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Page 1 第13巻第2号 (1962) 125 暖地ビートの飼料的特性に関する研究
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
125
第13巻第2号(1962)
暖地ビートの飼料的特性に関する研究
Ⅳ ビート茎葉サイレージの消化率及び泌乳的価値について
中 広 義 雄,一・ 色
泰
Ⅰ 緒
ピー†茎栗ほ根部収穫の副産物である関係から,その収穫時期の幅ほ狭く,通常⊥腰班収穫せられる場合が多い
従ってこれを家畜の飼料に利用する場合貯蔵の必要が起こることに暖地では収穫後良く放置.すると変質も早いと考
えられるので,短期間内に給与される分のみを残し他ほ早目に貯蔵の手段な講じることが望ましい欧米の・−・部では
ど−・ト茎柴の乾燥も行なわれているが,多汁賀であるこの種の資源をしかも大嵐に乾燥物として.仕上げることは,少
なくともわが国の現状でほ困難である.サイレ−・ジは水分含嵐の多い膏刈物の巌も効果的な貯蔵方法であり,これに
ょり大屋を一汁時に処理することも可能であるが,一面詰込み後の磁酵期間中の利用は不可能となるために,たぶんに
サンマーサイレ−ジ的な利用方法をとらざるをえなくなるのはやむをえないしかし含有栄養成分の損失を最少限度
に押える意味では,新鮮物に次いです−ぐれており,特に泌乳飼料としては.多汁督を維持することによる生産効果は大
きく,その上ビL−ト茎共に.多く含まれている篠酸を無毒化する効用も見のがすことができない.
大原ら(1)はピ−ト茎柴サイレ−汐が産乳に効果的で,乳質においては無機慮形分,蛋白質の合嵐を多くする傾向が
あり,体重のる%給与時の乳鼠が放も成紡がよく,過嵐を給与した場合では家畜の一・般的状態に恵嘉多轡を与えないと
報望した小 また坪内ら(2)はピー・ト茎薬サイレ−・汐の貯蔵中に起こる成分の損失を原因別に検討を行なって∴おり,三浦
(3)は乳酸菌添加によるピ−ト茎酪サイレ−汐を調製して乳牛に給与し,その一般成分ならびに揮発性塩基態Nなどの
分析を行なった結果を発表している
著者らは暖地産ピートの飼料的特性に関する検討を行な/つてきたが(4 ̄7),今回はど−ト茎葉を原料としてサイレー
ジを調製し,その可消化成分ならびに泌乳的価値につき試験を行なったので,ここにその療果を報告する
Ⅱ ビート茎葉サイレージの調製
本試験に用いたピート茎菓ほ,既報(∂)に準じた要領によって栽培されたものを・昭和弘年5月2日に収穫したもの
である.収樅後約1昼夜の問屋内に薄く広げて少し乾燥させた後,415cm程度に切断し,る5Dkgの材料せ径1・bmx高
さ1udmの小型サイロに詰込み,よく踏みつけてからピニ−ルでおおい,さらにその上には押し板を載せdOkgの重し
をおいで調製した
以上の様にし・て作られたものを占月7日以降に取り出して調査したが,製品は緑色を帯びた黄褐色を呈し,トゥモ
ロコレサイレージに近い芳香のある轍酵臭があり,乳牛はいずれも1−2回の給与後はよく好んで食べた
材料として使用したど−ト茎共ならびにこれから作られたサイレー汐の一腰成分はTablelの通りであったい た
だし,ビート茎葉は収楼後屋内に搬入されるまでに数時間を要しており,その間におよそ2−4%程度の水分減鼠が
あったものと認められるが,ここで示した個は屋内搬入直後のものであって,央の新鮮茎葉に対するそれではない
ゆえに翌日の詰込みの直前にほ75−78%程度まで水分は減つていたものと推定された
Tablel.Chemicalcomposition of the beet tops andits si1age(%).
