」科目全クラスにおいてMoodleを利用しているため, Moodleの利用方法を学生に教える必要がないという利点がある。またMoodleの導入によっ て質問紙調査などを紙媒体のものと比べて効率的に実施できることもわかった。実際に Moodleのフィードバック機能を利用して行った事例が次節で述べるCan-Do調査であるが, 2010年度の調査においては1,267名の対象者に対して調査を行い1,153名のデータ(回収率 91%)を得ることができた。 2.2 Can-Do 調 査 上述したように2007年度よりeラーニングを利用した英語科目を導入するとともに, TOEICなどの外部英語試験を成績評価に組み込むという取り組みを行ってきた。しかしな がら非英語専攻生にとってTOEICは難解かつ長時間の集中力を要求する試験であり,受験 させることによって学生の学習意欲に好ましくない影響を与えているのではないかと推測 された。そこで2008年度より受験させる英語試験をより負担の少ないTOEIC Bridgeに変更 するとともに,英語試験のスコアだけに依拠しないより総合的な英語力評価をしたいと考 えるようになった。そこで2010年度より英検Can-Doリストを利用して学習者に英語力を自 29 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) 己評価させる試みを開始し,項目の精選や文言の修正等を経た上で2011年度にも同様の調 査を実施した。自己評価についてはOscarson (1989) をはじめとして1980年代を中心に多く の研究が行われており,いくつかの課題はあるものの学習者の英語力をある程度適切に評 価できると考えられている。 2010年度の調査では,前期末(7月)および後期末(12月)に受験したTOEIC Bridgeの スコアおよびMoodleのフィードバック機能を利用して回収した英検Can-doリスト(3級, 準2級,2級)67項目に対する学生による5段階の評価(1:全く自信がない〜5:とても自 信がある)1,153名分をデータ分析の対象とし,TOEIC Bridgeスコアと自己評価との関連を 探った。その結果,TOEIC Bridgeのスコアと4技能における自信度の間には正の相関が認め られたが(r=.18〜.33, p<.05),スコアの伸びと自信度の伸びの間には有意な相関がほとん ど認められなかった(大澤・中西・土岸・岡田・竹井・有田, 2012)。2010年度の調査結 果に基づき,Can-Do項目の見直しおよび文言の修正等を行い,2011年度に再度調査を行っ たが,得られた結果は同様のものであった。 3. Culture Swap の 開 発 に 至 る ま で 調査を行うにあたって,いくつかのCan-Doリストを候補として検討した。というのも, 現在はETSよりTOEIC Bridge Can-Do Guide Executive Summary (2013) が公開されているが, 調査を行った2010年時点にはTOEIC Bridge に対応するCan-Doリストがなかったからであ る。調査当時に既に公開されていたTOEICのCan-Doリストを見てみると,項目には日常的 な場面を想定したものも含まれている一方,“Understand explanations about how to perform a routine task related to my job (Powers, Kim, & Weng, 2008, p. 5)”のようなものもあり,大学生 にとって場面を想定するのが難しいのではないかと考えた。そこで最終的に利用すること になったのが英検Can-doリストであるが,このリストは英検のサイト3によれば学習指導要 領や中,高等学校の英語教科書を参考にして作成されており,日本の状況をよく反映して いるのではないかと考えた。 しかしながら筆者らが行った調査には主に2つの問題がある。まず1つ目はCan-Do項目 と実際の指導項目の乖離である。2回にわたって行った調査は,あくまでもカリキュラム 改善につなげるための予備調査であったため,筆者の勤務校における英語科目で扱う項目 との整合性は意識していなかった。先行研究でも述べられているが,学習者が経験したこ とのない項目がスコアと自信度との相関に影響を与えているという可能性は排除できない (Ross, 1998)。2つ目は,1つ目にもかかわるがスコアの伸びと自信度の伸びは必ずしも関 連していないということである。このような縦断的な視点から行った研究には小学5年生 を対象にしたNishida (2012) などがあるが,高等教育機関における事例はあまり見られな い。これらの点にどのように対処するかについては今後の課題としたい。 その後2012年には,当時学内においてMoodleを利用している教員に対して半構造化イ 30 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) ンタビューを用いた意識調査を行った(土岸・大澤・岡田, 2012)。その結果,eラーニン グで利用するための教材のコンテンツの作成には時間がかかるといった教員の声があった。 そこで,Can-Do調査における自信度の低い項目を抽出し,その項目を意識させる教材を作 成することを決意した。このことにより,Moodleを使ってみたいと思う教員に実際の利用 を促すとともに,教員のコンテンツ作成の労力も緩和できるのではないかと考えた。 Culture Swap作成に際してまず取り組んだのは,教材に取り入れるCan-Do項目の選定 である。使用したデータは2010年度に行った調査の結果,項目の精選および文言の修正を 経て再度行った2011年度の調査の結果に基づいている。Can-Do項目は新たに4級の項目も 入れ,リーディング,リスニング,スピーキング,ライティング各10項目の計40項目であ る。