...

協和発酵キリン CSR 購買ガイドブック

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

協和発酵キリン CSR 購買ガイドブック
協和発酵キリン
CSR 購買ガイドブック
2016 年 7 月
協和発酵キリン株式会社
目次
1.はじめに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
2.協和発酵キリンの CSR に対する考え方
・・・・・・・・・・・・・・・
2
協和発酵キリンの経営理念と CSR ・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
CSR の推進方針
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
ステークホルダーとの関わり
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
協和発酵キリングループ購買基本方針
3.CSR 行動規範
3
1
「いのち」と真摯に向き合う企業としての社会的責任
2
CSR の推進と法令遵守
3
人権尊重と労働
4
安全衛生
5
環境への配慮
・・・・・
6
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
1.はじめに
持続可能な社会を実現するためには、バリューチェーン 1における社会的責任の推進が一つの社
会課題となっています。より良い環境・より良い社会の形成に向けて、組織の購買に関する意思
決定がバリューチェーン全体により大きな影響を及ぼすと認識しています。
協和発酵キリングループは、
「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の
創造により、世界の人々の健康と豊さに貢献します」という経営理念のもと、品質・環境・安全・
コンプライアンスへの配慮を大前提に、透明性の高い企業経営を進めていきたいと考えています。
協和発酵キリンでは、これまで培ってきたバイオテクノロジーを基盤に、がん・腎・免疫疾患と
いう特定の領域で世界のトップクラスを目指す、
「グローバル・スペシャリティファーマ」になる
ことを目標として掲げています。さらに事業を通じた CSR (Corporate Social Responsibility) を
経営課題のひとつととらえ、持続可能な社会の実現に向けて推進しています。そしてグローバル
に活動を展開する企業グループとして、社会的責任に関するグローバルスタンダードである ISO
26000 に基づいた取り組みを開始しています。
協和発酵キリンは、ビジネスパートナーである皆様と共に、様々なステークホルダー 2からの要
請や期待に応え、社会の変化に適応しながら CSR を推進していくことを目指していきます。大
切なビジネスパートナーの皆様と長期的な信頼関係を構築し、関係各国・地域社会と調和した持
続可能な社会の実現に向けて活動したいと考えております。
このような背景のもと、今回、
「協和発酵キリン CSR 購買ガイドブック」を制定いたしました。
本ガイドブックは、サプライヤーの皆様のご理解とご協力を得て CSR 購買を達成することを目的
に作成されたもので、サプライヤーの皆様にご理解いただく『2.協和発酵キリンの CSR に対
する考え方 』と、サプライヤーの皆様にご協力いただく『3.CSR 行動規範 』から構成されて
います。
つきましては、本ガイドブックにより、協和発酵キリンの CSR 購買の趣旨をご理解していた
だきますとともに、規範に則った活動にご協力いただきますようお願い申し上げます。
1製品やサービスを顧客に提供するという企業活動において、購買/製造/販売/サービスといった主活動に加え、研究開発/
人事などの支援活動も含めた一連のつながりのこと。
2 企業活動に関連するあらゆる関係者を指します。顧客(消費者)
、従業員、取引先、地域住民、株主・投資家、行政機関など。
1
2.協和発酵キリンの CSR に対する考え方
協和発酵キリンの経営理念と CSR
協和発酵キリングループは、
