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平成28年度安全登山普及指導者中央研修会(第2回)

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平成28年度安全登山普及指導者中央研修会(第2回)
安全な登山をするために! ~安全登山普及指導者中央研修会より~
国立登山研修所
11 月 4 日(金)~6 日(日)の日程で、安全登山普及指導者中央研修会を開催しました。
この研修会は、年間 2 回開催しているうちの 2 回目です。
今回、全国から一般山岳会所属者、大学生山岳関係部員、高等学校等の教員など合わせ
て 32 名(登はん技術コース 21 名、読図・プランニングコース 11 名)の研修生が参加し、
「登はん技術研修コース」
「読図・プランニング研修コース」の 2 コース、7 班に分かれ、
それぞれのコースに応じた内容を学びました。
【安全登山普及指導者中央研修会】
◆目
的:登山者の指導的立場にある人を対象として、チームの実力に合った安全な登山を実践できる
知識と技術の習得を目指す。
◆日 時:平成 28 年 11 月 4 日(金)~6 日(日)
◆場 所:国立登山研修所及び周辺山域
◆参加者:32 名
◆講 師:国立登山研修所講師 16 名
<主任>北村憲彦(春日井山岳会)
<副主任>杉坂
勉(JAGU)
※以下 50 音順
上田幸雄(チーム・ブランカ) 大西
大森
亘(岐阜県警察山岳警備隊)
浩(信濃高等学校教職員山岳会)
奥田仁一(大阪山の会)
恩田真砂美(日本山岳ガイド協会) 加藤直之(日本バックカントリースキーガイド協会)
河合芳尚(豊川山岳会)
小林
亘(春日井山岳会)
瀬木紀彦(飛騨山岳会)
河竹康之(クライミングメイトクラブ)
笹倉孝昭(日本プロガイド協会)
高野由美子(同人コスモス)
谷山宏典(明治大学山岳部炉辺会)
三戸呂拓也(明治大学山岳部炉辺会)
<登山研修所と紅葉が進む周辺の山
11 月 5 日早朝撮影>
研修会は、登はん、読図に関する座学に加え、ロープや登はん器具の扱い方、地図の読
み方やコンパスの使い方などの基礎的な内容から、大辻山や雑穀谷という周辺山域での実
地研修による応用的な内容まで、安全登山に関する様々な知識と技術の習得を目指して行
われました。
<研修生が持参した装備品の確認>
<屋外ロッククライミング訓練施設での研修>
<屋内スポーツクライミング人工壁での研修(懸垂下降)>
<地図とコンパスの使い方の研修>
<地図を使った山行ルートの確認>
<翌日の山行へ向けてのミーティング>
また、登はん技術コースにおいては、登山研修所所有の特殊な装置を使い、クライマー
の確保体験も行いました。クライマーが高所から墜落したことを想定して約 60kg の錘を
高さ約 6m から落とし、そのときビレイヤーに掛かる衝撃力を体験するというものです。
衝撃力を測定し数値化できる装置も使い、データの収集も行いました。このデータは、安
全な登はんに関する今後の検証にも役立てていく予定です。
読図・プランニングコースにおいては、概念図の作成についても研修を行いました。概
念図作成の作業は登山の前に行う準備であり、「初めての山域であれば、その作業をするこ
と自体が、目的の山やコースをより理解することになる」(瀬木紀彦講師)と言われます。
研修生は、概念図作成に必要な準備物から完成までの手順を詳しく学びました。
<約 60kg の錘の確保体験(写真中央が錘)>
<地形図(左)から写し取った概念図(右)瀬木講師作>
研修会の成果や今後の課題について、研修生の自己評価表からいくつか抜粋しました。
・ロープをきれいに結ぶなど細かいことに対しても手を抜かないでしっかり行うことが安
全の基礎だということを身にしみて感じた。
・道具の正しい使用をしなければ、危険に直結し、結び目一つの扱いでクライミングシス
テムが無意味になることを実感した。
・登山の準備に対する考えの甘さや読図等による事前のコース予測や危険予測などの事前
の準備が足りていないということを実感した。
・これまで、読図の知識もなく生徒の引率の為にただ登山行動をしていたこともあり、こ
の場で一からその基礎と実際の行動を通じての読図実践ができたことは、今後の指導に
おいて十分に生かしていけることである。
・屋内での研修に加え、外にも練習できる場所があって、本当に充実した研修を受けるこ
とができる施設だと思った。
・グループ内での意見交換、ディスカッションも活発に行われ、考える機会を幾度も得る
ことができた。
今後、更なる自己研鑽に励んでいただき、より多くの登山者や登山を始めようとする人
に、学んだ知識や技術を伝達してもらいたいと願っています。
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