データ分析の対象となったのは大学1年生1,196名のデータで,学生は6段階でそれぞれ の項目について自己評価を行った。各技能における平均はそれぞれリーディング3.45 (SD=0.78),リスニング3.56 (SD=0.76),スピーキング3.55 (SD=0.80),ライティング3.41 (SD=0.83) であった。そこで各技能の平均を下回る項目としてリーディング6項目,リスニ ング7項目,スピーキング3項目,ライティング5項目の計21項目を教材に取り入れること にした(付録1, 2参照)。 4. Culture Swapの 概 要 2012 年春の時点で Can-Do 項目を教材に取り入れるという点については決まったが, それ以外の教材作成の方針については未定であった。そこで教材作成に興味を持っていた 日本人英語教員 1 名,イギリス人英語教員 1 名,アメリカ人英語教員 1 名を加えた 4 名で プロジェクトを立ち上げ,教材開発にかかわる作業を開始することにした。当初は CanDo 項目の難易度順にストーリーを作成することも考えたが,ストーリーの流れを優先し 順番にはこだわらないことにした。ストーリーの着想となったのは筆者が以前読んだ Life Swap (Green, 2009)という小説にある。これはアメリカ人とイギリス人がそれぞれの生活 を交換し,カルチャー・ショックを受けるという物語である。映画で言えば Meyers, Block, and Meyers (2006)による The Holiday などをイメージしてもらえば良いかもしれない。 その後,Can-Do 項目をストーリーの流れに沿うように並べ替え,それに基づいて各エピ ソードを作成していった。なお,物語には計 14 名の人物が登場する(図 1)。 以下,主要な登場人物についてまとめておく。 Jun Takeda(20 歳)男性 Ayumi のクラスメート。テニス部に所属している。広島にある大学の英語英文学科で学 んでいる大学 2 年生。この度日本語プログラムに参加する Robert の世話役をすることに なった。周りの人はあまり気付いていないが実は Mika と付き合っている。 31 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) Ayumi Yamashita(20 歳)女性 Jun のクラスメート。この度アメリカの 1 週間ホームステイプログラムに参加することに なった。滞在先は New Jersey にある Britney の母親 Angela の家。アメリカではニューヨ ークを中心にショッピングなどを楽しむ予定。 Robert Jones(22 歳)男性 アフリカ系アメリカ人 Britney の兄。日本文化全般に興味を持っている。この度 1 週間の日本語研修に参加する ことになった。日本での世話役は Jun。Mika に恋をするが,Jun の彼女だとは気付いてい ない。 Britney Jones(20 歳)女性 アフリカ系アメリカ人 Robert の妹。日本にはあまり興味を持っていないが,徐々に日本に興味を持ち始める。シ ョッピングが大好き。 次に主要な脇役についてまとめておく。 Mika(20 歳) Jun の彼女。テニス部のマネージャーをしているので,周りに付き合っていることを気付 かれないようにしている。 Angela Jones(55 歳)女性 アフリカ系アメリカ人 Robert と Britney の母。この度,ホストマザーとして Ayumi を受け入れる。 Zoe(20 歳)女性 Britney の友だち。 Toby(33 歳)男性 Jun の所属する大学で教える英語教員。 Yuya, Kenta, Yuri Jun と Ayumi の友だち。 32 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) Character 130306 Britney Jones Robert Jones Kenta Ayumi Yamashita Yuri Yuya 図 1. Jun Takeda Toby Mika Clerk no. 1 Angela Jones Clerk no. 2 Zoe Conductor Culture Swap の登場人物 そして物語はアメリカのニュージャージーと日本の広島を中心にパラレルに進行して いく。あらすじは以下の通りである。 【導入】 広島の某大学英語英文学科に所属する Jun と Ayumi は大の仲良し。国際交流に興味 を持っていて,海外に行くことを夢見ている。ある時,1 週間ホームステイプログラムの パンフレットを見つけた Ayumi はプログラムに参加することを決意する。ホームステイ 先は New York 近くの New Jersey,滞在中はショッピングなどを中心に観光を楽しむ予定 だ。一方 Jun は 1 週間の日本語プログラムに参加するアメリカ人学生 Robert の受け入れ を任される。同世代ということもあり,二人で日本のキャンパスライフを満喫する予定だ。 【日本での生活】 日本に到着した Robert は Jun の在籍する大学で英語の授業に参加したり Jun とテニ スをしたり日本のキャンパスライフを満喫している。そしてキャンパスで出会った Mika に徐々に心引かれていく。 【アメリカでの生活】 アメリカに到着した Ayumi は Britney と一緒にショッピングやランチ(Sushi)を楽 しむ。日本にあまり興味を持っていなかった Britney だがお寿司が予想以上においしいこ と,そして格安のショッピングができるという話を聞いて,徐々に日本に興味を持ち始め る。 33 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) 【エンディング】 1 週間の滞在期間が終わり,Jun は Robert のためにパーティーを企画する。