「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の
創造により、世界の人々の健康と豊さに貢献します」というグループ経営理念を掲げています。
この理念のもと、全従業員が「心の底から打ちとけて共に力を合わせましょう」
「変化に応じて執
はつらつ
われることなく 溌 刺 として勤めましょう」「全力を尽くして世の中に役立ちましょう」「どのよ
うなときも常に誠実であり続けましょう」というグループ行動指針に則り、日々の業務に取り組
んでいます。グループ行動指針に基づく活動を通じた経営理念の実現こそが、協和発酵キリンの
CSR であると認識しています。
CSR の推進方針
協和発酵キリンは、ISO 26000 (社会的責任に関する国際規格) 3 に基づいて、よりいっそう社
会からの期待を意識した取り組みにより社会の持続的発展に貢献していきます。
この ISO 26000 の中で定義されている「7 つの中核主題」に沿って、グローバルな視点から CSR
の取り組みを次の図のとおり再整理しました。
これまでは主に、企業からの視点で、緊急性の高いものから「コンプライアンス」と「リスク
マネジメント」を対象とし、中長期の観点からは「事業活動を通じた貢献」を社会環境の変化に
対応した取り組みとして重点化し、組織・機能の面から推進してきました。
今後はこうした「時間軸」と「組織・機能軸」に、新たに ISO 26000 で示された 7 つの中核主
題を「社会からの期待軸」として加え、ステークホルダーとの対話を重視しながら取り組むこと
で、持続可能な社会の発展へ貢献していきます。
3 2010 年 11 月に発行された社会的責任(SR)に関する国際規格であり、さまざまなアドバイスを記した手引き書です。企業
のほかに政府や学校、NGO など、あらゆる組織を対象としています。この国際規格は、先進国だけでなく途上国も含めた 90
を超える国、40 を超える機関から、政府や企業、労働者、消費者、NGO、有識者という多様なステークホルダーが集まり、作
成されました。
2
ステークホルダーとの関わり
企業は有用な価値を創造し、社会に提供することが期待されています。そして、期待に応える
ことにより社会から認められ、信頼され、生かされています。このように、協和発酵キリングル
ープでは、企業を中心に社会を見るのではなく、社会を原点に企業のあり方を考えることで、お
客さまや株主・投資家、ビジネスパートナー、コミュニティ、従業員などのステークホルダーの
期待に応え、信頼関係を構築することができると認識しています。そのため、これまで以上にス
テークホルダーとの関わり合いや対話を重視し、協和発酵キリングループに対するステークホル
ダーからの期待を把握し、それに応えていきます。
3
協和発酵キリングループ購買基本方針
協和発酵キリングループは、社会の中で事業を営む企業として、様々なかたちで社会に貢献し
ていくことをこれからも継続していきます。
その社会的責任への取り組みの一環として、協和発酵キリングループの購買活動においても、
「協和発酵キリングループ購買基本方針」を制定し、サプライヤーの皆様との間に長期的な信頼
関係を築きながらサプライヤーの皆様と共に企業としての社会的責任を果たして行くため、関連
するすべての法令やルールを遵守し、公平・公正で透明な購買活動に努めています。
<協和発酵キリングループ購買基本方針>
協和発酵キリングループは、お客様にとって価値のある安全で高品質な商品・サービスを提供
し、協和発酵キリングループ経営理念『ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新
しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します』を実現するために、サプラ
イヤーからのご支援・ご協力のもとオープンでフェアな購買活動を実施します。
1. 品質本位
1) 購買活動においては、協和発酵キリングループの「品質方針」に沿って品質と安全を優先し、
さらにコストについても重視します。
2) お客様にとっての価値を向上させる新しい技術やご提案を歓迎します。
2. オープンでフェアなお取り引き
