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大災害時に公共のライフラインは必ず崩壊する 災害直後、必ず悪化する

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大災害時に公共のライフラインは必ず崩壊する 災害直後、必ず悪化する
◆大災害時に公共のライフラインは必ず崩壊する
◆飲料水、食料、衣類などの支援物資とは違うトイレの特性
大災害の時、真っ先に考えるのは人命を守り被害を最小限に抑えることです。そのため
にも強固な社会システムを構築し、十分な備えをしておくことは自明のことです。
しかし、残念なことに、現行のライフラインは大災害が起これば必ず崩壊し、多くの人が
不自由な生活を強いられます。いとしい人との死別はこの上なく不幸なことですが、生き
残った人々にも苦しい生活が待ち受けています。その時一番困るのは何でしょうか?飲
料水、食糧、衣類、・・・いいえ、最も深刻なのはトイレです。
このような重大な結果をもたらす可能性のあるトイレ事情について、マスコミは積極的に
報道していないように思われます。また被災者も大っぴらに話さないように思われます。そ
のためか、良く報道される、飲料水、食料、衣類そして日用品等などの備蓄や支援物資の
搬送体制は日頃からその事態に備えていることを良く耳にします。一方、トイレについて
は個々の対応に留まり、自治体や避難施設としての対応は不十分と言わざるを得ません。
しかし、ライフラインが復旧するまでは、支援物資としての仮設トイレでしのぐ以外に、抜本
的な対策がないというのが問題です。災害時であればなおさら、清潔で快適な環境を維
持しなければならず、やはり「水洗トイレ」が必要です。「水洗トイレ」はそれ自体が一つの
システムであり、支援物資という「もの」という発想では賄うことができません。それが災害
時の対策を困難にしています。
◆災害直後、必ず悪化するトイレの衛生環境
ライフラインの崩壊により、多くの被災者が避難施設に集まってきます。しかし、停電、断
水、下水管などの損壊により、避難施設の水洗トイレは全く使えません。我慢できずに使
用するとあっという間に糞尿でいっぱいになってしまいます。阪神大震災では避難者は23
万人に上りました。ほぼ全域が断水し、80%の地域が復旧するのに1カ月以上かかってい
ます。即ち、震災直後の避難所のトイレや周辺では、この上なく衛生環境が悪化するとい
うことです。
◆仮設トイレでは対処できない
日本トイレ研究所サイトより
「仮設トイレ」
その時頼りになるのは仮設トイレですが、残念ながらすぐに
は用意できません。日本トイレ研究所の資料によると、東日
本大震災の際、3日以内に到着したのが約3割、1週間以上
かかったケースが半数以上というデータが残っています。
従って、仮設トイレが来るまでの間に劣悪な衛生環境になっ
てしまいます。また、仮設トイレが到着しても安心できません。
仮設トイレは工事現場で使われることを想定しているため、
お年寄りや身障者の方々には非常に使いづらい構造になっ
ています。下部にタンク、上部に便器という段差のある構造
ですが、手すりがなく大変な苦労を要します。また、上下水道の損壊で水が流せないため、
糞尿はバキューム車による汲み取りがスムーズに行われないと、たちまち劣悪な衛生環
境に舞い戻ってしまいます。特に都市型の震災である阪神大震災では道路が寸断され、
思うように回収できず使用不可の仮設トイレが続出したといわれています。
◆トイレの衛生環境悪化による心身への悪影響
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日頃、快適で清潔なトイレを利用することが当たり前の生活をしている日本人にとって、
このような劣悪な衛生環境での心身への負担は、相当大きいものにならざるを得ず、確実
に悪影響を及ぼします。例えば、トイレを我慢するために、飲食を控えるなどの行動をとり
がちになり、そのために体調を壊し、脱水症状やエコノミー症候群、それが高じて、脳梗
塞、心筋梗塞などを誘発する原因になっているといわれています。また、阪神大震災も東
日本大震災も寒い時期の災害ですが、これがもし真夏の暑い季節だったら、どんなことに
なっていたでしょう。トイレの衛生環境悪化に追い打ちをかけるように、いたるところでウジ
がわき、とんでもない悪臭があたりに立ち込め、蝿や蚊の発生、そして水不足による不衛
生が極まって、感染症や食中毒、熱中症や慢性疾患など、ありとあらゆる病気が蔓延し
ます。もし、最近流行したデング熱が広まればパニック状態に陥り、日本人特有の自己
犠牲と我慢強い相互扶助も、そして自治体としての機能も崩壊しかねません。
◆日頃使いながら災害時にも対処する
このようなトイレの特性を考えると、仮設トイレや簡易トイレも必要ですが、日頃使いなが
ら、災害が発生しても使い続けることができる水洗トイレをどのように確保するか、という困
難ではあるけれども当たり前の発想が必要です。そこでご紹介したいのが「エコまるくん」
です。「エコまるくん」はある一定の敷地内で、土壌と植物の力を借りて水洗トイレから出
た糞尿を分解処理して中水化し、それをまた水洗トイレで繰り返し使うことができます。公
共下水道に頼らず、太陽光パネル発電で動作する「エコまるくんポンプ」と緊急時に使う
手押しポンプが組み込まれ、更に耐震用の継手で配管されているため、ライフラインが
崩壊しても使い続けることができる汚水浄化システムです。使い勝手は普通の水洗トイレ
と全く同じです。
◆避難場所で活躍が期待される
街には必ず公共施設の避難場所があります。
また大きな都市においては民間の施設を避難施
設として使用できるよう協力体制をとり災害に備え
ています。その公共の避難施設に「エコまるくん」
を整備することを提案します。その避難施設周辺
の住民のトイレを確保し良好な衛生環境を維持し
ます。そして各所の避難場所同士でネットワークを
組み、融通しあうことで、その地域に面としての良
好な衛生環境を構築できます。民間の施設にも
「エコまるくん」を整備すれば、災害救助や復興の
拠点として強化されます。
神戸市サイト
「阪神淡路大震災『1.17の記録』」
◆地球の循環の教えにならって災害を乗り切る
古来人間は、汚水の浄化に土壌を利用し農耕に活用しながら地球の循環に従って命を
つないできたように、「エコまるくん」もその延長線上にある地球環境に優しいシステムです。
清潔で快適なトイレ環境を維持することは、平和な日常はもちろん、大変苦しい困難な時
期の人々の心を支え、地域の絆を繋ぎ止めながら、皆で災害を乗り切ろうという勇気を与
えてくれるに違いありません。正に死守しなければならない最重要課題の一つであり、「エ
コまるくん」はそれにお応えできると確信しています。
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