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管 内 概 要
管 内 概 要 十勝岳治山事業所 冬の十勝岳連峰 ~はじめに~ 十勝岳は、北海道のほぼ中心を南北に貫く十勝岳連峰の主峰で、標高2,077 m、北緯43度24分56秒、東経142度41分25秒に位置する国内有数の活火山です。 この他、十勝岳連峰には、美瑛富士(1,881m)、美瑛岳(2,052m)、前十勝岳( 1,646m)などの山々がほぼ一列に並ぶ火山群であり、その山腹にはエゾマツ・ トドマツなどから成る亜寒帯の森林を擁し、雄大な山岳美を誇る北海道の屋根 である大雪山国立公園の一部を形成しています。 十勝火山群は新生代第三期末から大規模な火山活動が始まり、活動最盛期の 約3000年前に生じた直径600m余りのグラウンド火口をはじめとして大小数ヶ 所の火口を有し、現在もなお活発に活動中の火山です。 イワブクロ ウコンウツギ シラタマノキ ~十勝岳噴火に伴い火山泥流が流下する沢~ 〈硫黄沢〉 硫黄沢は、コンクリート谷止工や 床固工が配置されており、写真はコ ンクリート導流堤です。導流堤とは 、火山泥流が発生した際に、白金温 泉街へ泥流が流入するのを防止し、 硫黄沢へ誘導するための役割を担っ ています。また、自然景観に配慮し たカラマツ特製型枠を使用していま す。 〈望岳台沢〉 望岳台沢は、十勝岳の大正の大噴 火により発生した大正泥流により地 表面を削剥された過去がある浸食の 激しい沢です。 現在、望岳台沢にはコンクリート 谷止工や床固工、削剥防止工が配置 されており、火山泥流発生時には泥 流エネルギーを減殺し山脚の浸食を 防止することを目的としています。 〈暴れ沢〉 暴れ沢は、十勝岳が噴火した際に 発生した泥流が流下する主となる沢 です。 現在、コンクリート谷止や床固が 配置されており、渓床勾配の安定、 不安定土砂の移動防止、山腹斜面の 崩壊の発生を防止しています。 写真は、コンクリート護岸工で、 護岸工とは、渓流の荒廃防止、流路 の固定を目的としたものです。 ~噴火災害から人命・財産を守るために~ 十勝岳は、有史以来5回の噴火記録があり、大正15年(1926)5月の大噴火で は、積雪期ということもあり、約780万m3という融雪水を伴った火山泥流が発 生し、上富良野町及び美瑛町に流下し、死者144名という甚大な被害をもたら しました。 このような噴火の災害から十勝岳下流域の住民を守るため、十勝岳治山事業 所では十勝岳を中心とした地域で昭和32年より治山事業を行っています。 火山泥流が流下してくる可能性が高い渓流に対し、大正の大噴火時の泥流量 を想定して治山施設(谷止・床固・導流堤等)を配置しており、火山泥流が白 金温泉街へ流れ込むのを防いだり、火山泥流のパワーやスピードを抑える役割 を担っています。 麓に位置する白金温泉郷 ~観光の街 美瑛町~ 美瑛町は、「丘のまちびえい」として観光に力を入れている街として有名で あり、毎年約120万人以上の観光客が訪れており、その中でも、白金温泉郷は十 勝岳やその周囲の山々への登山口として、約41万人が集まる観光スポットと なっています。 美瑛町の白金温泉郷を訪れた際には、十勝岳まで足を運んでいただき、山の 上から見下ろす「すばらしい景色」を堪能してみてはいかがでしょうか。 十 勝 岳 治 山 事 業 所 〒071-0209 上川郡美瑛町寿町4丁目3番29号 エゾコザクラ