1) サプライヤーの選定は、品質(Q)・コスト(C)・納期(D)・安定調達のほかに、CSR への
取り組み、技術力、提案力等を総合的に評価したうえで行います。
2) 複数のサプライヤーからの競争見積りによる購買を原則とし、公平な参入機会を提供しま
す。
3. コンプライアンスの遵守
1) 社会規範、関連する法令およびその精神を遵守し、社会に信頼される良識のある活動を実施
します。
2) 購買に関わる担当者は、いかなるサプライヤーとも個人的な利害関係を持ちません。金額の
いかんに関わらず謝礼や贈答品は受け取りません。寄付やグループの商品・サービス等の利用
を強要しません。また、互恵取引を前提とした購買活動を実施しません。
4. 環境への配慮
1) 法令、条例、業界の自主基準に加えて、協和発酵キリングループ各社でも自主基準を設定し、
自然と調和・共存する社会づくりを目指します。
2) 協和発酵キリングループの「環境・安全・製品安全に関する基本方針」「グリーン調達指針」
に則り、環境への配慮、汚染の防止を心がけ、サプライヤーと協力のもと地球環境に配慮した
購買活動を実践します。
4
5. サプライヤーとの相互の信頼と繁栄
1) サプライヤーと長期的な信頼関係を築き共存共栄を図ります。また、サプライヤーと協力
しリスクの適切な管理と未然防止を徹底し、社会と経営への影響を回避する取り組みに努めま
す。
2) サプライヤーにご提供頂いた個人情報および営業秘密については適切に管理し、ご提供者
の了解なく社内外に公表しません。
6. CSR 購買の推進
CSR 購買を積極的に推進し、サプライヤーと共に持続可能な社会の発展に貢献していきます。
協和発酵キリンが事業活動における健全なネットワークを構築して、全体で社会的責任を果た
すためには、重要なパートナーであるサプライヤーの皆様にも弊社の CSR に対する考え方をご
理解いただくとともに、CSR への取り組みにご協力いただくことが不可欠であると考えています。
サプライヤーとのオープンでフェアな取引と、イコール・パートナーの精神でサプライヤーの皆
様のご協力を得ながら、ともに発展していけるよう、CSR 購買を積極的に推進していきます。
5
3.CSR 行動規範
CSR 行動規範とは、協和発酵キリン株式会社として遵守する項目をまとめたものです。そして
サプライチェーン全体で CSR を推進すべく、サプライヤーの皆様におかれましてもこれらの項目
に則った活動をお願いしたいと考えております。弊社 CSR 行動規範をご理解いただくとともに、
サプヤイヤーの皆様自身の企業活動を本規範に示す CSR の視点で振り返り、さらなる向上に努
めていただくようご協力をお願いいたします。
CSR 行動規範は、以下、5 大項目、27 中項目から構成されます。
CSR 行動規範 5 大項目
1「いのち」と真摯に向き合う企業としての社会的責任
1
2
CSR の推進と法令遵守
3
人権尊重と労働
4
安全衛生
5
環境への配慮
「いのち」と真摯に向きあう企業としての社会的責任
私たち協和発酵キリン株式会社は、会社発足時に全社員が一丸となって理念とも言える『私た
ちの志』を作りました。
「たった一度の、いのちと歩く」をテーマに、病気と闘うすべての人々に
笑顔を届けるために、
「いのち」にまっすぐ真摯に向き合うこと、そして医療関係者とともに「い
のち」と歩み続けるという、製薬会社で働く者としての思いを込めています。高品質で安全な医
薬品を安定的に供給するとともに、私たちの思いを病気と闘うすべての人々に届けるためには、
サプライヤーの皆様のご協力なくして成り立ちません。
・高品質な医薬品の製造及び安定供給
常に高品質で安全な医薬品を製造するため、高品質な原材料を調達します。さらに、病気と闘
う患者様、医療関係者様へ高品質で安全な医薬品を安定的に提供するために、常に原材料等の
安定的な調達に尽力します。
・医薬品に適った品質
関連する法令等を遵守し誠実な品質保証活動によって、医薬品の研究・開発、製造に適った品
質の製品・サービスを提供します。
関連する法令等とは、日本国内の場合、薬事法や同法で規定される基準を定めた各種法令、および ICH (日米 EU 医薬品規制調