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香川大学農学部学術報告
126
Ⅱ ビート茎葉サイレージの消化率
1.試 験 方 法
成緬羊2頭を使用して消化率の査定を行なったが,これら供試動物の参考事項はTable2の通りである
Table2.Memorundam of the experimentalanimals
Breed l
Sex
IAge
試験期間は昭和56年6月5日から
Live weight
(kg)
Sheep(No.1)
〝 (No.2)
月18日に至る問でこれを次の様に分け
た
8(CaStrated)
55け40
芸験頴昭和ぉ年る月5日−9日
〝( 〝 )
58小20
太試験期
る月10日−1占日
捕食期
る月17日−18日
供試動物はコンクリート際上におかれた鉄製の艦に収容し,尻に内部ビニール外部木綿製の受糞袋をつけて1日2
回採糞し,その%遠を採取して\風乾後分析匿供した一
また,試験期の糞の限界を定めるために,本試験期の前Et及び末日の夜の2回にわたり,LENKI王IT法によるFuch・・
Sin Diamondで染色調製せられた牧嘩粉末を,Noい150g,No2 20gを給与したい
給飼は朝,夕の2回とし,1日当りNo.12,400g,Noい2 2,000gを給与したが,1時間後に残食鼠を計って採食
嵐を決めた
2.試 験 結 果
Table5.Amounts of the eaten feed and excreted
feces of each of the sheep during the
experimental period.
供試期間中2頭共に比較的よく採食した.すな
わち予備期の始めでは残食鼠もやや多かったが,
5日目からは食嵐もはぼ安定した‖ しかしNo.2
は2,400g,Nく)−.1では2,000gを−・応の限界とし
てそれ以上は食わないことがわかったので,予備
期の後半以後はこの鼠を1日当りの給与嵐にし
たそれでもNo.1個体の方が食違のlヨ変化の大
きいことが冒だつが,この種の飼料としては普通
の採食塩といえる
本試験期間中におけるど−ト茎葉サイレー汐の
採食塩なら、びに排糞邑はTable5に示した通り
であったい 次いで両試験動物の風乾糞の分析潜果
はTable4の様であり,これらの数字をもとに
してピ−卜茎共サイレージの消化率を算定した結
果はTable5の通りである
Table4.Chemicalcomposition of theair dried feces(%).
Moisture
Crude
pIOtein
CrudefatlNFEIcrudefibrelcrudeashITrueprotein
㌃ ピート茎葉サイレージの可溶化成分及びデンプン価
前記の平均消化率から仝可消化成分(TDN)及びデンプン価(SV)を算出するとTable6の様になったなおデ
ンプン価の算定は組織維合単による補正を行なって決めたい この表からど−ト茎柴サイレージのTDN14l12,SV
12・85それぞれ%であることがわかり,PerenialRye Grass,Italian Rye Grass,Orchard Grassなどの様な艮貿の
禾本科牧草の責刈物に匹敵する.また先に行なった新鮮物の可消化成分とも著しく大きな差はないから,ビ−ト茎共
をサイレージ化することに伴う成分の損失は,適切なる取り扱いがあれば比較的少ないものと考えられた‖
サイレ−汐製造Illの較酵分解によって起る益分の損失は,低温法による場合可消化蛋白質0−2D%,SV20−25%
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罪13巻第2号(1962)
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Table5り Digestibility of the beet tops silage.
Averagedigestibjlity(%)
79‖51l82・40l7d・58l
58.151 8占.51
77“11l58・81
Table6.Digestible nutrients and starch value ofthe beet tops silage(%)”
に達するとの報告がある(8).しかし飼料の種頬や製造方法によってほ,醸酵分解による養分の損失が消化率の向上と
ある程度相殺される場合もあるので山概にはいえない.
本試験でど、−ト茎葉をサイレージに製造することに伴う成分の損失が比較的少なかったのほ,その成分を構成する
糖がすみやかに乳酸を生成して,養分の分解を押え/たことによるものと考えられるが,これ紅は.予備乾燥により水分
を80%以下に下げて,汁液の損失を少なからしめたことも大きな原因の一つとなったことが想像できる.
ビート茎葉中に粗蛋白質含量の多いことは既に指摘して:きたが,ここでも国内産に関するどの報告よりも高くなつ
ており,可消化粗蛋白質でおよそ2倍近くにな.っていることは注目に催するい これまで5回にわたる試験に用いたど
−・ト茎葉ほ,いずれも生産条件の中土地条件が異なっているので,仝可消化成分が高い水準紅あることと共に暖地産
ビートに共通する特徴ではないかと考えられる.