Robert は Mika が来ると聞いてドキドキしている。が,実はパーティーの中で Mika は Jun のガール フレンドであることが発覚する。怒る Robert,戸惑う Jun と Mika。そこに 1 週間の滞在 を終えて帰国した Ayumi がなんと Britney と一緒に登場!Robert は知らなかったが,二人 はサプライズでパーティーに参加することになっていたのだ。最後はお互いに仲直りし, ハッピーエンディングとなる。 なお作成に際して意図したのは以下の 4 点である。 ・ 各エピソードは 3 分前後にする ・ Can-Do 項目は想起させる程度に留め,あくまでもストーリーを優先する ・ 各エピソードに Cultural Points として異文化間のギャップを感じさせるものを入れる ・ 語彙や表現,話す速度はできるだけ自然なものにする ここでは例として Episode 2: Soft landing における Robert の発話を挙げる。彼は広島 空港に到着した直後,“Finally, I’m here! Now, where is the bathroom… Hm… “For Restrooms, Go back toward your behind.” Haha… I’m not sure what that means. Maybe I’ll wait.”と発言する。 このエピソードにおける Can-Do 項目は「公共の施設などにあるお知らせや会場使用 上の注意などの注意事項を理解することができる(準 2 級「読む」)。である。そこでエピ ソードの中に公共の場におけるサインを読むシーンを組み込んだ。それだけでは面白くな いので,Engrish.com4 のサイトにあるような英語母語話者にとって意味がわかりにくいサ インを取り上げることにした。ここでは下線の部分である。日本語では「トイレは後方に あります」という意味であるが,英語では「トイレはあなたのお尻の方にお進みくださ い」のようなニュアンスになってしまう。このようにちょっとしたユーモアも交えつつエ ピソードを作成している。エピソードの概要については付録 3 にまとめている(付録 3)。 5. Culture Swapの 開 発 に 際 し て 工 夫 し た こ と 登場人物およびストーリーがほぼ確定した時点で,実際の教材開発をどのように行 うかについて検討することにした。当初は他の多くの教材のように実写を利用した教材作 成を考えていた。しかし実写にしてしまうと作成後数年で時代遅れのように感じてしまう こと,また撮影場所として海外を選定すると多額の費用が発生してしまうこと,などを考 慮に入れてアニメ教材を作成することを思いついた。また費用の問題から背景画像は筆者 を中心としてプロジェクトメンバーで撮影したものを加工して利用することとし,声優は 34 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) プロではなくアマチュア(英語学校教師や日本人大学生)を採用することとした。アニメ のスタイルについては開発会社からいくつかの提案をしてもらった上ですぐに決定したが, 声優選びの過程は長い時間を費やした。英語母語話者については,開発会社からサンプル の音声を送付してもらい,キャラクターの雰囲気に合う声優を選定していった。キャラク ター数が当初の想定よりも増えてしまったため多くの英語母語話者を必要とすることにな り,最終的に配役が決定するまでに 2 ヶ月近くを要した。また日本人大学生役の候補を探 すのも大変であった。北海学園大学の田中洋也氏に協力を仰いだが,英語の発音ができる だけ明瞭かつ日本人らしい発音である学生を選考した。その後作成したスクリプトおよび プロジェクトメンバーで録音をしたサンプルおよび収録方針を声優に送付し,事前に練習 してもらった上で,2 日間かけて収録した。なお収録には筆者が立ち会い Skype を利用し てプロジェクトメンバーが発音などをチェックした。 6. 2013年 度 の 実 践 お よ び 今 後 の 課 題 完成した教材は 2013 年の夏から一般公開をしており,現時点では高等教育機関での 利用に限定しているが,登録することによって誰でも自由に利用できる。また 2013 年度 後期には Culture Swap を利用した実践を数クラスで行った。2014 年度は,改善を加えつ つ 2 度目の実践に取り組んでいる。さらに,その授業におけるフィードバックを基に教材 の改善および関連教材の開発につなげていく予定である。現在プロジェクトメンバーを中 心に教授用資料および関連教材の作成に取りかかっており,これらを 2014 年度末に公開 することを目指している。 謝辞 付録 2 のヒストグラム作成にあたっては,同僚である中西大輔氏の協力を得ました。 ここに記して感謝します。 注 1. 詳細は https://sites.google.com/site/ozawashinya/elearning/cultureswap を参照。 2. 詳細は https://sites.google.com/site/ozawashinya/elearning/moodlemanual を参照。 3. http://www.eiken.or.jp/eiken/exam/cando/faq.htmlを参照。 4. http://www.engrish.com/を参照。 参考文献 土岸真由美・大澤真也・岡田あずさ (2012). 