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TOKYO DISCOVERY(都市型観光プログラム) 第 7
TOKYO DISCOVERY(都市型観光プログラム) 第 7 回「東京のまちを歩こう・巡ろう・楽しもう!」報告書 【開催日】 平成26年11月14日(金) 1.概要と目的 平成26年11月14日(金)、TOKYO DISCOVERY(都市型観光プログラム)「東京のまちを歩こう・巡ろう・楽し もう!~まちあるき×観光タクシー×ミニクルーズ~」を開催した。本事業は、平成22年度から開始したもので、 従来のように著名な観光施設を巡る観光から、身近にある、地域に根差した街並みや商店街・町工場などに着 目し、視点を変えたり、そこに案内を加える事で新たな魅力を創出する新しいスタイルの都市型観光プログラム です。このようなツアーを定期的に開催し、将来的に内外から観光客を東京に呼び込むことを目的としている。 今回は、学生ガイドによるまち歩き、東京観光タクシー認定ドライバーによる観光タクシー、舟運観光と、各地 域が持つ観光資源を組み合わせた広域にわたる都市型観光を企画した。 なお、まち歩きでは、平成24年に続いて産学連携事業として、跡見学園女子大学の篠原ゼミの学生がガイド 役をつとめた。 【視察先】 1. 学生ガイドによるまち歩き(文京区樋口一葉ゆかりの地) ・一葉桜木の宿、法真寺 ・金魚坂 ・炭団坂 ・樋口一葉旧居跡 ・旧伊勢屋質店 2. 東京観光タクシー認定ドライバーによるタクシー観光 ・浅草 ~ 東京スカイツリー ~ 江戸東京博物館 ~両国 3. 舟運観光 ・両国 ~ 勝鬨橋 ~ レインボーブリッジ ~ お台場 ~ 天王洲アイル 【参加者】 一般会員 25名(参加費5,000円) 国交省関東運輸局 2名 跡見学園女子大学 教授・職員 2名 事務局 6名 以上、35名にて催行 【運営体制】 旅行企画:東京商工会議所・跡見学園女子大学 旅行実施:株式会社JTBコーポレートセールス 後援:国土交通省関東運輸局、(公財)東京観光財団 1 2.内容 I. 学生ガイドによるまち歩き ~樋口一葉ゆかりの地~ 東大赤門前に集合し、A 班、B 班、C 班と3班に分けてまち歩きを実施(順序が異なるだけで、内容は同 一)。最初に学生から挨拶、記念撮影を行い、まち歩きを開始した。 (1)一葉桜木の宿~法真寺 樋口一葉が4歳から9歳まで5年間、家族全員で住んでいた場所。現在は駐車場になっている。当時の間 取りなど紙芝居を使って紹介。住居の隣にあったのが法真寺。一葉の「ゆく雲」という作品に法真寺の仏像 が登場している事を紹介。 (2)金魚坂 金魚坂とは坂の名前ではなく、喫茶店の名前。併設されている金魚問屋は、350年以上の歴史があり、い けすには40種類、約5万匹の金魚いると紹介。 (3)炭団坂(たどんさか)~樋口一葉旧居 炭団(たどん)とは、炭の粉末にふのりを加えて練り乾燥させた燃料のこと。この坂の上に住んでいる人と 下に住んでいる人では、身分の差があったといわれ、上には夏目漱石、正岡子規、下には宮沢賢治が住 んでいた。一葉は、18歳からこの坂の下に住みはじめ母と妹を養いながら小説家として生きていく決意を し、後に恋をした相手と言われる半井桃水(なからいとうすい)先生の指導を受け、処女作「闇桜」を執筆し たと紹介。 2 (4)旧伊勢屋質店 一葉が晩年生活に困窮した際に通ったとされる伊勢屋質店。一葉が夏には冬物を預け、冬には夏物を 預けることから「一葉のクローゼット」とも言われている。この蔵は1982年に廃業したものの創業当時のまま 奇跡的に保存がされていると紹介。 II. 東京観光タクシー認定ドライバーによる観光タクシー 観光タクシーとは、ドライバーが運転のみならず観光案内をしながら見学地を回るというもので、平成24 年に東京観光振興の一環として、「東京観光タクシー推進協議会」が設置され「東京観光タクシードライバ ー認定制度」が創設された。