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「海洋と宇宙の連携」について(1)

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「海洋と宇宙の連携」について(1)
資料31-2-1
「海洋と宇宙の連携」について
宇宙航空研究開発機構
平成24年3月12日
JAXA海洋・宇宙連携委員会報告書の概要
1. JAXA海洋・宇宙連携委員会報告書の概要
2. EUが主導するGMESの取組について
3. in situデータと衛星データの両者を
組み合わせることで新たに得られる知見の例
•
•
今後の衛星の打ち上げ、運用計画について
海面高度計について
海洋・宇宙連携委員会による検討の背景と目的
海洋基本法(平成19年)
宇宙基本法(平成20年)
国際的協調の下に、海洋の平和的かつ積極的な開発及
び利用と海洋環境の保全と調和を図る新たな海洋立国の
実現
海洋に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって
我が国の経済社会の健全な発展及び国民生活の安定向
上を図るとともに、海洋と人類の共生に寄与
平和主義の理念を踏まえ、環境との調和に配慮しつつ、
我が国において宇宙開発利用の果たす役割を拡大
宇宙開発利用に関する施策を総合的かつ計画的に推進
し、もって国民生活の向上及び経済社会の発展に寄与
海洋基本計画(平成20年)
宇宙基本計画(平成21年)
21
21 世紀のわが国が、海洋基本法・宇宙基本法のもとで、持続可能な発展を続けていく
世紀のわが国が、海洋基本法・宇宙基本法のもとで、持続可能な発展を続けていく
ためには、世界で6
ためには、世界で6 番目に広大なわが国の排他的経済水域(EEZ
番目に広大なわが国の排他的経済水域(EEZ )の海洋資源や空
)の海洋資源や空
間を有効に活用し、海域の権益をいかに確保していくかが重要
間を有効に活用し、海域の権益をいかに確保していくかが重要
海洋と宇宙の連携による海洋ガバナンスの実現
海洋環境の保全、海洋空間の持続的かつ円滑な利用、資源の確保、国家の安全保障
等において重要な役割を担うわが国の周辺海域のガバナンスに貢献するためには、
沿岸域、排他的経済水域、公海等の広域情報を即時的かつ立体的に掌握可能な衛星
や航空機等の特性を活用した具体的な施策が求められる。
2
検討の体制
JAXA海洋・宇宙連携委員会
委員長:東京大学 山形俊夫
JAXA
„ 各分野における
海洋からの要望
と衛星能力との 衛星システム
への要望
ギャップ分析
„ 海洋・宇宙連携
に効果的な衛
星システムの検
討
連
携
提言
海洋環境の保全、海洋空間の持続的かつ円
滑な利用、資源の確保、国家の安全保障等
において重要な役割を担うわが国の周辺海
域のガバナンスに貢献するためには、沿岸域、
排他的経済水域、公海等の広域情報を即時
的かつ立体的に掌握可能な衛星や航空機等
の特性を活用した具体的な施策が求められる。
„ 分科会での検討の方向性および
検討の結果についての確認
„ 検討結果を政策に反映させるた
めのアプローチについての検討
検討の前提
環境・水産
座長
北海道大学 齊藤誠一
衛星システム
の能力
「海洋と宇宙連携による海洋ガバナンスの
実現に関する提言書」を作成
海洋環境の保全に必
要な措置や水産資源
の保存及び管理
海洋エネルギー
・海底資源
海運
・海洋セーフティ
座長
東京大学 佐藤 徹
座長
気象研究所 蒲地政文
海洋エネルギー・海
底資源の開発・利用
を着実に推進
効率的な海洋航路
の確保と保全
海洋セキュリティ
座長
日本水路協会 小田巻実
海洋の安全確保のた
めの海上活動の把
握・監視
提言書において具体的な施策の実施が必要とされた4つの分野について分科会を設置
