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Ⅲ 輸送の安全の実態

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Ⅲ 輸送の安全の実態
Ⅲ 輸送の安全の実態
安全報告書
4 安全性維持向上にかかる施策の推進
安全施策を推進し、安全マネジメント体制の強化を図るため、安全管理委
員会(P.35 参照)の中の4つの専門部会(事故防止研究部会、安全教育部
会、異常時総合訓練実行委員会、安全大会等実行委員会)において事故防止
や安全教育等を検討し、安全管理委員会においてその進捗や課題の把握に取
り組み、迅速かつ円滑な進行管理が可能な体制を構築しました。
Ⅲ 輸送の安全の実態
市営地下鉄では、昭和47年
12月の開業時から、電車の安
全運行の基本となるべきATC装
置(自動列車制御装置)を導入
しています。
その後、平成19年12月のワ
ンマン運転実施に伴い、ATO装
置(自動列車運転装置)を導入
し、電車の出発から停止までを
自動運転とするなど安全性を強
化しました。
ATC手動運転中の運転士の急病時には、デッドマン装置により電車を緊急
に停止させます。また、駅誤通過警報装置により営業する電車が駅に停止し
て、ドアを開扉せずに次の駅へ走行した場合に、総合司令所に警報で知らせ
異常を把握することができるシステムを導入し、電車の安全運行の確保に取
り組んでいます。
このような運転保安設備の充実のみならず、総合司令所による的確な指示、
運転士の指差確認・称呼、機器類の確実な操作及び保守係員による機器類の
点検整備、並びに運行に携わる係員の継続した訓練の実施などにより、現在
まで、列車脱線や列車追突事故等の重大事故は1件も発生していません。
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横浜市交通局
Ⅲ 輸送の安全の実態
安全報告書
☆
ATC(自動列車制御装置)Automatic Train Control の略 ☆
ATCとは、先行列車との間隔を保つための制限速度や曲線区間での制限速度などの速
度信号を線路に流し、列車に搭載されている車上装置により連続的に受信し、制限速度を
超えた場合は自動的にブレーキがかかり、制限速度内まで速度を落とす装置です。
☆
ATO(自動列車運転装置)Automatic Train Operation の略 ☆
ATOとは、ATCを基本として、運転士がスタートを指示するボタンを押し、列車の
起動、加速、ノッチオフ(モーターの電気を切る)、速度制御及び駅の所定停止位置に停
車させる操作を自動的に行う装置です。
☆
デッドマン装置 Dead mans device の略 ☆
デッドマン装置とは、ATC 手動運転中に運転士の意識喪失などの異常事態が発生し、
ハンドルから手が離れた場合、自動的に列車を停止させる運転保安装置です。
☆
駅誤通過警報装置 ☆
営業列車が駅の所定停止位置に停止し、ドアを開扉せずに走行した場合に、総合司令所
の運行表示盤に警報を鳴動させ、これにより総合司令所で異常を把握することができる装
置です。
1 鉄道運転事故
平成23年度に『鉄道運転事故』は発生しませんでした。
※ 鉄道運転事故=国土交通省令(鉄道事故等報告規則)に定める、
「列車衝突事故」「列車脱線事故」「列車火災事故」「踏切障害事故」
「道路障害事故」「鉄道人身障害事故」「鉄道物損事故」
をいいます。
2 インシデント
平成23年度に『インシデント』は発生しませんでした。
※ インシデント=国土交通省令(鉄道事故等報告規則)に定める、
「鉄道運転事故が発生するおそれがあると認められる事態」
をいいます。
横浜市交通局
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3 輸送障害
平成23年度には、5件の『輸送障害』が発生し、ご利用のお客様にご迷
惑をおかけしました。
年度別
第三者障害による
(自殺行為など)
設備の不具合による
自然災害による
(車両・信号故障など) (地震・強風など)
平成 23 年度
1件
3件
1件
平成 22 年度
2件
2件
2件
平成 21 年度
1件
1件
0件
平成 20 年度
0件
0件
0件
(上表の数字は、国土交通省令に基づき関東運輸局に届出を行った輸送障害の件数です。)
※ 輸送障害=国土交通省令(鉄道事故等報告規則)に定める、
「鉄道による輸送に障害を生じた事態であって、鉄道運転事故以外のもの」
をいいます。
<発生した主な輸送障害の概要>
(1)
ブルーライン関内駅~桜木町駅間において隧道天井部分から漏水樋が垂れ下がり
車両と接触したため運転を見合わせました。
<発生日時> 平成23年6月26日(日) 19時35分頃
<概
要> 上りあざみ野行電車は関内駅を出発、前方に銀色のダクトのようなもの
が垂れ下がっているのを発見し非常停止しました。その後、漏水樋と
分かり、撤去するまでの間、ブルーライン全線を一時運転見合わせ、
当該区間を約75分間にわたり運転を見合わせました。
(2)
ブルーライン高島町~桜木町間において、サードレールの碍子から発煙したため運
転を見合わせました。
<発生日時> 平成23年8月10日(水) 16時53分頃
<概
要> 下り湘南台行電車が高島町~桜木町間走行中、サードレール碍子付近か
ら発煙しているのを発見し碍子を撤去するまでの間、ブルーライン全線
を一時運転見合わせ、当該区間を約127分間にわたり運転を見合わせ
ました。
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(3) グリーンラインにおいて、日吉行の電車のパンタグラフが破損する車両故障が発生した
ため運転を見合わせました。
<発生日時> 平成 24 年2月 1 日(水)16時 07 分頃
<概
要> 日吉行電車が都筑ふれあいの丘駅到着後、お客様から異音がするとの非常通報
により、車両を確認するとパンタグラフが破損しているのを発見しました。
パンタグラフの破損により損傷した架線の復旧と安全確認のため、グリーンラ
イン全線で 173 分、中山~センター北間で 369 分間運転を見合わせました。
横浜市交通局
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