和国際会議) 等で定められた各種ガイドラインをいう。これらの法令等を遵守し、協和発酵キリングループの品質方針に則った
製品・サービスを提供する。
・品質マネジメントシステムの確立と運営
品質マネジメントシステムを構築し、運用します。
品質マネジメントシステムとは、品質保証活動を推進するための全般的な管理の仕組みをいい、組織体制・計画的活動・責任分
6
担・慣行・手順・プロセス・経営資源を含んだものを指す。ここで品質保証活動とは、品質方針を作成し、その方針に従った施
策を実施し、達成し、見直し、かつ維持することをいい、品質保証に対して、いわゆる PDCA サイクルを回しながら継続的改
善を行うことを意味している。代表的な品質マネジメントシステムとしては、ISO 9000 ファミリー、ISO/TS 16949、ISO 13485
などがある。
・社会・地域への貢献
国際社会・地域社会の発展に貢献できる活動を自主的に行います。
国際社会・地域社会の発展に貢献できる活動とは、企業の経営資源を活用したコミュニティへの支援活動をいい、一般的には次
のような取組みをいう。
・ 本来の業務や技術などを活用した社会貢献
・ 施設や人材などを活用した非金銭的な社会貢献
・ 金銭的寄付による社会貢献
具体的には、災害時における地域との連携、従業員ボランティア、NPO/NGO などの活動支援、寄付活動、各種情報発信・紹介
などの例を挙げることができる。各企業が実施可能な活動範囲を決め、積極的な社会貢献に取り組む。
・適正飲酒の啓発活動
飲酒による健康への影響・効果を認識し、適正飲酒を推進します。
アルコール飲料を扱うキリングループの一員として、飲酒に伴う健康へのリスクとベネフィットを十分に理解し、適正飲酒を推
進する。適正飲酒とは、例えば公益社団法人アルコール健康医学協会で定める「適正飲酒の 10 か条」に示される。
2
CSR の推進と法令遵守
・CSR の推進
全社的な CSR について、推進する体制を整備します。
例えば CSR を PDCA (Plan-Do-Check-Action) の仕組みで推進するなど、適切なマネジメント体制を整備する。
・コンプライアンス
政治・行政との健全かつ正常な関係を保ち、贈賄や違法な政治献金などを行いません。国内外
の事業場及び協力会社で、ステークホルダーとの関係において、接待、贈答品等を含む不適切
な利益の供与や受領を行いません。各国で定める商取引に関する法令(日本における下請法・
独占禁止法など)に抵触する行為は行いません。公正・透明・自由な競争を阻害する行為を行
いません。
贈賄とは、公務員等に対し、許認可や取引の獲得・維持、非公開情報の入手など、業務上の何らかの見返りを求めて金銭等の利
益や便宜の供与を行うこと。違法な政治献金とは、業務上の何らかの見返りを求める目的で正規の手続きを踏まない政治献金。
法令には各国の会社法、商法、独占禁止法、不正競争防止法、労働関連法規、環境関連法規、輸出関連法規が含まれる。競争を
阻害する行為とは、同業他社との間で、製品・サービスの価格、量、販売地域などについて申し合わせを行うこと(カルテル)
や、他の入札者との間で落札者や落札価格の取り決めを行うこと(入札談合)などをいう。
・不正行為の予防・早期発見
不正行為を予防するための活動を行い、また早期に発見し対応するための制度を整えます。
不正行為を予防するための活動とは、従業員への教育、啓発を行うとともに、風通しの良い職場風土を作ることである。
不正行為の早期発見対応のための制度とは、例えば次のようなものをいう。
社内や社外に不正行為に関する通報窓口を設置し、経営者が不正行為を早期に発見できるように努める。また、通報者の秘密を
守り、適切に保護することに努める。不正行為には迅速に対処し、対応結果を適宜、通報者へフィードバックする。
・実験動物の保護
動物愛護の観点に配慮した動物実験を実施します。実験動物は、痛みやストレスを最小限に取
り扱います。動物実験以外の代替方法について十分に検討します。
国際的な、または国内の、もしくは自発的なガイドラインに基づいて適切に実施する。AAALAC (Association for Assessment