4分野について、海洋と宇宙の連携による海洋ガバナンスの実現に向けた具体的に検討
„ 海洋ガバナンスの実現にむけて各分野で必要な情報の抽出と整理
„ 必要な情報を整備、利用するための海洋と宇宙の連携の方策
„ 地球観測、通信、測位を含む衛星利用への具体的な要求
宇宙
海洋
3
海洋・宇宙連携について
• 平成21年度の検討結果
– 海洋分野および宇宙分野における連携可能性のある分野
海洋資源の開発・利用推進
【水産支援】:漁場推定、大型クラゲ漂着推定、
漁船操業安全(荒天等)、赤潮監視
【海底資源の開発支援】:オイルスリック検出
【海洋開発支援】:施設設計・運用支援
【海洋産業の振興】:通信インフラ
EEZの開発の推進
【EEZ監視、基礎情報収集】:
海洋環境の監視、権益確保、
海底地形調査等
【情報インフラ】:
海洋台帳、通信インフラ
大容量通信
2000年に発生
した赤潮観測例
(LANDSAT-5)
漁船
【沿岸環境】:水質監視、珊瑚礁監視
炭素貯蓄能力の把握支援、保護区
炭素循環把握、温暖化影響監視
【流域圏管理】:流域圏監視
【CO2貯留】:CO2の海底貯留支援
資源開発
離島の保全等
海洋調査の推進/研究開発の推進
【自動観測・深海探査の高度化】:
ブイ等の位置制御、自動観測支援
【海洋監視・研究支援】:衛星による
流況把握、水循環等の研究支援
【生態系調査支援】:
バイオロギング、生物多様性の把握
海洋環境の保全等
宇宙は海洋における
様々な課題の解決や
産業振興に大きく貢献
【離島の生活支援】:
情報通信インフラ
(大容量通信、遠隔医療等)
【遠隔離島の監視】:
施設維持管理・自動観測支援
海上輸送の確保
【海運支援】:経済運航、安全運航
(荒天・波浪等)
【海洋産業の振興】:通信インフラ
沿岸域の総合的管理
海洋の安全の確保
【沿岸防災】:津波・高潮・
海氷・波浪・海上風の監視
【船舶運航】:
船舶の運航管理、不審船監視
【海洋事故対策】:
救命救助支援、油流出対策
【セキュリティ】:
統合情報ネットワーク
【漂着ごみ対策】:漂着予測・追跡
【環境アセスメント】:沿岸域の調査・
研究の推進
10日目
20日目
30日目
サハリンⅡからの
流出油の予測例
(出典:大島他2009)
4
海洋・宇宙連携について
環境・水産
海面水温
(SST)
塩分濃度
(SSS)
海運
・海洋セーフティ
海面高度
(SSH)
海色
(SSC)
通信
測位
海上風向
・風速
(SSW)
衛星AIS
SAR
海洋セキュリティ
海洋エネルギー・海底資源
分野
観測対象
環境・水産
海面高度、海面水温、クロロフィル、懸濁、
塩分濃度、海上気象(気温、水蒸気量)、風向・風速、土地利用、陸水分布
海運・海洋セーフティ
海面高度、海面水温、塩分濃度、波浪(風向・風速)、海氷、
海洋エネルギー・海底資源
海面高度、風向・風速、海色(海底火山)、オイルスリック
海洋セキュリティ
船舶動向、不審船監視、離島監視
5
検討スコープの例
• 環境・水産分野
海上交通・海洋セーフティ
・海流利用による漁業の効率化
・波浪予測等による漁船操業の
安全確保
・流出油の漂流予測・監視
・大型クラゲ等の出現予測
(有害生物の監視)
・漂着ゴミの浮遊経路の予測
・ゴミの存在量(沿岸)
、自然物とそれ以外の識別
・漂着ゴミの発生源対策
・海洋環境変動(気候変化・変動等)
海洋エネルギー・海底資源
のモニタリング
・生育環境(藻場・サンゴ等)の
モニタリング
・水産被害監視(赤潮等)
・海洋生物によるCO2吸収
・海底資源開発の
・環境アセスメント
環境アセスメント
・水質監視、陸域からの負荷
・海底資源開発時の
・漁場推定
海洋汚染の監視
・漁業予測(短期・中期・長期)
・CO2の海底貯留
・水産資源管理
・漁船操業のための通信インフラ
・養殖(沖合、沿岸)
・トレンド観測
・バイオロギング
・離島の沿岸環境保全
