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ロケット工学
ver. 2015/10/01 ロケット工学 2015後期 木曜3限 谷 (W4号館833号室) 内線 3051, [email protected] 講義の目的 ・ロケットに関する基礎的かつ全般的な理解の習得 ・ロケットの推進理論、ノズル理論、ロケットの運動理論、 各種ロケットエンジンの構造、各システム等の基礎事項を 理解し、ロケット設計に必要な理論、考え方を習得する。 © Space Transportation Systems Engineering Laboratory, Kyushu Univ. 2015 1 最近打ち上げられたロケットから 2014/5/24 H2A/ALOS-2 Length 53.0 m Dia. 4.0 m 2 stages Liquid rocket engine proplellant LH2/LOX payload to LEO 10,000 kg http://fanfun.jaxa.jp/countdown/daichi2/ 2 最近打ち上げられたロケットから 2014/5/26 Sea Launch Zenit-3SL /Eutelsat 3B Length 59.6 m Dia. 3.9 m 3 stages solid motor propellant RP-1/LOX, payload to GTO 6,160 kg http://www.sea-launch.com/ 3 最近打ち上げられたロケットから 2014/6/30 IRSO PSLV-C23/SPOT-7 Length 24.0 m Dia. 2.8 m 4 stages Solid/Liquid rocket engine propellant HTPB, UDMH/N2O4 payload to LEO 3,250 kg http://www.isro.gov.in/Launchvehicles/PSLV/pslv.aspx 4 最近打ち上げられたロケットから 2014/7/24 Soyuz-U / Progress M-24 Length Dia. stages propellant payload to LEO 47.3 m 3.0 m 2/3 RP-1/LOX 6,900 kg http://www.spaceflightnow.com/station/exp40/140723prog56p/#.VCPKuBaOd8E 5 最近打ち上げられたロケットから 2014/8/13 United Launch Alliance ATLAS V 401 / WorldView-3 Length 58.3 m Dia. 3.81 m 2 stages Liquid rocket engine propellant RP-1/LOX, LH2/LOX payload to LEO 9,797 kg http://www.ulalaunch.com 6 最近打ち上げられたロケットから 2014/9/4 長征二号丁(Long March 2D)/創新一号04星,霊巧 Length 33.7 m Dia. 3.35 m 2 stages Liquid rocket engine propellant UDMH/N2O4 payload to LEO 3,100 kg http://www.gov.cn/xinwen/2014-09/04/content_2745224.htm 7 最近打ち上げられたロケットから 2014/9/11 Ariane 5ECA/Measat 3b, Optus 10 Length 56 m Dia. 3.66 m 2 stages Liquid rocket engine propellant LH2/LOX payload to LEO 21 ton http://www.spacex.com/press/2014/09/18/press-kit-crs-4-mission 8 最近打ち上げられたロケットから 2014/9/21 Space X Falcon 9/Dragon CRS-4 Length 63.3 m Dia. 3.66 m 2 stages Liquid rocket engine propellant RP-1/LOX payload to LEO 2,270 kg http://www.spacex.com/press/2014/09/18/press-kit-crs-4-mission 9 講義計画 1.ロケットの構成、概要 2.物理的基礎 3.ノズル理論 4.推進システム(固体ロケット、液体ロケット、電気推進) 5.ロケットの運動、軌道 6.構造、航法・制御、電気・電子システム 7.ロケットの性能、サイジング、信頼性 8.ロケットの概念設計 ・成績評価 : 出席・演習 + レポート 10 教科書、参考書等 教科書 : 「ロケット工学基礎講義」 コロナ社、初版第2刷(2004年9月30日発行) 冨田信之、鬼頭克巳、幸節雄二、長谷川恵一、前田則一 共著 上記の図書を教科書として推薦する。 講義資料は、Web上にてダウンロードしてください。 http://stl-www.aero.kyushu-u.ac.jp/member/tani/lecture.html → ロケット工学 のボタンを押して、パスワードに「rocket」と入力 (部門HPから、[輸送研のページ]→[講義資料] と辿ることが可能。) 参考書等: ・G. P. サットン著、望月他訳:「ロケット推進工学」、山海堂(原著:「Rocket Propulsion Elements」) ・鈴木弘一著、「ロケットエンジン」、森北出版 ・茂原正道著:「宇宙システム概論」、培風館 ・冨田信之:「宇宙システム入門」、東大出版会 ・小林繁夫著:「宇宙工学概論」、丸善 ・柴藤羊二、渡辺篤太郎共著:「ロケット工学」、コロナ社 ・栗木恭一、荒川義博編:「電気推進ロケット入門」、東京大学出版会 ・日本航空宇宙学会編:航空宇宙工学便覧、丸善 ・JAXA, NASAのウェブサイトなど 11 その他、図書室・情報サロン、webなどで参照のこと。 