英語授業における Moodle 利用に関する教員 の意識調査 広島修大論集, 53, 111–126. Educational Testing Service. (2013). TOEIC Bridge Can-Do guide executive summary. Retrieved 35 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) from https://www.ets.org/Media/Tests/TOEIC_Bridge/pdf/TOEIC_Bridge_Can_Do.pdf Green, J. (2009). Life swap. London, England: Penguin Books. Meyers, N., Block, B. A. (制作), & Meyers, N. (監督). (2006). The Holiday [映画]. United States of America: Columbia Pictures. Nishida, R. (2012). A longitudinal study of motivation, interest, can-do and willingness to communicate in foreign language activities among Japanese fifth-grade students. Language Education & Technology, 49, 23–45. Oscarson, M. (1989). Self-assessment of language proficiency: Rationale and applications. Language Testing, 6, 1–13. doi: 10.1177/026553228900600103 大澤真也・中西大輔・土岸真由美・岡田あずさ・竹井光子・有田真理子 (2012). 学生に自 信を付けさせる英語教育プログラムの予備的検討(Can-do アンケートの分析から) リメディアル教育研究, 7, 109–116. Powers, D.E., Kim, H., & Weng, V.Z. (2008). The redesigned TOEIC (listening and reading) test: Relations to test-taker perceptions of proficiency in English (ETS Research Report No. 08. 56). Retrieved from: https://www.ets.org/Media/Research/pdf/RR-08-56.pdf Ross, S. (1998). Self-assessment in second language testing: A meta-analysis and analysis of experiential factors. Language Testing, 15, 1–20. doi: 10.1177/026553229801500101 36 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) 付録 1. Culture Swap に取り入れた Can-Do 項目(網かけ部分) 技能および級 Reading_4_01 Reading_4_02 Reading_3_01 Reading_3_02 Reading_3_03 Reading_Pre2_01 Reading_Pre2_02 Reading_Pre2_03 Reading_2_01 Reading_2_02 Listening_4_01 Listening_4_02 Listening_3_01 Listening_3Pre2_01 Listening_Pre2_02 Listening_Pre2_03 Listening_Pre2_01 Listening_Pre2_02 Listening_2_01 Listening_2_02 Speaking_4_01 Speaking_4_02 Speaking_3_01 Speaking_3_02 Speaking_3_03 Speaking_3_04 Speaking_Pre2_01 内容 家族の紹介、旅行の思い出などに関する短い手紙(ま たは e メール)を理解することができる。 日常生活の身近なことを表す文を理解することができ る。(例:Ken went to the park and played soccer with his friends.) 興味・関心のある話題に関する簡単な文章を理解する ことができる。 学校の課題図書、学習者向けの物語などの日本語の注 や説明がついた読み物を理解することができる。 簡単に書かれた英語の地図などを見て、通りや店、病 院などを探すことができる。 外国の生活や文化を紹介する教材などの簡単な説明文 を理解することができる。 公共の施設などにあるお知らせや会場使用上の注意な どの注意事項を理解することができる。 いろいろな調査の結果のグラフなどの簡単に描かれた 図や表から、必要な情報を得ることができる。 日本語の注や説明がついた英字新聞で、興味・関心の ある話題に関する記事を理解することができる。 簡単なチラシやパンフレットを見て、商品の値段、セ ールの情報など理解することができる。 簡単な文を聞いて、その内容を理解することができ る。(例:I like dogs, but she likes cats.) 簡単な指示を聞いて、その意味を理解することができ る。(例:Open your textbook. /Close the door, please.) "よく使われる表現であれば、単語がつながって発音 されても、その意味を理解することができる。(「カミ ン」->Come in.、「ドンチュー」->Don't you? など)" 趣味に関すること、好きな音楽やスポーツなどの興 味・関心のある話題に関する話を理解することができ る。 学校、クラブ活動、週末の話など日常生活の身近な話 題に関する話を聞いて、その内容を理解することがで きる。 簡単なアナウンスを聞いて、集合場所、乗り物の出発 や到着時刻などを理解することができる。 