細菌による蛋白質の−・部分解があるためアマイド鼠が多くなることは,サイレー・汐−・般に認められており,材料の
種類及びその時の醗酵の状態によってその割合は異なるが,その場悔はおよそ5−50%であるといわれている.いま
本試験の場合についてみると,総合窒素物中に占める純蛋白貿の割合は,新鮮物では70%,サイレージで55%近.くで
あるから,蛋白儲からアマイドへの移行はその差である15%相当であることがわかるが,それによって最終的にほ純
蛋白率(含窒素物中の割合)は半ば近くまで低下することになったしかし新鮮物における租蛋白質の消化率が,サ
イレ−ジになること紅よってそれ程向上したとほ認められないので,ビート茎葉の場合サイレ−ジ製造工程中に起こ
る蛋白質の分解は,おもに消化管内で起こりうる範囲内の変化に止まるものと推測せられる‖ このことは、サイレー
ジにおいて純蛋白質の消化率が粕蛋白質のそれよりも相当低くなっており,しかも両者の羞ほ新鮮物の場合よりもさ
らに大きくなっていることによって袈づけられる.またこれら分解紅よって生じたアマイドは,再び蛋白質の合成に
役立つ種々のアミノ酸であると考えられるから,反すう家畜に給与するに際してほ蛋白質と区分して取扱う必要ほな
かろう‖
以上の結果を通じてその可消化成分は,全体的にみると新鮮物と大差ない昂的水準を維持したままサイレージ化す
ることができたものと判断された.
Ⅳ ピート茎葉サイレー・ジの乳牛飼養試験
ビ・−ト茎葉サイレ−汐を夏季中に給与する場合,その泌乳的価値を同時期に生産された責刈トゥモロコy(乳熟期)
のもつそれに比較させて検討を行なった.
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香川大学曲学部学術報普
1..試 験 方 法
本試験に用いた泌乳牛ほ,香川大学農学部附属
虚場に飼養するホルスタイン種5頭で,これら供
rable7 Memorundam of the experimentalcows
Agel Parturitionaldate
試年の参考事項を示すとTable7の通りであっ
Parturitional
Stage
た
試験期間は昭和5占年る月29日から7月28日に至
る50日間で,これを5期に分ら1試験期をそれぞ
れ10日間とし,各本試験期7日,予備期5日をと
り,本試験の結果について検討を・行なった
試験期間中の飼料はTable8の様な配合で給与し,水は自由に飲ませた.第1期及び第5期を対照期とし,粗飼
料の−・部として育刈トゥモロコレ(乳熱期)を給与したが,比校試験期である第2期では,苗刈トゥモロコレのかわ
り紅同畏のど−ト茎葉サイレー・ジを給与し,他の飼料の配合給与鼠ほ禾魔堰した。これら給与飼料の組成ほTable9
Table8。Feed consumptionin each experimentalperiod
Table9.Chemicalcomposition ofthe feed(%).
lMoisture㍑霊JC;ごFe
籠慧l慧e
’*This concentrated wasmiⅩed by followlng COmpOSition.
Wheat bran 55.55%
Smashed barley 15小56%
Barley bran 26.67%
Soy bean mea1 22.22%
の通りであるが,ビ−ト茎葉サイレ−汐の他は別に行なった試験の結果を示した.また飼養標準の辞定にほHANSSON
の基準を準用(維持飼料のTDNを体重1000kg当り7、20kgとした)したが,これに各期の給与固形分,可消化粗
蛋白質及び仝可消化養分を対照させて,その過不足見な算出するとTablelO‖の通りになった.
搾乳方法,泌乳鼠の計:景,乳脂率の検定及び1日平均乳脂率の算出は既報く6)の通りに行なった.