海洋セキュリティ
・有人離島の生活支援(水産業振興等)
6
連携イメージの例
•
環境・水産分野
地球観測衛星
測位衛星
通信衛星
静止気象衛星
データ収集システム
バイオロギング
漁船
漁場予測・資源管理
藻場・干潟・さんご礁・
マングローブ
海流計測
調査船
赤潮監視
沿岸域漁場予測・
資源管理
民間
漁場予測
システム
海洋環境
ブイ・フロート
連携
国内データ
センター
海流計測
連携
HFレーダ
漂流ゴミ
漂着ゴミ
民間
海流予測
システム
海洋台帳
7
7
検討結果の例
• 海洋と宇宙の連携項目:環境・水産分野
8
検討結果の例
• 衛星利用度合い:環境・水産分野
衛星利用度
■ [1] 海洋環境変動(気候変化・変動等)
のモニタリング
■ [11]衛星情報などを総合的に解析して漁場予測
■ [16]大型クラゲ等有害生物の出現状況の
把握とその予測
■ [17]海洋環境(水質)のトレンド観測
■ [20]沿岸域の現象理解とモニタリング
■ [15]養殖(沖合、沿岸)の最適育成海域選定と被害防止
■ [12] 漁業予測(短期・中期・長期)
■ [3] [4]赤潮監視/貧酸素水塊形成監視
■ [2]生育環境(藻場・サンゴ等)のモニタリング
■ [8]海洋生物によるCO2吸収
● [14]通信インフラ整備■ [21]バイオロギングによる海洋環境変化の把握
○ [5] [6] [7]漂着ゴミの浮遊経路の予測/
ゴミの存在量(沿岸)、自然物とそれ以外の識別/
漂着ゴミの発生源対策
○ [9] [10]環境アセスメント/
水質監視・陸域からの負荷
○ [13]水産資源管理
青:地球観測
●:衛星のみ利用
■:統合データ利用
○:未利用
緑:通信など
衛星対応度
9
検討結果の例
• ギャップアナリシス:環境・水産分野
10
これまでの活動と今後
海洋・宇宙連携委員会
分科会(4分野)
„ 海洋基本法と宇宙基本法の対応整理
„ 海洋ガバナンスの視点での海洋・宇宙連携について議論
„ 海洋基本計画に定められた12の施策分野のうち、宇宙が係
る8分野について衛星利用の現状とギャップを整理
海洋と宇宙の連
携による海洋ガ
バナンスの実現
に向けた提言
FY21
「海洋と宇宙の連携による海洋ガバナンスの実現」に関する提言
書を作成
„ 分科会の検討結果(ニーズ・優先度)についての議論
„ 情報提供サービスの在り方についての議論
„ 政策に反映させるためのアプローチ検討
FY22
„ 各分野におけるデータ、情報の利用ニーズの抽出と、
海洋・宇宙連携によるガバナンスの視点から優先して
取り組むべきニーズ
„ 各分野における海洋・宇宙連携のグランドデザイン
„ ニーズに対するデータ・情報のギャップ分析
海洋・宇宙連携委員会報告書(案)
„ 海洋・宇宙連携委員会報告書(案)の確認
第1回:平成24年3月15日
FY23
衛星データと
ニーズのギャッ
プ分析
利用ニーズに根
差した海洋情報
提供の在り方
„ 衛星新規ミッション具体化のプロセス
„ 海洋情報提供サービスの整理・分析
„ 政策に反映させるためのアプローチ検討
第1回:平成24年4月∼6月(予定)
•
FY24
∼
衛星新規ミッション提案に向けた検討
観測からダウンストリームサービスまでを含めた議論
„ 既存サービスを尊重した今後の海洋情報提供の在り方の検討(必要な機能、体制等を含む)
„ 実現に向けた具体的な活動の提案
„ 国家政策への反映
利用ニーズに根
差した海洋情報
提供の実現に向
けた議論
11
EUが主導するGMESの取組について
1. JAXA海洋・宇宙連携委員会報告書の概要
2. EUが主導するGMESの取組について
3. in situデータと衛星データの両者を
組み合わせることで新たに得られる知見の例
•
•
今後の衛星の打ち上げ、運用計画について
海面高度計について
GMES/MyOceanとは?