授業や研修で先生の指示を理解することができる。 ( 例 : Answer the question on page 27./ Give some examples of…) 日時の約束、短い伝言などの簡単な内容であれば、電 話で相手の話を理解することができる。 店員からサイズ、割引、品切れなどの簡単な説明を聞 いて、理解することができる。 天気予報を聞いて、晴れのち曇り、気温の高低などの 内容を理解することができる。 名前、住んでいるところ、家族などについて簡単な自 己紹介をすることができる。 相手の言うことが分からないときに、聞き返すことが できる。(例:なんて言ったの?->Pardon? /もう少しゆ っくり話してもらえますか?-> Could you speak more slowly?) 食べ物、スポーツなどについて「好き」「嫌い」とそ の理由を簡単に述べることができる。 行動について簡単に言うことができる。(例:7 時に起 きた->I got up at seven./友達に会う予定だ->I'm going to meet my friends.) 簡単な頼みごとをすることができる。(例:窓を開け てもらえる?->Can you open the window, please?) 簡単な相づちを打つことができる。(例:なるほど-> I see./ 本当?->Really?) うれしい、悲しい、さびしいなどの自分の気持ちを 表現することができる。 37 M (SD) 95% CI 3.49 (1.04) [3.43, 3.55] 3.96 (1.13) [3.90, 4.03] 3.68 (1.00) [3.62, 3.73] 3.17 (0.97) [3.12, 3.23] 3.41 (1.01) [3.36, 3.47] 3.26 (0.94) [3.20, 3.31] 3.34 (0.97) [3.28, 3.39] 3.26 (0.96) [3.20, 3.31] 3.01 (0.95) [2.95, 3.06] 3.47 (0.96) [3.41, 3.52] 4.28 (1.09) [4.22, 4.34] 4.28 (1.07) [4.22, 4.34] 3.54 (1.05) [3.48, 3.60] 3.68 (0.92) [3.63, 3.73] 3.46 (0.88) [3.41, 3.51] 3.25 (0.95) [3.20, 3.30] 3.51 (1.01) [3.45, 3.56] 3.23 (0.93) [3.18, 3.28] 3.10 (0.89) [3.05, 3.15] 3.11 (0.92) [3.05, 3.16] 3.69 (0.99) [3.63, 3.74] 3.95 (1.13) [3.89, 4.01] 3.64 (1.02) [3.58, 3.70] 3.80 (1.00) [3.74, 3.86] 3.67 (0.98) [3.62, 3.73] 3.74 (1.04) [3.68, 3.80] 3.56 (0.97) [3.51, 3.62] 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) Speaking_Pre2_02 Speaking_2_01 Speaking_2_02 Writing_4_01 Writing_4_02 Writing_3_01 Writing_3_02 Writing_3_03 Writing_Pre2_01 Writing_Pre2_02 Writing_Pre2_03 Writing_2_01 Writing_2_02 電話で簡単な表現や決まり文句を使って応答すること ができる。(例:少々お待ちください。 -> Please wait a moment./このままお待ちください。 -> Hold on. / (「○○さんはいますか? 」と尋ねられて) 私です。> Speaking.) 旅行、イベントなどの印象に残った出来事について、 話すことができる。 簡単な道案内をすることができる。(例:まっすぐ行 って下さい->Go straight./次の角を左に曲がってくださ い->Turn left at the next corner.) 短い文であれば、英語の語順で書くことができる。 ( 例 : 昨 日 、 公 園 に 行 っ た 。 ->I went to the park yesterday.) 文と文を接続詞(and / but / so / when / because など) でつなげて書くことができる。 名前、住んでいるところ、家族などについて簡単な自 己紹介の文章を書くことができる。 食べ物、スポーツ、音楽などについて「好き」「嫌 い」とその理由を書くことができる。 短い伝言を書くことができる。(例:午後 3 時にケン から電話あり->Ken called at 3 p.m.) 友達やペンフレンドへ短い手紙(または e メール)を 書くことができる。 パーティーの日時や場所、文化祭の日程などの簡単な お知らせを書くことができる。 予定を手帳やカレンダーなどに書き込むことができ る。(例:10 時に駅でヨウコに会う->Meet Yoko at the station at ten./ジルと買い物に行く-> Go shopping with Jill.) 学校行事、旅行などの印象に残った出来事について、 その内容を伝える文章を書くことができる。 自分が読んだ本や見た映画について、自分の感想を書 くことができる。 