and Accreditation Laboratory Animal Care International) 等の第三者機関の認証を得る、またはその認証基準に基づき実施す
る。
7
・情報セキュリティの保護
顧客・第三者・自社従業員の個人情報を適切に管理・保護します。また顧客や第三者から受領
した営業秘密や機密情報を適切に管理・保護します。
個人情報とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識
別することができるものをいう。(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができること
となるものを含む。
)
営業秘密や機密情報とは、一般的に、機密である旨が合意されている文書等(電磁的光学的に記録されたデータ情報を含む)に
より開示された情報や、機密である旨を告知したうえで口頭にて開示された情報を指す。
適切な管理とは、機密情報に関する全般的な管理の仕組みの構築と運用を指し、従業員等の遵守すべき規範や方針の作成、それ
らに従った計画立案、施策実施、監査および見直しを含む。
また適切な保護とは、機密情報を不正又は不当に取得、利用、開示又は漏洩しないことをいう。
・情報公開
法令等で公開を義務付けられているか否かを問わず、ステークホルダーに対して積極的に情報
提供・開示を行います。
ステークホルダーに情報提供・開示すべき内容とは、事業活動の内容、財務状況、業績、リスク情報(例えば大規模災害による
被害、環境や社会への悪影響の発生、重大な法令違反などの発覚)等を指す。なお、重大なリスク情報については都度公開する
とともに顧客に発信することも積極的な情報提供の一例である。
3
人権尊重と労働
・強制的な労働の禁止
国内外の事業場及び協力会社で、すべての従業員をその自由意志において雇用し、また従業員
に強制的な労働を行いません。
強制的な労働とは、自らの意思によらないすべての労働のことである。
強制的(あるいは強制的な労働)とは、例えば、次のようなものを指す。
本人の意思に反して就労させる強制労働、借金等の返済のために離職の自由が制限される債務労働、人身売買の結果として行わ
れる奴隷労働。また囚人であれども過酷な環境における非人道的な囚人労働。
自由な離職の権利がないことや、身分証明書・パスポート・労働許可証の雇用者への預託を義務付ける行為も強制的な労働の一
種である。
・児童労働の禁止
国内外の事業場及び協力会社で、最低就業年齢に満たない児童対象者を雇用せず、また児童の
発達を損なうような就労をさせません。
児童労働とは、一般論として ILO(国際労働機関)の条約・勧告に定められた最低就業年齢に満たない者を雇用することや、若
年労働者の保護を怠ることを指す。
例えば、日本国内においては、15 歳未満の者を雇用することや、若年労働者保護のための法令に違反することも、禁止されて
いる児童労働にあたる。健康、安全、道徳を損なうおそれのある就業から若年労働者を保護する法規制の例として、夜間労働や
危険作業などの制限が挙げられる。海外においても、所在国の法令で定められた最低就業年齢に満たない者の雇用や保護義務違
反は児童労働にあたる。
また、法令の定めのない国では、ILO の最低年齢条約・勧告に反する行為は児童労働にあたる。
(最低就業年齢の原則は 15 歳:
ILO 条約第 138 号)
・差別の禁止
国内外の事業場及び協力会社で、求人・雇用における差別をなくし、機会均等と処遇における
公平の実現に努めます。
差別とは、本人の能力・適性・成果などの合理的な要素以外により、採用・昇進・報酬・研修受講などの機会や処遇に差を設け
ることをいう。
差別の要素としては、例えば、人種、民族、国籍、出身地域、皮膚の色、年齢、性別、性的し向、障害の有無、宗教、政治的見
解、組合加入の有無、配偶者の有無などがある。
また、健康診断や妊娠検査が機会均等または処遇における公平を損なう場合には差別的行為とみなされる。
8
・非人道的な扱いの禁止
国内外の事業場及び協力会社で、従業員の人権を尊重し、虐待や各種ハラスメント(嫌がらせ)
をはじめとする過酷で非人道的な扱いを禁止します。
