...

「年をまたぐ(寒候年)統計」 気 象 ひとくちメモ

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

「年をまたぐ(寒候年)統計」 気 象 ひとくちメモ
平成28年1月29日
熊 本 地 方 気 象 台
気 象 ひとくちメモ
「年をまたぐ(寒候年)統計」
この冬、熊本では初雪を1月18日(2016年)に観測しました。前回の初雪の観測は何日かと
調べると12月17日でした。さて、ここで疑問がでてきます、この12月17日は何年のでしょうか。
答えは2014年になります。何故でしょうか、今回はこのような現象で使用される統計について説
明します。
通常、年の統計は暦によって区切られ1月1日から12月31日の間で計算されます。年間の日
最高気温の高い方の極値などは、暖かい時期がこの期間の中程にあるため支障はありませんが、
降雪の深さや積雪の深さなどのように気温が低くなると現れる現象は、気温が最も低くなる時期
表 熊本地方気象台の霜、雪、結氷、初冠雪
が1月の末から2月の始め頃にあるため年を
(2001 寒候年以降)
またいで現れることになります。左表は熊本地
霜
雪
結氷
初冠雪
要素
対象の山
方気象台のホームページに掲載している熊
初日
終日
初日
終日
初日
終日
(金峰山)
1903寒候年
1903寒候年
1905寒候年
統計開始年
1968寒候年
本の冬の季節現象の一覧です。これらの現象
平年値
11月19日 4月1日 12月23日 2月23日 11月26日 3月23日
1月14日
10月15日 3月11日 11月12日 1月1日 10月25日 2月24日
11月29日
を、暦による年の期間で統計すると、現象が
最早
(1927年) (2003年) (1938年) (1911年) (1942年) (2013年)
(2013年)
12月17日 5月6日 1月25日 4月4日 12月28日 4月19日
3月4日
期間をまたぐため年に2回の年や観測のない
最晩
(2015年) (1940年) (1954年) (1962年) (2004年) (1962年)
(2008年)
2001寒候年
年ができ不都合が生じます。そこで気象台で
11月29日 4月2日 1月13日 3月9日 12月7日 4月1日
1月15日
(2000~2001年)
2002寒候年
11月28日 3月19日 12月26日 2月13日 12月7日 3月9日
--は、一連の冬期を含む1年間の統計期間とし
(2001~2002年)
2003寒候年
1月5日
11月19日 3月11日 12月9日 2月20日 11月19日 3月12日
て寒候年(かんこうねん)を定めています。
(2002~2003年)
2004寒候年
11月23日 3月13日 12月19日 3月7日 11月23日 3月13日
1月22日
(2003~2004年)
寒候年とは、前年の8月から当年の7月ま
2005寒候年
11月30日 3月30日 12月31日 3月25日 12月28日 3月19日
12月31日
(2004~2005年)
での1年間で、2016年寒候年とは2015年8
2006寒候年
11月30日 4月1日 12月4日 3月29日 12月5日 3月20日
12月5日
(2005~2006年)
2007寒候年
月から2016年7月の1年間になります。この
12月1日 4月19日 12月28日 3月8日 12月4日 4月5日
2月1日
(2006~2007年)
2008寒候年
期間では冬の現象が期間の中程になり期間
11月19日 3月27日 12月31日 2月24日 11月19日 3月8日
3月4日
(2007~2008年)
2009寒候年
11月19日 4月2日
1月1日 1月25日 11月18日 4月2日
1月1日
をまたぐことがありません。寒候年の統計は、
(2008~2009年)
2010寒候年
11月18日 4月17日 12月18日 3月10日 12月7日 3月27日
12月18日
(2009~2010年)
たとえば、「今冬は初霜、初雪、初氷、初冠雪
2011寒候年
.........
11月18日 3月28日 12月25日 2月12日 11月27日 3月28日
12月27日
(2010~2011年)
2012寒候年
がすべて平年より遅
かった。」、「1月25日に
12月17日 3月29日 12月16日 2月19日 12月17日 3月15日
1月25日
(2011~2012年)
2013寒候年
は寒気が流れ込み熊本でマイナス6.5℃を
11月21日 4月8日 12月9日 2月8日 12月7日 2月24日
--(2012~2013年)
......
2014寒候年
11月23日 3月15日 12月20日 2月19日 12月8日 3月15日
11月29日
(2013~2014年)
観測するなどこの冬一番の
日最低気温を観
2015寒候年
12月7日 3月26日 12月17日 3月11日 12月7日 3月13日
12月6日
(2014~2015年)
測しました。」などの情報に利用されます。
2016寒候年
12月17日
1月18日
12月17日
1月24日
(2015~2016年)
このように寒候年という言葉はあまり知られ
※平年値は1981年から2010年までの30年間の平均値です。
※表中の「---」は観測なし(欠測)を示しています。
ていませんが、寒候年の統計は冬期の気象
現象の早い遅いや寒さの厳しさを知るために大切な統計です。記憶に留めておいていただけれ
ば幸いです。
本件に関する問い合わせ先:熊本地方気象台
(096-352-0345)
※バックナンバーは熊本地方気象台ホームページに掲載しています。
(http://www.jma-net.go.jp/kumamoto/kishoumemo/kishoumemo.htm)
Fly UP