38 3.10 (0.95) [3.05, 3.15] 2.93 (0.91) [2.88, 2.98] 3.10 (1.03) [3.04, 3.16] 4.00 (1.08) [3.94, 4.07] 3.74 (1.07) [3.68, 3.80] 3.65 (1.03) [3.59, 3.71] 3.59 (1.01) [3.53, 3.65] 3.43 (0.99) [3.38, 3.49] 3.09 (0.97) [3.03, 3.14] 3.03 (0.92) [2.98, 3.03] 3.23 (1.01) [3.18, 3.29] 2.99 (0.96) [2.93, 3.04] 2.84 (0.95) [2.79, 2.89] 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) 付録 2. 各項目のヒストグラム 5 6 0 2 3 4 5 6 4 5 6 1 2 3 4 5 6 4 5 6 1 2 3 4 5 6 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 4 5 6 6 1 2 3 4 5 1 2 3 4 0 6 5 6 0 39 4 5 6 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 Listening_3Pre2_03 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 Listening_2_02 200 400 600 0 3 Listening_4_02 0 200 400 600 3 5 Listening_2_01 0 200 400 600 2 200 400 600 0 Listening_Pre2_02 0 1 4 200 400 600 0 Listening_Pre2_01 0 3 0 200 400 600 2 2 Listening_3Pre2_02 0 0 1 2 200 400 600 0 Listening_3Pre2_01 200 400 600 Listening_3_01 0 1 200 400 600 0 1 Reading_Pre2_03 0 200 400 600 3 0 Listening_4_01 0 200 400 600 2 6 0 0 Reading_2_02 0 1 5 200 400 600 0 Reading_2_01 0 4 200 400 600 3 3 0 2 2 0 200 400 600 1 1 Reading_Pre2_02 0 0 0 0 0 Reading_Pre2_01 200 400 600 Reading_3_03 1 200 400 600 4 0 3 200 400 600 2 0 1 0 0 0 0 Reading_3_02 200 400 600 Reading_3_01 200 400 600 Reading_4_02 200 400 600 Reading_4_01 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) 5 6 1 2 3 4 5 6 5 6 3 4 5 6 6 3 4 5 6 6 4 5 6 6 3 4 5 6 600 400 600 400 200 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 600 0 40 2 Writing_Pre2_01 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 5 6 Writing_2_02 600 2 1 600 6 200 1 6 400 5 0 0 5 200 4 400 600 5 0 Writing_2_01 200 4 4 400 0 0 3 3 600 3 400 600 400 200 2 2 400 2 Writing_Pre2_03 0 1 1 200 1 3 Writing_4_02 0 0 Writing_Pre2_02 0 6 Writing_3_03 600 5 2 0 0 200 4 5 600 2 0 3 4 200 1 400 600 400 200 2 3 0 0 Writing_3_02 0 1 2 400 600 5 Writing_3_01 0 1 Writing_4_01 200 4 1 0 0 0 3 0 Speaking_Pre2_02 600 2 400 600 400 200 2 6 200 1 Speaking_2_02 0 1 5 0 0 Speaking_2_01 0 4 200 4 3 0 3 2 400 600 400 0 2 1 Speaking_Pre2_01 200 400 200 0 1 0 0 Speaking_3_04 600 Speaking_3_03 0 200 400 0 600 4 400 3 200 2 0 1 0 200 400 0 200 400 200 0 0 Speaking_3_02 600 Speaking_3_01 600 Speaking_4_02 600 Speaking_4_01 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 外国語教育メディア学会 (LET) 関西支部 メソドロジー研究部会 2014 年度 第 5 号報告論集 大澤 真也 (pp. 28–41) 付録 3. エピソードの概要 Episode Title Country 1 The spark US/JP 2 Soft landing US/JP 3 The Big… US 4 Saved by the bell JP Welcome, Honorable 5 US Customer 6 Lost! JP 7 Turning Japanese US/JP 8 Get the message US 9 To slurp or not to slurp JP 10 Newsflash US 11 Jun vs. Robot JP 12 Jewannago?! US 13 Pot luck plans JP 14 Cheers! JP 15 What