非人道的扱いとは、虐待、体罰、セクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)、パワーハラスメント(暴言による嫌がらせや威圧
的行為)などを指す。
・労働法規の遵守
国内外の事業場及び協力会社で、賃金や労働時間等を定めている各種労働法規を遵守します。
各国における賃金関連法令で定められている最低賃金を少なくとも支払うものとする。また関連法令等に違反する不当な賃金減
額を行わない。関連法令で定められている年間所定労働日数を超えないこと、また超過勤務時間を含めて 1 週間当たりの所定労
働時間を越えないこととする。
・従業員の団結権の尊重
労働環境や賃金水準等の労使間協議を実現する手段として、従業員が団結することを尊重しま
す。従業員による組合等の結成、加入を認めます。
従業員の団結権の尊重とは、報復・脅迫・嫌がらせを受けることなく結社する自由、法令に従い労働組合に加入する自由、抗議
行動を行う自由、労働者評議会などに加わる自由などに配慮することを指す。
4
安全衛生
・労働における安全衛生
職場の安全に対するリスクを評価し、また適切な設計や技術・管理手段をもって安全を確保し
ます。また職場において人体に有害な生物や化学物質及び騒音や悪臭などに接する状況を把握
し、また適切な対策を講じます。
職場の安全に対するリスクとは、電気その他のエネルギー、火気、乗物、滑り・つまずき易い床面、落下物などの、就業中に発
生する事故や健康障害の潜在的なリスクを指す。適切な設計や技術・管理手段とは、例えば、センサによる危険個所の監視、機
械や装置に供給される動力源を施錠することによる遮断(ロックアウト)、動力源の遮断中にエネルギー遮断装置の操作の禁止
を明示する札の設置(タグアウト)
、保護メガネ・安全帽・手袋などの保護具の提供などが挙げられる。
人体に有害な化学物質として、煤煙、蒸気、ミスト、粉塵などや、毒劇物、放射線、慢性病を引き起こす物質(鉛、アスベスト
など)などが挙げられる。また、騒音や悪臭なども著しい場合には人体に有害なものとして本項の要素である。適切な対策とは、
例えば、これらへの直接的接触機会の特定や査定、管理基準の制定及び運用、従業員への適切な教育や保護用品の提供などのこ
とを指す。
・緊急時への備えと対応
生命・身体の安全を守るため、発生しうる災害・事故などを想定のうえ、緊急時の対応策を準
備し、また職場内に周知徹底します。
緊急時の対応策とは、例えば、緊急時の報告、従業員への通知、避難方法の明確化、避難施設の設置、緊急医療品の備蓄、火災
探知システムの設置、火気抑制設備の設置、外部通信手段の確保、復旧計画の整備などを指す。
職場内への周知徹底方法として、従業員への緊急対応教育(避難訓練を含む)を実施することや、緊急時の対応手順書などを職
場内で容易に手の届く場所に保管あるいは掲示することが挙げられる。
・危険情報
医薬品やその中間体、その他危険性のある物質に関する安全性情報について、教育・トレーニ
ングを実施し、従業員を危険から保護します。
安全性情報とは、SDS (Safety Data Sheet) あるいはそれに類するものであり、従業員が容易にそれらの情報を参照できる環境
を整える。危険性のある物質に関して、従業員に対しその適切な使用・取扱方法、保管方法、廃棄方法等について教育・トレー
ニングを実施し、その教育記録を保管する。
5
環境への配慮
・環境マネジメントへの取り組み
9
環境マネジメントシステムを構築し、運用します。
環境マネジメントシステムとは、環境活動を推進するための全般的な管理の仕組みをいい、組織体制・計画的活動・責任分担・
慣行・手順・プロセス・経営資源を含んだものを指す。ここで環境活動とは、環境方針を作成し、その方針に従った施策を実施
し、達成し、見直し、かつ維持することをいい、環境保全に対して、いわゆる PDCA サイクルを回しながら継続的改善を行う
ことを意味している。
代表的な環境マネジメントシステムとしては、ISO 14001 などが挙げられ、第三者認証を受けることができる。
・低炭素社会への取り組み
温室効果ガスの排出量削減を実行するための自主目標を設定し、また継続的削減を図ります。
