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児童文学研究者・鳥越信 年譜

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児童文学研究者・鳥越信 年譜
 児童文学研究者
児童文学研究者・
児童文学研究者・鳥越信 鳥越信 年譜
1929
12月4日 兵庫県神戸市に誕生
旧制姫路高校を卒業
1950
早稲田大学第一文学部国文科に編入
早大童話会で活動。 早大童話会とは1925年創立の小川未明、坪田譲治、浜田広介を顧問とする児童文化研究サークル。
会誌は『童苑』(1935年1号-1953年18号、20周年記念号【大阪府立中央図書館国際児童文学館所蔵】【国立国会図書館館内閲覧のマイクロフィルム資料】。
『童話界』(機関紙か?1939年6月2号~1947年4月復刊号)【大阪府立中央図書館国際児童文学館所蔵】【国立国会図書館館内閲覧のマイクロフィルム資料】。
1953
雑誌『日本児童文学』1980年3月号「「少年文学」の旗の下に!」を寄稿。古田足日と「少年文学宣言」を発表。
早大童話会会誌『童苑』を『少年文学』に改名。
岩波書店編集部(児童書部門担当)に就職。
1954
古田足日・神宮輝夫・山中恒らと児童文学研究誌(のち児童文学運動誌)『小さい仲間』創刊。
(1954年7月第1号~1958年6月第32号) (『小さい仲間会報』も存在。1956年~1957年)【大阪府立中央図書館国際児童文学館所蔵・当館所蔵なし】
1957
岩波書店を退社。
東京学芸大学非常勤講師となる。
1960
早稲田大学教育学部講師となる。
“早大童話会”サークルを“少年文学会”に改名。(2006年に“早稲田文芸会”に改名。現在まで続く。)
1962
『児童文学入門』を出版。
≪日本児童文学学会≫設立にかかわる。常任理事。
1963
『日本児童文学案内』を出版。
1964
『児童文学への招待』を出版。
1965
『児童文学と文学教育』を出版。
1966
早稲田大学教育学部助教授のち教授(教授就任の年は不明)。
『3歳から6歳までの絵本と童話』 (森久保仙太郎と共著)を出版。
『日本文学史研究Ⅰ』を出版。
1967
1971
1973
『子どもの本の百年史』(尾崎秀樹らと共著)を出版。
『児童文学の世界』 を出版。
1975
『日本児童文学史年表1』 を出版。
1976
『日本文学史研究Ⅱ』を出版。
『新編・児童文学への招待』を出版。
『日本児童文学史研究』で日本児童文学学会賞、第16回日本児童文学者協会賞を受賞。
1977
『日本児童文学史年表2』 を出版。
第1回日本児童文学学会賞、毎日出版文化特別賞を受賞。
1978
早稲田大学を退職。
『戦後児童文学への証言 第一部・第二部』 を出版。
1979
「鳥越コレクション」と呼ばれた約12万冊の児童書・研究書を大阪府に寄贈。
1982
『校定新美南吉全集』 で第5回日本児童文学学会賞、赤い鳥文学特別賞を受賞。
1984
5月5日、1979年に大阪府に寄贈した「鳥越コレクション」をもとに、児童文学の専門図書館として大阪国際児童文学館が開館。鳥越はその総括専門員となる。
1990
『子どもが選んだ子どもの本』 を出版。
7月、大阪国際児童文学館を退職。
聖和大学大学院教授となる。
国際グリム賞受賞。
※国際グリム賞とは、児童文学の振興を目的とした、世界における児童文学の研究者に贈られる賞。1986年(グリム兄弟の弟ヴィルヘルム・グリム生誕200年の年)に創設。大阪府立大手前高等学校創立100周年記念事
業として同校同窓会金蘭会と大阪国際児童文学館との共済事業。
1991
1993
『日本児童文学大事典』 を出版。
2005
2008
3月、聖和大学を定年退職。
中京女子大学子ども文化研究所客員教授に就任。
2月、大阪府知事・橋下徹(当時)は、大阪府の厳しい財政再建問題の中で、国際児童文学館が所蔵する約70万点の図書資料を確実に保存・活用し、府民利用の向上と子どもの読書振興を図るためには、児童文学館を
大阪府立中央図書館に移転することが適切と判断し、発表。【産経新聞2009年2月27日付、朝日新聞2008年2月16日付朝刊】