・期間:
・予算:
・参加機関数:
・スタッフ数:
2009年∼2012年
55M€(36カ月)
29カ国 61機関 (コーディネート機関はMERCATOR OCEAN(仏))
350名 (うち、190名はfull‐time勤務)
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GMES input information (raw data)
GMES
Satellite
and
in situ
networks
GMES
Service
outputs
(others)
MercatorOcean FR
Met Office UK
INGV IT
NERSC NO
DMI DK
PUERTO ES
MHI‐NASU UA
CLS FR
IFREMER FR
MF FR
KNMI NL
CNR IT
Met.No NO
CNRS FR
HCMR EL
SMHI SE
EDISOFT PT
INRH MA
IOBAS BG
OC‐UCY CY
BSH DE
Core information (ocean state)
Marine
Marine
Core
Core
Service
Service
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•
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BC DE
DNSC DK
CSIC ES
STARLAB ES
MSI EE
JRC EU
ACRI FR
FIMR FIN
ENEA IT
OGS IT
USAM IT
APAT IT
IOLR IL
IMR NO
Techworks IR
UMT‐IOI‐POU MT
IST PT
NIMRD RO
CMCC IT
NERC (POL, NOC) UK
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•
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PML UK
UREAD UK
HRW UK
CEFAS UK
RBINS/MUMM BE
IFM-GEOMAR DE
NIVA NO
IASA-UAT EL
NIB-MBS SI
NERI DK
DTU-DIFRES DK
SYKE FIN
UL LV
CMR LT
MIG PL
DFO CA
UOP UK
BAS UK
AARI RU
NIERSC RU
ECMWF
User customized
information (user products)
Marine
Marine
Downstream
Downstream
Services
Services
GMES Marine
Operational
Users
13
MyOcean 概略
http://www.myocean.eu.org/
観測
(衛星観測、In Situ観測)
モデリング
プロダクトの作成
データ公開
(4次元同化)
(観測情報、解析情報、
予測情報)
(OPEN & FREE Access)
海水温
海流
塩分
海氷
海面高度
海上風
生物化学
パラメータ
対象海域
14
各国・各機関の連携状態
MFC(Monitoring and Forecasting Centers)
1.
Mercator Ocean
(仏: non‐profit company )
2. Nansen Environmental and Remote Sensing Center
(ノルウェー: non‐profit research foundation)
3.Denmark meteorological institute
(デンマーク気象庁)
4. Met Office
(イギリス気象庁)
5. Mercator Ocean
(仏: non‐profit company )
6. Instituto Nazionale Geofisica e Vulcanologia (イタリア地球物理‐火山学研究所)
TAC(Thematic Assembly Centers)
Sea Level
Ocean Color
Sea Surface Temp.
Sea Ice & Wind
In Situ
7. Marine Hydrophysical Institute National Academy of Sciences of Ukraine
(ウクライナ科学アカデミー・
海洋物理研究所)
CLS(フランス国立宇宙センタ(CNES)の外郭団体)
CNR(イタリア学術会議)
Met Office(イギリス気象庁)
Norwegian Meteorological Institute (ノルウェー気象庁)
IFREMER(フランス海洋開発研究所)
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