東京シティガイド検定を取得、ユニバーサルドライバー研修、及び東京観光タ クシー認定ドライバー制度研修を修了した一定レベル以上のドライバーが観光案内をする。 今回は、5社5台のタクシーを利用。5班に分かれて、文京区春日から浅草、東京スカイツリー、江戸東京 博物館などの東京下町を車窓から観光した。 III.舟運観光 2020年東京五輪決定を契機として、東京の水辺空間に改めて注目が集まる今、江戸の歴史と近代的 風景が交差する東京の舟運は古くて新しい観光コンテンツとして魅力的で、日本人のみならず訪日外国人 にも人気が高まっている。 今回は、東京水辺ラインの水上バス「さくら」を貸切利用。両国桟橋から隅田川を下り2020年五輪予定 地となる晴海やお台場などの湾岸エリアを遊覧しながら天王洲アイルまでの航路で、定期の航路には無 く、今回の視察会のために特別に設定した。 また、舟運の魅力を水辺の景色に加えて、船内でも満喫していただけるようにタリーズコーヒージャパン の協力のもとコーヒーを提供する船カフェを実施した。 船内のガイドは、まち歩きに続いて、跡見学園女子大学の学生が行い、案内だけでなく、歌やお菓子な どで参加者をもてなした。 3 全行程は以上であり、船内で最後に学生からの挨拶があった後、解散とした。 3.参加者からの意見 実施後のアンケートでは、ツアーの満足度を聞いた設問では、 「満足:60.0%」、 「ほぼ満足:33.0%」 となるなど、全体的に満足度の高い内容であったことが伺えるものとなっている。参加の動機として は「まち歩きが好き」 「見学先の地区に興味があった」という意見が多く、東京に住んでいても一度も 訪れたことがないなど、普段行くことのない地域の解説を聞きながら観光することに満足を得られた ものと思われる。 ただ、残念ながら東京観光タクシー認定ドライバーによる観光タクシーは、会社によって評価が分 かれ、期待とのギャップを埋める事が、今後の発展につながると思われる。 具体的に寄せられた意見は以下の通り。 <良かった点> ・学生の企画、こころのこもったおもてなしが良かった。 ・学生ガイドの解説が一生懸命で丁寧だった。 ・学生ガイドの説明資料(イラスト、紙芝居)が、分かりやすくとても良かった。 ・特に史跡もなく普通の街並みを案内するのは、難しかったと思うが、よく研究されてまとまっていた。 ・タクシードライバーの知識の広さ、完璧さ、大変丁寧な案内に驚いた。(1、2号車) ・船内での温かいコーヒー、クッキー、和菓子のサービスが良かった ・船内でのサプライズイベントに感動した。 <課題点> ・学生ガイドは、まち歩きだけで良いのではないか?学生との関わり方も考えて欲しい。 ・学生ガイドの負担が大きくそこに頼る面がみられたが、色々な角度から考え、各地で実施して欲しい。 ・認定ドライバーが、独りよがりな話し方であった。(3号車) 4 ・認定ドライバーの案内がスマートすぎて、物足りなかった。(4号車) ・観光タクシーの解説が物足りない。場所にまつわる文学や古典などの由来を話して欲しかった。(4号車) ・船内ではもっと、自由に動いて景色を見たかった。 ・クルーズは、説明に合わせてスポットにもっと寄るとかスピードを落とすなど配慮が欲しかった。 <今後の希望訪問先> ・日本橋エリアのまち歩き、日本橋川の遊覧 ・谷中、根津、千駄木 ・江戸、明治、大正、昭和の頑張った日本人の足跡 ・江戸時代の地図を頼りに今を歩く ・下町の昭和が残る地域のまち歩き ・銀座 ・都内の観光名所以外の歴史的に隠れた名所など ・電車での途中下車の旅 ・旧五街道に現存する商店街 ・都内の地下施設めぐり ・明治神宮、浜離宮、後楽園、六義園、清澄公園などの公園と周辺の現代施設 4.(参考)アンケート結果 アンケートの集計グラフは以下の通り。(18 社参加、回答 14 社 回答率 77%) 参加の動機(複数選択) 観光タクシーの感想 ツアー全体の感想 クルーズの感想 学生ガイドによるまち歩きの感想 旅行代金について 以上 5