大阪府の橋下徹知事は20日、見直しを進める府立27施設のうち、吹田市千里万博公園の国際児童文学館を視察し、「同じような機能の所に統合した方がいい」と話し、府立中央図書館(東大阪市)や中之島図書館(大
阪市)などと集約化していく方向を示唆した。 同館は84年に開館。子どもの本や資料70万点を所蔵し、子どもが本に親しむための支援・研究などの活動をしている。視察後、橋下知事は「通常の図書館となぜ分離してい
るのかわからない。児童文学を子どもに広める機能は必要。例えば府立図書館に入るとしても、そこで特徴を出せばいい」と話した。蔵書の保管などハード面の課題については「いい案はないか知恵を借りたい」とした。
向川幹雄館長は視察後、資料のうち50万点が文学発展に貢献するとして寄贈を受けたものと説明し、「文学館だからこそ寄贈が受けられる。統合されたら受けられない」と話した。 【Asahi.com2008年3月20日20時31分】
財団法人大阪国際児童文学館は統廃合案に反対を表明。
宮崎駿やあさのあつこらが連名で存続要望書を大阪府教育委員会に提出。【朝日新聞2008年4月18日付夕刊】
井上ひさし、古田足日、天野祐吉、椎名誠、香山リカらが連名で存続要望書を大阪府庁に提出。【朝日新聞2008年5月16日付夕刊】
4月10日、日本マンガ学会、「大阪国際児童文学館の存続をもとめる要望書」を発表。【http://www.hico.jp/manga.htm閲覧】
6月、国際児童文学館に対し、「貴重な資料となるマンガや児童書の収集と、こども文化の総合的研究などの四半世紀に及ぶ活動」が評価され、朝日新聞社が主宰する「手塚治虫文化賞特別賞」が授与される。
2008年1月~2009年2月の橋本知事当選後の大阪府立図書館と国際児童文学館の動きはこちらを参照。
大阪国際児童文学館と大阪府立図書館を考える集い実行委員会【http://www.fusyokuro.gr.jp/tosyo_tudoi/tsudoi_shiryo.pdf】
2009
橋下及び教育委員会の方針に対し、府議会では大阪府立国際児童文学館条例廃止を賛成多数で可決をした。
【大阪府議会ホームページ平成21年2月定例会議案審議結果 議案番号130 大阪府立国際児童文学館条例廃止の件 参照】
大阪府立国際児童文学館(同府吹田市)に本や資料を寄贈した人たちが、同館の廃止条例案を2月議会に提出した府に返還を求めている問題で、橋下徹知事は25日、「お返しするのも大きな解決
策」と報道陣に述べ、返還に前向きな姿勢を示した。同館の蔵書70万冊のうち50万冊は寄贈分。鳥越信さんは「資料が散逸するのは本意ではない」としつつ、「1万人近くいる個人の寄贈者全
員が返還を求めることで、移転のための予算審議を凍結させたい」と語った。(抜粋) 【Asahi.com2009年2月25日付】
3月16日、鳥越信を含む29名が寄贈資料約1,200点の返還を求め、大阪地裁に提訴。【朝日新聞2009年3月11日付朝刊】
12月27日、大阪府立国際児童文学館閉鎖。
2011
8月26日、2009年3月16日の提訴の判決が下る。棄却。【朝日新聞2011年8月27日】
2013
2月14日、老衰のため死去。83歳。【Asahi.com 2013年2月15日11時11分】
参考文献
『日本児童文学大事典 第1巻』大阪国際児童文学館/編 大日本図書 1993.10
『児童文学者人名事典 日本人編・下巻』中西 敏夫/編 出版文化研究会 1999.3 『児童文学事典』日本児童文学学会/編 東京書籍, 1988.4
『現代日本児童文学作家事典』 日本児童文学者協会/編 教育出版センター 1991.10
早稲田大学文学部・早稲田大学図書館・早稲田大学メディアネットワークセンターによるサイト(1991年図書館主催の「早稲田と文学の一世紀」展の図録を電子化したサイト)
⇒http://merlot.wul.waseda.ac.jp/sobun/index.htm “早稲田と児童文学”のページに前川康雄が“早稲田の児童文学”を書いている。【2013.5.19閲覧】 一般財団法人大阪国際児童文学館のサイト ⇒http://www.iiclo.or.jp/ 【2013.5.19閲覧】
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