温室効果ガスには様々なものがあるが、特に京都議定書で定められた二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、HFC、PFC、SF6 の
6種類の物質群を指す。
継続的削減活動として、これら6種類の温室効果ガスに対して、自主的な削減目標を設定し、計画を立案し、確実に実行するこ
とが挙げられる。
・生物多様性の保全
生物多様性に配慮した資源利用を推進します。
世界中の人々が自然の恵みを持続的に享受できるように、生物多様性に配慮した資源の利用を事業活動全体において推進する。
(「キリングループ生物多様性保全宣言」より)
国連が実施した大規模な生態系に関る科学的調査(国連ミレニアム生態系評価、2005 年発表)によると、我々は、生態系から、
大気・保水・土壌といった生存のための基盤を受けており、そのうえで生化学物質や水・食糧などの供給、気候調整や自然災害
保護などの調整機能、精神的価値や教育、レクリエーション価値などを享受している。これらは企業の事業存続にとっても、欠
くことのできない恩恵であると認識することが重要である。 (「企業行動憲章 実行の手引き(第 6 版)/2010 年 9 月 14 日(社)
日本経済団体連合会」より)
(例)熱帯雨林を違法に切り開いたプランテーションから作られた原料ではない、など。
・資源の有効利用
省資源・省エネルギーや廃棄物の削減等を実行するため自主目標を設定し、継続的な改善を図
ります。
省資源とは、資源の有効活用を図ることをいう。そのための手段として製品への材料使用量および廃棄物の削減、ならびに再生
資源および再生部品の利用を促進すること等がある。
省エネルギーとは、熱や電力エネルギーの使用の合理化を図ることをいう。エネルギーの節約をすることで石油、天然ガス、石
炭、コークスなどの燃料資源を有効に利用することができる。
廃棄物とは、埋め立て、または焼却が必要な廃棄物を指す。
継続的削減活動として、廃棄物に対して、自主的な削減目標を設定し、計画を立案し、確実に実行することが挙げられる。
・化学物質管理と汚染防止
製造工程とすべての製品に対して、法令等で指定された化学物質を管理します。水質汚染・大気
汚染・振動・悪臭等に関する法令等を遵守し、継続的改善を図ります。
製造工程における化学物質の管理とは、製品に含有されてはならない化学物質を管理することはもとより、外部環境に排出され
る化学物質についても排出量の把握、行政への報告などを行い、当該物質の排出量の削減に努めることをいう。製品に対する化
学物質の管理とは、法令等で含有禁止に指定された化学物質を製品に含有してはならないことに加え、必要とされる文書の提供、
表示義務を遵守することや必要とされる試験評価を行うこと等をいう。
・不法投棄の禁止
廃棄物は関連法令等に従い、適切に処理します。
日本国内の場合、関連法令とは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃掃法)や各自治体が定める関連条例等をいう。
・環境に関する許認可
法令等に従い、必要とされる場合は行政からの許認可を受け、また必ず要求された管理報告を
行政に提出します。
日本国内の場合、法令等で定められた、一定の資格を取得した管理者の設置義務として、廃掃法/特別管理産業廃棄物管理責任
者、省エネ法/一定レベル以上のエネルギーを使用する工場におけるエネルギー管理士、大気汚染防止法等/化学物質、粉塵、
10
煤塵を排出する工場における公害防止管理者などが挙げられる。
また事業に用いる化学物質により、毒物・劇物管理、特定化学物質管理、放射性物質管理、麻薬・向精神薬管理、危険物管理な
どの責任者を設置する義務がある。
事業内容や工場立地により、環境影響評価、危険物取扱施設などに関する行政の許認可が必要な場合がある。
以上の CSR 行動規範に則った活動に、サプライヤーの皆様のご協力をよろしくお願いいたします。
発行日: 2013 年 9 月 3 日
改正日:2016 年 7 月 19 日
発行責任者:
〒100-0004
東京都千代田区大手町 1-9-2
協和発酵キリン株式会社
購買部長
お問い合わせ先:
購買部企画管理グループ
TEL: 03-5205-7200
FAX: 03-5205-7136
11
Fly UP