2い 試験結果及び考察
試験期間中に生産された乳量ならびに乳脂率の変化を図示すると,Figl“の様であった.まず乳量でほ,全体的に
みると各乳牛共になだらかな下降線をたどっており,乳坑の日別変化も大きくない これは試験の行なわれた時期が
既に梅雨期を過ぎて気温も高く,乳牛によってほ快適な気候条件でほなかったが,第5期の末期を除けば耐え難いま
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第13巻第2号(1962)
TablelO.Amount of the nutrient fedto the cowsin each experimentalpeIiod
Body weight −
457.5kg
Milk production per day M 7..8kg
5い60%
iMilk fat content -Amo11nt Of dry
matter(kg)
1st and5rd peIiod
2nd peIiod
lstand5rdperjod
(
2ndperiod(
p工・Otein(g)
For maintenance of body
FoImilk pIOduction
Total
Rice straw
Concentrated fodder
Soiling coIn
Beet tops silage
Total
Surplus and deficiency
Total
Surplus and deficiency
∴∵∴−﹁︰
All period
Digestible crude
∵
Feeding standaId
Total digestible
nutrients(kg)
での宕さには至らず,牛舎の構造が開放的で通風のよか
r
︵祝︶
つ﹀
ながら高いのではないかと想像されるが日だつ程の増加
とは思われない
次に乳脂率は5頭共に1,・5期に比べて2期が高く,
これほ.明らかにど−ト茎柴サイレ−汐給与によるものと
判断される,すなわら乳脂率の日別変化ほ乳盟のそれよ
⊂︶
による乳鼠は,苛×Uトゥモロコレ給与時に比べてわずか
0
4
かがわれる.この結果からど−ト茎共サイレージの給与
︸亡む︸已0〇 一d†ふ〓呵コ
対して,第2期のそれはたぶんに直線状に近いことがう
のp一望; ︰三明ヨ
と,第1期及び第5期の乳鼠がやや下降線状にあるのに
︵耽ら
一・つと考えられる,しかし各期ごとに分けで比べてみる
l
ったこともあって一応泌乳のための限界条件内にあった
ことによるものと考えられるまた乳期上の点から最高
乳鼠湖を過ぎて乳畳の安定期に入っていたことも原因の
嶋l■ ■■ ■ ■ ■I■・
pate T
11
ItI
Fig..1.Changesin themilkyields andmilk▼fat
content of the cows during each experi・
mentalperiod.
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
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香川大学農学部学術報舎
りも大きいが,第1期から滞2期に入ると共に急上昇し,第5期では再び第1期の水準紅までもどっていることは,
乳脂率に対してピート茎共サイレー汐の給与がプラス要因となることを裏づけるものといえよう.ただNo..1におい
て繋5期の後半の乳脂率の高まりに.対して多少の疑問がいだかれるところがこの個体のみは妊娠年で占カ月を経過
しており,試験終了後の乳量が急に落調な早めている反面,乳脂率は滞る期の終りの頃の最高水準を持続したので,
妊娠と夏季の暑熱による影響が重なり合って第5期禾に乳鼠減少,乳脂率上昇となってあらわれたものと解釈され
る.これらのことは他の2頑の泌乳状態が試験終了後も大した変化をみせて−いないことによって推定づけられる
次に各試験期間中の乳鼠′ 乳脂生産品及び乳脂率をTablellでみると,乳嵐でほ第1期が最も高くで第2期は節
1期と第5期の中間にあるが・No‖5個 Tablell..Yieldsofthemilkandmilkl・fat,andmilk−fat
COntentin each experimentalperiod
体だけは第5期の鼠に近い関係にある
これらの事実からど一斗茎葉サイレー汐
の給与によってNo.1,No“2ほ泌乳鼠に
はとんど変動がなく,No5では多少乳
鼠の減少して−いることがうかがわれる
−Lカ乳脂率でほいずれの乳牛も第2期
に高いことが目だっており,第1期と節
5期は近似値にあるので,常2期の乳脂
率の高いのはビート茎葉サイレージ給与
による影響と思われるこのため罪2期
の乳脂生産鼠ほ,第1期の近くまで高め
られており,ことにNo.2個体でほ乳毘
の少なかった第2期において,かえって
第1期よりも高い結果を生じている
ここで第1期と第5期の背刈トクモロ
Table12.Increment and decrement of the expected yields of themi1k andmi】k”fat
during experimental period
Milk yields(kg)
+D巾87