他の講義との関連 特に関連の深い科目 ・気体力学 ・軌道力学 ・航空流体力学 ・エネルギー変換基礎論 ・人工衛星工学 12 1.ロケットの構成、概要 ロケットとは... ロケット推進の原理で推進される 飛行物体 ロケット推進とは... 機体に搭載された物質を、機体 に相対的な速度を持たせて投機 する際の運動量変化により、推進 力を得る推進方式。 13 ロケットの分類 ・飛行軌道による分類; 弾道ロケット (ballistic rocket) 打上げロケット (launch rocket) ・段数による分類; 単段 (single stage) ロケット 多段 (multi stage)ロケット ・使用法による分類; 使い捨てロケット (expendable launch rocket) 再使用ロケット (reusable launch rocket) 宇宙往還機 (space plane) 14 ロケットの打上げ能力 ・低軌道 (Low Earth Orbit ; LEO ) ・低高度の地球周回軌道(パーキング軌道、待機軌道) ・地球静止遷移軌道 (Geostationary Transfer Orbit ; GTO) 15 世界のロケット (1) http://www.rocket.jaxa.jp/basic/knowledge/compare.html 16 世界のロケット (2) ①Soyuz ②Proton ③Energia (Russia) ④Ariane 4 ⑤Ariane 5 (ESA) ⑥長征3 (中国) ⑦Delta II ⑧Atlas II ⑨Titan III ⑩Titan IV ⑪Space shuttle (米国) ⑫H-IIA (日本) 17 世界のロケット (2') 段数 全長 (m) 直径 (m) 全備重量 (ton) 低軌道 / 静止軌道 打上げ能力 (ton) Soyuz 2 49.3 3.5 312.9 6.9 Proton 4 49.8 4.0 770 20 / 4.8 Energia 1 60 8.0 2500 100 / 18 Ariane 4 3 58.4 5.4 480.0 7.0 / 4.2 Ariane 5 2 50.0 5.4 725.0 22.6 / 6.8 長征3 3 52.3 3.3 240 8.5 / 2.3 Delta II 3 38.4 2.4 231.8 5.0 / 1.8 Atlas II 2 45.6 3.05 187.2 6.8 / 2.9 Titan III 2 44.6 3.05 680 14.7 / 4.9 Titan IV 2 63.1 3.05 868.6 21.9 / 5.7 Space shuttle 1 56.2 - 2041 23.0 / 2.3 H-IIA 2 53 4 285 10 / 4.1 H-IIB 2 56.6 5.2 531 16.5 / 8 低軌道打上げ能力は、高度250kmを想定。 18 日本のロケット (1) http://www.rocket.jaxa.jp/rocket-engine/rocket/past/ 19 日本のロケット (2) http://www.rocket.jaxa.jp/rocket-engine/rocket/past/ 20 日本のロケット (3) ①L-4S ②M-4S ③M-3C ④M-3SII ⑤M-V ⑥N-I ⑦N-I I ⑧H-I ⑨H-II ⑩J-I ⑪H-IIA 21 日本のロケット (3') 段数 全長 (m) 直径 (m) 全備重量 (ton) 低軌道 / 静止軌道 打上げ能力 (ton) L-4S 4 16.5 0.735 9.4 0.026 / - M-4S 4 23.6 1.41 43.6 0.18 / - M-3C 3 20.2 1.41 41.6 0.195 / - M-3SII 3 27.8 1.41 61.0 0.77 / - M-V 3 31.2 2.5 128.4 1.8 / - Epsilon 2(3) 24.4 2.5 91 1.2 / - N-I 3 32.6 2.4 90.4 1.2 / 0.13 N-II 3 35.4 2.4 135.2 2.0 / 0.35 H-I 3 40.3 2.44 139.3 3.0 / 0.55 H-II 2 50 4 260 9/2 J-1 3 33.1 1.81 87.7 0.9 / - H-IIA 2 53 4 285 10 / 4.1 H-IIB 2 56.6 5.2 531 16.5 / 8 低軌道打上げ能力は、高度250kmを想定。 22 主なロケットのペイロード重量比 23 H-IIA ロケット7号機 衛星フェアリング (2005/02/26打上) 固体ロケットブースタ MTSAT-1R 衛星分離部 第1段 固体補助ロケット 第2段 第1段液体水素タンク 第1段液体酸素タンク 第1段エンジン LE-7A 第2段エンジン LE-5B 第2段液体酸素タンク 第2段液体水素タンク 24 H-II ロケットの飛行履歴 (1/4) 静止衛星を打上げる場合のロケットの軌道 25 H-II ロケットの飛行履歴 (2/4) 高度履歴 26 H-II ロケットの飛行履歴 (3/4) 速度履歴 27 H-II ロケットの飛行履歴 (4/4) [ton] 質量履歴 28 H-IIロケットの構成; 製造区分 29 ロケットシステムの構成; 機能による区分 30 ロケットシステムの構成; 地上設備を含めて ・ロケットは、 機体に搭載する機器を減らして軽量化するために、 機能の一部を地上設備として有する。 ・ロケットの設計にあたっては、全体を考えたシステムとしての設計 が必要。 31