a week! JP Outline Ayumi discusses an American homestay program with Jun, and Robert talks with Britney about a study abroad program in Japan. Robert arrives at the airport in Japan and Ayumi arrives at the airport in the U.S. Their new life in a foreign country is about to begin. Ayumi and Britney head off to New York City. Can Britney figure out Ayumi’s sense of humor?! Robert joins Jun’s university English class, and is slightly taken aback by the attitude of his Japanese classmates. Ayumi and Britney go shopping in New York, and chat about some differences between American and Japanese culture. Is Britney starting to get interested in Japan? Robert gets a chance to explore the university campus on his own. He bumps into Jun’s friend Mika and they go to a café together. But when Jun walks in… Britney and Robert get a chance to video chat over the Internet and find out about the recent happenings in each other’s life. And there’s something different about Robert… Britney is out so Ayumi has to answer the phone. When she picks up, it’s Britney’s friend Zoe. Can Ayumi take the message? Jun and Robert are at the university cafeteria eating ramen together and chatting about movies. So what really is the best way to eat ramen? Britney and Ayumi are sitting in a coffee shop having a chat. When Britney sees the newspaper that Ayumi brought over from Japan, they start talking about the news. Will Britney be able to remember the name of the Japanese prime minister? Jun and Robert head off to the tennis courts to play a game of tennis with some friends. Jun gets angry at a cell phone. And there’s something a little weird with Robert… When Ayumi is unable to understand an English phrase that Britney uses, the two begin to teach each other more about their native languages. Robert’s time in Japan is coming to an end. To say farewell, Jun and Robert make preparations for a pot luck party. The day of the party. When all of the guests arrive, Robert is in for not only one surprise but two! It’s been a fun-filled week for Ayumi, Britney, Robert and Jun, and a lot of wonderful memories have been made. Where will their next adventure take place? 41 Culture NYC vs. Hiroshima Strange signs in Japan Traveling on trains in the U.S. Classes in Japan Shopping in Japan and the U.S. Pick-up Lines Misconceptions about Food Names: Spelling, Order, Gender Table manners in Japan and the U.S. Politics Senpai-Kohai Relationships Dialects such as Hiroshima-ben Pot luck party Boyfriends and girlfriends Improving language skills in another country