+1る5
+0.57
+る‖48
−2‖58
%
−2..55
+ +
〝
5,547
5,295
+54
+ +
十027
1口118
Increment and decrement
2,710
2,545
+1.る4
5 5 0 ノ0
%
981.占0
Increment and decrement
〝
−1‖88
%
−0.84
7,895
7,590
+505
+5.99
+ +
2nd peIiod Expected for2nd period
221.20
225.08
5 5 0 ﹂﹁ 5 5
Total
5
Increment and decrement
〝
2rld per・iod Expected for2nd period
No.5・
+4.79
2nd peIiod Expected for2nd period
74.00
73 73
78朗14拓砧4521肝5925145157401700
+0.42
+
1,85る
1,752
84
0
48りる0
48…18
+
2 nd period
Expected for 2nd period
IncIement and decrement
ノケ
5
No.2
Milk・iat content(%)
5
No.1
Milk・fat yields(g)
コシ給与期の平均の泌乳]乱 乳脂生産鼠及び乳脂率を算出して第2期の期待生産鼠とみなし,これと罪2期の実測値
を比較すると(Table12),泌乳鼠ではNo.1042kg,No20、27kgの増加に対しNo5は2.58kgだけ低下したか
nU
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第13巻滞2号(1962)
らNo1+087;No…2寸−0・57,No5−2.55それぞれ%の増減となるが,全体の平均では0..84%の低下(単純平均
は0い44%の低下)となっているに.過ぎないそれから乳脂率はNo..10…14,Noけ20.21,No.50‖14各%いずれも高
くなって−おり,その増加率はNo・1585,No.2る09,Noい54。51それぞれ%,全体の平均増加率は5%(単純平均
は4い75%)となってその増加率はかなり大きい.従って乳脂生産量は5頭共に男2期の実測値の方が高く,その増加
率はNo・・1479,No・2占・48,No.51.朗の各%を示し,結局全体の平均では599%(単純平均でほ4..50%)だけ増
加したことになる
以上の結果から考えられることは,胃刈トゥモロコレを比較対照としたど−ト茎葉サイレー・汐の給与に伴う泌乳
盈,乳脂率上への影響は,トウモロコシサイレー汐対ビ−・ト茎葉給与の場合とは逆の方向に伐らく傾向の強いことで
ある.すなわち,ピート茎其の給与ほトゥモロコレサイレ−汐給与の場合よりも泌乳愚で9い95%増加した反面,乳脂
率は4・弱%だけ低下しており,乳脂率の低下を伴いつつ泌乳を鼠的に促進する効果の大きいことが認められたが,新
鮮物対サイレー汐の関係を逆に.した本試験の結果では,泌乳鼠の減少はきわめて少ないけれども乳脂率ほかなりの幅
で増加していることが特徴として挙げられる前述の様紅サイレ−・ジとして加工されることにより,可消化成分の上
では大きな損失はみられなかったので,この場合直接的な栄養以外の因子によって.泌乳鼠や乳脂率がある程度の影響
を受けて・いる感がするが,サイレージ給与期に対する苛嘩給与期の泌乳鼠,乳脂率は大差がないとの報皆もあるの
で,前記の結果を憤ちに青草対サイレージの劇般的な比較として即断することはできない
牛乳生産の持続性という観点から泌乳能力に応じた可消化成分の給与さるべきことほもちろんであるが,それぞれ
の飼料のもつ泌乳促進性は仙・様ではなく,含有する栄養成分と必ずしも高い相関関係にあるとはいい難い(ごく短期
的にみた場合).このことは同一・の飼料費源であっても,その形態を変えることによってノ起こる泌乳鼠及び乳脂率上
への影響が異なることから証明できょう
いずれに・してもピ−ト茎葉サイレー汐は,泌乳二鼠に対しては背刈トゥモロコレと同一偲皮の価値をもつものとみな
され,乳脂率をかなり高める効果のあることがわかった 従ってビート茎葉及びそのサイレー汐の給与を科学的に取
扱わんとすれば,乳誌と乳脂率のいずれにより期待をもつかによって価値判断は異ってくるが,これは個体の乳脂率
の水準や生産年乳の取引条件によ′つて−も変わってくるし,サイレージの主眼がその貯蔵性にあることからみれは,新
鮮物,サイレージほ二者択一Lの関係にはないから,むしろそれぞれの飼料的特性を明らかにし,目的によって使い分
けていくことがより重要と考えられる近接する生産者間でその収穫期をずらせることにより交換調整を行ない,新
鮮物に近い形で使うことが可能であれば,それが最上の方法といえるであろ・う
Ⅴ 摘
要
ビート茎柴サイレージの消化率ならびに泌乳的価値を明らかにするため,5月2日に収穫し約1昼夜室内に広げて
放置した後,小型サイロに詰込んで調製せられた試料を綿羊,泌乳牛にそれぞれ給ぢして動物試験を行なったとこ
ろ,次のことがわかった
(1)締羊による消化率査定の結果は,平均消化率として粗蛋白質7る.58,粗脂肪58.15,可溶醸窒素物8占巾51,組
織維77・・11各%を示し,既に報告した新鮮茎葉のそれと大差ない水準に・ある.これらの数字から可消化成分及びデン
プン価を算出すると粗蛋白貿2・・19,柑脂肪D51,可溶無窒素物9い45,組織維180,TDN14.12,SV12.85それぞ
れ%となるから,良質の禾本科牧草に.相当する栄養価侶をもつものと認められた
(2)泌乳牛に給与してその泌乳鼠乳脂率を調べ,宵刈トゥモロコレ給与時のそれに比較した結乳 5頑平均で泌
乳二級は0い84%の低下となって:はとんど変わりなかったが,乳脂率は5%だけ高くなったので,結局乳脂生産嵐5.甲%
の増加となった
これらの結果から,ビート茎葉をサイレー汐とすることによって,泌乳鼠は再刈トクモロコシとはぼ同じ水準を維
持し,新鮮物給与時とは逆に乳脂率を高める効果の大きいことが明らかになった
引 用 文 献
tl)大原久友他‥日畜会粗52(別一別,54(19dl)
(5)−−‥仝上,12,1占(19朗)
(2)坪内戒三伯:仝上52(別号),別(19る1)
(3)三浦弘之:仝上る2(別号),55(19る1)
(6)鵬
(7)¶
(4)中広義雄他‥香川大農学粗11,認(1959)
(8)岩田久敬:飼料学総論,551,凍京,養質蓋(1949)
:仝上,12,25(19る0)
‥仝上,15,2る(19占1)
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香川大学農学部学術報告
132
Studies on the foddering property of beets pIoduced in the waIm country
Ⅳ On the digestibilityandJmilk producing value of the beet tops silage
Yoshio NAKAIiIRO and YutakaIssHIKI
Summary Toinvestigate the digestibility and milk producing value of beettopssilage,feedingexperi−
ments were conducted on sheep and milking cows,and theiollowing res111ts were obtained
Harvested on the2nd of March and spread outin a room for about24hours,the beet tops were p【e
seIV占din a smallsized silo
(1)The digestibility of the′beet tops silagefed tosheepr:The average digestibilityindicated7658%
in crudeprotein,5815%in cIude fat,86.51%innitrogen・free extract and77。‖%incrude fibre”This
rate of digestion was about the same as that of fresh beet tops,mentioned previously
CalculatingfIOmthe abovedata,digestible nutrients and starch value of the beet tops silage show畠d
2・I19%incrudeprotein,0,51%incrudefat,9.45%innitrogen”freeextract,180%incrudefibre,14u12%
intotaldigestible nutrients and12..85%in starch value.This was considered equivalent to the nutIitive
Value containedin grasses ofgood quality
(2)The yields ofmilk and milk・fat,and the milk・fat content ofbeettops silage fedto milking cows:
CompaIedwithsoilingcorn(milkrjpe),beet tops silageislower by O.84%inmi1k yields,butits milk・
fat contentis greater by5.OD%nIn shoItthe milk・Lfat yields exhibited anincreaseof51汚%
TherefoIe the followlng COnClusions were reached:
Turnedinto silage,the beet tops are equalto soiling corn(mi1kripe)in the milk yields,and supeIior
in milk fat content to fresh beets tops
(Received October51,1961)
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